初音ミク(はつねミク、Hatsune Miku)は、クリプトン・フューチャー・メディアが開発・発売しているバーチャル・シンガーソフトウェアとそのキャラクター。「電子の歌姫」[1][2]の二つ名でも知られる。「ボカロ」という音楽ジャンルを築き[3]、「初音ミク現象」によってネット発の文化・音楽シーンを大きく変化させた[4]ことから「現代のIT技術が生み出した新たな文化の象徴的存在」[5]と評価されている。
開発元 | クリプトン |
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初版 | 2007年 |
最新版 | |
種別 | 音声合成 |
ライセンス | プロプライエタリ(キャラクターの利用についてはピアプロ・キャラクター・ライセンスおよびCC BY-NC) |
公式サイト | 初音ミク NT | クリプトン |
画像外部リンク | |
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初音ミク キャラクター(CC BY-NC) |
概要
クリプトン社製のバーチャルシンガー[6]で「ピアプロキャラクターズ」に分類される。
最初の製品はヤマハの音声合成エンジン「VOCALOID2」を元に開発され[1]、発売直後から想定を超える爆発的ヒットを記録[7]。プロ・アマ問わず多くのクリエイターがミクを使った創作に参加し、「初音ミク現象」[8][9]とも呼ばれる一大ムーブメントを起こした[10]。この現象は「時代の転機」とも言われるほどカルチャーや価値観に変化[4]をもたらした(→初音ミク#「初音ミク現象」とその影響)。
キャラクターの人気も高く、国際的なバーチャル・シンガー[5]として広く知れ渡っており[11]、日本史の教材では「新たな文化の象徴的存在」[5]と形容された。
3DCGライブやゲーム、フィギュア等メディアミックスも盛んに行われ、2021年にはミク史上初となるオリジナルアニメ/漫画のシリーズ企画も進行中[12]であることが海外メディアにより報じられている(→初音ミクのメディア展開)。
ミクは多くのユーザーの多彩な創作物(UGC)から形作られる「消費者生成メディア (CGM) 」によって成立しており[13]、楽曲・イラスト・CGによるプロモーションなど様々な作品が発表されている。企業の商品にもアイテムとしてネギ(初音ミクとネギを参照)を付属させるなど、ユーザーによる創作から広まった流行を取り入れることも行われている[注 1]。
ミクが歌う、あるいはミクを題材とした曲は、2012年時点で10万曲以上にのぼるとされる[14]。
権利元のクリプトンはキャラクター画像については非営利であればほぼ自由な利用を認めており、ユーザーによる歌声の利用だけでなくキャラクターを用いた創作活動をも促進する形がとられている[15]。
製品
ソフトは“VOCALOID製品”と“VOCALOIDではない製品”が発売されている。
CVシリーズでは、歌手ライブラリのベース音声に音楽業界関係者からの起用が順調にできなかったという事情や特徴ある声を求める狙い[16][17]から声優(ミクでは藤田咲)を起用。クリプトンはミクを制作するに当たり約500人の声優の声を聴いた上でV2に適し、かつ可愛らしい声であることを基準に藤田を選んだ[17]。
キャラクターのイメージの影響を受ける懸念から有名声優の選定は避けられており[17]、藤田は当時とりたてて有名だったわけではなくむしろミクに声を提供したことで名が知られるようになった[18]。藤田の声はVOCALOIDの仕組みとの相性が良いとも言われる[19]。
VOCALOID製品
- 初音ミク(V2)
- 2007年8月31日に最初に発売された音源で、当時最新の「VOCALOID2」エンジンを採用した初の日本語用ソフト。得意な曲のジャンルやテンポや音域も設定されているが(プロフィールを参照)、あくまで目安のため実際には非常に広い範囲で歌える[20][6]。VOCALOID製品の中でも扱いが容易となっている[21][注 2]。
- 初音ミク・アペンド
- 2010年4月30日に発売されたV2版初音ミクの拡張音源[23]。V2版初音ミクのパッケージに収録されている音声ライブラリは1つであるが、『アペンド』では、それぞれ表情付けの異なる追加音声「Sweet」「Dark」「Soft」「Light」「Vivid」「Solid」の6つのライブラリが提供され[注 3]、V2対応の初音ミクのライブラリは、合計7種類が提供された[28]。なお、『アペンド』を使用するにはV2版初音ミクがインストールされている必要がある[28]。
- 初音ミク V3 English
- 2013年8月31日に発売されたVOCALOID3用の英語用音源[23]。Windows/Macintoshの両対応となった。クリプトン自社開発のボーカルエディタ『Piapro Studio』も付属する[23]。ダウンロード販売のみ[23]。単独でのパッケージ版は発売されていないが、同年9月に『初音ミクV3』に『初音ミクV3 English』の音源を付属した『初音ミク V3 バンドル』が発売されている[23]。
- 初音ミク初のV3対応の音源であるが、企画はV3の発表よりも以前から進められていた。2010年10月にクリプトン社長がFacebookの初音ミクコミュニティのフォロワーが39390人を超えたら英語版をリリースすると宣言し、その40日後に達成、開発が進められた[29]。当初はカタカナ英語的なものを目指しており、2011年7月にデモ音源の公開が行われたが、カタカナ英語は日本語となじむというメリットはあったものの反応は芳しくなく、方向性を転換、開発に2年かけ2013年8月の発売となった[23]。
- 初音ミク V3
- 2013年9月26日に発売されたVOCALOID3版の日本語用音源5種類を収録したパッケージ。クリプトン自社開発のボーカルエディタ『Piapro Studio』も付属する[23]。『初音ミクV3 English』の音源を付属した『初音ミク V3 バンドル』も同時発売[23]。
- V2版の『初音ミク』『アペンド』用の音声素材に新録音を加えて制作されたV3対応の音源で、初音ミクの元々のオリジナルである「ORIGINAL」と、『アペンド』から「SWEET」「DARK」「SOFT」「SOLID」の4種類の計5種類の音源を収録している[30]。これまでの『初音ミク』と『アペンド』の声質イメージとの互換性を重視して開発されているという[31]。
- 初音ミク V4X
- 2016年8月31日に発売開始されたVOCALOID4版のパッケージ[23]。
他の音声合成エンジンを採用した製品
2023年5月時点ではNTのみ。
「初音ミク現象」とその影響
ミクは「創作の連鎖」を起こし[35][4]、一億総クリエイター時代の新しい文化の象徴となった[4]。この土台となったのがあらゆるコンテンツが互いに元ネタになって派生し合う「N次創作」とも表現される文化現象であった[36]。
ボカロというジャンル・文化を築く
ミクの登場でボーカロイド文化が誕生し[37]、音楽シーンには「ボカロ」という1ジャンルが築かれた[3]。
当時の「ニコニコ動画」では「アイドルマスター」のMAD動画が人気を集めており、ミクは「バーチャルアイドルを擬似的にプロデュースする」という欲求・需要が高まっていた中で発売された[38](クリエイターがボカロPと名乗るのもアイマスMAD文化の様式を引き継いでいるためとされる[38])。そしてミクの持つキャラクター性などがクリエイターの想像力を刺激し、ミクを使った創作は瞬く間に一人歩きを始め[39]、音楽に留まらずイラストやフィギュア、ゲーム、3DCGライブイベントなどにも拡大していく。こうした現象はミクが一つの「ハブ(きっかけ)」として機能している[40]ともいわれる。
ボカロ音楽が世間一般に知られるきっかけの一つとして、2008年にビクターから発売された史上初の完全なメジャーボカロアルバムであるlivetune feat. 初音ミク「Re:package」の存在が挙げられる[3]。2009年にはソニーミュージックをはじめとする大手が人気ボカロPをフィーチャーしたアルバムをリリース。2010年にはEXIT TUNESの「Vocalogenesis feat.初音ミク」がオリコン1位を記録するなど、日本の音楽シーンに浸透していく[3]。
2011年より行われた「Google Chrome」グローバルキャンペーンのCM曲「Tell Your World」はミク自体の人気・知名度を押し上げ、世界へと羽ばたかせる要因となった[41]とされる。
様々な初音ミクの誕生 - 企業・地域との連動
メルトショック - メルトの影響
2007年にニコニコ動画に投稿された楽曲「メルト」は、その後のボカロシーンの流れを決定付けた大きな意味を持つ曲[42]とされる。
それまでミク自身を題材にしたキャラクターソング的な曲が大半を占めていた中[43]、メルトはクリエイターの個性や世界観を反映した歌詞を、ミクがシンガーとして表現した曲だった[42]。このメルトのヒットに影響を受けてよりバラエティ豊かな曲が投稿されるようになり[43]、ミクにとってもシンガーとして広く受け入れられて役割を大きく広げるきっかけとなった[42]。
また、裏方である楽曲制作チームの存在に光を当てるきっかけにもなった[42]。それまで「歌の魅力は歌手が決める」という認識が一般的だったためコアな音楽ファン以外は裏方を基準に聴く曲を選ぶことはあり得なかったが、ボカロシーンではそれまで音楽に関心を持たなかったような若いリスナーでも制作陣の情報に気を配っており、これを日本の音楽文化における事件・転換点と評する者も多かったという[注 4][42]。
ニコニコ動画ではメルトを人間がカバーし、原曲を含む同曲がランキング上位を独占するという事態を引き起こした[44]。この一連の現象[43]は「メルトショック」と呼ばれ[44]、米津玄師(ハチ)がミクのイベントである「マジカルミライ 2017」のテーマ曲として提供した「砂の惑星」にもこれを意識したとも取れる歌詞が登場する[45]。
金字塔と評価されるミクの代表曲の内、「みくみくにしてあげる♪」が初音ミク現象を象徴し[46]多くの二次創作を生むきっかけとなった曲[47]であり、「メルト」はその初音ミク現象を加速させた曲[43]とも言われる。
3DCGライブ - 実在と非実在の境界
初音ミクは常に「実在と非実在」の境界線上に置かれ、人の想像力や感性を刺激する存在だったとも言われる[48]。
そのミクを使った先進的な試みとして3DCGライブイベントが挙げられる。2009年の「ミクフェス '09(夏)」では、透過式のディラッドスクリーンに投影された3DCGのミクが「まるでそこにいる」かのように歌って踊り、観客もミクやバンドメンバーに呼応して盛り上がることで、ミクの巻き起こす熱気はリアルに可視化された[49]。
この形式のライブはクリプトン社とTOKYO MXが「初音ミク マジカルミライ」(マジミラ)のライブ企画として毎年開催している[50]。マジミラのライブイベントはアナログなバンドメンバーとデジタルなミク達ピアプロキャラクターズが共演することで「バーチャルとリアルの融合」を実現させており[50]、これは「人間とキャラクター、リアルとバーチャルが溶けるような、“実在”が揺らぐ感覚」とも表現される[48]。
この他にもARやVRなど多様なXR技術を使用したライブイベントが開催されている(→(初音ミクのメディア展開#ライブイベント))。
フィギュアブーム
ミクはフィギュアブームの火付け役[51]とされる。初の立体商品であるグッドスマイルカンパニー(グッスマ)の「ねんどろいど 初音ミク」は、絶妙にデフォルメされた可愛らしさが評判[51]となって2013年3月までに12万個以上が出荷されるほどの記録的な大ヒットとなった[51]。
“ねんどろいどは初音ミクと共に成長した”と言っても過言ではなく[52]、全ラインナップ中でもミクが最多の商品化回数を誇る[53]。ねんどろいど15周年のインタビューでは、「ポップカルチャーのアイコンになった初音ミク」と「グッスマのアイコンになったねんどろいど」の成長過程において、両者が相互的な影響関係にあったことが語られた[53]。
雪ミクや(桜ミク)といったバリエーションも人気を集め、他のブランドにおいても固定観念に縛られないミクならではの商品[51]が作られ続けている。
世界各国への波及
