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第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 (だい97かい てんのうはいぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2017年4月22日から2018年1月1日まで開催された天皇杯全日本サッカー選手権大会。
開催国 | 日本 |
---|---|
開催期間 | 2017年4月22日-2018年1月1日 |
参加チーム数 | 88 |
優勝 | セレッソ大阪 |
準優勝 | 横浜F・マリノス |
ACL2018出場 | セレッソ大阪[注 1] |
試合総数 | 87 |
ゴール数 | 292 (1試合平均 3.36点) |
得点王 | ウーゴ・ヴィエイラ 中野誠也 (5得点) |
← 2016-17 2018 → |
セレッソ大阪が前身のヤンマーディーゼルサッカー部時代の第54回大会(1974年)以来、43年ぶり4度目の優勝を果たした。
概要
2015年6月12日、日本サッカー協会 (JFA) はJFA/Jリーグ将来構想委員会において検討を進めているカレンダー改革の一環として、2017年以降の天皇杯について以下のような開催日程や大会フォーマットの基本指針を発表した[1]。
- 開幕を8月下旬頃から4月に移行し、準決勝は年末に、決勝は元日に開催する。
- 試合は原則として平日に開催し、国際マッチデーには開催しない。
- その後発表された日程では、1回戦については土日の開催となった (後述)。
- 参加チーム数は従来通り88チームとし、前年のJ1リーグ・J2リーグに所属していた40チーム+都道府県代表47チーム+ベストアマ (アマチュアシード)1チームとする。
- その後、予選免除チームは「前年の」J1リーグ・J2リーグ所属チームではなく、「当年の」J1リーグ・J2リーグ所属チームとするものと発表された[2]。
- 大会は7回戦制で実施する (従前通り)が、AFCチャンピオンズリーグ (ACL) 出場チームのシード権を廃止し、J1・J2のクラブはすべて2回戦から出場する。
これを受けて、JFA競技運営部の天皇杯実施委員会より各都道府県のサッカー協会に対して「第97回大会から4月中旬開幕となる[3]」「第97回大会の都道府県代表の決定期限を2017年4月9日とする[4]」事の通達が行われている事が明らかになっている。これに伴い、各都道府県の代表を決めるための大会も従来より半年近く早める必要が生じ、また (選手登録の切り替わり時期である)年度途中にまたがって予選を実施する必要がある都道府県が大半であることから、半年前倒して実施する山形県[4] や、「天皇杯新日程への移行対応大会」として特殊なレギュレーションで実施する北海道[注 2]や石川県[注 3]など、各県で対応が求められている。
2017年2月16日に行われたJFA理事会で、以下の開催規程変更が承認されている[5]。
- 外国人枠の変更 (Jリーグクラブに限り、Jリーグ提携国の選手を外国人枠に数えない)
- 警告累積規定の変更 (準々決勝までの警告累積は、準決勝以降に持ち越さない)
- 強化費・経費等の変更 (5位への強化費を廃止し勝利チームへの強化費を増額、大会参加諸経費の廃止、旅費・宿泊費基準額の増額)
また、この理事会で、決勝戦を埼玉スタジアム2002 (埼玉県さいたま市緑区)で行うことが承認された[5]。天皇杯の決勝戦が埼玉県で行われるのは、第36回大会 (1956年)が県営陸上競技場 (大宮市=現・さいたま市大宮区)で行われて以来61大会振り[6]。
2017年6月19日、競技普及の観点から、本大会の3回戦から準々決勝までの会場選定にあたっては、原則として「対戦カードの下位カテゴリーチームが所属する都道府県の会場を優先して開催する」ことをJFAが明らかにした[7]。同カテゴリの場合は対戦カードの左側(トーナメントポジションの上位)の会場にて開催するが、会場の都合(スケジュールやスタジアムのスペックなど)、さらにはAFCチャンピオンズリーグ2017のスケジュールを考慮した場合などの例外が設けられている。
