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ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター

ゲゲゲの鬼太郎 > ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター

ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター(ゲゲゲのきたろうのとうじょうキャラクター)とは、水木しげる漫画作品およびそれを原作とするアニメ、映画『ゲゲゲの鬼太郎』にて登場する架空のキャラクター(大半は伝承上の妖怪などで占められている)の一覧。貸本劇画版である『墓場鬼太郎』にて登場した人物や妖怪などについては墓場鬼太郎の登場人物を参照。『ゲゲゲの鬼太郎』の登場人物として個別の項目がある登場人物及び本編以外の伝承上の妖怪としての詳細は各リンクを参照。

鬼太郎とその仲間たち

鬼太郎には同じ妖怪や人間、動物などの生物、神仏など異次元の存在も含めて幅広い仲間・理解者がいる。ここでは鬼太郎と身近な仲間から、協力してくれる者たちや最初は敵対するも後に分かりあえる関係になった者たちを含めて仲間たちを挙げる。

鬼太郎ファミリー

主人公の鬼太郎と、その鬼太郎と家族のように行動を共にする主要な仲間達。砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべの4名は西洋妖怪と戦う事になった際に日本妖怪の精鋭として選抜されたこともある(原作『妖怪大戦争』やアニメ第5作32話などでも言及されている)。

鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎、墓場の鬼太郎)
目玉おやじ(目玉の親父)
ねずみ男(ネズミ男)
猫娘(ねこ娘、ネコ娘)
砂かけ婆(砂かけばばあ)
子泣き爺(子泣きじじい、児啼き爺)
一反木綿(一反もめん)
ぬりかべ(塗壁)

隣人妖怪

鬼太郎父子と共通の在住(妖怪アパート、ゲゲゲの森、妖怪横丁など。同居も含む)描写がある妖怪たち。

呼子(よぶこ)/ 山彦(やまびこ)/ 山小僧(やまこぞう)
声 - 大竹宏(第1作)、キートン山田(第2作)、杉山佳寿子(第3作)、中野聖子(第3作代役)、上村典子大本眞基子(第4作第92話より)、中山さら(第5作)、祖山桃子(第6作[1]
山で音声を反響させる妖怪。わら頭巾をかぶった顎や前歯が大きい男児の姿で、眼や足は1つだったり2つだったりする。上記のように3つの呼称がある。衝撃波の様な大声を発する(『鬼太郎国盗り物語』、劇場版『日本爆裂!!』)、音波攻撃を反射する(『妖怪千物語』)、本人そっくりの声真似ができる、かなり遠くからでも「ヤッホー」と呼ばれると相手と場所を特定できる、日本中やあの世までも自分の声を届かせて呼びかけられる(以上第5作)など、音に関係した術が得意。わら頭巾を取った頭には数本の髪の毛が生えている(アニメ第4作第112話では無毛)。
音関連以外の能力では、「若返りマッサージ」(『死神』にて死神の息で老化した鬼太郎に施した、ただし砂かけの台詞のみで直接描写は無い)、霧の発生(『鬼太郎ベトナム戦記』)、第3作第79話で仲間の名を呼んで分身させる「山彦の術」、第5作第49話で一息で数人分の空気を供給できる肺活量、携帯電話に呼びかけると助けを求めている人にメールが届くなどを有している。
アニメでは第1作第10話で初登場し、以後第2作から第4作まで準レギュラー的ポジションで登場。第5作では妖怪長屋の住民。レギュラーとなり活躍も多く、第17話から登場した蒼坊主の迎え役でもある。第79話で妖怪四十七士の鳥取県代表になる。第6作では過去作同様準レギュラー的にゲゲゲの森のシーンで登場する。
化けガラス(ばけガラス)
外見は単に大きめのカラスだが、実は妖怪。種族的に複数体存在している。人語を話せる個体もいて、事件の発生を鬼太郎たちに知らせるなど連絡係として活躍、戦闘では大勢のカラスを率いて集団戦術を行う。武器の「封じフン」は鳥もちのように相手にへばりついて身動きを封じる。原作初登場は『妖怪大裁判』、アニメ初登場は第1作第2話。
普通のカラスにも鬼太郎の友は大勢おり、情報活動(手紙の配達、偵察など)や空輸力で活躍する。普通のカラスと化けカラスも互いに鬼太郎たちに協力し合っている。
カラスヘリコプター
鬼太郎たちが移動手段に使う。多数の化けガラスで各々ロープの端を持ち、吊り下げて飛ぶ。腰掛け型が多いが腕でぶら下がる形や気球のようなゴンドラ型もある。数が揃えば重量級なぬりかべも運搬可能。アニメ第4作では、鬼太郎を探していた村上祐子を化けガラス同士が寄り添って作ったじゅうたんに乗せ、鬼太郎たちのいる現場まで運んだこともある。スピード、機動力、小回りは一反木綿に劣るため、戦闘には不向き。鬼太郎たちはカラスの他に、コウモリにヘリコプターを頼む場合もある。
ろくろ首(ろくろくび)
声 - 山口奈々(第1作)、(木下しのぶ)(第3作)、豊嶋真千子(第5作)、久川綾(第6作[2])/ 演 - YOU
首が長い妖怪(首が分離するものについては「ぬけ首」も参照)。登場個体のほとんどは女性だが、アニメ第1作第1話の「ろくろ兵衛」、『相撲の巻』の「ろくろ山」など、男性のろくろ首も登場している。週刊実話版『ろくろ大合戦』では敵として老婆のろくろ首が登場。長い首で敵に巻き付いたり、首を縮めて人間に擬態することができる。
伝承でも知名度の高い妖怪ながら、原作・アニメ共に長らく群衆扱いされ続けてきたが、第5作では容姿端麗な砂かけ婆の妖怪長屋の住人としてレギュラー入りを果たし、ネコ娘に次ぐヒロイン的位置付けとなった[注釈 1]。首は伸縮自在で、縮めていれば人間の女性と変わらない外見だが長時間縮めると肩が凝り、恋煩いになった心理的影響で首が縮められなくなったこともあった。戦闘では、首を伸ばして相手に巻き付き締め上げる「首巻き」を得意技としている。滞納している妖怪長屋の家賃を稼ぐため、人間界ではろく子(ろくこ)と名乗って第21話からネコ娘と共に働く。その際知り合った人間の青年・鷲尾誠と交際し、後に婚約を結ぶ。
第6作では準レギュラーとして第23話から登場し、50年前から「爽快アパート」に住む。姉御肌の性格で、仲間の唐傘やあかなめらのリーダー格的な存在。人に危害を加えることはしないが、住人に悪戯して(自身は一緒に遊ぶことを強要する形で)怖がらせていたため、困り果てた大家・春夫が呼んだ鬼太郎と対峙。人間の味方をする鬼太郎を敵視して襲うが、あっさり成敗される。その後、泣きながら鬼太郎に連れられ出て行こうとしたところで、アパートを愛してくれる彼女らを追い出すのは忍びないと思い直した春夫に引き留められ、住民の前に現れたり悪戯はしないことを条件に、引き続き居住を許された。33年前には鬼太郎ファミリーの手を借りてアパートを地上げ屋から守り、その後生まれた大家夫婦の孫娘・夏美の遊び相手になる(幼い夏美からの愛称は「ろくろぴー」)など良い関係を築いていた。夏美が人間の友達より妖怪たちと遊ぶ方が楽しいと言ったことを聞き、彼女の将来を考えて姿を現さないと決めるが、それでも夏美を見守り続けていた。春夫の没後、夏美が婚約者と思っていたヒロ(33年前の地上げ屋の子分)に騙されアパートの権利書と実印を奪われた際には再び現れ、ヒロを脅かし退散させ、傷心の夏美を慰める。その後、鬼太郎ファミリーが地上げ屋から権利書と実印を取り返して再度念入りに懲らしめた後、夏美が新たなオーナーとなって砂かけ婆に妖怪用アパートとして管理を任せてからは、ろくろ首も台所に立って料理を担当するようになる。
2007年の実写劇場版では和江(かずえ)という名のろくろ首が登場。妖怪の溜り場「墓の下倶楽部」の常連で、輪入道の妻でもある。輪入道が唯一頭の上がらない妖怪。
油すまし(あぶらすまし)
声 - 小林通孝(第3作)、塩屋浩三(第3作・地獄編)、中井和哉(第4作)、平野正人(第5作)、江川央生(第5作・劇場版『日本爆裂!!』)、龍田直樹(第6作[3]
地蔵のようなすまし顔に蓑を着た妖怪。初登場は『妖怪大裁判』だが、当時は敵側の群衆扱い。
1980年代以降の原作では鬼太郎や仲間の妖怪が住む「ゲゲゲの森」の村長として頻繁に登場する。大の将棋好きで、デザインも髷が加えられた。鬼太郎達に加勢することも多く、体から油を出す術や、敵の術を破る術、逆用する術などを駆使する。原作では、目玉親父、砂かけ婆、子泣き爺に次ぐブレーンとして戦いに参加・活躍することも多い。
アニメ第3作の『地獄編』では地獄の旅に同道、地獄に関する知識(その知識は目玉おやじより上)で一行を支えた。第4作では妖怪アパートの住人。第5作では妖怪横丁の町内会長。第6作ではゲゲゲの森の住人。いきなり現れて相手を脅かすことが多い。鬼太郎とは将棋をする仲。
(かわうそ)
声 - 山本圭子(第1作)、小宮山清(第3作)→田中和実(第3作・第98話)、柏倉つとむ(第4作)、丸山優子(第5作)、浦和めぐみ(第6作[4])、又村奈緒美(異聞妖怪奇譚)
初登場は『オベベ沼の妖怪』。オベベ沼に住む妖怪で、通称オベベ。貧しさ(アニメ3作以降は寂しさ)から人間を騙して金儲けをしていた。人間に化けることが可能で、口や手から水鉄砲を発射し攻撃する。服装はシリーズによって「Tシャツ半ズボンに鍔広帽」と「着物に笠」の2種類に大別、後者では笠を投げて攻撃に使うこともある。川魚(第5作ではフナ)が大好物で、魚を焼く匂いを嗅ぐと変身が解けてしまう。原作やアニメ第1作では鬼太郎の旧友とされているが、3~6作ではオベベ沼の事件が初対面となっている。『妖花』では蛤船(ハマグリぶね)という巨大なハマグリの船を操縦し鬼太郎たちと共に南方へ向かう。
アニメ第3作では第31話初登場。牛がオベベ沼に沈みかけたのを助けようとしていたのを目撃した村人に沈めようとしていると勘違いされ、それ以来、危険な妖怪と誤認されオベベ沼に近づく者が居なくなったことで捻くれ、構って貰おうとして悪さをするようになっていた。その事情と孤独な境遇を聞いて同情・共感したねずみ男と組み、二人で村の水源を溢れさせて田を荒すが、鬼太郎に懲らしめられる。鬼太郎に訳を話し、可哀想な奴だから許してやって欲しいとねずみ男が嘆願したこともあって改心し、もう二度と悪さはしないと誓う。その後、罪滅ぼしとして鬼太郎やねずみ男と一緒に荒した田を戻し、村人に謝罪・和解して村を水害から守る良い妖怪になった。以後も時々鬼太郎に協力する。
第4作では第71話初登場。水鉄砲は発射しないが腕っぷしが強い。人をペテンにかけ、ねずみ男も財布を騙し取られた。ぬらりひょんを騙したため、悪河童に追い詰められ川に転落。一人暮らしの老人(声 - 伊井篤史)に孫と思われ介抱され、金よりも心の繋がりが大切だと気づいて所持金は老人を借金取りのヤクザ(声 - 川津泰彦千葉一伸中井和哉)から助けるために渡す。その後ぬらりひょんに追いつめられるが鬼太郎に助けられ、鬼太郎から「お前の罰はしばらくお爺さんの相手をすること」と命じられしばらく老人の孫として暮らす。
第5作では砂かけ婆の妖怪長屋の住人としてレギュラー入りを果たし、途中から登場したアマビエとコンビを組む形で鬼太郎ファミリーの一員となった。本作では、顔や体型は原作や過去のシリーズと同様だが妖怪画と同じ着物姿をしている。基本的にやる気のない性格となっている。原作や歴代シリーズで初登場として描かれたオベベ沼の事件は過去の出来事として回想シーンで語られ、今作は自力で人間態は取れず沼の祠の水神石の力で化けた。塩水は苦手だが鬼太郎の窮地には自ら海に向かうことも多い。妖怪四十七士の石川県代表。
第6作では第18話初登場。オベべ沼に住む悪戯好きの妖怪で、空腹の少年の振りをして周辺の住人を騙し、食物を貰って暮らしている。ねこ娘も被害者の一人で、彼女が育てている野菜を騙し取られた。一方で、崖から落ちて動けなくなっていた老女を介抱し、彼女の為に食糧を集めるなど根は悪い妖怪ではない。また、過疎化が進み山村から人々が去っていく現状を寂しく思っていた。依頼で駆け付けた鬼太郎によってねこ娘に悪事がばれ追い回されるものの、本来の寂しがり屋な心情を吐露したことで、ねこ娘に誘われてゲゲゲの森で暮らすようになった。88話では豆腐小僧と共に数合わせでねずみ男の出会い系シェアハウス「ビビビハウス」に参加、まーちゃん(声 - 渕上舞[5])に恋した一反木綿を応援するが、まーちゃんから告白され戸惑っていた。
妖怪千物語の「妖怪大レース」では一族が登場。盗まれた宝がレースの賞品に出ていたため、相談された鬼太郎はレースで優勝し彼らに宝を取り戻した。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではむじなの仲間として登場したが、ねこ娘で2回説得した後にむじなに利用されたことに気づき、仲間にすることが可能。
豆腐小僧(とうふこぞう)
声 - 難波圭一(第3作)、阪口大助(第5作)、関根有咲(第6作[6]
笠を被った男児の姿で、持ち歩いている豆腐を食べるよう勧めるという妖怪。丸い目と舌を出した大きな口がトレードマーク。
『豆腐小僧』では山神の部下で、山林を破壊する人間に怒り豆腐カビをばら撒いた。妖怪で被害を受けたのはねずみ男(豆腐を食べた彼から以下全員に感染)、鬼太郎、目玉おやじ、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、シーサー。天井なめが呼ばれて鬼太郎たちや人間たちは全員カビを落とされ回復した。分身能力もあるが、豆腐を撃たれると消えてしまう。本体が残った所で山神が止めに入り和解した。
アニメ初登場は第3作106話で、原作同様に山神の部下で、同様の動機で豆腐カビをばら撒いた。豆腐を食べたねずみ男から豆腐カビが妖怪たちにも感染し、鬼太郎、目玉おやじ、砂かけ婆、一反木綿、シーサーの他に、原作では感染しなかったネコ娘も被害を受けた。子泣き爺は感染しなかったが、豆腐小僧から直に頭へカビを植えられた。原作同様に天井なめが呼ばれて鬼太郎たちや被害にあった人間たちは元に戻れた。本作では分身は舌を撃たれると消えてしまう。山神が止めに入り和解し、鬼太郎たちで山を乱開発する社長を懲らしめた。
第5作では妖怪横丁の住民で、豆腐屋を営む。拳銃の弾程度なら舌で受け止めてしまう。第3作と違い目が大きい。
第6作では準レギュラーとして出番が増え、豆腐を運ぶだけの妖怪という特徴を全面に押し出している。第5作同様目が大きい。口調は語尾に「なのら」と言うのが特徴。第23話では爽快アパートに入居する。61話では電池組のカナと意気投合しマネージャーとなり、ねずみ男ともタッグを組んでファンに豆腐の試食サービスを始めるが、ねずみ男が妖怪カビの生えた豆腐まで軽率に食べさせたことでライブ会場や周囲の街が妖怪カビに侵されてしまい、ねずみ男や駆けつけた鬼太郎、目玉おやじ、ねこ娘にまでカビが感染してパニックに陥ってしまうが、豆腐小僧は天井なめを呼んで鬼太郎たちのカビを落とし、共に街を元に戻した。事件後はカナと豆腐小僧はそれぞれの役目を果たすことを誓った。88話ではかわうそと共に数合わせでねずみ男の出会い系シェアハウス「ビビビハウス」にいて、特製湯豆腐を振舞った。
新妖怪千物語でも横丁住民。10話で花見の喧嘩に巻き込まれて悲しい気持ちで作った豆腐料理がカビ豆腐になってしまう。カビ落とし豆腐を作る特別な大豆を得るために鬼太郎と隠れ山里に向かい、さがりの森や番人妖怪、彼を利用しようとする骨女の妨害を切り抜けて豆を持ち帰った。ここでは豆腐を賽の目切りにして分身を作る。
お歯黒べったり(おはぐろべったり)
声 - 中友子(第5作)
目鼻がなく、お歯黒を付けた口のみの顔をした女妖怪。
アニメでは第1作7話『ゆうれい電車』で初登場。妖怪ショーに参加したが、乱暴な2人組に落書きをされてしまった。
第5作では妖怪横丁の銭湯「大風呂屋敷」の女将としてレギュラー登場し、白髪で紅色の着物を着ている。砂かけ婆ほどではないが、かなり年配の女妖怪で、煙管を嗜み妖怪界の知識もそれなりに豊富。戦闘では丈夫な歯での噛みつきを得意としている。人間と妖怪の恋愛には否定的で、第21話では人間に恋をしたろくろ首に「妖怪と違い、百年程度しか生きられない人間とでは、必ず相手が死ぬのを看取ることになる」「残されて何百年も悲しむくらいなら、地獄に落ちる方がまだ良い」と苦言を呈しているが、一度失恋したろくろ首が鷲尾から改めて告白されて付き合うことになった際は「バカな女だよ」と言いながらも嬉しそうにしている。第23話では、ねこ娘たちと一緒に人間界のリゾートホテルへと出掛け、プールで泳いだりレストランで食事を楽しんだりもしており、他の回でも時々人間界に出ていくことがある。その際にはサングラスや水中メガネ、パーカーのフードなどで目元を隠すことで人間のように振舞い正体を人間たちに気づかれないように配慮している(ただし、黒い歯を見せながら声を出して笑ったりするので、子供から怖がられたりもしている)。第6作ではゲゲゲの森に住んでいる。
つるべ火(つるべび)
声 - 杉浦宏策(第1作)、高塚正也(第5作)、蓮岳大(異聞妖怪奇譚)/ 演 - 軽部真一
老人のような顔がある火の玉。鬼太郎の助っ人として時々登場し、敵妖怪を焼き払ったり照明(朝日に偽装できるほど明るくなれる)になったりする。アニメ第2,4,5作では群れで登場したこともある。初登場は原作『モウリョウ』、アニメでは第1作第1話初登場。第3作では炎の妖怪五人衆の一員。
第5作では空間を繋ぎ変える力を持ち、妖怪横丁の灯篭で外界との通路を一日一度変えることが出来る。第51話ではその応用でビル地下の赤エイを海上へ解放した。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では最初から仲間として登場。
妖怪ランプ(ようかいランプ)
アニメでは、「妖怪ランプ」の名称では第1作と第2作で登場。つるべ火と同じ火属性の妖怪だが、つるべ火と比べて小さい分火力は弱く、主に鬼太郎の家の室内照明となっていることが多い。だが初登場の第2話では、夜叉にとどめを刺し、第12話では現場写真から消えていたぬらりひょんの姿を炙り出す、第18話では魔女の箒に火を放つなど活躍。第14話では水虎に負けてしまい、つるべ火と交代している。直接話す場面がないのもつるべ火と異なる点。第2作でも登場し、ねずみ男が「鬼太郎の家の妖怪ランプ」という言い方をしているので、他の妖怪の住処にも同族が存在していることも仄めかされている。第5作では、つるべ火が鬼太郎の家で妖怪ランプの役割も果たしている。
シーサー
 
