巖 金四郎（いわお きんしろう、1911年9月24日[1][5][9][6] - 1994年12月30日[3][10]）は、日本の男性俳優、声優、朗読家。東京府東京市（現・東京都文京区）出身[9]。明治大学商学部中退[6][11]。本名同じ[1][2]。
| いわお きんしろう 巖 金四郎 | |
|---|---|
| 本名 | 巖 金四郎[1][2] |
| 生年月日 | 1911年9月24日 |
| 没年月日 | 1994年12月30日（83歳没） |
| 出生地 | 日本東京府東京市 |
| 死没地 | 日本・埼玉県川越市[3] |
| 民族 | 日本人 |
| 職業 | 俳優・声優・朗読家 |
| 活動期間 | 1941年 - 1994年 |
| 配偶者 | あり[4] |
| 主な作品 | |
| 竜馬がゆく | |
プロダクション・タンクに所属していた[1]。日本における声優の草分け的な存在とされる[10]。全国芸能団運営会会長[9]、元東京放送劇団代表[9]。
人物
中学在学中から映画と演劇を好んでおり、学校を休んで浅草の劇場に通っていたとされる[11]。
大学在学中は演劇部に所属。1936年、上二証券に入社[9]。1941年、30歳の時にNHK東京放送劇団発足と同時に第1期研究生として入団[9][10]。同期生には富田仲次郎、加藤道子らがいた。
以来俳優、声優として活躍。特に声優としては、ラジオ黎明期を支えた。そして、1947年放送開始のNHKラジオ『向う三軒両隣り』の坂東亀造役で一躍その名を知られるようになり、同劇団の看板俳優となった[5][2]。朗読家としても著名であり、1959年、優れた朗読家に贈られる和田賞を受賞[5][6]。
また、テレビアニメでは、代表作『ペリーヌ物語』のビルフラン役、『アルプス物語 わたしのアンネット』のペギン爺さん役などが有名であった。
1959年6月に東京放送劇団の体勢が変更された際には運営委員となる[12]。
劇団を退団後は、Kプロダクション[13]、番衆プロなどを経て、プロダクション・タンクへ所属[1]。また、いつごろであるかは不詳だが、フリーの時期もあった。
出演
ラジオ
- (銭形平次捕物控え)（1946年）
- 激流（1947年）
- (向う三軒両隣り)[14]（1947年 - 1953年） - 坂東亀造
- 鐘の鳴る丘（1947年）
- 霧の山（1952年） - 専務[15]
- 雨夜（1953年） - 金子[16]
- ふるさと（1953年） - 私[17]
- マルコと釘（1953年） - 谷中三六[18]
- 葵の上（1954年） - ナレーター
- (屏風の女)（1959年）
- (風流あじろ笠)（1961年）
- (日本沈没)（1980年） - 田所博士
- (さよなら林家三平)（1985年） - 三遊亭金馬
テレビドラマ
- (風流あじろ笠)（1954年、NHK）
- 雁（1962年、NHK）
- (緑の散歩道)（1963年、NHK）
- 大河ドラマ（NHK）
- 駅（1964年、NHK）
- (明治大正文学シリーズ 正直者)（1964年、NHK）
- 開化探偵帳（1968年、NHK） - 庄司孫右衛門
- 帰ってきたウルトラマン 第30話「呪いの骨神 オクスター」（1971年、TBS / 円谷プロ） - 松山老人
- ミラーマン 第24話「カプセル冷凍怪獣コールドンに挑戦せよ!」（1972年、CX / 円谷プロ） - 川村博士
- ウルトラマンA 第47話「山椒魚の呪い!」（1973年、TBS / 円谷プロ） - 坂上サユリの祖父
- 風雪 第5回「大久保利通と車夫」（1964年、NHK） - 語り
- おはなはん（1966年 - 1967年、NHK）
- 無用ノ介 第18話「夏の終わり 無用ノ介はひとり」（1969年、NTV） - 死人小左衛門
- 鬼平犯科帳（松本幸四郎版）（1969年、NET / 東宝）
- 第22話「決闘」（1970年3月3日）- 鶴の忠助
- (おゝい雲)（1971年、NHK） - 留次郎
- つぶやき岩の秘密（1973年、NHK） - 三浦源造
- 水色の時（1975年、NHK） - 今泉晋松
- お昼のテレビ小説 / (新妻に捧げる歌)（1978年、CX / NMC） - 島田
- 熱い嵐（1979年、TBS系）
- 江戸の激斗（1979年、フジテレビ系）
映画
- (暁の銃弾)（1954年、日本映画） - 平山刑事
- (おんなの渦と淵と流れ)（1964年、日活） - 片瀬直彦
舞台
テレビアニメ
- 新ジャングル大帝 進めレオ!（1966年）
- 星の子チョビン（1974年）
