『プロ野球を10倍楽しく見る方法』(プロやきゅうをじゅうばいたのしくみるほうほう)は、1982年1月にKKベストセラーズから発売された江本孟紀の著書である。プロ野球の暴露本の草分けとしてベストセラーになった。以降、同年9月発売の『プロ野球を20倍楽しく見る方法』(同じくKKベストセラーズ)から2005年11月発売の『プロ野球を10倍楽しく見る方法〈2006年版〉』(日本文芸社)まで発行元を変えながら、続編本が発売された。
この著書発売以降、野球に限らず各分野で「○倍楽しく見る方法」「○倍面白く見る方法」といった書籍が次々と出版された。
書籍シリーズ
※一部サブタイトル付きで表記(「―」(ダッシュ)以下に表記)。
- KKベストセラーズより発売。
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- 『ベストセラーシリーズ(ワニの本)』レーベルで発売。
- プロ野球を10倍楽しく見る方法 ―抱腹絶倒! - 1982年1月
- プロ野球を20倍楽しく見る方法 ―痛快無類! - 1982年9月
- 帰ってきたプロ野球を10倍楽しく見る方法 ―もっと抱腹!さらに絶倒! - 1988年5月
- 『ワニ文庫』レーベルで発売
- プロ野球を10倍楽しく見る方法 ―18回裏まで抱腹絶倒! - 1990年3月
- 日本文芸社より発売。
- プロ野球を10倍楽しく見る方法〈2002年版〉 - 2002年3月
- プロ野球を10倍楽しく見る方法〈2003年版〉 - 2002年12月
- プロ野球を10倍楽しく見る方法〈2004年版〉 ―堀内巨人が浮上するための絶対条件 - 2003年12月
- プロ野球を10倍楽しく見る方法〈2005年版〉 - 2004年12月
- プロ野球を10倍楽しく見る方法〈2006年版〉 ―原第二次政権誕生で野球人気回復なるか - 2005年11月
映画版
1983年〜1984年にかけて、上記の本などを原作とし、(フィルムリンク・インターナショナル)、フジテレビジョンなどの製作によって映画化された。全2作で、配給は東宝東和。タイトルは『プロ野球を10倍楽しく見る方法』『プロ野球を10倍楽しく見る方法PART2』であった(後にそれぞれVHSソフトがポニー〔現:ポニーキャニオン〕から発売された)。
映画版は、当時の日本プロ野球・アメリカ大リーグの珍プレー・好プレー映像集と『がんばれ!!タブチくん!!』(著:いしいひさいち)を原作とした日本プロ野球のギャグアニメ(キャラクター原案もいしいが担当)で構成されていた。
また、原作の江本も2作目のアニメパートにおいて本人役(中継番組の解説者)として登場している。当時のプロ野球ニュースを描いたシーンもあり、キャスターとして佐々木信也が、リポーターとしてみのもんたがそれぞれ登場している。
なお、タブチ(田淵幸一)役は『タブチくん』シリーズの西田敏行ではなく、増岡弘が担当している。
第1作目にはオートラマが協賛しているため、アニメシーンの随所(球場フェンスなど)にオートラマの広告がみられる。
テレビ放送での視聴率(ビデオリサーチ調べ)は第1作目(1984年4月6日『金曜ファミリーワイド』枠で放送)が21.2%[1]、第2作目(1985年4月11日放送)が13.0%[1]を記録した。
第1作
プロ野球を10倍楽しく見る方法 | |
---|---|
監督 | 鈴木清 芝山努(アニメーション) 小林治(作画) |
脚本 | 石原純一、(岩井田利治) |
製作 | 山本又一朗 (フィルムリンク・インターナショナル)、(東和プロダクション)、フジテレビジョン(提携) |
製作総指揮 | 鹿内春雄 |
出演者 | 佐々木信也、みのもんた、玉置宏(声の出演) |
音楽 | 大谷和夫 |