水木しげるロードに設置されている「シーサー」のブロンズ像
声 - 山本圭子(第3作・第5作)、鉄炮塚葉子(第4作)、一龍斎貞友(異聞妖怪奇譚)
沖縄の著名な獅子の妖怪(本作でメインに登場する個体は、まだ子供なので小犬サイズ)。本作では頭頂部で跳ね上がる鬣と口から覗く2本の牙が特徴(第4作ではそれぞれの牙が二又になっている)。ドリルのように高速回転して地中を掘り進むのが得意。アニメ第4,5作では怪力を持つ成獣形態になることもできる。成獣幼獣問わず二足歩行が可能。アニメ第4作では人間に化けたり幻惑を見せる能力も持つ。
色はシリーズ毎に明る目や赤黒い、基本の色調が異なるなど差がある。水木による画とアニメ第3作では肌色や黄などを基調とするが、後年の作品では濃緑の毛髪と髯、黄土色や茶色などの身体をしている。体全体が薄赤で金の体毛のシーサーもいる。成獣形態の方もデザインに差異があり、第3作で見られた先代の模造品は青黒い体に青灰色の毛色、第4作では臼歯が見え、鼻が大きくて全体的に黒々しく(置物のシーサーに近い)、第5作では緑と黄のより明るい色調で唐獅子らしさを増した風貌だった。原作初登場は1980年代コミックボンボン『最新版』第1話『大妖怪がしゃどくろ復活』、少年マガジン『新編』の『妖怪大百足』[注釈 2][注釈 3]。出会い時は突然やって来て遠足に出かける鬼太郎ファミリーに同行。出先で遭遇した大百足戦の功績を認められ下宿することとなる。地獄編では命がけの大活躍をし、勇敢な所を見せた。『鬼太郎国盗り物語』では沖縄に帰っていて、両親と共に登場(父親は置物に近く、母親は息子を大きくしたようなデザイン)。口調は当初タメ口の時と敬語の時と登場するたびに使い分けていたが、徐々に敬語が主になっていった。
アニメでは、原作でレギュラーとして活躍していた1980年代当時に放送されていた第3作の第73話『シーサー登場!!沖縄大決戦』で初登場し、アニメでもレギュラーとなる。鬼太郎の力を試すために攻撃を仕掛けたこともあるが、その後は彼を慕って下宿している子分的存在。気のいい妖怪で、鬼太郎たちには常に敬語で接するが、お調子者な面も多く、ねずみ男の口車に騙されることも頻繁だった。沖縄空手や手裏剣の技を披露する事もある。キジムナー曰く、沖縄では先代(父親)のように頼り甲斐のある存在ではないとのこと。
第5作でもゲストとして複数回登場。本作では沖縄を崩壊させてしまうほどの力を持つ。アカマタの唯一無二の親友。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定条件下で仲間にできる。
アマビエ
声 - 池澤春菜
アニメ第5作に登場。熊本県出身でピンク色の髪を生やし、鳥のような口をした幼女風の人魚(首から下が鱗に覆われている)。「ひらめき」で近い未来の出来事や隠されたものの在処などを知ることができるが、大抵は悪い出来事の予知(しかも近過ぎてほとんど手が打てない)や誰でもわかることばかりひらめく。他には空中に浮いたり海水を吐いたりする能力がある。高飛車な性格で近隣住民と揉めていた所を蒼坊主と出会い、人付き合いを学ぶために横丁に行き鬼太郎に会うよう言われたが、なぜか横丁のアイドルになれと言われたと勘違いした。ぬらりひょん達に「皆殺しの矢」で射られて暴走した砂かけを救う為、予知能力を駆使して鬼太郎やかわうそと協力し、以来横丁住民の一員となってレギュラー登場する。その後しばらく鬼太郎を気に入って付き纏い、猫娘を嫉妬させた時期もある。かわうそとは迷コンビであり、彼に度々陰口を言われてビンタすることが多い。妖怪四十七士の熊本県代表。第62話ではその予知能力を生かして占い師を開業(顔半分をベールで覆い、両腕を露出しない服装で人間に変装)。
第5作の制作中にスタッフの間で「予知能力を持つわがままなキャラ」を加えようと案が出て登場となった。「鬼太郎マガジン VOL.1」によれば他に後述のくだんが候補に上がっていた。
第6作では登場しなかったものの、公式YouTube動画において鬼太郎が会っていると言及している[7]
べとべとさん
声 - 石井一久(実写映画版)
大きな口だけの頭に二本足が生えた姿の妖怪。姿を隠して人の後ろを歩き、足音を聞かせて怖がらせるが、それ以上の悪さはしない。
原作では「鬼太郎霊団」にて、鬼太郎霊団の一員として登場。つかみ所のない体で大入道を転倒させた。
実写劇場版にも登場しており、団地から人間を追い出すアルバイト要員としてねずみ男に雇われていた。
「新妖怪千物語」では足が無く、口が付いた半透明の饅頭型の姿。第2話では複数がすねこすりと共にほうこうに捕まり、漬物にされかけた。最終回では人間の思い出を体に詰め込み、忘れないようにと後を付いて来る思い出妖怪。強盗犯の兄貴分の頭に乗りながら豆蔵に亡母の声で呼びかけるが、兄貴分に撃たれてしまう。彼らが地獄に向かうバスや船に亡骸が乗っていた。
アニメ第6作ではゲゲゲの森の住人で、伝承にもあるように人の後ろを歩いて驚かせるが、「べとべとさん、お先にどうぞ」と声をかけられると姿を現し、無言で一礼して去る(この対処方法は、実際に原作者の水木しげるが少年時代に「のんのん婆」と呼ばれていた景山ふさという拝み屋の老女から聞かされていたもの)。
牛鬼(うしおに)
サンデー版や1980年代のマガジン版に強敵として登場する同族(その詳細は後述の「1960年代マガジン版・アニメ第1作初出」の「牛鬼(ぎゅうき)」の項目を参照)の別個体。こちらは鬼太郎の仲間で、外見は敵として登場した牛鬼個体とほとんど同じ形態だが、収録本によって呼称が「ぎゅうき」ではなく「うしおに」とされている方が多い。伝承や敵の牛鬼(ぎゅうき)は主に海の妖怪とされるが、この「うしおに」は陸上で生活している。
仲間内ではぬりかべと共にトップクラスの怪力を誇る。体の方もゲゲゲの森の仲間内では巨体ながら、かつて敵として登場した牛鬼よりは小柄で、通常時のぬりかべと大差ない大きさである。また、知性もあって仲間たちとも会話し、敬語も使える。表情も笑顔を見せたりしている。敵と戦う時は荒っぽいが、比較的大人しい性格である。敵であった別個体のように生きた気体ではなく、鬼太郎たち同様に肉体や骨格も外見通りの実体を持ち、敵の妖怪に攻撃されると物理的な命の危機に瀕するダメージも負う。
天井なめ(てんじょうなめ)
声 - 田中和実(第3作)、松山鷹志(第6作[8]
長い舌で天井を嘗め染みを作るという妖怪。緑色の体と付箋のような毛がトレードマーク。原作「釜なり」で妖怪アパートの住民として初登場。
「豆腐小僧」及びそのアニメ化第3作第106話ではカビを好んで食べ、豆腐小僧が蔓延させたカビを取るために呼ばれた。多人数にカビが生えたため食べきれず、また彼ですらねずみ男のカビを直接嘗めるのは嫌がった(実際に「ねずみ男だけは死んでも舐めたくない」と言っている)ため、胃液を水で薄めてカビ消し薬を作る。第6作では茶色の体で登場し、第61話で妖怪アパートに生えたカビを舐め落としてもらうため砂かけ婆に呼ばれた。その後、妖怪カビが生えた街を元に戻すため、豆腐小僧に連れられて大量のカビを食い尽くした。また、大量の胃液を桶に吐き出す所を見せた。大量のカビを食べつくした直後の状態は媒体ごとに異なり、原作では胴囲が数倍、第3作では腹の膨れた描写無し、第6作では家一軒分の大きさにまで膨れた。
第4作第87話では倉ぼっこの迷い家を荒らす人間への懲らしめに協力する。
つるべ落とし(つるべおとし)
声 - 平野正人(第3作)、江川央生(第5作)
突然樹上から目の前に落ちて驚かすとされる、巨大な頭のみ(小さな足が描かれることもある)の妖怪。本作では禿頭ひげ面に厚い唇、左右非対称な目となっている(なお、目の色は作品によっては赤だったりすることがある)。敵を大頭で押さえつけたり口に収めたりする。
初登場は『釜なり』で、多くのアパート仲間と共に釜なり退治に参加し、大きな活躍を見せた。その他、「赤舌」や「まぼろしの汽車」等にもアパートの住民として登場している。
アニメ第5作では妖怪横丁の雑貨屋(本人曰くコンビニ)の店主として登場。ひげを手のように使ったり、周囲に多数の釣瓶を落とす(伝承上のつるべ落としのバリエーションのひとつでもある)能力を持つ。第6作ではゲゲゲの森に住んでいる。
かみきり
声 - 戸谷公次(第3作)
カラスのような顔で両手が鋏状の妖怪。原作「釜なり」で妖怪アパートの住民として初登場。
「まぼろしの汽車」では目玉おやじの呼んだ汽車にいつの間にか乗り、吸血鬼化した鬼太郎とねずみ男を「体が痺れる網」で捕らえた。
アニメ第3作第63話では穴ぐら入道が操る蜘蛛の糸を鋏で切る。第4作では第40話妖怪運動会で短距離走に出場。夜行さんに負け2着になった。
「国盗り物語」では吸血花ラグレシアの茎を猫娘や傘化けとのトリオ攻撃でぶった切った。
あみきり
声 - 塩屋翼(第3作)
鋏状の両手で蚊帳や漁網などを切るという妖怪。鋏状の手や鳥のような顔などかみきりと似ているが、節足動物のような外皮で下半身は蛇のようになっている。『釜なり』で妖怪アパート住人として初登場。
『UFO宇宙突撃隊』では鬼太郎が宇宙人に洗脳されて暴れ逮捕された時、ねずみ男や一反木綿と留置所に行き鉄格子を切って救出した。
月曜ドラマランド版ではぬらりひょん一味。他シリーズと違い2足歩行で人間態も取る。美しい物を切り刻むのが趣味。
アニメ第3作72話では一反木綿に乗って駆け付け、髪様に切り付けて鬼太郎が八咫の鏡を壊す機会を作った。

その他の仲間妖怪

ここでは普段は鬼太郎たちの身近にいないが、仲間として鬼太郎たちと繋がりが有ったり、危機の時に駆けつけて協力してくれる仲間の妖怪を挙げる(厳密には妖精や仙人や精霊の類などもいるが、ここでは便宜上仲間妖怪として分類する)

