本記事に加筆をする際は出典を忘れないでください。 出典の提示時には記事名のほか配信元・配信日もお願いします。 出来事・予定節には、出典があり内容の検証性がとれるもののみ掲載しています。 |
天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 (てんのうはい JFA だい98かい ぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2018年5月26日から2018年12月9日まで開催された天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会。浦和レッズが12大会ぶり7回目の優勝を果たした。
概要
2017年12月19日に日本サッカー協会 (JFA) からマッチスケジュールと決勝会場、シード枠が発表された[1]。前年度において大きく変更された日程を踏まえているものの、開幕日が5月に繰り下がり、かつ決勝が2014年 (第94回)大会以来4年ぶりに12月開催となった。これは日本代表が出場するAFCアジアカップ2019 (2019年1月5日開幕)の日程に配慮したためである[2][3] (第94回天皇杯にも同様の事例があった)。なお、決勝は2大会連続で埼玉スタジアム (埼玉県さいたま市緑区)で行われる[1]。
これに先立つ2017年11月1日、JFA は同日発表した「JFAブランディング」[4] の一環として「統一的なブランドイメージを構築」するために、2018年4月1日以降、JFA主催の全ての大会名称に "JFA" の文字を加えること[5] を発表しており、天皇杯においては大会名称を『天皇杯 JFA 第◯回全日本サッカー選手権大会』に変更することとしており[5]、マッチスケジュール等のリリースからこの名称が用いられている[1]。
レギュレーション面ではサッカー競技規則の改正等に伴い、2点の大きな変更があった。一つは交代枠に関するもので、これまでの「3人」から「3人+1人」となり、延長戦突入後に4人目の選手交代が認められるようになった。もう一つはPK戦に関するもので、これまでの先攻・後攻が固定された方式から、1本ごとに先攻・後攻が入れ替わる、いわゆる「ABBA方式」が採用されている[6]。
平行して開催されたAFCチャンピオンズリーグ2018 (ACL) と12月に開催されるFIFAクラブワールドカップ2018に合わせる形で日程変更が行われた結果、決勝は例年より1ヶ月近く前倒しての開催となり、かつ決勝当日に開催され、スタジアム周辺がコースに含まれるさいたま国際マラソンによる影響を考慮してナイトゲーム[7] での開催となった。また、テレビ地上波 (NHK総合) での全国中継が1試合も行われない大会となった[注釈 1]。
日程
基本的に2017年12月19日に発表された日程[1]に基づく。前回大会同様、1回戦は土日に、2回戦から準々決勝までは全て平日 (水曜日)に開催される。準決勝以降の日程は準々決勝の結果を踏まえてJFAから発表された日程に基づく。
試合 | 開催日 | 参加チーム数変動 | 備考 |
---|---|---|---|
1回戦 | 5月26、27日 | 48 (1+47) → 24 | アマチュアシード、都道府県代表の参加 |
2回戦 | 6月6日 | 64 (24+18+22) → 32 | J1・J2チームの参加 |
3回戦 | 7月11日 (8月22日[† 1]) | 32 → 16 | |
4回戦 | 8月22日 (9月26日[† 2]) | 16 → 8 | |
準々決勝 | 10月24日 (11月21日[† 3]) | 8 → 4 | |
準決勝 | 12月5日 | 4 → 2 | 当初は12月16日の予定だった[† 4] |
決勝 | 12月9日 | 2 → 1 | 当初は12月24日の予定だった[† 4] |
- ^ 当初から予定されていた予備日ではない。災害の影響で1試合 (サンフレッチェ広島-名古屋グランパス)がこの日に延期された。
- ^ ACL準々決勝に進出した鹿島アントラーズと、ACLの関係で日程変更となったJ1第24節の対戦相手であるジュビロ磐田が勝ち上がった場合に、日程変更となる[9]。
- ^ ACL準決勝に進出した鹿島アントラーズが勝ち上がった場合に、日程変更となる[10]。
- ^ a b ACL決勝に進出した鹿島アントラーズが優勝してFIFAクラブワールドカップ2018に出場が決まり、かつ鹿島が天皇杯準決勝に進出した場合、準決勝と決勝の日程を変更するものとした[11]。結果、鹿島が準決勝に進出したため、日程が変更されることとなった[12]。
出場チーム
以下の「出場回数」についてはJFAの公式記録に基づくが、基本的には「前身となるチーム (クラブ化前の実業団チーム、など)からの通算回数」としている。ただし、一部に例外もある。
J1リーグ
2018年のJ1リーグ所属の全18チーム[1]。
J2リーグ
2018年のJ2リーグ所属の全22チーム[1]。
アマチュアシードチーム
第66回全日本大学サッカー選手権大会優勝チーム[1][13]。
都道府県代表
北海道代表は2017年8月27日[14][15]、香川県代表は2018年3月3日[16]、茨城県代表は2018年4月21日[17] に、岩手・秋田・鳥取・島根・岡山・広島・山口の7県代表は4月22日[18] に、徳島県代表は2018年5月6日[19] に、群馬・埼玉・東京・愛知・京都の1都1府3県代表は5月12日[20] に、残りの31府県代表は2018年5月13日[21] に決定。