日程
日程と出場枠については2016年12月8日に日本サッカー協会から発表された[2]。1回戦については「様々な課題を解決する必要が出てきたため」との理由から土日開催となったが、2回戦から準々決勝まではすべて平日 (水曜日)に開催される[8]。
試合 | 開催日 | 参加チーム数変動 | 備考 |
---|---|---|---|
1回戦 | 4月22、23日 | 48 (1+47) → 24 | アマチュアシード、都道府県代表の参加 |
2回戦 | 6月21日 | 64 (24+18+22) → 32 | J1・J2チームの参加 |
3回戦 | 7月12日 | 32 → 16 | |
4回戦 | 9月20日 | 16 → 8 | |
準々決勝 | 10月25日 | 8 → 4 | |
準決勝 | 12月23日 | 4 → 2 | |
決勝 | 1月1日 | 2 → 1 |
出場チーム
以下の「出場回数」についてはJFAの公式記録に基づくが、基本的には「前身となるチーム (クラブ化前の実業団チーム、など)からの通算回数」としている。ただし、一部に例外もある。
J1リーグ
2017年のJ1リーグ所属の全18チーム[2]。
J2リーグ
2017年のJ2リーグ所属の全22チーム[2]。
アマチュアシードチーム
日本フットボールリーグ (JFL) からの推薦チーム[2]。
チーム | 所属リーグ | 出場回数 |
---|---|---|
Honda FC | JFL | 2年連続37回目 |
都道府県代表
山梨県代表は1月29日[9] に、香川県代表は3月4日[10] に、北海道・群馬・徳島・愛媛・高知・長崎・熊本の1道6県代表はは4月2日[11] に、京都府代表は4月7日[12]、埼玉・東京・長野・愛知の1都3県代表は4月8日[13] に、それ以外の33府県代表は4月9日[14] にそれぞれ決定した。
都道府県 | チーム | 所属リーグ | 出場回数 |
---|---|---|---|
北海道 | ノルブリッツ北海道FC | 北海道 | 3年ぶり 6回目 |
青森県 | ヴァンラーレ八戸 | JFL | 6年連続 7回目 |
岩手県 | グルージャ盛岡 | J3 | 10年連続11回目 |
宮城県 | ソニー仙台FC | JFL | 2年連続19回目 |
秋田県 | ブラウブリッツ秋田 | J3 | 16年連続24回目 |
山形県 | FCパラフレンチ米沢 | 東北2部南 | 8年ぶり 2回目 |
福島県 | いわきFC | 福島県1部 | 初出場 |
茨城県 | 筑波大学 | 関東大学1部 | [備考 4] | 2年連続30回目
栃木県 | 栃木ウーヴァFC | JFL | 5年連続 9回目 |
群馬県 | tonan前橋 | 関東2部 | 3年ぶり 4回目 |
埼玉県 | 東京国際大学 | 関東大学1部 | 3年連続 5回目 |
千葉県 | ブリオベッカ浦安 | JFL | 3年ぶり 3回目 |
東京都 | 国士舘大学 | 関東大学2部 | 9年ぶり15回目 |
神奈川県 | J3 | 3年ぶり 7回目 | |
山梨県 | 韮崎アストロス | 山梨県SPL | 2年ぶり14回目 |
長野県 | AC長野パルセイロ | J3 | 6年連続 7回目 |
新潟県 | 新潟医療福祉大学 | 北信越大学1部 | 2年連続 2回目 |
富山県 | カターレ富山 | J3 | [備考 5] | 2年連続 9回目
石川県 | 北陸大学 | 北信越大学1部 | 3年連続 3回目 |
福井県 | サウルコス福井 | 北信越1部 | 6年連続 9回目 |
静岡県 | アスルクラロ沼津 | J3 | 初出場 |
愛知県 | FCマルヤス岡崎 | JFL | 2年ぶり 3回目 |
三重県 | 鈴鹿アンリミテッドFC | 東海1部 | 2年連続 4回目 |
岐阜県 | 岐阜経済大学 | 東海学生1部 | 3年ぶり 2回目 |
滋賀県 | びわこ成蹊スポーツ大学 | 関西学生1部 | 3年ぶり 5回目 |
