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京阪本線

京阪本線(けいはんほんせん)は、大阪府大阪市中央区淀屋橋駅[1]から京都府京都市東山区三条駅[1]までを結ぶ京阪電気鉄道鉄道路線

京阪本線
牧野駅付近を走行する8000系電車による特急列車
基本情報
日本
所在地 大阪府京都府
起点 淀屋橋駅[1]
終点 三条駅[1]
駅数 40駅
路線記号  KH 
開業 1910年4月15日
全通 1913年10月27日
所有者 京阪電気鉄道
運営者 京阪電気鉄道
車両基地 寝屋川車庫淀車庫
使用車両 (京阪電気鉄道#現有車両)を参照
路線諸元
路線距離 49.3 km
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 複々線(天満橋 - 寝屋川信号所間)
複線(淀屋橋 - 天満橋間、寝屋川信号所 - 三条間)
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
(最大勾配) 33
(最小曲線半径) 200 m
閉塞方式 自動閉塞式
保安装置 (K-ATS)
最高速度 110 km/h
路線図
(テンプレートを表示)

単なる「本線」という路線名ではなく社名略称を冠した「京阪本線」が正式な路線名である。京阪本線に接続する各路線(鴨東線宇治線交野線中之島線)と併せて京阪線と総称される。また大津線[2]とともに京阪電車とも呼称される[3]

概要

 
複々線区間
各線に1列車、計4列車確認できる

大阪市ビジネス街にある淀屋橋駅から、大阪環状線の乗り換え駅である京橋駅、郊外のベッドタウンにある枚方市駅京都市随一の繁華街である四条通に位置する祇園四条駅を経て、三条駅までを結ぶ都市間鉄道(インターアーバン)である。三条駅から京阪本線の実質的な延長路線である鴨東線直通して出町柳駅まで至り、鴨東線とは一体的なダイヤ体系で運行されている。また、天満橋駅から分岐して大阪市北区のビジネス街である中之島地区を通る中之島線にも一部の列車が直通する。宇治線交野線との直通運転は、かつては行われていたものの廃止されている。

基本的には大阪または京都への通勤・通学路線であるが、沿線には石清水八幡宮伏見稲荷大社清水寺六波羅蜜寺八坂神社先斗町祇園などの多数の観光名所や、枚方公園駅前には京阪のグループ会社運営の現存する日本最古の遊園地である「ひらかたパーク」(通称:ひらパー)、淀駅前には中央競馬開催地の京都競馬場などの娯楽施設があり、これらへの来訪客輸送を担う観光路線の一面もある。

路線名及び会社名は都と大を結ぶ鉄道路線であることに由来している。同じく大阪と京都を結んでいるJR京都線東海道本線)や阪急京都本線は大部分で淀川の北側(右岸)を通るのに対し、京阪本線は大部分で淀川の南側(左岸)を通り、それぞれ大阪側・京都側のターミナル位置が異なるため棲み分けがなされており、JRや阪急との直接的な競合は存在しない。京阪の場合は大阪・梅田駅京都駅といったターミナル駅を経由せずに、大阪の淀屋橋や京都の四条通といったそれぞれの中心市街地に乗り入れている。また、大阪 - 京都間を直線的に結ぶJRや阪急に対し、京阪本線は京街道に沿って伏見宿、(淀宿)、枚方宿守口宿といった江戸時代からの宿場街を縫うように結んでいることから、比較的細かな曲線が多く、路線距離が長い[4]。乗車時間も長くなるが、「ダブルデッカー」(2階建車両)や座席指定の「(プレミアムカー)」を連結した居住性に優れた専用車両による特急を運行しており、「京阪特急」の愛称で親しまれている。

このほか、大阪側の野江駅 - 守口市駅間ではOsaka Metro谷町線と、京都側の中書島駅 - 東福寺駅間ではJR奈良線近鉄京都線と並行している。

京阪本線は『鉄道要覧』では大阪の淀屋橋駅を起点として記載されているが、運行上の起点駅は京都の三条駅であり、京都から大阪に向かう列車が「下り」、その逆が「上り」となる(片町線や阪急京都本線も同様)[注釈 1]

大阪市内の淀屋橋駅 - 天満橋駅間と京都市内の七条駅 - 三条駅間は地下線となっている。東福寺駅 - 三条駅間は軌道法に基づく軌道となっていたが2013年12月20日許可で鉄道事業法に基づく鉄道に変更されている[1]。また、天満橋駅 - 寝屋川信号所間の12.5kmは関西大手私鉄最長の複々線となっており、列車種別によって走行する線路を使い分けることによって列車本数が多いダイヤ設定を可能としている。

立体交差工事やバリアフリー対応の工事は比較的進んでいる。主な大規模工事として、1970年の天満橋駅 - 蒲生信号所間の複々線立体交差化に始まり、土居駅 - 寝屋川信号所間の複々線高架化が1982年に竣工し、既存の複々線とあわせて天満橋駅から12.5kmの複々線と淀屋橋駅 - 寝屋川信号所間14.1kmが立体交差化された。1987年には京都市内の地下線(東福寺駅 - 三条駅間)が完成し、この地下新駅から車イス対応エレベーターや多目的トイレが設置されている(「駅のバリアフリー対策」の節も参照)。

1993年に枚方市駅が、1999年寝屋川市駅が、2011年に淀駅が高架化された。淀屋橋駅から寝屋川市の寝屋川6号踏切までの約15kmが立体交差化されている[注釈 2]2022年現在、寝屋川市駅 - 枚方市駅間で連続立体交差事業(鉄道高架橋新設工事)を施行している[5]。2028年度以降に完了する予定である[5]

路線データ

沿線風景

停車場・施設・接続路線
(凡例)
   
KH54 中之島駅
   
KH53 渡辺橋駅
   
KH52 大江橋駅
   
 KH  中之島線
     
0.0 KH01 淀屋橋駅    
     
KH51 なにわ橋駅
     
0.5 KH02 北浜駅    
       
東横堀川
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   
   
1.3 KH03 天満橋駅 (2) 1963-  
         
1.5 天満橋駅 (1) -1963  
   
   
土佐堀川
     
寝屋川
   
1.8 京橋駅 (1) -1910
   
     
JR西H JR東西線
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2.3 片町駅 -1969  
     
 
 
 
 
 
 
 
3.0 KH04 京橋駅 (3) 1969-  
 
 
 
 
   
JR西:O 大阪環状線
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
3.2 京橋駅 (2) -1969 
 
JR西:H 片町線(学研都市線)
   
3.5
0.0*
蒲生駅 -1932
     
3.8 蒲生信号所 -1970
 
 
 
 
 
 
 
国鉄淀川貨物線
 
 
 
 
 
 
 
巽信号場
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
JR西:F おおさか東線
 
 
 
 
 
 
4.6 KH05 野江駅 (2) 1931- 右:JR野江駅
   
 
 
 
1.4* 野江駅 (1) -1931
   
   
5.3 KH06 関目駅   関目成育駅
   
阪神高速12号守口線
   
6.2 KH07 森小路駅 (2) 1931-
   
3.4* 森小路駅 (1) -1931
   
6.8 KH08 千林駅
     
7.2 KH09 滝井駅
 
 
 
 
7.6 KH10 土居駅
 
 
 
旧線 -1931
 
8.3
4.1*
KH11 守口市駅
 
   
守口車庫・車両工場 -1972
 
9.4 KH12 西三荘駅
 
9.6 門真駅 -1975
 
近畿自動車道
 
 
 
   
大阪モノレール線
 
 
 
 
10.1 KH13 門真市駅
 
10.8 KH14 古川橋駅
 
12.0 KH15 大和田駅
 
 
 
12.8 KH16 萱島駅 寝屋川
   
寝屋川車庫・車両工場
 
 
   
13.9 寝屋川信号所
 
15.0 KH17 寝屋川市駅
 
15.4 豊野駅 -1963
 
17.6 KH18 香里園駅
 
19.1 KH19 光善寺駅
 
20.8 KH20 枚方公園駅
 
21.8 KH21 枚方市駅
 
   
天野川
   
 KH  交野線
 
23.5 KH22 御殿山駅
 
25.5 KH23 牧野駅
 
引き上げ線
 
27.7 KH24 樟葉駅
 
引き上げ線
大阪府京都府
 
30.1 KH25 橋本駅
 
 
 
 
 
 
 
31.8 KH26 石清水八幡宮駅
 
(ケーブル八幡宮口駅)  KH  鋼索線
 
木津川
 
京滋バイパス
 
宇治川
     
淀車庫
   
   
 
35.3 KH27 淀駅
 
第二京阪道路
 
東高瀬川
 
濠川
 
39.7 KH28 中書島駅  
 
近鉄B 京都線
   
 KH  宇治線
   
宇治川派流
   
40.6 KH29 伏見桃山駅
   
桃山御陵前駅
 
 
 
 
 
 
 