|
|
出場回数に関する備考
- ^ 日産自動車サッカー部→横浜マリノスからの出場回数を含む。なお、横浜フリューゲルス (1999年に統合)の出場回数 (13回)は含まない。
- ^ 鳥栖フューチャーズの出場回数 (5回)を含む (なお、鳥栖と鳥栖Fには組織としての連続性はない。当該項参照)。
- ^ 前身である国見FC (1回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 前身の北陸電力/アローズ北陸 (10回出場)およびYKK APサッカー部 (11回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 前身の教育研究社およびFC KYOKEN京都の出場回数 (3回)を含まない。
- ^ 関学クラブ (10回出場)および全関学 (4回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 前身のアイゴッソ高知 (「南国高知FC」として3回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 前身のヴォルカ鹿児島 (6回出場)およびFC KAGOSHIMA (1回出場、別に前身の鹿屋体育大学クラブで1回出場)の出場回数は含まない。
試合結果
ラウンド16 (4回戦)までの対戦カードは2018年3月29日に発表された[22]。以下の方法で抽選が行われた[3]。
- 1回戦は、アウェイで対戦することが決まっている24チームについて、東エリア (北海道・東北・関東+アマチュアシード。8チーム)を第1ポット、中央エリア (北信越・東海・関西。7チーム)を第2ポット、西エリア (中国・四国・九州。9チーム)を第3ポットに分け、第1→第3ポットの順番に抽選を行い、第3ポットで最後に残ったチームを第2ポットに移し、第2ポットを抽選して対戦相手を決定 (これにより、1回戦は原則としてエリア内のチーム同士の対戦となる)。
- 2回戦は、2017年のJ1リーグ18チーム+2017年のJ2リーグ上位6チームの計24チームを上述のエリアごとに3つのポットに分け、各ポットごとに抽選を行って対戦カードを決定。これにより、2回戦も原則としてエリア内のチーム同士の対戦となるが、第1ポットが13チーム、第2ポットが7チーム、第3ポットが4チームと偏りが生じるため、「第2ポットから第3ポットに4チームを移動 → 第1ポットから8チームを抽選 → 第1ポットの残った5チームを第2ポットに移動 → 第2ポットを抽選 → 第3ポットを抽選」の手順で抽選が行われた。
なお、2017年のJ2リーグ7位以下のチームは、あらかじめ対戦カードが決められていた。
1回戦
2018年5月26日 No.1 | いわきFC | 1 - 2 | ソニー仙台FC | いわき市 |
13:00 |
| 公式記録 |
| 競技場: 21世紀の森公園いわきグリーンフィールド 観客数: 2,298人 主審: 竹長泰彦 |
2018年5月27日 No.5 | 福岡大学 | 1 - 0 | FC徳島 | 福岡市 |
13:00 |
| 公式記録 | 競技場: レベルファイブスタジアム 観客数: 501人 主審: (佐々木信哉) |
2018年5月27日 No.7 | ブラウブリッツ秋田 | 0 - 1 | VONDS市原FC | 秋田市 |
13:00 | 公式記録 |
| 競技場: 秋田市八橋運動公園陸上競技場 観客数: 506人 主審: (長田望) |
2018年5月27日 No.8 | 流通経済大学ドラゴンズ龍ヶ崎 | 2 - 0 | 山形大学 | 鹿嶋市 |
13:00 |
| 公式記録 | 競技場: 茨城県立カシマサッカースタジアム 観客数: 468人 主審: 千葉直史 |
2018年5月26日 No.9 | 高知ユナイテッドSC | 2 - 0 | 三菱水島FC | 高知市 |
13:01 |
| 公式記録 | 競技場: 高知県立春野総合運動公園陸上競技場 観客数: 621人 主審: 花川雄一 |
2018年5月27日 No.11 | ザスパクサツ群馬 | 2 - 1 | 駒澤大学 | 前橋市 |
13:04 | 公式記録 |
| 競技場: 群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場 観客数: 1,357人 主審: 塚田智宏 |
2018年5月26日 No.13 | アルテリーヴォ和歌山 | 2 - 3 ((延長)) | Honda FC | 和歌山市 |
13:00 |
| 公式記録 |
| 競技場: 和歌山県紀三井寺公園陸上競技場 観客数: 670人 主審: (川勝彬史) |
2018年5月27日 No.18 | カターレ富山 | 1 - 0 | おこしやす京都AC | 高岡市 |
13:00 |
| 公式記録 | 競技場: 高岡スポーツコア サッカー・ラグビー場 観客数: 1,129人 主審: 大橋侑祐 |
2018年5月26日 No.22 | サウルコス福井 | 2 - 3 ((延長)) | 中京大学 | 坂井市 |
13:00 |
