2018-19年のFIA 世界耐久選手権 | |||
前年: | 2017 | 翌年: | 2019-20 |
2018-19年のFIA 世界耐久選手権は、国際自動車連盟 (FIA) とフランス西部自動車クラブ (ACO) が共同で開催するFIA 世界耐久選手権 (WEC) の第7回大会である。シリーズはプロトタイプレーシングカーおよびGTカーの参加車両を4つのクラスに分けて争われる。2018-19年シーズンは変則的なスケジュールで開催され、2018年5月のスパ・フランコルシャン6時間レースで開幕し、翌2019年6月のル・マン24時間レースで閉幕する。世界選手権タイトルはプロトタイプ/GTカーの各カテゴリーで総合首位となったドライバー/マニュファクチャラーに与えられる。
シーズン日程
WECは2017年9月1日に声明を出し、従来の春から秋にかけてのシーズン日程(ル・マン24時間レースがシーズン中盤に配置される)に替えて、2018年5月から2019年6月にかけて2度のル・マン24時間レースを含んだ暫定的スケジュールを発表した。この2018年に始まり2019年に終わるシーズンは「スーパーシーズン」と呼ばれることとなり、通常の約8ヶ月のシーズンとは異なり1年以上の長いスパンで開催される。「スーパーシーズン」の導入により、翌2019-2020年シーズンから秋に開幕し夏のル・マン24時間レースを最終戦とする形で、再び従来のスパン(約8ヶ月)でシリーズを開催することが可能となる[1]。
発表されたシーズン日程からは、2017年シーズンには含まれていたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ、バーレーン・インターナショナル・サーキット、エルマノス・ロドリゲス・サーキット、およびニュルブルクリンクでのレースが削除されていた。一方でスパ・フランコルシャン6時間レースはル・マンと同様にシーズン中2度開催されることとなったほか、2012年シーズン以来初めてセブリング・インターナショナル・レースウェイでのレースがカレンダーに加えられた。WECのセブリング戦は約8時間を要する1000マイルのレースとなり、2019年のウェザーテック・スポーツカー選手権の1戦であるセブリング12時間レースの前日に開催される[2][3][4]。
ラウンド | レース | サーキット | 開催地 | 開催日 |
---|---|---|---|---|
1 | スパ・フランコルシャン6時間レース | スパ・フランコルシャン | スパ(ベルギー) | 2018年5月5日 |
2 | ル・マン24時間レース | サルト・サーキット | ル・マン(フランス) | 2018年6月16-17日 |
3 | シルバーストン6時間レース | シルバーストン・サーキット | シルバーストーン(イギリス) | 2018年8月19日 |
4 | 富士6時間レース | 富士スピードウェイ | 静岡県小山町(日本) | 2018年10月14日 |
5 | 上海6時間レース | 上海インターナショナル・サーキット | 上海市(中国) | 2018年11月18日 |
6 | セブリング1000マイルレース | セブリング・インターナショナル・レースウェイ | フロリダ州セブリング(アメリカ) | 2019年3月15日 |
7 | スパ・フランコルシャン6時間レース | スパ・フランコルシャン | スパ(ベルギー) | 2019年5月4日 |
8 | ル・マン24時間レース | サルト・サーキット | ル・マン(フランス) | 2019年6月15-16日 |
エントリー
LMP1
エントラント | 車両 | エンジン | ハイブリッド | タイヤ | No. | ドライバー | ラウンド |
---|---|---|---|---|---|---|---|
レベリオン・レーシング[5] | レベリオン・R13[5] | ギブソン GL458 4.5 L V8 | M | 1 | ニール・ジャニ[6] | 全戦 | |
アンドレ・ロッテラー[6] | 1–5, 7–8 | ||||||
ブルーノ・セナ[6] | 全戦 | ||||||
マティアス・ベシェ | 6 | ||||||
3 | (トーマス・ローラン)[6] | 全戦 | |||||
グスタヴォ・メネゼス[6] | 全戦 | ||||||
マティアス・ベシェ[6] | 1–5 | ||||||
(ナタナエル・ベルトン)[6] | 6–8 | ||||||
バイコレス・レーシングチーム[7] | ENSO CLM P1/01 | 日産 VRX30A Evo 3.0 L V6ターボ[8] ギブソン GL458 4.5 L V8 | M | 4 | (オリバー・ウェッブ)[7] | 1–5, 7–8 | |
(トム・ディルマン)[9] | 1–2, 4–5, 7–8 | ||||||
(ドミニク・クライハマー)[9] | 1–2 | ||||||
(レネ・ビンダー)[10] | 3 | ||||||
ジェームズ・ロシター[11] | 4–5 | ||||||
パオロ・ルベルティ | 7–8 | ||||||
(CEFC・TRSMレーシング) | ジネッタ・G60-LT-P1[12] | メカクローム V634P1 3.4 L V6ターボ[13] | M | 5 | チャーリー・ロバートソン[15] | 1–2 | |
ディーン・ストーンマン[16] | 1 | ||||||