41.3 KH30 丹波橋駅
   
近鉄丹波橋駅
 
 
42.3 KH31 墨染駅
   
琵琶湖疏水
   
七瀬川
   
43.3 KH32 藤森駅
   
名神高速道路
     
44.1 KH33 龍谷大前深草駅 深草車庫
   
JR西:D 奈良線
     
稲荷駅
     
44.6 KH34 伏見稲荷駅  
 
 
 
 
 
     
     
45.2 KH35 鳥羽街道駅
     
 
鴨川
 
 
 
 
 
 
   
46.1 KH36 東福寺駅  
 
 
 
 
   
JR西:D 奈良線
     
     
JR東海  東海道新幹線
     
JR西:東海道本線
       
A 琵琶湖線
 
 
 
 
 
 
   
旧線 -1987
       
       
46.7 塩小路駅 -1955
       
47.0 KH37 七条駅  
       
47.4 大仏前駅 -1913
       
47.7 KH38 清水五条駅
       
阪急  京都本線
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
京都河原町駅
 
 
 
 
 
 
 
 
48.6 KH39 祇園四条駅  
 
 
 
     
京津線
 
 
 
 
 
 
 
   
49.2 三条駅 (1) 左:京津三条駅
 
 
 
   
 
 
 
 
49.3 KH40 三条駅 (2) (  三条京阪駅
     
引き上げ線
 
 KH  鴨東線
 
KH41 神宮丸太町駅
 
KH42 出町柳駅

本節では、京阪本線と一体的な運用を行っている鴨東線についても記述する。

淀屋橋駅 - 樟葉駅間

起点である淀屋橋駅Osaka Metro御堂筋線との接続駅で、付近は大阪市役所中之島公会堂中之島図書館があるなど大阪屈指の官庁街である。京阪本線はここから天満橋駅までは地下を走行する。Osaka Metro堺筋線の接続駅で大阪取引所(旧・大阪証券取引所)の最寄駅の北浜駅を過ぎると中之島線と合流し、Osaka Metro谷町線との接続駅の天満橋駅に着く。天満橋駅は1963年に淀屋橋駅まで延伸するまでは京阪本線の起点であり地上に駅があった。北寄りの地上駅跡にはOMMビルが建っている。また駅のメインテナントとして松坂屋が入っていたが現在は「京阪シティモール」となり、エディオンジュンク堂書店が主なテナントとして入っている。天満橋駅から複々線となって、地上に上がって寝屋川を渡り、高架に上がると京橋駅に着く。京橋駅は大阪環状線JR東西線学研都市線との接続駅であり、周辺は1990年の大阪花の万博を機に大阪ビジネスパーク (OBP) など急激に再開発が進んだ地域の一つである。

京橋駅を過ぎると方向別複々線となって、内側2線を主に優等列車が、外側2線を主に普通列車が使用するため複々線区間の多くの駅には内側線にホームが設けられていない。大阪環状線をまたぎ、北にカーブしておおさか東線をくぐると野江駅Osaka Metro今里筋線の接続駅である関目駅阪神高速道路12号森小路線をくぐり森小路駅を過ぎるとダイエー発祥の地(現在は閉店)がある千林商店街のある千林駅守口市に入って滝井駅土居駅と800mほどの距離で3駅が密集する区間を通り、京阪百貨店がある守口市駅に着く。内側線にもホームがあり、快速急行停車駅ではあるが、平日朝ラッシュ時の下りはほとんどの優等列車が通過するのも特徴である。守口市駅までは直線が続いていたが、この駅を過ぎると徐々にカーブが増えていく。大手家電メーカーパナソニックの本社工場の最寄り駅である西三荘駅門真市に入って一旦地上に降り、近畿自動車道大阪中央環状線をくぐって大阪モノレールの接続駅である門真市駅を過ぎると再び高架を上がる。大阪府門真運転免許試験場の最寄り駅の古川橋駅大和田駅を過ぎると寝屋川市に入り、萱島駅に到着する。内側線にもホームがあり、複々線は事実上この駅までで、普通や区間急行を中心に始終着列車が多い。またこの駅は下りホームと屋根を突き抜けてクスノキが生えているのも特徴である。

萱島駅を過ぎると複々線のうち営業線の内側2線はそのまま高架が続くのに対し、回送線の外側2線は高架を降り寝屋川信号所につながっており、実際の複々線はここで終了して複線となる。程なく右手に寝屋川車庫・寝屋川車両工場が見え、寝屋川市駅を過ぎると高架を降り、成田山不動尊の最寄り駅で待避設備のある香里園駅に着く。枚方市に入り光善寺駅を過ぎて国道1号(枚方バイパス)をくぐり、右手にひらかたパークが見えると枚方公園駅を過ぎ、大きくカーブして高架に上がると特急停車駅で交野線との接続駅である枚方市駅に着く。列車は枚方市駅を出発して地上線へ降りて御殿山駅牧野駅といった中間駅を通り過ぎていくと、左にカーブして急勾配を上がり、右に曲がる。ここから、架線方式が、コンパウンドカテナリー式からシンプルカテナリー式に変わる。その先をしばらく走れば大阪府内の京阪本線で最も東側にあり、くずはモールの最寄り駅で特急停車駅の樟葉駅に到着する。樟葉駅では京都府の八幡市久御山町方面に向かう京阪バスが発着することもあり、京都府民の利用客が多いことや始発着列車が多いこと、さらには周辺部はくずはモールをはじめ京阪電気鉄道が積極的に不動産事業を展開したことが特徴である。

樟葉駅 - 三条駅(出町柳駅)間

樟葉駅から先は車窓が一変し、前方には山上に石清水八幡宮がある(男山)も見えてくる。列車は京都府に入って最初の駅である橋本駅を過ぎると、減速しながら右にカーブして、石清水八幡宮の最寄り駅の石清水八幡宮駅に着く。石清水八幡宮へは参道を歩いて登るほか、この駅に隣接する(ケーブル八幡宮口駅)からケーブルカー石清水八幡宮参道ケーブル)も発着している。石清水八幡宮駅を過ぎると木津川を京阪最長の鉄橋で渡り、洛南浄化センター(京都府下最大の下水処理場)を右に見ながら築堤上を左にカーブし京滋バイパスの高架橋をくぐる。そして宇治川を渡って京都市に入り右にカーブすると、左右には京阪本線のもう一つの車庫である淀車庫が見えてくる。そのまま進むと進行方向右手に改修中の京都競馬場を望む淀駅に着く。淀駅はかつて淀城跡の近くにあったが、2011年5月に現在地に移転高架化した。また車庫の最寄り駅でもあるために出町柳方面行きを中心に始終着列車が設定されている。さらに東に進んで国道1号枚方バイパス)、第二京阪道路を潜り、減速して右にカーブすれば、宇治線との接続駅の中書島駅に到着する。駅南側には三十石船の置かれた伏見港公園が整備され、駅北側には幕末時代に重要な舞台となった寺田屋があるなど昔ながらの街並みが残っている。中書島駅を過ぎると進行方向を北に変える。

中書島駅から先は、住宅密集地の狭い空間を走る。中書島駅を出て左にほぼ90度カーブすると伏見区の中心駅である伏見桃山駅。駅前方の伏見大手筋商店街を越え右に左にカーブを切りながら坂を上がっていくと、すぐに近鉄京都線との連絡駅である丹波橋駅に到着する。かつては近鉄京都線との直通運転を行っていたため、淀屋橋寄りと三条寄りの双方にその線路跡を垣間見ることができる。丹波橋駅を発車した列車は立体交差で近鉄京都線を乗り越え墨染駅、続いて名神高速道路を潜ったところにある藤森駅を過ぎると、龍谷大学(深草校舎)の最寄り駅で待避設備のある龍谷大前深草駅に着く。この駅はかつては深草車庫も併設されていたが1980年に閉鎖され、電留線が1線残っていたが、2代目橋上駅舎の新築工事により撤去されている。この先の急カーブを過ぎると伏見稲荷大社の最寄り駅の伏見稲荷駅鳥羽街道駅を出ると、急勾配の右急カーブを上がって、JR奈良線を乗り越え、急勾配の左急カーブを下がればJR奈良線との接続駅である東福寺駅に到着する。

左側に大手ゲーム機メーカー任天堂の京都リサーチセンター(1959年から2000年までの本社)が見え、東海道新幹線東海道本線琵琶湖線)を潜ると列車は地下線に入り三十三間堂京都女子大学の最寄り駅七条駅に到着する。その先は右にカーブしながら清水寺の最寄り駅である清水五条駅八坂神社や京都随一の繁華街四条通の最寄り駅である祇園四条駅を経て、さらにその先の勾配を上がると京都市営地下鉄東西線の接続駅である三条駅に到着する。かつては地上の京津三条駅から京津線が発着していたが、1997年の廃止後は地下鉄東西線との直通運転により接続している。地元では「三条京阪」の名称で親しまれており、バスターミナルなども併設されている。かつては京阪における京都側の一大拠点であったが、鉄道網の充実により現在は拠点性が低下している。七条駅 - 三条駅間の地上線時代は琵琶湖疏水と併走し、京阪線の見所の一つでもあった。