京都府 | アミティエSC京都 | 関西1部 | [備考 6] | 5年ぶり 2回目
大阪府 | FC大阪 | JFL | 2年ぶり 3回目 |
兵庫県 | バンディオンセ加古川 | 関西1部 | [備考 7] | 2年連続 8回目
奈良県 | 奈良クラブ | JFL | 9年連続 9回目 |
和歌山県 | アルテリーヴォ和歌山 | 関西1部 | 9年連続 9回目 |
鳥取県 | ガイナーレ鳥取 | J3 | 18年連続20回目 |
島根県 | 松江シティFC | 中国 | 3年連続 4回目 |
岡山県 | 三菱自動車水島FC | 中国 | 8年ぶり11回目 |
広島県 | SRC広島 | 中国 | 2年連続 4回目 |
山口県 | 徳山大学 | 中国大学1部 | 2年連続 9回目 |
香川県 | アルヴェリオ高松 | 四国 | 2年連続 2回目 |
徳島県 | FC徳島セレステ | 四国 | 2年連続 2回目 |
愛媛県 | FC今治 | JFL | 9年連続 9回目 |
高知県 | 高知ユナイテッドSC | 四国 | [備考 8] | 2年連続 2回目
福岡県 | ギラヴァンツ北九州 | J3 | 10年連続10回目[備考 9] |
佐賀県 | 佐賀大学 | 九州大学1部 | 3年ぶり 8回目 |
長崎県 | MD長崎 | 長崎県1部 | 2年連続 2回目 |
熊本県 | 熊本県教員蹴友団 | 九州 | 3年ぶり 3回目 |
大分県 | ヴェルスパ大分 | JFL | 2年ぶり 7回目 |
宮崎県 | 宮崎産業経営大学 | 九州大学1部 | 4年ぶり 5回目 |
鹿児島県 | 鹿児島ユナイテッドFC | J3 | [備考 10] | 4年連続 4回目
沖縄県 | FC琉球 | J3 | 8年連続11回目 |
- 出場回数に関する備考
- ^ 日産自動車サッカー部→横浜マリノスからの出場回数を含む。なお、横浜フリューゲルス (1999年に統合)の出場回数 (13回)は含まない。
- ^ 鳥栖フューチャーズの出場回数 (5回)を含む (なお、鳥栖と鳥栖Fには組織としての連続性はない。当該項参照)。
- ^ 前身である国見FC(1回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 茗友クラブ (3回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 前身の北陸電力/アローズ北陸(10回出場)およびYKK APサッカー部(11回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 前身の教育研究社およびFC KYOKEN京都の出場回数 (3回)を含まない。
- ^ 前身の兵庫教員蹴球団の出場回数(2回)は含まない。
- ^ 前身のアイゴッソ高知 (「南国高知FC」として3回出場)の出場回数は含まない。
- ^ 前身の三菱化成黒崎サッカー部の出場回数 (4回)を含まない。
- ^ 前身のヴォルカ鹿児島 (6回出場)およびFC KAGOSHIMA (1回出場、別に前身の鹿屋体育大学クラブで1回出場)の出場回数は含まない。
試合結果
1回戦から3回戦の組み合わせは、2017年2月16日に発表された。
1回戦
2017年4月22日 No.12 | 宮崎産業経営大学 | 2 - 1 | 徳山大学 | 宮崎市 |
13:01 | (竹下優介) 47分 前田椋介 54分 | 公式記録 (PDF) | (西浦李央) 90分 | 競技場: 宮崎県総合運動公園陸上競技場 観客数: 310人 主審: 花川雄一 |
2017年4月23日 No.16 | カターレ富山 | 1 - 0 | アミティエSC京都 | 富山市 |
13:01 | 國吉貴博 61分 | 公式記録 (PDF) | 競技場: 富山県総合運動公園陸上競技場 観客数: 1,051人 主審: 宇田賢史 |
2017年4月22日 No.18 | アスルクラロ沼津 | 1 - 0 | サウルコス福井 | 沼津市 |
13:03 | 河津良一 28分 | 公式記録 (PDF) | 競技場: 愛鷹広域公園多目的競技場 観客数: 1,102人 主審: 金次雄之介 |