初音ミクに関連するコンテンツは、日本でのブーム当初から日本製コンテンツを好む国外の人々からも関心を集めた。日本製アニメが違法にアップロードされた動画などによって海外に広まっているのと同様に作品の翻訳も行われ、徐々に浸透していった[54]。
特に大きな関心を集めるようになったのは先述した「ミクフェス '09(夏)や「ミクの日感謝祭」の動画が2009年から2010年にかけて違法アップロード[55]されてからである[54][注 5]。クリプトンの運営するレーベルKarenTからiTunes Storeを通じて販売されるボカロ関連楽曲では、2010年以降アメリカからの売り上げが急増したという[56]。
アメリカでは2011年5月よりトヨタ・カローラの広告に起用され[57]、同年7月には日本国外で初めての単独ライブも催されている[58]。
中国向けの「マジミラ2019」配信では、“750万人”の総来場者数を記録[59]。翌年にはアリババグループ傘下のECモールサイト「タオバオ」のライブコマースツールにミクが参加、最大視聴者数は“300万人”にも達し、同サイトのサーバーを一時ダウンさせた[60]。こうした試みは初音ミクのキャラクター人気の高さを裏付けるものでもある[59][61]。
キャラクター
デザイン
ミクは女声の歌声合成システムに歌手の身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点から、ソフト自体をバーチャルアイドル(バーチャルシンガー)に見立て[16]、「未来的なアイドル」をコンセプトとしてキャラクター付けされている[16]。名前自体も未来から来た「初めての音」、機械が歌うのが「未来的」ということに由来する[16]。
ミクのキャラクターデザインはイラストレーターのKEIによるもので、頭髪は青緑色、髪型はくるぶしまで届く長さのツインテールで、黒のヘッドセットを装着している。衣装は襟付きノースリーブの上着にネクタイ、ミニスカートにローヒールのサイハイのブーツ、黒を基調として所々に青緑色の電光表示をあしらっている。左上腕部には赤色で「01」とキャラクター名[注 6]をデザインしたタトゥーが入れられており、数字についてはキャラクター・ボーカル・シリーズで最初に発売された製品であることを表す[63]。
ミクのデザインのモチーフはヤマハのシンセサイザー・DX7[64][注 7]、これは1983年に発売されデジタルシンセサイザーの普及に貢献したヒット商品であるDX7にちなみ、初音ミクも一時代を築いて欲しいとの願いを込めて、ヤマハの担当者を説得した上でデザインに取り入れたものであるという[66]。また、後述の公式プロフィールにあるように年齢、身長、体重も定められている。
クリエイティビティへの配慮
キャラクター設定については、キャラクターを色付けしすぎないことも考慮されており、企画時には考えられていた背景設定[注 8]なども採用は見送られ、最低限のプロフィールだけとなっている[68]。
発売後ブームとなってからはキャラクターを用いた作品の商業展開(初音ミクのメディア展開を参照)も行われているが、ユーザーによる創作物において「好きなイメージの初音ミク」がそれぞれ存在しているという状況があり、そうして拡散したミクのイメージを収束させてしまう懸念から「初音ミクの公式コミックスを作ったり、公式アニメにしたりすることは考えていない[13]」としている[注 9]。
一方、2021年に初音ミクのオリジナルアニメ化・漫画化の制作が報道された際、クリプトン社のドゥヴィーニュ・ギヨーム氏は「ファンによる創造性と芸術表現の機会を無限に与えてくれる初音ミクの本質に忠実なアニメをつくるため画期的な方法を見つけたと信じています。これは、ミクと世界中のファンにとって大きな瞬間となるでしょう」ともコメントしている[12]。
キャラクターデザインを行ったKEIの手がける漫画作品「メーカー非公式 初音みっくす」もタイトルにあるように「非公式」という扱いになっている。ユーザーの創作から生み出されたものの中には、後述の「ネギ」のように広く受け入れられ、グッズなどの商業展開に取り入れられた例もあるが、これも公式設定に組み入れられているわけではない。
製品パッケージのキャラクターイラストは、最初のV2版ではKEIの描いたものが用いられているが、以後の製品ではそれぞれ異なる作家が起用されている。2010年4月に発売された『初音ミク・アペンド』ではミクがその流行の中で様々な(絵師)によって描かれてきたことを踏まえ、特定の絵師が描くのではなく、フィギュア原型師の浅井真紀がデザインした3Dのフィギュア「Miku(Zero-Vocalist ver)」にイラストレーターの ねこいた が着色をする、という形がとられた[28]。2013年8月に発売の『初音ミクV3 English』では ざいん が、同年9月発売の『初音ミクV3』ではiXimaがイラストを担当している[23]。
キャラクターの利用
初音ミクは発売後キャラクターとしても人気が出たことからキャラクターをモチーフにしたイラストやアニメーションの作成といった、ファンによる二次創作が行われた。そうした状況に応える形で「ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)[70]」とそれに基いた「キャラクター利用のガイドライン[71]」が定められた。ライセンスの内容に沿ったものであればキャラクターを用いた無償の範囲での二次創作活動が公式に認められているほか、二次創作作品の頒布のため「ピアプロリンク[72]」という仕組みが提供されている。
また、日本以外の利用者への対応のため、2012年12月に公式キャラクターイラストのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NC 3.0(表示 - 非営利 3.0)でのライセンスも行われた[73]。ただし、キャラクターのイメージを損なうような行為などについては規制されており、実際に成人表現を含む二次創作作品などに対する対応が行われたケースもある[74][73]。
なお、キャラクターの名称や画像を用いない楽器としてのみの利用の場合は公序良俗に反する歌詞を含むなどの一部の例外を除き、商用・非商用問わず使用は制限されていない。
プロフィール
初音ミクについては以下のようなキャラクター設定、得意ジャンルなどが公開されている[20][75][76]。関連企画によっては生年月日が設定されていることもある[77][78]。
パッケージ | ライブラリ | 得意ジャンル | 得意な曲のテンポ | 得意な音域 | |
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『初音ミク』 | アイドルポップス、ダンス系ポップス | 70-150BPM | (A3)-(E5) | ||
『初音ミク・アペンド』 | 「Sweet」 | フレンチポップ、バラード、エレクトロニカ等 | 55-155BPM | (F3)-(D5) | |
「Dark」 | バラード、ジャズ、フォーク、アンビエント等 | 60-145BPM | (D3)-(B4) | ||
「Soft」 | ソフトロック、バラード、フォーク、アンビエント等 | 70-150BPM | A3-E5 | ||
「Light」 | ポップス、ロック、ダンス、テクノポップ等 | 85-175BPM | A3-D5 | ||
「Vivid」 | ポップス、テクノポップ、トラッド等 | 95-180BPM | (G3)-D5 | ||
「Solid」 | ポップス、ロック、ダンス、エレクトロ等 | 65-160BPM | D3-(C5) | ||
『初音ミク V3 バンドル』 | 『初音ミク V3 ENGLISH』 | 「ENGLISH」 | ハウス、テクノ、クロスオーバー等 | 100-130BPM | B2-B3 |
『初音ミクV3』 | 「ORIGINAL」 | アイドルポップス、ダンス系ポップス | 70-150BPM | A2-E4 | |
「SWEET」 | フレンチポップ、バラード、エレクトロニカ等 | 55-155BPM | F2-D4 | ||
「DARK」 | バラード、ジャズ、フォーク、アンビエント等 | 60-145BPM | D2-B3 | ||
「SOFT」 | ソフトロック、バラード、フォーク、アンビエント等 | 70-150BPM | A2-E4 | ||
「SOLID」 | ポップス、ロック、ダンス、エレクトロ等 | 65-160BPM | D2-C4 | ||
『初音ミク V4X バンドル』 | 『初音ミク V4 ENGLISH』 | 「ENGLISH」 | ポップス、バラード、ジャズ等 | 80-135BPM | B2-C#4 |
『初音ミクV4X』 | 「ORIGINAL」 | アイドルポップス、ダンス系ポップス | 60-160BPM | A2-E4 | |
「SWEET」 | フレンチポップ、バラード、エレクトロニカ等 | 55-155BPM | F2-D4 | ||
「DARK」 | バラード、ジャズ、フォーク、アンビエント等 | 60-160BPM | D2-B3 | ||
「SOFT」 | ソフトロック、バラード、フォーク、アンビエント等 | 60-160BPM | A2-E4 | ||
「SOLID」 | ポップス、ロック、ダンス、エレクトロ等 | 65-160BPM | D2-C4 | ||
『初音ミク V4 CHINESE』 | 「CHINESE」 | ポップス、バラード、ジャズ等 | 80-135BPM | B2-C#4 | |
『初音ミク NT』[注 10] | 「Original DB+」 | ミクらしい可愛げのある歌声 | 表記なし | A2-E4 | |
「Whisper DB+」 | 耳元で囁くような吐息声 | ||||
「Dark DB+」 | ダウナーで哀愁漂う歌声 |
デモソング
バーチャルシンガーソフトウェア製品のデモソング一覧
- 『初音ミク』
- 星のカケラ / (0分51秒) / 作詞・作曲・編曲:平沢栄司
- フルバージョンが公認ヴォーカルCDとして販売された。
- かくれんぼ / (1分53秒) / 作詞・作曲・編曲:クロキヨースケ
- (名称不明 0分53秒)
- 星のカケラ / (0分51秒) / 作詞・作曲・編曲:平沢栄司
- 『初音ミク・アペンド』
- 夜の虹 / (1分38秒、「solid」「sweet」使用) / 製作者:whoo
- shoelace / (1分33秒、「vivid」使用) / 製作者:ドッP
- 影踏み / (1分32秒、「dark」「soft」「sweet」使用) / 製作者:kous
- 私らしさ / (1分46秒、「dark」使用) / 製作者:k-shi (けしスタジオ)
- chocolat / (4分13秒、「sweet」使用) / 製作者:chiquewa
- ハニビー! / (1分42秒、「Light」使用) / 製作者:もじょP
- 『初音ミク V3 ENGLISH』、『初音ミクV3』、『初音ミク V3 バンドル』
- Six Greetings (Short ver.) / (1分37秒、「ORIGINAL」「SWEET」「DARK」「SOFT」「SOLID」「ENGLISH」使用) / 製作者:きくお
- Six Greetings (Long ver.) / (2分0秒、「SWEET」「DARK」「SOLID」「ENGLISH」使用) / 製作者:きくお
- ペイメント / (2分23秒、「SOFT」「SWEET」使用) / 製作者:Heavenz
- Happy Rainy Day / (1分35秒、「SOFT」「SOLID」使用) / 製作者:八王子P
- Coming Together / (1分36秒、「ENGLISH」使用) / 製作者:bsc a.k.a kuni
- Let The Music Speak / (2分5秒、「ENGLISH」使用) / 製作者:Dan Corches (Fid Rizz)
- Shine for me / (1分34秒、「ENGLISH」使用) / 製作者:Cosima & Takaaki Suzuki
- New world / (1分47秒、「ENGLISH」使用) / 製作者:Gramline a.k.a O.N.O
- LET ME FLY / (1分54秒、「ENGLISH」使用) / 製作者:DAISHI DANCE
- 『初音ミク V4 ENGLISH』、『初音ミクV4X』、『初音ミク V4X バンドル』
- figure. / (3分14秒、「SOLID」使用) / 製作者:sasakure.UK