京阪本線の正式な終点は三条駅であるが、ほとんどの列車は三条駅で折り返すことなく出町柳駅まで続く鴨東線に直通する。平安神宮京都御所の最寄り駅の神宮丸太町駅を過ぎると京都大学吉田キャンパス)、同志社大学今出川キャンパス)や下鴨神社の最寄り駅で鴨東線の終点の出町柳駅に着く。地上からは洛北方面に向かう叡山電鉄が発着していて、行楽シーズンには混雑する。

運行形態

三条駅に発着する大半の列車が鴨東線出町柳駅まで直通運転を行っており、一部の列車は天満橋駅から中之島線中之島駅まで直通運転を行っている。そのため、両線との運行形態も併せて記述する。

以下に種別ごとの詳細を示す。特記なければ通常期の運行形態について記す(ダイヤ乱れによる運用変更については、この限りではない)。年末年始に実施される正月ダイヤについては「年末年始」の節を、そのほかの臨時ダイヤについては「臨時列車」「臨時ダイヤ」の節も参照。また、快速特急・ライナー・特急・通勤快急・快速急行の詳細については「京阪特急」も参照。

列車種別

京阪本線の列車種別は、快速特急「洛楽」ライナー特急通勤快急快速急行深夜急行急行通勤準急準急区間急行普通の計11種別がある。なお、これは日本国内大手私鉄最多の種別数となっている。現行ダイヤでの基本種別は特急、快速急行、準急、普通の4種別で、平日ダイヤは11種別全てが、土休日ダイヤはライナー、通勤快急、通勤準急を除く8種別が運行される。

各種別の現行の全停車駅は#駅一覧を参照。

快速特急「洛楽」

 
8000系による快速特急「洛楽」

2021年9月25日改定の現行ダイヤでは、平日は9 - 10時台に上り2本、17 - 18時台に下り3本が、土休日は9 - 10時台に上り4本、15 - 18時台に下り5本が淀屋橋駅 - 出町柳駅間で運転される。京橋駅 - 七条駅間をノンストップ・最速33分で結び、平日の上り1本・下り2本は特急車8000系、それ以外は3000系(2代)で運転される。ただし、やむを得ず一般車8両編成での運転となる場合がある。

祇園東山エリアや、大原貴船・鞍馬方面、京都(八瀬) - 比叡山 - びわ湖(坂本)をつなぐ周遊ルート「山と水と光の廻廊」への観光創造を目的に設定されており、平日は鴨東線・叡山電車沿線との通勤通学需要にも対応する。

2011年秋から2016年正月までは行楽期限定で運行されていたが(後述)、2016年3月19日のダイヤ改定より、土休日ダイヤ限定で定期運転(5往復)されることとなった[7]。京橋駅 - 七条駅間ノンストップ列車の定期運転は2000年6月までの特急以来約16年ぶりであった。2017年2月25日ダイヤ改定からは平日にも運転を開始(2往復)し、毎日運転となった[8]。使用車両は臨時運行時代から8000系限定であったが、同改定からは3000系(2代)が加わった[8](同ダイヤでは行楽期を除き全列車3000系で運転)。

2011年10月22日 - 12月4日の土休日に臨時快速特急「ノンストップ京阪特急」として淀屋橋発出町柳行きが運行された[9][10]。翌年春(2012年3月24日 - 6月3日の土休日)の運行に向けて愛称を公募、「洛楽」の列車愛称が与えられ[11]、以後春秋行楽期の土休日に運行されるようになった。臨時運行時代は前後の定期特急が一般車に差し替えられていた。

2014年以降正月ダイヤにも設定され(「洛楽初詣」、翌年以降「洛楽」に統一)、下り(出町柳発淀屋橋行き)も運転されるようになった[12][13]。2017年6月からは種別名に愛称を加えた「快速特急 洛楽」と案内されるようになった。

有料座席指定特別車両「(プレミアムカー)」の連結は、2017年8月の運行開始当初、行楽期の土休日のみ(3000系→8000系に変更)であったが、2018年9月15日のダイヤ改定で行楽期を除く土休日にも拡大された。正月ダイヤでは2往復がプレミアムカー連結(8000系)となっていた。2021年1月31日ダイヤ改定(3000系プレミアムカー運行開始)より全列車連結となっている。

2008年10月 - 2011年5月の平日夕ラッシュ時から夜間に、上り淀屋橋発出町柳行きのみ運転されていた快速特急(中書島駅・丹波橋駅にも停車)については「旧・快速特急」を参照。

ライナー

平日の通勤時間帯に特急車8000系で運転される全車両座席指定の列車である。乗車には運賃のほかにライナー券(300円または380円・一部区間を除く)または(プレミアムカー)券(400円または500円)が必要である。

2021年9月25日改定ダイヤでは、朝に下り淀屋橋行きが出町柳・三条・枚方市発それぞれ1本ずつと、樟葉発2本の計5本(概ね20分間隔)、夜に上り出町柳行きが4本(淀屋橋駅18時 - 21時台毎時00分発)運行されている[14][15]。停車駅は特急と同じであるが、一般列車優先のダイヤであることや誤乗防止のため駅停車時間が長く、所要時間は特急に比べて長い。このため、京阪線の停車駅路線図にも本列車については省略され、「特急停車駅と同じです。」のみ記載されている。

2017年8月21日より運行を開始[16]。当初は平日朝の淀屋橋行き2本(枚方市発・樟葉発1本ずつ)の運行で、京橋駅までノンストップであった。2018年9月15日のダイヤ改定で特急と同じ停車駅となり、平日朝に樟葉発を1本増発し、従来樟葉発であった列車が出町柳発に延長され、夜間には出町柳行き2本が設定された[17]。2021年1月31日改定で平日朝に三条発の列車が増発された。2021年9月25日改定で、朝に樟葉始発1本、夜に出町柳行き2本が増発された[14][15]

特急

 
8000系による特急(種別幕は赤色)

沿線の石清水八幡宮にちなむ特急シンボルマーク「鳩マーク」とともに、「京阪特急」として親しまれている。終日にわたって運転され、原則淀屋橋駅 - 出町柳駅間の運転であるが、平日朝には枚方市発淀屋橋行きが1本、深夜には淀屋橋発三条行き(三条駅で普通出町柳行きに変更して運転)と出町柳発枚方市行きがそれぞれ1本設定されている。中之島線への乗り入れは春秋行楽期や競馬開催時の臨時列車のみである。

2003年(平成15年)9月6日のダイヤ改正で日中10分間隔運転(枚方市・樟葉駅に追加停車)となって以降、ダイヤ改正・改定のたびにK特急・快速特急から置き換わる形で運転時間帯が拡大され、10分間隔での運転が定着していたが、行楽利用の多い路線であることから不要不急の外出自粛の影響が大きく、2021年9月25日のダイヤ改定で平日ラッシュ時下りや早朝・深夜を除いて概ね15分間隔(平日15時以降は概ね12分間隔)での運転となっている。各駅停車との連絡については「準急・通勤準急」の節を参照。

車両は、ダブルデッカー(2階建て車両・4号車)連結の特急車8000系を中心に、3000系(2代)も充当され、共に6号車には有料座席指定特別車両「(プレミアムカー)」が連結される。2021年現在、一般車の充当は朝ラッシュ下りや夕ラッシュ上り、深夜を中心に平日ダイヤ12本、土休日ダイヤ5本となっている。使用車両は駅掲出の時刻表(京阪電車ホームページでも公開)で判別可能である。なお、平日朝ラッシュ時の1号車(京都方先頭車)は女性専用車両となる[18]

淀屋橋駅 - 出町柳駅間の標準所要時間は53 - 54分(ラッシュ時は60分前後の列車も存在)で、前述の通り乗車時間は長くなる[注釈 6]が、大阪のオフィス街・官公庁街・繁華街(御堂筋船場谷町京橋OBP)、京都の祇園四条河原町東山・洛北へのアクセスの良さから利便性は高く、行楽客を中心にリピーターも多い。

方向幕の色は赤地に白文字で、「K特急」が設定された2003年9月6日のダイヤ改正を機に使用開始された。1989年使用開始の英字入り幕は黒地に赤文字、それ以前(3000系(初代))は白地に赤文字であった。なお、当時2600系は「K特急」入りの幕に交換されず、K特急「おりひめ」では黒地に赤文字の特急幕を表示した。

2000年7月1日ダイヤ改正で中書島駅・丹波橋駅に終日停車となるまでは、京橋駅 - 七条駅間ノンストップで運転されていた(平日朝ラッシュ時の下りのみ1993年1月改正より中書島駅、1997年3月改正より枚方市駅にも停車)[19]。ただし、『くらわんか花火大会』開催時(毎年8月の最終日曜日)には枚方市駅(1998年以前は樟葉駅)に上り下りとも臨時停車していた。

