第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会(だい95かい てんのうはいぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2015年8月29日から2016年1月1日まで開催された天皇杯全日本サッカー選手権大会。
開催国 | 日本 |
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開催期間 | 2015年8月29日-2016年1月1日 |
参加チーム数 | 88 |
優勝 | ガンバ大阪 |
準優勝 | 浦和レッズ |
ACL2016出場 | ガンバ大阪[注 1] |
試合総数 | 87 |
← 2014 2016-17 → |
ガンバ大阪が2大会連続5回目の優勝を果たした。
概要
2014年11月13日に開催された日本サッカー協会 (JFA) 理事会においてレギュレーションが正式決定した[1]。参加チームは前回第94回大会までと同じ88チームであるが、開催規程が一部変更され、レギュレーションに複数の大きな変更があった。2015年7月2日に大会実施概要が公表された[2]。
- 参加資格を「(第1種加盟登録チーム)」に限定し、第2種加盟登録チーム (いわゆる「ユース世代」)の参加が不可能になった[3]。これについて、日本サッカー協会は「高円宮杯U-18プレミアリーグなどと日程が重複し、ユース世代の日程が過密になるため」と説明している[4][5]。
- AFCチャンピオンズリーグ2015 (ACL) に出場する4チーム (=ガンバ大阪・浦和レッズ・鹿島アントラーズ・柏レイソル)は4回戦シードとする (新たに設定)。ただし、当該チームがACLの準々決勝に進出出来なかった場合は当該シード権を喪失し、天皇杯実施委員会にて当該シードを選出する。
- その後、ACL準々決勝に進出したG大阪と柏の2チームが4回戦シードとなりグループリーグを敗退した浦和と鹿島のシード権が失効した上で、Jリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝進出かつJ1リーグ・1stステージの上位2チームである浦和レッズ・FC東京がJリーグ側から推薦されてシードとして承認された[2][6]。
- 2015年のJ1チームについては、2014年シーズンから所属しACLに出場しない11チームと、前年のJ2・1位 (=湘南ベルマーレ)は2回戦シード、前年のJ2・2位 (=松本山雅FC)とJ1昇格プレーオフ勝者 (=モンテディオ山形)は1回戦から出場する (前年までは2回戦シード)。
- 2015年のJ2チームについては、全チーム1回戦からの出場とする (前年までは2回戦シード)。
- J1・J2勢及び都道府県代表以外の1回戦シードチームは、第17回JFLファーストステージ優勝チームとする (前々年までのJFLシード枠復活)。
- 5位 (ベスト8)にも強化費 (賞金)を授与する (前年まではベスト4以上)
日本サッカー後援会創立40年を記念し、この回から優勝チームには後援会が記念事業として寄贈した、「JFA杯」が贈られる。
決勝については、2016年1月1日に味の素スタジアムで行われることが決まり、2年ぶりの『元日決勝』が復活することになった。決勝会場については、記者会見したJFA専務理事の原博実が「3ヶ所が開催に立候補した。条件を鑑みて味スタに決まった」と説明している[5]。3ヶ所が具体的にどこかは明らかにされていないが、日刊スポーツはJFA関係者の話として「今回は、味スタと吹田市の新しいスタジアムから申請があった」と報じている[7]。原は「 (2016年以降は)新国立競技場が完成するまでは色々なところでやりたい。関西の可能性もある」と言及している[5]。