| 公式記録 | 競技場: テクノポート福井スタジアム 観客数: 516人 主審: 道山悟至 |
2018年5月27日 No.23 | NK可児 | 0 - 3 | MIOびわこ滋賀 | 岐阜市 |
13:01 | 公式記録 |
| 競技場: 岐阜メモリアルセンター長良川球技メドウ 観客数: 631人 主審: 山口大輔 |
2回戦
2018年6月6日 No.26 | 水戸ホーリーホック | 2 - 0 | 愛媛FC | 水戸市 |
19:00 |
| 公式記録 | 競技場: ケーズデンキスタジアム水戸 観客数: 898人 主審: 田中玲匡 |
2018年6月6日 No.30 | 徳島ヴォルティス | 1 - 0 | 栃木SC | 鳴門市 |
19:00 | 公式記録 | 競技場: 鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム 観客数: 1,309人 主審: 吉田哲朗 |
2018年6月6日 No.38 | 横浜FC | 2 - 0 | カマタマーレ讃岐 | 丸亀市 |
19:00 | 公式記録 | 競技場: Pikaraスタジアム 観客数: 871人 主審: 上原直人 |
2018年6月6日 No.39 | ベガルタ仙台 | 4 - 0 | ザスパクサツ群馬 | 仙台市 |
19:00 | 公式記録 | 競技場: ユアテックスタジアム仙台 観客数: 2,685人 主審: 西村雄一 |
2018年6月6日 No.40 | 大宮アルディージャ | 1 - 0 | AC長野パルセイロ | さいたま市 |
19:03 |
| 公式記録 | 競技場: NACK5スタジアム大宮 観客数: 1,937人 主審: (大原拳哉) |
2018年6月6日 No.42 | ファジアーノ岡山 | 0 - 1 ((延長)) | FC町田ゼルビア | 岡山市 |
19:00 | 公式記録 |
| 競技場: シティライトスタジアム 観客数: 1,986人 主審: 西山貴生 |
2018年6月6日 No.51 | 清水エスパルス | 1 - 0 | FC今治 | 静岡市 |
19:00 |
| 公式記録 | 競技場: IAIスタジアム日本平 観客数: 2,189人 主審: 家本政明 |
マッチナンバー44の扱い
本大会のマッチナンバー44 (名古屋グランパスvs奈良クラブ)は、延長戦終了時点で1-1であったことからPK戦を実施し、以下の結果により一旦は奈良クラブが3回戦進出と決まった[23]。
この際、奈良クラブの4人目・金久保彩は、助走後にフェイントを入れた[注釈 2]として主審の清水修平から「やり直し」の指示を受けて、2回目のキックでPKを成功させた。しかし、競技規則第14条では「一度助走を完了した後、ボールをけるためにフェイントをしたと判断した場合は、該当選手を警告し、PKは完了する (失敗扱いとする)」と定められており[25]、この時点で名古屋4-2奈良となって名古屋が3回戦に進出していたはずではないか、と試合翌日の6月7日に3級審判員の資格を持つ一般の観戦者[26] から確認の問い合わせがあった[27]。
通常、試合においては「プレーに関する事実についての主審の決定は最終である」とされているが、この場合のPK戦は「3回戦に進出するチームを決するための方式」であり試合の一部ではないこと (試合は記録上「引き分け」扱い)、ならびに手続き上「PK戦のみのやり直し」があり得ることを国際サッカー評議会 (IFAB) に確認した上で、「次ラウンド進出チームの決定に直接影響を及ぼす、担当審判員による明らかな競技規則の適用ミスがあった」との理由により2018年6月11日に日本サッカー協会において臨時の天皇杯実施委員会を開催し、委員会での多数決によりこの試合のPK戦のみやり直すことが発表された[28][29]。やり直しのPK戦は、2018年6月28日に試合会場と同じパロマ瑞穂スタジアムにて入場無料で行われることがJFAから発表され[30]、名古屋の一部選手(負傷による)とマッチコミッショナー、審判アセッサー及び審判団を入れ替えた上で同日18時から実施。再びサドンデスにもつれ、奈良の8人目・MF山田晃平が枠を外した一方で、名古屋の8人目・MF八反田康平がゴールを決めて名古屋が3回戦進出、奈良の番狂わせは幻に終わった[31][32]。
なお、一連の騒動の責任を問うかたちで、この試合の主審だった清水修平に3ヶ月の活動停止処分、副審2名に2ヶ月の活動停止処分が行われている[24]。
3回戦
2018年7月11日 No.62 | FC東京 | 3 - 1 | アルビレックス新潟 | 新潟市 |
19:03 |
| 公式記録 |
| 競技場: デンカビックスワンスタジアム 観客数: 2,315人 主審: 笠原寛貴 |
4回戦
2018年8月22日 No.74 | サガン鳥栖 | 3 - 0 | ヴィッセル神戸 | 鳥栖市 |
19:04 | 37分 (o.g.)
| 公式記録 | 競技場: ベストアメニティスタジアム 観客数: 17,361人 主審: 福島孝一郎 |
2018年8月22日 No.78 | 浦和レッズ | 1 - 0 | 東京ヴェルディ | 熊谷市 |
19:03 |
| 公式記録 | 競技場: 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場 観客数: 6,458人 主審: 池内明彦 |