飯田駅(いいだえき)は、長野県飯田市上飯田にある、東海旅客鉄道(JR東海)飯田線の駅である。特急「伊那路」や、快速「みすず」などが発着する、飯田線内における主要駅として機能している。
歴史
- 1923年(大正12年)8月3日:伊那電気鉄道が元善光寺駅から延伸した際の終着駅((一般駅))として開業[1][2]。
- 1926年(大正15年)12月17日:伊那電気鉄道が伊那八幡駅まで延伸し、途中駅となった[3]。
- 1943年(昭和18年)8月1日:伊那電気鉄道が国有化された[2][3]。伊那電気鉄道線は国鉄飯田線に編入され、飯田駅は鉄道省(後の日本国有鉄道)の駅となった[3]。
- 1960年(昭和35年)11月:2代目の駅舎に改築[3]。
- 1971年(昭和46年)12月1日:自動券売機を新設[4]。
- 1984年(昭和59年)
- 1985年(昭和60年)3月14日:荷物の取扱を廃止[2]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、東海旅客鉄道の駅になった[2][3]。
- 1992年(平成4年)2月7日:3代目、現在の駅舎に改築[5]。
- 2002年(平成14年)11月:プラットホームかさ上げなどの改良工事完成[3]。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ地上駅である[1]。
南側の単式ホーム(1番線)に面して駅舎がある。駅舎の屋根は赤く塗られた丸い形状をしており、駅舎の正面の上部にはリンゴをあしらった装飾も見られる[6]。これは、信州名産のリンゴと風越山をイメージしたデザインとも言われる[5]。ただ、リンゴに関しては、信州の特産品の1つだからではなく[6]、飯田大火からの復興のシンボルとされたものがリンゴであるためとも言われる[6]。
駅長が配置された(直営駅)で、駅舎内にはJR全線きっぷうりばがある。キヨスクはコロナの影響で2023年3月31日をもって閉店した[1]。また、駅構内にJR東海飯田支店が置かれている。
のりば
(出典:JR東海:駅構内図)
列車によって発着番線が変化するので、駅掲示時刻表等での確認が必要である。主に上り列車は1番線[注釈 1]、下り列車は2番線である。また豊橋方面の特急「伊那路」は1番線、辰野方面の快速「みすず」は3番線から発車する[7]。
改札口と切符売り場(2023年4月)
ホーム(2023年4月)
利用状況
飯田市統計書によれば、飯田駅の乗車人員は以下の通りである。
駅周辺
飯田線は大嵐駅から駄科駅付近までと、市田駅付近から先は、ほとんど天竜川に沿うように敷設されている。しかし、飯田市の中心駅である飯田駅に寄るように、飯田線は松川の上流の方向に屈曲して、切石駅に達してから松川を渡り、この飯田駅に到達している。なお、次の桜町駅付近では、松川の支流の野底川を渡っている。このような線形であるため、この付近では飯田線が中央自動車道に接近している。
飯田駅は飯田市役所の最寄り駅であり[1]、駅前には商店街が見られる[1]。また、駅正面から県道飯田停車場線が伸び、南東に約200 mの場所に国道151号の起点がある。1992年に飯田駅の駅舎がリンゴをイメージしたデザインに改装されたが、飯田市のリンゴ並木も、飯田駅からは比較的近い。
経年劣化で2018年6月から10月にかけ塗装の塗り替えが行われリンゴをイメージした赤が蘇った[8]。
さらに、以下のような施設が駅周辺に立地している。
- 飯田郵便局
- 丘の上結いスクエア - ピアゴ飯田駅前店(2018年9月30日閉店[9])の跡地に開業した複合施設(※開業日は2022年5月19日)[10][11]。
- 飯田病院[1]
- 信南交通本社
- 長野県飯田風越高等学校[1]
- 伊原五郎兵衛頌徳碑
ピアゴ飯田駅前店(2018年9月30日閉店)
伊原五郎兵衛頌徳碑
バス路線
東京方面への中央高速バス・名古屋方面への中央道高速バスや長野方面への「みすずハイウェイバス」、市内線用の(飯田市民バス)、信南交通バスが飯田駅前に発着している。以前は高速バスの始発・終着は駅から800 mほど離れた飯田バスセンター(飯田商工会館1階)であったが、飯田商工会館の建て替え工事のために廃止された2011年10月1日から当駅前に変更された。同センターで行われていた高速バス定期券発売などは、2011年10月から信南交通飯田駅前発券所で扱っている[12][13]。なお、飯田商工会館の建て替え工事が完了したことに伴い、2014年4月1日から「飯田商工会館」バス停が一部の高速バス路線の起終点として復活した[14]。
