『地下鉄に乗って』(メトロにのって)は、浅田次郎の長編小説。1994年(平成6年)に徳間書店から刊行された。
地下鉄に乗って | ||
---|---|---|
著者 | 浅田次郎 | |
発行日 | 1994年3月 | |
発行元 | 徳間書店 | |
(国) | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 上製本 | |
ページ数 | 248 | |
コード | (ISBN 978-4-19-860081-5) | |
(ウィキポータル 文学) | ||
|
あらすじ
主人公の小沼真次は、女性用下着を売り歩くセールスマンだが、真次の父親である小沼佐吉は、世界的に有名な「小沼グループ」の創立者であり、真次はその御曹司であった。真次は父親の母や兄への傲慢な態度に反発し、高校卒業後、家を飛び出していたのだ。
ある夜、永田町駅の地下鉄の階段を上ると、そこには30年前の1964年(昭和39年)の風景が広がっていた。そこで真次は、在りし日の兄を目撃する。
その後真次は、同僚であり、自立した愛人関係でもある軽部みち子と共に、現実と過去を行き来しながら、兄の過去、そして、父の生き方を目撃してゆく。
登場する主な駅(東京地下鉄線のみ)
登場する主な昭和関連項目
書籍
ミュージカル
2000年に音楽座ミュージカル『メトロに乗って』として石川禅・毬谷友子主演で舞台化された。その後この作品は劇団「Rカンパニー」に引き継がれ、2007年には広田勇二・秋本みな子主演で再演され[1]、この模様を収めた映像は2008年にソニーの配給により日本全国の映画館で上映された。2014年にも広田勇二、美羽あさひによって再演されている[2]。
原作者の浅田次郎は2007年の再演の制作発表に出席しており、再演に寄せて「初演は素晴らしい作品で、日本のミュージカルとしては200%満足していると言ってもいい」とのコメントを残している[3]。
公演概要
公演年 | 2000年 | 2007年 | |
---|---|---|---|
公演名 | 東京公演 | 兵庫公演 | 東京公演 |
期間 | 2000年10月21日 - 11月8日 | 11月16日 - 18日 | 2007年12月21日 - 30日 |
劇場 | ル・テアトル銀座 | 宝塚バウホール | 東京芸術劇場中ホール |
上演時間 | 約2時間45分(途中休憩15分) | ||
制作発表 | 2000年6月1日 | 2007年11月6日 | |
スタッフ | |||
脚本・演出 | ワームホールプロジェクト | ||
音楽 | 井上ヨシマサ・(高田浩) | ||
美術 | 朝倉摂 | ||
衣装 | (原まさみ) | ||
照明 | (笠原敏幸) | ||
振り付け | (野坂公夫) | 野坂公夫・(畠山龍子) |
キャスト
公演年 | 2000年 | 2007年 |
---|---|---|
軽部みち子 | 毬谷友子 | 秋本みな子 |
小沼真次 | 石川禅 | 広田勇二 |
アムール(小沼佐吉) | 沢木順 | (吉田朋弘) |
お時 | 福麻むつ美 | 井田安寿 |
野平 | すまけい | 勝部演之 |
岡村 | (三谷六九) | 小林アトム |
村松 | (佐藤伸行) | |
貞子 | 今津朋子 | 野田久美子 |
小沼昭一 | 照井悠也 | (関川慶一) |
その他の出演者 | 宮内理恵、渋谷玲子、西原純、田澤啓明、浜崎真美、五十嵐進、江部珠代、小野佳寿子、小笠原家光、近藤祐子、小原和彦、川島豊、清水梨央、隅田亜矢、坪井美奈子、中村陽子、俵和也、橋本久美、丹宗立峰、萩原弘雄、森藤規子、安田栄徳、白沢文晴、千代将太 | 五十嵐進、浜崎真美、野口綾乃、清田和美、新木啓介、安中惇也、渡辺修也、山合大輔、藤田将範、柴崎一輝、鈴木智美、大川麻里江、兼崎ひろみ、富永友紀、堀川亜矢、村田麻衣、渡邊りせ、伊沢絵里子、永澄春香、奥津菜々子、冨永波奈、萩原弘雄、藤原岳、黛一亮 |
※キャスト順は音楽座ミュージカル/Rカンパニー発表によるキャスト表(2007年公演時)に準拠
ミュージカルナンバー
|
|
- 引用出典 『音楽座ミュージカルマガジンR’s(アールズ)特別号vol.5 December2007』
テレビドラマ
『もういちど地下鉄に乗って』(もういちどメトロにのって)のタイトルで2006年にテレビ朝日の土曜ミッドナイトドラマ枠で全4話が放送された。 原作小説の派生作品になっている。
キャスト
スタッフ
- 脚本:(立見千香)・(谷口純一郎)
- 演出:森田空海・(木内麻由美)
- チーフプロデューサー:(桑田潔)(テレビ朝日)
- プロデューサー:(樽井勝弘)・(小久保聡)(テレビ朝日)、(平部隆明)
- 主題歌:Salyu「プラットホーム」
- 音楽:窪田ミナ