本大会では、NHKが「テレビ放送の同時配信の試験的な提供 (試験的提供A)」の一環として、決勝戦の模様をNHKスポーツオンライン天皇杯サイトおよびiOS/Android用スマートフォン・タブレット向けアプリ「NHK SPORTS」で総合テレビと同内容の同時無料配信を行った[8] ほか、準決勝以降の3試合については同サイト・アプリで試合中のハイライトシーンを好みのアングルから再生できる「マルチアングルクリップ動画」や試合中のスタッツデータ・走行ランキングなどの「リアルタイム競技データ」を提供している。
本大会ではポスター等に用いるメインビジュアルに、サッカー漫画「GIANT KILLING」 (ツジトモ)の登場人物である(達海猛)を起用している[9]。
日程
日程としては第93回大会に近い形となり、前述の通り2年ぶりに『元日決勝』が復活する。原は「スケジュールについては色々議論している。来年については大幅に変えることはできない」とした上で、「第97回大会 (3年後)以降から大きく変わる可能性がある」と説明しており、第96回大会までは現在の日程が大きく変わらないものの、以後は日程の抜本的見直しがあり得ることを示唆している[5]。
試合 | 開催日 | 参加チーム数変動 | 備考 |
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1回戦 | 8月29日、30日 | 72(2+22+1+47) → 36 | 2014年のJ2リーグ2位以下[† 1]、JFLシード、都道府県代表の参加 |
2回戦 | 9月5日、6日、9日[† 2] | 48(36+12) → 24 | 2014年のJ2リーグ1位以上[† 3] (シードチーム[† 4]除く)の参加 |
3回戦 | 10月10日、11日、14日 | 24 → 12 | |
4回戦 | 11月11日、14日、15日 | 16(12+4) → 8 | J1シードチーム[† 4]の参加 |
準々決勝 | 12月26日 | 8 → 4 | |
準決勝 | 12月29日 | 4 → 2 | |
決勝 | 1月1日 | 2 → 1 |
- ^ 2014年のJ2リーグ2位 (松本山雅FC)、J1昇格プレーオフ勝者 (モンテディオ山形)、および2015年のJ2リーグチーム。
- ^ Jリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝に進出し、シードとなっていないJ1チーム (鹿島アントラーズ・ヴィッセル神戸・名古屋グランパス・アルビレックス新潟の4チーム)の試合、および1回戦に勝利したJ3チームの試合が対象。
- ^ 2014年のJ1リーグ残留チーム (15位以上)および2014年のJ2リーグ1位チーム (湘南ベルマーレ)。
- ^ a b (AFCチャンピオンズリーグ2015準々決勝)に進出したガンバ大阪・柏レイソル、およびJリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝進出かつ(J1リーグ1stステージ)上位チームでJリーグから推薦された浦和レッズ・FC東京[2][6] の4チーム。
出場チーム
以下の「出場回数」についてはJFAの公式記録に基づくが、基本的には「前身となるチーム (クラブ化前の実業団チーム、など)からの通算回数」としている。ただし、一部に例外もある。
J1リーグ
2015年のJ1リーグ所属の全18チーム。
J2リーグ
2015年のJ2リーグ所属の全22チーム。
JFLシードチーム
第17回日本フットボールリーグファーストステージ勝者。
チーム | 出場回数 |
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ヴァンラーレ八戸 | 4年連続5回目 |
都道府県代表
長崎・熊本・大分・鹿児島の4県代表は6月28日[10] に、福岡県代表は7月5日[11] に、島根・広島の2県代表は7月12日[12] に、香川県代表は8月1日[13] に、山梨・徳島・愛媛の3県代表は8月2日[14] に、岡山県代表は8月9日[15] に、沖縄県代表は8月12日[16] に、佐賀・宮崎の2県代表は8月16日[17] に、栃木・千葉・神奈川・愛知・三重・京都の6県代表は8月22日[18] に、それ以外の26都道府県代表は8月23日[19] に決定した。