- 僕が最期に創るプラネタリウム / (3分6秒、「SWEET」「DARK」使用) / 製作者:アオトケイ
- ヒアミー / (4分47秒、「SOFT」「ORIGINAL」使用) / 製作者:tilt-six
- ミュージックミュージック / (3分48秒、「SOFT」「DARK」使用) / 製作者:とあ
- Melody (English Version) / (3分2秒、「ENGLISH」使用) / 製作者:MJQ
- Our Broken Anthem / (2分29秒、「ENGLISH」使用) / 製作者:Circus P
- 『初音ミク V4 CHINESE』
- 花与梦 ~keeping~ / (2分4秒) / 製作者:PIPPO
- 失败作少女 ~失敗作少女~ / (1分17秒) / 製作者:かいりきベア
- 初嵐 ~First Storm~ / (1分45秒) / 製作者:DECO*27
- 『初音ミクNT』
- ミラクルクラウン・オン・ソーネチカ / (0分19秒、「Original+」使用) / 製作者:ユジー
- 帝国少女 / (0分30秒「Whisper+」使用) / 制作者:R Sound Design
- え?あぁ、そう。 / (0分30秒「Dark+」使用) / 制作者:蝶々P
- 青く駆けろ! / (3分57秒) /制作者:まらしぃ
初音ミクのバリエーション・派生キャラクター
ミクは年齢・身長・体重以外が設定されておらず、クリエイターの中で様々な衣装やストーリー、キャラクター性が創造された結果、多様な色を持つミクが誕生するに至っている[80]。
一方でクリプトン社が展開する「雪ミク」のように商業シーンから誕生した公式のバリエーションも多数存在する。クリプトンが運営するCGM型投稿サイト「ピアプロ」は各種企業のコラボ支援(公募)の受け皿にもなっており、セガのユーザー参加型リズムゲーム「初音ミク -Project DIVA-」(DIVA)のモジュールや「雪ミク(2012年以降)」などで投稿作品とのコラボが成立している[81]。
『DIVA』のプロデューサーは「クリエイターの日々の創作にユーザーの反応や評価が積み重なっていくことで、それがある種初音ミクのお手本、原作のような感じになっている」とインタビューで答えている[82]。セガのスタンスとしては「公式だから」と抑えつけるのではなく「我々も初音ミクの派生創作に参加させて頂く」という気持ち(ユーザー目線[82])で臨んでいるという[83]。
ミクのバリエーション
- 雪ミク
- 当該記事を参照。
- クリプトン本社がある北海道および冬期仕様のミク[84]。
- (桜ミク)
- 春・桜をイメージしたピンクの髪と衣装のミク[85]。元々はユーザーによる非商業用のデザインだったが、後にクリプトン管轄のもと商業シーンに進出する。
- 2011年に開催された「初音ミク ライブパーティー」の東京公演の会場限定特典として“ぷちでびる”のアレンジによる「ねんどろいどぷらす 初音ミク 桜バージョン チャーム」が立体化・配布され、商品化の流れが作られた。後述するモジュールやコスチュームとしてゲーム作品にも登場している。
- 2019年3月7日、青森県の「弘前さくらまつり」の公式応援キャラクターに就任[86][85]。発表前には「初音ミク公式ブログ」で商品展開の本格スタートの告知と“KEI”による桜ミクのイラストが掲載されていた。
- モジュール / コスチューム
- モジュールとは、「初音ミク -Project DIVA-」シリーズにおけるピアプロキャラクターズ6人の3Dモデルである。
- 基本となるパッケージイラストの姿の他、楽曲のイメージに合わせてデザインされた多種多様な3Dモデルが設定されており、中にはミクの特徴である青緑色のツインテールを大胆に変更したモジュールも存在する。先述したようにデザインはピアプロで公募した物が数多く採用されているが、それ以外にも雪ミクや桜ミク、レーシングミク、マジカルミライVerのような他の商業企画のデザイン、重音テトや弱音ハク、亞北ネルのような派生キャラクターもモジュールとして登場する。
- 後発の「初音ミク and Future Stars Project mirai」にもDIVAの設計思想が活用されているが、こちらはモデルが「ねんどろいど」準拠(デフォルメされた3Dモデル)に変更されており、カテゴリ名称もモジュールではなく「コスチューム」となっている。
- レーシングミク
- 「初音ミク GTプロジェクト」で設定されたSUPER GT仕様。雪ミクやマジカルミライと同じくシーズンごとにデザインが変わり、マシンやピット、レーシングクイーンにもそのデザインが反映される。レーシングミクはGT参入当初から存在していたわけではなく、2010年にチーム運営がStudieからグッドスマイルレーシングに変わったことを機に設定されたバリエーションである。
- 初音ミクif
- ミクの初期案を元に公式イベント「初音ミク・クロニクル」で設定された。髪型がツインテールではなくハーフアップとなっている他、衣装も異なる。
- セカイのミク達
- ゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」における、5つの「セカイ」に存在するミク[87]。作中では5つの主要ユニットのメンバーの“想い”によって作られた「教室のセカイ」「ワンダーランドのセカイ」「ステージのセカイ」「ストリートのセカイ」「誰もいないセカイ」のミクが登場する。「~~のセカイのミク」もしくは「初音ミク ~~のセカイver」とも呼称される。
- ピアプロキャラクターズの他の5人も登場するが、2022年時点で5つのセカイ全てに登場するのはミクだけである[87]。
ミクの派生キャラクター
VOCALOID(バーチャルシンガーソフトウェア)のファンの間では、パッケージキャラクターをモチーフとして自由に名前や容姿、性格などを設定し新しいキャラクターを創作するという遊びが行われている。そうしてミクから生み出された派生キャラクターの中でも、ブームのきっかけとなった動画「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」から生まれた2.5頭身のデフォルメキャラクター「はちゅねミク」や、初音ミクを巡る騒動から生まれた「亞北ネル」、ミクを使いこなせないユーザーの心象を擬人化した「弱音ハク」などはファンの支持を得て、クリプトンとデザインを行った作者との合意の上で商用利用も行われている。
メディアミックス
初音ミクとネギ
ネギは、初音ミクにとっての定番アイテムとしてファンの間で広く受け入れられている。これは派生キャラクターのはちゅねミクを生み出した動画『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』で、ミクに長ネギを持たせていたことから広まったとされる[88]。
『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』は「ロイツマ・ガール」と呼ばれる世界的に流行したMADムービーのパロディである。ロイツマ・ガールはフィンランド民謡のイエヴァン・ポルッカの音声に日本のテレビアニメ『BLEACH』の登場人物である井上織姫が長ネギを回す映像を組み合わせたもので(詳細はロイツマ・ガールを参照)、この流行に触発された Otomania がミクで音声部を作成、これにたまごがデフォルメしたミクがネギを振る画像をつけた[88]。ロイツマ・ガールとはネギの動かし方が異なるが、これは両者の連絡の手違いによるもので[89]、たまご は元のMADムービーを知らなかったのが原因であるという[90]。
公式設定ではないものの、ファンによる創作物のみならずフィギュアに付属アイテムとして持たせるといったような形で、関連商品にも広く取り入れられている。
推移
発売前の反応
発売前にはクリプトンの公式サイトやブログ上で、デモソングやキャラクターデザインの公開が行われたが、当初は「萌え」を前面に押し出したイメージ戦略に対し、買いにくいといったような否定的な反応も寄せられた。また、大手DTM雑誌からも製品の紹介を断られたという[64]。初音ミクは発売後約一年間で4万本以上を出荷することになるが、当初の販売目標は2007年内に1000本であった[91]。しかしその一方、初音ミクの流行の起点となる動画サイトでは、同じクリプトンの販売している先代の合成エンジンVOCALOIDを使用した製品「MEIKO」を使用した動画が投稿され一定の人気を集めていた。このためクリプトンも発売後の大ヒットは想定外だったが、ミクを使用した動画が動画サイトに投稿されること自体は予測していたとしている[74]。ミクはMEIKOユーザーの間では大きな話題となり[92]、動画サイトには発売日を待たずに公式サイトで公開したデモソングを利用した動画が投稿されていた[91]。
発売後
VOCALOID 初音ミクの発売直後から、ミクにより作成された楽曲やキャラクターイメージを用いた動画がニコニコ動画などの動画投稿サイトに次々と投稿され、ここから人気に火がつき、DTMソフトウェアとしては異例のヒット商品となる。DTMソフトウェアのジャンルでは年間1,000本売れれば大ヒットとされるが、発売後2週間だけで3,500-4000本の売れ行きを見せた[93]。発売から3週間後にはサウンド関連ソフト内での1週間の販売シェア(BCNによる集計、楽器店やネット通販の売上げ数は含まれない)が30%を超え[94]、最も高い時期には60%以上を占めた[95]。体験版を収録した「DTMマガジン」(寺島情報企画)2007年11月号は通常より相当数を発行したにもかかわらず3日で完売したうえ、一時ネットオークションで高騰する事態となった[93]。その後、発売から約1年後の2008年9月までに累計で約4万2000本の売り上げを記録した[96]。こうした売り上げには、実際の音楽製作に使用しない「キャラクターのファン」による購入も多く含まれている[96]。
動画投稿の流行
2007年8月31日に初音ミクが発売されると、ミクを用いた動画が動画投稿サイトに次々と投稿された。それらの中でも特に9月4日にニコニコ動画に投稿されたロイツマ・ガールをアレンジした動画『初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』は大きな支持を集め、初音ミク人気の発火点となった[74]。この動画はミクの歌声によるIevan Polkkaとデフォルメされた初音ミクが長ネギを振る映像をあわせたもので、ミクの定番アイテムとしてネギが定着するきっかけとなる(初音ミクとネギを参照)、派生キャラクター「(はちゅねミク)」が誕生するなど後に対し大きな影響を与えている。クリプトン側は、後にこのはちゅねミクの登場について「創作ツールとしての初音ミクは何でもありだと直感してもらえただろう。可能性が思いっきり拡散して、本当に良かった[74]」と評価している。こうした動画がニコニコ動画やYouTubeで人気となり、それを見た視聴者が初音ミクを購入、新たな動画を投稿するという好循環により、ミクの人気は膨らんでいった[16]。特にニコニコ動画は、動画の視聴者がその動画上に直接コメントできる機能を特徴としており、そうした視聴者の反応が得られることも投稿者のモチベーションを刺激した[97]。
投稿される楽曲の傾向は、発売当初こそ既存の楽曲をミクに歌わせたカバー曲が多くを占めていたが、徐々にユーザーが作詞作曲を行ったオリジナル曲の割合が増えてゆく[97]。オリジナル曲も当初は、9月20日に投稿されて大きな人気を集め、ニコニコ動画で一時は最も再生回数の多い動画にもなった[92]「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」のように「歌うソフトである初音ミク」の立場に立った歌詞の楽曲が多いという特徴があったが[97]、同年の末にかけては12月7日にニコニコ動画へ投稿され大きな人気を集めたラブソング「(メルト)」のように、普遍性のある楽曲が増えていった[92][98]。また、ブームの広がりとともに「MEIKO」や男声VOCALOIDの「KAITO」にも注目が集まるようになり[92]、12月27日にはCVシリーズの第2弾「鏡音リン・レン」も発売され、初音ミクだけでなく他のVOCALOIDをも巻き込んだムーブメントとなっていった。作品の発表の場となったニコニコ動画にとっても、こうしたユーザーのコミュニティが作り上げる作品による文化の定着は好都合だった[99][100]。ミクが流行し始めた当時、ニコニコ動画ではMADムービーのような企業の著作権を侵害した動画への対応を進めつつあったためである[99][100]。