- 大雪山の勇者 牙王（1978年） - カネト
- ペリーヌ物語（1978年） - ビルフラン・パンダボアヌ[22][1]
- ゲームセンターあらし（1982年） - 老人
- アルプス物語 わたしのアンネット（1983年） - ペギン爺さん[23][1]
劇場アニメ
- 西遊記（1960年） - 牛魔王
- アラビアンナイト シンドバッドの冒険（1962年） - 漂流した老船員
- わんぱく王子の大蛇退治（1963年） - 火の神
- ドラえもん のび太と竜の騎士（1987年） - 法王[24]
- ペリーヌ物語（1990年） - ビルフラン・パンダボアヌ
吹き替え
映画
- アルゴ探検隊の大冒険（アルゴス)
- 汚れなき悪戯（イエス・キリスト）
- (北極ものがたり)（ナレーター）
- 昼下りの情事（クロード・シャヴァス）
- ファニー（シャルル・ボワイエ）
- マルセイユ特急（ジャック・ブリザード）
- ミニミニ大作戦（ブリッジャー）
- オデッサ・ファイル（サロモン・タウバー）※テレビ朝日版
- マッケンナの黄金（ナレーション）
ドラマ
- 刑事コロンボシリーズ
- 溶ける糸（エドムンド・ハイデマン）
- 忘れられたスター（ヘンリー・ウィリス）
- 大草原の小さな家（ロバート・オルデン牧師[1]）
- タイムトンネル「火山の島」(ホーランド博士/トリン・サッチャー)
- 謎の円盤UFO（ジェームズ・ヘンダーソン長官）
- プリズナーNo.6（No.2〈(パトリック・カーギル)〉）
- ミステリーゾーン（ウォルター・ハンリー[25])
人形劇
- (今は昔)
受賞歴
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h 掛尾良夫 編「男性篇」『声優事典』（第2版）キネマ旬報社、41頁。ISBN (4-87376-160-3)。
- ^ a b c 「ラジオ声優・アナ」『現代日本新人物事典 : 大臣からファッション・モデルまで 1956年度版』(近代社)、1955年、462頁。
- ^ a b c 毎日新聞 1995年1月3日31面「訃報 巖 金四郎氏」（毎日新聞縮刷版 1995年1月号p.115）毎日新聞社
- ^ 「ラジオスター結婚ロマンス集」『婦人生活』5月号、婦人生活社、1961年、232頁。
- ^ a b c d e 『産経日本紳士年鑑』《上》（第9版）(産経新聞年鑑局)、あ行275頁。
- ^ a b c d e f 人事興信所 編『人事興信録』《上》（第23版）(人事興信所)、362頁。
- ^ a b 『芸能』12月号、(芸能学会)、1980年、57頁。
- ^ a b 『芸能』12月号、(芸能学会)、1986年、52頁。
- ^ a b c d e f 『東京紳士録』《昭和45年版》(東京探偵社)、1996年、242頁。
- ^ a b c 『年刊 芸能』第二号、(芸能学会)、1994年、30頁。
- ^ a b 『現代日本の人物事典 : 政治家から落語家まで 1951年度編集』自由国民社、281頁。
- ^ 「東京放送劇団の独立」『芸能』8月号、(芸能学会)、1959年、74 - 77頁。
- ^ a b 『声優の世界－アニメーションから外国映画まで』朝日ソノラマ〈ファンタスティックコレクション別冊〉、1979年10月30日、72頁。
- ^ 向う三軒両隣 - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
- ^ 阿木翁助「霧の山」『夜の河』宝文館、1954年、106頁。
- ^ 日本演劇協会 編「雨夜」『年刊ラジオドラマ』《第2集》宝文館、1954年、150頁。
- ^ 伊馬春部「天の川」『天の川』宝文館、1955年、139頁。
- ^ 日本放送協会 編「マルコと釘」『ラジオ小劇場脚本選集』《第6集》宝文館、1954年、116頁。
- ^ 『芸能』1月号、(芸能学会)、1960年、82頁。
- ^ 『芸能』9月号、芸能学会、1961年、83頁。
- ^ 『芸能』9月号、芸能学会、1965年、81頁。
- ^ “ペリーヌ物語”. 日本アニメーション. 2016年6月18日閲覧。
- ^ “アルプス物語 わたしのアンネット”. 日本アニメーション. 2016年6月18日閲覧。
- ^ “”. メディア芸術データベース. 2016年9月20日閲覧。
- ^ 池田憲章、伊藤秀明、『ミステリー・ゾーン/未知の世界 傑作選 Vol.7』 Disc 2、ジャケット裏解説文、パイオニアLDC、1998年
参考となったサイト及び書籍
外部リンク
- 巖金四郎 - NHK人物録