鬼太郎の母親
声 - 坪井章子(第3作・地獄編)、鈴木れい子(墓場鬼太郎)
目玉おやじ(鬼太郎の父親)の妻で鬼太郎を身ごもった状態で病死、その埋葬された遺体から鬼太郎は生まれ出た。
鬼太郎誕生当時を描いた作品では母の名は出てこないが、原作「地獄篇」最終回「最後の出会い」や実写映画「千年呪い歌」では岩子(いわこ)という名が明かされている。幽霊族の女性だが、「地獄篇」では元はお岩さんの親類で妖怪に近い人間の女性だったとも自身が語っている。詳細は「墓場鬼太郎の登場人物」・「(鬼太郎#種族と家族)」を参照。
アニエス
声 - 山村響[9]
アニメ第6作に登場する魔女[注釈 4]、同作「西洋妖怪編」(第27話~第37話)におけるヒロインにして、同作全編では、ねこ娘、まなに次ぐ第3のヒロイン的な役割でもある。金髪のロングヘアと光彩の鮮やかな紫の瞳が特徴的な整った容姿で、外見年齢はまなと同年代の少女。元はバックベアード軍団の幹部で、軍団を統率する女将軍アデルの妹。様々な呪文を唱えて、多様な魔法を駆使する。特に「ダイナガ・ミ・トーチ」の呪文で手のひらから炎を放射する魔法は、攻撃用として使用頻度が高い。
初登場の第27話で西洋妖怪の秘宝・“アルカナの指輪”をバックベアード城から盗み出し離脱。マレーシアからの難民妖怪が持っていた宝石の一つに変身して日本に入り込み、ゲゲゲの森で変身が解けて鬼太郎達と出会う。直後に現れた狼男ヴォルフガングに連れ戻されそうになり、彼と鬼太郎ファミリーの戦闘が始まった隙に一旦は逃げ出すが、箒にしがみつきついてきたねずみ男からの「どこへ逃げれば安全なんだ」という質問から追っ手から逃れ続けることは不可能と考え直して舞い戻り、ヴォルフガングの弱点である銀の銃弾を鬼太郎に渡し、ヴォルフガングを退却させる。鬼太郎に自分を守って欲しいと頼み行動を共にすることになる。第29話で偶然出会ったまなから興味を持たれ、箒が起こしたアクシデントで服が汚れたこともあり犬山家で一泊し、交流を深める。その後は迷惑をかけまいと去った所をヴィクターに見つかり、追って来て巻き込まれたまなを助けたことから、鬼太郎に爽快アパートの一室を紹介される。
当初は指輪のことで必死になるあまり周囲への配慮を欠く言動や行動もあったが、鬼太郎やまなの優しさに触れ、彼らと打ち解けるようになってからは本来の優しさや善性も見せるようになり、他者を気遣うことも多くなった。鯛焼きやケーキに舌鼓を打つスイーツ好きな一面もあり、鯛焼きはカスタード味が好みであったことが小豆洗いの怒りを爆発させる原因になってしまったが、後に餡子の美味しさも絶賛していた。優秀な姉と比べて自分のことを落ちこぼれと評しているが、実は高い潜在能力の持ち主であり、魔法を覚え始めたばかりの幼い頃にその魔力をバックベアードに着目され「ブリガドーンのコアになりうる存在」として選ばれていた。
第34話ではバックベアードの策略で多くの日本妖怪の知己が行方不明になり、その原因がアニエスにあると見なしたねずみ男[注釈 5]を含む多くの妖怪[注釈 6]から国外退去を命じられ、森を飛び出して孤立していた所をバックベアードに捕らわれる。駆けつけた鬼太郎がバックベアードの催眠術で洗脳されたねこ娘らとの同士討ちを強いられる様を見せられ、悲しみと絶望に呑まれかけるが、自身を含めた仲間達を救おうと強靭な意志力で立ち向かう鬼太郎の奮戦を見て戦意を取り戻し、彼との連携でバックベアードを撃破。しかしバックベアードは大したダメージを受けておらず、逆に魔力の成長を見抜かれる。その後鬼太郎に別れを告げてその場を去り、第35話でまなと初めて仲良くなった場所に座り込んでいたところをねこ娘の連絡を受けたまなと出会い、自分の家族とブリガドーン計画のことを話し、「みんなと出会わなければ、迷惑をかけずに済んだのに」と落ち込むが、まなから元気づけられる。まなの手にお礼のキスをして別れ、ゲゲゲの森で誤解した妖怪たちからの襲撃を受けるが、鬼太郎ファミリーに庇われながら鬼太郎の家に向かい、自分のこれまでの行いを謝罪し心から助けて欲しいと頼む。第36話では調布に出現したアルカナの指輪を鬼太郎ファミリーと探す中、指輪を手にしたまなをアデルたちから助けるために箒に乗せ離れようとするが、まなはアデルから指輪を奪われた挙句転落してしまう(ただし、まなは着ていた鬼太郎のチャンチャンコの霊力に守られて無事だった)。駆けつけた鬼太郎もベアードに捕らわれ、自分もブリガドーン計画を実行させるべくアデルによって捕らわれた。だが、アデルが彼女の身代わりとなってブリガドーンを開始し、アニエスを助けるためにバックベアードの命令に忠実に従っていたという真意を知る。アデルではコアになり得ずブリガドーンは未発動に終わり、バックベアードにいたぶられるアデルと鬼太郎を助けるためコアとしてブリガドーンを発動させられる事態となる。第37話でアデルと彼女の頼みを引き受けたまなの尽力により指輪を外されたことで、ブリガドーンは止まって妖怪化した人間も元に戻り、鬼太郎の活躍でバックベアードも敗北し、指輪も消滅して、アデルとも和解する。その後ゲゲゲの森に住むように提案されたが、バックベアードの支配下や魔女の軛から解放され自由になった分、アデルと共に世界を見て回る旅に出ることを決意した。初めてゲゲゲの森に入ってきたまなに感謝の言葉を示し、鬼太郎ファミリーやまなに見送られながらアデルと共にゲゲゲの森を後にした。
第57話でカミーラがバックベアード復活のために人間の生き血を集めていること、今来日して吸血事件を起こしている吸血鬼はラ・セーヌであろうことを、砂かけ婆の砂通信で鬼太郎に伝えた[注釈 7]。また鬼太郎を封じた結界魔法を遠隔で解き、ラ・セーヌを欺く偽の結界も用意する。
第75話では鏡爺からまなの要請を伝えられアデルと共に救援に駆け付け、西洋の地獄を経由することで九尾の狐・玉藻前に気づかれずに地獄に潜入。地獄の霊的エネルギーの流入を食い止め、玉藻前を弱体化させ鬼太郎たちの勝利に貢献する。
第96話では閻魔大王からの事情説明を受け、ぬらりひょんによって暴走状態に陥ったバックベアードによる世界滅亡の危機を食い止めるべく、同様にぬらりひょんの策謀で消滅させられた鬼太郎を復活させるためにアデルと共に日本に駆け付け、爆撃からまなとねこ娘を助けた。続く最終話では目玉おやじの頼みで戦争を止めるために奔走し、鬼太郎が死んだと思い込み絶望していたねずみ男にアデルと共に鬼太郎は生きていることを伝え立ち直らせる(これが、ねずみ男が妖怪と人間の戦争を止めて和解させ鬼太郎を応援させる行動のきっかけの一助ともなる)。その後鬼太郎が復活して事態が解決するも代償にまなの記憶が無くなってしまったことをねこ娘と共に悲しみ、帰国後も鬼太郎たち同様に身を案じていたが、10年後に記憶が蘇ったまなと鬼太郎ファミリーとの不死見温泉への旅行に参加するなど交流を再開する(妖怪であるため、姉妹とも鬼太郎ファミリー同様に10年後も外見は変わっていない)。
アニエスの箒(ほうき)
アニエスが空を飛ぶために使う箒。魔法で命を与えられているらしく、自分の意思を持って行動する。直接言語を発したりはしないが、自分の意志を具体的な言葉でアニエスへテレパシー的に伝えることは可能で、柄の部分が胴体、穂先部分が頭に該当して感情の表現を見せる。基本的にアニエス以外の命令は聞かず、彼女曰く他人に噛み付くこともあるそうだが、まなのことは一目で気に入って懐いている。アニエスがまなを自分に関わらせまいと立ち去ろうとした際には、彼女を川に突き落として別れないように仕向けるなど、主人の意思に反する行動をとることもある。
アデル
声 - ゆかな[9]
アニメ第6作に登場[注釈 8]。アニエスの姉で、ねこ娘以上の高い頭身に銀髪のストレートヘアと赤い瞳が特徴の整った容姿をした妙齢の魔女。第6作ではアニエス同様に「西洋妖怪編」(第27話~第37話)におけるキーパーソン兼同作全体の準レギュラーとして活躍する。戦闘時には右腕に赤い手甲を装着している。様々な魔法石を媒介に飛行魔法、隠蔽魔法、転移魔法、結界魔法といったアニエスよりも多彩かつ高度な魔法を扱い、妖力を強化された鬼太郎の攻撃を傷一つ負わずに受け切るなど相当な実力の持ち主。しかしアニエスや母と比べ本来の魔力は低く、その力は魔法石や彼女自身の一徹な努力によって高度なレベルまで補われたものである。初登場時はバックベアード軍団を率いる最高幹部の女将軍で、一族が代々仕えてきた誇りからバックベアードには絶対の忠誠を誓っていた。魔女の使命を全うしようとする行動には妥協が無く、時には他者を犠牲にするのも厭わない非情さも垣間見せた。一方で、妹や母に対する肉親としての情は深く、頑なにブリガドーン計画実行に向け突き進んだのも「妹に魔女としての本懐を遂げさせてやりたい」「母のような気高い魔女でありたい」という彼女なりの想いがあったためであり、後に、魔女としての使命と妹への想いで板挟みとなっていた複雑な心情も吐露している。
第28話で逃亡したアニエスを追い精鋭である西洋妖怪三人衆を引き連れ日本へ侵攻し、ゲゲゲの森の殲滅作戦を実行。アルカナの指輪消失後はヴィクターにアルカナの指輪の出現の波動を探らせ続けており、第36話では西洋妖怪三人衆と共に調布に侵攻、争奪戦の末指輪を奪取する。アニエスを守るため自身が犠牲となってブリガドーンを開始するが、意図を見抜いていたバックベアードから見限られて痛めつけられ、指輪も奪われてしまう。まなに鬼太郎を回復させるための魔法石を託し、自身はブリガドーンのコアとなったアニエスのもとに赴き命を賭してブリガドーンを止めた(この時に手甲は一度砕けたが、75話以降の戦いでは再び着用している)。戦いが終わった時は完全に改心しており、アニエスや鬼太郎ファミリーとも和解、アニエスと共にバックベアード軍団侵攻の犠牲者たちの弔いも兼ねて世界中を巡る旅へ向かった。
第75話ではまなの要請に応じ鬼太郎たちに協力、地獄にてアニエスと共に玉藻前への霊的エネルギーの流入を止める活躍を見せた。
第96話では閻魔大王からの事情説明を受けてアニエスと共に日本に駆け付け、バックベアードの爆撃からまなとねこ娘を助けた。続く最終話ではアニエスと共に戦争を止めるために奔走し、まなの記憶が無くなってからはアニエスと同じく身を案じていたが、10年後に記憶が蘇ったまなとの不死見温泉への旅行に参加するなど交流を再開する。
アデルとアニエスの母
声 - 小山茉美[10]
アニメ第6作29話・35話の回想場面に登場。故人の魔女。髪と瞳の色はアニエスに似ており、目元はアデルに似ている。バックベアードの命令に従い、マレーシアでブリガドーン計画のためにアルカナの指輪に自らの命を捧げた。アデルはその決断を尊重し、静かにその最期を見届けたが、アニエスは母の死を深く悲しみ、この一件が彼女にバックベアードへの不信感と魔女の運命への疑念を抱かせる一因となった。日本でブリガドーン計画が止められたことでアルカナの指輪は消滅したが、その際にアデルは母の姿を見ており、指輪の中の彼女の霊が力を貸してくれたことも示唆されている。
寝太り / 寝肥り(ねぶとり)
声 - 釘宮理恵(第5作)、くじら(第6作[11]
アニメ第5作80話に初登場。自身は妖怪であることを知らず、普段は(はるか)という女性の姿で生活をしている(少なくとも三十年前から全く容姿が変わっていない)が、男性と食事をしている際に幸せな気持ちになると食欲が止まらなくなって大食いし、直後に眠って巨大な肉の塊に変貌してしまう。その体質のために建物を破壊して肉の隙間に人間(過去の交際相手たち)を閉じ込め行方不明にする事件を起こし、何度も謎の爆発事故として世間を騒がせていたが、遥自身は寝太りになっていた際の記憶はなく、なぜか交際相手が何度も姿を消してしまうと思っていた。交際している男性一太郎(いちたろう、声 - 岡本寛志)からレストランでプロポーズされた際に寝太りとなって彼を肉の中に閉じ込めてしまい、落ち込んでいた彼女を慰め一太郎の捜索の手助けをしてくれたねずみ男を自宅へ招いて食事を御馳走するが、その際にも寝太りに変貌してしまう。本来は肉の膨張は一瞬だけで済むが、驚いたねずみ男が遥を起こしたはずみにテレビの画面に写った自分の姿を見て気絶したことで膨張が止まらなくなり街そのものを押しつぶすほどになってしまう。事件解明の調査をしていた鬼太郎も駆けつけ何とか遥(寝太り)を起こそうと尽力し、ねずみ男が放った屁の匂いによって遥は目を覚まし、肉は元に戻り閉じ込めてしまっていた人間たちも解放された。その後一太郎との再会を喜ぶが、鬼太郎とねずみ男から「今後、食べ過ぎないと約束してください」と言われ、理由は解らなかったが我慢できるよう努力することを誓った(鬼太郎とねずみ男は、遥が寝太りに変貌したことを覚えておらず、これまでの事件の被害を自分が起こしていたと知れば精神的に不安定になってしまうだろうと考慮し敢えて訳は話さなかった)。
第6作では不死見温泉の女将として登場。先々代から妖怪専用の宿として決めており、そのため自らキャンセルしたねずみ男に代わったまなを一発で見破った。一方で忘れっぽいところもある。数十年ごとに災害が起きないように富士山のエネルギーを特殊な土器で吸収する儀式をしていたが、50年前の儀式以降太り過ぎのため洞窟に入れなくなってしまう。まなの代行で解決するが、直後にぬらりひょんと朱の盆に襲撃されて負傷、エネルギーを吸収した土器を奪われてしまう。命に別状はなく、最終話でも鬼太郎ファミリーとまな、アデル・アニエス姉妹が再び旅館に泊まっている写真を撮影していた。その後、まなや鬼太郎たちに真剣にダイエットに励むと宣言していたが、その後の10年経つまでにどれだけダイエットに成功したかは不詳。
蒼坊主(あおぼうず)
声 - 古川登志夫
アニメ第5作に登場する青い衣を着た行脚僧姿の青年妖怪。眉毛や頭髪も青く、右手に六尺棒という武器を持っている。額には一本角と第三の目(通常は閉じている)があるが、普段は笠で隠している。鬼太郎の兄貴分でもあり、かつて妖力を制御できずに暴走させてしまった幼い頃の鬼太郎を鎮め、自身の力の恐ろしさに怯える鬼太郎に対し「目玉だけになってしまった親父さんの代わりに、何度でも身体を張って止めてやる」と慰め、それ以来鬼太郎からは「蒼兄さん」と呼ばれ深く信頼されており、ふだん中々逢えないこともあってか、久々に横丁に訪れた際には普段は落ち着いた性格の鬼太郎が待ちきれずに駆けつけ、彼が去る時には思わず寂しそうな表情を浮かべるほどであり、蒼坊主自身も鬼太郎を実の弟のように可愛がっている。重傷を負ってもお互いの危機が訪れたらつい無茶をしてしまうなど似た者同士でもある。横丁メンバーからの信頼も厚く、猫娘のことを「猫ちゃん」、目玉親父のことを「親父さん」、ねずみ男は「ねずみ」と呼んでいる。呼ばれ方は猫娘からは「蒼さん」、目玉おやじからは「蒼」、砂かけ婆、子泣き爺からは「蒼坊」、呼子からは「蒼坊主おじさん」、ねずみ男ら他の妖怪からは「蒼ちゃん」と呼ばれている。別れが苦手なタチでいつも黙ってこっそり旅に出ようとする。
人間の行脚僧として振舞いながら生活しているが、実は悪妖怪の封印を巡視する役目を持ち、日本各地を旅しており、鬼太郎の師匠ポジションでもあるため戦闘力はかなり高い。しかし、酷い方向音痴でもあるため目的地と反対側に行ってしまうこともしばしばあり、そもそも東西南北が分からないらしく地図を読んでも目的地にたどりつけない。緊急時には呼ばれれば場所がわかる呼子が迎え役となるが、迎えに行けない場所に迷い込んでいることも多く、そのたびに涙ぐんでは助けを求めている。
額にある第三の目を開くと幻惑の術を使うことができ、その能力を使ってぬらりひょんやバックベアードの陰謀を阻止している。
座敷童子(ざしきわらし)
声 - 加藤みどり(第1作)、山本圭子(第3作)、柏倉つとむ(第4作)、広橋涼(第5作・第6作[12]
東北地方に住む子供の妖怪。大人には見えないが子供や妖怪には見え、住み着いた家を栄えさせる。見た目とは裏腹に強い妖力をもつ。初登場は「笠地蔵」。四角い坊主頭に常に眠そうな目をした男児の姿をしているが、第5作では髪の毛を生やし人間の子供とさほど変わらない容姿で登場した。
アニメでは第1作第60話初登場。冬越しに入った家の老夫婦の貧しくも情け深い様子を見て、鬼太郎達に相談して贈り物をした。第3作では第12話で登場し、その後も呼子と共に時々準レギュラー的に登場する。第4作では第55話にゲストとして登場し、「福を齎す」よりも「家を守る」面が強い。
第5作では第7話初登場。本作では少女の姿の座敷童子も登場して、共に準レギュラーとなる(なお、男児での座敷童子が登場したのは第85話)。第85話ではねずみ男に目をつけられて男女共々妖怪城に取り込まれてしまう。その後、ぬらりひょんに止めを刺されて妖怪城に食べられた鬼太郎を助けに来たミウによって鬼太郎が復活して妖怪城から脱出する際、2人とも岩手県代表で妖怪四十七士に覚醒した。
第6作では87話登場。見返りを全く求めずに福を齎し、「人の喜ぶ顔を見るのが好き」という共通点で偶然出会った石橋綾と意気投合し、石橋家に住み着いて店を大繁盛させた。しかし、金に目が眩んだ綾の両親に利用され幸せを呼ぶ妖力を使い過ぎて衰弱し、ついには唆されて暴走しかける(作中では、家の中の物を浮遊させてぶつける妖力を使用)が、貧乏神と綾に止められ鎮静し、綾と改心した両親に見送られて石橋家から去って行った。
すねこすり
声 - 矢田耕司(第2作)、内山夕実(第6作[13]
犬か猫を丸っこくしたような、夜道で人のすねに擦り寄る妖怪。伝承では、歩きにくくなること以外に害は無い。
アニメでは第2作14話初登場。犬妖怪の扱いで、仲間である犬達が自動車にひき殺されるのを怒り、人食い藻クズで作った怪自動車に人間を乗せて車を持たないよう脅す(原作は鬼太郎の登場しない短編「妖怪自動車」。怪自動車のみで、すねこすりも登場しない)。
第3作の劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』では怪気象の妖怪で、妖怪皇帝や朧車の部屋のドア係。
第5作では第63話で柄が面白そうという理由で虎男に襲われて反物にされる。劇場版では妖怪四十七士の岡山県代表になる。
第6作では第6話に初登場。普段は愛らしい三毛猫のようだが、戦闘時は巨大な狼のような姿になる。人間並の知性を持ち言葉も話せる。人懐こい性格で悪意はないが、擦り寄った人間の気力を吸収する性質がある。住処の集落は昔は宿場として栄え、多人数から少しずつ吸っていたので人間たちも異変を感じない程度で害は全く無かった。だが集落が寂れて、一人に長期間に渡って擦り寄るようになり、そうなると吸われた人間は少しずつ衰弱し、そのまま吸われ続けると最後にはミイラのように干からびて死んでしまう。だが、すねこすり自身はその性質に気付かず、自身が妖怪であることもほとんど無自覚なままで長い歳月を生きてきた。集落で独り暮らしの老女・マサエ(声 - 斉藤貴美子)に拾われ、シロと名付けられて可愛がられるが、先述の性質から彼女を衰弱させてしまう。マサエの息子・(しょう、声 - 金本涼輔)が村に帰ってきた際にマサエと喧嘩になったことから敵視し、彼の帰り際に正体を現して威嚇したため、妖怪だと気付いた翔がポストで知らせたことで鬼太郎と対峙。鬼太郎から自分が人の気力を吸う妖怪だと聞かされ最初は信じなかったが、その後で衰弱したマサエに近づいたところ、彼女がさらに苦しみだしたことで、ついに別れることを決心する。人里を離れて山中に入って行ったが、それを追ったマサエが熊に襲われたため、妖怪の正体を現して撃退。その姿を見ても自分をシロと認めて寄り添うマサエの前で葛藤するが、マサエを追ってきた翔が母親を庇う姿を見て、やはり去ることを決め、悪い妖怪を装ってマサエに襲いかかり、翔にやられたふりをして逃げるように山奥へ消えて行った。ただしマサエも真意には気付いており、別れた後も「シロ、ありがとう」と涙を浮かべていた。その後、鬼太郎に誘われゲゲゲの森に移住する。
「妖怪千物語」ではゲゲゲの森に同族個体が何体か住んでいる。猫妖怪の扱いで、人語は話せないが猫娘と会話可能。
井戸仙人(いどせんにん)
声 - 北川米彦(第2作)、青野武(第3作)、八奈見乗児(第4作)、矢田耕司(第5作)/ 演 - 笹野高史
井戸の底に漂うメタンガスを吸って幾千年を生きる仙人。元は人間だったがガスの毒気の影響もあり、永い年月を経て個性的でグロテスクな顔つきになってしまっている。中国出身でユーラシア大陸方面の妖怪や術に詳しく、また妖怪医術や薬学にも長けているため、仙人であると同時に妖怪仲間として認識されている。初登場は原作『妖怪反物』。反物にされた鬼太郎を元に戻し、万能ガラス玉を使ってチーの正体を見破った。アニメでは第2作で初登場。
第3作以降は『妖怪反物』を原作としたエピソード[注釈 9]以外でも準レギュラーとして鬼太郎たちに協力している。妖怪だけでなく妖精についても詳しい描写がなされている。第3作ではネコ娘のことが好きになり、会う度に「可愛い子ネコちゃん」と言いながら抱きつくのでネコ娘に迷惑がられる。第4作では劇場版『大海獣』に初登場、目玉おやじに大海獣に変身した鬼太郎を戻す方法を教えた。ただし、物忘れが激しく、肝心な所を思い出せない傾向で呆れられるシーンも多い。第5作では妖怪横丁から離れた山中にある井戸に住んでいるが、井戸から外に出るのが大嫌いで自己中心的かつ偏屈な性格であり、やたらと口が悪く、目玉おやじとは古い付き合いだが顔を合わせれば互いに悪口を言い合ってしまう。しかし、目玉おやじに要請されれば井戸仙人は文句を言いながらも助けに現れ、目玉おやじも井戸仙人の妖怪医学の知識と薬作りの腕には一目を置き、実際はお互い気遣っている面が多く、鬼太郎は「ケンカ友達」と評している。また、本作では雲に乗って空を飛ぶ術を使用している。
提灯お化け(ちょうちんおばけ)
声 - 小林通孝(第3作)
上下半々に破れかけた提灯で、上半分に眼が付き破れ目が口になった姿の妖怪。傘化けと並ぶ器物妖怪の代表格だが、本作では出番が少ない。
「地獄マラソン」(アニメ化第3作84話)で仮死状態で地獄の入口に来た女子マラソンランナー・花子に地獄マラソンの説明を行い、アニメではスターターも務める。第3作での呼び名は「破れ提灯」となっている。
アニメでは第2作OPに登場。墓場の提灯が姿を変え中からカラスが飛び出す。第4作では87話で倉ぼっこの迷い家を荒らした人間の前に巨大な姿で現れ脅かす。第6作ではゲゲゲの森の住民で複数登場。
物の怪(もののけ)
声 - 塩屋浩三(墓場)
月刊ガロ掲載「鬼太郎夜話」に登場。
科学の発達により、人間を脅かすことができなくなり貧乏生活をしている、小男の姿をした物の怪。聖徳太子が活躍した飛鳥時代から生きており、藤原鎌足が活動していたころは、神として祀られたこともあるとのこと。
ねずみ男が吸血木を植えるために買い取ったボロ家に住んでいて、彼と共に吸血木を育てて、せこい金儲けに奔走する。借金取りに雇われた鬼太郎が取り立てに来るが、水神の居場所に案内することで見逃してもらう。
吸血木から再生した三島由紀夫を鬼太郎と共に助け、お礼として三島の家で鬼太郎と一緒にランチをご馳走になった後、再びもとのボロ家に帰り、悠々自適の生活を送る。
初出は貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの「鬼太郎夜話」編第2巻「地獄の散歩道」と第3巻「水神様が町へやってきた」(アニメ版第3、6話)。
小豆洗いや、あまめはぎとも外見が似ている。
案内人
声 - 茶風林(墓場)
両腕の他に腰と背中から計3本の腕が生え、頭の代わりに2本の脚が生えた奇妙な男。「案内人」は通称で、正式名称は不明。
月刊『ガロ』掲載『鬼太郎夜話』に登場。鬼太郎の夢じらせの中に現われ、ねずみ男と人狼を出口まで案内し、鬼太郎の言うことを聞くように2人に約束させた。
1980年代の『最新版ゲゲゲの鬼太郎』では、同様の姿の妖怪が霊界テレビのニュースレポーターとして登場。
アニメ第4作エンディングテーマの映像でも、鬼太郎ファミリーや他の妖怪たちと共に夜の街を百鬼夜行的に行進している姿が描かれている。
初出は貸本版『墓場鬼太郎 怪奇一番勝負』(アニメ版8話)で、こちらでも鬼太郎の夢じらせの中に現われ、この時は人間の金田と村田を出口まで案内し、鬼太郎の言うことを聞くように2人に約束させていた。
酒小僧(さけこぞう) / 袖引小僧(そでひきこぞう)
月刊『ガロ』掲載『鬼太郎夜話』に登場。深大寺のすき焼きパーティーに参加し、パーティー途中でうわばみ酒を持って現れた。
貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの『鬼太郎夜話』編第2巻『地獄の散歩道』では、袖引小僧として登場。
天火(てんか / てんぴ)
顔が不明瞭で長い尾を引く火の玉。原作では貸本「地獄の散歩道」に名前のみ登場。アニメでは第3作第35話初登場で炎の妖怪五人衆の一員。
丸毛(まるげ)
声 - 八奈見乗児(第1作)、野田圭一(第2作第2話)、はせさん治(第2作第43話)、塩屋翼(第3作)、沼田祐介(第4作・第5作)
毬藻のような体の小妖怪。初登場は『げた合戦』。逆柱に子供たちを人質に取られ、貯金箱に化けて金を盗み集める奴隷にされていた。鬼太郎により解放されてからは仲間として活躍する。
第5作では第15話から登場。上記同様の事で妖怪横丁の家々から財布を盗むが、目玉おやじに追い詰められて事情を話し助けを求める。一方逆柱は鬼太郎によって本来の向きに戻されて改心した。その後、縁側の下にいた子供たちも解放してもらった。
岩魚坊主(いわなぼうず)
声 - 広中雅志(第3作)、佐藤正治(第4作)、辻親八(第5作)、中村光樹(第6作)
年経たイワナが化けた僧形の妖怪で、死者の霊を導いたり悪霊を封じたりする法力を持つ。原作には未登場。
アニメでは第3作第53話初登場。鬼太郎が押さえたモウリョウを経を唱えて石に封じ込めた。
第4作では第59話初登場。オバリヨンと親しかった少女の死期を知り、その魂の昇天を一日遅らせて姉と会わせた。第103話では旧鼠を生み出す元になった廃寺の不浄霊を浄化する。
第5作では第92話初登場。物や妖怪を岩に変える力を持つ。イワナが好物。浪小僧に弟子入りを志願されて当初は断ったものの、目玉親父の勧めもあり入門させる。気が短いところがあるため、大らかな性格の浪小僧との相性が心配されており、一度は誤解から浪小僧を破門させるものの、訳も聞かずに怒ったことを反省し、猛霊八惨と浪小僧の対決に加勢、強い絆で結ばれた師弟は共に四十七士に覚醒した(岩魚坊主は岐阜県、浪小僧は静岡県代表)。
第6作では多数の同族が登場する。
ガマ坊主(ガマぼうず)
カエルのような姿をした妖怪。岩戸の番人を務める。手に持った杖で妖力を操り、電撃で相手を液体のように溶かしてしまう。妖怪のエネルギーを蓄え、千年も生き続ける。水晶玉と一心同体している。岩魚坊主とは親戚関係。「岩戸のガマ坊主」に登場(生前の水木のデザインとアイデアを元に作られた水木プロによる完全新作書き下ろしである[14])。
ミウ
声 - 浅野真澄
アニメ第5作に登場するアマミ一族姉弟の姉。西洋妖怪の侵略から自分たち姉弟を救った鬼太郎に想いを寄せ、彼を人生の師と仰ぐ。瀕死の母[注釈 10]から体内に秘宝・『地獄の鍵』を託されたことで、ミイラ男バルモンドの執拗な拷問を受けた。その際、命がけの駆け引きで敵を牽制して島民を守り、自分も生き残るという困難な課題を見事に達成した。西洋妖怪への恐怖心や母親を殺された恨みなどといった個人的感情に流されず、自分の命と引き換えに島民を守ることで鬼太郎への愛を示そうとした一連の勇気ある行動は彼女を殺して地獄の鍵を回収しようとした地獄の高官・五官王の心をも動かした。ネコ娘やドラキュラ三世が見とれるほどの美人で、鬼太郎が好む女性のタイプを知っている猫娘からはライバル視される。子ども好きであり、子ども達の前では笑顔を絶やさない。ネコ娘とは第51話の東京見物で知り合い、入ったビルが災害に遭った際に皆を救うための互いの行動を讃え合った。母親を亡くした体験から他者の命を守ることには命を賭けている。妖怪としての能力は強力な治癒(鬼太郎のちゃんちゃんこなど物も瞬時に修復できるほど)とテレパシー、一族由来の水中能力であるが、攻撃用に爪を鋭く延ばすことが可能。陸の幽霊族と海のアマミ一族と称されるように幽霊族とは近い系統の種族であるため、また『地獄の鍵』の守護を地獄から任命されていたこともあり、穏やかな感情で封じてはいるが実は鬼太郎と互角レベルの戦闘力を持つ。鬼太郎の体内電気すら通用しない。使用する機会と武器としての使用が知識にも心にもなかったために『地獄究極奥義』を使用した事はない。
カイ
声 - 下野紘
アマミ姉弟の弟。姉思いの優しい少年。姉共々第32話初登場。鬼太郎より背が高く、大人びていて高校生のような風貌をしている。作中で見られた泳法はドルフィンキック。
バケロー
声 - 田中秀幸
アニメ第5作に登場。元は妖怪百目の杖だったが、百目が鬼太郎に倒された時に壊れ魂だけとなった。その後色々な物に取り憑いて生き延びてきたが、携帯電話フィーチャー・フォン)に取り憑いた時に人間の少年(声 - 置鮎龍太郎)に買われ、現在の体である携帯電話の型番「BAK600」をもじって「バケロー」と名付けられた。隆と一緒に過ごすうちに彼に情が移ったらしく、百目の魔手から守り、鬼太郎に百目をもう一度倒すように頼んだ。百目との戦いで壊れるが妖怪横丁で直してもらい、目玉おやじとも仲良くなって鬼太郎の仲間に加わった。ワンセグ(目玉おやじがテレビを見る場面もある)、GPS、ネット検索やメール、計算といった当時の携帯電話の機能を揃えている。また、霊界電波を送受信できるので地獄との通話や特殊空間のGPS探知も可能。
バンダイから関連商品「DX携帯妖怪 BAK600(バケロー)」が発売された。
古今東西妖怪大図鑑(ここんとうざいようかいだいずかん)
アニメ第5作に登場。通称は古今(ココン)。意志を持った書物で、第17話より飛騨の天狗から蒼坊主を通して鬼太郎父子に贈られた。多くの妖怪についての情報が記されており、しかもその内容は風の便りを受けて自動追加されていく。また、その情報を元に特定の妖怪を封印する御札を作り出せる。表紙の丸窓部分が顔、また錠前に付いた綱を手足のように使って動ける。人語は話せないようで「ココーン」としか言わない。下心に敏感で、着いて早々ねずみ男のそれに反応して逃げ出し、目玉おやじがどうにか宥めて連れ戻した事がある。以降、鬼太郎の家でのペット的存在だが、時々近いサイズの妖怪達と遊びに行ったり放浪の旅に出たりして留守の時もある。
バケロー同様にバンダイから関連商品「DX妖怪大図鑑」が発売された。
川男(かわおとこ)
声 - 小西克幸鈴木琢磨(第5作)
伝承では川沿いにいる大柄な人のような姿の妖怪。
アニメ第5作第42話初登場。二人組で一人は大きな鼻髭と顎髭を生やした中年姿でもう一人は顎に無精ひげを生やした青年姿でいずれも長髪で両手足に鰭のような物がある。常に飄々とした雰囲気で沼や川の近くに座り込んで話をしている。基本的に会話は青年の方が話して中年の方が答える形で始まる。自身達の目の前の川が干からびても「水のない川って川って言うのかな?」と相手に尋ねたり自身達の先祖の水妖怪の残した大事な水神石がなくなっても「気配を感じないからなくなっているかもね」と言うなどかなり無頓着な性格でねずみ男から「呑気な連中」と評されている。
花子(はなこ)さん
声 - 佐倉綾音[15]
アニメ第6作に登場。学校の七不思議として有名なおかっぱ姿の女の子の妖怪で、ねこ娘とは友達の間柄。目玉おやじも褒めるほど可愛らしい容姿をしている。まなが通う中学校の3階女子トイレの奥から2番目に住む七不思議のひとつだったが、ヨースケくんのストーカー行為に耐え切れず学校を逃げ出し、妖怪温泉で旅行中の鬼太郎親子に出会って悩みを打ち明ける。第49話では他の妖怪たちと共に人間を避難させていたほか、第51話では鬼太郎の依頼で幼児化したねこ娘を一時預かるなど、鬼太郎の仲間として度々登場する。
独脚鬼(どっきゃくき)
声 - ボルケーノ太田
アニメ第6作に登場。牙が生えた中年男性の姿の中国妖怪。日本で表向きは人間として振舞いながら中華料理店『独脚鬼』を経営しており、正体を知る日本の妖怪たちも常連客として訪れている。日本にバックベアード軍団が侵攻するという噂を聞いた時は、店を畳んで逃げることを考えたが、その後鬼太郎ファミリーがバックベアード軍団を撃退したため店は継続され、ねずみ男や一反木綿、ひでり神など妖怪たちが来店している。なお、店では下半身がカウンター下に隠れているので人間態でも「独脚」かは不詳。
二宮 金次郎(にのみや きんじろう)像
アニメ第6作第10話に登場。学校の七不思議として、まなが通う中学校校内や外を走ることがある。砂かけ婆たちとは連絡を取り合う仲で、「ニノ」と呼ばれている。
化け鯨(ばけくじら)
体長数百メートル超に及ぶ巨体を持つ、クジラの骨格を模した姿の妖怪(水木による妖怪画とアニメでは尾びれの形状が異なる)。
原作には未登場だが、水木しげるが化け鯨に関する話を執筆中に体調を崩したエピソードがある(化け鯨を参照)。
厳つい容姿だが、一見すると微笑んでいるようにも思える眼窩が特徴(初登場話の鬼太郎たちとの邂逅前では怒っているように見える場面もある)。多数のクジラの魂の集合体とも言われるが正体は謎。骨鯨とも呼ばれ、日本海に出現した時は多数の妖怪魚を引き連れていた。
アニメでは第4作第18話で初登場。「象の墓場」ならぬ「鯨の墓場」の守護神であり、強大な妖気と体躯に見合った怪力をもつ。尾の一撃は、西洋妖怪四天王の一角で巨体のブイイ(後述)を海中深くに沈めるほど。その反面、仲間を傷つけないように繊細な力と海水のコントロールが可能。第104話では、海水に弱い吸血樹を潮吹き等で殲滅したことも。また、伝承によればすり抜けて攻撃を受け付けないらしい。北陸から東京湾まで数時間で到達するほどの猛スピードで海面を泳ぐことや、凍らされた仲間を体内で溶かすこともできる。しかし、必要以上の攻撃はしないようで人間を無暗に襲ったりすることはなく、警告程度に済ますようである。鯨らしく知能が高く寛大なようで、嵐の中で命を落とした鯨の研究者の魂を(彼が鯨を愛していた事も全て見通した上で)引き取り、多数の鯨の霊と共に「クジラの墓場」で安住させていた。背中に乗せた者達が眠るのを邪魔しないように静かに泳ぐなど親切な妖怪でもある。クジラの霊の安息の聖地である周辺海域を汚した人間に対する警告と、鬼太郎および上記の鯨研究家の娘を呼ぶために暴れ、親子の再会を許したと共に、聖地を荒らすなというメッセージを鬼太郎たちに託した。その後は何度か鬼太郎の助っ人に現れて一行の絶体絶命のピンチを救ったりしている。
妖怪千物語では海の生き物や生態系を守る「海の守護妖怪」として紹介され、半魚人が操る大イカとの戦いで鬼太郎に協力した。
モノワスレ
演 - 谷啓
実写版に登場。目玉親父の旧友で、老人の姿をした自然と草花を愛でる妖怪。花(忘れ草)を媒体にして人間の記憶を消す能力を持つ。三浦実花・健太姉弟から鬼太郎の記憶を消し去った。
三つ木霊(みつこだま)
演 - 向井地美音(ハルカ)、佐々木麻緒(ヒビキ)、荒木博斗(ワタル)
実写版に登場。菊、椿、紅葉に古木から生まれた幼い三つ子の木霊。ハルカは長女、ヒビキは次女、ワタルは長男で末っ子。コケシに変身して連絡を取り合う役割をする。

かつて敵だった味方の妖怪

ここでは敵役として登場し、戦いの末に降参または和解、そして後に鬼太郎の味方として活躍する(原作重視)者を挙げる。敵対したことはあっても群衆扱いだった者は前項を、“敵と味方で別個体と思われる(封印したのに再登場したなど)者”や“原作では倒されたが一部のアニメなどで味方になった者”は後述の「日本妖怪」を参照。