都道府県 | チーム | 所属リーグ | 出場回数 |
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北海道 | 札幌大学 | 北海道学生1部 | 3年ぶり23回目 |
青森県 | ラインメール青森FC | 東北1部 | 初出場 |
岩手県 | グルージャ盛岡 | J3 | 8年連続 9回目 |
宮城県 | 仙台大学 | 東北大学1部 | 10年ぶり | 2回目
秋田県 | ブラウブリッツ秋田 | J3 | 14年連続22回目 |
山形県 | 山形大学医学部 | 東北大学2部B | 4年ぶり 2回目 |
福島県 | 福島ユナイテッドFC | J3 | 8年連続 8回目 |
茨城県 | 流通経済大学 | 関東大学1部 | 5年ぶり 8回目 |
栃木県 | 栃木ウーヴァFC | JFL | 3年連続 7回目 |
群馬県 | tonan前橋 | 関東1部 | 3年ぶり 3回目 |
埼玉県 | 東京国際大学 | 関東大学2部 | 2年ぶり 3回目 |
千葉県 | 順天堂大学 | 関東大学1部 | 5年ぶり15回目 |
東京都 | FC町田ゼルビア | J3 | 3年ぶり 4回目 |
神奈川県 | 桐蔭横浜大学 | 関東大学1部 | 2年ぶり 2回目 |
山梨県 | 韮崎アストロス | 山梨県SPL | 8年ぶり13回目 |
長野県 | AC長野パルセイロ | J3 | 4年連続 5回目 |
新潟県 | JAPANサッカーカレッジ | 北信越1部 | 2年連続13回目 |
富山県 | 富山新庄クラブ | 北信越1部 | 6年連続 6回目 |
石川県 | 北陸大学 | 北信越大学1部 | 初出場 |
福井県 | サウルコス福井 | 北信越1部 | 4年連続 7回目 |
静岡県 | 藤枝MYFC | J3 | [備考 4] | 3年連続 3回目
愛知県 | FCマルヤス岡崎 | JFL | 12年ぶり | 2回目
三重県 | 四日市大学 | 東海学生1部 | 5年ぶり 5回目 |
岐阜県 | FC岐阜SECOND | 東海1部 | 2年ぶり 7回目 |
滋賀県 | MIOびわこ滋賀 | JFL | 2年ぶり 4回目 |
京都府 | 立命館大学 | 関西学生1部 | 9年ぶり 7回目 |
大阪府 | FC大阪 | JFL | 2年連続 2回目 |
兵庫県 | 関西学院大学 | 関西学生1部 | [備考 5] | 4年連続24回目
奈良県 | 奈良クラブ | JFL | 7年連続 7回目 |
和歌山県 | アルテリーヴォ和歌山 | 関西1部 | 7年連続 7回目 |
鳥取県 | ガイナーレ鳥取 | J3 | 16年連続18回目 |
島根県 | 松江シティFC | 中国 | 3年ぶり 2回目 |
岡山県 | ファジアーノ岡山ネクスト | JFL | 5年連続 5回目 |
広島県 | 広島経済大学 | 中国大学1部 | 4年ぶり 4回目 |
山口県 | レノファ山口FC | J3 | 2年ぶり12回目 |
香川県 | 多度津FC | 四国 | 2年連続 2回目 |
徳島県 | 徳島大学ヒポクラテス | 徳島県2部 | 初出場 |
愛媛県 | FC今治 | 四国 | 7年連続 7回目 |
高知県 | 高知大学 | 四国大学1部 | 13年連続20回目 |
福岡県 | 福岡大学 | 九州大学1部 | 5年連続30回目 |
佐賀県 | 佐賀LIXIL FC | 九州 | 4年ぶり 7回目 |
長崎県 | 三菱重工長崎SC | 九州 | 3年連続 9回目 |
熊本県 | 東海大学熊本 | 九州大学1部 | 初出場 |
大分県 | ヴェルスパ大分 | JFL | 6年連続 6回目 |
宮崎県 | J.FC MIYAZAKI | 九州 | 初出場[備考 6] |
鹿児島県 | 鹿児島ユナイテッドFC | JFL | [備考 7] | 2年連続 2回目
沖縄県 | FC琉球 | J3 | 6年連続 9回目 |
- 出場回数に関する備考
