2023年のSUPER GTは、2023年4月15日-16日に岡山国際サーキットで開幕し、11月4日-5日にモビリティリゾートもてぎで閉幕予定の全8戦[1]のシリーズである。
前年からの主な変更点
レギュレーション
SUPER GTでもカーボンニュートラルを推進させ、二酸化炭素排出量を50%削減させながら2030年以降も音の出るモータースポーツを継続させる「SUPER GT Green Project 2030」のロードマップを策定、2023年はその始まりとして、燃料にバイオマス由来のカーボンニュートラルフューエル(CNF、ドイツの(ハルターマン・カーレス)社製[2])を導入する。ただしGT500クラスについては開幕戦よりCNFが導入されたものの、GT300クラスについては検証に時間を要しており、2023年5月現在テストでは使用されるものの実戦投入の目処が立っていない[3]。
また持ち込めるタイヤセット数を300kmレースの場合ドライ4セット、ウェット5セットに削減する[4][5]。
GT500クラスについては、当初の予定では本年より新モノコックを投入する予定だったが、耐久性に問題がないことから従来のモノコックを引き続き使用する。GTAでは「ねじり剛性等のデータを見て問題がなければ、2024年まで現行モノコックを継続し、2025年から新モノコックに移行」という方針も明らかにしている[2]。
マシン
GT500クラス
GT300クラス
- aprは31号車をトヨタ・プリウスPHVからGT300規定で製作したレクサス・LC500hに変更する[7]。
- PACIFIC RACING TEAMはフェラーリ・488 GT3からメルセデスAMG・GT3に変更する[8]。
エントラント
エントリーリストは2023年2月20日に発表された。GT500クラスに15台、GT300クラスに27台の計42台がエントリーした。
GT500クラス
- トヨタ陣営は2022年11月25日に参戦体制を発表した[9]。
- トムスの36号車はドライバーを坪井翔と宮田莉朋のコンビへ変更する。
- トムスの37号車はタイトルスポンサーをKeePer技研からデロイトトーマツコンサルティングへ変更する。ドライバーはサッシャ・フェネストラズが離脱し、宮田は36号車へ移動。代わってジュリアーノ・アレジが36号車から加入する。1月12日、前年度までホンダ陣営のチーム無限に所属していた笹原右京がチームメイトとして加入することを発表した[10]。
- ホンダ陣営は2022年12月12日に参戦体制を発表した[11]。
- 日産陣営は2023年1月27日に参戦体制を発表した[14]。
- 4台ともドライバーラインナップは前年から継続する[15]。
- 前年度チャンピオンのTEAM IMPULは、チャンピオンナンバーの「1」を使用する。また、星野一義が総監督に、星野一樹が監督にそれぞれ就任する。車名についても、タイトルスポンサーとして長らく掲げてきた「カルソニック」から現社名の「MARELLI」へ変更する[16]。
- NDDP RACINGは、タイトルスポンサーをCRAFTSPORTSからNiterraへ変更する[17][18]。
- なお、NISMOとNDDP RACINGにタイヤ供給を行っているミシュランは、5月10日に今シーズン最終戦をもってGT500クラスへのタイヤ供給を休止すると発表した(BMW Team Studie × CSLが供給を受けているGT300クラスについては供給継続予定)。このため、両チームがミシュランタイヤを使うのは今期限りとなる[19]。
GT300クラス
- 前年度チャンピオンのKONDO RACINGは、チャンピオンナンバーの「0」を使わずに、本来のナンバーである「56」を継続使用する。ドライバーは藤波清斗に代わり名取鉄平を起用する[18]。
- TEAM UPGARAGEはGT500クラスに昇格する太田格之進に代わり、2022年のFIA-F4選手権チャンピオンの小出峻を起用する[20]。
- ARTAはGT500クラスの2台体制移行に伴い、GT300クラスから撤退する。
- TEAM MACHは(平木玲次)に代わり、HOPPY Team TSUCHIYAから移籍した松井孝允を起用する。車両は2015年から使用していたMC86が破損したため、昨シーズンまでArnage RacingがINGINGからレンタルしていた同車種の別個体をINGINGから購入して使用する[21]。
- PACIFIC RACINGは2022年をもってバーチャルYouTuberグループ『ホロライブ』、Car Guy Racingとのコラボレーションを終了した[22]。代わってバーチャルYouTuberグループ『ぶいすぽっ! Virtual eSports Project』とタイアップ、ドライバーは阪口良平、(リアン・ジャトン)、サードドライバーに(川端伸太朗)を起用する[8]。
- aprの30号車はサードドライバーに小河諒、(上村優太)を起用する。31号車は中山友貴に代わり小高一斗を起用、サードドライバーに根本悠生を起用する[7]。
- BMW Team Studie × CSLはアウグスト・ファルフスに代わりブルーノ・スペングラーを起用、サードドライバーに前年BUSOU Drago CORSEに所属していた柳田真孝を起用する[23]。
- GAINERはドライバーの組み合わせを変更する。10号車に安田裕信が移動し大草りきと、11号車に富田竜一郎と(塩津佑介)が移動し石川京侍とそれぞれコンビを組む。また、10号車についてはPONOSがタイトルスポンサーとなり[24]、同社代表の辻子依旦が総監督に就任する[14]。
- HOPPY team TSUCHIYAはTEAM MACHに移籍する松井孝允に代わり、菅波冬悟を起用する[25]。
