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トヨタ・GRヤリス

トヨタ・ヤリス > トヨタ・GRヤリス

GRヤリス(ジーアールヤリス、GR YARIS)は、トヨタ自動車が生産しているハッチバッククーペ型のスポーツカーである。

トヨタ・GRヤリス
GXPA16/MXPA12型
RZ"High-performance"
概要
製造国 日本愛知県
販売期間 2020年9月4日 –
(発表:2020年1月10日)
設計統括 齋藤尚彦
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 3ドアハッチバッククーペ
エンジン位置 フロント
駆動方式
プラットフォーム
  • 前:GA-B
  • 後:GA-C
(パワートレイン)
エンジン
M15A-FKS
1,490 cc 直列3気筒(RS専用)
G16E-GTS
1,618 cc 直列3気筒 インタークーラーターボ(RZ/RC専用)
最高出力
M15A-FKS
88 kW (120 PS)
G16E-GTS
200 kW (272 PS)
最大トルク
M15A-FKS
145 N・m (14.8 kgf・m)
G16E-GTS
370 N・m (37.7 kgf・m)
変速機
サスペンション
車両寸法
ホイールベース 2,560 mm
全長 3,995 mm
全幅 1,805 mm
全高 1,455 mm
車両重量 1,110 - 1,280 kg
最大積載量 141 L (VDA法、4名乗車時)
その他
タイヤサイズ 225/40ZR18
ブレーキ ベンチレーテッドディスク
(テンプレートを表示)

概要

GR』を展開する「GAZOO Racing カンパニー」が開発した車種で、本ブランドの専売車種としては2019年に発売された「(GRスープラ)」に続く2台目の車種である。

前述の「GRスープラ」および2012年に発売された「86」は同業他社(BMWSUBARU)との共同開発によって誕生した車種であったが、本車種は同社が独自に開発したものである。また、トヨタにおける四輪駆動の市販スポーツカーとしては、1999年に生産を終了したST205型「(セリカGT-FOUR)」以来となった。

2020年に発売されたコンパクトカーの4代目「ヤリス」と車名は同じだが、一部のメカニズムを除いて別の車種として設計されている[1]

経緯

トヨタは1999年のシーズンを最後に世界ラリー選手権(WRC)より撤退したが、2017年から再び参戦している。その際に用いられたベース車両は3代目ヤリス(日本名:ヴィッツ)であったが、同車種の開発段階では競技車両への転換を想定していない設計だったこともあり、競合相手の車両に比べて不利となる部分(全長を伸ばしにくいサスペンションの構造や高めの全高など)が多く、さらなる戦闘力の向上を図るには競技での使用を前提とした専用車種の開発が必須となっていた。

そこでホモロゲーションモデルとして本車種の開発がスタートし、グループAの公認取得条件となる25,000台の生産を目標に掲げた[2]。最高峰のWRC[注釈 1]は当然ながら、市販車に近い規定のローカルラリー等でも勝てることを目指した。

生産と開発

2009年(平成21年)に発売されたスーパーカーレクサス・LFA」専用の生産設備であった「LFA工房」を基礎として、本車種の生産から稼働する『GRファクトリー』と呼ばれるスポーツカーなどの少量生産に対応したベルトコンベアを用いないセル生産方式の生産設備を愛知県豊田市元町工場に導入した[3]

開発はドライバーから現場で開発ドライバーのフィードバックを受けてその場で改善し、すぐにコース上に送り返すというモータースポーツのテストと同じ手法が採用されている。開発ドライバーは石浦宏明大嶋和也がメインで、WRCドライバーのオイット・タナクヤリ=マティ・ラトバラクリス・ミーク、全日本ラリー王者の勝田範彦らもテストを行った。トヨタには成瀬弘を祖とする市販車のテストドライバーたちが多数いるが、レーシングドライバーがメインの開発ドライバーとなるのは同社では珍しい事例である。