- ^ 日産自動車サッカー部→横浜マリノスからの出場回数を含む。なお、横浜フリューゲルス (1999年に統合)の出場回数 (13回)は含まない。
- ^ 鳥栖フューチャーズの出場回数 (5回)を含む (なお、鳥栖と鳥栖Fには組織としての連続性はない。当該項参照)。
- ^ 前身の三菱化成黒崎サッカー部の出場回数 (4回)を含まない。
- ^ 前身の静岡FC (2回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 関学クラブ (10回出場)および全関学 (4回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 登録上の前々身にあたるプロフェソール宮崎FC→サン宮崎FC(3回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 前身のヴォルカ鹿児島 (6回出場)およびFC KAGOSHIMA (1回出場、別に前身の鹿屋体育大学クラブで1回出場)の出場回数は含まない。
試合結果
1回戦
2015年8月30日 No.12 | 愛媛FC | 1 - 0 | 多度津FC | 松山市 |
19:00 |
| 公式記録 (PDF) | 競技場: ニンジニアスタジアム 観客数: 1,039人 主審: 廣瀬格 |
2015年8月29日 No.18 | ザスパクサツ群馬 | 1 - 2 | FC岐阜SECOND | 前橋市 |
15:00 |
| 公式記録 (PDF) |
| 競技場: 群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場 観客数: 1,008人 主審: 小屋幸栄 |
2015年8月30日 No.22 | 広島経済大学 | 2 - 0 | 徳島大学ヒポクラテス | 広島市 |
16:00 |
| 公式記録 (PDF) | 競技場: 広島広域公園第一球技場 観客数: 344人 主審: 竹長泰彦 |
2015年8月29日 No.30 | 東京ヴェルディ | 5 - 1 | JAPANサッカーカレッジ | 北区 |
18:00 |
| 公式記録 (PDF) |
| 競技場: 味の素フィールド西が丘 観客数: 1,173人 主審: 柿沼亨 |
2015年8月30日 No.34 | AC長野パルセイロ | 1 - 0 | レノファ山口FC | 長野市 |
16:00 |
| 公式記録 (PDF) | 競技場: 南長野運動公園総合球技場 観客数: 2,870人 主審: 松本大 |
2回戦
2015年9月9日 No.52 | ロアッソ熊本 | 1 - 0 | ガイナーレ鳥取 | 熊本市 |
19:00 |
| 公式記録 (PDF) | 競技場: うまかな・よかなスタジアム 観客数: 1,520人 主審: 吉田哲朗 |
- 注釈
3回戦
2015年10月14日 No.68 | サンフレッチェ広島 | 1 - 0 | ロアッソ熊本 | 広島市 |
19:01 |
| 公式記録 (PDF) | 競技場: エディオンスタジアム広島 観客数: 3,179人 主審: 家本政明 |
ラウンド16 (4回戦)
ラウンド16 (4回戦)の抽選は2015年10月22日に日本サッカー協会ビル (JFAハウス)にて行われた[21]。今回の抽選では、これまでと異なりポットを2つ用いる方法で行われた。具体的には以下の方法で抽選が行われた。
- №73ホーム→№73アウェー→№74ホーム→…の順にトーナメントポジションに1から16の番号を割り当て、この番号の書かれたポット (A) を用意する。
- 3回戦勝者の12チーム+シード4チームの計16チームのチーム名の書かれたポット (B) の2つを用意する。
- まずAのポットを抽選し、続いてBのポットを抽選して、その時点でチーム名とトーナメントポジションを紐付ける。
- これを16回繰り返し、トーナメントの組み合わせを決定する。
試合日時・試合会場については抽選会翌日の2015年10月23日に発表された[22]。
