羽林家(うりんけ)は、鎌倉時代以降の公家の家格のひとつで、摂家、清華家、大臣家の下、名家と同列、半家の上の序列に位置し、江戸時代の武家官位においては各大名家に与えられる家格に相当する。
概要
近衛少将・中将を兼ね、参議から中納言、最高は大納言まで進むことができる武官の家柄(ただし、個々の家の立場(旧家・新家、内々・外様など)によって昇進の速度や経路に異同がある)。
ごく稀ではあるが、内大臣まで昇進する者もいた。また、代わりに准大臣や従一位を宣下されたり、(本座宣下)を受けた例もある。明治維新後の華族令では子爵や伯爵に叙せられた。
羽林とは「羽の如く速く、林の如く多い」という意で、中国では北辰(北斗星)を守護する星の名称。それが転じて皇帝(天子)を護る宮中の(宿衛)の官名となった。日本では近衛府の別称(唐名)となり、近衛の将を任ずる家、すなわち羽林家となった。
藤原北家閑院流(23家)
詳細は「閑院流」を参照
三条流
- 滋野井家:三条庶流。三条公教の二男実国が祖。旧家。家業は神楽・(有職故実)。
- 阿野家:滋野井庶流。藤原成親の子藤原公佐が滋野井実国の養子になり家を興す。旧家。家業は(神楽)。
- 河鰭家:滋野井庶流。滋野井実国の二男公清が祖。旧家。家業は(神楽)。
- 山本家:阿野庶流。阿野実顕の末男、(勝忠)が祖。新家。
- 姉小路家:三条庶流。三条実房の子公宣を祖とする。一時中絶するが、江戸初期に阿野実顕の三男公景が相続。新家。
- 風早家:姉小路庶流。姉小路公景の次男実種を祖とする。新家。家業は(茶道)。
- 武者小路家:三条西庶流。三条西実条の子(公種)が祖。新家。家業は(歌道)。
- 高松家:武者小路庶流。武者小路実陰の子重季を祖とする。
- 押小路家:三条西庶流。(三条西公勝)の子(公音)が祖。新家。
- 花園家:正親町三条庶流。初代(実久)は正親町三条公兄の孫とされるが、年代的に合わず信じがたい。新家。家業は(琵琶)。
西園寺流
- 清水谷家:西園寺庶流。西園寺公経の子(実有)が祖。旧家。家業は能書・笙・(能楽)・(神楽)の家でもある。
- 四辻家:西園寺庶流。西園寺公経の四男(実藤)が祖。旧家。家業は神楽・和琴・箏。維新後室町家に改名。
- 西四辻家:四辻庶流。(四辻公亨)の子(公碩)が祖。新家。家業は(箏)。
- 橋本家:西園寺庶流。西園寺公相の子西園寺実俊から始まる。
- 梅園家:橋本庶流。橋本実勝の次男実清が分家し創立した。旧家。
- 大宮家:西園寺庶流。西園寺公益の次男季光。新家。
- 小倉家:洞院庶流。洞院実雄の子公雄が祖。旧家。家業は(神楽)。
- 正親町家:洞院庶流。洞院公守の子実明が祖。旧家。家業は箏・(筆道)の家。
- 裏辻家:正親町庶流。(正親町季康)の子(季福)が祖。新家。元は裏築地を称していた。
藤原南家高倉(藪)流・藤原北家四条流
藤原北家花山院流(5家)
詳細は「花山院流」を参照
藤原北家中御門流(9家)
詳細は「中御門流」を参照
- 松木家(中御門家):中御門嫡流(勧修寺流の中御門家とは別)。藤原頼宗の孫(宗俊)が祖として中御門を興す。室町時代以後に姓を松木に改めた。旧家。家業は笙・((楽道))。
- 持明院家:持明院嫡流。藤原頼宗の孫通基が祖。旧家。家業は能書、神楽・(鷹)。
- 園家:持明院庶流。持明院基家三男基氏が祖。旧家。家業は琵琶・(華道・(青山御流)家元)。
- 東園家:園庶流。園基任の二男(基教)が祖。新家。家業は(神楽)。
- (壬生家):園庶流。園基音の末男(葉川基起)が祖。新家。
- 石山家:壬生庶流。葉川基起の子(師香)が祖。新家。家業は(書道)。師香の跡は、その実子である(直宗)と(利香)が相次いで早世し、姉小路公城(改名して(石山基名))が養子となり跡を継いだ。歴代当主は(姉小路家#閑院流)を参照のこと。
- (六角家):園庶流。園基福の四男(波多基維)が祖。新家。家業は(書道)・(神楽)。
- 高野家:持明院庶流。持明院基定の子保春が祖。新家。家業は(神楽)。
- 石野家:持明院庶流。(持明院基時)の子(基顕)が祖。新家。家業は(神楽)。
藤原北家御子左流(4家)
詳細は「御子左家」を参照
藤原北家四条流(7家)
詳細は「四条家」を参照
藤原北家水無瀬流(5家)
詳細は「(水無瀬流)」を参照
藤原北家高倉流(2家)
詳細は「(高倉流)」を参照
宇多源氏(3家)
詳細は「宇多源氏」を参照
村上源氏(8家)
詳細は「村上源氏」を参照