2017年4月23日 No.21 | SRC広島 | 1 - 0 | 三菱水島FC | 福山市 |
14:00 | (田口翔輝) 65分 | 公式記録 (PDF) | 競技場: 福山市竹ヶ端運動公園陸上競技場 観客数: 511人 主審: 野堀桂佑 |
2017年4月23日 No.22 | ガイナーレ鳥取 | 0 - 1 | 鹿児島ユナイテッドFC | 鳥取市 |
13:03 | 公式記録 (PDF) | 藤本憲明 90分 | 競技場: とりぎんバードスタジアム 観客数: 1,311人 主審: 川俣秀 |
2017年4月23日 No.23 | 熊本県教員蹴友団 | 0 - 4 | 松江シティFC | 熊本市 |
19:00 | 公式記録 (PDF) | (金村賢志郎) 7分 砂川太志 63分 (西村光司) 73分, 90+2分 | 競技場: えがお健康スタジアム 観客数: 585人 主審: 堀格郎 |
2017年4月22日 No.24 | FC徳島セレステ | 1 - 2 | MD長崎 | 鳴門市 |
13:01 | (高木卓) 25分 (pen.) | 公式記録 (PDF) | (上野周平) 22分 (安武亮) 24分 | 競技場: 鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム 観客数: 254人 主審: 若槻直輝 |
2回戦
2017年6月21日 No.26 | モンテディオ山形 | 1 - 0 ((延長)) | V・ファーレン長崎 | 天童市 |
19:00 | 瀬沼優司 113分 | 公式記録 (PDF) | 競技場: NDソフトスタジアム山形 観客数: 1,887人 主審: 佐藤誠和 |
2017年6月21日 No.44 | セレッソ大阪 | 2 - 0 | 新潟医療福祉大学 | 大阪市 |
19:00 | 水沼宏太 10分 田中裕介 19分 | 公式記録 (PDF) | 競技場: キンチョウスタジアム 観客数: 2,194人 主審: 窪田陽輔 |
2017年6月21日 No.46 | ツエーゲン金沢 | 2 - 0 | 横浜FC | 金沢市 |
19:00 | 大橋尚志 70分 宮崎幾笑 90分 | 公式記録 (PDF) | 競技場: 石川県西部緑地公園陸上競技場 観客数: 1,103人 主審: 松尾一 |
2017年6月21日 No.48 | 京都サンガF.C. | 0 - 1 | アスルクラロ沼津 | 京都市 |
19:00 | 公式記録 (PDF) | 小牧成亘 52分 | 競技場: 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 観客数: 1,067人 主審: 谷本涼 |
3回戦
試合会場と開始時刻は2017年6月22日に発表された。
2017年7月12日 No.59 | 柏レイソル | 2 - 0 | 大分トリニータ | 大分市 |
18:59 | クリスティアーノ 54分 ディエゴ・オリヴェイラ 60分 | 公式記録 (PDF) | 競技場: 大分銀行ドーム 観客数: 3,715人 主審: 吉田哲朗 |
- 注釈
ラウンド16 (4回戦)
ラウンド16 (4回戦)の抽選は、2017年8月7日に日本サッカー協会ビル (JFAハウス) 内にある日本サッカーミュージアム ヴァーチャルスタジアムにて行われた[17][18][19]。(前回大会のラウンド16抽選)と同様、ポットを2つ用いる方法で行われた。ただし、決勝会場である埼玉スタジアム2002をホームスタジアムとする浦和が含まれていること、さらにはAFCチャンピオンズリーグ2017 (ACL) に勝ち残っている浦和と川崎の日程調整を最優先させる関係から、以下の方法で実施された。
- No.73ホーム→No.73アウェー→No.74ホーム→…の順にトーナメントポジションに1から16の番号を割り当てる。
- 3回戦勝者の12チーム+シード4チームの計16チームのうち、浦和と川崎を除いた14チームの名前の書かれたポット (B) を用意する。