ドロワーは日本サッカー協会 (JFA) 副会長の田嶋幸三、JFA専務理事の原博実、元日本代表でNHKサッカー中継解説者の福西崇史の3人。立会人はJFA会長の大仁邦彌、天皇杯実施委員会委員長の佐々木一樹[23]。
なお、今回の抽選会の模様の中継は2年ぶりにNHK BS1で生放送された[23]。中継のゲストは釜本邦茂、解説は宮澤ミシェル、進行役は一橋忠之と宮崎瑠依[24]。番組にはFC町田ゼルビア監督の相馬直樹とゲームキャプテンの平智広がマスコットの「ゼルビー」と共に中継にて出演、また前回優勝のガンバ大阪監督の長谷川健太が電話出演した。
2015年11月14日 No.73 | ヴィッセル神戸 | 1 - 0 | 横浜F・マリノス | 神戸市 |
15:34 |
| 公式記録 (PDF) | 競技場: ノエビアスタジアム神戸 観客数: 5,135人 主審: 松尾一 |
準々決勝
準々決勝以降のマッチスケジュールは2015年11月18日に発表された[25]。
準決勝
決勝
決勝に駒を進めたのは、準決勝で柏に延長で勝利し9大会ぶりの優勝を狙う浦和と、準決勝でリーグ覇者の広島を破り連覇を目指すG大阪の顔合わせ。両者が天皇杯で顔を合わせるのは2010年の第90回大会準々決勝 (G大阪が延長で勝利)以来5大会ぶりで、決勝での対戦は第86回大会 (2007年元日、浦和が勝利)以来9大会ぶり。[26]。浦和とG大阪の両者は2015年シーズン5度目の対決で、ここまでG大阪の3勝1敗[注 2] であった[27]。浦和監督のミハイロ・ペトロヴィッチにとっては、未だ手にしたことのない年間タイトル獲得のチャンスとなる試合であり[28]、一方のG大阪にとっても前年は三冠を達成しながらこのシーズンはナビスコカップ・リーグ戦とも準優勝に終わっており、最後の「1冠」にかける試合となっていた[29]。また、G大阪監督の長谷川健太は現役時代を含めて7度目の元日天皇杯決勝で、過去の戦績は3勝3敗[注 3] ながらも監督となってからは元日の決勝に勝利したことがなく、自身の「元日勝ち越し」を願う試合ともなった[29]。また、この年のJ1リーグの結果によりG大阪のAFCチャンピオンズリーグ2016 (ACL2016) グループステージ進出と浦和のACL2016プレーオフ進出が決まっていたため、勝った方が天皇杯枠での出場権に振り替わり、浦和は天皇杯決勝の結果如何にかかわらずACL2016グループステージ出場に繰り上がって、リーグ戦4位のFC東京がACL2016プレーオフ進出になることが決定した[30]。
この試合には日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチが異例の視察に訪れた[31]。準決勝での負傷でMF柏木陽介を欠く浦和は試合開始早々にDF槙野智章がGK西川周作と接触し右手を負傷 (試合後に20針縫う重症と判明)[32]。一方リーグ戦レギュラーのDF岩下敬輔とMF大森晃太郎を欠くG大阪も12分にDF米倉恒貴が足の負傷でMF井手口陽介と交代を余儀なくされる[33] など、お互いに満身創痍の中での立ち上がりとなった。前半32分、G大阪MF倉田秋がセンターライン付近から浦和DF陣の背後に浮き球を送ると、これにG大阪FWパトリックが反応して抜け出し、右サイドを快足を飛ばしてドリブル。最後は浦和DF森脇良太を振り切って右足でゴールを決め、G大阪が先制する[34]。しかし浦和もその4分後、MF梅崎司が上げたクロスボールを浦和FW李忠成が頭で合わせるも左ポストに嫌われるが、そのこぼれ球を浦和FW興梠慎三が決めて同点に追いつき[35]、前半は1-1で終える。
後半も一進一退の攻防が続く中、迎えた後半8分のコーナーキック。G大阪MF遠藤保仁のキックにファーサイドにいたFWパトリックが浦和DF槙野智章のマークを一瞬の動きで振り切り、ゴール正面でフリーとなって右足で合わせてG大阪が再び勝ち越す[34]。浦和はこの後関根貴大・ズラタン・高木俊幸と攻撃的な選手を立て続けに投入して何とか反撃を試みる[35] が、G大阪は勝ち越し直後に4-4-2にシステムを変えてGK東口順昭を中心に強固なブロックを敷いてこれを守り抜き、G大阪が2-1で連覇を達成した。