第93回天皇杯全日本サッカー選手権大会(だい93かい てんのうはいぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2013年8月31日から2014年1月1日に開催された天皇杯全日本サッカー選手権大会である。
決勝戦が開催された国立霞ヶ丘競技場陸上競技場。 同競技場の使用は本大会が最後となった。 | |
開催国 | 日本 |
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開催期間 | 2013年8月31日-2014年1月1日 |
参加チーム数 | 88 |
優勝 | 横浜F・マリノス |
準優勝 | サンフレッチェ広島 |
ACL2014出場 | 横浜F・マリノス[注 1] |
試合総数 | 87 |
2014 → |
横浜F・マリノスが21年ぶり7度目の優勝を果たした。
概要
2013年5月20日に大会要項が発表された[1]。出場チームは前回大会と同じで88チーム。出場チームの配分構成も前回大会と同じになった。4回戦以降の組み合わせを再抽選するのも同様で、今大会は1回戦-3回戦の組み合わせ抽選の模様(一部)の動画も日本サッカー協会のWebサイトで公開された。なお、3回戦は、組み合わせが先に決められ、試合開始時間・会場については2回戦終了後の2013年9月12日に発表された[2]。また、準々決勝以降の試合開始時間・会場についても4回戦終了後の2013年11月21日に発表された[3]。
優勝チームにはAFCチャンピオンズリーグ2014(ACL)への出場権が与えられるが、優勝した横浜F・マリノスがJ1で2位となりACL出場権を得ていたため(横浜FMは天皇杯勝者としてACL出場)、J1で4位となったセレッソ大阪が繰り上げでACL出場権を獲得した[4]。
前回大会に引き続き、JFA公認マスコットの「(はにー&どぐー)」が“応援マスコット(見習い)”として起用されている[5]。
なお、決勝が開催された国立霞ヶ丘競技場陸上競技場が2014年5月に閉鎖されたため、国立霞ヶ丘陸上競技場を天皇杯で使用するのは本大会が最後となった。また、次回大会の決勝は2014年12月13日に開催され、第48回大会から続いた「国立での元日決勝」は、本年で一旦区切りを付ける形となった(次々回大会より再び元旦決勝となる)。
日程
日程については4回戦以外は前回大会とほぼ同じで、4回戦の日程が約1ヶ月前倒しになって2回戦から準々決勝まで、ほぼ中1ヶ月ずつとなった。
元日に決勝戦が行われるようになって初めて8月開幕となった。近年は予備日を極力回避する傾向があったが、2・3回戦が2013Jリーグヤマザキナビスコカップ準決勝と、4回戦がJ2第41節およびJFL第33節と近接することから、2回戦から4回戦[注 2] までのすべてで予備日が設定された。
4回戦以降の組み合わせについては、前年に続きベスト16が出そろった段階で「ラウンド16抽選会」を行った(後述)。
出場チーム
以下の「出場回数」についてはJFAの公式記録に基づくが、基本的には「前身となるチーム(クラブ化前の実業団チーム、など)からの通算回数」としている。ただし、一部に例外もある。
J1リーグ
2013年のJリーグ ディビジョン1参加の全18チーム。
J2リーグ
2013年のJリーグ ディビジョン2参加の全22チーム。
JFL
第15回日本フットボールリーグの第17節終了時点での上位1チーム。
チーム | 出場回数 |
---|---|
カマタマーレ讃岐 | 9年連続15回目 |
都道府県代表
都道府県予選を勝ち抜いた都道府県1チームずつの全47チーム。
都道府県 | チーム | 所属リーグ | 出場回数 |
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北海道 | 北海道教育大学岩見沢校 | 北海道学生1部 | 2年ぶり 2回目 |