ニコニコ動画で初音ミクを使用した楽曲を発表している作家は、アマチュアだけでなくプロの作家が楽曲を発表している場合もあり[101]、また2008年以降はlivetuneを皮切りに、ニコニコ動画で初音ミクを使用した楽曲を発表し人気となった音楽家が、初音ミクを使用した楽曲でメジャーデビューを果たすケースが見られるようになっている。2010年5月には動画サイトで人気となった楽曲を集めたコンピレーション・アルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』が、2011年1月には同様のコンセプトのアルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus feat.初音ミク』がそれぞれオリコン週間アルバムチャートで1位を獲得した。「初音ミク -Project DIVA-」などのゲームソフトや、2009年以降開催されている(初音ミクのライブイベント)でも動画サイトで発表された楽曲が使用されている[102]。
ニコニコ動画では、初音ミクで作成した楽曲以外にも様々なミクに関連した動画が投稿されている。ニコニコ動画上では、ミク発売以前より、別のユーザーが投稿した動画を利用して新たな動画を作るといったことが盛んに行われていた。ミクを用いた動画からもそうした動画が数多く生み出され[103]、ミクで作成された楽曲にPVを付ける、あるいはその楽曲を歌う、演奏するといったように様々な広がりを見せている[92]。また、有志の手により、週ごとにニコニコ動画上で人気の楽曲を紹介する「週刊VOCALOIDランキング」などのランキング動画も投稿されている[104][105]。
こうした創作活動の盛り上がりを受け、クリプトンは2007年12月3日にキャラクターの利用に関するガイドラインを公開すると共に、二次利用可能なコンテンツの投稿サイト「ピアプロ」を開設し、クリエイターの創作活動を後押しする体制作りを進めている[106]。
MikuMikuDanceの公開
MikuMikuDance(ミクミクダンス)はキャラクター3Dモデルを操作し、アニメーションを作成することのできるフリーウェア。クリプトンの製品ではなく、個人の作者が初音ミクの3D映像を作る目的で作成したもので、デフォルトのモデルの一つとしてミクの姿の3Dモデルを内蔵しており、扱いの容易さが特徴とされる。クリプトンのガイドラインの改定で、ミクを利用したプログラム作品の公開が解禁されたことを受けて2008年2月24日より公開された。それまでニコニコ動画で発表されるミクの動画は静止画が主流であったが、これにより多くの3D映像が発表されるようになり、MikuMikuDanceの登場で歌声の存在であったミクが「アイドルとしての肉体を持った」とも言われる[107]。MikuMikuDanceは、ニコニコ動画で発表されている作品のみならず、初音ミクを起用した「Windows Live メッセンジャー」や、「Google Chrome」のCMの作成などにも使用されている[108][109][110]。
初音ミクを巡る騒動
『アッコにおまかせ!』内での特集及び画像検索を巡る騒動
2007年10月14日に放送されたTBSのバラエティ番組『アッコにおまかせ!』にて『初音ミク』が取り上げられたが、その放送内容に対して「ミクがきちんと紹介されていない[111]」「ソフトとは無関係な「オタク」を面白おかしく取り上げたテレビの印象操作[112]」などといった苦情や批判が相次ぎ[111][112][113]、クリプトン・フューチャー・メディアのホームページにあるブログへの書き込みが殺到した[112]。クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役の伊藤博之は、番組制作サイドに問題があったとしつつ、ユーザを不快にさせたことへの謝罪コメントを発表している。なお、TBS側はこの件に関して後にCNETの取材に対し「謝罪のコメントを出す予定はない。具体的にどの辺が問題なのか指摘してもらいたい」とコメントしている[114]。この騒動は、「初音TBSミク事件」と呼ばれるようになった。
10月17日、『アッコにおまかせ!』による騒動とほぼ時を同じくしてGoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンで「初音ミク」を画像検索すると、見つからないかミクに関連する画像が存在するにもかかわらず無関係な画像が表示されるという現象が指摘される[115]。クリプトンはこの問題に対し、自社の側から検索結果に対し何も依頼していないことをコメント[116]、GoogleとYahoo! JAPANはともに原因は調査中とした[117]。一方で同時期でも中国版Yahoo!の画像検索、gooの画像検索、Live Search(MSN)の画像検索、livedoorの画像検索などでは普通に初音ミクの画像がヒットしていた[115][118]。GoogleとYahoo! JAPANで検索できなかったのは画像検索時のみで、Web検索には問題が発生しなかったことから、画像検索のインデックスの更新の遅れが原因との推測もある[119]が、一方でITmediaのインタビューに答えた技術者(匿名、Google及びYahoo! JAPANの関係者ではない)はインデックス更新の遅れという可能性は低いとコメントしている[120]。Google、Yahoo! JAPANはどちらも意図的な削除については否定[120]、Yahooは同年10月21日頃、googleについては23日には初音ミクの画像が回復したとされる[121][118]。Yahoo! JAPANは10月26日「画像データの収集が不十分だった。意図的に削除したということは絶対にない」と、画像データの収集が十分でなく遅れがあったことを認めるコメントを発表している[122]。この騒動では画像の検閲説まで生まれ、「初音ミク画像検閲事件」などと呼ばれるようになった。
この二つの件は連続して起こったことから一つに結び付けられて大きな話題となり[113]、一部の電子掲示板サイトでは広告代理店、テレビ局、芸能プロダクションなどによるものだとする説まで登場する祭り騒ぎに発展した[119]。中にはそのような企業から下請けを行っていた会社の存在も指摘されていた。また、同じ時期に行われたウィキペディア日本語版における初音ミクの記事(本記事)の全文削除[注 11]についてもこれらとの関連性を疑われている[124]。電子掲示板サイトではこれらの問題に関するスレッドが乱立し、大きな騒ぎとなった。これらの騒動は、初音ミクが消えた様子から、翌年に発表された曲作品である初音ミクの消失と同名の「初音ミクの消失」と表現されたり、「初音ミク失踪事件」と呼ばれるようになった。なお、こうしたスレッドの書き込みに影響を受け、前述した下請け会社の存在と関連させ、陰謀の首謀者に雇われ騒ぎを沈静化させるための印象操作を行っているキャラクター、という設定の元に創作されたキャラクターイラストが11月1日に公開され、ミクの派生キャラクターの一人である(亞北ネル)が誕生している[113]。亜北ネルの語源は、騒動の最中に、陰謀論を唱えるスレッドでの騒ぎを鎮静化しようと「飽きた」「寝る」等といった発言が各地で続発したことによる[注 12]。
初音ミク楽曲のJASRAC信託と着うた配信に関する騒動
2007年12月、初音ミクのムーブメントでの代表的な楽曲の一つであった「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」が、ニコニコ動画を運営するニワンゴの親会社であるドワンゴからの着うた配信に伴って当時の子会社のドワンゴ・ミュージックパブリッシングにより日本音楽著作権協会(JASRAC)への信託が行われたが、これに対しファンからの大きな反発が発生した。上記のようにミク関連の楽曲では他のユーザーが歌ったりPVを付けたりといった幅広い二次利用が行われていたが、管理団体の管理下におかれることでこうした作品について、たとえ作者が利用を認めていても許諾手続きや利用料の支払いが必要となる懸念があった[125][注 13]。また、同曲はクリプトンの許可を得ずに楽曲のアーティスト名を「初音ミク」として登録されていた[125]。この状況を受けクリプトン側は12月18日、JASRAC登録についてなぜその必要があったのか説明を求めた、初音ミクという表記については事前の説明が無かった、とのコメントを自社のブログに掲載[126]。それに対しドワンゴ・ミュージックパブリッシングは12月20日にニコニコ動画のブログ「ニコニコニュース」にコメントを掲載し、アーティスト名については連絡不徹底による誤りとして謝罪し修正するとしたものの、JASRACへの信託についてはクリプトン側も知っていたはずだとし、両社が互いに異なる主張を展開[126]。更に、ドワンゴから着うた配信されていた初音ミク楽曲の一部について作者との契約の無いまま配信が行われているとする疑惑などが浮上し、これらもあわせ両社がブログ上で食い違う主張を応酬する事態へと発展した。着うたの無断配信については、ドワンゴ、ドワンゴ・ミュージックパブリッシング、クリプトン、クリプトンよりドワンゴとの契約にあたる仲介業者として選定されていたフロンティアワークス、作詞作曲者の5者が絡み、それぞれに十分な意思疎通ができていなかった事が原因と見られている[127]。しかしながら、これら一連の騒動については最終的に双方の主張に食い違いを残したままそれまでの経緯を水に流す形で和解が行われており[128]、詳細については明らかになっていない。なお、「ニコニコニュース」については、和解の後にクリプトンとの応酬に係わるコメントが削除されている[129]。
12月25日、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングとクリプトンは一連の騒動に関する共同声明を発表[130]。この件に関する経緯や事実関係に関して争わず、独自の主張をしないとした上で、今後初音ミク関連のコンテンツを新規に配信する場合には、制作者との契約を事前に締結し、締結が終わるまでは配信しないことを確認したとした[128]。また、権利関係についても、ミクで制作した楽曲データに関する権利(原盤権)はデータ制作者が、楽曲データに使われている楽曲の権利(出版権)は作詞・作曲者が持ち、権利行使代行会社を自らの意思により決定できること、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングがミクを使用して有名になった楽曲の管理を著作者に申し入れる際はJASRACだけでなくイーライセンス等他の著作権管理団体への信託、信託を行わないなどの複数の選択肢について著作者に説明し、著作者の意思を確認してどれを選ぶか決めることなどが示された[128]。
この一連の騒動については、創作者とそれを受け取るユーザーがはっきり線引きされていることを前提とした著作権処理の仕組みが、一般のユーザー同士で無償でコンテンツを利用し合うという状況に対応していなかったことに問題の原因があったとされている[131]。着うたの無断配信疑惑については、業界の慣行からは問題ないとされる”契約書を交わす前に口頭での許諾で配信をはじめる”といった手順が、一般ユーザーの意識とずれていたことが行き違いの要因として挙げられている[132]。また騒動の背景には、楽曲に関する著作権の他に、コミュニティ上で育ったコンテンツで収入を得る行為を好ましく思わない一部のユーザーの態度や、パブリックドメイン、クリエイティブ・コモンズに関する議論の影響が原因ではないか、との見解が出されている[132][133]。この騒動ではクリプトンがクリエイター寄りの立場として支持された一方、プロのやり方を貫くドワンゴ・ミュージックパブリッシングや、JASRAC(ただし、JASRACについては単に事務手続きを行っただけである)が批判され[132]、一時はニコニコ動画からzoomeへの初音ミクユーザーの流出も発生したが[134]、クリプトンとドワンゴ・ミュージックパブリッシングの間で比較的迅速に関係修復が図られたこともあり早期に秩序を回復し、その後も流行は拡大を続けることとなる[133]。また、この後にはネットでの流行に配慮した権利処理の仕組みづくりも進められている(詳細は(初音ミクのメディア展開#ユーザーの楽曲の権利処理)を参照)。
年表