鏡爺(かがみじじい)
声 - 永井一郎(第1作)、宮内幸平(第3作)、丸山詠二(第4作)、石塚運昇(第5作)、塩屋浩三(第6作[16]
古い鏡の中に潜む老人姿の妖怪。鳥山石燕画の百々爺が姿の原型で、妖怪としては「ゲゲゲの鬼太郎」オリジナルのキャラクター。
若い女性や少女が鏡を用いる際に鏡の中から覗き見たり、いかがわしい真似を働くやや好色な面がある。他方、アニメ第3〜6作では女性や子供を守る紳士的な面もある。
原作「鏡爺」では少女の姿を奪い鏡に閉じ込める(被害者の実体は透明になる。アニメ第1作では捕らえた姿を奴隷にしようとした)。「形が無い故に鬼太郎の必殺技が通じない」という特性で鬼太郎を苦しめたが、本体である鏡に戻った際(普段の姿は老人の遺体に魂が憑依したもの)にその鏡を破壊されて退治された。鬼太郎たちの奪われた姿も一緒に失われるかも知れず一か八かの賭けだったが、彼らは元に戻ることができた。
アニメ第1作では8話に登場。カオリ(声 - 杉山佳寿子)という少女を襲い、捕らえた姿を奴隷にしようとしたが、鬼太郎に鏡を破壊されて消滅した。
第3作では天童ユメコを襲い、彼女が鬼太郎と知り合うきっかけを作る重要な役回りになる。元々はある山村で少女達の守護神とされた鏡だったが、過疎化で村ごと捨てられて屈折していた。多数の鏡を操って囲い込む術や分身能力を使っての猛攻で鬼太郎たちを苦しめ優勢になるが、ユメコが大事にしてくれた女性・はな(鏡じじいは「おはなちゃん」と呼んでいる)の孫と知って改心。原宿の古道具屋に移り住む。その後70話で雲外鏡に騙された鬼太郎たちにぬりかべの妖怪漆喰で封じられるが、無実を信じるユメコに助言し、磯女の協力も得て雲外鏡の魔手から鬼太郎たちを救った。この時ユメコは鏡爺を「ちょっとエッチでロリコンだけど優しい妖怪」と語っている。
第4作では全ての鏡の向こう側に通じる「鏡の世界」の住人として4話から登場。村上祐子達の学校にある大きな鏡の中に住む学校の守護神とされていたが、校長の判断で鏡が粗大ゴミにされて激怒した。子供たちを誘拐し「鏡の世界」に閉じ込めたことで鬼太郎と対峙し、敗北後は改心して田舎の学校に移り住む。その後13話でねずみ男が開催したお化け屋敷にて幼少時の母親の死によるトラウマから失語症になった少年・太郎(声 - 大谷育江)を笑わせてくれるよう父親が鬼太郎に懇願した際、子泣き爺や砂かけ婆らと共に少年を笑わせるのに協力している。
第5作では劇場版に登場。鏡だけに限らずつるつるして姿が映る物なら何にでも移動でき、大きさも自由自在に変えることもできる能力も加わった。元々は大霊山のヤトノカミの封印の番人で人々を蛇神から守る守護神の役目をもっていたが、自身の本体である鏡を祀った社を大事に管理していた風祭華の祖母が亡くなり、華の母・琴から「赤ちゃんが生まれたら会いに来る」という約束を忘れられて孤独と失意の中で屈折していたところを大蛇女に唆され、華を襲い、永遠に心の美しい少女のままにしようとする。ヤトノカミ達と合流した後、大霊山の社の鏡扉の封印を解き華からヤトノカミの魂を取り出せば後は自由にしてよいと言われていたが、そうすれば華は死んでしまうと知り、用済みとして大蛇女に致命傷を負わされたことで騙されていたと気付き改心。完全体となったヤトノカミとの戦いの際、最後の力を振り絞り鬼太郎の霊界符と風祭家の鏡を繋ぎヤトノカミに壊された華と琴の絆を取り戻させた。それまで琴が大人になったことで心の美しさを失ってしまったと嘆いていたが、自分の知る「おことちゃん」の本質は琴の潜在意識の中では変わっていなかったことを知り、彼女に「華と仲良くな」と言い残して消え去った。
第6作でも全ての鏡の向こう側に通じる「鏡の世界」の住人として登場。女の子を鏡の中から覗き見ることを好む好色な面は原作や第3作と同じだが、それ以上の悪戯はしない。山村の旧家・緒方家の老婆の嫁入り道具である古い鏡(元はその老婆の母親の嫁入り道具)に長年住んでおり、その老婆を守護していた。学級で緒方家の見学と掃除に来たまなたちは、それ以来怪現象に見舞われ、消息を絶ったまなの姿を部屋の鏡に見つけた鬼太郎たちは鏡爺の仕業と考え、緒方家の鏡から鏡の世界に入った。だが実はまなたちを狙ったのは庭の石碑から蘇ったがしゃどくろで、鏡爺はそれをいち早く察知しまなを鏡の世界へと避難させ助けていた。内気な性格ゆえ鬼太郎たちにうまく訳を話せなかったが、がしゃどくろに襲われるまなが見つかって誤解が解け、彼女を守り鬼太郎たちと共闘した。まなを見守っていたのは「初恋の人に似ていたから」と言うが(それだけでも鬼太郎たちにドン引きされかけたが)、その後ねこ娘にも同じことを言って惚れるなど実はただの女好きで鬼太郎たちに呆れられてしまい、結局は両者にフラれた。本作では砂かけ婆や子泣き爺と顔見知りの仲。
『パチスロ版』では、鬼太郎のコピーであるブラック鬼太郎を誕生させる。
傘化け(かさばけ) / カサやん / からかさ小僧(からかさこぞう) / 化け傘(ばけかさ) / 唐傘(からかさ)
声 - 兼本新吾(第2作)、小林通孝(第3作初登場第23話のみ)、平野正人(第3作)、草尾毅(第4作)、小西克幸→高戸靖広(第5作・第53話以降)、稲田徹(第6作[2])、金子はりい(異聞妖怪奇譚)、デーブ・スペクター(実写映画版)
古びた傘が魂を持った妖怪(いわゆる付喪神)。傘に一つ目と両腕、片足を生やしたような姿をしている(作品によっては口が描かれていることがある。両腕は引っ込めることが可能)。傘の色は原作では茶色だが、アニメでは赤が多い。上記のように呼称が多数あるが、「傘化け」以外はその都度記す。
ほとんどの技は一本足を軸にした回転に由来し、飛行・催眠術・丸鋸式に切断・攻撃の跳ね返し・強風を起こすなど多彩。更に必殺技として目から高出力熱線を放つが、鏡に反射されてしまうのが欠点。
鬼太郎作品への初登場は貸本「ボクは新入生」で、ブリガドーンに住む幼い個体「カサちゃん」が登場。
連載作品初登場は『電気妖怪』(初アニメ化第1作第25話)で、ゲゲゲの森の住人で「カサやん」と呼ばれる2体が鬼太郎と子泣き爺をかみなりの住処へ運んだ。
サンデー版の原作『傘化け』及び第2作第24話ではねずみ男に騙されて鬼太郎からちゃんちゃんこを奪い、その霊力を利用して大富豪の一人息子に化けて本物と成り代わり財産を手に入れようとするが、鬼太郎との再戦で熱線を鏡で反射され焼け焦げて敗北、原作では完全に燃え尽きてしまう。第2作では敗北後、ねずみ男が鬼太郎に自分を退治させて礼金をせしめようとしていたことを知って激怒し、当分の間ねずみ男を召使いとしてこき使うことで勘弁することにする。
第2作では24話で敵対した傘化けとは別に「カサやん」と呼ばれる仲間が登場。
雪姫編の『傘化け』では悪意を持った妖怪として生を受け、熱線を放って暴れたり雪姫をさらってこき使ったりしたが、サンデー版同様に鏡台で反射された熱線で燃え尽きた。
第3作では6話と26話で「からかさ小僧」、23話などで「化け傘」の名で登場。23話では雨山博士の施したコーティングでかみなりの放電を防ぎ、26話では妖怪野球チーム選手として登場しバット代わりに和傘を振って試合初のヒットを放った。空輸力として頻繁に登場し、多数で飛ぶ回もあった。
『幽霊大戦争』では複数でぬりかべを現場に運んだ。
第4作では第31話に登場。目玉おやじ曰く「オバケの良い性格だが、あまり頭は良くない」とのこと。無人の炭鉱跡でひっそりと暮らしていたが、仙人を名乗るねずみ男に唆され、鬼太郎を襲撃してちゃんちゃんこを奪う(実際にちゃんちゃんこを奪ったのはねずみ男で、傘化けの熱線が起こした火事の煙に紛れて鬼太郎の頭を殴って気絶させた)。ちゃんちゃんこの霊力で一年前に亡くなった大富豪の老人・伊集院寿太郎に化け、その妻・タエの前に現れて屋敷で暮らすが、自分を夫だと思い込んでいるタエが語った「多忙な金持ちになる前の貧乏な暮らしのほうが長く一緒にいられて幸せだった」という言葉に、「幸せとは決してお金があることではない」と教えられる。その後、ちゃんちゃんこの反応を辿って来た鬼太郎と戦うが、奪い返されたちゃんちゃんこで目隠しをされて落下、逆エビ固めを食らってギブアップし鬼太郎に自分を唆した仙人の似顔絵を描いて教え、黒幕がねずみ男だと判明する(悪事がバレたねずみ男は、砂かけ婆の妖怪アパートで無償労働をする罰を受ける)。最後にもう一度だけちゃんちゃんこを借り、大切なことを教わったお礼として寿太郎を演じ、「自分はもう死んでいて、急な別れが心残りで戻ったがもう行かねばならない。のんびり待っているから、子供や孫たちと長生きして欲しい」と別れを告げてタエの元を去る。
第5作では妖怪長屋の住人として登場。普通の唐傘になりすますことが出来る。ある人間の女性と親しかったが別れてしまった過去から、人間とは距離を置くべきと考えており、58話では鷲尾とデートの準備をするろくろ首の邪魔をしたり、雑巾妖怪ギュギュ(白うねり)を飼い始めた子供たちに、手に負えなくなることを見越して早く成長させる方法を吹き込んだりした。回転を得意とすることから横丁一のコマ回し名人でもあり、自身をコマ、一反木綿を紐に見立てた連携技を使う。
第6作では唐傘の名称を持つ。50年前からろくろ首、あかなめと共に爽快アパートに棲みついており、オーナー夫婦と共に暮らしてきた。豪快で情に厚い妖怪だが、やや浅慮で押しつけがましい面があり、鬼太郎も巻き込んで人間とひと騒動を起こしたこともある。また器物妖怪という性質故か、モノが大事にされることに関して非常に強い想いを持つ。鬼太郎を苦しめてきた過去シリーズと違い大した実力は持っていないが、鬼太郎のちゃんちゃんこを着用した際には妖力を増し、熱線攻撃や傘骨針など多彩な技で鬼太郎を終始圧倒していた。
妖怪千物語では封じ札を貼られてお堂に転がっていたのが、雨宿りした子供たちの一人に封じ札を剥がされ復活。熱線を放って暴れ催眠術でねずみ男と猫娘を操り鬼太郎共々焼き殺そうとしたが、ぬりかべ反射鏡で跳ね返され自分が焼け敗北。鬼太郎に火を消されて助命され改心、以降は仲間になる。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではねこ娘や子泣き爺に成りすまして放火していた。特定条件下で仲間にできる。
あかなめ
声 - 北川国彦(第2作8話)、今西正男(第2作28話)、つかせのりこ→頓宮恭子、難波圭一(第3作)、粕谷雄太(第6作[2]
浴室に現れて長い舌で湯垢を舐めるという妖怪。ザンバラ髪で緑色の肌をした子供の姿で描かれることが多い。
『あかなめ』(初アニメ化第2作28話)では人間が捨てたゴミが集まり変化した巨大あかなめが出現、緑色の肌をしたあかなめとは別種の存在で、触れた物全てを自分の体と同化させる。東京を占領してゴミや害虫の王になろうとし、鬼太郎をも吸収した。進化した蝿・ブン太の入れ知恵でねずみ男が古代植物の種を探し出し、猫娘を騙して植え付けさせたため体の養分を全て取られ東京湾に倒れ緑の島になった(『妖怪千物語』では猫娘と目玉親父が種を探し出して植えた)。このあかなめもまた、牛鬼と並ぶ鬼太郎の手には負えず鬼太郎以外の人物が対応した数少ない妖怪である。『釜なり』『傘ばけ』などでは妖怪アパートの住人としてあかなめの姿が見られる。
アニメ第2作8話では、更に別種の老人姿のあかなめが登場。外見は登場したあかなめの中で一番人間の姿に近く、汚れを浄化する力を持ち清潔好きな性格。人間の環境汚染に怒って汚れを養分に育つマンモスフラワーを繁殖させたが、鬼太郎との話し合いで和解した。
伝承や水木の妖怪画にも描かれているザンバラ髪で緑色の肌をしたタイプは、アニメ第3作の第8話が初登場。だるま妖怪相談所の客として訪れ、現代の人間の風呂が清潔過ぎて舐める湯垢が無いことを嘆いていた。33話でゴミの化学物質を食べ巨大化した時(原作『あかなめ』がベース)は獲物を舌で捕らえ呑み込んでいた。古代植物の力で元に戻った後は鬼太郎の仲間となる。
第4作では第16話に登場。本作では言葉を喋ることが出来ず、声もほとんど発しない[注釈 11]。ねずみ男の住む廃アパートに白溶裔と住み付き、インチキ商売の片棒を担ぐことになる。清掃会社「クリーンネズミ」の特殊作業員として、あらかじめ白溶裔がつけたカビを舐め取って綺麗にしていたが鬼太郎たちにバレてしまい、クリーンネズミは解散となり、名残惜しみながらねずみ男のもとを去っていく。都会の汚れを吸収して白溶裔と同様に巨大化するが過去のシリーズのように狂暴化はしておらず、白溶裔に吹き飛ばされそうになったねずみ男を助け、白溶裔の汚れを舐めて元に戻そうとする。抵抗する白溶裔の尾の攻撃を食らって倒れこんでしまうが、風神と雷神が起こした暴風雨で衰弱した白溶裔をねずみ男と共に必死で庇う。その後、元の姿に戻り、白溶裔、ねずみ男と一緒にアパートに帰っていった。
第6作では、第23話でろくろ首、唐傘と共に50年前に爽快アパートに住み付いた妖怪として初登場。第4作と同じく言葉を喋らないが、鳴き声的な発声で妖怪同士では意思が通じる。ヤモリのように壁や天井に貼り付いて風呂場に現れ、湯垢を舐めて住人を怖がらせたが特に危害を加えることは無い。体から紫色の煙を出して煙幕を張る能力を持つ。最高の垢を舐められるアパートから出て行きたくないとろくろ首たちと号泣し、大家の計らいで住むことを許されてからは、地上げ屋を鬼太郎ファミリーの手を借りて追い払ったり、大家夫妻の孫娘の夏美と遊んだり(幼い夏美からの愛称は「あかにゃー」)と良き住人となる。夏美の将来を考え、長い間姿を消して見守っていたが、彼女が交際相手に騙された際に姿を現し、落ち込む夏美を慰めようと頬を舐め、それが彼女の忘れていた記憶を呼び覚ますきっかけとなった(夏美を騙した交際相手は、以前に現れた地上げ屋の一員で、鬼太郎たちが再び地上げ屋事務所に出向いて全員を徹底的に懲らしめた)。アパートが妖怪専用アパートになってからは、新たなオーナーとなって時々アパートにくる夏美を喜んで迎えている。
ブン太(ぶんた)
声 - 八奈見乗児(第2作)、龍田直樹(第3作)
『あかなめ』(アニメ化作品第2作28話、第3作第33話)に登場。元々はただの蝿だったが、ゴミ捨て場にいた時に有機物が起こした化学変化の影響による進化の結果、知力が異常に発達し人語が話せるようになった知恵蝿(チエバエ)(厳密には「妖怪」か蠅の進化した「新種の生物」か、分類の言及が本編でもされておらず不詳である)。自分の住処でもある汚い場所がゴミの不法投棄などで、今や様々なゴミが大量に集まりすぎたせいで、想像もつかない化学変化が起き始めていると鬼太郎たちに忠告し、危惧していた通り巨大なゴミの妖怪あかなめが生まれる。あかなめにより鬼太郎親子も犠牲になってしまい成す術がなくなってしまうが、生命の強さで有名な古代植物の一種の種の在処を教え(第2作ではゴミの山から掘り出し)ねずみ男に託し、ねずみ男が猫娘を唆しそれを植え付けさせたことであかなめは巨大な樹と化し結果的に街を救った。その後、東京に緑が戻ってしまったことで自分の住む場所ではないと判断し、人間に「人間共、過ちを再び犯すなかれ」と聞かれることなく忠告を残した後、新しい住処を求めて旅立って行った。
アニメ第3作では、若干上から目線となっており同様の役回りであったが暴走したあかなめの退治方法までは知らず去ってしまい、その役は閻魔大王が担った。
小豆洗い(あずきあらい)/ 小豆とぎ
声 - はせさん治(第1作)、平野正人(第3作)、田中和実(第3作代役)、西村知道(第4作)、小西克幸(第5作)、宮澤正(第6作[17]
河原で歌いながら小豆を磨ぐ妖怪。ゲゲゲの森の住人。禿頭の老人のような姿をしている。
原作「小豆連合軍」では敵として登場。工場廃水で小豆畑を汚染された報復に仲間の小豆はかり・小豆婆と共に工場の機械を壊し、人間の顔から養分を小豆として搾り取る術をかけた。ゲゲゲの森に畑を持つことで鬼太郎達と和解した。
アニメでは第1作第7話初登場。第3、4作にも登場し、特に4作では現代社会に生きる善良妖怪として、哀愁を漂わせている。
第5作では妖怪横丁で饅頭屋を営んでいる。第83話で山梨県代表の妖怪四十七士に覚醒した。
第6作では第31話に登場。人間が小豆の存在を忘れつつあることを嘆いており、ねずみ男に唆され小豆はかり、小豆婆と共に動画配信によって小豆を宣伝しようとする。配信は人気を博したものの方向性の違いによる小豆連合の解散やねずみ男の見限りによって小豆の復権という計画は頓挫、逆恨みで人々に小豆畑を植える術をかけ混乱を起こすが、小豆はかりや小豆婆の説得により改心し小豆連合としての再出発を決意した。
また、彼と外見が似ている妖怪「物の怪」(あまめはぎとも似ている部分がある)が「鬼太郎夜話」に登場している。
小豆はかり
声 - 塩屋浩三(第3作、第6作[17])、里内信夫(第4作)、小形満(第5作)
民家の天井裏から小豆を撒く音を立てる妖怪。大量の毛に覆われた大きな頭と小柄な体格が特徴。小豆連合軍の一人。太鼓を叩いて、人間の顔から小豆を搾り取った。
小豆婆(あずきばばあ)
声 - 青木和代(第3作)、宇和川恵美(第4作)、上村典子(第5作)、斉藤貴美子(第6作[17]
小豆洗いと同じく、河原で小豆を磨ぐ老婆の妖怪。小豆連合軍の一人(アニメ第3作・第4作ではリーダー的存在)。アニメ第6作では普段は「あずきぃ」としか発言しないように振舞っているが、本当は従来の作品同様に普通に他者と会話できる。
地獄童子(じごくどうじ)
声 - 堀川亮(第3作・地獄編)
閻魔大王の従者兼用心棒として現れた謎の少年。正体は鬼太郎と同じ幽霊族の血を引く半妖怪。長いエリマキが武器で、ロープとして妖力で硬直させて剣としても使用する。はじめ鬼太郎とは敵対するが、和解して共闘した。最終回ではぬらりひょん撃破後、地獄の平和を守っていくとして地獄に残った。原作では貸本時代のエピソードを元にした「妖怪水ころがし」にて溶けてしまう。後日談的な内容の3部最終作SFC版でも彼の最後的な内容の終わりがある(その最後は敵妖怪に肉体を乗っ取られたのか殺されたのか真意は定かではない)。
登場は原作『最新版』およびアニメ第3作『地獄編』のみ。原作・アニメとも幽子(ゆうこ、声 - 江森浩子)という名の亡者の少女を恋人にしている。考案者は1980年代当時に水木プロで『最新版』を作画していた森野達弥。1994年に森野はスピンオフ作品「地獄童子」を発表している。
のっぺらぼう
声 - 富田耕生(第1作)、安西正弘(第3作)、山口勝平(第4作)、くまいもとこ(第6作[18]
顔がなく口だけのどこか間の抜けた感じのする妖怪。初登場は『のっぺらぼう』。
墓地で人魂を捕えて天麩羅にし、それを食べさせた相手から顔を奪い取る能力を持つ。また、奪われるのは顔全体ではなく、鼻から上の部分(つまり被害者はのっぺらぼうと同じような顔となる)。ねずみ男に人魂の天麩羅を食べさせて顔を奪い、取り返しに来た鬼太郎を餅にして食べようとするが、体を変形させた鬼太郎に包まれ腹の中に入れられて降参する。
アニメでは第1作第45話で初登場。最初は死人の顔を盗んでいたが、あまり長持ちしないため生きた人間の顔を奪うことに変更する。初めにねずみ男の顔を奪った(人魂の天麩羅、人魂のスープ、墓地の梅で作った梅酒でもてなした)が、「見れば見るほど間延びしたくだらん顔」として気に召さず、鬼太郎を見て「奴の顔なら一級品」として人魂のスープで握った握り飯を食べさせて顔を奪うことに成功する。その後、ねずみ男と手を組み人魂入りのポップコーンを配り36人の顔を奪い続ける。しかし、鬼太郎に人魂入りのアイスクリームを食べさせられ顔を奪還される。その後、降参するふりをしながらあらかじめ仕掛けておいた落石の仕掛けで鬼太郎を潰し、餅の中に入れて鬼太郎餅にして食べようとしたが、逆に自分が餅に包まれて完全に降参し36人の顔を返し、二度と顔を盗まないことを鬼太郎と約束した。第2作では、第2話でチー一味との戦いに参戦。
第3作では第16話初登場。人魂を食べないと生きていけない妖怪で、相手に抱きつき体内に取り込むことで顔を奪い取る妖術を持つ。奪った顔は体内に貯めこまれており、取り込んだ相手に別の顔を着けることも可能。また、飛行能力も備えている。本来は無欲で善良な妖怪らしく、ぬらりひょんに人魂の豊富な場所を紹介された恩義から、妖術で顔を奪い指名手配中の犯人(声 - 千葉繁)の顔を取り換えるという役目を担う。大金を手に入れたぬらりひょんにお金を差し出されるも本人は「人魂の豊富な場所を教えていただいているから、それだけで十分」として受け取らなかった。その直後、鬼太郎と対峙するが、オカリナロープで腹を絞められて奪っていた顔を全部吐き出して敗れた。その後は、改心したようで鬼太郎の仲間として度々登場した。
第4作では第7話初登場。直接相手の顔を「食べる」ことで顔を奪う妖力を持ち、美味しいと評判の蕎麦屋を営んで客から代金の代わりに顔を奪っていた(ねずみ男も被害に遭った)。鬼太郎のちゃんちゃんこやリモコン下駄を菜箸や箸で受け止め防ぐなど料理道具を使った武術に秀でており、調理場では無類の強さを発揮し、猫娘、一反木綿、ぬりかべの顔を奪い、鬼太郎も餅に包み食べようとしたが、ちゃんちゃんこを食わされ腹の中で破裂寸前まで膨らまされて降参、二度と顔を奪わないと誓い持ち主全員に顔を返した。改心した後は田舎で無農薬農業をして暮らしており、同じく人間が顔を奪われる事件が発生した第21話にて再登場。真っ先に疑われたが、真犯人が白粉婆と判明し鬼太郎と共闘、白粉婆の顔を奪って顔を盗られた被害者と同じ苦しみを味わわせ、人間たちの顔を取り戻す。その後も準レギュラーとして度々登場する。
第6作第44話でエピソードの中心人物として登場。善良で人間の子供と遊ぶのが好きな妖怪だが、見た目を恐れられ逃げられてしまうことが多い。過去に出会った少年・北島敦(きたじま あつし、声 - 岡本寛志[18])のことを親友としてずっと思い続けており、敦が成長して姿が見えなくなってもSNSで連絡を取り合うなど陰から見守り続けていた。一度は誤解から敦に拒絶されてしまうも、敦を妖怪・白粉婆の襲撃から身を挺して守ったことで晴れて親友になった。
『妖怪千物語』では悪役扱いで第18話に登場。ラーメン屋台を開いて人間に人魂の天麩羅(味は美味らしい)を食べさせ顔を奪いコレクションにし、顔を奪われた人間を操っていた。鬼太郎は自分の顔を霊力で消しのっぺらぼうに接近するが、見抜いていたのっぺらぼうは鬼太郎に無理矢理天麩羅を食べさせ顔を奪い、奪った顔を飲み込み鬼太郎の顔と能力も奪い取る。しかし鬼太郎の念力で顔を締め上げられ苦しみ降参、顔を持ち主に返す。
「人魂の天麩羅を食べさせ顔を奪う」構想は『のっぺらぼう』以前に鬼太郎以外の水木作品『なまけの与太郎・顔ぬす人』でも描かれている。そこでの「顔ぬす人」の姿はねずみ男だった。
ぬっぺらぼう / ぬっへふほふ / ぬっへほふ
声 - 永井一郎(第1作)、龍田直樹(第6作[19])、(海津義孝)(異聞妖怪奇譚)、きたろう(実写映画版)
顔のような皺のある肉塊に手足が生えた姿の妖怪で、のっぺらぼうとも同系統の存在。本来は日本本土の妖怪だが、初登場の「朝鮮魔法」およびそのアニメ第3作版の66話では韓国、初アニメ化の第1作57話「隠形魔法」では沖縄の妖怪とされた。3人兄弟が歌声で獲物を魅惑して若さを奪い、抵抗する者を“魔法”で叩き潰す。鬼太郎も若さを奪われ、“魔法”に立ち向かったぬりかべは腹を蹴破られた。だが鬼太郎が悪臭の息を“魔法”にかけると蝿の大群が集って巨大なぬっぺらぼう(透明かつ巨大な4人目の兄弟)の正体を現し、蝿を食べに集まった雀の群れに突かれ、その傷からの出血で集まった蛭の群れに血を吸い尽くされて倒される。追い詰められた残りの3人はエキスにして集めた若さを返し逃げ去った。
第3作では4人目は蜜をかけられ蜂の群れに集られて正体を現し拘束される。若さを返した後は農耕で暮らすと約束し4人とも許された。
第5作では妖怪横丁の住民。
第6作では第82話にぬっぺっぽうという名で登場。ねずみ男と手を組んで、美容クリームと称し若さを奪うクリームを売るが、実はぬらりひょんの軍資金調達に利用されていた。歌声の妖術で鬼太郎、猫娘、一反木綿も老化させ(砂かけ婆はクリームを使っていた影響で認知症になってしまう。ぬりかべは耳がないため効かなかったが、原作同様謎の力に腹を蹴破られた)苦戦させたが、謎の力は砂かけ婆の砂を浴びて巨大ぬっぺっぽうの正体を現し、砂かけ婆と子泣き爺の大火炎岩石弾で消滅。その後老化させられた鬼太郎たちは全て元の状態に戻った。
「魔笛エロイムエッサイム」ではぬらりひょん一味だが、処刑用毒井戸の実験台にされる悲惨な役。
ずんべら
声 - 青木笑児(第2作)、久川綾(第6作[20]
アニメ第2作第41話「霊形手術」、第6作第15話「ずんべら霊形手術」に登場。原作は鬼太郎の登場しない短編『霊形手術』。のっぺらぼうやぬっぺほふと同じ系統の妖怪で、本作では顔を盗るのものっぺらぼうと共通しているが、のっぺらぼうと唯一違う点は、のっぺらぼうが顔を盗ると口だけ残るのに対してずんべらは口を含む顔全体が無くなってしまう点である。2作では男性型だが、6作では女性型で登場。
第2作ではスーツを着た男性の姿で、人前では収集した死人の顔を付けている。生きている人間の顔を盗ることもできるが、普段は死人の顔を収集しており、目玉おやじ曰く、「顔をコレクションすることこそ、奴の因果な宿命、存在理由」。人魂を入れたドーナツやケーキを食べさせることで面の皮を剥がして手に入れるなど、やり方ものっぺらぼうと全く変わらない。面の皮は、自分の言うことしか聞かない特殊な金庫に入れて保管する。面の皮が剥がれた人間は手描きで顔を描くことができるが、布で拭かれたり涙を流すと溶けて消えてしまう。ねずみ男の斡旋で生きている人間に霊形手術を施しており、このままでは街中に顔盗り事件が氾濫してしまうことを恐れた鬼太郎と一時対立するが、騒動が収まった後は改心してねずみ男とも縁を切り、生きている人間から顔を盗るのを止めて死人の顔だけを収集することを決め鬼太郎たちと別れた。
第6作では黒い和装の美女の姿で(老婆の姿になることもできる)、美を追求するあまり水銀(昔は仙薬になると信じられていた)を飲んで中毒死した女性が妖怪化した存在。霊形手術には人魂の天ぷらを使い、剥ぎ取った顔はつづらの中の木箱に入れて保管している。「美に狂う女たちが愛おしい」として、美への執着心が強い女性に近づき、その顔を剥いで死人の顔に張り替える霊形手術を無償で施す。しかし、死人の顔は長くは持たず時間が経つと消えてしまい、のっぺらぼうと同様の顔無しになってしまうため、美しい顔を維持するには定期的に顔を張り直さなければならない。作中ではまなの同級生で、自分の顔にコンプレックスを持つ少女・房野きらら(ふさの きらら、声 - ゆかな[20])と、彼女が追いかけをしていた男性アイドル・ユウスケ(声 - 赤羽根健治)のファン代表(声 - 川庄美雪)に霊形手術を施し、顔を返すよう要求されるとあっさり応じたが、鬼太郎から人間の顔を取るのは止めるように言われると「私は何もしないさ、女が私を必要としない限り(あくまで自分から進んで行うことはない)」と意味ありげに告げて去った[注釈 12]
白坊主(しろぼうず)
声 - 平井啓二(第5作)
足の無いのっぺらぼうのような姿の妖怪。
アニメでは第3作初登場。
第5作では大阪府出身。輪入道が営む運送屋に火車と共に勤める。第90話で火車が冤罪を晴らすために鬼太郎と入れ替わったことを知り、輪入道に伝えて共に畑怨霊戦の応援に駆け付ける。顔から放つ光線で姿を隠した畑怨霊を見破り、この戦いで輪入道や火車と共に妖怪四十七士に覚醒した。
毛目玉(けめだま)
声 - 矢田耕司(第2作)、はせさん治(第3作)、田の中真弓(第5作)
目玉おやじに毛が生えたような姿の妖怪。
初登場は『鬼太郎のベトナム戦記』で、ベトナムで百年眠っていた目玉おやじの従兄弟という設定だった(幽霊族との関連性には触れられていない)。少年誌初登場は『髪さま』(単行本にて『髪の毛大戦』と改題)。『ベトナム戦記』とは別設定で、離島を支配する髪様の忠実な僕として登場。
鬼太郎に髪様が敗れてからはしばらく登場しなかったが、『妖怪危機一髪』では鬼太郎の仲間として登場、役割上は『妖怪反物』での丸毛と一緒で、この時は目玉おやじと共にヒ一族のアジトに潜入した。
アニメでは第2作第9話で初登場。「(目玉おやじとは)関係ない」と言っている。アニメ第3作および第5作では、親類である原作とは異なり髪様の部下である。
第5作44話では、髪様の妖力強化のために鬼太郎の妖力を狙い、目玉おやじを捕らえ自分の毛を剃ってなりすまし妖怪横丁に潜入。本物がイメチェン宣言した直後なので雰囲気が変わっても住民たちはなかなか気づかなかった。だが鬼太郎と過ごす内に情が移り、彼を生贄にする段になって髪様を止め、お供えを増やすことで妥協してもらった。その後性格がかなり丸くなり目玉おやじとも意気投合し友人になる。
夜行さん(やぎょうさん)
声 - 大竹宏(第3作)、掛川裕彦(第4作)、川津泰彦(第4作第47話)、佐藤正治(第4作第114話)、楠見尚己(第5作)、高塚正也(第6作)
1つ目の髭を蓄えた鬼。首切れ馬に乗っている。初登場は1980年代『最新版』第2話で、百鬼夜行衆の大将。当初はぬらりひょん一味だったが、第6話で鬼太郎に敗れ、部下共々鬼太郎ファミリーに入った。地獄編「最後の出会い」では餓鬼道の番人。他シリーズの夜行さんと似た姿の部下多数を、鉄の皮膚を持つ大将が率いている。
アニメ第3〜5作では妖怪発明家という設定で妖怪戦車などを製作している。
第4作では妖怪検事の資格も持っている。約束事には厳しい。最終回ではヒ一族の巫女の策で毒で倒れた鬼太郎に解毒剤を飲ませ救い、妖怪自動車で無明彼岸の世界に向かう死神の汽車を止める活躍をした。
第5作では妖怪横丁に研究所を構えるが研究所に中は埃だらけ。
首切れ馬(くびきれうま)
夜行さんが乗る頭部の無い馬。『最新版』6話、「最後の出会い」、アニメは第3作113話、第4作37話に登場。第5作では「妖怪横丁ゲゲゲ節」の歌詞に名が出ているものの、本編未登場。
夜道怪(やどうかい)
声 - 中田譲治(第5作)
風呂敷包みを背負った旅装束の僧侶の姿をした妖怪。伝承では子供をさらうとされる。
「魔笛エロイムエッサイム」ではぬらりひょん一味。獣のような顔で、杖から炎や電光を放って攻撃する。
アニメ初登場は第5作第52話。一人称は「あっし」。闇を自在に操る力を持ち、一宿の恩に報いようとする義理堅い性格だが人間の感覚とはズレがある。塾での成績が振るわない少年・光一(声 - 高木礼子)の家の軒先で雨宿りをし、その礼に「成績が一番になりたい」という願いを、塾生(声 - 日比愛子他)[注釈 13]を次々と闇の中に引き込み「競争相手がいなくなる」形で叶えようとし、塾生を襲っていたところを偶然近くにいた鬼太郎と遭遇する。髪の毛針やリモコン下駄を風呂敷や杖で防ぎ、ちゃんちゃんこの拘束を闇に潜って逃れ、逆に鬼太郎を撤退させる等、かなりの強者ぶりを見せ、その後に光一を除く塾生全員を闇の中に引き込むも感謝されず、彼の「なにも考えずに言った」という発言に怒って闇の中に引き込もうとしたところで鬼太郎と再び対峙する。敗北後は反省して子供達を解放し、鬼太郎と和解し去って行った。後に72話で、妖怪城の風竜の攻撃でピンチに陥った鬼太郎達を引き込んで救い、横丁へ送り届けた。さらに79話では呼子の声を聞き、鬼太郎達の元へ駆けつけ埼玉県の妖怪四十七士として覚醒し、影を操り槌の子の動きを封じて鬼太郎を勝利へ導いた。以後は四十七士の中でも折り紙付きの実力者として活躍する。
ひでり神(ひでりがみ)
声 - 内海賢二(第1作)、はせさん治(第3作)、立木文彦(第4作)、小野坂昌也(第5作)、江原正士(第6作[21])、大竹宏(異聞妖怪奇譚)
一眼の狒々のような姿の妖怪(一腕一足とされる伝承と違い、手足は2本ずつある)。初登場は『ひでりがみ』(初アニメ化第1作43話)。口から熱風や火炎を吐き、高温に晒されるほど強くなる。また、黒雲に障子戸が付いた「妖怪ホバークラフト」で空を飛び移動する(第4・5作では天気を操作することが可能。第6作では白雲で、自宅も兼ねている)。ねずみ男と組んで週刊雑誌「妖怪パンツ」の編集者2名を誘拐し、身代金を要求したため鬼太郎と対峙。一度は火山の火口に落とされるが炎の塊のような姿にパワーアップして鬼太郎を苦戦させる。しかし鬼太郎が誘導した野づち塚へ攻撃を当て塚を壊し、冬眠から目覚めた野づちに吸い込まれてしまう。吐き出された時にはエネルギーを吸い尽くされて老化しており、もはや暴れる気力も無く「山に入って死を待つばかりだ」と言い編集者たちの居場所を教えて去って行った。目覚めた野づちは鬼太郎が説得して冬眠に戻った。新編ゲゲゲの鬼太郎『月の妖怪桂男』では回復していて救援に呼ばれ、口から猛烈な「日照り」を桂男に浴びせ、水分を蒸発させ桂男を縮めて降伏させる。
アニメ第3作では、29話初登場。うっかりもので食いしん坊の基本的には大人しい妖怪で、絵を描くことを趣味としている。棲み処の地下洞窟で絵を見たねずみ男が一儲けしようと企んで手を組み、漫画雑誌の編集者に売り込むも、子供の落書きレベルの絵を見た編集者から「売り物にならん」と酷評されてしまう(激怒するが編集者に怒鳴り返され、「だから嫌だと言ったのに」「才能が無いんだ」と酷く落ち込んでしまう)。仕方なく誘拐作戦に切り替え、ねずみ男が地下洞窟に編集者を隠している間に身代金を取りに来たところで鬼太郎と対峙。原作通り野づちに吸い込まれて懲らしめられ、地下に戻った。その後は老化も回復し改心して仲間になる。劇場作品『最強妖怪軍団!日本上陸!!』では再登場した日本妖怪の中でも目立つ存在で、趣味を活かして友好盆踊り大会の垂れ幕の文字を書くなど会場設営の手伝いをしており、その後も日本妖怪の空軍の一員として中国妖怪との戦いに参戦。因縁ある野づちとは、進軍時に「今日は仲良くやろうぜ」と声を掛け、反物にされた際にも「仇は頼んだ」と言うなど、むしろ仲が良かった。
第4作では76話登場。本作以降は野づちとは無関係。北陸の農村で山の神として祀られており、年に一度、地酒「山一錦」を供えられることで天気を見守っていたが、酒造工程が機械化されたことで味が変わったのを「ニセモノを渡された」として激怒し、妖怪ホバークラフトで雨雲を吸い取ることで日照りを起こして人々を困らせ、さらにインチキ雨乞いを行っていたねずみ男と組んで「本物の山一錦を三樽と現金百万円を持ってくれば雨を降らせる」と要求する。鬼太郎と交戦し敗北した後も「自分は悪くない」と主張するが、山一酒造の先代蔵元から私用に仕込んだ酒を振舞われると共に「工程の機械化と大量生産も止むを得ない」と苦渋の判断をしたことを説明され、自分がいる限り手作りの酒を供えることを先代から約束されると、「爺さんの無念も知らずにすまなかった」と素直に謝罪する。一件落着の後に山一酒造で開かれた宴会に鬼太郎たちと共に参加し(ねずみ男は便乗して金を巻き上げようとした罰で、外に樽詰めで放置される)、純米吟醸の酒風呂に入る目玉おやじに「贅沢だ」と苦言を呈している。
第5作では妖怪界の小説家で、他シリーズと違い着物を着ている。基本的に温厚な性格をした大人しい妖怪だが、書いた小説をねずみ男の紹介で訪れた雑誌の編集者に差し出していたところを魔女ザンビアに妖怪操縦機で操られ暴れ出してしまう。事態収束後は売込みが破談したために鬼太郎とねずみ男に書いた作品を見せるが、内容はかなり怖いものらしく原稿を1枚見ただけで2人揃ってかなり怖がっていた。
第6作では81話登場。外見は第5作とほぼ同じ。葛飾北斎の作品を初め約200年来の漫画好きで、執筆を思い立ち出版社に持ち込みを始めるも見た目のせいで怖がられていたが、「週刊少年マシンガン」副編集長の角富(すみとみ、声 - 楠大典[21])と出会い、彼の指導やねこ娘たちの協力もあって「ロケットメン」を連載し、人気を博し日本コミック大賞の候補に挙がる。しかし、ねずみ男の違法漫画サイト摘発の影響で妖怪が漫画を描くことに難色を示した出版社上層部の意向で連載が打ち切られ悲しみに暮れるが、編集長や上層部のやり方に愛想を尽かし辞表を叩きつけた角富や多くのファンの励ましを受けて再スタートを決意し、角富と立ち上げた雑誌「月刊少年マグナム」で新連載を開始する。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定条件下で仲間にできる。
だるま
 