青森県 | ヴァンラーレ八戸 | 東北1部 | 2年連続 3回目 |
岩手県 | グルージャ盛岡 | 東北1部 | 6年連続 7回目 |
宮城県 | ソニー仙台FC | JFL | 8年連続16回目 |
秋田県 | ブラウブリッツ秋田 | JFL | 12年連続20回目 |
山形県 | 羽黒高校 | (U-18山形県)1部 | 9年ぶり 2回目 |
福島県 | 福島ユナイテッドFC | JFL | 6年連続 6回目 |
茨城県 | 筑波大学 | 関東大学1部 | 3年連続27回目 |
栃木県 | 栃木ウーヴァFC | JFL | 2年ぶり 5回目 |
群馬県 | ザスパ草津チャレンジャーズ | 群馬県3部 | 初出場 |
埼玉県 | 東京国際大学 | 埼玉県大学1部 | 3年ぶり 2回目 |
千葉県 | 浦安SC | 関東2部 | 初出場 |
東京都 | 横河武蔵野FC | JFL | 2年連続 4回目 |
神奈川県 | 桐蔭横浜大学 | 関東大学1部 | 初出場 |
山梨県 | 山梨学院大学ペガサス | 山梨県SL | 初出場 |
長野県 | AC長野パルセイロ | JFL | 2年連続 3回目 |
新潟県 | 新潟経営大学 | (北信越大学)1部 | 2年連続 3回目 |
富山県 | 富山新庄クラブ | 北信越1部 | 4年連続 4回目 |
石川県 | ツエーゲン金沢 | JFL | 7年連続10回目 |
福井県 | サウルコス福井 | 北信越1部 | 2年連続 5回目 |
静岡県 | 藤枝MYFC | JFL | 初出場[備考 5] |
愛知県 | トヨタ蹴球団 | 東海1部 | 初出場 |
三重県 | マインドハウス四日市 | 三重県1部 | 12年ぶり | 6回目
岐阜県 | FC岐阜SECOND | 東海1部 | 6年連続 6回目 |
滋賀県 | MIOびわこ滋賀 | JFL | 3年ぶり 3回目 |
京都府 | 佐川印刷SC | JFL | 2年ぶり 9回目 |
大阪府 | 関西大学 | 関西学生1部 | 2年連続15回目 |
兵庫県 | 関西学院大学 | 関西学生1部 | 2年連続22回目 |
奈良県 | 奈良クラブ | 関西1部 | 5年連続 5回目 |
和歌山県 | アルテリーヴォ和歌山 | 関西1部 | 5年連続 5回目 |
鳥取県 | 米子北高校 | U-18中国 | 4年連続 4回目 |
島根県 | デッツォーラ島根 | 中国 | 2年ぶり 8回目 |
岡山県 | ファジアーノ岡山ネクスト | 中国 | 3年連続 3回目 |
広島県 | 佐川急便中国 | 中国 | 3年ぶり 3回目 |
山口県 | レノファ山口FC | 中国 | 2年ぶり11回目 |
香川県 | 高松商業高校 | (U-18四国) | 初出場 |
徳島県 | 鳴門高校 | (U-18徳島県)1部 | 初出場 |
愛媛県 | FC今治 | 四国 | 5年連続 5回目 |
高知県 | 高知大学 | (四国大学)1部 | 11年連続18回目 |
福岡県 | 福岡大学 | (九州大学)1部 | 3年連続28回目 |
佐賀県 | 佐賀大学 | 九州大学1部 | 2年連続 6回目 |
長崎県 | 三菱重工長崎 | 九州 | 5年ぶり 7回目 |
熊本県 | 熊本学園大学 | 九州大学2部 | 4年ぶり 2回目 |
大分県 | HOYO大分 | JFL | 4年連続 4回目 |
宮崎県 | 宮崎産業経営大学 | 九州大学1部 | 3年連続 4回目 |
鹿児島県 | 鹿屋体育大学 | 九州大学1部 | 3年ぶり10回目 |
沖縄県 | FC琉球 | JFL | 4年連続 7回目 |
- 出場回数に関する備考
- ^ 合併前の(日産自動車サッカー部→)横浜マリノスからの通算回数であり、吸収合併した横浜フリューゲルスの出場回数(13回)を含まない。