2007年
- 7月24日 - クリプトンでの「ライブラリ部に関する作業」終了[135]。
- 8月17日 - 公式ブログでデモソングを先行公開[136]。
- 8月31日 - クリプトン・フューチャー・メディア、ボーカル音源ソフトウェア「キャラクター・ボーカル・シリーズ 01 初音ミク」を発売。
- 9月4日 - ニコニコ動画に『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』が投稿される。「はちゅねミク」、ネギが登場。
- 9月12日 - ITmedia News に初音ミクの流行が取り上げられる。"異例の売れ行き「初音ミク」 「ニコ動」で広がる音楽作りのすそ野"[16]
- 9月20日 - ニコニコ動画に『みくみくにしてあげる♪【してやんよ】』が投稿され、大人気の楽曲に。
- 9月21日 - 毎日新聞朝刊に取り上げられる。"検索・急上昇:初音ミク"[137]
- 9月27日 - BCNランキングに取り上げられる "大ブレイクの「初音ミク」、売り上げもぶっちぎりのトップを爆走中!"[94]。
- 10月6日 - 寺島情報企画「DTMマガジン」2007年11月号発売[138]。体験版が同梱され、3日間で完売(ソフトウェアを参照)。
- 10月14日 - TBS『アッコにおまかせ!』内での特集。放送内容を巡り騒動に発展。
- 11月9日 - PS2専用ゲームソフト『トリノホシ 〜Aerial Planet〜』(日本一ソフトウェア)のイメージソングの歌い手に初音ミクの起用が発表される。
- 11月16日
- はちゅねミクがトロ・ステーションへゲスト出演(ゲームとのコラボレーション、ゲスト出演等を参照)。
- Saori@destinyの初シングル「My Boy」に初音ミクがコーラスとして起用されることが発表される[139]。
- 11月17日 - NHK-BS2『ザ☆ネットスター!』放送(2008年4月5日よりレギュラー化)、(番組のテーマ曲)として初音ミクで作成された楽曲が使用される。
- 11月26日 - ドワンゴ、『みくみくにしてあげる♪』等の初音ミク関連楽曲の着うた・着うたフル配信開始[140]
- 12月3日
- 12月7日 - 「supercellのryoが「メルト」を投稿し大人気を得る。キャラクターソングを中心としていた初音ミクの楽曲だったが、以後、様々なジャンルの曲が作られるようになった。
- 12月12日 ジャイブ「月刊コミックラッシュ」2008年1月号発売。KEI作『メーカー非公式 初音みっくす』連載開始。
- 12月18日 - 「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」』が、初音ミクをアーティスト名とするJASRACの管理曲として登録されたことに対して、クリプトン社がコメントを公表(#初音ミク楽曲のJASRAC信託と着うた配信に関する騒動を参照)、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングとの対立へ。
- 12月25日 - クリプトン・フューチャー・メディア及びドワンゴ・ミュージックパブリッシング、共同コメント発表(#初音ミク楽曲のJASRAC信託と着うた配信に関する騒動を参照)。対立は終息へ。
- 12月26日 - 角川書店「月刊コンプエース」2008年2月号発売。おんたま作『はちゅねミクの日常 ろいぱら!』が連載開始。
- 12月27日 - テレビ東京番組『うぇぶたま』内でベストプロデューサーコンテスト開始。2008年4月15日放送の『うぇぶたま3』内で結果を発表。
2008年
- 1月25日 - フロンティアワークス、公認CD『星のカケラ』発売。一般流通のCDで初音ミクのイラストや名称などを使用したものはこれが初めて。
- 2月24日 - 3D動画作成ソフトウェア「MikuMikuDance」(作者「樋口M」こと樋口優)の初版が一般公開される[142]。
- 3月10日 - 社団法人デジタルメディア協会主催の「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'07 / 第13回 AMD AWARD」で優秀賞を受賞[143]。
- 3月19日 - ネットジャパン、Macintosh上でWindowsソフトを動かすことのできるソフトCodeWeavers「CrossOver Mac」の「初音ミク」バンドル版を発売[144]。
- 3月29日 (テレビ神奈川放送分) - 『【俗・】さよなら絶望先生』への出演(アニメ作品への出演を参照)。
- 3月31日 - グッドスマイルカンパニー、ディフォルメフィギュア「ねんどろいど 初音ミク」が発売。
- 5月29日 - ニンテンドーDSソフト『13歳のハローワークDS』でゲームデビュー[145]。
- 8月24日 - 大阪府岸和田市で開催された日本SF大会において「ボーカロイド=歌唱に特化した人型ロボットを開発した技術とDTMに「ボーカロイド」という概念を取り入れ、普及させた功績」に対し第39回星雲賞自由部門の受賞が決定。
- 8月27日 - 音楽サークルlivetuneがビクターエンタテインメントよりアルバムCD『Re:package』をリリース。初音ミクのイラストや名称などを使用してメジャーレーベルから発売されたCDはこれが初めて。
- 9月16日 - クリプトン、待受画像や楽曲を配信する携帯サイト「初音ミクモバイル」(ミクモバ)を開設[146]。
- 9月24日 - 初音ミクが第13回アニメーション神戸賞作品賞・ネットワーク部門を受賞。
- 9月25日 - 講談社より、ユーザーから募集された作品やキャラクターアイテムなどを収録した『初音ミクMIXING BOX』発売。
- 10月8日 - 公益財団法人日本デザイン振興会主催による2008年度のグッドデザイン賞を受賞。
- 11月9日
- 2008年度のSUPER GT最終戦に「初音ミク Studie GLAD BMW Z4」が出走(Studie GLAD Racingを参照)。
- コスプレイヤーとしても知られるキックボクサーの長島☆自演乙☆雄一郎がNJKFスーパーウェルター級王座決定戦の試合で、『みくみくにしてあげる♪』を入場曲に初音ミクの扮装で出場し王座を獲得[147]。
- 11月14日 - 自由国民社の『現代用語の基礎知識2009』が、「初音ミク」をインターネット関連の用語として初掲載[148]。
- 12月12日 - ユリイカ(青土社)2008年12月臨時増刊号として「ユリイカ 増刊号 総特集=初音ミク」発売。
2009年
- 3月 - 内閣府が発行している海外向けオンライン広報誌「Highlighting JAPAN」3月号の記事で、初音ミクが紹介される[149][150]。
- 3月4日 - 人気楽曲「メルト」などを収録したsupercellのアルバム『supercell』が発売。発売1週間目で5万6千枚を売り上げる[151]、オリコン週間チャートでは4位にランクイン、その後同年6月までに10万枚以上を出荷し日本レコード協会よりゴールドディスクに認定された[152]。
- 3月14日 - PSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』が同年7月2日に発売される事が正式に発表される。
- 4月9日 - クリプトン、(NetVOCALOID)を用いた携帯電話用サイト『ミクと歌おう♪』(ミクうた)を開設。
- 5月25日 - MM Agencyと老舗海老菓子製造メーカーの「志満秀」が初の食品(菓子)系コラボ商品「瀬戸内発!初音ミクのネギ入りえびせん『みくせん』」を発売。
- 6月4日 - クリプトン、キャラクターの非営利無償での利用を一般に許諾するライセンス「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」を公開。
- 7月2日 - セガよりPSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』が発売。
- 8月22日 - さいたまスーパーアリーナで開催された(Animelo Summer Live 2009)にアーティストとして映像出演。
- 8月31日 - 東京のSTUDIO COASTにて初音ミク発売2周年記念ライブイベント「(ミクフェス '09(夏))」を開催。ステージ上での初めての透過スクリーンの使用。
- 10月6日 - Google社のウェブブラウザGoogle Chromeで初音ミクをあしらったスキンが公開される[153]。
- 11月21日 - シンガポールで開かれた「アニメフェスティバルアジア2009」にて、ステージのスクリーンに初音ミクが出演[154]。初音ミクの「海外初公演」と報じられた[154]。
2010年
- 1月 - 2009年に開校した山口県にある広域通信制・単位制の精華学園高等学校とピアプロのコラボレーション企画で初音ミクを使った校歌の公募が行われ、応募作品の中から「羽ばたける君へ」が校歌に選ばれる[155]。
- 2月1日 - 『Studie GLAD Racing』に代わり新チーム『GOOD SMILE RACING with COX』を設立し2010年のSUPER GTへ初音ミクの痛車での参戦を発表[156]。
- 2月5日 - 第61回さっぽろ雪まつりにて、初音ミクの雪像を初展示。雪像化を記念し冬の北海道の応援キャラクター「雪ミク」が誕生。「雪ミク」グッズの販売なども行われる[157]。
- 3月9日 - 3月9日をミクの日と称し、東京のZepp Tokyoでライブイベント「(ミクの日感謝祭 39's Giving Day)」を開催。
- 4月9日 - クリプトンが携帯電話用サイト『ミクと歌おう♪』にて『初音ミク・アペンド』を使った音声合成サービスの提供を開始[158]。
- 4月30日 - クリプトン、追加音源『初音ミク・アペンド』を発売。
- 5月11日 - 2011年3月に営業運転を始める東北新幹線の新型車両E5系使用列車の愛称募集で「はつね」が応募数で2位になる[159]。E5系のカラーリングが初音ミクを髣髴とさせるものであったことからネット上で「はつね」での応募を呼びかける動きが起こっていた[160]。なお、愛称には7位の「はやぶさ」が選ばれた。
- 5月19日 - EXIT TUNESよりコンピレーション・アルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』発売。発売1週間目で2万3千枚を売り上げ、5月31日付オリコン週間チャートにて初音ミク関連CDのみならず、ボーカルに音声合成ソフトを用いたアルバムとしては初となる週間1位を獲得[161][162]。
- 5月20日 - クリプトン、携帯電話向けの育成型シミュレーションゲーム『初音ミク ボカロ×ライブ!』を開始。
- 5月21日 - 初音ミクのイラストと約14,000人の応援メッセージが印刷されたアルミプレートが搭載された金星探査機「あかつき」が H-IIAロケットで打ち上げられた[163][164][165]。
- 7月29日 - セガよりPSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』の続編となる『初音ミク -Project DIVA- 2nd』が発売。
- 8月31日 - 同年3月9日に開催されたコンサート「ミクの日感謝祭 39's Giving Day Project DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは、初音ミクです。〜」の模様を上映するフィルムコンサート「ミクの日感謝祭 39's Giving Day初音ミク・フィルムコンサート 〜ありがとう、初音ミクです。〜」を10カ所の劇場で同時開催[166]。
- 9月1日]- 同年3月9日のコンサートの模様を収録した『ミクの日感謝祭 39’s Giving Day Project DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは、初音ミクです。〜』発売。Blu-ray Disc (BD) 版については発売1週間目で10,211枚を売り上げ、オリコンミュージックBDランキングで1位を獲得[167]。
- 12月20日 - クリプトン、着うたフルを配信する携帯電話用サイト「初音ミク ボカロサウンド」を開設[168]。
2011年