2008年10月19日ダイヤ改正(中之島線開業)以降の運行の変遷については「(京阪特急)」を参照。

快速急行・通勤快急

 
2代目3000系による快速急行(種別幕は紫色)

特急に準ずる優等列車で、特急停車駅に加えて守口市駅・寝屋川市駅・香里園駅に停車する種別である。

ほぼ終日運転され、日中に淀屋橋駅 - 出町柳駅間で毎時2本運転される列車は原則「プレミアムカー」連結の3000系(本節では2代)が充当される。また、平日夕ラッシュ時から夜間にかけて多数の淀屋橋発樟葉行きが運転されている。そのほか、平日朝には淀屋橋発枚方市行き、寝屋川市発出町柳行き、枚方市発淀屋橋行きが、平日夕方には唯一の中之島発である樟葉行き、休日夜間には3000系で運転の淀屋橋発樟葉行きがそれぞれ1本ずつ設定されている。

平日ダイヤの淀屋橋9時台発の1本が香里園駅で、出町柳17時台発の1本と18時台発の2本が枚方市駅でそれぞれ快速特急「洛楽」を待避する。それ以外の列車は全区間で先着する。また、京都競馬開催時の土・休日には夕方の下り列車の一部(2022年現在では2本)が淀駅に臨時停車する。

夕ラッシュ時の上り列車は樟葉駅折り返しの急行を補完し、出町柳駅発の列車は快速特急が通過する特急停車駅の乗車機会を確保する役割を担う。これらの快速急行は基本的に8両または7両編成の一般車が用いられる。

通勤快急は快速急行の停車駅から守口市駅を除外した種別で、平日朝に下りのみ運転される。樟葉発淀屋橋行きが1本、樟葉発中之島行きが2本、出町柳発中之島行きが1本設定されている。

種別幕の表示は両種別ともに紫色である。

通勤快急はこの名称が正式な列車種別名であり、「通勤快速急行」とは称さない。

運行の変遷

2008年10月19日の中之島線開業にあわせて中之島駅発着の最速達種別として新設された。それまでの急行を置き換える形でほぼ終日運転され、平日ラッシュ時の一部列車を除き3000系が充当された。競馬開催日には、朝から夕方にかけて競馬場最寄りの淀駅にも臨時停車していた(出町柳発7時40分 - 17時40分と中之島発7時30分 - 17時00分)[注釈 7]

その後、2009年9月のダイヤ一部改定では、平日夕方ピーク時間帯の出町柳行きが淀屋橋発の急行樟葉行きに変更された。平日夕ラッシュ時以降の中之島発の列車は三条行き(20時以降は樟葉行き)となったほか、一部は普通に変更された。三条行きは樟葉駅で快速特急の通過待避を行っていた。

2011年5月のダイヤ改定で淀屋橋駅 - 枚方市駅間の特急と統合する形で日中の運転が廃止された。また、夕方の三条行きは樟葉行きに短縮された。

さらに、2013年3月のダイヤ改定により中之島駅 - 出町柳駅間の運転は平日朝ラッシュ時に限られ、この時間以外に運行される快速急行について、平日は、上りは中之島発樟葉行き・下りは出町柳発淀屋橋行きとなっている。土・休日ダイヤにおいては朝と夜間の出町柳発淀屋橋行きのみとなった。

2016年3月19日のダイヤ改定では、初めて7両編成の列車が設定された。また、通勤快急1本が淀屋橋行きに変更され、平日夕ラッシュ時に3000系運用が再設定された[注釈 8]ほか、土休日朝に淀屋橋発出町柳行き・樟葉発淀屋橋行き、夕方に淀屋橋行きが設定された。中之島線開業から続いた中之島駅 - 出町柳駅間通しの快速急行は上り下り共に廃止され、中之島行きは平日枚方市駅始発の1本を残すのみとなったほか、深夜の出町柳発淀屋橋行きが廃止された。

2017年2月25日のダイヤ改定では、平日夕方から夜間の中之島発樟葉行きの列車がすべて淀屋橋発に変更(21時台は急行に変更)となり、中之島駅を始発とする快速急行は平日朝の樟葉行き2本にまで減少した。

2017年8月20日のダイヤ改定では、平日朝の樟葉行き1本も淀屋橋発に変更されたため、中之島駅を発着する快速急行は上下1本ずつのみとなった。

2018年9月15日のダイヤ改定では、平日朝に初めて寝屋川市発出町柳行きが3000系[注釈 9]で設定された。一方、同系列充当の通勤快急と平日夕方の樟葉行きは一般車に変更されたほか、平日夜の樟葉行きにも7両編成の列車が設定された。

2021年1月31日のダイヤ改定では、三条始発の通勤快急が全て出町柳発となったほか、樟葉始発が1本新設された。平日朝の枚方市発の快速急行が淀屋橋行きとなり、中之島行き快速急行の設定がなくなった。深夜の交野線最終連絡・淀屋橋発樟葉行き特急が直後の準急と統合されて快速急行となり、再び土休日上りにも設定された。

2021年9月25日のダイヤ改定では、日中に「プレミアムカー」連結の3000系で運転される快速急行が毎時2本設定された。通勤快急の運転は、出町柳発4本・樟葉発1本の計5本から出町柳発1本・樟葉発3本の計4本に減少した。なお、通勤快急には3000系は充当されない[注釈 10]

急行・深夜急行

 
7000系による急行(種別幕は橙色)

急行は、特急が通過する主要駅に加え、行楽(初詣)利用の多い駅にも停車する種別である。京橋駅 - 七条駅間で通過運転を行い、大阪側・京都側の地下区間は各駅に停車する。淀駅には、同駅を始発・終着とする列車と、競馬開催時(臨時停車)のみ停車する。中之島線への乗り入れは競馬開催時の臨時列車のみである。

淀屋橋駅 - 出町柳駅間の列車のほか、朝夕ラッシュ時には淀屋橋駅 - 樟葉駅間の列車が、早朝には寝屋川市発出町柳行き、平日朝には淀屋橋発枚方市行き、早朝・平日夕方・夜には淀車庫への出入庫や土休日の京都競馬場への利便を兼ねた淀駅発着の区間列車(淀屋橋駅 - 淀駅・淀駅 - 出町柳駅間)がある(京都側の準急も参照)。

平日の9時台、土休日の9時 - 11時台には、上り快速特急「洛楽」を枚方市駅で待避する淀屋橋発出町柳行きが平日1本、土休日4本運行され、快速特急が通過する特急停車駅を補完しつつ、ひらかたパーク石清水八幡宮、京都競馬場(競馬開催日に淀駅に臨時停車)、伏見稲荷大社、東山といった沿線の観光・行楽需要に対応している。快速特急・特急待避がない多くの列車が全区間で先着する。

深夜急行は、大阪府内郊外主要駅の最終帰宅需要に特化した種別として、淀屋橋駅0時20分発樟葉行き1本(8両編成)のみ設定されていたが、2021年4月30日の終電繰り上げ以降運休となり同年9月25日のダイヤ改定以降も運行されなくなっている[注釈 11]。京橋駅を出ると普通や準急との連絡はなく、樟葉着は0時49分であった。停車駅は急行から守口市駅・枚方公園駅を除いたもの(通勤快急と同じ)であった。大晦日ダイヤでは出町柳行き急行に差し替えられるため、樟葉駅以北の運行はなかった。日本の鉄道において「深夜急行」の種別を運行しているのは当路線のみであった。

方向幕の色は橙色に白文字で、1989年7000系(英字入り幕)登場時から使用されている。6000系登場以前は白地に赤文字、以降は赤地に白文字であった。方向板は丸形で、淀屋橋駅 - 三条駅(出町柳駅)間の列車が赤地に白文字、淀屋橋駅 - 樟葉駅間の列車が白地に赤文字であった。

運行の変遷

急行は長らく、終日運転される主力優等種別であった。淀屋橋開業後の1964年当時の途中停車駅は四条駅(現在の祇園四条駅)・七条駅・伏見稲荷駅・丹波橋駅・中書島駅・八幡町駅(現在の石清水八幡宮駅)・枚方市駅・香里園駅・京橋駅・天満橋駅北浜駅(1961年12月以降は日中は枚方公園駅にも停車)であり、現在の快速急行並みの停車駅数であったが、徐々に停車駅が増え、現在では全運転区間の約半数の駅に停車している。

1971年8月の樟葉駅移転改良工事完成に伴うダイヤ改正で、日中20分間隔から15分間隔に増発されて以降は、樟葉駅または丹波橋駅で特急を待避するようになった。8両編成運転は枚方市駅高架化工事(下り線の仮線移設)に伴い1985年から開始され、当初は朝夕ラッシュ時の樟葉駅で折り返す列車のみであったが、1987年の京都地下線(東福寺駅 - 三条駅間)の開業で全線に拡大していった。1987年6月改正以降は樟葉駅で同駅発着の準急と連絡するようになった。出町柳駅23時25分発急行淀屋橋行きは0時29分に淀屋橋駅3番線到着後、そのまま夜間滞泊し、淀屋橋駅の始発列車5時04分発普通三条行き(平日は5扉扱い)となるため、長年に渡り5扉車5000系の限定運用であった[24]

