山本 又一朗（やまもと またいちろう、1947年10月25日 - ）は、日本の映画プロデューサー。鹿児島県出身。トライストーン・エンタテイメント代表取締役。水島 力也（みずしま りきや）の筆名で脚本家としても活動している。日本以外では、マタ・ヤマモト（Mata Yamamoto）として知られる。
略歴
1965年東京都立新宿高等学校卒業[1]。さいとう・プロダクションを退職後、23歳の時にハリウッドのプロデューサーに出会い、映画製作の道に進むことを決める。1970年代の当初には、漫画家の小山ゆうのマネージャーをしていた[2]が、その後テレビドラマ『子連れ狼』（日本テレビ系）などの企画・プロデューサーを担当。1970年代後半から1990年代前半にかけて実写・アニメ映画を問わず『太陽を盗んだ男』、『がんばれ!!タブチくん!!』、『ベルサイユのばら』（実写版）、『ゴルゴ13』（アニメ映画）、『小説吉田学校』、『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』、『ザ・オーディション』、『愛・旅立ち』などの作品を製作・発表した[3]。
1993年に映画制作・マネジメント会社であるトライストーン・エンタテイメントを設立し、代表取締役に就任。1996年には米国ロサンゼルスに(Urban Vision Entertainment) を設立し、アメリカでのアニメ市場開拓に尽力。同社がリリースしたアニメ映画『バンパイアハンターD』はビルボードのトップDVDセールスチャートで初登場7位[4]、総売上は50万枚以上のヒット作となった[5]。
豪放磊落な人物として知られ、2022年2月ごろから、アパレル会社元社長の東谷義和から自社の所属タレントについての「暴露」が行われた際も、「法的措置は全然考えていない。全ネタからしたら大したことはない。」「（東谷は）人間力がある。」と週刊誌の取材に対して述べている[6]。
さいとう・プロダクションで同僚として机を並べていた小池一夫は、初期の代表作『高校生無頼控』の中で山本をモチーフとした山本又一郎、又二郎、又三郎の三兄弟のキャラクターを創造している。映画化も行われており、郷鍈治が又一郎を演じた。
担当作品
映画
製作
- がんばれ!!タブチくん!!（1979年）
- 太陽を盗んだ男（1979年）
- ベルサイユのばら（1979年、実写版『ベルサイユのばら』）
- がんばれ!!タブチくん!!あぁツッパリ人生（1980年）
- がんばれ!!タブチくん!!激闘ペナントレース（1980年）
- アメリカン・バイオレンス（1981年、日本とアメリカの合作）
- ゴルゴ13（1983年）[7]
- プロ野球を10倍楽しく見る方法（1983年）
- 小説吉田学校（1983年）
- ザ・オーディション（1984年、四人組女性アイドルグループ、セイントフォーを描いたアイドル映画）
- プロ野球を10倍楽しく見る方法PART2（1984年）
- 愛・旅立ち（1985年、公開当時交際が噂された近藤真彦と中森明菜が共演し話題となった）
- ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ（1985年、日本未公開）
- (宇宙からの帰還)（1985年、製作指揮兼任。日本とアメリカの合作）
- GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦（1986年）
- あいつに恋して（1987年、島崎保久の自伝の映画化、森高千里のデビュー作）
- 日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群（1988年、監督：大林宣彦、主演：竹内力）
- ウインズ（1992年、監督：(キャロル・バラード)、主演：マシュー・モディーン、日本とアメリカの合作）
- バンパイアハンターD（2000年）
プロデューサー
- あずみ（2003年、水島力也名義で脚本兼任）
- あずみ2 Death or Love（2004年、水島力也名義で脚本兼任）
- クローズZERO（2007年）
- 僕の彼女はサイボーグ（2008年）
- クローズZEROII（2009年）
- TAJOMARU（2009年、水島力也名義で脚本兼任）
- シュアリー・サムデイ（2010年）
- クローズEXPLODE（2014年、水島力也名義で脚本兼任）
- ルパン三世（2014年、水島力也名義で脚本兼任）
- 新宿スワン（2015年）
- 新宿スワンII（2017年）
企画
- 鬼輪番（1974年）
- 神田川（1974年）
- 獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇（2003年）
テレビドラマ
オリジナルビデオ
- バイオ・ハンター（1995年）
- サイコダイバー 魔性菩薩（1997年）
- 支配者の黄昏 TWILIGHT OF THE DARK MASTER（1998年）
脚注
- ^ 東進「憧れの職業を追え」映画プロデューサー編 2023年4月28日閲覧。
- ^ 『いきなり新連載2』（JICC出版局、1993年2月20日発行）掲載の小山ゆうのインタビューによる。
- ^ “小栗旬、綾野剛を育てた映画プロデューサー、山本又一郎が原点を語る”. Forbes Japan. (2016年9月17日) 2022年6月10日閲覧。 山本又一朗が「郎」なのは元記事見出しの誤り、記事中は正しく「朗」。
- ^ Billboard. (2002). pp. 66–. ISSN 0006-2510 2023年2月2日閲覧。
- ^ “「吸血鬼ハンターD」日米共同製作でフルCGアニメに デジタルフロンティア、米国で発表” (2015年7月7日). 2023年2月2日閲覧。
- ^ “芸能人に女性を紹介して人脈作り→綾野剛、城田優らのトラブルを次々暴露…東谷義和氏が“芸能人告発系ユーチューバー”になった理由”. 文春オンライン. (2022年3月17日) 2022年6月10日閲覧。
- ^ “ゴルゴ13”. トムス・エンタテイメント 2016年5月5日閲覧。