- 1月8日 - 角川書店(現:KADOKAWA)より発行の月刊Newtype2011年2月号誌上より『電脳戦機バーチャロン』とのコラボキャラクター「フェイ・イェンHD」を発表。後に『初音ミク -Project DIVA- extend』のモジュールとして登場したり『スーパーロボット大戦UX』に参戦するなどのメディアミックスが行われた。
- 1月19日 - EXIT TUNESよりコンピレーション・アルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus feat.初音ミク』発売。発売1週間目で3万1千枚を売り上げ、1月31日付オリコン週間チャートにて『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』に続く2作目の1位獲得[169]。
- 2月7日 - 前年に続き第62回さっぽろ雪まつりで雪像展示、及び氷像展示、「雪ミク」グッズの販売やイベントを開催[170]。
- 2月11日 - 札幌市電で3300形電車に「雪ミク」イラストを使用したハーフラッピング車両を3月26日まで運行[171]。同車の車内放送の音声は初音ミクを担当した声優の藤田咲によるもの[171]。
- 3月9日 - 東京のZepp Tokyoでライブイベント「(初音ミク・ライブパーティー 2011 ミクパ♪)-39's lives IN TOKYO-」を開催。パブリックビューイングも同時に行われた。
- 5月4日 - トヨタ自動車の北米地域の統括管理会社トヨタ・モーター・ノースアメリカが、初音ミクを起用したトヨタ・カローラ2011年モデルのCMを公開[172]。
- 6月25日 - 早川書房のS-Fマガジンが8月号で初音ミクを特集。予約殺到により発売前に増刷が決まり、「1959年の創刊以来初の快挙」と言われた[173]。
- 7月2日(現地時間) - アメリカ合衆国・ロサンゼルス(NOKIA Theatre)で開催された『Anime Expo 2011』の一環として、日本国外では初となる初音ミクの単独ライブ「(MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES)」を開催[174]。のちにこのライブを収録したDVD版・BD版が発売されている[175][176]。
- 8月16日・8月17日 - 札幌市教育文化会館にて、ライブイベント「初音ミク・ライブパーティー 2011 ミクパ♪-39's lives IN SAPPORO-」を開催。
- 10月16日 - レーシングチーム「GSR & Studie with TeamUKYO」が、SUPER GTの2011年シーズン総合優勝。
- 11月10日 - セガよりPSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』シリーズの第3作となる『初音ミク -Project DIVA- extend』が発売。
- 11月11日 - シンガポールで開催されたアニメフェスティバル「アジア2011」内で、ライブイベント「初音ミク・ライブパーティー 2011 ミクパ♪-39's lives IN SINGAPORE-」を開催。
- 12月16日 - GoogleのウェブブラウザGoogle Chromeの「Google Chromeグローバルキャンペーン」で、初音ミクを起用したCMが公開される[177]。
- 12月19日
2012年
- 2月4日 - NHK総合「週刊ニュース深読み」で、「なぜ今世界で人気?ニッポンの”歌姫”」の中で採り上げられる[180]。
- 2月6日 - 前年に続き第63回さっぽろ雪まつりで雪像展示、及びすすきの会場での氷像展示、「雪ミク」グッズ販売などを実施。
- 2月7日 - さっぽろ雪まつりで、展示されていた「雪ミク」の雪像が崩れ、女性一人が腰の骨にひびが入る重傷を負う事故が発生[181]。なお、雪像は安全のため構造を変更した上で雪まつり期間中の11日未明に再建された[182]。
- 2月20日 - クリプトン、初音ミクを題材としたフィーチャーフォン向けカード型育成シミュレーション「初音ミク ぐらふぃコレクション」をサービス開始[183]。
- 3月8日 - セガよりニンテンドー3DS専用ゲームソフト『初音ミク and Future Stars Project mirai』が発売。また、「(ミクの日大感謝祭)」として東京の(TOKYO DOME CITY HALL)にて8日、9日の両日にわたりライブイベントを開催。毎日2公演の合計4公演。
- 3月9日 - セガよりiOS用リズムアクションゲーム「ミクフリック」が発売。
- 3月19日 - 社団法人デジタルメディア協会主催の「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'11 / 第17回 AMD AWARD」で、2011年7月2日にロサンゼルスで開催されたライブイベント「MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES」が大賞/総務大臣賞を受賞[184]。
- 6月20日 - カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルで、初音ミクを起用した「Google Chrome」のCMがダイレクトマーケティング部門 Corporate Image & Information部において銅賞、ブランデッドコンテンツ&エンターテイメント部門 Best Use of User Generated Contents部で銀賞を受賞[185]。
- 8月29日 - 同年3月8日、9日に行われたライブイベント『ミクの日大感謝祭』を収録したBlu-ray、DVD、CDが発売され、両日の公演を同梱した『初音ミク ミクの日大感謝祭 2DaysコンプリートBOX【Blu-ray+CD】 初回受注生産限定盤』が、9月10日付週間BDランキングで、総合では初[注 14]となる1位を獲得[186]。
- 8月30日 - セガよりPS Vita専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』シリーズの第4作となる『初音ミク -Project DIVA- f』が発売。
- 10月2日 - 香港のKITEC内にあるスターホールで「初音ミク 香港ファーストコンサート "ミクパ♪"」を開催(2回公演)。
- 10月6日 - 台湾で「初音ミク 台湾ファーストコンサート "ミクパ♪"」が開催(2回公演)。一部は東京MXテレビでも生中継された。
- 11月8日 - 第66回北海道新聞文化賞特別賞受賞[187]。
- 11月22日 - セガよりスマートフォン用育成シミュレーションゲーム「初音ミク ライブステージ プロデューサー」が発売[188]。
- 11月23日 - 東京オペラシティで行われた冨田勲『 イーハトーヴ交響曲』 の世界初公演に初音ミクがソリストとして出演[189]。
- 12月14日 - 公式イラストについて、クリエイティブ・コモンズのBY-NC 3.0(表示 - 非営利 3.0)によるライセンスを開始[73]。
- 12月1日・12月2日 - 山口情報芸術センターにて渋谷慶一郎らによるボーカロイド・オペラ「THE END」の初公演が行われる[190]。
- 12月17日 - 札幌市電で「雪ミク」イラストを使用したフルラッピング車両を2013年3月31日までの予定で運行。デザインは2013年度版の雪ミク「いちご白無垢Ver.」である[191]。
2013年
- 2月5日-2月11日- 第64回さっぽろ雪まつりで雪像展示、限定グッズの販売などが行われた。期間中の9日、10日には「ミクパ♪in札幌〜初音ミクライブパーティー2013」として、札幌市民ホールにて、2日間にわたりライブイベント4公演を開催。
- 3月7日 - セガよりPS3専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』シリーズのPS Vita版をベースにした移植版の『初音ミク -Project DIVA- F』が発売。
- 3月9日 - 和歌山ビッグホエールにて初の関西公演となるライブイベント「初音ミク ライブパーティー 2013 in Kansai(ミクパ♪)」を開催。
- 4月6日 - フジテレビ系列の音楽番組『ボーカロイド歌謡祭』に出演。これがテレビ番組の初出演となる。
- 4月26日 - 東京の六本木ヒルズ・森美術館で、愛をテーマにした森美術館10周年記念展「LOVE展:アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで」が9月1日まで開催され、展示に初音ミクも登場[192]。
- 5月31日-6月8日 - マン島TTレースに出場する(MIRAI)の電動バイク「TT零13」とのコラボレーションで出走[193]。
- 7月6日 - フランスのパリで開催された「Japan Expo2013」にて、英語のライブラリを収録した「HATSUNE MIKU ENGLISH」の2013年夏の発売を発表[194]。
- 7月16日-7月21日 初音ミクとコラボしたスマートフォン「Xperia feat.HATSUNE MIKU SO-04E」の広告キャンペーンとして、六本木ヒルズにてソニー株式会社が開発したAR技術「SmartAR」を使ったライブイベント『HATSUNE MIKU AR STAGE』開催[195]。
- 7月20日 第52回日本SF大会こいこん(会場:広島県広島市 アステールプラザ)の中で星雲賞授与式が行われ、情報処理2012年05月号別刷「《特集》CGMの現在と未来: 初音ミク, ニコニコ動画, ピアプロの 切り拓いた世界」が星雲賞受賞[196]。
- 7月24日 - VOCALOID3版の「初音ミクV3」発売を発表[197]。
- 7月27日 - フジテレビ系列の音楽番組『ボーカロイド歌謡祭』に2回目の出演。この回は、番組アシスタントとして出演。
- 8月2日 - NTTぷららの映像配信サービスひかりTVで、初音ミク初の冠番組『初音ミクの ミクミクメイクミク!』を開始[198]。
- 8月3日-7日 - グランドフロント大阪 北館4階 ナレッジシアターにて大阪公演「HATSUNE Appearance in Knowledge Capital supported by au 『夏祭初音鑑』」を開催。
- 8月21日-8月29日 - ベルサール秋葉原B1にて東京公演「ANGEL Project旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 『夏祭初音鑑』」を開催[199]。
- 8月30日 - 横浜アリーナにて「初音ミク マジカルミライ 2013」を開催[200]。後に恒例イベントとなる(これが初めての「マジカルミライ」で、昼と夜のライブ公演計2回と展示)。
- 8月31日 - 『初音ミク V3 ENGLISH』のダウンロード販売を開始[23]。
- 9月26日 - 『初音ミク V3』、『初音ミク V3 バンドル』を発売[23]。
- 10月19日 - 西武鉄道で6000系電車1編成(6114編成)が、初音ミクのラッピング電車を2014年1月まで運行。
- 11月28日 - セガよりニンテンドー3DS専用ゲームソフト「初音ミク Project mirai 2」を発売。
2014年
- 1月31日 - 明治大学 米沢嘉博記念図書館1階展示コーナーにて、「- 次元の壁をこえて - 初音ミク実体化への情熱展」開催。6月1日まで。
- 2月5日-2月11日 - 第65回さっぽろ雪まつりで雪像展示、限定グッズの販売などが行われた。期間中には「雪祭初音鑑」として、クラップスホールにて、期間中ライブイベントを開催。
- 3月9日 - 初音ミク Project DIVA F 2nd 発売記念イベント「MATSURI DA DIVA」が開催(於 TOKYO DOME CITY HALL)。
- 3月12日 - BUMP OF CHICKENの配信限定シングル『ray』(BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU)がリリース。クリプトン社が公式で他ミュージシャンとコラボレーションした初めての例。
- 3月27日 - セガよりPS3・PS Vita専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』が発売。(当初は3月6日に発売予定であったが、クオリティアップを図るために延期)。