2000年のダイヤ改定までは、普通との連絡は基本的に守口市駅(萱島発着の普通)・香里園駅・丹波橋駅の3駅(宇治線直通の普通)であった。その後、2003年9月のダイヤ改定で昼間時の運転が中止(準急に置き換え)された後、2006年4月のダイヤ改定から2008年10月19日のダイヤ改定前までは、昼間は淀屋橋駅 - 枚方市駅間の運転(一部は準急、香里園駅で特急待避あり)、それ以外の時間帯は淀屋橋駅 - 出町柳駅間を15分間隔(夜間は20分間隔)で運転される形でほぼ終日運転されていて、土休日は京阪間通しの列車は原則として終点まで特急に追い抜かれなかった(ただしまれに三条駅で特急に追い抜かれることもあった)。

1980年3月まで寝屋川市駅・枚方公園駅は昼間時間帯のみ停車、守口市駅は終日通過となっていた(ただし、1960年代後半には朝ラッシュ時に守口車庫から出庫する守口駅発三条行きの急行が3本設定されていたが、1971年のダイヤ改正頃に廃止された)が、1980年3月のダイヤ改定で寝屋川市駅は終日停車、守口市駅は昼間時間帯停車となり、その後守口市駅・枚方公園駅には夕ラッシュ時にも停車するようになるなど、ダイヤ改正(改定)毎に停車時間帯が拡大し、2003年からは22時台頃まで停車するようになった結果、早朝から朝ラッシュ時および深夜のみ通過となった。その後、2008年の中之島線開業で早朝と深夜の列車についても停車を開始し、ここに全急行列車が両駅に停車するようになった(朝ラッシュ時の急行は同改正で廃止)。

京都競馬開催時(場外の時期も含む)は淀駅に臨時停車していた。2008年10月19日改正ダイヤからは、急行に代わって快速急行が臨時停車していたが、2011年5月のダイヤ改定で日中の快速急行が廃止となり、代わりに樟葉発着の急行を延長する形で土休日朝に淀行き、夕方に淀発の急行が設定されるようになった。快速特急「洛楽」が運転される春秋の特別ダイヤでは特急の送り込みの関係上、京都競馬開催の有無に関係なく午後の時間帯(15時 - 17時台) に淀発出町柳行きが運行された。

2009年9月のダイヤ改定で、平日夕ラッシュ上りピーク時の中之島発樟葉行き快速急行3本が淀屋橋発樟葉行きの急行4本に振り替えられた(中之島発の列車は普通に変更)。2011年5月のダイヤ改定では日中に淀屋橋駅 - 樟葉駅間運転の急行が毎時片道4本設定され、京橋駅(中之島駅発着の列車)・守口市駅・香里園駅で普通に、樟葉駅で特急に連絡するようになった(ただし香里園駅・枚方公園駅 - 樟葉駅以北の特急停車駅間は、枚方市駅で特急と準急または普通を乗り継ぐ方が早い)。また、夕方時間帯の下りにも設定された。

2013年3月16日のダイヤ改定で、日中は毎時3本とされ、準急と交互に20分間隔での運転になった[25]。また土日に運転の急行淀行き2本を樟葉行きに短縮し、平日夕方ラッシュに運行されている樟葉行き4本を淀行きに変更した。また深夜にも淀行き(準急樟葉行きから変更)が設定された。2016年3月19日のダイヤ改定で日中の運転が取りやめとなった[7]

2017年2月25日のダイヤ改定より、上り快速特急「洛楽」運転時間帯には、八幡市駅(現在の石清水八幡宮駅)、伏見稲荷駅、清水五条駅、神宮丸太町駅などの京都観光最寄駅に配慮して、出町柳行き(快速急行より変更)が平日に2本、土・休日に5本設定された[8]。この列車は、枚方市駅で快速特急「洛楽」を待避し、京都競馬開催時(場外の時期も含む)は淀駅に臨時停車する。

2018年9月15日のダイヤ改定では、平日1本、土休日に2本あった8000系運用(2017年8月20日以降「プレミアムカー」連結)は廃止され、平日夜には出町柳発淀行きが3本増発された。土休日朝に特急が増発された関係で、当該時間帯の出町柳行きは、6時台は準急に変更、7時台は樟葉行きに短縮された。また、2008年10月改正で廃止された枚方市行きが、平日夜と土休日昼に1本ずつ設定された。

2021年9月25日のダイヤ改定では、土休日の上り急行が全て出町柳行きに変更された。

準急・通勤準急

 
2600系30番台による準急(種別幕は青色)

主に複々線区間で通過運転を行い、そのほかの区間は各駅に停車する。平日朝ラッシュ時の下りは守口市駅を通過する「通勤準急」として運転し、それ以外は守口市駅に停車する「準急」としてほぼ終日運転され、守口市駅で普通と連絡する。原則淀屋橋駅発着であるが、平日朝夕には中之島駅発着の列車も運転される。また、枚方市駅・樟葉駅、淀駅(通勤準急を除く)発着の区間運転列車が設定されているほか、早朝には三条発淀屋橋行きが設定されている。中書島駅 - 七条駅間にはホーム有効長が7両分の駅があるため、京阪間通しの列車はすべて7両編成での運転であり、8両編成での運転は淀駅以南に限られる。京橋駅で中之島駅発着の普通と連絡する列車がある。

各駅停車区間における特急との連絡は、基本的に枚方市駅・丹波橋駅・三条駅の3駅で行う。日中の快速急行とは樟葉駅での連絡または龍谷大前深草駅での通過待ちを行う。ラッシュ時には京橋駅での連絡、萱島駅・淀駅・龍谷大前深草駅での通過待ちや、香里園駅や枚方市駅で快速急行・急行との連絡を行う列車がある。

種別幕の地色は両種別ともに青である。6000系登場以前は白地に青字であった。また、方向板は丸板で、白地(天満橋駅発着列車は黄色地)に青文字で準急(行き先は黒字)と書かれたものを掲出していた。

運行の変遷

1980年3月のダイヤ改定前は朝夕時間帯のみの運行であったが、日中の区間急行を準急に変更する形でほぼ終日運転となり、萱島駅発着列車との連絡のため同駅にも停車するようになった。この当時は日中を中心に基本的に枚方市駅折り返しで、樟葉駅で折り返すのは朝夕に限られていたが、1987年6月1日のダイヤ改定で日中も樟葉駅で折り返すようになった。

1989年9月には京都側にも通過運転を行う準急が設定された(出町柳駅 - 淀駅・樟葉駅間;後述)。また1990年までは夕方以降も守口市駅は通過だった。2003年9月のダイヤ改定で、全列車萱島駅 - 出町柳駅間は各駅停車(1987年以前の運転体系。ただし当時は鴨東線区間は未開業)に再度戻された。この改定で昼間に全線通しの運転と枚方市駅折り返し運転が1時間あたり6本ずつ設定された(計12本)。平日夕方ラッシュ時には交野線直通準急「ひこぼし」(天満橋駅始発)が設定された。

2006年4月のダイヤ改定では、枚方市駅折り返しの急行が1時間あたり6本設定された関係で、昼間の準急の運行がなくなったが、2007年9月のダイヤ改定で15時以降に急行が準急に置き換わるパターンとなった。この時間帯は急行と同様に、香里園駅で特急待避をしていたが、萱島駅で必ず区間急行(後述)との接続を取っていた。

中之島線開業日の2008年10月19日のダイヤ改定では、再び昼間に全線通しの運転が毎時4本復活した。また、守口市通過列車を「通勤準急」として分離した。「ひこぼし」は運転時間帯が変更され、深夜帯の快速急行に置き換えられた(「ひこぼし」の愛称は従来どおり使用)[26]

2009年9月のダイヤ改定により、夕方以降の列車は京都側での普通の区間列車(樟葉駅・淀駅 - 三条駅・出町柳駅間)と樟葉駅折り返しの準急列車が統合され、中書島駅 - 樟葉駅間の速達列車の通過駅(淀駅・橋本駅)でも利便性が向上している。

2011年5月28日のダイヤ改定では、急行の終日運行が復活した関係で、日中の準急が1時間あたり4本から2本に削減の上、中之島駅発着に変更され、京橋駅で淀屋橋発の特急や普通と接続を行うようになった。そのため、日中の中之島線直通列車は準急2本・普通4本とも淀屋橋駅発着列車を2本連続で接続待ちしてから、改めて京橋駅を発車するダイヤになり、京橋駅での停車時間が非常に長くなった(正月ダイヤの日中でもほぼ同様、ただし当該時間帯の中之島線直通列車は普通のみ)。