水木しげるロードに設置されている「だるま」のブロンズ像。
声 - 北川米彦(第1作)、滝口順平(第3作・第8話)→大竹宏(第26話)→田中康郎(第55話以降)、田中信夫(第4作)、麦人(第5作)
文字通り手足の生えただるまの妖怪。別名「おばけだるま」。腹から大量の子だるまを出す。子だるまはだるまの内臓でありその内の心臓に当たるもの(アニメ第1作では白、第3作では青色、第4作では止まっているときに脈打っている、第5作では黄色でサングラスをかけた「笑いのツボ」)が弱点。
初登場は『だるま』。とあるマンションビルに存在しないはずの4階(「4」は忌み数であるため、「3階」の一つ上を「5階」と呼んでいた)に住まわせてくれるよう懇願し(大家は「無い物は貸せない」と当初は断ったが、「無い物に金を払うのだから、損はしない」と言い包められ了承してしまう)、妖怪仲間を引き連れて入居するが本当の目的はビルを乗っ取ることであり、妖怪仲間と共にビルの住民たちを怖がらせ次々と追い出した。鬼太郎の策で煙草の煙で妖怪仲間は燻し出され、自身は鬼太郎との一騎打ちで腹から子だるまを出して反撃に転じあと一歩という所まで追い詰めたものの、心臓の子だるまを掴まれ噛まれてしまい、降参して命乞いをし「もう二度とこの世には姿を現さん」と約束して許してもらいビルを去った。
アニメでは第1作第59話初登場。忌み数「4」を飛ばすことで生じた空間に住んでいたがそれが少なくなった事情が加えられている。原作同様ビルを乗っ取り、鬼太郎と一騎打ちし投げ飛ばされてもだるまの名に恥じない特性で絶対倒れなかったが、リモコン下駄で両目を失い、原作同様に子だるまを出すも心臓の子だるまを掴まれ敗北。目玉おやじによると「ヨーロッパにでも渡っておんぼろビルの13階にでも住むかもしれんな」という(西洋では13が忌み数だから)。このことから、鬼太郎に「考えてみるとだるまもかわいそうな妖怪ですね、人の嫌がる所を見つけてひっそりと暮らすんですから」と同情された。第2作では、第2話で鬼太郎に味方してチー一味との戦いに参戦。
第3作では第8話初登場。ビルへの入居の経緯や終盤の鬼太郎との対決への展開は原作とほぼ同様。ねずみ男の入れ知恵で文明の発展に悩む妖怪たちの相談を受ける「妖怪相談所」を開くも思うように相談料が手に入らず、ビル乗っ取りを勧められて行動に移してしまう(ねずみ男は大家夫妻から鬼太郎の仲介料を取ろうとも画策していた)。だるまが鬼太郎に負けてビルを去った後(「お邪魔しました」と挨拶した)、ねずみ男は罪滅ぼしとして、全室に新しい入居者が集まるまでただ働きさせられる羽目になった。だるまは第26話以降、鬼太郎の味方として頻繁に登場した。
第4作では第105話登場。人間や妖怪を呑み込みだるまに変える能力を持ち(猫娘もだるまにされた)、火だるま攻撃、雪だるま攻撃、だるま落とし等多彩な技を持つ。元々は「少しでも楽な生活がしたい」という人間たちの切実な願いを聞いて応援する役目を大切にしていたが、現代の人間たちの多くが、だるまに願掛けをしながらも昔のように正当な努力をまるでしない(選挙工作や裏口入学、インサイダー取引を行う等)上に「願い」がほとんど「欲」になっていたことと、用済みのだるまを粗末に扱うようになったことに怒り、だるまの気持ちを人間たちに思い知らせようと考え、日本中の人間をだるまに変えて欲のない清らかな「だるま王国」にする事業の手始めに治法戸市(ちほうとし)の全住民をだるまに変えてしまう。昔気質な性格と価値観を有しており(「ウーマンリブともやしっ子が大っ嫌い」と発言している)、自身の行ったことに対しやり過ぎだと異を唱えた鬼太郎たちに怒って襲い掛かるが、「だるまさんが転んだ」と言われると反射的に動きを止めてしまう癖が原因で心臓を見破られて降参し、だるまにした者全員を元に戻した。しかし「人間たちが今後も考えを改めなければ、いずれ再びだるまに変えてやる」と息巻いており、事件解決後に目玉おやじも「あやつの言うことも一理あった。願いと欲は似ているようで別物じゃ」と同意していた。
第5作では第93話登場。普段はだるまのような顔の長髪の人間の姿に化けている。100年以上前から建つ「石垣ビルヂング」の存在しないはずの「4階」で100年前から妖怪相手の美術商を営むが、ビルが取り壊される事を知ってオーナーの石垣金五郎に抗議しに現れ、その翌日に工事業者を「4階」に連れ去る。その後、鬼太郎たちを交えた金五郎夫婦と交渉にあたり、金五郎の祖父と正式に契約書を交わした上で「4階」に住むれっきとした住人であることも判明する。工事を中止しなければ人質は解放しないと主張し、業を煮やした金五郎の妻が工事を強行したことに怒って金五郎も「4階」に連れ去り展示物に変えようとするが、砂かけ婆の発煙砂で燻り出される。鬼太郎に妖怪横丁に来るように誘われるが、長年住んできた愛着あるビルから離れることを断固拒否し、正体を現して鬼太郎と交戦。「笑うと負けを認める」とされ、「笑いのツボ」の子だるまを猫娘にくすぐられ、必死に笑うことに抵抗するも遂には真っ白になって気絶し負けを認める。しかし、だるまのビルを守ろうとする姿と、幼い頃に友達からビルの外観を「おんぼろビル」とからかわれていたことを気にしていた際に、「他人がどう思おうが自分の価値観を持ち、それを貫けば良い」とだるまに教えてもらったことを思い出した金五郎がビルの解体を撤回し、補修工事のみで済ませることを決めた(金五郎は当初補修工事のみを行うつもりだったが、周囲の勧めを断り切れずにいた)ため人質を解放し、改めて「4階」に住み続けることになった。
毒娘(どくむすめ)
体内に猛毒を持つ女性の半妖怪で、古いネコイラズ屋「元祖ねこいらず・猫毒屋」の店長。『国盗り物語』に登場。口から毒の息を吐き、相手を病気にさせたり、呪いのかかった品を無力化したりできる。猫娘とは知り合い。色仕掛けで旧鼠王を騙し、日本銀行から大金を盗ませた上で毒殺する。ダンプで逃亡を図るが、それに気付いて追ってきた鬼太郎を振り切ろうとして事故に遭い、計画は失敗し、重傷を負った。その後鬼太郎の家で治療をうけているうち改心しはじめる。吸血花ラグレシアとの戦いで、敵に自らの毒の血を捧げる捨て身の手段で倒し、息を引き取る。その後、ラグレシアに島を占領されていた人々が墓を立ててくれた。
鬼童・伊吹丸(きどう・いぶきまる)
声 - 古谷徹[22]
アニメ第6作で大逆の四将の一体として第69話に初登場。伝承では『古今著聞集』などに登場する、日本三大妖怪の一角・酒呑童子の息子といわれる鬼。本作では「伊吹丸」という名前が付けられている[注釈 14]
左額の角を除けば美青年風の面持ちだが、その風貌とは裏腹に鬼の中でも最強クラスと称される実力の持ち主。常に携えている刀からは強力な斬撃を放ち、鬼太郎とも互角以上に渡り合い、刀の鞘で軽く突くだけで猫娘を戦闘不能にしている。また、呪禁道などの呪術や知識にも長けており、鬼道衆の操る呪装術は一切通用しない。かつては父親の酒呑童子を首魁とする大江山の鬼の一党に与していたが自身は人間の支配などには興味がなく、心を通わせていた人間の娘・ちはや(声 - 山崎和佳奈)や奴隷の人間とともに出奔、遠く離れた地に里を築き穏やかに暮らしていた。しかし近隣の国主によって里を滅ぼされ、ちはやも殺されたことで復讐の鬼と化し、国主とその血族をはじめとした人々を皆殺しにして国ごと滅ぼしたことで鬼道衆に討たれ千年前に地獄に投獄されたが、ぬらりひょんの手により脱獄する。脱獄後は私利私欲で暴れた他の四将とは違い、首を斬り放されたちはやの胴体を探し成仏させるため探索を開始、憑坐(よりまし)となり得るまなに目を付け連れ去ってしまう。胴体が眠るダムを破壊しようとしたため鬼太郎と対立するが、事情を知った鬼太郎たちの協力により胴体を発見し、ちはやと千年ぶりの邂逅を果たす。目的を果たした後は潔く地獄へ戻る道を選び、鬼太郎に人間と妖怪が共存することの難しさ、零に復讐の虚しさを説きながら連行されていった。
第75話ではまなの申し出により半身(魂)[注釈 15]の状態で現世に復活、零に自身の力を与え九尾の狐との決戦の場へ誘った。事件解決後、閻魔大王より功績を認められ半身(魂)[注釈 16]の状態で現世に留まることを許可され、零を一人前に鍛えるべく修行の旅についていくことになった。第96話でぬらりひょんの裏切りによって暴走したバックベアードによる世界滅亡の危機に憑依していた零と共に駆け付け、自身が知る限りの「あらざるの地」に関することを語り、あらざるの地への入り口を開く零の術をサポートする。