レオ・ルゼル[16] | 2 | ||||||
マイケル・シンプソン[17] | 2 | ||||||
6 | オリバー・ローランド[15] | 1–2 | |||||
(アレックス・ブランドル)[18] | 1–2 | ||||||
オリバー・ターベイ[9] | 1–2 | ||||||
トヨタ・ガズー・レーシング[19] | トヨタ・TS050 HYBRID | トヨタ 2.4 L V6ターボ | ハイブリッド | M | 7 | マイク・コンウェイ[20] | 全戦 |
小林可夢偉[20] | 全戦 | ||||||
ホセ・マリア・ロペス[20] | 全戦 | ||||||
8 | セバスチャン・ブエミ[20] | 全戦 | |||||
中嶋一貴[20] | 全戦 | ||||||
フェルナンド・アロンソ[20] | 全戦 | ||||||
(ドラゴンスピード) | BRエンジニアリング・BR1[21] | ギブソン GL458 4.5 L V8 | M | 10 | (ベン・ハンリー)[22] | 1–6, 8 | |
ヘンリック・ヘドマン[22] | 1–3, 6, 8 | ||||||
ピエトロ・フィッティパルディ[23] | 1 | ||||||
レンガー・ファン・デル・ザンデ[22] | 2–3, 5–6, 8 | ||||||
ジェームズ・アレン[11] | 4–5 | ||||||
SMPレーシング | BRエンジニアリング・BR1[24] | AER P60B 2.4 L V6ターボ[25] | M | 11 | ミハイル・アリョーシン[7] | 全戦 | |
ヴィタリー・ペトロフ[26] | 全戦 | ||||||
ジェンソン・バトン[27] | 2–5 | ||||||
ブレンドン・ハートレイ | 6 | ||||||
ストフェル・バンドーン | 7–8 | ||||||
17 | ステファン・サラザン[28] | 全戦 | |||||
(イゴール・オルトツェフ)[26] | 全戦 | ||||||
(マテヴォス・イサーキャン)[26] | 1–2, 4–5 | ||||||
セルゲイ・シロトキン | 6–8 |
LMP2
規定により、LMP2クラスに参加する車両は全車ギブソン・テクノロジー製のGK428 4.2 L V8エンジンを搭載する。
エントラント | 車両 | タイヤ | No. | ドライバー | ラウンド |
---|---|---|---|---|---|
TDSレーシング[7] | オレカ・07 | D | 28 | (フランソワ・ペロード)[7] | 全戦 |
(マシュー・バキシビエール)[7] | 全戦 | ||||
ロイック・デュバル[7] | 1–3, 5–6, 8 | ||||
ジャン=エリック・ベルニュ[29] | 4 | ||||
(ノーマン・ナト) | 7 | ||||
レーシングチーム・ネダーランド[30] | ダラーラ・P217 | M | 29 | ギド・ヴァン・デル・ガルデ[31] | 全戦 |
フリッツ・ヴァン・イアード[31] | 全戦 | ||||
ヤン・ラマース[31] | 1–2 | ||||
ニック・デ・フリース[32] | 3–8 | ||||
(ドラゴンスピード)[33] | オレカ・07 | M | 31 | ロベルト・ゴンザレス[7] | 全戦 |
パストール・マルドナド[34] | 全戦 | ||||
(ナタナエル・ベルトン)[26] | 1–2 | ||||
アンソニー・デビッドソン[35] | 3–8 | ||||
シグナテック・アルピーヌ・マットムート[36] | アルピーヌ・A470 | D | 36 | ニコラ・ラピエール[36] | 全戦 |
(アンドレ・ネグラオ)[36] | 全戦 | ||||
ピエール・ティリエ[36] | 全戦 | ||||
ジャッキー・チェン・DCレーシング[7] | オレカ・07 | D | 37 | ジャゼマン・ジャファー[37] | 1–5 |
ウェイロン・タン[37] | 1–5 | ||||
ナビル・ジェフリ[37] | 1–5 | ||||
デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン | 6–8 | ||||
ジョーダン・キング | 6–8 | ||||
ウィル・スティーブンス | 6–7 | ||||
リッキー・テイラー | 8 | ||||
38 | ホーピン・タン[38] | 全戦 | |||
(ガブリエル・オブリー)[39] | 全戦 | ||||
ステファン・リチェルミ[38] | 全戦 | ||||
ラルブル・コンペティション[40] | リジェ・JS P217 | M | 50 | エルウィン・クリード[40] | 全戦 |
ロマノ・リッチ[40] | 全戦 | ||||
ジュリアン・カナル[41] | 1 | ||||
トーマス・ダゴノー[42] | 2 | ||||
森義治[10] | 3 | ||||
井原慶子[11] | 4 | ||||
エンツォ・ギベール[43] | 5 | ||||
グンナー・ジャネット | 6 | ||||
ニコラス・ブール | 7–8 |
LMGTE Pro
LMGTE Am
エントラント | 車両 | エンジン | タイヤ | No. | ドライバー | ラウンド |
---|---|---|---|---|---|---|