- ^ 鳥栖フューチャーズ(5回)の出場回数を含む(なお、鳥栖と鳥栖Fの間には組織としての連続性はない。当該項参照)。
- ^ 前身であるアローズ北陸(10回出場)とYKK APサッカー部(11回出場)の出場回数はいずれも含まない。
- ^ 前身の三菱化成黒崎サッカー部の出場回数(4回)を含まない。
- ^ 前身の静岡FC(2回出場)の出場回数は含まない。
試合結果
1回戦
2013年9月1日 No.1 | 佐川急便中国 | 1 - 4 | 福岡大学 | 福山市竹ヶ端運動公園陸上競技場 |
15:30 | 河上健司 5分 | 公式記録 | 薗田卓馬 12分, 31分, 53分, 76分 | 観客数: 761人 主審: 清水修平 |
2013年8月31日 No.2 | FC琉球 | 2 - 1 ((延長)) | デッツォーラ島根 | 沖縄県総合運動公園陸上競技場 |
15:00 | 中山悟志 80分, 95分 | 公式記録 | (隅田航) 67分 | 観客数: 682人 主審: 篠藤巧 |
2013年9月1日 No.4 | 鹿屋体育大学 | 0 - 1 | 高知大学 | 鹿児島県立鴨池陸上競技場 |
13:40 | 公式記録 | 渡部亮武 57分 | 観客数: 336人 主審: 鶴岡将樹 |
2013年9月1日 No.5 | アルテリーヴォ和歌山 | 2 - 3 ((延長)) | 藤枝MYFC | 桃源郷運動公園陸上競技場 |
13:00 |
| 公式記録 | 観客数: 491人 主審: 西山貴生 |
2013年9月1日 No.7 | ヴァンラーレ八戸 | 1 - 0 | 桐蔭横浜大学 | 十和田市高森山総合運動公園球技場 |
13:00 | 吉岡弘樹 43分 | 公式記録 | 観客数: 840人 主審: 日比野真 |
2013年9月1日 No.8 | 米子北高校 | 0 - 2 | ファジアーノ岡山ネクスト | とりぎんバードスタジアム |
13:00 | 公式記録 | 飯田涼 49分* 竹内翼 72分 | 観客数: 559人 主審: 荒木友輔 |
2013年9月1日 No.9 | 熊本学園大学 | 1 - 9 | FC今治 | うまかな・よかなスタジアム |
13:02 | 古屋宏亮 40分 | 公式記録 | 観客数: 508人 主審: 見付和昭 |
2013年8月31日 No.10 | 鳴門高校 | 0 - 2 | 佐賀大学 | 鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム |
13:00 | 公式記録 |
| 観客数: 360人 主審: 熊谷幸剛 |
2013年8月31日 No.11 | サウルコス福井 | 1 - 0 | 宮崎産業経営大学 | (テクノポート福井スタジアム) |
15:00 | 井筒庄吾 85分 | 公式記録 | 観客数: 1,012人 主審: 正木篤志 |
2013年9月1日 No.13 | ブラウブリッツ秋田 | 2 - 0 | レノファ山口FC | 秋田市八橋運動公園陸上競技場 |
13:00 | 公式記録 | 観客数: 1,053人 主審: 上村篤史 |
2013年8月31日 No.14 | マインドハウス四日市 | 0 - 1 | 新潟経営大学 | (三重県営鈴鹿スポーツガーデンサッカー・ラグビー場メイングラウンド) |
13:01 | 公式記録 | 田中僚 22分 | 観客数: 338人 主審: 大坪博和 |
2013年9月1日[※ 1] No.15 | 三菱重工長崎 | 1 - 2 | HOYO大分 | 長崎県立総合運動公園陸上競技場 |
16:00 | (幸野屋敏行) 23分 | 公式記録 | 観客数: 400人 主審: 林可人 |
2013年8月31日 No.16 | AC長野パルセイロ | 4 - 1 | トヨタ蹴球団 | 佐久総合運動公園陸上競技場 |