主題歌 | 浅沼友紀子「憧れはオクターブハイの空へ」 |
撮影 | 長谷川肇、小林健一[] |
編集 | (鶴渕允寿)、(高橋和子) |
配給 | 東宝東和(提供) |
公開 | 1983年4月29日 |
上映時間 | 97分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 10億8000万円[2] |
次作 | プロ野球を10倍楽しく見る方法PART2 |
第1作の構成
- 1回おもて…アメリカンヒーロー名手に迷手
- メジャーリーグベースボールの珍プレー・好プレー映像集。
- 2回うら…プロ野球10倍楽しく見るニュース…の巻(アニメ)
- 3回おもて…エース・マツオカのある愛の勝利・・・・の巻(アニメ)
- 4回うら…マイクロフォン野球
- 5回おもて…怒りのダイヤモンド
- 文字通り、乱闘・審判への抗議シーンを中心に集めたエピソードである。
- 6回うら…エモトのしゃべくり人生・・・・・の巻(アニメ)
- 7回おもて…ヒゲサイの主役はオレだ・・・・・の巻
- 8回おもて…アイドルは白球に舞う
- 9回うら…栄光への一球
- 1981年の巨人の日本シリーズ優勝シーン・ハイライトと江夏の21球(1979年の日本シリーズ)と1982年の西武ライオンズのシリーズ優勝シーン・ハイライトを送る。江夏の21球については、NHKで保存されているVTRを使用している。
声の出演
- アニメパート
- キャスター:佐々木信也
- リポーター:みのもんた
- アナウンサー:玉置宏
- フジタ:清川元夢
- コバ:徳丸完
- タケガミ:田中康郎
- コンドウ/ノムラ/ベッショ:藤本譲
- セキネ:峰恵研
- ハラ/ウシジマ:神谷明
- アナウンサー:窪田等
- キド:塩沢兼人
- コバヤシ:安原義人
- カケフ/コマツ:塩屋翼
- オカダ:島田敏
- カガワ:銀河万丈
- オオスギ:田中秀幸
- スパイ/アラカワ:富田耕生
- マツオカ:はせさん治
- みち子:野村道子
- エガワ:原田英樹
- アオタ/アンドウ:永井一郎
- サイトウ:井上真樹夫
- エモト:羽佐間道夫
- タブチ:増岡弘
- ヤスダ:たてかべ和也
- カネダ/タシロ/ナカハタ:青野武
- カワカミ:ドン川上(クレジット表記は「きたかチョーさんまってたドン」)
- ナガシマ:チョー長嶋(クレジット表記は「きたかチョーさんまってたドン」)
- 実況アナウンサー(いずれもニッポン放送アナウンサー)
- ナレーター
スタッフ
- オープニングでのクレジット
- 製作:山本又一朗
- 製作総指揮:鹿内春雄
- 原作:江本孟紀(KKベストセラーズ刊『プロ野球を10倍楽しく見る方法』『プロ野球を20倍楽しく見る方法』)
- キャラクター原案:いしいひさいち
- 音楽:大谷和夫
- アニメーション監督:芝山努
- 監督:鈴木清
- エンディングでのクレジット
- 解説者:江本孟紀
- ニッポン放送:深澤弘
- ギャグ・アドバイザー:中原理恵
- 脚本:城山昇、(渡辺麻美)、(飛鳥めい)
- 脚本・構成:石原純一、(岩井田利治)
- 音響演出:松浦典良
- 録音:(大塚晴寿)
- 効果:伊藤克己
- 編集:(松本高行)
- 記録:(久松有子)、(乾文江)
- 助監督:山本実
- 宣伝担当:(川崎聰子)
- 製作担当:(神野智)、(森重晃)
- 演出絵コンテ:芝山努、小林治、河内日出夫
- 作画監督:河内日出夫
- 美術:(門野真理子)
- 撮影:長谷川肇、小林健一[]
- 背景:(亀谷三良)、(福井のり子)
- 色指定:(細内陽子)
- 編集:(鶴渕允寿)、(高橋和子)
- 原画:後藤真砂子、(石井文子)、(加藤鏡子)、佐藤真人
- 動画:亜細亜堂