年表

メカニズム

車両の基礎となるシャシーは3ドアで、屋根をカーボン製にするなど軽量化・低重心化・剛性の強化が図られている[10]。これによりパワーウェイトレシオは4.71 kg/psに達する。またWRカーにする上で重要な空力特性も考慮され、リアのルーフ位置を下げてリアスポイラーに風を当てやすくなっている他、リアフェンダーは大きく盛り上がっている。

プラットフォームはすべて「GAプラットフォーム」で統一されているが、モータースポーツでの過酷な使用状況における走行性能を考慮した結果、(GAプラットフォームとしては初となる)車両の前半部分と後半部分で車両クラスの違うものを組み合わせるハイブリッド構造を用いて設計されている[11]。前半部分にはヤリス等のコンパクトカーが採用する「(GA-B)プラットフォーム」を、後半部分にはカローラ等のミドルサイズ車に採用される「(GA-Cプラットフォーム)」を用いることで、軽量かつ強靱なシャシーを実現した[11]。なお、2つの異なるシャシーを用いているため、単独のプラットフォームで構成される4代目ヤリス(GA-Bプラットフォーム)と同一ファミリーであるとはみなされず、グループAの公認取得にはGRヤリスのみで25,000台[12]の生産が必要となる[注釈 2]

国内向けのヤリスが全幅1,695 mmで5ナンバーサイズであるのに対し、GRヤリスは海外向けを含めた全車が全幅1,700 mm以上の3ナンバーサイズとなる。

また、安全運転支援システムの「Toyota Safety Sense」は、本車両のみRCグレードを除く全グレードでメーカーオプション設定となっている。

エンジン

エンジンは『RS』を除く全グレードで、新規開発となる『ダイナミックフォースエンジン・スポーツエンジン』の第1弾となった、排気量1.6 Lの水冷直列3気筒DOHCターボエンジン『G16E-GTS』型を搭載する[13]。ヤリスに搭載された1.5 Lの水冷直列3気筒DOHCエンジンの「M15A-FKS」/「M15A-FXE」型と気筒数は同一だが、G16E型はモータースポーツでの使用を念頭に置いた専用設計のエンジンとなる[14]。このエンジンはトヨタ自動車の下山工場にて製造生産が行われている[15][16]

シリンダーの内径(ボア)が87.5 mm、そして行程(ストローク)が89.7 mmとなり、排気量が1,600 ccを僅かに上回る1,618 ccとなったのは、ラリーでの常用域において最大の性能をrally2の上限排気量である1,620cc以下で発揮できるように設計されたためである[14]。圧縮比は10.5で、直噴とポート噴射の併用技術「D-4ST」を採用する[17]。最高出力272 ps、最大トルク37.7 kgm(340 N/m)を発生し、0 - 100 km/h加速は5.5秒以下、最高速度は230 km/hを実現する[18]。なお同エンジンは、ダイナミックフォースエンジンの特徴であるレーザークラッドバルブシートではなく、バルブシートを工夫して打ち込んでいる[19]。これはメンテナンスやチューニングのしやすさも考慮しているためである[19]インタークーラーはラリーでのメンテナンス性を考慮して空冷式を採用している[17]。なお『RZ“High-performance』には冷却スプレー機能が追加装着され、競技向けグレードの『RC』にもオプション設定されている[20]。このほか、A25A-FKS型エンジンやM20A-FKS型エンジン、M15A-FKS型エンジンと同様にアイドリング時の振動対策として1次バランサーシャフトクランクシャフトの直下に組み込まれている[17]

パワートレイン

トランスミッションは『RS』を除く全グレードで、既存の12代目カローラシリーズ((セダン)/ツーリング/スポーツ[注釈 3]およびC-HRなどで先行採用された、自動ブリッピング機能を持つ『iMT』(インテリジェントマニュアルトランスミッション)を搭載[21]パーキングブレーキは基本的にサイドターンを実現するため、電動ではなく手引き式となっている。

ギア比は以下の通り[22]

ギア比
ギア段階 ギア比
1速 03.428
2速 02.238
3速 01.535
4速 01.162
5速 01.081
6速 00.902
後退 003.83