飯田駅前
- 路線バス・自治体バス
- (飯田市民バス)[15]
- L1 市内循環線:飯田市立病院方面
- C2 久堅線:上久堅方面 ※アップルキャブ運行
- C3 千代線:千代方面 ※アップルキャブ運行
- C4 三穂線:三穂・立石方面 ※アップルキャブ運行
- C5 大休線:大休方面 ※風越タクシー運行
- 喬木村民バス[16]
- E0 阿島線:阿島方面
- E4 氏乗線:矢筈こんにゃく方面
- 高速バス
飯田商工会館
- 高速バス[14]
- 京王バス、アルピコ交通、伊那バス、信南交通
- (飯田線):バスタ新宿(新宿駅南口)方面 / 名古屋方面
- アルピコ交通、伊那バス、信南交通
- みすずハイウェイバス:長野(長野BT・長野駅・長野県庁)方面
隣の駅
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 信濃毎日新聞社出版部『長野県鉄道全駅 増補改訂版』信濃毎日新聞社、2011年7月24日、213頁。ISBN (9784784071647)。
- ^ a b c d e f g 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、105頁。ISBN (978-4-533-02980-6)。
- ^ a b c d e f 『週刊 JR全駅・全車両基地』 51号 飯田駅・伊那市駅・大嵐駅ほか64駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年8月11日、10頁。
- ^ 「四ヶ月の努力実る 静鉄、飯田線の営業近代化実施」『交通新聞』交通協力会、1971年12月2日、1面。
- ^ a b “JR飯田駅の改築完成”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1992年2月15日)
- ^ a b c 伊藤 博康 『えきたの 駅を楽しむ(アート編)』 p.50、p.51 創元社 2017年12月20日発行 (ISBN 978-4-422-24076-3)
- ^ a b 各駅の時刻表-飯田駅 飯田線(毎日)(上下)
- ^ “飯田駅のリンゴ色蘇る 塗り替え作業完了迫る”. ミナミシンシュウ.jp. 2021年5月27日閲覧。
- ^ ピアゴ飯田駅前店に別れ 飯田市民ら閉店惜しむ - 信毎web 2018年10月1日
- ^ “【飯田市】駅前新拠点完成「丘の上結いスクエア」の竣工式開く オープンは19日”. 南信州新聞 (2022年5月17日). 2022年11月13日閲覧。
- ^ “【飯田市】「丘の上結いスクエア」がグランドオープン 朝から多くの買い物客でにぎわう”. 南信州新聞 (2022年5月19日). 2022年11月12日閲覧。
- ^ 信南交通飯田駅前発券所
- ^ 鉄道交流サロン結いの駅(飯田市観光案内所)
- ^ a b “”. 信南交通. 2016年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月15日閲覧。
- ^ a b “”. 信南交通. 2022年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月15日閲覧。
- ^ “”. 喬木村. 2022年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月15日閲覧。
- ^ “” (PDF). 飯田市. 2022年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月15日閲覧。
- ^ “乗合タクシー 竜東線エリア”. 飯田市. 2022年7月15日閲覧。
- ^ “乗合タクシー 川路線エリア”. 飯田市. 2022年7月15日閲覧。
- ^ “乗合タクシー 三穂線エリア” (PDF). 飯田線. 2022年7月15日閲覧。
- ^ “” (PDF). 飯田市. 2022年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月15日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 飯田駅 - 東海旅客鉄道