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アルゴン

アルゴン: argon)は原子番号18番の元素である。元素記号Ar原子量は39.95。第18族元素(貴ガス)、第3周期元素の一つ。

塩素 アルゴン カリウム
Ne

Ar

Kr
18Ar
外見
無色の気体。高圧電場下に置かれるとライラック(紫)色の光を発する。


アルゴンのスペクトル線
一般特性
名称, 記号, 番号 アルゴン, Ar, 18
分類 貴ガス
, 周期, ブロック 18, 3, p
原子量 39.948(1) 
電子配置 [Ne] 3s2 3p6
電子殻 2, 8, 8((画像))
物理特性
気体
密度 (0 °C, 101.325 kPa)
1.784 g/L
融点 83.80 K, −189.35 °C, −308.83 °F
沸点 87.30 K, −185.85 °C, −302.53 °F
三重点 83.8058 K (−189 °C), 69 kPa
臨界点 150.87 K, 4.898 MPa
融解熱 1.18 kJ/mol
蒸発熱 6.43 kJ/mol
熱容量 (25 °C) 5R/2=20.786 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度 (K)   47 53 61 71 87
原子特性
酸化数 0
電気陰性度 no data(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 第1: 1520.6 kJ/mol
第2: 2665.8 kJ/mol
第3: 3931 kJ/mol
共有結合半径 106±10 pm
ファンデルワールス半径 188 pm
その他
結晶構造 面心立方構造
磁性 反磁性[1]
熱伝導率 (300 K) 17.72×10−3 W/(m⋅K)
音の伝わる速さ (気体, 27 °C) 323 m/s
CAS登録番号 7440–37–1
主な同位体
詳細はアルゴンの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
36Ar 0.337 % 中性子18個で安定
37Ar syn 35 d ε 0.813 37Cl
38Ar 0.063 % 中性子20個で安定
39Ar trace 269 y β 0.565 39K
40Ar 99.600 % 中性子22個で安定
41Ar syn 109.34 min β 2.49 41K
42Ar syn 32.9 y β 0.600 42K

名称

「アルゴン」という名はギリシャ語で「怠惰な」「不活発な」を意味する「αργον」という単語に由来する[2]

「働く」という意味の「εργον」に「αν」をつけた「αν εργον」(働かない)が語源とする説もある。また、ギリシャ語で「怠け者」という意味の「αργος」が語源とする説もある。[3][4]

分布

アルゴンは、地球大気中に窒素酸素に次いで3番目に多く含まれている気体(水蒸気を除く)で、その質量パーセント濃度は0.93 %である。地球上のアルゴンのほとんどは、質量数が40のもの(アルゴン40)であり、これは地殻中のカリウム40の崩壊により生成した。一方、宇宙においてはアルゴン36が最も多量に存在し、超新星爆発による元素合成により生成された。

空気中(地表)に 0.93 % 含まれているので、アルゴンは空気から液体酸素液体窒素を分離精製する際に、酸素から分留して得ることができる。

第18族元素(貴ガス)の中では最も空気中での存在比が大きい。これは自然界すなわち岩石中に存在していたカリウム40の一部 (11 %) が電子捕獲によってアルゴン40となったためである。このため地球および火星など岩石惑星大気中ではアルゴン40の同位体比が圧倒的に大きいのに対し、太陽大気中ではアルゴン36の同位体が大部分を占める[5]。 こうした事もあって地球上のアルゴンは原子量の重いものが偏っているため、アルゴン(原子番号18)は原子番号19のカリウムよりも平均原子量が大きくなっている[6]

ちなみに乾燥空気中の構成物質第4位は二酸化炭素だが、2008年現在得られる資料では 0.038 % であり3位との差は大きい。

特徴

名の通り、アルゴンは化学反応をほとんど起こさない元素である。最外殻電子数が8でありオクテット則を満たしているので、アルゴンは安定でほかの元素と結合しにくい。三重点は83.8058 Kであり、これは1990年国際温度目盛 (ITS-90) の定義定点に採用された。[7]

 
凍結させたアルゴン

貴ガスの一つ。常温、常圧で無色、無臭の気体。貴ガスのため不活性である。比重は、1.65(−233 °C: 固体)、1.39(−186 °C: 液体)、空気に対する比重は、1.38。固体での安定構造は、面心立方構造 (FCC)。