人間

主に鬼太郎たちと仲間・知人関係となった人間たち(当初は成り行きで敵対していたが後に和解した者及び、改心などして共闘した者も含む)。

水木(みずき)
声 - 大川透(墓場鬼太郎)
鬼太郎の育ての親で、血液銀行に勤めていたごく平凡なサラリーマンの青年。
勤めていた血液銀行が扱っている血液の中に「幽霊族の血」が混じっていたことを社長から聞き、その血を輸血した事で幽霊になってしまった患者がいるという病院を訪れ調査することになる。その供血者の住所が自宅と同じであったことから隣接する古寺に夜中に行き、幽霊族の夫婦(鬼太郎の両親)と出会う。妻の方が供血したことと彼らの種族の出生の歴史と事情を教えられ、妊娠していた妻から「赤ちゃん(鬼太郎)が生まれるまで誰にも黙っていてください」という頼みを聞き入れる。その8ヶ月後、死んでいた夫婦を見つけ考えてみるとあわれな種族だという慈悲から妻を墓に埋めてなぐさめた(夫は体がどろどろに溶けていてとても気持ち悪かったので、墓まで運ぶ元気が持てず放置した。3日後に流れ落ちた左の眼球より小さな体が生えた形で「目玉おやじ」として蘇生する)。3日後に墓から生まれた鬼太郎を最初は不気味に思い一瞬殺そうしたが、鬼太郎が自分を頼りとすることから哀れに感じ、引き取って育てる。しかし6年後、順調に育っていた鬼太郎が夜中に墓へ出歩くようになり、鬼太郎へ夜中出歩くことをやめるか退去するかを命じる。そして鬼太郎は水木の家を出る。その後、鬼太郎親子を警察とともに追い詰めようとして一度地獄に落とされてしまうが、「鬼太郎を育てた恩もある」という目玉おやじの計らいで現世に戻る。
それ以降の水木、ないしは『墓場鬼太郎』(原作・アニメ)における水木と家族などの周辺関係者は「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。
第6作では赤ん坊の頃の鬼太郎を助けた人間としてその存在が語られ、鬼太郎が人助けをする理由付けとなっている。第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」(「朱の音」収録)では、その時点で故人であることが明かされ、毎年鬼太郎ファミリーが命日に墓を訪れている。墓は原作者の水木しげると同じく東京都調布市の覚證寺にあると描写されている[注釈 17]
原作者のペンネームと同姓だが、後に登場する原作者のキャラクターとは直接には無関係となっている[注釈 18]
水木の母
声 - 真山亜子(墓場鬼太郎)
息子の説得により鬼太郎を育てることになるが、不審な行動をとる鬼太郎を不気味に思っていた。鬼太郎が水木の家を出て以後の消息は不明だが、アニメ第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」(「朱の音」収録)では、その時点で故人であることが明かされている。
『墓場鬼太郎』(原作・アニメ)における水木が一度地獄に落とされて以降のことは、「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。
三島 由美夫(みしま ゆみお)
月刊ガロ』掲載『鬼太郎夜話』に登場。
登場当時の流行歌手兼作家。終電でねずみ男に吸血木の芽を植えつけられる。吸血木によって血液を吸い取られて変わり果てた姿になり、その後は生け花「草風流」の家元・勅使河原草風(てしがわら そうふう)に拾われ、喫茶店「ザ・パンティ」[注釈 19]の植木として飾られていたが、店の支配人・助部(すけべ)から90万円で買い取ったねずみ男によって府中の先の蛇ヶ島に埋められ、最終的には成長した吸血木の果実から鬼太郎達によって助け出される。
モデルは三島由紀夫[23]
貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの『鬼太郎夜話』第一巻『吸血木と猫娘』と第二巻『地獄の散歩道』(アニメ版第3、4話)ではトランク永井(トランクながい)(アニメ版ではトランプ重井〈トランプおもい〉〈声 - ピエール瀧〉)が該当する。こちらの名前と外見のモデルはフランク永井。詳細は「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。
犬山 まないぬやま まな
声 - 藤井ゆきよ[24]
アニメ第6作の人間側ヒロイン。
犬山 純子(いぬやま じゅんこ)
声 - 皆口裕子[16]
まなの母親。まな同様に整った容姿で口元にほくろがある。家族想いで性格もしっかりしている。勤めており、出張で家を空けることも多い。第18話でまなから尊敬するお姉さんとして猫娘の話を聞いたり、第29話で突然まなの帰宅時に同行したアニエスを分け隔てなく受け入れて自宅に泊めたりするなど、分け隔ての無い優しさと寛容な心を持っていて、柔軟な考え方もできる。第18話ではオべべ沼の妖怪(かわうそ)の噂話を、凄みある表情と声でまなや夫の裕一に語って聞かせている。
第47話ではジョン・童という人物が社長を務めるインターネット関連事業の会社「オメガ」に秘書として勤めていた。しかし、社長の正体は名無しで、利用されて操られ、妖怪じみた姿(髪を除く体の部分は影のように黒くなり目は赤く輝く)となり、口から衝撃波を発して猫娘と対峙させられる。猫娘の爪攻撃で元の姿に戻る(妖怪にされた時の記憶はない)が、重傷を負ってしまい、第48話で病院に運ばれ治療を受けて意識を取り戻した(ただし、名無しの幻術によって病室外のまなには死亡したと聞かされてしまう)が、怪物に変身した名無しの張り手によって裕一や他の患者・医者たちと共に病院及び周辺の広範囲な建物と住民たちもろとも消滅する。第49話終盤で名無しの怨念消滅と同時に他の消された医療関係者や住民たちと共に建造物毎消滅前の状態で再生し、まなや裕一とも無事に再会でき、その後完治して退院した。
犬山 裕一(いぬやま ゆういち)
声 - 高塚正也[25]
まなの父親で純子の夫。無精髭を生やしている。純子曰く台風で鉄道が全線運休になっても会社に行くほど真面目な性格。鳥取県の境港出身で、郷里に実兄・庄司がいる。建設関連の会社に勤め、自宅のパソコンモニターの横に会社用のパスワードを貼り付けている。第2話では職場が事件現場の設計に携わっていたことから、まながパソコンから現場の見取図を鬼太郎に提供した。しかしこのことで、ねこ娘には「セキュリティーの甘い父親」と評されている。仕事の時以外は遊び好きな人物で、娘やその友達と遊ぶ機会があると子供のようにはしゃぐ。
第48話では、純子が負傷したことで病院に駆け付け、まなに何があったのか尋ねるが、まなは混乱して泣き崩れてしまう。その際、押しかけてきた報道陣の「(ねこ娘を消した力が)純子さんの血筋に関係するって本当ですか?」という質問から母の血筋が気になったまなに問われ、母方の曾祖母(裕一も直接会ったのは純子との結婚の挨拶に一度だけで、当時から寝たきりだった)の経歴やまなの名前が付けられた経緯を教えた。その後純子は命に別状なく意識を取り戻すが、怪物に変身した名無しの張り手によって純子や他の患者や医者たちと共に病院及び周辺の広範囲な建物と住民たちもろとも消滅する。第49話終盤で名無しの怨念消滅と同時に共に消された純子や医療関係者や住民たちと一緒に再生し、まなや順調に回復した純子と無事に再会して涙ながらに喜ぶ。第60話ではまな達とキャンプに行くが、出先で復活したぶるぶるの騒動に巻き込まれてしまい、助けに来た鬼太郎たちと初の対面となる。
犬山 庄司(いぬやま しょうじ)
声 - 魚建[26]
まなの伯父で裕一の実兄。鳥取県の境港で漁師をしており、毎年夏休みには姪のまなが訪れる。かつては甲子園に出場した高校球児で、センターを務め「スナイパー庄司」と呼ばれていた。第16話より準レギュラーとして登場。海座頭によって船幽霊にされてしまったが、わずかに自我が残っており、まなの機転によって正気を取り戻し、海座頭の顔面へ野球ボールを命中させ、鬼太郎の勝利へのアシストを務めた。第17話では砂かけ婆の買い物に付き合って鬼太郎ファミリーが滞在する神社に来たところ蟹坊主の奇襲に遭遇、彼女と目玉おやじを連れて家に逃げ、まなと4人で烏天狗に相談しに大山へ行こうとするが、砂かけ婆を追って来た蟹坊主からまなを庇い、銅像にされる。小次郎が持って来た霊水で元に戻り、事件後は蟹坊主を慰めるために妖怪の銅像作りに協力した。第65話では鳥取県知事で旧知の仲の野沢雅史(のざわ まさし、声 - 沼田祐介)の政策とダジャレ(彼のダジャレのファンでもある)に違和感を感じ、その正体が「鳥取愛」を広め世界を「大鳥取帝国」に築こうと画策していた魔猫であることを突き止め、人々を洗脳して鬼太郎達もがその手に堕ちてしまったが、それ以上に「鳥取愛」を持っていた庄司にはそれが唯一通用せず、最終的に魔猫が洗脳強化用に作った「うっとり鳥取」を偶然飲み、一時的に筋肉質となり「鳥取力(とっとりりょく)」フルパワーになる効果が現れ魔猫を叩きのめした後(庄司本人は何が起きたのかよくわかっていなかった)、魔猫を許し改心させた。第66話でまなが隠れ里に誘い込まれた時は、知人の勝巳(声 - 中村光樹)と共に200年前の文献を調べ鬼太郎に情報提供した。
実在の境港の「水木しげる記念館」館長である庄司行男がモデル[27]
犬山 リエ(いぬやま リエ)
声 - れいみ
庄司の妻でまなの伯母、裕一の義姉。第16話より準レギュラーとして登場。まなが大好物のイワシのつみれ汁を作っては、まなに喜ばれている。
沢田 淑子(さわだ としこ)
声 - 高島雅羅[28]
千葉に住んでいる純子の伯母で、まなからは大伯母にあたる。年齢は90歳を越えており、ハッキリとしないことが苦手な性格。親戚間では変わり者とされ距離を置かれているが、唯一姪の純子は気に入っている。毎年お盆の時期になると、家の屋根や壁面、庭を覆いつくすほど妖花が咲くという。入院中に見舞いに来た純子とまなに家に花が咲いているか見てほしいと頼む。若い頃の顔つきはまなや純子によく似ており、左眼の下にほくろがある。その当時の整ったルックスは歳を取った現在も意志の強い表情の中に面影が残っており、まなや純子とも共通する部分がある。戦時中当時に恋におちて結婚を約束していた男性・総二郎がいたが、急に音信不通になったことで誰にも愛されない、愛さないと考え独身である。実は総二郎は結婚に反対する親に入隊を強制され、その事情を伝える手紙を出すことも叶わず戦死していた。後に鬼太郎達がその手紙を回収し、受け取った淑子は妖花が総二郎の想いによるものと理解し涙した。この一件で、まなは学校の歴史の授業で学んだ以上に太平洋戦争の悲惨さを知り、二度と戦争を起してはいけないと痛感。その後夏休みの自由研究のテーマとして、図書館等で関連書籍を熟読したり知り合いで戦争を体験した人々に改めて当時の事を話してもらうなど第二次世界大戦の事を詳細に調べ、二学期に校内で発表した。
妹が純子の母親で、まなの祖母である。
ふく
声 - 桑島法子[29]
まなと純子の先祖の親族。面影はまなにそっくり。鬼と結ばれるという禁忌を犯したことにより、父親(声 - 高塚正也)からも「我が娘ながら汚らわしい」と罵倒される。胎内の子供を守るため逃げ出すも敢え無く処刑され、胎内の子は生まれることなく名無しとなった。
桃山 雅(ももやま みやび)[注釈 20]
声 - 祖山桃子[31]
アニメ第6作に登場するまなと同級生の少女。濃い黒色のロングヘアで、まな同様整った容姿をしている。背はまなより少し低い。まなとは親友で、日常的場面で頻繁に行動を共にすることが多い。父(59話初登場、声 - 天野ユウ)、母(52話初登場、声 - 進藤尚美)と三人暮らしで、ベルという犬(パグ)を飼っている。明るく活発で、根は友達思いな優しい性格だが、当初は反抗期で我儘な面も目立ち、調子に乗りやすいところもある(第52話で、勉強は苦手らしくテストの点もあまり良くないという描写がなされている)。
第3話より登場。当初は主にまなと登下校時に一緒にいるシーンくらいしか登場しなかったが、第25話からはストーリーに関わるようになる。それまでにまなが関わった一連の事件もあって妖怪の存在を信じていないわけではないが、呪いなどについては本気にしていなかったため、まなに対する同級生・山根香凛の陰湿な態度に不快を感じて憂さ晴らしの軽い気持ちで呪いのアプリに手を出し、まなにも半ば強引に登録させた挙句、自分も香凛に呪われて怪我をした。その後呪いのアプリ増殖で困惑し、まなに申し訳ないと思いつつも精神的に追い詰められてしまい、悲痛な表情を浮かべて「ごめんね! 知ってる人じゃないと効果ないの」と心の中で謝罪を呟きながら呪いのアプリにまなの名前まで書いてしまったが、鬼太郎たちの活躍でくびれ鬼が退治されて呪縛から救われた。
その後も、まなとは変わらずに親友同士で行動している。
第52話では些細なことで母親と揉めてしまい、家を飛び出して木の子の森に迷い込む。最初は木の子達と楽しみながら時を過ごし、元の世界には帰りたくないと思い、助けに来た鬼太郎にも帰ることを拒絶してしまう。しかし、木の子達にいつの間にか母親に言われていたことと同じことをやっていたことに気付き、母親が大変な思いをしていたことを察する。山天狗に連れ去られてしまうが、鬼太郎に助けられ、人間の世界に帰ることを決意し、木の子達と涙ながらにお別れの挨拶をし「人間と精霊が一緒に住めるようになったら、また一緒に遊ぼう」と言われ「うん、必ず」と約束した。その後、まなと再会し喜び合って抱き合い、仲違いしていた母親とも和解してわだかまりを解いた。木の子の森と人間界との時間差で一時的に身体が成人女性並みに成長するが、短期間だったので本来の年齢に戻れた。
木の子たちとの出会いと体験以降は、我儘な言動はしなくなり、少々お調子者だが他者を気遣うことの方が多い優しい性格へと心境の変化が見られるようになった。
ぬらりひょんとバックベアードによる事態が収束した代償で鬼太郎達と出会って以降のまなの記憶が無くなった後もまなを気遣いながら友情は続き、10年後に電話でまなにこの時期に出没している妖怪の話をすることで、まなが鬼太郎達との記憶を取り戻させるきっかけの一助となる。
一刻堂(いっこくどう)
声 - 京極夏彦
アニメ第4作に登場する陰陽師。第101話に登場。中野在住で、家業は某神社宮司かつ陰陽道いかるが流の当主でもある[注釈 21]。副業として「憑物落とし」の「拝み屋」でもあり、「妖怪の天敵」とも評される言霊の使い手。八重歯が生えており、終始不機嫌な仏頂面。常に和装で、背中と両胸に晴明桔梗を白く染め抜いた漆黒の羽織着流し、黒の足袋に鼻緒だけが赤い黒の下駄と、黒ずくめの格好をしている。痩身。「この世には不思議なものなどない」と言うのが口癖であり、座右の銘。知識と理を尊んで根拠のないことは語らない。
基本的に出不精で、慎重すぎるほどに慎重な性格。相当の変わり者である。依頼されれば暗躍するが、積極的に干渉することを好まない。言葉一つで、その伝承を生んだモノや現象に変えてしまう言霊の力を持つ。その正しい言葉の前ではどのようなまやかしも邪な行為も通用しない。身軽で動きは神出鬼没。また、他者に気配を感じさせずいつの間にか姿を現したり背後に立ったりもする。体幹も弱くなく、瞬時に位置を変えてその場から姿を消すように去ることもできる。式神として瀬戸大将護法童子などを操り、光明真言も唱えるなど真言密教にも通じている。彼の言葉が現実になるのではなく、彼は真実を語っているだけである。
ぬらりひょんから500年前に先祖が交わした契約を突きつけられ[注釈 22]、彼の依頼を嫌がりつつも引っ張り出されて鬼太郎達の始末にかかる。「約束である以上守らなくてはいけない」と一応の筋は通したが、元々鬼太郎たちを祓うことは不本意であり、ぬらりひょんの邪魔によって失敗したことを理由に「二度と手は貸さぬ」と約束を無効としてぬらりひょんと完全に縁を切り鬼太郎たちと和解。「妖怪はこの世に居てはならないモノ。しかし、居なくてはならないモノでもある」と、鬼太郎たち妖怪の存在とその価値を元来は事実として認めている。
水木しげるの弟子筋である小説家・京極夏彦がオリジナルで第101話の脚本を担当。キャラクターデザインと声も京極本人によるものである。同様に京極夏彦がモデルとなっている百鬼夜行シリーズの主要登場人物・(中禅寺秋彦(京極堂))とは別のキャラクターながら、素性・言動等が非常に似通っている[注釈 23]
劇中で鬼太郎たち妖怪は姿を変えられかけるが、本作特集ムックの水木との対談等でも京極は、「これが各々『妖怪の正体』なのではなく、名前を失った場合の真実で本当の姿であり、名前による姿形や音、気配等がある以上は、作中の一刻堂の言及通りに妖怪はこの世に居なくてはならないモノ」と言及している。
石動 零(いするぎ れい)
声 - 神谷浩史[32]
アニメ第6作に登場する高校生男子。第50話から登場。一本ずつ赤い線が通った無数の跳ねた毛の黒髪と鋭いつり目、両耳にしたピアス、細身ながら筋肉質の体が特徴的。普段はパーカーを着ているが、鬼神の腕を使う時は脱ぎ捨て黒いタンクトップ姿になる。両親は既に他界しており、孤児だった自分を鬼道衆の師匠に拾われ育てられた経緯を持つ(鬼道衆との血縁関係はない)。自分の恩人である師匠らの里を何者かに壊滅させられ、「守るべき者を守れなかった」ことに負い目を感じている。本編で直接語られていないが(設定では)、奈良県出身の16歳で、里を滅ぼされたことをきっかけに新宿の高校に転入し、東京を中心に復讐の機会を窺っていた[33]。倒した妖怪の魂を「オン(唵)」の掛け声で取り込み、その力を身に宿して使う呪装術を使用できる(その呪装術は妖怪を倒せば倒すほど強くなる能力だが、妖怪の魂を大量に取り込むことは諸刃の剣であり、いずれ肉体が耐え切れなくなる禁断の術であることが第74話で判明)。霊弓や霊符を扱える技術も持ち、黒坊主以前に登場した妖怪を難なく倒し、鬼太郎と互角に戦うなど高い戦闘能力を持つ。格闘センスも優れており、飛び掛かったマンモスの攻撃を簡単にかわして回し蹴りでKOしている。また妖力の込められた声を最新の消音イヤホンで防ぐなど、文明の利器も活用する。その一方で、記録が少ない黒坊主の正体や鬼道衆の術の秘密を知らないなど、鬼道衆一族の全ての知識を完全に極めている域までには達していない。里を滅ぼされた恨みから妖怪に対する憎しみと復讐しか頭に無く、鬼太郎に対して宣戦布告ともとれる発言を言い放つ。それなりに正義も志してはいるが、独りよがりな思考が目立つ。妖怪(半妖怪も含む)に対しては無慈悲で、害悪と見なせば事情があったり戦意喪失していようと容赦ない攻撃や拷問を加え抹殺し、魂を自分の力の糧として利用し「人間に仇なす妖怪の類は全て狩られるべき害悪」と言い切る。しかし、人間に無害で悪の心を持たない妖怪であっても、その能力欲しさに殺してしまう冷酷さも見せるため、鬼太郎たちは妖怪をただの道具としか見ていない零に強い怒りと嫌悪感を露わにした。人間に対しては「良かろうが悪かろうが生かす」主義で悪人相手にもそれなりに制裁はするが抹殺はしない。復讐心のためか、自分の命さえも軽視している節もある。
第74話で妖怪を取り込みすぎたことで体はすでに限界を迎え始めるが、それに構わず玉藻前を倒すために子泣き爺、ぬりかべ、砂かけ婆を取り込み、ムジナの能力で玉藻前の分身に近づき戦うも返り討ちに遭う。第75話で一反木綿までも取り込み完全に肉体が限界に達した状態で鬼太郎と再び対決するが、「人間は善、妖怪は悪」という自分の物差しでしか価値を決められない発言が鬼太郎の怒りを買い、取り込んでいた「子泣き爺」「ぬりかべ」「砂かけ婆」「一反木綿」の魂に抑えられ敗北してしまう。その際にサヤの声に説得され、鬼太郎にこれまで取り込んでいた「子泣き爺」「ぬりかべ」「砂かけ婆」「一反木綿」「鵺」の魂を鬼太郎に還す。その後、伊吹丸の魂を経て鬼太郎に協力し、共に玉藻前を撃破した。先の鬼太郎たちとの戦いやサヤの声、伊吹丸の声かけで自分の間違いに気付き改心しており、鬼太郎に魂の処置は譲った(「鵺」以外は閻魔大王が功績を認めて復活している[注釈 24])。
事件解決後は伊吹丸の魂と共に(伊吹丸曰く「鬼道衆としてはまだまだ未熟でこれから修行をやり直させる」とのこと)旅立つ。第96話でぬらりひょんの裏切りによって暴走したバックベアードによる世界滅亡の危機を見かね、伊吹丸と共に駆け付けて鬼太郎を復活させるためにまなたちに協力する。お互い存在は聞きつつも先の玉藻前との戦いでは現場で入れ違いになったため、今回アデル・アニエス姉妹と初対面となり、まなから「鬼太郎の仲間」と紹介された際は「仲間でもないが敵でもない」と告げて中立的な言動も見せるが、最終的に鬼太郎復活時は笑顔を見せ、味方の立場・態度を取っている。
サヤ
声 - 祖山桃子
アニメ第6作に登場した鬼道衆の里の少女。左目を前髪で隠して着物を着ている。零を「零兄ちゃん」と呼び親しかったが、玉藻前に里を壊滅させられた際、零に看取られながら落命しており、「妖怪が、鬼道衆よくもって、お師匠様、守ってくれた、けどみんな」と途切れ途切れではあったが意味深な遺言を残し、零はサヤの死を悲しみながら弔った。第75話中盤では鬼太郎に敗北した零に「もうやめて。みんな(妖怪)の魂を返してあげて」と悲しみながら語りかける描写があり、零は鬼太郎に仲間や鵺の魂を返した。
師匠
声 - 谷昌樹
アニメ第6作に登場する鬼道衆の一人で零の師匠。本名は不明。第74話で零の夢の中に登場。両親を亡くした零を拾い育てた。玉藻前に里を壊滅させられた際に落命している。
天童 ユメコ(てんどう ゆめこ)
声 - 色川京子
アニメ第3作の人間側ヒロイン。父母、弟との4人家族。小学4年生で、正確な誕生日は不明だが4月生まれ(29話でねずみ男曰く)。濃い茶髪のロングヘアが特徴。身長143cm、体重39kg、将来の夢は絵本作家[34][35][36]
鏡じじいに狙われて姿を奪われたが鬼太郎たちに救出され、それをきっかけに鬼太郎たちと友達になり、ゲゲゲの森に出入りするようになる。一見控えめだが、「これからは人間と妖怪、仲良くしなくっちゃ」と強気で積極的。勇気もあって危険な所へ鬼太郎を助けに行く時も妖怪たちと同行し、劇場版第4弾では火車・山童を猫娘と共にゴルフクラブで殴打して気絶させるなど、過激な面も多い。鬼太郎ファミリーに対してほぼ全員「さん」付けで呼び、ファミリーからは「ユメコちゃん」と呼ばれる(マスコット的な扱いもされるシーサーのみ呼び捨てで、彼からは「ユメコさん」と呼ばれる)。
小学生の割に実年齢以上の大人びた美しい顔の外見ゆえ、女好きな妖怪の目標にされることも少なくない。自分を襲った妖怪をも思いやって改心させるほどの優しさや寛容さを持つが、その一方で自身の願望からねずみ男などの自分への好意を利用したりもするなど、好奇心も旺盛である。自分の容姿が美形であることへの自意識も強い。自身を救ってくれた鬼太郎を愛するようになり、第49話に至ってはキスをせがむといった積極的な行動までしている。ねずみ男にも惚れられて付き纏われることには辟易しているが、時には逆手にとって自分の非をねずみ男に擦り付ける。ちゃっかりした計算高さも潜ませているため、自分の思惑通りにならなかったら鬼太郎やねずみ男たちにも理不尽に八つ当たりする事まであった。猫娘とは鬼太郎を巡る恋敵であると同時に親友でもある。ユメコとネコ娘が一緒の時は、よく周囲の男性からネコ娘と対比されてユメコは可憐な少女に扱われる[注釈 25]
地獄編ではねずみ男が掘り出した奇妙な枕の魔力で地獄に落とされてしまう。後を追った鬼太郎たちと再会し同行する。最終回では地獄から地上に向かう際、ヌルリ防を倒して後から追いついた鬼太郎に駆けよる途中で天井の岩が崩れて落下し、その岩で頭部を強打して死亡するが、鬼太郎の母から閻魔大王に与えられた命を譲られて生き返った。その後鬼太郎達と出会う前の時間に戻され、鬼太郎達との出会いや思い出は一度は夢として消えたが、忘れたくない思いが通じたことで再会を果たす。
後に漫画でも、『最新版』第11話「ぬらりひょん、最後の戦い」に登場している。中学生になっており、二人の関係が最終的にどうなったかを暗示させていた。この『最新版』では、鬼太郎に助けられて友達となった山田健太と中学校の同級で、席も隣同士である。
アニメの後日談的な内容のスーパーファミコン版『ゲゲゲの鬼太郎 復活! 天魔大王』では大人になった未来のユメコが1980年代の鬼太郎へ1999年の鬼太郎の危機を報せる手紙を時を越えて送るシーンがプロローグとなっている。
実写映画第1作のノベライズ版では三浦健太が鬼太郎の話や妖怪ポストの場所を知っていたのは、ユメコの親類に当たる少年から聞いたという流れになっている。
天童 星郎(てんどう ほしろう)
声 - 高坂真琴
ユメコの弟で小学生。腕白な性格。姉が行方不明になった時は彼が鬼太郎への依頼を提案した。この時は鬼太郎を「日本のゴーストバスター」だと両親に説明している。姉共々ゲゲゲの森に出入りし、鬼太郎を尊敬している。成績はあまり芳しくなく、優等生の姉と比べられることをコンプレックスにしている。
天童 優子(てんどう ゆうこ)
声 - 川浪葉子
ユメコと星郎の母親。第2話より準レギュラーとして登場。茶髪のショートヘアが特徴。彼女の母「おはな」が鏡じじいを守護神と崇める村に育ち、鬼太郎たち妖怪にも理解がある。
天童 正夫(てんどう まさお)
声 - 佐藤正治
ユメコと星郎の父親。第2話より準レギュラーとして登場。厳格な雰囲気の会社員で頭が固く、何度か妖怪の被害を受けても素直に存在を信じようとしない程に頑固な性格。