四輪駆動車のセンターデフには、電子制御式カップリングを用いた新開発のスポーツ四輪駆動システムを採用。この技術は往年の『GT-FOUR』に対するヘリテイジの意味も込めて『GR-FOUR』を名乗る[23]。また、トルクを電子制御多板クラッチセンターデファレンシャルにより前後の駆動輪に配分し、その配分は、通常で60:40、スポーツモードで30:70、トラックモードで50:50の3段階から選ぶことが可能である[22][注釈 4][24]

四輪駆動車では改造を前提に前後ともオープンデフを採用している[13]が、『RZ“High performance”』グレードに限り、トヨタ系の自動車部品会社であるジェイテクトが開発したトルセンLSDが装着される[25]

グレード構成

RZ "High performance"

1.6 Lのターボエンジン「G16E-GTS」型と6速マニュアル、四輪駆動システム「GR-FOUR」を搭載した最上級グレードとなる。BBS製の専用鍛造アルミホイールとミシュラン製の高性能タイヤ「Pilot Sport 4S」が装備され、トルセンLSDとブレーキの冷却用ダクト、さらにインタークーラーには水をスプレー状にして吹きかけ、エンジンの吸気温度を下げるシステムも搭載される。さらに内装ではフロントシートは専用設計のプレミアムスポーツシートで、サーキットでの走行を考慮したモデルとなっている。また、スポーツモデルでありながらアイドリングストップ機構も装備される。

RZ

1.6 Lのターボエンジン「G16E-GTS」型と6速マニュアル、四輪駆動システム「GR-FOUR」を搭載した上級グレードとなる。

RC

ディスプレイオーディオ等の快適装備を省略して軽量化を図った、競技車両のベース車向けのグレードである。エンジンや駆動システムなど基本的なメカニズム部分は「RZ」と共通であるが、フロントブレーキはラリー用のタイヤとホイールが装着できるよう「RZ」のディスクローターを1インチ小径化し、さらにワンピース構造とした「RC」専用品が装備される(前後のキャリパー自体は「RZ」と共通である)。それに加えてタイヤとホイールは「RZ」の18インチから17インチへと変更されている。なお、ホイールはスチール製ではなく「RC」専用デザインのアルミホイールとなっている。エアコンはオプションで選択可能。車両価格は税込みで330万円。

RC"Light Package"

RCをベースに、遮音材・リアシート・リアゲートダンパー・リアスポイラー・塗装[注釈 5]を省いたグレード。リアクォーターガラス・バックドアガラスが専用軽量ガラスに変更、バッテリも専用の軽量バッテリが装備される。オプションだったエアコン、寒冷地仕様は選択不可。車両価格は税込442万円。また、車重がRCの1250kgから1170kgと軽量化されており、1.6Lターボ仕様では最軽量グレードとなる。

RS

外装はRZ/RCグレードと共通ながら、パワートレーンを「ヤリス(5ドアハッチバック)」と同じ1.5 Lの自然吸気エンジン『M15A-FKS』型、さらに前輪駆動としたモデルである[注釈 6]。これにより車重が「RZ」の1,280Kgから1,130Kgと大幅な軽量化を実現している。トランスミッションは、発進用ギアを兼ね備える『ダイレクトシフトCVT』に加え、「(ヴィッツ GR)」で実用化した「シーケンシャル10段変速MTモード」を搭載する[注釈 7]。パーキングブレーキはRZ/RCグレードと異なり、「ヤリスクロス」と同じく電動式を採用している。

RS "Light Package"

RSにフォージドカーボンルーフ(マーブル柄ラッピング)及びBBS製18インチ鍛造ホイールを装備、フロント・リアのスタビライザーが外されたグレード。車両重量が1130kgから1110kgにまで下がっており、GRヤリス最軽量グレードとなっている。車両価格は税込312万4000円。

RZ "High performance・モリゾウセレクション"