2013年3月16日のダイヤ改定で、日中の運転は1時間あたり中之島駅発着2本から淀屋橋駅発着3本に変更された[25]。春秋の特別ダイヤでは4本(出町柳行き2本、枚方市(夕方以降は出町柳行き)行き2本に変更された。枚方市駅で折り返す列車は香里園駅で特急に追い抜かれる列車がある。

2016年3月19日のダイヤ改定では、日中の急行を準急に置き換え、淀屋橋駅 - 出町柳駅間の列車が10分間隔で1時間あたり6本となった[7]。また、日中の特急との接続駅が樟葉駅・丹波橋駅・三条駅に変更され、香里園駅で特急を待避する運行形態に変更された。夕ラッシュ時間帯の上り区間運転の列車は枚方市駅折り返しとなった。平日枚方市駅7:03発中之島行き通勤準急が3000系(2代)での運用となった(2017年8月20日改定で一般車に変更)。

2017年2月のダイヤ改定以降、夕ラッシュ時の淀屋橋発の一部が中之島発(京橋で特急に連絡)に、樟葉発中之島行きが一部を除き淀屋橋行きに変更された。

2021年9月25日のダイヤ変更により、通勤準急の運転本数が15本から12本に減少した。日中の特急との連絡は、枚方市駅・丹波橋駅・三条駅に変更された。日中に運転の快速急行と樟葉駅で連絡し、龍谷大前深草駅で待避するようになった。

区間急行

 
2200系による区間急行(種別幕は緑色)

主に朝夕に運転される種別で、複々線区間の途中駅である守口市駅以北を各駅に停車することで、大阪モノレール線との乗り換え駅でありながら外側線(緩行線)にしかホームがない門真市駅やその周辺の駅の速達・利便性を確保する役割を担っている[注釈 13]ほか、平日朝ラッシュ時下りでは通勤快急と通勤準急が停車しない守口市駅を補完する役割も持つ。大半の列車が寝屋川車庫への出入庫も兼ねた萱島駅発着で、萱島以北も走るのは平日朝の下り樟葉発3本と枚方市発1本、上り枚方市行き1本、平日深夜の上り香里園行き1本のみである。内側線の容量の関係上、平日朝ラッシュ時下りには全線外側線を走行する列車が2本ある。前を走行する普通列車の速度に合わせて走るため、守口市駅 - 京橋駅間の所要時間は急行線を走る区間急行より2 - 3分遅い。

平日朝ラッシュ時の淀屋橋発樟葉行き上り列車の1本は、枚方市駅まで後部2両が「女学生・児童優先車両」となることがある。学校の授業がある期間に、香里園駅を最寄り駅とする香里ヌヴェール学院中学校・高等学校の生徒向けに設定されている。設定時は車両の前後に「後部2両 女学生・児童優先」の看板が掲出される[27]

区間急行は他社では急行と準急の中間の種別として使われるが(近畿日本鉄道南海電気鉄道など)、京阪では伝統的に区間急行を準急と普通の中間の種別としている。英文字表記は他社の「準急」に当たる"Semi-exp. (SEMI-EXPRESS)"と表記され、準急には他社の「区間急行」に当たる"Sub-exp. (SUB-EXPRESS)"と表記されていることから、区間急行と準急の位置付けが逆になっている(京阪の区間急行=他社の準急、京阪の準急=他社の区間急行)ことがわかる[注釈 14]

方向幕の地色は緑色である。長らく「区急」と略記されていたが、駅の発車標では2003年9月改正以降、車両の方向幕では2008年の中之島線対応の際に、「区間急行」表記に変更された。なお、前面の行先表示板を使用していた頃は、区間急行は普通の板の行先の下に赤字で「急」と書かれたものを使用していた時期があった[注釈 15]

運行の変遷

1980年3月のダイヤ改定で、枚方市駅が最北であった区間急行の運転区間が樟葉駅まで延長された。また日中の列車は準急に変更され[注釈 16]、それ以降は朝夕ラッシュ時の専従列車として運転されてきたが、2006年4月16日のダイヤ改定で、中之島線開業ダイヤへの移行準備のため、26年ぶりに日中にも設定された(原則天満橋 - 萱島間の運転)。

2008年10月19日のダイヤ改正では中之島発着に延長された(平日ラッシュ時には淀屋橋行きも運転)ほか、日中毎時2本が樟葉発着となり、香里園で快速急行に、枚方市で枚方市発着の特急に連絡した。

2009年9月12日のダイヤ改定では、平日夜間に萱島発中之島行きが10000系4両編成で設定された(折り返し快速急行「ひこぼし」)が、2011年5月28日改定で日中の列車とともに廃止された。

2016年3月19日のダイヤ改定では、朝の枚方市発の列車が樟葉発の準急に変更された[7]。一方、平日朝に樟葉行きが1本復活したほか、平日に樟葉発淀屋橋行きが設定された。

2017年2月のダイヤ改定では、夕ラッシュ時上りの一部が準急に変更された。

2018年9月15日のダイヤ改定で、平日早朝の下り樟葉発の準急1本が格下げされ、萱島以北を走る区間急行は1本増えた。

2021年1月31日のダイヤ改定では、平日朝の樟葉行きが廃止され、枚方市駅 - 樟葉駅間は下りのみの運転となった。また、平日夜に香里園行きが設定された。同年9月25日改定で、香里園行きが淀屋橋23時18分発から中之島20時50分発に大幅に繰り上げられた。

普通

 
9000系による普通(種別幕は黒色)

各駅に停車し、全線で運転される。案内放送では「各駅停車」で統一されている。

日中含め中之島駅 - 萱島駅・枚方市駅間の運転が主である。時間帯により淀屋橋駅・樟葉駅・出町柳駅始発・終着の列車や、京都側のみ運転の淀駅 - 出町柳駅間の列車が設定されているほか、早朝には寝屋川市発出町柳行きや土休日夜には出町柳発樟葉行きが1本、出町柳発守口市行きが1本、出町柳発寝屋川市行きが設定されている。京阪の列車として所要時間が最長となる中之島駅 - 出町柳駅間を乗り通すと約90 - 110分かかる。

日中は守口市駅で準急と、枚方市駅で特急と連絡する。萱島駅折り返し列車は、原則萱島駅で準急(同駅以北各駅停車)と連絡する。快速急行・急行の運転時間帯は守口市駅・香里園駅で連絡する。準急と同様に京阪間通しの列車及び淀駅 - 出町柳駅間の列車はすべて7両編成であり、8両編成での運転は樟葉以南と深夜の三条発出町柳行き[注釈 17]のみである。

運行の変遷

2000年7月のダイヤ改正まで、京阪間通しの普通は香里園駅 - 三条駅または出町柳駅間を、枚方市駅・深草駅(現:龍谷大前深草駅)で特急を待避しつつ、後続の急行から逃げ切るダイヤとなっていた。同改正ダイヤでは、丹波橋駅で特急と急行が連絡するようになり、深草駅で2列車連続待避となった。伏見稲荷駅で急行・普通を乗り継ぐことで、丹波橋駅以南の特急・急行停車駅 - 鳥羽街道駅・東福寺駅間の所要時間が短縮された。また、三条方面 - 宇治線の直通列車[28](中書島駅で進行方向が変わっていた)は、中書島駅で系統分割のうえ、丹波橋駅での急行との連絡を取りやめ、三条駅・出町柳駅または中書島駅まで先着となった。中書島駅発着は特急の直後・直前となり、中書島駅以南の特急・急行停車駅 - 伏見桃山駅間の所要時間が短縮された。

日中の大阪方では、長らく全線直通と萱島駅折り返しの2系統での運転であったが、2003年9月のダイヤ改正で、10分ヘッドとなった日中は萱島折り返しに統一され、全線直通系統を準急とした。2006年4月改正で日中の普通は全線直通に統一(再設定)されたが、2008年10月改正で1時間あたり6本中2本を残して再び全線直通系統が準急となり、萱島駅折り返しが再設定されたほか、ラッシュ時間帯に運転されていた京都方の区間列車は、全線直通の準急・普通に統合され大幅に削減された。

2011年5月28日のダイヤ改定では、日中の区間急行廃止に伴い、普通が中之島駅発着に振り替えられ、日中の淀屋橋発着の列車は毎時2往復のみとなった。さらに、2013年3月16日のダイヤ変更で日中は全て中之島駅発着とされ、淀屋橋・北浜両駅から野江駅 - 土居駅間各駅への利用者は京橋駅での乗り換えが必要となるケースが増えた[25]

2016年3月19日のダイヤ改定では、日中の中之島駅 - 出町柳駅間の列車が中之島駅 - 枚方市駅間の運転に変更された[7]。また、日中の香里園駅での連絡が取り止められた。平日朝ラッシュ時の香里園行き上り列車の1本は、後部2両を女学生・児童優先車両としていたが、この改定で消滅し、区間急行に設定が引き継がれた。

2017年2月25日のダイヤ改定では、日中の萱島発着のうち、毎時1本が枚方市発着に変更され、日中は中之島駅 - 枚方市駅間4本、中之島駅 - 萱島駅間2本の運行が基本となった。