公式記録 | 蓮尾和也 72分 | 観客数: 1,384人 主審: 今村亮一 |
2013年9月1日 No.18 | ザスパ草津チャレンジャーズ | 0 - 3 ((延長)) | 横河武蔵野FC | 群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場 |
13:00 | 公式記録 | 観客数: 710人 主審: 塚田智宏 |
2013年8月31日 No.19 | 栃木ウーヴァFC | 2 - 1 | 東京国際大学 | 栃木県グリーンスタジアム |
13:00 |
| 公式記録 | 高橋明嗣 54分 | 観客数: 551人 主審: 佐藤誠和 |
2013年9月1日 No.20 | FC岐阜SECOND | 1 - 2 | 関西大学 | 岐阜メモリアルセンター長良川球技メドウ |
緑悟 69分 | 公式記録 |
| 観客数: 603人 主審: 眞鍋久大 |
2013年9月1日 No.21 | 奈良クラブ | 3 - 2 ((延長)) | 関西学院大学 | 奈良県立橿原公苑陸上競技場 |
13:01 | 公式記録 | 観客数: 670人 主審: 金次雄之介 |
2013年8月31日 No.22 | 筑波大学 | 4 - 1 ((延長)) | 浦安SC | 笠松運動公園陸上競技場 |
15:00 | 公式記録 | 清水康也 36分 | 観客数: 847人 主審: 藤田和也 |
2013年8月31日 No.24 | 佐川印刷SC | 2 - 0 | MIOびわこ滋賀 | 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 |
15:00 | 公式記録 | 観客数: 274人 主審: 宮部範久 |
2回戦
2013年9月8日 No.27 | 湘南ベルマーレ | 4 - 0 | FC琉球 | Shonan BMW スタジアム平塚 |
13:00 | 公式記録 | 観客数: 1,808人 主審: 松尾一 |
2013年9月7日 No.31 | 清水エスパルス | 2 - 0 | 藤枝MYFC | IAIスタジアム日本平 |
15:00 | 公式記録 | 観客数: 5,215人 主審: 前田拓哉 |
2013年9月7日 No.35 | 大宮アルディージャ | 4 - 0 | ファジアーノ岡山ネクスト | NACK5スタジアム大宮 |
13:03 | 公式記録 | 観客数: 2,051人 主審: 井上知大 |
2013年9月7日 No.37 | 松本山雅FC | 4 - 3 ((延長)) | ザスパクサツ群馬 | 松本平広域公園総合球技場 |
16:00 | 公式記録 |
| 観客数: 5,045人 主審: 吉田哲朗 |
2013年9月7日 No.41 | ベガルタ仙台 | 3 - 0 | ブラウブリッツ秋田 | ユアテックスタジアム仙台 |
15:04 | 公式記録 | 観客数: 3,377人 主審: 今村義朗 |
2013年9月8日 No.45 | 名古屋グランパス | 0 - 2 | AC長野パルセイロ | 名古屋市港サッカー場 |
15:00 | 公式記録 | 観客数: 3,134人 主審: 山本雄大 |
2013年9月8日 No.52 | ヴィッセル神戸 | 3 - 1 | 奈良クラブ | 三木総合防災公園陸上競技場 |
13:00 | 公式記録 | 岡山一成 90分 | 観客数: 2,766人 主審: 岡宏道 |
2013年9月8日 No.54 | ファジアーノ岡山 | 2 - 1 | FC岐阜 | kankoスタジアム |
14:00 | 公式記録 | 染矢一樹 54分 | 観客数: 2,833人 主審: 篠藤巧 |
2013年9月7日 No.55 | 鹿島アントラーズ | 3 - 0 | ソニー仙台FC | 県立カシマサッカースタジアム |