RZ "High performance"をベースとしたKINTO専用グレード。GRMNと同じくソフトウェアやエンジン、駆動系に強化を施す「アップデートプログラム」と、購入者に好みのカスタムが出来るように購入者自身の運転データを収集し解析、それを元にエンジン制御、ステアリング制御、駆動配分を各自に合わせる「パーソナライズプログラム」の2通りの提供方法を選択可能。

フロントウインドには1stエディションと同じくモリゾウサイン、ホイールオーナメントにはROOKIE Racingのロゴが付く。また、専用カラーに施されたサスペンションも装備される。KINTOでは原則改造不可が契約の条件だが、原状回復可能を原則として違法にならない程度の改造を許可している。また、トヨタ販売店(GRgarage含む)で取り付けられたパーツは外さずに返却しても可能だが、それ以外で取り付けたパーツは外す必要がある。月額54,300円からで契約期間は約3年としている。

GRMNヤリス

2022年1月14日東京オートサロン2022にてGRヤリスの500台限定フルチューンモデルとなる『GRMNヤリス』[注釈 8]が発表された[27]。このGRMNヤリスはソフトウェアやエンジン、駆動系に強化を施す「アップデートプログラム」というサービスと、購入者に好みのカスタムが出来るように購入者自身の運転データを収集し解析、それを元にエンジン制御、ステアリング制御、駆動配分を各自に合わせる「パーソナライズプログラム」というサービスがあり、その2通りの提供方法を選択可能[27]

また、追加装備をつけるパッケージが2つ存在する。1つは「Circuit package」であり、ロード性能を向上させるためのGRMNヤリス専用ブレーキ、ビルシュタイン製ショック、カーボン製リアスポイラー、サイドスポイラー、スカートといった追加パーツを装備することが可能[27]。もう一つは「Rally package」で走破性を高めるためのパーツ類をラインナップしており、GRブランドのショックやショートスタビリンク、アンダーガード、ロールバーを追加で装備可能[27]

メカニック面

メカニック面では、ボディー剛性を向上させるために通常のGRヤリスに比べスポット溶接打点数を545点ほど増やしており、またボディー用の構造接着材を12m分延長している[27]。加えてボディーの軽量化を図るため、綾織CFRP製のカーボンルーフ、カーボンフード、カーボンリアスポイラーなどを装備。またリアシートを全て撤去し、GRヤリス RZ "High performance"に比べ約20kgの軽量化を達成している[27]

駆動系ではモータースポーツの過程で鍛えられたトランスミッションを採用しており、クロスギアレシオトランスミッションとローファイナルギヤを両方セットで採用する[27]ギヤ比はエンジンのパワーバンドを生かすことを目的に1 - 4速をクロスレシオに設定。また、耐久レースなどに使用されることを想定し1、3、4、5速とファイナルギヤにSNCM材を使用、ショット処理も施されショックトルクおよび疲労強度の向上を図っている[27]

スペック

ボディー[27]
項目 GRMNノーマル GRMN『Circuit package』 GRMN『Rally package』
全長 4,030 mm 3,995 mm
全幅 1,815 mm 1,805 mm
全高 1,475 mm 1,455 mm
ホイールベース 2,560 mm
乗車定員 2人
車両重量 1,250 kg 1,260 kg 選択により異なる
エンジン・駆動系[27]
スペック
タイプ 直列3気筒IC付きターボ
総排気量 1.618cc
最高出力 272 PS (200 kW) / 6500 rpm
最大トルク 390 N⋅m (39.8 kgf⋅m) / 3200 – 4000 rpm
燃料タンク容量 50L
トランスミッション iMT、6速マニュアル
駆動方式 4WD
ギヤ比[27]
ギヤ段階 ギヤ比
1速 03.414
2速 02.238
3速 01.592
4速 01.162
5速 01.081
6速 00.902
後退 03.557