2021年1月31日のダイヤ変更では、深夜の香里園行きが消滅した。

2021年9月25日のダイヤ変更から、日中の枚方市発着は香里園駅で、萱島発着は守口市駅で快速急行と連絡する。

運転本数

通常期の昼間時の1時間毎の運転本数をまとめると以下のとおりになる(2021年9月25日ダイヤ改正時点)。なお、ダイヤ改正以前の日中の運転本数については京阪電気鉄道のダイヤ改正を参照。

日中の運行パターン(平日・土休日)
駅名

種別












特急 4本
快速急行 2本
準急 4本
普通 中之島 2本  
←中之島 2本  

臨時列車

京都競馬開催時の臨時列車

京都競馬場での競馬開催時には、最寄駅となる淀に向けて臨時列車が運転されている。メイン競走の格により本数は増減する。

1990年代までは、午前に淀屋橋発淀行きの急行、午後に淀発天満橋行き(一部淀屋橋行き)および三条行きの急行が運転されていた。この臨時急行は「馬急(うまきゅう)」とも呼ばれ、行先表示板を使用していた時代には蹄鉄が描かれたものを使用していた[29]1999年4月から2003年9月6日ダイヤ改定前までは、午前の急行に代わって「淀快速ターフィー号」が運転されていた(停車駅は淀屋橋・北浜・天満橋・京橋・守口市・淀。ただし守口市停車は2000年秋から)。この列車では競馬専門紙のトラックマンやスポーツ新聞の競馬担当記者による競馬予想が車内で放送されていた[29]。それ以降は準急の枚方市駅(2003年9月改定以前は樟葉駅) - 淀駅間を延長する列車のうち枚方市駅 - 淀駅間で急行運転するものは「Gallop」(ギャロップ)として運転され、(ヘッドマーク)も掲げられていた。2006年4月のダイヤ改定以降は高架化工事に伴い下り線が始発線のない仮設ホームに移設されたため、臨時列車の本数が大幅に減ったものの、メイン競走の格によって復路のみ淀発天満橋行や三条行の急行が運転されることがあった。2008年10月からは快速急行が淀駅に臨時停車するようになり、2011年5月に昼間の快速急行が廃止されて一旦は廃止されていたものの、2016年3月19日のダイヤ改定で臨時停車を再開した。現在はメイン競走の格によって増減するが、中之島駅 - 淀駅間の急行(往路は上り・復路は下り。場合によっては特急も運転されることもある)、淀駅 - 三条駅間の普通(上りのみで運転されない場合もある)が運転される。例外として2010年11月27日には京阪杯開催および京阪電車100周年を記念して臨時ターフィー号が1本運転され、また2011年度も11月26日に臨時ターフィー号が淀屋橋駅 → 淀駅間で片道1本運転された[30]

過去にはホームに観戦帰りの客が殺到し、安全性確保のために通常は通過する特急が急遽臨時停車した例もあった。また、2003年9月6日の大幅なダイヤ改定直後の同年10月 - 11月の日曜日のうち4日間と、2004年5月2日には「休日特別ダイヤ」を編成したことがあった。このダイヤでは朝夕に各種列車の増発が行われ、特に夕方(16 - 17時台)には10分当たり三条発天満橋行き臨時特急1本、淀発天満橋行き臨時急行1本、淀発淀屋橋行き「Gallop」1本が増発され、定期列車と合わせて複線区間(淀駅 - 萱島駅間の下り)で10分間に片道5本(平均2分間隔)という朝ラッシュ時間帯並みの本数となった。

宇治快速

きさいち快速

臨時ダイヤ

年末年始

毎年正月三が日には成田山不動尊石清水八幡宮伏見稲荷大社を始めとする沿線の寺社への初詣需要に対応するため、大晦日の夜間18時台から、翌年1月3日(曜日配列によっては4日または5日)までは、「土曜・休日ダイヤ」を適用せず、「大晦日ダイヤ」・「正月ダイヤ」を編成して運転している。これらは交野線、宇治線、石清水八幡宮参道ケーブルにおいても適用される。各駅や全列車の時刻などは、京阪電鉄の公式ホームページ上や、広報誌『K-PRESS』、またはリーフレットなどで公表される。

大晦日ダイヤ

大晦日の始発電車から18時までは京阪線共通で「土曜・休日ダイヤ」で運転[31]し、同日18時から翌年の元日10時までは「大晦日ダイヤ」として、通常とは異なるダイヤに切り替え、翌年の元日早朝にかけて終夜運転を実施する。

2011年以降(年表記は大晦日基準、この節において以下同じ)は急行を淀屋橋駅 - 出町柳駅間で20分間隔、普通を淀屋橋駅・中之島駅 - 出町柳駅間で20分間隔で運行している。ただし、3時台以降は運転間隔が広がり、それぞれ30分間隔となるほか、入庫のための萱島行き普通列車も運転される。終夜運転時における急行と普通の連絡は香里園駅のみで行う。

京阪線の終夜運転の開始は1957年に遡る[32]。過去の運行概要は以下のとおりであった。

  • 1957年の開始時は、天満橋駅 - 三条駅間に普通列車を20 - 30分間隔で運転した[33]
  • 1960年代から1970年代前半は、全線通しの急行・普通をそれぞれ20 - 30分間隔で運転した[34]
  • その後1979年までは、淀屋橋駅 - 三条駅間の急行を枚方市駅 - 中書島駅間の各駅に停車させて運転し、淀屋橋駅 - 枚方市駅間および中書島駅 - 三条駅間に普通を別途運転した[35]
  • 1980年から1988年までは、淀屋橋駅 - 三条駅間の準急(守口市駅は通過)と淀屋橋駅 - 萱島駅間の普通が運転された。1980年以降、三条発淀屋橋行の準急は、終夜運転時間帯のみ見られるものであった(淀屋橋発三条行準急は最終電車で毎日運転)。
  • 鴨東線開業後の1989年以降は、淀屋橋駅 - 出町柳駅間の急行(守口市駅・枚方公園駅にも停車)と淀屋橋駅 - 三条駅間の普通が運転されるようになった。3時台頃までは急行は10分間隔、普通は20分間隔が基本であった。
  • 2007年は一部変更され、淀屋橋駅 - 出町柳駅間の急行・普通が15 - 20分間隔での運転となり、急行が減便されたものの、普通が出町柳駅まで延長運転された。
  • 中之島線開業後の2008年 - 2010年は、淀屋橋駅 - 出町柳駅間の急行を20分間隔、普通を中之島駅 - 出町柳駅間で20分間隔、1 - 3時台には樟葉駅 - 三条駅間の区間運転の普通を20分間隔で運行した。
  • 淀屋橋発の特急は2002年までは0:40 - 0:50発が最終となる延長運転を行っていたが、枚方市駅・樟葉駅に停車開始後の2003年以降は0:00発、2006年以降は23時台発に短縮されている。
  • 2020年と2021年の大晦日については、終夜運転を行わない[36][37]
正月ダイヤ

元日の10時から1月3日の終電までは「正月ダイヤ」を実施しており、終日に渡り通常ダイヤとは異なるダイヤとなる。通常ダイヤで急行を運転していない年であっても、日中は初詣需要を考慮し、石清水八幡宮駅、伏見稲荷駅、清水五条駅、神宮丸太町駅に停車する急行を出町柳駅発着で運転するのが特徴である。結果、京都側で増発される影響で普通は出町柳駅には入線せず三条駅発着となる。各種別が2013年までは10分間隔、2014年から2021年までは12分間隔、2022年からは15分間隔で運転される。

日中の運行パターン(正月)
駅名

種別










特急 4本
急行 4本
普通 中之島 4本  

正月ダイヤにおける各種別の運行形態は以下のとおりである。

快速特急「洛楽」
午前に淀屋橋発出町柳行きが5本、夕方に出町柳発淀屋橋行きが4本をそれぞれ30分間隔で運転する。車両に関しては3000系、8000系の両方を使用し、正月ダイヤ期間限定で「初詣 洛楽」と描かれた毎年異なるデザインのヘッドマークが全列車に掲出される。
特急
年によっては通常ダイヤよりも本数が増減する。2022年以降は通常ダイヤの減便に合わせて日中は15分間隔での運転となっている。車両に関しては、8000系での運転本数も日中は1時間あたり3 - 4本となり、一般車での運転は快速特急「洛楽」運転時間帯に行われる。
急行
急行停車駅で有名寺社の最寄り駅である香里園駅石清水八幡宮駅伏見稲荷駅(それぞれ成田山石清水八幡宮伏見稲荷大社の最寄り駅)などの初詣需要に対応するため通常ダイヤよりも本数が大幅に増加し、正月ダイヤにおいて準急に代わる主力種別となる。淀屋橋駅 - 天満橋駅間および三条駅 - 出町柳駅間で本数が大幅に減る普通を補完する役割も持つ。早朝から夕方までと深夜の下りの運転で日中は15分間隔、ほとんどの列車が京阪間通しでの運転である。ただし、夕方の上りは樟葉行きとなる。2022年以降は各種別の減便と3000系にプレミアムカーが連結されたことにより一部の急行もプレミアムカー連結で運行される(ただし、快速急行通過駅はプレミアムカー券の券売機がなく、券売機がある駅でも機械上で乗車区間の設定がないため、事前にインターネットで購入しておく必要がある)。
準急
通常ダイヤよりも本数が大幅に減少し、朝と夜のみの運転となり、日中の運転はなくなる。
区間急行
通常ダイヤと運転時間帯はほとんど変わらないが、本数は減少する。
普通
年によって通常ダイヤよりも大阪側においては本数が増減するが、日中に萱島駅発着の列車や準急が運転されない影響で京都側においては本数が増加する。2022年以降は通常ダイヤの減便に合わせて日中は中之島駅 - 三条駅を15分間隔で運行する。