スピリット・オブ・レース[44] | (フェラーリ・488 GTE) | F154CB 3.9 L V8ターボ | M | 54 | (トーマス・フロール)[53] | 全戦 |
(フランチェスコ・カステラッチ)[53] | 全戦 | |||||
ジャンカルロ・フィジケラ[53] | 全戦 | |||||
チーム・プロジェクト1[54] | ポルシェ・911 RSR | ポルシェ 4.0 L F6 | M | 56 | ヨルグ・ベルグマイスター[55] | 全戦 |
パトリック・リンゼイ[55] | 全戦 | |||||
エジーディオ・ペルフェッティ[55] | 全戦 | |||||
クリアウォーター・レーシング[44] | (フェラーリ・488 GTE) | F154CB 3.9 L V8ターボ | M | 61 | マット・グリフィン[44] | 全戦 |
澤圭太[44] | 1–5 | |||||
ウェン・スン・モク[44] | 1–5 | |||||
ルイス・ペレス・コンパンク | 6–8 | |||||
マッテオ・クレッソーニ | 6–8 | |||||
MRレーシング[44] | (フェラーリ・488 GTE) | F154CB 3.9 L V8ターボ | M | 70 | オリビエ・ベレッタ[44] | 全戦 |
エディ・チーバー3世[44] | 全戦 | |||||
石川資章[44] | 全戦 | |||||
デンプシー-プロトン・レーシング[7] | ポルシェ・911 RSR | ポルシェ 4.0 L F6 | M | 77 | クリスチャン・リート[56] | 全戦 |
マット・キャンベル[26] | 全戦 | |||||
ジュリアン・アンドローエル[56] | 1–6, 8 | |||||
リカルド・ペーラ | 7 | |||||
88 | マッテオ・カイローリ[26] | 全戦 | ||||
ジョルジオ・ローダ[26] | 1–4, 6–7 | |||||
ハリド・アル・クバイシ[26] | 1–2, 5 | |||||
ジャンルカ・ローダ[10] | 3, 6–8 | |||||
星野敏[11] | 4, 8 | |||||
リカルド・ペーラ[57] | 5 | |||||
ガルフ・レーシングUK[7] | ポルシェ・911 RSR | ポルシェ 4.0 L F6 | M | 86 | マイケル・ウェインライト[58] | 全戦 |
ベン・バーカー[58] | 全戦 | |||||
(アレックス・デビッドソン)[58] | 1–3 | |||||
トーマス・プレイニング[11] | 4–8 | |||||
TFスポーツ[59] | (アストンマーティン・ヴァンテージGTE) | アストンマーティン 4.5 L V8 | M | 90 | サーリ・ヨルチ[59] | 全戦 |
チャーリー・イーストウッド[59] | 全戦 | |||||
ユアン・ハンキー[59] | 1–2, 7–8 | |||||
ジョナサン・アダム[10] | 3–6 | |||||
アストンマーティン・レーシング[52] | (アストンマーティン・ヴァンテージGTE) | アストンマーティン 4.5 L V8 | M | 98 | ポール・ダラ・ラナ[52] | 全戦 |
ペドロ・ラミー[52] | 全戦 | |||||
マティアス・ラウダ[52] | 全戦 |
結果とランキング
レース結果
(WECにフル参戦するエントラントのみを掲載し、ポイント獲得の対象とならない招待エントラントは除外している)
- ^ スパ6時間レースのLMP2クラスで優勝したのは招待エントラントであるG-ドライブ・レーシングの26号車だったが、WECシーズンにフル参戦するエントラントではないため、優勝者の獲得ポイントはジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車に与えられた。
参加車両が選手権ポイントを獲得するにはレースを完走した上で総合優勝者の走行距離の70%以上を走行しなければならない。各カテゴリーの予選でポールポジションを獲得したドライバーおよびチームにはボーナスポイント1が与えられる。また、選手権ポイントが与えられるのはレース中にグリーンフラッグの状態で最低2周が消化された場合に限られる。
イベント | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6時間レース | 25 | 18 | 15 | 12 | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 | 1 | 0.5 |
ル・マン24時間 | 38 | 27 | 23 | 18 | 15 | 12 | 9 | 6 | 3 | 2 | 1 |
セブリング | 32 | 23 | 19 | 15 | 13 | 10 | 8 | 5 | 3 | 2 | 1 |
ドライバーズ選手権
2018-2019年シーズンには4つのドライバーズタイトルが存在するが、そのうち世界選手権タイトルは2つである。「FIA 世界耐久LMPドライバーズ選手権」のタイトルはLMP1/LMP2クラスのドライバーによって争われる。「GT FIA 世界耐久ドライバーズ選手権」のタイトルはGTEクラスのドライバーによって争われる。LMP2クラスおよびLMGTE Amクラスで選手権首位となったドライバーには「FIA 耐久トロフィー」がそれぞれに与えられる。
FIA 世界耐久LMPドライバーズ選手権
|