モータースポーツ

ラリー

 
ラリー1規定のGRヤリス

2020年2月にユホ・ハンニネンがテストドライブするWRカー仕様の走行映像が公開され、翌年のデビューに備えていたが、新型コロナウイルス流行の影響による開発の遅れもあり、同年6月15日に投入の見送りが発表されている[28][29][注釈 9]2022年の世界ラリー選手権からは、プラグインハイブリッドの新規則・「ラリー1」規定の「GRヤリス ラリー1」が参戦[30]。初年度にカッレ・ロバンペラが史上最年少でドライバーズチャンピオンとなっており、さらにコ・ドライバー/マニュファクチャラーズ部門も併せて3冠を達成している。WRCでは、より市販車に近いグループN仕様のGRヤリスも、2022年よりトヨタのレッキ車として使用されている[31]

またラリー2仕様も開発されており、2022年のラリージャパンにおいて公開されてモリゾウによるデモ走行が行われたほか、2023年の新城ラリーにて賞典外ながらも実戦投入された。

全日本ラリー選手権では2020年11月開催の第4戦ツール・ド・九州でクスコレーシングオサムファクトリーによりJN1クラスにGRヤリスが初投入された。2021年からは勝田範彦奴田原文雄もマシンをGRヤリスに切り替えて参戦。純レーシングカーシュコダ・ファビアR5と、人馬ともに熟成したスバル・WRX STIに苦戦するが、TGRのワークスマシンを駆る勝田が第7戦ラリー・カムイで初優勝を挙げると[32]、その後グラベル・ターマック問わず4連勝で逆転しチャンピオンを獲得した。

オーストラリアラリー選手権ではニール・ベイツ・モータースポーツ率いるTOYOTA GAZOO Racing Australiaにより、AP4規定に改造されたGRヤリスが参戦している[33]

イタリアでは現地法人により、GRヤリスのワンメイクラリーが開催されている[34]

前輪駆動+1.5L自然吸気エンジンの「RS」グレードも2021年から各チームによって全日本のJN-5クラスに投入されている。同じパワートレインのヤリス(5ドアハッチバック)に比べると、130kg重いことに起因する加速力の不足や、リアの限界域が馬力に対して高すぎるせいで振り回しづらいといった弱点があり、低速コーナーや摩擦係数の高いタイトコーナー、ヒルクライムでは遅れを取っていた[35][36]。このため豊田自動織機所属の天野智之は、2021年シーズン途中で「RS」から旧型のヴィッツに一旦戻した上で自身8度目の全日本タイトルを獲得している。その一方で摩擦係数の低い路面では進歩したCVT制御の強みが発揮された他、ダウンヒルや高速コーナーでの性能ではボディと足回りの良さでポテンシャルの高さを見せており[37][38]、セッティングの熟成とドライビングの適合を進めた末に天野は2022年の開幕戦新城で「RS」の初優勝を挙げ、同年末に9度目のタイトルを獲得した[39]

サーキット

 
スーパー耐久に参戦するKTMS(神戸トヨペット)のGRヤリス

2020年1月の東京オートサロンにてTOYOTA GAZOO Racingの姉妹チームとなるROOKIE Racingから、スーパー耐久のST-2クラスへ参戦が発表。規則の関係上で、ラリーより先にサーキットでデビューすることとなった。エンジンは補機類はノーマルだが、ECUチューンにより320馬力にまでパワーアップしている[40]。開幕戦富士24時間レースではモリゾウ(豊田章男トヨタ自動車社長)・井口卓人のタイムアタックで予選1位を獲得し、夜に大雨に見舞われた決勝でも終始レースをリード。同じくデビュー戦であったトヨタ車のGRスープラクラウンRSと共にクラス優勝でデビュー戦を飾っている。この時モリゾウ直々に、新車としての問題点を洗い出すために「壊せ」という指示が出ており、終始ハイペースでの周回であったが、全くのノートラブルであった[41]。第2戦のスポーツランドSUGOでは3位、第3戦の岡山国際サーキットでは2位、第4戦のツインリンクもてぎと第5戦のオートポリスでは優勝し、2020年のST-2クラスのチャンピオンを獲得した。