はな
声 - 色川京子
天童優子の母でユメコと星郎の母方の祖母。姓及び「はな」の正式な表記は不明。鏡爺からは「おはなちゃん」と呼ばれている。少女時代はユメコに瓜二つで、鏡じじいを守護神と崇める村に住み、村の少女たちの中でも特に鏡じじいの宿る鏡を大切にしていた。第2話にて鏡じじいの回想や目玉おやじの再現映像(少女時代から、結婚して優子を出産するまで)のみの登場で、第3作本編の時点で健在かは不明。
石橋 綾(いしばし あや)
声 - 石橋桃[12]
アニメ第6作に準レギュラーとして登場するまなや雅や蒼馬と同級生の少女。髪を二つ縛りにしてメガネをかけており、まなや雅と同様に整った容姿をしている。背はまなより少し高い。第8話より登場し、まなや雅と共に行動していた[注釈 26]。第46話からストーリーにも関わるようになる。まなや雅とは一緒に登下校したり、初詣や休日のショッピングも一緒に行くほど仲が良い。将来の夢はパティシエールになること。当初はまなや雅同様に妖怪の存在を否定まではしないながらも、それほど本気に信じてはいなかったが、まなが関わった一連の事件もあって妖怪の存在や御利益を本格的に信じるようになった。まなと同じく家族思いで友情(妖怪を含む)に厚い。
両親(父・智也、声 - 置鮎龍太郎、母・睦子、声 - 前田愛[37] は「モモ」という名の喫茶店を経営しているが、綾が生まれる前にあくどい会社を作って人々から金をむしり取っていたことで貧乏神に取り憑かれ会社は倒産して無一文となり、喫茶店を開店して現在に至っていた。綾はそんな両親の経歴は全く知らなかったため、87話で店に住み着いていた貧乏神を自分たち家族を苦しめた元凶と思い込んで追い出してしまう。その後、偶然出会い意気投合した座敷童子が居着いたことで店は大繁盛したが、両親が再び金に目が眩んで座敷童子を利用してしまい、彼らの過去を再度現れた貧乏神から聞かされ、両親に目を覚ましてもらうため、そして綾のためと歯止めが効かずに妖力を使用していた座敷童子を止めるために金を跡形も残さず燃やし、このことで両親は自分たちの過ちに気付き今度こそ改心し、座敷童子も自分の行いが間違っていたことに気付いた。そして綾たち石橋一家は分不相応な財産を処分して座敷童子ともお別れし、元の店から出直して再出発を始めた。
ぬらりひょんとバックベアードによる事態が収束した代償でまなの鬼太郎達と出会って以降の記憶が無くなった後もまなを気遣いながら雅たちと共に友情は続き、まなの記憶は10年後に再生された。
裕太(ゆうた)
声 - 古城門志帆[38]
アニメ第6作に登場する小学生の男児。まなの家の隣に住み、眼鏡をかけている。鬼太郎と同じくらいの身長。いじめられっ子のように気弱な性格だが、まな同様に好奇心は旺盛。まなには、お隣同士という縁があることから弟のように大事に思われており、「まな姉ちゃん」と呼び慕っている。妖怪に詳しい祖母の影響から妖怪はいると信じており、鬼太郎を始め多くの妖怪のことを知っている。大翔とは同級生でよくからかわれているが、お互いに友達同士ではある。
祖母から聞いた話で、人間が木(吸血木)に変わる一連の怪事件は妖怪の仕業であると蒼馬と大翔の兄弟に主張していたが信じてもらえず、唯一構ってくれたまなに「妖怪ポストに手紙を入れれば鬼太郎が来てくれる」と話し、半信半疑ではあったがまなが手紙を妖怪ポストに出すというきっかけを作った。
4話では、まなから鬼太郎たちの事を詳しく聞き[注釈 27]ゲゲゲの森に行けないものかと入口を探した結果、トンネルを見つけ偶然ゲゲゲの森に迷い込んで(出入りを許されていないため出られなくなってしまった)、鬼太郎たちと出会い、目玉おやじの提案で鬼太郎に「森にあるものには決して触れない」ことを約束して森を案内してもらう。途中でつい好奇心に負けて約束を破り、山爺の赤い木の実をもぎ取ったせいで山爺を怒らせゲゲゲの森に異変を起こしてしまうが、そのことに気付いた鬼太郎の指示に従い実を返したことで異変は収束した。反省して山爺に謝罪し好奇心と無知さを咎められながらも、まだ善悪の細かい判断が付くまで成長していない子供として許され、二度としてはいけない戒めの印として掌に×印を書かれ、ゲゲゲの森に行ったことを誰にも話さないことを条件に人間界へ送り返された。砂かけ婆や一反木綿が言うところによると、過去にも人間がゲゲゲの森に迷い込んだ事は何度かあり、裕太の前に来たのは(寅吉)(とらきち)という人物(当時は少年)だったが、それは二百年以上も前の出来事で、油すましも「人間がゲゲゲの森に来るのは珍しい」と語っていた。また、一反木綿は昔の寅吉や今回の裕太など稀にでも人間の中から子供の時にゲゲゲの森に入れる者が現れる理由を疑問視していたが、それについて目玉おやじは「人間は子供の時には魂がまだ安定しておらず、その時点では人間と妖怪の中間のような精神状態」という理由から、「妖怪の存在を信じて純真に縁のある者だけが入れるのではないか」と推測している。
蒼馬(そうま)
声 - 新井良平[38]
アニメ第6作に登場するまなと同級生の少年(小説「3・11の獏」にてまな曰く、幼稚園からの腐れ縁)。弟・大翔が同級生である裕太をからかっていると、兄であることからまなによく成敗される。最初は妖怪などを信じていない現代っ子だったが、実際は小心者でもあり鬼太郎が突然現れた際は、まなを見捨てて一目散に逃げ出すなど無意識に得体の知れないものへの怖さは感じていた。時折悪ふざけも見えるが、年長者や恩義のある相手には礼儀正しく感謝も示したり、自分の非を後で素直に反省するなど、捻くれた面の多い弟の大翔よりは総じて良識的でもある。12話で八百八狸に政権を乗っ取られ狸政権となった際は、弟共々狸の尻尾を付けられ反たぬき派の男児を虐めてしまうが、狸政権崩壊後は反省し、この一件で妖怪の存在も信じるようになる。妖怪絡みの事件に巻き込まれる事も比較的多い。
大翔(ひろと)
声 - 森下由樹子[38]
裕太の同級生の男児。蒼馬の弟。かなり生意気な性格で、よく裕太をからかっており、そのたびに兄がとばっちりを受ける。まなのことは「デカまな」というあだ名で呼んでいる。兄・蒼馬同様、妖怪など非科学的なことを全く信じようとしない現代っ子。12話で八百八狸に政権を乗っ取られ狸政権となった際は、兄共々狸の尻尾を付けられ反たぬき派の男児を虐めていたが、狸政権崩壊後は一応妖怪の存在を認識するようにはなった。兄以上に捻くれているが、普段はからかいつつも裕太とは兄の蒼馬と3人で一緒に遊ぶことが多く、裕太が危機の時は心配する様子も見せる。
大翔の他に蒼馬にはあかり(正式な表記は不明)という妹もいて、2話でまなとスマホのLINE(作中では「レイン」と称されている)にて対話しているが、直接には未登場。
電池組(でんちぐみ)
アニメ第6作に準レギュラーとして登場する3人組の女性アイドルグループ。決め台詞は「あなたのハートを充電しちゃうぞ」。初登場の第2話で大勢のファンと共に見上げ入道に霊界送りされてしまうが、鬼太郎とまなの活躍により救出される。第61話ではニッケルカナがメインとなる話で登場。第67話ではニューシングルを発売。カナ曰くアイドルカーストでは真ん中の位置。直接登場しなくても看板やポスター等で割合頻繁に姿が描かれることは多い。3人とも下の名前は本名らしく示唆されるが、正式な表記やフルネーム等は不詳。
ニッケルカナ
声 - 森下由樹子[8]
単二アイドル、衣装はレモン色。オレンジ色の短髪の眼鏡っ娘の女性。キャラ付けは不明。アイドルになる前は黒髪の長髪で、同級生から「塩対応」と言われるほど暗い性格の潔癖症スクールカーストの最下層にいた。そのため上の人達を見返したくなり、ある日スマホで見つけた短髪の美女に憧れ、自ら髪を切ってアイドルになった経緯を持つ(まな達と同じ制服だった)。本来は視力2.0で悪くないのだが、キャラを付けるために眼鏡をかけるようになり、先述の潔癖症のため人に触れることが苦手でも握手会で我慢する、好物は酒だがプロフィールにイチゴと書き込むなどアイドルとしての自分を保つための努力をしていた。
グループ内カーストではいつも最下位で行き詰っていたところ、豆腐小僧と出会い、彼から元気付けるためにもらった豆腐を食べたことでその美味しさで活気を取り戻し、その過程で豆腐小僧がマネージャーとなる。その後ねずみ男が便乗して「ニッケルカナの手作り豆腐黒蜜きな粉かけ」を本人が食べさせることで人気を急上昇させることに成功、最トップとなるがカナ自身はこれで本当に良いのかと思い悩む。そこへねずみ男が妖怪カビが生えてしまった豆腐にまで手を出したことで、ライブ会場ばかりか街中がカビだらけとなってしまい恐怖と罪悪感にかられる。しかしそんな中、カビ塗れになってしまったファンから「いつもカナちいに元気をもらっているから」と励ましの言葉を聞かされ、豆腐小僧から豆腐をもらって元気をもらった自分を思い出し、カーストに拘りすぎて自分を見失っていたことと、自分がもらった元気を運んでみんなに笑顔になってもらいたかったためにアイドルになったことに気付き、皆を助け出すため鬼太郎たちと協力してカビを除去する。その後、自分が進むべき道を見つけるきっかけを与えてくれた豆腐小僧に感謝し、「唯一無二のアイドル」になることを目指し始める。
豆腐小僧と出会った際に、豆腐に手足が生えたような姿の「豆腐妖怪」を想像している(ぬりかべのような外見で、「とうふ~」という口癖も似ている)。
マンガンアヤナ
声 - 古城門志帆
単一アイドル、衣装は水色。黒髪の長髪の女性。キャラ付けは「元気ハツラツ」。本編で明言はされていないが、一番手カウントとグループ活動時は常にセンターポジションであるなど3人の中のリーダー格らしき位置であることも示唆されている。
アルカリユリコ
声 - 祖山桃子[5]
単三アイドル、衣装はピンク。赤毛の長髪の濃い眉毛の女性。キャラ付けは「おっとりお姉さん」。第38話では2nd写真集を発売。第59話で26歳年上の投資家・横井沢翼と婚約したが、すぐに破棄してしまった(横井沢が投資していたかまぼこ相場が、半魚人の工場でのねずみ男が起こしたバイトテロで下落したことが関係したように語られている)。おっとりキャラで売り出しているが、ハッキリと感想を言う性格で、第88話で一反木綿に告白された際には詫びの言葉も入れて断っている。
夏美(なつみ)
声 - 中尾衣里[2]
アニメ第6作で、砂かけ婆が人間界にて管理人を務める妖怪アパート爽快アパートのオーナー。セミロングヘアで眼鏡をかけた若い女性。姓は不明。
第23話から準レギュラーとして登場。50年前に爽快アパートの経営を始めた夫婦・春夫(はるお、声 - 島田敏)と冬子(ふゆこ、声 - 山崎和佳奈)の孫娘で、母親は春夫と冬子の娘・アキ(声 - 祖山桃子)。幼い頃はアパートに住み付いていた妖怪たちを愛称で呼ぶなど懐いて遊んでもらっていたが、夏美が人間の友達より妖怪たちと遊ぶ方が楽しいと言ったことを聞いたろくろ首たちは彼女の将来を考え、姿を消した状態で見守られることになる(この時既に祖母の冬子と両親のアキ夫妻は、詳細は不明だが相次いで他界している)。夏美は成長する過程で幼い頃の記憶が薄れ、妖怪の存在も信じなくなり、春夫の没後に爽快アパートを取り壊し駐車場にしようとする。思い留まるように鬼太郎が語ったアパートの来歴とろくろ首たちの話も最初は信じようとせず、婚約者と思っていたヒロ(声 - 坂井易直)という男に騙され(33年前にもアパートを狙って鬼太郎たちに懲らしめられていた地上げ屋の子分であることが判明する)アパートの権利書と実印を奪われてしまう。だが、再び姿を見せたろくろ首たちがヒロを脅かし退散させ、その際に幼い頃の事を思い出して彼女らにずっと見守られていた事も知り、「自分たちがいるから一人ぼっちではない」と慰められ涙する。その後、鬼太郎ファミリーが地上げ屋の事務所に乗り込み、権利書と実印を取り返して再度徹底的に懲らしめアパートに近づかないよう釘を刺した後、アパートが砂かけ婆に管理を任されて妖怪用のアパートになってからは、新たなオーナーとなって妖怪たちに会いに度々訪れるようになる。71話でも人間が傘を粗末に扱う様子に悲しんでいた唐傘へ傘用のアクセサリーをプレゼントするなど、アパートの妖怪たちとは良好な関係で優しい気遣いも見せている。
姫香(ひめか)
声 - 上田瞳
アニメ第6作に準レギュラーとして登場するまな、雅、綾、蒼馬と同級生の少女。まなや雅や綾と同様に整った容姿をしており、後ろ髪を一ヶ所で束ね、前髪を切り揃えている。第46話より登場し、まなたちと女子4人で行動することが多い。最終話ではねずみ男の説得を聞いて他の皆と一緒に鬼太郎を応援し、事態が収束した代償でまなの鬼太郎達と出会って以降の記憶が無くなった後もまなを気遣いながら雅や綾たちと共に友情は続き、まなの記憶は10年後に再生された。
村上 祐子(むらかみ ゆうこ)
声 - 前田このみ
アニメ第4作で準レギュラーとして登場する小学生三人組の紅一点。赤茶色のセミロングのおかっぱヘアで、身長138cm、体重33kg。地味だが優しく世話好きで、学校の成績も上位の方である[39][40]。初登場時は小学3年生で、途中から4年生に進級。登場以前から妖怪ポストの噂も聞いていて、第1話で見上げ入道に神隠しにされたことをきっかけに鬼太郎たちと知り合う。おかしな事件に巻き込まれて悩む級友に鬼太郎を紹介することもあった。ゲゲゲの森には入ったことがない。大人しく見えるが行動的で度胸もあり、鬼太郎を助けるべく化けガラスで出来たじゅうたんに乗って現場に駆けつけたり、草薙の剣を巡ってぬらりひょんと対決するといった活躍もあった。カナヅチで泳げない。マンションで両親と暮らしている。両親は共に鬼太郎達妖怪を「祐子の変わった友達」と見ており、鬼太郎が住んでいるマンションを訪問した際に目玉おやじがドアスコープから顔を出した時は気絶したり、一反木綿をタオル代わりにした時も驚いていた。
鷲尾 誠(わしお まこと)
声 - 草尾毅
アニメ第5作で準レギュラーとして登場する青年。初登場時は鴉山大学の理工学部3年生で、大学の購買部で猫娘とバイトしていたろく子(ろくろ首)と出会う。おどろおどろに操られた女子大生達に襲われて古い倉庫にろく子と逃げるが、床が抜けて転落して足を怪我してしまう。その時、一緒にいたろく子が首を伸ばして助けを呼んだため彼女が妖怪だと知るが、それでもろく子を1人の女性として愛し、テレビの人探しでその気持ちを彼女に伝え、正式に交際を始める。
少々天然な面が見られるが学業成績は優秀(後述のOB曰く「特待生の天才児」)で、大学院に進み、ろく子との結婚生活を夢見て就職活動にかかる。
第91話ではOBが務める会社の見学に行った際、周囲に自分を人間と思い込ませて働く一つ目小僧(一つ橋)に出会うが、すでに妖怪が存在すると知っていた彼には術が効かなかった。この時点でバケローの連絡先を知っているなど、かなり妖怪慣れしていた。目玉おやじからも言われたが、ろくろ首を本気で愛して彼女と一緒になる以上は、自身は人間でも妖怪たちと関わって生きていく決意をしている。
風祭 華(かざまつり はな)
声 - 小林沙苗
アニメ第5作劇場版『日本爆裂!!』の人間側ヒロイン。中学生。黒髪のポニーテールが特徴[注釈 28]。文武両道で、呼子は「完璧な美人」と評価している。
心優しいにも関わらず、周囲からはきつく冷たい性格と思われて友達はいない。学校の鏡に引きずり込まれてしまうも逃れられた。帰宅する際、幼き頃に祖母からゲゲゲの鬼太郎の呼び出す方法を教えてもらい、手紙を妖怪ポストに入れた。帰宅後に鏡の世界に引きずり込まれ、鏡爺によって姿を奪われてしまう。その後、鏡の世界に閉じ込められた鬼太郎と出会う。鬼太郎に鏡爺が倒されたことで姿を取り戻したが、鬼太郎も弱って倒れてしまい、彼を妖怪横丁まで連れて行った。妖怪横丁で妖怪たちと仲良くなり、その後人間界に戻って家に帰宅するが、母と京夜が自分を忘れていて絶望させられ、「人間の世界なんか壊れてしまえばいいのに」と思ったことで異常現象を引き起こしてしまう。閻魔大王の命を受け自分を救うために駆けつけた鬼太郎から説得されるが、絶望感のあまり周囲の人間に負の感情を抱いてしまう。そこへ京夜がヤトノカミの正体を現し、鬼太郎を人質に取られ共に大霊山に行くよう強要され、ヤトノカミの毒に苦しめられる鬼太郎に見兼ねて承諾してしまう。大霊山ではヤトノカミ完全復活の為の鍵である自分の魂を抜き取る儀式に自分を生贄として台座に寝かされ、そこへ復活した鬼太郎が駆けつけるが魂は抜き取られ、ヤトノカミは完全復活してしまう。しかし、ヤトノカミの体内にある自分の魂に鏡爺の尽力によって鬼太郎が霊界符を通して語りかけ、更に鬼太郎の霊界符と風祭家の鏡を繋がれ母親が自分のことを思い出し、自身も母親の想いを理解する。母親に自分の魂を救い出されヤトノカミを弱体化させ、最後は鬼太郎がヤトノカミを倒したことにより生き返ることができた(鬼太郎は疲れから華の膝の上で寝てしまう)。そして、母親を連れ妖怪横丁への道があった場所へ向かったが、その時は見つけることができなかった。鬼太郎も最後は「『さよなら』ぐらい言いたかった」、と別れを惜しんでいた。
風祭 琴(かざまつり こと)
声 - 折笠愛
華の母親。鏡爺からは「おことちゃん」と呼ばれている。ヤトノカミの術で華を忘れてしまうが、鬼太郎や鏡爺たちの尽力で思い出し、助けを求める華の魂を救い出して鬼太郎たちの勝利に貢献する。その後、華に連れられて妖怪横丁の道があった場所へ向かうが、道を見つけられる状況には至らなかった。
華の祖母
声 - 江森浩子
『日本爆裂!!』の冒頭にのみ登場。書籍に記録があった鬼太郎の事を華に教えていた。
谷本 淳(たにもと じゅん)
声 - 沼田祐介
アニメ第4作の準レギュラー小学生三人組の一人。第1話で神隠しにされた祐子を見つけるべく翔太とともに妖怪ポストを探し出し、鬼太郎を呼び出す。割とずぼらで学校の成績もあまり良くないが運動は得意で、三人組では唯一浮き輪なしで泳げる。活発だがガキ大将というわけではない。第29話では祖母からダイダラボッチの言い伝えを聞いており、そのことを鬼太郎に教えるなど、割合的に妖怪や伝承の類に詳しい面もある。
鈴木 翔太(すずき しょうた)
声 - 松井摩味
アニメ第4作の準レギュラー小学生三人組の一人で眼鏡をかけた男児。気が弱く怖がりで大人しいが、少し調子に乗りやすい面もある。淳と違って学校の成績も悪くはない。あまり運動は得意ではなく、祐子同様カナヅチで泳げない。
祐子と比べて出番は少なめだった。
阿部の奉連想(あべのほうれんそう)
『鬼太郎霊団 阿部の奉連想』に登場。陰陽師・阿部の晴明の血を引く天才少年。
ジンバブエで発掘された古代の財宝を基に霊文化を研究するというプロジェクトの日本代表に選ばれるが、「子供だから」という理由で取り消されてしまう。その仕打ちに対する抗議として、陰陽道における最高の術である「屍の法」を用い仮死状態となる。表向きは自殺したということにして葬儀もあげている。しかし、首相らに反省の色が見えなかったため強硬手段を取る。
式神を用いて人々を襲い、襲った人間を次々と妖怪に変えていくことで社会を混乱させるも村山田首相(当時の内閣総理大臣である村山富市に似せて描かれてある)の要請を受けた水木しげるがねずみ男を介して呼んだ鬼太郎霊団と戦い、敗れる。
その後、首相らと和解し、晴れて日本代表に選ばれた。
メリー
1960年代マガジン版の後日譚に当たる『その後のゲゲゲの鬼太郎』のヒロイン。ニューギニア近海にあるとされる「幸福の島」の酋長の娘。幸福の島は近くにある死者の領域「死の島」との間を誕生と死によって往来する独特の輪廻転生システムをとり、戦いに疲れて船旅に出た鬼太郎達はそこに漂着して島の掟で定住を余儀なくされる。鬼太郎はそこでメリーと出逢い恋に落ちたが、酋長に取り入って保安官になったねずみ男にキスシーンを目撃されてしまう。彼女に気があったねずみ男は鬼太郎が島民の経済格差を解消する革命に加わった事も調べ上げ逮捕、鬼太郎は死の島に流され肉体を失う。だが鬼太郎は死の島の霊魂達の協力を得てメリーの胎内を借りて復活(後に目玉おやじはメリーの妊娠について疑問を口にしたが、鬼太郎は赤面して回答を拒んだ)、革命に成功(ねずみ男は職権乱用の罪で終身刑に処された)。初代自由酋長となってメリーと暮らす。そのため、資料によっては彼女を鬼太郎の「妻」と記しているものもある。その後「死神大戦記」では幸福の島にいた鬼太郎が事件を知って行動を起こし、戦いの後はまた島に戻る形をとっているがメリーは登場しない(ねずみ男も解放されている)。更に後に舞台は再び日本に戻るが、鬼太郎がいつなぜ日本に戻ったかも謎である。そして鬼太郎は未婚の状態(設定)に戻り、再び目玉おやじや仲間の妖怪たちとゲゲゲの森で暮らしている。
ゆうた
松本しげのぶ版に登場する男子小学生。鬼太郎と友達になり、頻繁にゲゲゲハウスに出入りしている。非常に怖がりな性格で敵味方問わず妖怪に怯えているが、時に機転を利かせて事件解決に貢献する。同時期の第6作に登場する裕太と似通った点が多いが関連は不明。
若杉(わかすぎ)
声 - 雨宮一美(第3作)→川島千代子(第3作59話より)、柴田由美子(第3作代役)
アニメ第3作に準レギュラーとして登場する若い女性教師。フルネームは不明。ユメコの学級担任を務める。ショートヘアに眼鏡をかけている。第3話より登場し、学級で遠足に行った猫塚村で事件に巻き込まれ、猫仙人が操る猫たちに児童たちと包囲された所を鬼太郎たちに助けられた。実家はオベベ沼の近くの農家。
山田 健太(やまだ けんた)
アニメ第3作時に「水木プロ」名義で描かれた原作『最新版 ゲゲゲの鬼太郎』に準レギュラーとして登場。容姿は水木作品常連のサラリーマン山田であるが、本作では中学生の少年。
第1話より登場。がしゃどくろの呪いで同級生から虐められて自殺しかけたところを鬼太郎に助けられ(後にマガジン版の数話と合わせ再編された「鬼太郎誕生編」では、手の目に手を操られた少年の役と重ねられている)、以後は友人になってゲゲゲの森へも何度か出入りするようになる。天童ユメコとは本作では同じクラスの中学生であることが物語中盤の11話「ぬらりひょん、最後の戦い」で判明した。
三太郎(さんたろう)
声 - 日髙のり子
アニメ第4作の劇場版2作目『おばけナイター』に登場する少年野球チーム「バトラーズ」の選手。野球は下手の横好きでバットをボールに一回も当てたことがなく、「三振三太郎」と呼ばれている。バトラーズをクビにされたその日の帰り道にねずみ男に妖怪バットを与えられ、状況が一変する。バットを取り返そうとした鬼太郎たちと野球の試合となり、鬼太郎チームの最後の攻撃に普通のバットで挑むがあえなく三振し敗退。責任感から鬼太郎たちに魂をとるのは自分だけにしてくれと悲願するが、最初から魂を取る気はなかった鬼太郎たちは妖怪バットの返却だけに留める。バトラーズの一員として認められた三太郎は努力を重ねついにバットをボールに当てることができた。
1999年に花やしき他遊園地やイベントで上映された3D映画『鬼太郎の幽霊電車』でも同名の少年が登場し、容姿も瓜二つで声も『おばけナイター』と同様に日髙のり子が担当しているが、同一人物かどうかは本編での明言が無く不詳。算数のテストで0点を取ったため昨日に戻りたいと願い、ねずみ男に「妖怪ポストに昨日に戻りたいと手紙を書いて出せばいい」と言われ鬼太郎に会い幽霊電車に乗る。そこで悪戯をする過去の自分(一昨年では稲荷神社にゴミを投げつける、去年では亀の甲羅に落書きをした)と向き合い改心、「もうズルはやめにする」と誓った。
水木 しげる(みずき しげる)
声 - 富田耕吉(第1作)、あずさ欣平(第3作)、島田敏(墓場鬼太郎)
原作者の水木しげる(本名・武良 茂、むら しげる)も時折作中に登場し、鬼太郎たちと共演している。また、水木が描いた様々な史伝・評伝作品にも鬼太郎ファミリーや他の妖怪たちも登場する事があり、水木も案内・解説役で各作品本編に登場する事が多いので、共演も頻繁である。他には実在する水木の家族や友人・関係者が各業界の著名な人物も含めて登場し、鬼太郎ファミリーや山田(メガネ出っ歯)などと共演する場合もある。主な詳細や水木の家族・関係者については、「墓場鬼太郎の登場人物」・「妖怪博士の朝食」・「コミック昭和史」・「神秘家列伝」・「水木しげるの古代出雲」・「木槌の誘い」・「東西奇ッ怪紳士録」・「ゲゲゲの女房」・「のんのんばあとオレ」などを参照。
サラリーマン山田(やまだ)
便宜上代表的な通称で表記したが、原作・アニメ全シリーズで様々な役柄(サラリーマン、強盗、ギャング、貧乏芸人、科学者など)にて頻繁に登場する人物で、ほとんどが同一人物ではなく、それぞれの関連も皆無に近い。いわゆる「メガネ出っ歯の男」の容姿をしたキャラクターである。また、必ず成人男性とも限っておらず話によって少年として登場する事も多く、時には女性や老人の場合まである。少年の場合は本名ではなくあだ名で「めがね」など呼ばれたりもする。
鬼太郎の知り合いとしてはマガジン版最初期に豆腐屋の又八(またはち)という人物がいた(「夜叉」の回などに登場)。他には原作でレギュラーとして固定されたケースで前述の中学生・山田健太がいる。
全アニメシリーズに様々な名前・役柄・設定で何度も登場するため、担当声優も多岐に渡っている。『鬼太郎』シリーズ以外にも水木しげるの描く作品には概ね登場している。
実写劇場版に登場した関係者
実写劇場版第1作と第2作でも鬼太郎たち妖怪と知りあいになった人間が数人いる。
人物の名前や詳細は「ゲゲゲの鬼太郎 (実写映画)」を参照。