通常の土休日ダイヤでは運転されている快速急行の設定はない。

なお、京都競馬の京都金杯の開催時は正月ダイヤまたは平日ダイヤで競馬関連の臨時列車が運転される珍しい事例が見られることがある。

過去の運行概要は以下のとおりであった。

  • 1960年代前半頃までは、日中は特急を運休とした上で、天満橋駅 - 三条駅間の20分間隔の定期急行の間に臨時急行を2本運行し、平均6分40秒間隔で運転した。臨時急行のうち1本は守口駅・寝屋川市駅にも停車したほか、全便伏見桃山駅にも臨時停車した[38]
  • 1960年代後半頃では、特急が運行されるようになった上で、20分間隔の定期急行の間に臨時急行を2本運行し、平均6分40秒間隔で運転した。さらに必要に応じ臨時特急を増発した[39]
  • 特急用の車両は2003年以前は予備車を含めてフル運用に入り、賄いきれなくなった運用に9000系が入る程度だった。さらに9000系登場以前は一般車が特急の運用に入ることもあった。一般車(6000系以降の車両を除く)の運用の中には1983年(6000系7連車登場前)までは真正面に特急のシンボルマーク(鳩マーク)を掲げて運転していたこともあり、特に1900系の使用頻度が多かった。
  • 1980年以前は、急行は当時、日中のみの停車であった寝屋川市駅・枚方公園駅に加え、通常ダイヤでは通過していた守口市駅にも停車していた[40][注釈 18]
  • 鴨東線開業後の1990年から数年間と2004年は、午後時間帯に出町柳駅発着の特急と三条駅発着の特急を交互に運行していたことがあった。夕刻に20分間隔で三条発の臨時特急がさらに増発されることもあった。
  • 中之島線開業までは長らく、昼間は特急と急行が淀屋橋駅 - 出町柳駅(1989年までは淀屋橋駅 - 三条駅)間、普通は淀屋橋駅 - 三条駅間で運転されていた。2003年まで存在した三条駅発着の宇治線直通普通列車は宇治線内での折り返し運転となった。
  • 中之島線開業後の2009年 - 2011年は、特急が淀屋橋駅 - 出町柳駅間、急行が淀屋橋駅(3本に1本の割合で中之島駅) - 出町柳駅間、普通が中之島駅(3本に1本の割合で淀屋橋駅) - 三条駅間で運転された。
  • 2012年は以前と比べて早朝・夜間に特急が増発された。
  • 2014年からの正月ダイヤでは、午前に淀屋橋発出町柳行き、夕方に出町柳発淀屋橋行きのノンストップ特急(列車種別は快速特急)「洛楽初詣」(2015年以後は「洛楽」)が運行された一方、日中の特急・急行・普通は12分間隔の運転となった[12][13]

大文字五山送り火

大文字五山送り火のある毎年8月16日は、土曜日・日曜日にならない限りは原則として平日ダイヤの運転となる。

2008年までの実績では、夕方以降の急行(樟葉発着も含む)は出町柳まで運転された。一方で出町柳発着の普通の一部は三条での折り返し運転とした(出町柳発着に8両編成の列車を集約させるため)。また20時以降はK特急や急行を中心に臨時列車が運転された。2009年以降は混雑する時間帯に出町柳駅発の樟葉行きの臨時急行を増発している。出町柳駅の今出川口については混雑緩和などのために営業時間を延長(21:30まで)する。

特別ダイヤ

行楽シーズンを中心に土休日ダイヤが変更され、特別ダイヤで運行される。特別ダイヤ実施期間中、快速特急「洛楽」が午前中に出町柳行きが、午後に淀屋橋行きが運転される。午前の快速特急「洛楽」出町柳行きが運行される時間帯には淀屋橋発の快速急行出町柳行きが運行され、枚方市駅で待避する。特定の日を除き、淀駅にも臨時停車する。一部の急行が準急が変更されるほか、淀屋橋駅 - 枚方市駅間の準急(夕方は中之島駅 - 枚方市駅間の普通)が運行され、一部の列車の連絡や通過待避のパターンが変更される。ダイヤは公式サイト上や各駅で公表される。午前中の出町柳行きの快速特急洛楽・特急・快速急行は「貴船・鞍馬連絡」・「大原連絡」・「比叡山連絡」として運転される列車が設定されている[41]

この特別ダイヤは、2003年の10月から11月に掛けてと2004年5月2日に実施された「休日特別ダイヤ」が前身であるが、2014年に「春の(または秋の)特別ダイヤ」として再開され、原則として3月下旬から5月上旬と10月、11月の全休日に(2015年のみ9月中旬より実施)実施していた。

その他

上記以外にも祇園祭宇治川花火大会天神祭など沿線祭事時には、夜間を中心に臨時列車が運転(または定期列車の運転区間が延長)される。また、行楽シーズンには淀屋橋駅・天満橋駅 - 三条駅・出町柳駅間に臨時特急が運転されることがあった。

比較的臨時列車の多い路線であるが、近年は減便傾向にある。臨時種別標識(「臨」円板)は、2003年9月6日改定以降、臨時特急のみの掲出となったほか、行先表示器のLED化に伴い「臨時特急」などの表示が可能となり、掲出の機会が少なくなっている。前述の祭事時などには特急車(2扉車)で運転の特急を3扉車に差し替えたり、特急車を準急や臨時急行などに充当のうえ入庫させたりする場合があった。

過去にあった列車種別

K特急

京阪本線のかつての最優等種別。2003年9月6日のダイヤ改定で新設(運転開始は8日から)された。

平日朝・夕方・夜間のみ運転される種別で、ダイヤ・停車駅ともに同改正前の特急を踏襲し、淀屋橋駅 - 出町柳駅間で運転され、朝の淀屋橋行きは枚方市駅にも停車した。朝ラッシュ時には1号車(出町柳方先頭車)に女性専用車両が設定されたほか、一部の列車は3扉車で運転され、特に最混雑時間帯の淀屋橋行きは特急車(2扉車)の充当が避けられていた。夕ラッシュ時には丹波橋駅で急行と連絡していた。

また、平日朝ラッシュ時には交野線私市駅発淀屋橋行きK特急「おりひめ」が2本運転されていた(後述)。

K特急の名称は中之島線開業に伴う2008年10月19日のダイヤ改定で廃止され、夕方の上りK特急が快速特急に改称された以外は特急に変更、「おりひめ」は通勤快急に変更された[26]

旧・快速特急

京阪本線上りのかつての最優等種別。2008年10月19日のダイヤ改定で、K特急から改称され新設された(運転開始は20日から)。停車駅はK特急と同じで、特急車(8000系)により平日夕ラッシュ時の淀屋橋発出町柳行きのみ運行された。京橋駅の発車メロディは「朝靄の京橋で乗り換え」が使用された。

臨時列車では、2011年に「さくらエクスプレス」「わかばエクスプレス」として淀屋橋発出町柳行きが2本運転されたほか、「光のルネサンス号」として出町柳発中之島行きが運行された実績がある(下りの快速特急が運転されたのはこの時のみ)。

2011年5月28日のダイヤ改定で廃止となり、全列車とも特急に変更された。

旧・区間急行

1938年の設定当時は天満橋駅 - 枚方東口駅(現在の枚方市駅)間で運行され、停車駅は蒲生駅(現在の京橋駅)・門真駅(現在は廃止)・萱島駅・寝屋川駅(現在の寝屋川市駅)・香里園駅・枚方駅(現在の枚方公園駅)であった。種別としては準急よりも下位であるが、当時準急停車駅であった守口駅(現在の守口市駅)を通過していた点が特徴である。戦争中に一旦廃止となり、戦後1947年に運行を再開している。その後、現在の停車駅(片町駅にも停車)となり、1960年のダイヤ改定でそれまで運行されていた京橋駅 - 守口駅間通過の普通に統合され、昼間時にも運転されるようになった。

A急行(途中駅折返急行)

1952年、混雑時に天満橋駅 - 枚方市駅間で運行されていた急行を、枚方公 ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。