同チームのGRヤリスは2021年の第2戦SUGOを最後に勇退し、G16E-GTS型エンジンをベースとした直列3気筒の水素エンジンを搭載したカローラスポーツに後を譲っているが、2023年の開幕戦と富士スピードウェイでの公式テストに関しては参戦予定だったGRカローラがトラブルに際して参戦できなくなったことから、ST-2クラスとST-Qクラスの差はあるものの再度GRヤリスで参戦することとなっている[42]。プライベーターたちによる運用は続いており、2022年現在のST-2クラスではGRヤリスは最大勢力となっている。

車名の由来

「GR」は、トヨタスポーツカーブランドGR」に由来する。

「Yaris」は、ギリシャ神々名前語尾によく使われる「is」と、開放的でダイナミックな発音である「Ya」を組み合わせた造語である[43]

販売店

東かがわトヨタ自動車販売を除く全国のトヨタディーラー各店で販売。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 当時のWRカーは骨格以外はほぼ一切市販車の部品を用いていなかったが、その骨格は重さ・重心・空力・ボディ剛性などに大きな影響を及ぼしていた。
  2. ^ グループAの公認条件は「直接的なモデルは2,500台、車種全体で25,000台を12ヶ月間に生産」であるため、もし同一ファミリーとして認められていれば2,500台の生産で済んだ。
  3. ^ いずれも2022年10月の一部改良でMT車を廃止。
  4. ^ WRCドライバーに4日間スノーおよびグラベルでテストドライブさせた結果、スポーツモードの30:70は車を縦に使うオイット・タナクが、トラックモードの50:50は車を横に使うヤリ=マティ・ラトバラがそれぞれ好みだとコメントしている。またタナックは、他のドライバーとは違いスポーツモードで最速であったという。
  5. ^ ここで言う塗装とはED塗装すら行われていない鉄板剥き出し状態のこと。車両購入時にカスタマイズの一環として塗装をしてもらう前提のためである。メーカーオプションでED塗装が選択できるほか、納車時に各販売店にて塗装することも可能。トヨタはすぐに錆びてしまう為早急に色を塗ることを強く推奨している。
  6. ^ 前輪駆動故にリアゲート部分の「GR-FOUR」エンブレムがRZ/RCグレードと違い装着されていない。また、ストラットタワーバー取り付け用のアンカーボルトが削除されている。
  7. ^ 本機能はパワートレーンを流用する「ヤリス(5ドアハッチバック)」のCVT搭載車には採用されておらず、GRヤリス「RS」専用の変速システムとなる。
  8. ^ 届出上等では『GRヤリスGRMN』の名称となる[26]
  9. ^ グループAのホモロゲ―ションを取得する為に開発された車だが、連続12ヵ月以内で25000台以上という規定台数を達成したのは2021年で、ホモロゲーション申請はその後となった。過去には2001年にランサーエボリューションがランサーの派生として認められず25,000台生産を要求され、ランサーセディアを「ランサーエボリューション」としてWRカー化した三菱自動車の事例がある。なおラリー1規定では最低生産台数の規定は無い。