17:04 | 公式記録 | 観客数: 3,194人 主審: 村上伸次 |
3回戦
2013年10月14日 No.57 | サンフレッチェ広島 | 2 - 0 | ロアッソ熊本 | エディオンスタジアム広島 |
15:01 | 公式記録 | 観客数: 5,876人 主審: 福島孝一郎 |
4回戦
4回戦の抽選は2013年10月20日に日本サッカー協会ビル(JFAハウス)にて行われた。抽選では、チームに対してトーナメントポジションを抽選した前年とは逆に、トーナメントポジションに対してチームを抽選して当てはめていく方法がとられた。具体的には以下の方法で抽選が行われた。
- 16チームをすべて同じポットに入れる。前年と異なりチームと開催会場の紐付けは行わない。
- 前半は、対戦カード順(No.73→No.77→No.74→No.78→…の順)に8チームを抽選し、選ばれた柏・長野・C大阪・川崎・清水・大宮・鹿島・甲府の8チームのトーナメントポジションを決定。この8チームに対しては、4回戦のホーム開催優先権が与えられた。
- 後半は、前半と同じ順番で、上述の8チームの対戦相手をポットの残りの8チームから抽選し、対戦カードを決定。
- 抽選会の後、調整を行って試合開催日と会場を確定させる。この過程で、ホームスタジアムの都合などでホーム開催優先権を持つにも関わらずアウェー開催(長野 - 横浜FM、ホームとアウェーも入れ替えて横浜FMのホームとして開催)または中立地開催(柏 - 大分、甲府 - 札幌)となったカードもあった。
ドロワーはNHKサッカー中継解説者でもある加茂周、木村和司、福西崇史の3人[11]、立会人として日本サッカー協会会長の大仁邦彌ら。
抽選会の模様はNHK BS1で生中継され、会場から徳永悠平・高橋秀人(FC東京)[12]、NHKのスタジオゲストとして大谷秀和(柏レイソル)と解説の早野宏史[13]、また4回戦に都道府県代表として唯一勝ち残ったAC長野パルセイロの宇野沢祐次・諏訪雄大[14] が中継にて出演した。
準々決勝
準決勝
決勝
国立競技場最後の決勝を戦うことになったのは、Jリーグ発足後4度の準決勝敗退のジンクスを破り、Jリーグ発足直前の第72回大会以来21年ぶりの決勝進出を果たした横浜F・マリノス[15] と、Jリーグ発足後6年ぶり5度目となる決勝進出を果たし、前身の東洋工業時代の第49回大会以来44年ぶりの天皇杯優勝と、リーグとの2冠を目指すサンフレッチェ広島の2チーム。2013年のJ1で最後まで優勝を争った2チームの直接対決となった(リーグ戦の上位2チームが天皇杯を争うのはJリーグ発足後初)。また、準決勝終了時点で、横浜FMの天皇杯枠でのAFCチャンピオンズリーグ2014 (ACL2014) 出場[注 5]と、2013年のJ1・4位のセレッソ大阪のACL2014出場が確定した[4]。
試合は前半17分、横浜FMのDF小林祐三が右サイドをドリブルで持ち上がり、一度は相手がはじくものの、FW端戸仁がこぼれ球を拾い中央のMF兵藤慎剛へパス、さらにこれをMF齋藤学につないで齋藤が右足でボレーシュート、これが決まって横浜FMが先制する。さらに21分には横浜FMのMF中村俊輔のコーナーキックからMF中町公祐がシュート、広島GK西川周作が一旦ははじき返すものの、これを詰めた横浜FMのDF中澤佑二が頭でたたき込み追加点を挙げ、試合を優位に進める。
広島は持ち前のパスワークで横浜陣内に幾度も攻め入るが、横浜の堅い守りに阻まれて決定機をなかなか作れず、終盤には共に19歳の野津田岳人・浅野拓磨を同時投入して戦局打開を図るがこれも功を奏せずそのまま試合終了。横浜FMがリーグ戦の雪辱を果たし、21年ぶり7回目、Jリーグ発足後としては初の優勝を果たした。一方広島はこれで天皇杯決勝は東洋工業時代を含めて8連敗(Jリーグ発足後だけでも5連敗)となり、ジンクスを破ることが出来なかった。