- 仕上:(イージー ワールド)
- 製作進行:(早乙女弘)、(水沼健二)
- 製作担当:(向坪利次)
- 主題歌:「憧れはオクターブハイの空へ」作詞・阿木燿子、作曲・芹澤廣明、唄・浅沼友紀子(キャニオン・レコード)
- 音楽製作:(ライトリンクコーポレーション)、(レオン・カンパニー)
- 技術協力:東通ecgシステム
- システム・マネージャー:山本博司
- システム・エンジニア:(宮本太一)
- ビデオ編集:(伊沢和幸)
- TD:井上剛
- CAM:(本橋正弘)
- MIX:(沖田良一)
- タイトル:デン・フィルム・エフェクト
- 整音:(整音企画)
- 現像:東洋現像所
- アニメーション制作:東京ムービー新社
協力
- ※エンディングのクレジットより参照。
- 日本野球機構
- メジャーリーグベースボール コミッショナー
第2作
プロ野球を10倍楽しく見る方法PART2 | |
---|---|
監督 | 鈴木清、 出崎哲(アニメーション) |
脚本 | 石原純一、(岩井田利治) |
製作 | 山本又一朗 (フィルムリンク・インターナショナル)、フジテレビジョン、ニッポン放送(共同製作) (東和プロダクション)、東宝東和(提供) |
製作総指揮 | 鹿内春雄 |
出演者 | 江本孟紀、佐々木信也、みのもんた、玉置宏(声の出演) |
音楽 | 馬飼野康二 |
主題歌 | オープニング:南こうせつ「ワイルド・ワン」 エンディング:南こうせつ「ナイス・ゲーム」 |
撮影 | 大岡新一、石渡均、(中津伸治) |
編集 | (小倉昭夫)、(田口秀夫)、井上和夫 |
配給 | 東宝東和 |
公開 | 1984年4月21日 |
上映時間 | 105分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 3億3200万円[3] |
前作 | プロ野球を10倍楽しく見る方法 |
基本的に第1作目と同じ構成である。1983年当時の日本プロ野球関連の映像を中心に構成された。また、先述のように江本が(エモト役として)アテレコ参加したのをはじめ、声優陣が若干変更されている。江本の他に南海のアナブキ監督役を俳優でレポーターの村上不二夫がアフレコをしている。前作のエモト役の羽佐間は西武ライオンズのヒロオカ(広岡達朗)監督役として出演。実写パートでの広岡の抗議シーンでも声を当てている。また、アニメパートのエモトの顔も変更されている。ちなみに当時のヤクルトスワローズのヤスダ(安田猛)コーチは前作のたてかべ和也から青野武に変更。ナレーションは中江真司。スペシャルゲストには「1回オモテ…陽気なアメリカン」と「5回オモテ…海を越えたファイターたち 」のナレーションにはDJで国際タレントの小林克也、「8回ウラ…燃えよ!パシフィック」には芸人でタレントのレオナルド熊が出演する。アニメーション制作は第1作目の東京ムービー新社からマジックバス、(スタジオ・ルック)に変更された。深澤弘監修。
第2作の構成
- 1回オモテ…陽気なアメリカン
- メジャーリーグベースボールの珍プレー・好プレー映像集。スペシャルゲストの小林克也がナレーションを担当。
- 2回ウラ…プロ野球ニュース(アニメ)
- 3回オモテ…ゆかいなスーパーヒーローたち
- 日本プロ野球の珍プレー・好プレー映像集。
- 4回ウラ…ザ・マンボスペシャル(アニメ)
- 5回オモテ…海を越えたファイターたち
- 日本プロ野球外国人選手の珍プレー・好プレー映像集。この回のナレーションも小林克也が担当。
- 6回ウラ…激突!セントラル(アニメ)
- 7回オモテ…マイクロフォン野球
- 8回ウラ…燃えよ!パシフィック(アニメ)
- 9回オモテ…1983神話
- 1983年の日本シリーズのダイジェストを送る。ナレーションは中江真司。