出典

  1. ^ “トヨタGRヤリスの396万円はバーゲンプライスだ!「GRヤリス」と「ヤリス」はまったく別のクルマだ”. モーターファン (2020年1月24日). 2020年3月10日閲覧。
  2. ^ GRヤリスがクルマ好きを魅了する理由とは? 発表2週間で約2000台の受注!? ベストカーweb 2020年2月13日
  3. ^ “スポーツカー「GRヤリス」で挑むトヨタ生産方式の進化「GRファクトリー」、「作り手の意思がこもった多品種少量生産」と友山茂樹 プレジデント”. Car Watch. 2021年12月26日閲覧。
  4. ^ 『TOYOTA、新型車GRヤリスを初公開』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2020年1月10日https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/30976357.html2020年3月11日閲覧 
  5. ^ 『TOYOTA、新型車GRヤリスのラインアップを発表』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2020年6月2日https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/32665480.html2020年6月2日閲覧 
  6. ^ “トヨタ、新型車「GRヤリス」の発売が9月4日に決定”. Yahoo!ニュース (2020年8月21日). 2020年8月22日閲覧。
  7. ^ 『新型車GRヤリスを発売』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2020年9月4日https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/33516955.html 
  8. ^ トヨタ『GRヤリス』、英国カーオブザイヤー2021 を受賞
  9. ^ 『トヨタとKINTO、「人に寄り添って進化するクルマ」に挑戦-GRヤリス“モリゾウセレクション”をKINTO限定で取扱い開始-』(プレスリリース)トヨタ自動車・KINTO(2社連名)、2021年6月7日https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/33516955.html 
  10. ^ “そこまでするかGRヤリス! わざわざカーボンルーフを採用した本当のワケ”. ドライバーWeb (2020年1月31日). 2022年1月2日閲覧。
  11. ^ a b “【トヨタ GRヤリス 新型試乗】コスパ高し!RZハイパフォーマンスはもはや競技車…諸星陽一”. Response.jp (2020年11月26日). 2022年1月2日閲覧。
  12. ^ “【絶対比較】GRヤリスと通常のヤリスは、いったいどこが同じでどこが違うのか?”. Webモーターマガジン (2020年4月11日). 2022年1月2日閲覧。
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  24. ^ “GRヤリス最終仕様(?)に見たトヨタの“ラリー王国復活への覚悟””. as-web. (2020年1月16日). https://www.as-web.jp/rally/558262/2 
  25. ^ “『クルマは最高のトモダチ』やっぱりグッときた! GRヤリス試乗!! …山田弘樹連載コラム”. GAZOO (2020年8月11日). 2022年1月6日閲覧。
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  28. ^ “WRC:トヨタ、2021年の新型ラリーカー投入を見送り。チームはテストで活動再開”. autosport web (2020年6月15日). 2020年6月16日閲覧。
  29. ^ GRヤリスを購入して1年、その総括と気になるホモロゲ取得はどうなった!?
  30. ^ 勝田貴元、2022年もWRCフル参戦へ。GRヤリスWRCラリー1で挑む来季を「心待ちにしている」 - オートスポーツ・2021年10月29日
  31. ^ レッキ最終日。スタートに向け準備が進むサービスパーク - RALLY+.NET 2022年11月9日
  32. ^ “全日本ラリーカムイ:勝田範彦/木村裕介のGRヤリスが接戦を制し今季初勝利”. Rally Plus.net (2021年7月8日). 2021年7月10日閲覧。
  33. ^ “トヨタGRヤリスAP4のハリー・ベイツがラリークイーンズランドで完勝、開幕2連勝”. Rally Plus.net (2021年5月26日). 2021年7月10日閲覧。
  34. ^ トヨタ・イタリアがGRヤリスのワンメイクラリーシリーズを創設。専用キットを開発
  35. ^ 全日本ラリー丹後:JN5クラスの天野智之はGRヤリスRSを投入
  36. ^ 全日本ラリー久万高原:競技初日は1.8秒差で福永修がリード
  37. ^ セントラルラリー:初日を終えて首位勝田範彦と2番手新井大輝が7.7秒差の接戦
  38. ^ 全日本ラリー新城:初日の3SSを制したコバライネンがトップ
  39. ^ 全日本ラリー北海道:勝田範彦が今シーズン2勝目、JN-1クラスのチャンピオンはヘイキ・コバライネンに
  40. ^ 「スーパー耐久仕様のGRヤリスに見る最先端メーカーチューニング!」市販化待ったなしのパーツも多数装備!?Carview! 2021年7月10日閲覧
  41. ^ “富士24時間:GRヤリスがデビューウイン!「すべてのスタッフに感謝」モリゾウも喜び”. autosport web (2020年9月6日). 2020年9月12日閲覧。
  42. ^ “トヨタ、液体水素エンジンGRカローラのスーパー耐久開幕戦鈴鹿欠場を発表 代替車両はGRヤリスに”. Car Watch (2023年3月15日). 2023年3月16日閲覧。
  43. ^ “車名の由来について”. トヨタ自動車株式会社. 2021年1月12日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • トヨタ GRヤリス|トヨタ自動車WEBサイト
  • GR YARIS | TOYOTA GAZOO Racing
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