- 4月3日 - 太田出版より書籍「初音ミクはなぜ世界を変えたのか?」発売[201]。
- 5月6日-6月3日 - レディー・ガガの世界ツアー「the Artpop ball」にオープニングアクトとして出演。
- 5月28日・5月29日 - ミクの海外での総合イベント「HATSUNE MIKU EXPO」の第一弾がインドネシア・ジャカルタにて開催。ライブイベントや展示企画、日本文化を発信する企業ブースなどが立ち並ぶ。来場者数は展示会場で1万人、ライブ会場で5000人を動員したと発表[202]。
- 6月14日 - 舞浜アンフィーシアターで開催された「MTV VMAJ 14」にライブアクトとして登場。
- 6月23日-6月29日 - パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにMIRAIの電動バイク「TT零13改」とのコラボレーションで出走[203]。
- 7月31日 - 東京ドームで開催されたBUMP OF CHICKENのコンサートツアーファイナル「WILLPOLIS 2014」にゲストとして登場。コラボ楽曲である「ray」をBUMP OF CHICKENと共に披露した[204]。これは、1公演としては2017年現在で初音ミク史上最大規模の公演である(動員5万人)。
- 8月30日 - 初音ミクの技術展示等を含む総合イベント「マジカルミライ2014」がインテックス大阪で開催。1万1000人を動員[205]。
- 9月7日 - 清水マリンパークにて、しずいた!富士山納涼祭2でファンメイドのアフターイベント「冨士山ミクライブ」。
- 9月20日 - ライブコンサート「マジカルミライ2014」が東京体育館で開催。東京と大阪の合計で2万4000人を動員[206]。
- 10月8日 - アメリカ・CBSのテレビ番組「The Late Show with David Letterman」に出演。[207]。
- 10月11日・10月12日 - 「HATSUNE MIKU EXPO」の第二弾がアメリカ・ロサンゼルスで開催。3年3ヶ月ぶりのノキア・シアターでの開催となる。
- 10月17日・10月18日 - 「HATSUNE MIKU EXPO」の第三弾がアメリカ・ニューヨークで開催(公演はHammerstein Ballroom)。NYとLA会場で合計3万人を動員したと発表。[208]
- 10月26日 - NHK BSプレミアムの番組「J-MELO」でクリプトンの伊藤社長が「初音ミク」を語る。
- 10月28日 - クリプトン・フューチャー・メディアがiOS/Android向けに初音ミクを題材としたスマートフォンゲーム「初音ミク ぐらふぃコレクション なぞの音楽すい星」をリリース。
- 11月16日 - SuperGTのレーシングチーム「Good Smile Racing & TeamUKYO」が、SUPER GTの2014年シーズン総合優勝。3年ぶりのタイトル。
- 12月20日 - 新千歳空港に雪ミクの複合商業施設「雪ミクスカイタウン」がオープン[209]。
2015年
- 1月16日・1月17日 - ランティスが主催するアニソンライブイベント「Lantis Festival 2015 in Las Vegas」に初音ミクが特別ゲストとして登場[210]。
- 2月5日 - 2月11日- 第66回さっぽろ雪まつりで雪像展示・限定グッズなどを行う総合イベント「SNOW MIKU 2015」が開催。期間中には「SNOW MIKU LIVE presents mikuexpo setlist」というライブイベントが2月7日と8日の2日間、Zepp Sapporoにて開催[211]。
- [3月21日 - 4月7日 - 関西のレジャー施設「ひらかたパーク」と初音ミクがコラボしたイベント「初音ミク SPRING スタンプラリー♪ in ひらかたパーク」が開催予定(夏にも再びタイアップイベントが行われる予定)[212]
- 5月20日 - 北京で初公演。中国政府主催の国際芸術祭「ミート・イン・北京」で日本から唯一招聘された冨田勲作曲「イーハトーヴ交響曲」のプリマ歌手として。
- 6月4日・6月5日 - オランダ・アムステルダム開催のHolland Festivalで、オペラ「THE END」(主演:初音ミク)が招聘上演。
- 6月27日・6月28日 - 中国の上海では初となる単独公演 HATSUNE MIKU EXPO 2015 in Shanghai 開催(会場:E-SPORTS ARENA)。
- 7月2日 - 7月19日(現地)- ロサンゼルスで“HATSUNE MIKU DREAMS OF ELECTRIC SHEEP”(会場:Gallery Nucleus)。7月2日にオープニングエベント[213]。
- 9月4日 - 9月6日 - 初音ミクを取り巻く創作文化の今を発信するイベント「マジカルミライ2015」のライブ(日本武道館、9月4日-5日)と企画展(科学技術館、9月4日-6日)が開催[214]。
- 9月23日 - テレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』の特番『30年目突入! 史上初の10時間SP MUSIC STATION ウルトラFES』に番組史上初のバーチャルシンガーとして初出演[215]。尚、テレビ番組では過去2回『ボーカロイド歌謡祭』(フジテレビ系列)に出演経験がある為、これが3回目となる。また、『ボーカロイド歌謡祭』は関東ローカルの深夜放送だった為、全国放送の昼間〜ゴールデンタイムのテレビ番組に出演するのは初となる。
2016年
- 2月 - 「初音ミク」が『日本商品化権大賞2015』の“グローバル部門”を受賞。
- 3月22日 - 「初音ミク」が「NHK交響楽団」の創立90周年記念公演に出演[216]。
- 3月23日 - 4月10日 日本の5都市でコンサートツアー(HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour)。※ 福岡(3月23日、24日)、大阪(3月29日)、名古屋(3月31日)、札幌(4月5日)、東京(4月9日,10日)。
- 4月23日 - 5月28日北米3ヶ国7都市でコンサートツアー(HATSUNE MIKU EXPO 2016 North America)。
- 4月29日 - 4月30日 千葉県幕張メッセで開かれるニコニコ超会議2016で超歌舞伎「今昔饗宴千本桜」(中村獅童、初音ミク)上演。
- 6月4日 - 6月12日 台湾台北市華山1914文化創意產業園區で「HATSUNE MIKU EXPO 2016 IN TAIWAN 企画展」を開催。
- 6月25日 - 6月26日 台湾新北市工商展覽中心で「HATSUNE MIKU EXPO 2016 IN TAIWAN コンサート」
- 7月24日 - 題名のない音楽会の中で「放送収録ARシステム」により、オーケストラ演奏収録映像に合わせて踊る3Dの初音ミク動画を撮影カメラの画角に合わせた合成映像が放送された[217]。
- 8月26日 - 東京国際フォーラム会場Aで「初音ミクシンフォニー」を開催(後に恒例イベントとなった)。有名ボーカロイド曲をオーケストラを交えて演奏された。
- 8月31日 - 『初音ミク V4 ENGLISH』、『初音ミク V4X』、『初音ミク V4X バンドル』を発売。
- 9月8日 - 「初音ミク」の生みの親、伊藤博之がFIT2016 船井業績賞受賞記念講演[218]。
- 9月9日 - 9月11日 千葉県幕張メッセでマジカルミライ2016を開催。
- 11月11日 - 11月12日 東京渋谷のBunkamura オーチャードホールで、冨田勲x初音ミク「ドクター・コッペリウス」初演 、「イーハトーヴ交響曲」も併演。初日1公演、二日目2公演[219]。
- 11月19日 - 11月20日 東京秋葉原電気街で開催された「セガフェス」で初音ミクライブ(両日とも1回の公演で3曲ずつ内容入れ替え)。
- 12月3日 - 12月11日 中国上海、北京でコンサートツアー(HATSUNE MIKU EXPO 2016 CHINA TOUR)。
2017年
- 3月4日 - 3月5日 東京渋谷のNHKホールで「This is NIPPON プレミアムシアター 初音ミク×鼓童 スペシャルライブ」を初日夜、二日目昼と夜の計三回公演。
- 3月13日 - デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー‘16/第22回AMDアワード大賞は初音ミク×歌舞伎の「今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら」。
- 4月22日 - 中国の上海世博公園での屋外音楽イベント「B.I.G. Carnival“Banana.IP.Galaxy”」へゲスト出演し歌を8曲披露。
- 4月29日 - 4月30日 千葉県幕張メッセで開かれるニコニコ超会議2017で超歌舞伎「花街詞合鏡」(中村獅童、初音ミク)上演。各日とも昼夕の二回の計四回上演。
- 6月9日 - 13:00~23:54:NHK Eテレ:「にっぽんの芸能」伝統と最新テクノロジーの融合 超歌舞伎『花街詞合鏡(くるわことばあわせかがみ)』※ 2017年4月 幕張メッセでのニコニコ超会議2017での公演の収録。
- 7月1日 - 宝塚市手塚治虫記念館 第71回企画展「初音ミク×手塚治虫展―冨田勲が繋いだ世界―」展。10月23日まで。
- 8月31日
- 9月1日 - 9月3日 千葉県の幕張メッセでマジカルミライ2017を開催。ライブは初日夜、二日目と三日目は昼夜各二回ずつの合計五回公演。
- 11月17日 「初音ミクシンフォニー2017」大阪公演が開催。会場:大阪フェスティバルホール。
- 11月29日 「初音ミクシンフォニー2017」東京公演が開催。会場:東京国際フォーラム・ホールA。
2018年
- 3月9日 - コトブキヤよりプラモデルシリーズ『フレームアームズ・ガール』のスピンオフ『フレームミュージック・ガール』第1弾としてコラボレーション・初音ミクを発表。
- 3月24日 - タカラトミーよりトミカヒーロー『新幹線変形ロボ シンカリオン』とのコラボレーション・コラボキャラクター「発音ミク」を発表。
- 4月28日 - 4月29日: 千葉県幕張メッセで開かれるニコニコ超会議2018で超歌舞伎「積思花顔競」(中村獅童、初音ミク)上演。各日とも昼夕の二回の計四回上演。
- 6月2日] - 6月3日: 初音ミクx鼓童スペシャルライブ2018、於NHKホール。初日昼夜二公演、二日目昼の計三回公演。
- 8月25日 - 8月25日: 「初音ミク マジカルミライ2018」(大阪公演、於 インテックス大阪)。両日昼夜2公演ずつの計4公演。
- 9月1日 - 9月2日: 「初音ミク マジカルミライ2018」(東京公演、於 幕張メッセ)。両日昼夜2公演ずつの計4公演。
- 11月24日 : 「初音ミクシンフォニー2018-2019」東京公演が開催。会場:パシフィコ横浜 国立大ホール。
2019年
- 1月25日 - 「初音ミクシンフォニー2018-2019」大阪公演が開催。会場:パシフィコ横浜 国立大ホール。
- 2月20日 - 北海道の民放5局とNHK札幌放送局による共同キャンペーン『One Hokkaido Project』のキャンペーンソングに参加[223]。
- 5月11日 - 台湾新北市((新北市工商展覧中心))で「HATSUNE MIKU EXPO 2019 in Taiwan & Hong Kong」開催
- 7月27日 - 香港((九龍湾国際展貿中心))で「HATSUNE MIKU EXPO 2019 in Taiwan & Hong Kong」開催。
2020年
- 3月5日 - クリプトン・フューチャー・メディアがiOS/Android向けにスマートフォンゲーム「初音ミク ロジックペイント -ミクロジ-」をリリース。
- 9月 - 新型コロナウイルス感染症対策に取り組む日本政府のコロナ対策サポーターに就任。任期は2020年9月9日から2021年3月31日まで担当。
- 9月30日 - Craft Egg開発のiOSおよびAndroid用ゲームアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』がサービス開始。
- 10月25日 - 第40回世界遺産劇場~富岡製糸場~BUNRAKU-beyond人形浄瑠璃×初音ミク「恋娘紬迷宮」に出演[224]。