- Arnage Racingがエントラントとしての活動を終了する一方、前年度にArnage Racingをスポンサードしていた産業機械メーカーのアネスト岩田が新たに「ANEST IWATA Racing」として参戦を表明。エントラント名は「ANEST IWATA Racing with Arnage」となる。前年度までのArnage Racingの車両はTEAM MACHが使用するため、新たな車両としてレクサス・RC F GT3を採用、タイヤはヨコハマを使用する。ドライバーは(イゴール・フラガ)と(古谷悠河)、サードドライバーに小山美姫を起用する[26]。
- Yogibo Racingがエントラントとして新規参戦する。車両はホンダ・NSX GT3を使用し、ドライバーは(伊東黎明)と(岩澤優吾)を起用する。メンテナンスは前年までARTAのメンテナンスを行っていた(セルブスジャパン)が担当する。タイヤはヨコハマを使用する[27]。
- muta Racing INGINGは(平良響)をセカンドドライバーに起用。前年までレギュラーとして参戦していた加藤寛規は監督兼サードドライバーに就任する[28]。
- Drago CORSEは今シーズンの参戦を休止する。
- R’Qs MOTOR SPORTSはサードドライバーに加納政樹を起用する。
エントリーリスト
GT500クラス
No. | マシン | ドライバー | エントラント | タイヤ |
---|---|---|---|---|
1 | MARELLI IMPUL Z | 平峰一貴 ベルトラン・バゲット | TEAM IMPUL | B |
3 | Niterra MOTUL Z | 千代勝正 高星明誠 | NDDP RACING | M |
8 | ARTA MUGEN NSX-GT | 野尻智紀 大湯都史樹 | ARTA | B |
14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋和也 山下健太 | TGR TEAM ENEOS ROOKIE | B |
16 | ARTA MUGEN NSX-GT | 福住仁嶺 大津弘樹 | ARTA | B |
17 | Astemo NSX-GT | 塚越広大 松下信治 | Astemo REAL RACING | B |
19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資 阪口晴南 | TGR TEAM WedsSport BANDOH | Y |
23 | MOTUL Z | 松田次生 ロニー・クインタレッリ | M | |
24 | リアライズコーポレーション ADVAN Z | 佐々木大樹 平手晃平 | KONDO RACING | Y |
36 | au TOM'S GR Supra | 坪井翔 宮田莉朋 | TGR TEAM au TOM'S | B |
37 | Deloitte TOM'S GR Supra | 笹原右京 ジュリアーノ・アレジ | TGR TEAM Deloitte TOM'S | B |
38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川祐路 石浦宏明 | TGR TEAM ZENT CERUMO | B |
39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口雄飛 中山雄一 | TGR TEAM SARD | B |
64 | Modulo NSX-GT | 伊沢拓也 太田格之進 | Modulo Nakajima Racing | D |
100 | STANLEY NSX-GT | 山本尚貴 牧野任祐 | TEAM KUNIMITSU | B |
GT300クラス
No. | マシン | ドライバー | エントラント | タイヤ | 参照 |
---|---|---|---|---|---|
2 | muta Racing GR86 GT | 堤優威 (平良響) 加藤寛規(Rd.2,3) | muta Racing INGING | B | [28] |
4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝 片岡龍也 | GOODSMILE RACING & TeamUKYO | Y | [29] |
5 | マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 | (冨林勇佑) 松井孝允 | TEAM MACH | Y | [21] |
6 | DOBOT Audi R8 LMS | (片山義章) ロベルト・メルヒ (神晴也)(Rd.2,3) | Team LeMans | Y | |
7 | Studie BMW M4 | 荒聖治 ブルーノ・スペングラー(Rd.1) 柳田真孝(Rd.2,3) | BMW Team Studie × CSL | M | [23] |
9 | PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG(Rd.1,3) | 阪口良平 (リアン・ジャトン) (川端伸太朗)(Rd.3) | PACIFIC RACING TEAM | Y | [8] |
10 | PONOS GAINER GT-R | 安田裕信 大草りき | GAINER | D | [14] |
11 | GAINER TANAX GT-R | 富田竜一郎 石川京侍 (塩津佑介)(Rd.2,3) | GAINER | D | [14] |
18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林崇志 小出峻 | TEAM UPGARAGE | Y | [20] |