- 制作:テレビ朝日、ホリプロ
テレビ朝日 土曜ミッドナイトドラマ | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
もういちど地下鉄に乗って |
映画
地下鉄に乗って | |
---|---|
監督 | 篠原哲雄 |
脚本 | 石黒尚美 |
製作 | 宇野康秀 気賀純夫 (島本雄二) 早河洋 |
製作総指揮 | 河井信哉 遠谷信幸 林紀夫 亀山慶二 |
出演者 | 堤真一 岡本綾 大沢たかお 常盤貴子 |
音楽 | 小林武史 |
撮影 | 上野彰吾 |
編集 | キム・ソンミン |
配給 | ギャガ・コミュニケーションズ 松竹 |
公開 | 2006年10月21日 |
上映時間 | 121分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 6億1200万円[4] |
2006年に篠原哲雄監督により堤真一、岡本綾主演で映画化され、10月21日より、松竹・東急系にて公開。 撮影にあたり、本作が初めて東京地下鉄(東京メトロ)の全面協力を得た[5]。また、喫茶店のシーンを撮影していた時に原作者の浅田が来ていたため、客として映画に出演している[5]。
キャスト
- 長谷部真次:堤真一
- 原作と異なり、両親の離婚後、母方の姓を名乗る設定である
- 軽部みち子:岡本綾
- 小沼佐吉 / アムール:大沢たかお
- お時:常盤貴子
- 野平啓吾(先生):田中泯
- 岡村会長:笹野高史
- 小沼昭一:北条隆博
- 小沼真次:崎本大海(少年時代)
- 小沼圭三:金井史更(少年時代)→綱島郷太郎(現在)
- 長谷部節子(真次の妻):中村久美
- 長谷部民枝:中島ひろ子(若年期)→吉行和子(現在)
- 斉藤陽一郎、中村靖日、水木薫、山田幸伸、千葉哲也、眞島秀和、遠藤雄弥、市川円香、浅川稚広、高良健吾、小関裕太ほか
スタッフ
- 監督:篠原哲雄
- 脚本:石黒尚美
- 音楽:小林武史
- 主題歌:Salyu 「プラットホーム」(TOY'S FACTORY)
- 編集:キム・ソンミン
- 撮影:上野彰吾
- 視覚効果:松本肇
- 美術:金田克美
- 照明:赤津淳一
- 録音監督:橋本文雄
- 助監督:中西健二
- 音響効果:小島彩
- 選曲:浅梨なおこ
- アクションコーディネーター:高瀬将嗣、森聖二
- ガンエフェクト:パイロテック
- カースタント:野呂真治
- 特別協力:東京地下鉄(東京メトロ)
- 協力:森ビル、伊東市、伊東観光協会
- 協賛:サントリー
- 現像:IMAGICA
- スタジオ:日活撮影所
- 企画:小滝祥平、三宅澄二、高松宏伸、(梅澤道彦)
- プロデュース:鈴木尚、五郎丸弘二、辻畑秀生、森谷晃育
- 制作プロダクション:デスティニー
- 配給:ギャガ・コミュニケーションズ + 松竹
- 製作:ギャガ・コミュニケーションズ、ジェネオンエンタテインメント、テレビ朝日、メ~テレ、松竹、電通、アドギア、LDH、ミコット・エンド・バサラ、IMAGICA、デスティニー
撮影が行われた主な駅
登場する地下鉄電車
(実車のみ)
なお、作中に登場した帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)丸ノ内線の300形電車は1996年に同線での営業運転を終了したため、当時東西線で使用されていた5000系電車(3両)の車体(アルミニウム合金製)全体にラッピングシールを貼って再現している(参考:映画DVD他)。
脚注
- ^ “”. 音楽座ミュージカル/Rカンパニー 公式ホームページ. 音楽座. 2007年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月28日閲覧。
- ^ “音楽座ミュージカル 「メトロに乗って」きょうから”. 産経ニュース. (2014年10月3日) 2016年5月28日閲覧。
- ^ 音楽座ミュージカル『メトロに乗って』再演決定|ORICON NEWS、2019年1月30日閲覧
- ^ 「2006年 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報』2007年(平成19年)2月下旬号、キネマ旬報社、2007年、184頁。
- ^ a b 篠原哲雄監督インタビュー|CINEMATOPICS、2019年1月30日閲覧
外部リンク
- - ウェイバックマシン(2006年10月13日アーカイブ分)
- - ウェイバックマシン(2010年8月5日アーカイブ分)
- - ウェイバックマシン(2009年2月22日アーカイブ分)
- 地下鉄に乗って - allcinema
- 地下鉄に乗って - KINENOTE
- 地下鉄に乗って - IMDb(英語)