声の出演
- エモト:江本孟紀(著者本人)
- アナブキ:村上不二夫
- キャスター:佐々木信也
- リポーター:みのもんた
- アナウンサー:玉置宏
- アンドウ:飯塚昭三
- オヅ:緒方賢一
- ナカハタ:青野武
- コマダ:富山敬
- ウグイス嬢:滝沢久美子
- アナウンサー:村山明
- 司会者:納谷六朗
- アンバイア:たてかべ和也
- 線審:増岡弘
- キヌガサ:内海賢二
- 警官A:大山高男
- 警官B:広瀬正志
- サイトウ:石丸博也
- タシロ:中尾隆聖
- レオン:富田耕生
- 累審:速水奨
- オサナイ:田中亮一
- ナガシマ:林一夫
- 観客:佐々木るん
- エガワ:原田英樹
- ヒロオカ:羽佐間道夫
- 妻:小宮和枝
- 実況アナウンサー(いずれもニッポン放送アナウンサー)
- ナレーター
- スペシャルゲスト
スタッフ
- オープニングでのクレジット
- エンディングでのクレジット
- 脚本:石原純一、(岩井田利治)、金春智子、(市川靖)
- マイクロフォン技術開発:江木康雄、井川勲、正田博司 / 渡会和雄(IBA技術研究所)
- マイクロフォン中継:フジテレビジョン中継技術
- 編集:(小倉昭夫)、田口秀夫
- ネガ編集:(五月女孝男)
- 助監督:阪本順治
- 効果:伊藤克己
- 選曲:(山本逸美)
- 整音:(辻井一郎)
- 撮影:大岡新一、石渡均、(中根伸治)
- 空中撮影:(松田一彌)
- 宣伝:(川崎聡子)
- コーディネーター:(本間康二)
- 製作主任:(森重晃)
- 製作担当:(林大三郎)、(山川紀生)
- 絵コンテ:永樹凡人、四辻たかお、(昆進之介)、出崎哲
- 作画監督:(清水恵蔵)
- 美術監督:(下川忠海)
- 撮影監督:(吉坂研一)
- 演出助手:冨永恒雄、須永司
- 音響演出:伊達渉
- 原画:佐藤直人、若山佳幸、若山佳治、なかじまちゅうじ、高橋敏夫
- 動画チェック:飯野孝、関口重晴
- 動画:松田節子、井之川洋子、高橋久美子、国島裕子、新井美子、湯川由美子、佐藤直子、鳥海忍、山之内佑喜
- 色指定:猪野和弘、栗原幸昭
- 仕上:斉藤伸枝、細谷ふみ子、小川典子、森綾子
- 美術:(スタジオポップ)
- 撮影:藤田正明、諌川弘
- 編集:井上和夫
- アニメーション制作:松崎義之、赤崎義人
- 制作進行:小山信吾
- 主題歌:「ワイルド・ワン」作詞:山川啓介、作曲・歌:南こうせつ(キャニオン・レコード〔現・ポニー・キャニオン〕)
- 音楽制作:(ライトリンクコーポレーション)
- タイトル:デン・フィルム・エフェクト
- 録音:アオイスタジオ
- 現象:東洋現象所(現:IMAGICA)
- アニメーション製作:マジックバス、(スタジオルック)
協力
- ※エンディングのクレジットより参照。
- 日本野球機構
- メジャーリーグベースボール コミッショナー
備考
当シリーズ公開から10年後の1994年、TBS製作により、当シリーズのテーマをプロサッカーJリーグに置き換える形で『Jリーグを100倍楽しく見る方法!!』が公開された。この作品でも、いしいのキャラクター原案によるアニメが制作された。
関連項目
脚注
外部リンク
- 映画・プロ野球を10倍楽しく見る方法 - Tristone Entertaiment Inc.
- 映画・プロ野球を10倍楽しく見る方法PART2 - Tristone Entertaiment Inc.
- プロ野球を10倍楽しく見る方法 - allcinema
- プロ野球を10倍楽しく見る方法 - KINENOTE
- プロ野球を10倍楽しく見る方法PART2 - allcinema
- プロ野球を10倍楽しく見る方法PART2 - KINENOTE