- 最初に、1・3・5・7の番号の入ったポット (A)を抽選し、浦和のトーナメントポジションを決定する (これにより、浦和はラウンド16及び決勝進出時には必ずホーム側となる)。
- Aのポットにトーナメントポジション9・11・13・15の番号を追加する (この時点でAのポットには7つのボールが入っている)。
- ポット (A)を抽選し、川崎のトーナメントポジションを決定する (これにより、川崎はラウンド16で必ずホーム側となる)。
- Aのポットにトーナメントポジション2・4・6・8・10・12・14・16の番号を追加する。
- Aのポットを抽選し、続いてBのポットを抽選して、その時点でチーム名とトーナメントポジションを紐付ける。
- これを14回繰り返し、トーナメントの組み合わせを決定する。試合日時は、組み合わせ時点で決定となる。
ドロワーは日本サッカー協会 (JFA) 会長の田嶋幸三と、スルガ銀行代表取締役社長兼CEOの岡野光喜、ゲストドロワーとして元日本代表で天皇杯優勝経験のある三浦淳宏とJリーグ女子マネージャーの佐藤美希、立会人としてJFA常務理事/天皇杯実施委員会委員長の松崎康弘[20]。今回の抽選会の模様は前回と同様にテレビ中継ではなく、JFAのYouTubeチャンネル「JFATV」でのライブ配信が行われた[20][21]。
2017年9月20日 No.79 | 川崎フロンターレ | 4 - 1 | 清水エスパルス | 川崎市 |
19:03 | 森本貴幸 8分, 41分, 49分 エドゥアルド 85分 | 公式記録 (PDF) | ミッチェル・デューク 23分 | 競技場: 等々力陸上競技場 観客数: 7,641人 主審: 福島孝一郎 |
準々決勝
準決勝
決勝
元日の決勝に駒を進めたのは、準決勝で後半終了間際に先制されるも、その直後にMF水沼宏太のゴールで追いつき、延長戦でFW柿谷曜一朗とMFソウザのゴールで神戸を逆転で下し、第83回大会以来14大会ぶりの決勝進出を果たしたC大阪[22] と、こちらも準決勝で先制される展開もFW伊藤翔とFWウーゴ・ヴィエイラのゴールで柏を延長戦の末に逆転で下し、第93回大会以来4年ぶりの優勝を目指す横浜FM[23] の2チーム。C大阪はJリーグ発足後初(前身のヤンマー時代から数えると第54回大会以来43大会ぶり)となる天皇杯制覇と、この年獲得したルヴァンカップとのカップ戦2冠を目指す戦いとなり、横浜FMはAFCチャンピオンズリーグ2018への出場権をかけ、今シーズン終了後の退任が発表されていたエリク・モンバエルツの最後の試合に臨むことになった。
C大阪のチーム得点王・FW杉本健勇と、横浜FMの中盤の要・MF扇原貴宏がともに負傷欠場した試合は開始8分に動く。横浜FMDF下平匠が左サイドからクロスボールを上げると、これに胸トラップで反応したFW伊藤がC大阪のディフェンスラインの間を抜けて、C大阪GKキム・ジンヒョンとの1対1を制して2試合連続となるゴールを決め、横浜FMが先制に成功する[24][25]。その後はC大阪がボールを持つ時間が長くなるが、中央をしっかりと固め高い位置からのショートカウンターを狙う横浜FMが決定的な場面を作らせず、前半は1-0で折り返す[24]。
C大阪監督の尹晶煥は後半に向け「より攻撃的にいく」と攻勢を強め、後半20分に古巣対戦となったC大阪MF水沼がミドルシュートを放つと、横浜FMGK飯倉大樹がこれを弾くが、DFのクリアボールを拾ったC大阪FW山村和也がゴール左に蹴り込み、C大阪が同点に追いつく[25]。その後横浜FMはFWウーゴ・ヴィエイラ、C大阪はFWリカルド・サントスを投入して決勝点をもぎ取りに行くが、そのまま試合は1-1で終了し、延長戦に突入する。迎えた延長前半5分、左サイドに開いていたC大阪FW山村がやや山なりのクロスボールをファーサイドへ送ると、これに回り込んだMF水沼がヘディングでゴールへと流し込み、C大阪が逆転に成功する[24][25]。C大阪はその後、FW山村をDFに下げて5バックで守り切る作戦に転じ、横浜FMの猛攻をしのぎ切って2-1で勝利。43年ぶりの天皇杯優勝を成し遂げ[25]、カップ戦2冠も達成した。
2018年1月1日 14:42 No.87 |