20 | シェイドレーシング GR86 GT | 平中克幸 (清水英志郎) (山田真之亮)(Rd.2,3) | SHADE RACING | D | |
22 | アールキューズ AMG GT3 | 和田久 城内政樹 加納政樹(Rd.2,3) | R'Qs MOTOR SPORTS | Y | |
25 | HOPPY Schatz GR Supra GT | 菅波冬悟 (野中誠太) | HOPPY Team TSUCHIYA | Y | [25] |
27 | Yogibo NSX GT3 | (岩澤優吾) (伊東黎明) | Yogibo Racing | Y | [27] |
30 | apr GR86 GT | (永井宏明)(Rd.2,3) 織戸学 (上村優太)(Rd.1,3) 小河諒(Rd.2) | apr | Y | [7] |
31 | apr LC500h GT | 嵯峨宏紀 小高一斗 根本悠生(Rd.2,3) | apr | B | [7] |
48 | 植毛 ケーズフロンティア GT-R | (井田太陽) (田中優暉)(Rd.1) (甲野将哉)(Rd.2,3) (眞田拓海)(Rd.2,3) | NILZZ Racing | Y | |
50 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | (イゴール・フラガ) (古谷悠河) 小山美姫(Rd.2,3) | ANEST IWATA Racing with Arnage | Y | [26] |
52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田広樹 川合孝汰 | 埼玉トヨペット Green Brave | B | |
56 | リアライズ 日産メカニックチャレンジ GT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 名取鉄平 | KONDO RACING | Y | [18] |
60 | SYNTIUM LM corsa GR Supra GT | 吉本大樹 河野駿佑 | LM corsa | D | |
61 | SUBARU BRZ | 井口卓人 山内英輝 | R&D SPORT | D | |
65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥 篠原拓朗 | K2 R&D LEON RACING | B | [30] |
87 | Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 | 松浦孝亮 (坂口夏月) | JLOC | Y | [31] |
88 | JLOC ランボルギーニ GT3 | 小暮卓史 元嶋佑弥 | JLOC | Y | |
96 | K-tunes RC F GT3 | 新田守男 高木真一 | K-tunes Racing | D | |
244 | HACHI-ICHI GR Supra GT | 三宅淳詞 佐藤公哉 | Max Racing | Y | [32] |
360 | RUNUP RIVAUX GT-R | 青木孝行 田中篤 (大滝拓也)(Rd.2,3) | TOMEI SPORTS | Y |
スケジュール及び勝者
開催日 | 開催サーキット | レース距離 | GT500優勝者 | GT300優勝者 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
第1戦 | 4月15-16日 | 岡山国際サーキット | 300km | 松田次生 ロニー・クインタレッリ (MOTUL Z) | 小林崇志 小出峻 (UPGARAGE NSX GT3) | 最大延長時間を超えたため 61周で終了[33] |
第2戦 | 5月3-4日 | 富士スピードウェイ | 450km | 坪井翔 宮田莉朋 (au TOM'S GR Supra) | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 名取鉄平 (リアライズ 日産メカニックチャレンジ GT-R) | |
第3戦 | 6月3-4日 | 鈴鹿サーキット | 450km | |||
第4戦 | 8月5-6日 | 富士スピードウェイ | 450km | |||
第5戦 | 8月26-27日 | 鈴鹿サーキット | 450km | |||
第6戦 | 9月16-17日 | スポーツランドSUGO | 300km | |||
第7戦 | 10月14-15日 | オートポリス | 450km | |||
第8戦 | 11月4-5日 | モビリティリゾートもてぎ | 300km |
ポイントランキング
ドライバー部門
- ポイントシステム
順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | PP |
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700km未満のレース | 20 | 15 | 11 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 1 |
700km以上または4時間以上のレース | 25 | 18 | 13 | 10 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
GT500クラス
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太字 - ポールポジション |
GT300クラス
チーム部門
GT500クラス
GT300クラス
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