- 11月27日 - クリプトン・フューチャー・メディアが自社開発の歌声合成ソフト「初音ミク NT」をメジャーリリース。
2021年
- 4月より、CBCラジオ開局70周年公式イメージキャラクターに起用。これに先駆け、同年1月1日より月曜~金曜日に10分間のミニ番組「RADIO MIKU」の放送を開始した[225]。
- 6月30日 - イギリス・BBCの東京オリンピック放送テーマソング「Tokyo 2020 Olympics」に参加[226]。
2022年
- 4月2日 - 『ズームイン!!サタデー』(日本テレビ制作)のテーマソング「キメラ」に参加。民間放送の情報番組テーマソングに起用されるのは初めてとなった[227]。
- 8月12日-14日 : 「初音ミク マジカルミライ 10th Anniversary」 の大阪公演が開催。
- 8月31日 - 初音ミク、15周年を迎える。
- 11月2日 - 東京国立博物館創立150年記念事業 「150年後の国宝展―ワタシの宝物、ミライの宝物」に出展。期間は翌年1月29日まで。
2023年
- 2月4日 - 2月5日 : 「初音ミク マジカルミライ 10th Anniversary」の札幌公演が行われた。地元札幌でのマジミラは初。
- 2月23日 - 日本各地を巡るライブツアー「初音ミク JAPAN TOUR 2023 ~THUNDERBOLT~」の初公演が名古屋(Zepp Nagoya)で行われた。
- 8月11日-13日 : 「初音ミク マジカルミライ2023」大阪公演が両日昼夜2公演ずつの計6回公演予定。
- 9月1日-3日 : 「初音ミク マジカルミライ2023」東京公演が両日昼夜2公演ずつの計6回公演予定。
主な受賞歴
- 第13回AMDアワード年間コンテンツ賞・優秀賞(デジタルメディア協会、2008年3月10日)
- 第39回星雲賞自由部門(日本SF大会、2008年8月24日)
- 第13回アニメーション神戸賞・作品賞・ネットワーク部門(アニメーション神戸、2008年11月2日)
- 2008年度グッドデザイン賞(日本産業デザイン振興会、2008年11月6日)
- 第66回北海道新聞文化賞・特別賞(北海道新聞社、2012年11月3日)[228]
- 第17回AMDアワード大賞/総務大臣賞 (2012年3月1日)
その他・雑記
みっくみく
「みっくみく」という言葉は、ネット上で使用されている「ぼっこぼこにしてやんよ(ボコボコにしてやるよ)」という表現と初音ミクの名前を組み合わせたものとされ、初音ミクに魅了された(魅力に『打ちのめされた』)ことを表す表現として浸透している[229]。上位系として完全(フル)にみっくみくにするという意味で「フルみっく」という言葉も使用される[229]。自由国民社発行の『現代用語の基礎知識2008』にも「(はてなキーワード)にみるWebのことば」の一つとして記載された[230]。この表現は楽曲「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」のニコニコ動画上でのヒットによって定着したものだと言われている[229]。
二次創作と関連する同人文化
初音ミクは、そのキャラクター設定などから二次創作などの同人との関わりもあり、初音ミク発売の翌月には既に初音ミク関連のオンリーイベント(ジャンルを限定した同人誌即売会)が企画されていた[97]。初音ミクの登場は、同人音楽のシーンにおいて歌い手の確保というボーカル曲に挑む際のハードルを取り除くとともに、初音ミクが歌っていることに価値が見出されたことで既存曲のアレンジなどでなくとも人気を得やすくなり、歌モノオリジナル曲の制作流通を容易にするという状況をもたらした[231]。THE VOC@LOiD M@STERをはじめとするオンリーイベントや同人誌即売会を通じて、ミクを題材とする同人誌や同人CDなどの創作物が配布されており、またこういった場でミクを題材にしたコスプレといったイベントが行われるなど盛り上がりを見せている。ただし、こうした文化については初音ミクを題材にした成人向けコンテンツの存在といった問題もある[74]。
なお、ミクを用いて活動を行うユーザー全てが、必ずしもこのような文化と関わりを持っているわけではなく、中にはキャラクター的意匠に対して肯定的でないユーザーもいるとされ[232]、そのため単純にこのキャラクターがそのような文化に密接に関わっているとは言えない。
脚注
注釈
- ^ ユーザーによる創作物の中には、キャラクター利用の許諾を受けた上でCD、書籍などの形で商業展開が行われているものもある
- ^ ただし、他のVOCALOID製品同様、歌唱に特化しているため台詞を歌劇のように歌わせることは容易でも自然に「喋らせる」ことには対応していない企業向けのみの提供ではあるが喋りに対応した合成エンジンの(VOCALOID-flex)でミクのライブラリを使用することは可能[22]。
- ^ 発売以前に開発過程で作られたベータ版ライブラリの音声がアルバム2009年8月発売の『Hatsune Miku Orchestra』、9月発売のDVD『BLACK★ROCK SHOOTER -PILOT Edition-』の収録曲に使用され[24][25]、「Dark」「Soft」についてはデモ版のライブラリが「DTMマガジン」2010年1月号にて機能制限を付けた体験版として先行して提供されている[26]。「Light」については発売発表時点では存在が伏せられ、後にサプライズとして明らかにされた[27]。
- ^ 2007年からのボカロリスナー「コバチカ」がその体験を綴ったブログ「ボカロとヒトのあいだ」のシリーズ記事である「ボクボカロクロニクル(第6回 メルトその2)」より。記事内容の一部は書籍『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』に引用されている。
- ^ これについては多くの人に見てもらうことを優先し、あえて削除申請を行わなかったという
- ^ アルファベット表記のキャラクター名が書かれている。ただし、ミクの公式の表記がヘボン式の「Hatsune Miku」であるのに対し、公式イラストでは訓令式の「Hatune Miku」となっており[62]、「つ」の表記が異なっている。
- ^ ただし、左腕のパネルの表示にはDX100であり、スカートにTX816といったようにDX7以外の機種のデザインも取り入れていることを公式ブログのコメント上[65]で明らかにしている。
- ^ 企画段階では「「歌」が失われた近未来の世界で、歌う技術を持ったアンドロイド「初音ミク」が発見され、人々が歌うことの素晴らしさを知っていく……というストーリー的なもの[67]」が考えられていたという。
- ^ アニメ化の企画を持ちかけられたことはあったが、クリプトン側の方向性とは異なるため成立しなかった[69]
- ^ 初音ミクNTはVOCALOIDではないためヤマハのVOCALOIDEditorや旧Piapro Studioと互換性がない。
- ^ この削除は本項目の初版に公式サイトからの転載、あるいは誤った引用形式による著作権上の問題が見られたためのもので、Wikipedia:削除の方針に従い2007年10月16日に削除依頼が提出された。これに対しクリプトン・フューチャー・メディア代表取締役である伊藤博之より10月18日付けのブログにおいて、ウィキペディア日本語版での記事内において公式サイトからのテキストを引用元を明示せずとも引用を許諾する旨が伝えられている[123]。しかしながらGFDLでのライセンス面で懸念の声が寄せられ、10月19日、クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役伊藤博之の確認を得た上で記事の履歴を含めた全文が消去された。詳細についてはWikipedia:削除依頼/初音ミクを参照のこと。
- ^ この発言については、下請け会社によるものであると言われている。
- ^ ただし、2008年4月以降はニコニコ動画とJASRACの間で楽曲の利用に関する包括契約が結ばれたため、ニコニコ動画内での利用であればJASRACに信託されても二次利用への支障は無くなっている。
- ^ 2010年にミュージックBD部門では1位を獲得している。
出典
- ^ a b ミクペディア 2013, p. 16.
- ^ ミクはなぜ世界を変えたのか 2014, p. 113.
- ^ a b c d ミクペディア 2013, p. 50-51.
- ^ a b c d ミクはなぜ世界を変えたのか 2014, p. 2-4.
- ^ a b c 日本史A 2017, p. 197.
- ^ a b クリプトン公式サイト.
- ^ ミクはなぜ世界を変えたのか 2014, p. 114-115.
- ^ ミクはなぜ世界を変えたのか 2014, p. 146-147.
- ^ ミクペディア 2013, p. 36-57.
- ^ 7ぴあ2022.07 2022, p. 2-4.
- ^ 7ぴあ2022.07 2022, p. 3.
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参考文献
公式媒体
- Windows専用ソフトウェア『初音ミク HATSUNE MIKU』, VOCALOID2 キャラクター・ボーカル・シリーズ, 01, クリプトン・フューチャー・メディア, (2007年8月31日), p. パッケージ, (ASIN) B000VCZ75A
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- 『初音ミク -Project DIVA- F 2nd メモリアルファンブック』KADOKAWA/エンターブレイン、2014年。ISBN (978-4047297456)。
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書籍
- 『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』太田出版、2014年。ISBN (978-4778313968)。
- 『スポーツ報知 初音ミク特別号』スポーツ報知、2014年。
- 『読売新聞号外 ヨミミク新聞』読売新聞、2017年。
- 『高等学校 改訂版 日本史A 人・くらし・未来』第一学習社、2017年。ISBN (978-4804008752)。
- 『スポーツ報知 ひろさき×桜ミク 特別号』スポーツ報知、2020年。
- 『7ぴあ 2022年7月号』株式会社セブン・イレブン・ジャパン、2022年。
- 『スポーツ報知 初音ミク「マジカルミライ」10th Anniversary 特別号』スポーツ報知、2022年。
- 『スポーツ報知 プロジェクトセカイ特別号』スポーツ報知、2022年。
Webサイト
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- “#6 ねんどろいど15周年裏話 初音ミクがねんどろいどのフォーマット?”. GOOD SMILE NEXT 特設サイト. 2022年6月15日閲覧。
関連項目
- 制作関係
- クリプトン・フューチャー・メディア - 開発・発売元
- 藤田咲 - ミクのCV(歌声)サンプリング元
- ピアプロキャラクターズ
- 初音ミクのメディア展開
- バーチャルシンガー/バーチャルアイドル - キャラクターの分類
- VOCALOID
- ヤマハ - VOCALOIDエンジンの開発元
- キャラクター・ボーカル・シリーズ
- 産業技術総合研究所 - 初音ミクNTやKiiteなどを共同開発
- 音声合成
- 新幹線E5系・H5系電車 - 車体の塗色が当キャタクターの髪色に類似しており、「はやぶさ」運行開始前に列車愛称名の候補として「はつね」が挙げられていた。
外部リンク
- クリプトン・フューチャー・メディア株式会社ホームページ
- 初音ミク(製品情報、紹介ページ)
- 初音ミク・アペンド(製品情報、紹介ページ)
- 初音ミク V3(製品情報、紹介ページ)
- 初音ミク V4X(製品情報、紹介ページ)
- 初音ミク公式ブログ
- 初音ミク (@cfm_miku) - Twitter
- 初音ミク (HatsuneMikuOfficialPage) - Facebook
- 初音ミク - YouTubeチャンネル
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