用途

産業用途としては主に反応性の低さを利用した不活性ガスとして製鋼や溶接シリコン製造に用いられる[7]。アルゴンの2004年度日本国内生産量は219461000 m3 (約40万トン)、工業消費量は38348000 m3である。近年の需要に対応して、2005年に日本工業規格 (JIS K 1105) が改正され、純度が高められた。

  1. 初生40Ar/36Ar比(初生値)が大気アルゴンの値(=295.5)に等しい[8]
  2. 溶岩が噴出冷却してから現在まで岩石サンプルの閉鎖系が保たれ、カリウム及びアルゴンの出入りがない[8]
しかし、実際には初生値の補正が必要になる[9]

歴史

1892年にレイリー卿ジョン・ウィリアム・ストラット)が大気分析の過程で未知の気体に気づき、1894年にウィリアム・ラムゼーと共にその正体がアルゴンであることを突き止めた[10]

レイリー卿が気が付いたきっかけは、「空気から酸素・二酸化炭素・水蒸気といった当時既知の気体を除いて作った窒素」と「酸化窒素などの窒素化合物から作った窒素」の重さがほんのわずかではあるが違うためで、この問題について彼がラムゼーとほぼ同時にたどり着いた結論が「空気からとった窒素にはごくわずかだがいかなる薬品とも反応しない気体がある」というもので、後にラムゼーはこうした不活性な気体がアルゴン以外にもあることに気が付き、ネオンやクリプトンも空気から分離している[11]他、メンデレーエフ周期表のどこにもこれらの元素が性質上入らないので、縦にもう一つ列(第0族元素)を作った[6]

しかし、その100年も前に、ヘンリー・キャヴェンディッシュが存在に気がついていたと言われている[誰によって?]。なお、1904年にレイリー卿は「気体の密度に関する研究、およびこの研究により成されたアルゴンの発見」によりノーベル物理学賞を、ウィリアム・ラムゼーは「空気中の貴ガス元素の発見と周期律におけるその位置の決定」によりノーベル化学賞を、それぞれ授与された。

化合物

アルゴンは単原子でオクテット則を満たしていることから、他の原子と結合した化合物は長い間知られていなかった。2000年フィンランドの研究者により初のアルゴン化合物、アルゴンフッ素水素化物 (HArF) の合成が発表された。これは、アルゴンとフッ化水素ヨウ化セシウムを混合して 7.5 K紫外線照射することにより合成された[12]

同位体

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
  2. ^ http://www.rsc.org/chemistryworld/podcast/interactive_periodic_table_transcripts/argon.asp
  3. ^ Hiebert, E. N. (1963). “In Noble-Gas Compounds”. In Hyman, H. H.. Historical Remarks on the Discovery of Argon: The First Noble Gas. University of Chicago Press. pp. 3–20 
  4. ^ Travers, M. W. (1928). The Discovery of the Rare Gases. Edward Arnold & Co.. pp. 1–7 
  5. ^ 小嶋稔 『地球物理概論』 東京大学出版会、1990年
  6. ^ a b 『原色現代科学大事典9化学』「第2章 物質のなりたちと変化」神保元二・山田圭一(責任編集)、高橋洋一(執筆)、株式会社学習研究社、1968年、p.21
  7. ^ a b アルゴンAr 大陽日酸
  8. ^ a b c 宇都浩三, 石塚治、「K-Ar, 40Ar/39Ar法による第三紀火山岩の年代測定の現状と将来」 『石油技術協会誌』 1999年 64巻 1号 p.63-71, doi:10.3720/japt.64.63, 石油技術協会
  9. ^ 松本哲一, 宇都浩三, 柴田賢、歴史溶岩のアルゴン同位体比 ―若い火山岩のK-Ar年代測定における初生値補正の重要性― 『Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan.』 1989年 37巻 6号 p.353-363, doi:10.5702/massspec.37.353
  10. ^ (桜井弘)『元素111の新知識』講談社、1998年、109頁。ISBN (4-06-257192-7)。 
  11. ^ 『原色現代科学大事典9化学』神保元二・山田圭一(責任編集)、高橋洋一・他(執筆)、株式会社学習研究社、1968年、p.20・362
    なお、ラムゼーはヘリウムも発見しているが、これはウラン鉱石から分離したもので大気起源ではない
  12. ^ Khriachtchev, L.; Pettersson, M.; Runeberg, N.; Lundell, J.; Räsänen, M. Nature, 2000, 406, 874-876. DOI: 10.1038/35022551

外部リンク

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