鬼太郎たちは妖怪や人間の他に動物たちとも交流がある。ここでは猫の仲間を挙げる。

クロ
声 - 豊嶋真千子
アニメ第5作に登場する黒猫。鬼太郎とは別の意味でのネコ娘の相棒として活動する。普段はネコ娘のアルバイトの手伝いをする事もあり、妖怪の事件を目撃した際はまず彼女に情報を提供する。首輪には鈴ではなく勾玉がついている。特徴は白い眉毛があり、その雰囲気からしてに見える。表情は人間並みで二本足で直立もできる。人語は喋れないが理解する事ができて、潜入調査も得意。妖怪横丁にもよく出入りし、目玉おやじを頭に乗せて移動手段となる時もある。
アニメ第6作でも、クロと同一個体かは不明だが、妖怪ポスト投函の手紙を中継配達したり、ねこ娘に妖怪出現情報を報告する黒猫(声 - 庄司宇芽香[41])が時折登場する。
猫楠(ねこぐす)
本来は別作品で南方熊楠(みなかた くまぐす)を描いた伝記漫画『猫楠-南方熊楠の生涯-』に登場する猫。見た目は雑種で虎のような縞模様である。体格は寸胴でやや太め。熊楠に命名される。熊楠の友人・喜多幅(きたはば)の経営する医院で飼われていた「花子猫(はなこねこ)」という猫をガールフレンドとしている。「猫楠」のラストシーンで、普通の猫ではなく大昔から人間の幸福の観察者として暮らしていた事が判明。以後他の水木作品にも花子を連れて登場。原作やアニメの「鬼太郎」本編には直接姿を見せていないが、鬼太郎と仲間たちの集合図や児童向けの絵本等の挿絵では度々一緒にいるように描かれている。
NHK連続テレビ小説・『ゲゲゲの女房』に猫楠らしき猫が登場(声 - 永井一郎)。トイレにいた水木しげるに妖怪「いそがし」にとり付かれたことを教える。

地獄関係者

小学館入門百科シリーズ『妖怪百科』で描かれた原作『鬼太郎の地獄めぐり』およびアニメ第6作では、「千引の岩」をどかすことで地獄へと繋がる道・黄泉比良坂が開かれている(日本神話の黄泉の国の記述に準じている)。基本的には秩序の側だが、中には鬼太郎たちが地獄を訪ねた時に成り行きで敵対したり、現世に現れて悪事を働いた者もいる。

 
鳥取県境港市・水木しげるロードに設置されている「閻魔大王」のブロンズ像。
閻魔大王(えんまだいおう)
声 - 永井一郎(第1作)、柴田秀勝(第2作・第4作)、郷里大輔(第3作・第5作)、大友龍三郎(第6作[42])、津嘉山正種(実写映画版)
伝承でも世間に広く語り継がれている地獄の最高権力者で東洋の地獄神。
鬼太郎たちが見上げるほどの圧倒的な巨体。鬼太郎親子の力を高く評価しており、彼らに助言や協力をしたり、逆に地獄と現世に跨るようなトラブルの調査・解決を依頼したりする。名の初出は貸本『アホな男』で、鬼太郎親子を訪ねて来た記述がある。姿の初出は『死神大戦記』。
アニメ第1作は20話、第2作は34話に登場し、どちらの作品も鬼太郎親子と親しい描写はない。第3作では特に出番が多く、鬼太郎達だけでは為す術がなくなった際に助言や協力をしてくれた。
第4作でも鬼太郎親子とは親しい様子で、事件の依頼をすることもある。怒ると現世に雷雨が轟く。
第5作では地獄の盟主なだけあって、鬼太郎同様に「地獄究極奥義」を繰り出せるが、使用した獄炎乱舞の威力と規模は鬼太郎の比にならないほど強大。閻魔大王の場合、奥義の発動に「地獄の鍵」を必要としない。
第6作では過去作と異なり、鬼太郎親子は終始対等な口調で接している。名無しによって消滅させられた猫娘の復活を嘆願してきた鬼太郎と「密約」を結び、ねこ娘を甦らせる代わりに何者かの手で地獄から脱獄した「大逆の四将」の捕縛任務を鬼太郎に命じた。74話では九尾の狐・玉藻前の本体に食い殺され、地獄を支配されてしまったが、玉藻前が倒されたと同時に復活した。そして、鬼太郎が四将の捕縛を達成すると功績を認め、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべを復活させた(ねこ娘と違い、通常の状態で復活している)。事件解決後の76話冒頭で誰が四将を解放させたのかは所持する「浄玻璃鏡」をもってしてもわからず、僅かな目撃情報があるのみで引き続き鬼太郎に調査を依頼した。鬼太郎たちの調査が進む内にぬらりひょんが四将を脱獄させた事が判明。しかし、96話でぬらりひょんとバックベアードが手を組み、大量の死者が出たうえに鬼太郎も卑怯な日本政府の女性総理の手で(裏で導いたのはぬらりひょん)消滅させられ、浄玻璃鏡で調べても現世にも地獄にもいないことが判明し、自身も管轄外で手出しができない「あらざるの地」に陥ったと推測して、その旨を目玉おやじ・ねこ娘・まな・アニエス・アデルに説明した。
五官王(ごかんおう)
声 - 広瀬正志(第5作)
伝承では嘘をついた罪を裁く。アニメ第5作に登場する十三王の一柱で閻魔大王の副官。武骨で荒々しく最初は鬼太郎を快く思わなかったが次第に認めていく。剣術を主に戦うが、バリアーや雷と共に飛来する能力を披露している。「地獄の鍵」とその使用法にも詳しいが、彼含め十三王(閻魔以外の十二柱)自身が奥義を使用できるか否かは知られていない。下記の宋帝王と共同で、閻魔大王不在の場合代わりに地獄の保持を司ることも可能。
宋帝王(そうだいおう)
声 - 竹本英史(第5作)
伝承では異性を騙した罪を裁く。アニメ第5作に登場する十三王の一柱で閻魔大王の副官で五官王と双璧をなす。穏やかで物腰の柔らかい人物である。当初は彼に化けた初代ドラキュラ伯爵が登場し、本物は数十年前に血の池地獄に沈められ封印されていたが、ねずみ男と猫娘のおかげで解放された。
泰山王(たいざんおう)
陰陽道の主祭神でもあり、死者の裁きの最後に控える。アニメ第5作では十三王の一柱として、小柄な白ひげの老人姿。
蓮華王(れんげおう)
十三王の一柱。アニメ第5作では顔のほとんどを布で覆った小柄な女性。丸盾に鎖分銅を付けたような武器を背負う。
慈恩王(じおんおう)
声 - 中友子(第5作)
十三王の一柱。アニメ第5作では蓮華王の頭に乗るほどの小柄な女性で、リスのような顔をしている。「〜ちゅうに」が口癖。
五道転輪王(ごどうてんりんおう)
声 - 小西克幸(第5作)
十三王の一柱。アニメ第5作では眉毛を生やした両生類のような顔。
祇園王(ぎおんおう)
声 - 真殿光昭(第5作)
十三王の一柱。アニメ第5作では口ひげを生やしたカエルのような顔で、地獄一クイズ大会で慈恩王・五道転輪王と共に司会を務めた。
秦広王(しんこうおう)
十三王の一柱。アニメ第5作では大柄な白髪の初老男性の姿。
都市王(としおう)
十三王の一柱。アニメ第5作では赤ら顔の巨漢。両端が三日月状の鎖を持つ。
平等王(びょうどうおう)
十三王の一柱。アニメ第5作では長い金髪の青年姿。
初江王(しょこうおう)
十三王の一柱。アニメ第5作では黒い眉と口ひげを伸ばした中年姿。鉞を背負う。
変生王(へんじょうおう)
十三王の一柱。アニメ第5作では黒髪の女性。双身の刀を持つ。
奪衣婆(だつえばばあ)
声 - 増山江威子(第3作)、鈴木れい子(第3作)、山本圭子(第3作・地獄編)、れいみ(第6作)
賽の河原三途の川)の番人の一人で、死後やって来た全ての亡者の衣を奪うように脱がして、それを河原に生えている木の枝に掛けて、その重さによる枝のしなり具合で罪の有無と罪の大きさを量るという、伝承でも有名な鬼女。
初登場は「死神大戦記」。「奪衣婆」(アニメ化第3作39話)では人間界の新聞で老婆と青年のデートを見て真似たくなり、閻魔大王から「万有自在玉(ばんゆうじざいだま)」を盗んで人間界に来て、美女への変装と玉の力で盗んだ宝で男を誘おうとした。誘ったねずみ男が与えた宝を売って警察沙汰になったことを怒り、彼や鬼太郎を玉の力で消してしまう。目玉おやじは地獄へ調べに行って又五郎鬼から「金剛針」を借り、それで玉を壊すと奪衣婆は無力化し鬼太郎達も元に戻った。婆は地獄へ強制送還される。
地獄編の「血戦三途の川」では閻魔大王の命令で鬼太郎一行の地獄侵入を阻む。相棒の懸衣爺と組み、霧を吐いて一行を分断した後に三途の川の大蛇や十鬼(じっき)を率いて襲う。最後は全てを食い尽くす地獄蟻を琵琶の音で操って鬼太郎達を追い詰めるが、目玉おやじに脳操縦されて自分を襲わせる曲を弾かされ自滅した。アニメ第3作では初めから婆で娘時代の思い出が無いことを嘆き、万有自在玉で地獄への通路を開いて若い男を誘い込み、エキスを取って若返ろうとした。追って来た鬼太郎たちには玉の力で鬼や地獄犬を操って対抗。だが猫娘によって又五郎鬼から借りた針で玉を破壊された上、閻魔大王によって地獄を追放され人間に転生する罰を受ける。被害者たちは閻魔が特別手配した霊界列車で帰された。後に地獄編2話でぬらりひょんによって復活。子供の亡者に化けて鬼太郎を欺き、武器を奪い大蛇に食わせようとしたが、大蛇を撃退されて逃げようとした所を地蔵菩薩の光で消された。
第6作では第7話登場(クレジット表記は脱衣婆)。電車事故で死亡した社長(声 - 手塚秀彰[43])の魂を乗せた幽霊電車が鉄橋を渡る頃に窓の外に姿を現し、影状の姿で車内を飛び回って天井から実体化、「三途の川を渡る亡者の衣を奪い、罪の重さを計る」という役割の通り、社長のジャケットを奪った。この社長は生前に酷いパワハラを繰り返し何人もの社員を自殺に追い遣った人物で、亡者となった社員の恨みで電車に引き込まれて死亡するが、そのことに気付かず現世を彷徨い続けていたため鬼太郎の手引きで地獄行きの幽霊電車に乗せられた。
懸衣爺(けんえじじい)
奪衣婆の相棒の鬼。「血戦三途の川」に登場し、刀で鬼太郎を襲うが、指鉄砲とリモコン手に敗れた。
牛頭(ごず)と馬頭(めず)
声 - 半田裕典(第6作・牛頭[42])、高塚正也(第6作・馬頭[42]
牛と馬の獣人のような姿をした地獄の兵士たち。大王庁の護衛や侵入者の排除、罪人の刑罰を担当している。また、地上で人間が悪事を働くと彼らに目をつけられる。
アニメ第5作では複数個体が登場。アニメ第6作では51話から一個体ずつのみ登場。
三虫(さんちゅう)
声 - 塩屋翼(第3作)
伝承もあるが、本作では「猫娘とねずみ男」(アニメ第1作20話、第3作55話)に登場。人間の体内に棲むとされる虫のような魔物で、宿主の悪行を閻魔大王に報告するなどして寿命を縮める。ねずみ男はそれを利用して「長寿教」を興し、病人や老人に三虫を弱らせると言ってインチキ薬を売りつけたり、悪事で儲けた財産を浄化すると言って寄付を巻き上げたりした。そのため財産を失ってのたれ死んだり、偽薬を飲んでさらに体を壊し死んでしまう老人が続出する。そのため、ねずみ男の体内にいた三虫がこの悪事を報告(原作や第1作は説明のみで、第3作のみねずみ男の体から飛び出し面倒そうに報告に向かう画像が描かれた)、閻魔から処罰指令を受けた鬼太郎は猫娘に協力を頼む。
アクアク
声 - 北川米彦
アニメ第2作第35話「イースター島奇談」に登場。イースター島に伝わる地獄の使者。骸骨のような顔に地面に着きそうな白い長髪が生え、髑髏が付いた杖を携えている。不気味に笑いながら歩き、相手に恐怖を感じさせる。占い師の男・福島(声 - 野田圭一)が商売敵となった同じ占い師の老女・アレスを殺して海外へ高飛びするが、福島は失踪した父親(声 - 増岡弘)が遺した日記に「イースター島の地獄の使者に会った暁には金も命も幸福も思うままにできる」と記されていたのを読み、自分もその術を手に入れるためイースター島へ向かう。鬼太郎はねずみ男と猫娘がアレスの助手をしていた縁で事件を知り、霊界テレビで一部始終を見てアレスを虫けらを捻り潰すように殺した福島の行為に憤慨、ねずみ男の案内で福島の家に向かうが既に引き払った後であった。それでも手がかりとしてイースター島の地図を見つけ悪事の報いを与えようと島へ向かう。そしてモアイ像地下の隠し部屋で見つけた石碑の文字を目玉おやじが解読し「赤い月が中天にかかるとき、13匹の蝙蝠が空に舞うとき、石像の目が血の涙を流すとき、汝の影は三時になり地獄の使者はアクアクの精霊に招かれ汝の呼びかけに応えるであろう」という方法が判明。福島はそれを実行した結果アクアクが現れ、恐れおののいている内にモアイ像が倒れ重傷を負う。アクアクは鬼太郎に福島の身柄を渡すよう頼まれるが「そんな奴ならなおのこと地獄へ連れて行かねばならん。儂に任せとけ、お前の気が済むような処罰はしてやる」と笑いながら告げて福島を地獄へ連行した。帰国後に猫娘から福島が自首してきたと聞いた鬼太郎たちが留置所に行くと、福島は彼らの目の前で突然白骨と化した。鬼太郎たちは「これが地獄の処罰だ」と評し驚いていた。
極楽鳥(ごくらくちょう)
「死神大戦記」に登場。サタンからユニコンの鏡を取り戻そうと考える水木達に、閻魔大王が付けさせた鳥。その姿は妖怪画にある陰摩羅鬼そっくりである。千里眼を持っており、喋ることも可能。人間を掴んで空を飛ぶこともできる。溺れていた少年・カラスを助けた後、なぜか姿を見せなくなった。
又五郎鬼(またごろうおに)
声 - 西尾徳(第3作)
「奪衣婆」(アニメ化第3作39話)に登場した、地獄の鬼の一人。太目の体格でギョロ目と大きな前歯が特徴。原作では名の読みは「またごろうき」。現世に現れた奪衣婆の事を地獄へ調べに来た目玉おやじと会い、奪衣婆が盗んだ「万有自在玉」を壊す「金剛針」を渡した。
火男(ひおとこ)
地獄編「最後の出会い」とアニメ地獄編6話に登場。地獄に住む溶岩の妖怪。燃え盛る灼熱の体を持ち、大きな声を上げると集団で襲いかかってくる。鬼太郎達を襲い、血の池へ追い込んだ。
ヌルリ坊
声 - 塩屋浩三(第3作・地獄編)
地獄編「最後の出会い」に登場。血の池地獄の主を名乗る妖怪。海坊主に似た姿で、怪力と口から吐く息が武器。血の池に入った鬼太郎一行を体内で飼っている蛭の群れに襲わせるが、体内電気で蛭を倒され、自身はリモコン手と指鉄砲で倒された。アニメでは初登場の地獄編6話にて津波を起こして鬼太郎達を離れ離れにさせた。最終話ではぬらりひょんの部下として登場しており、その怪力で鬼太郎達を追い詰めた。最後は鬼太郎のリモコン下駄で天井の岩を落とされその岩が頭上に突き刺さり破裂した。

神と仏

自然を支配する力を持っており、妖怪より格上の存在。

迦楼羅(カルラ)
声 - 柴田秀勝(第2作)、内海賢二(第3作)、河合義雄(第4作)、野田圭一(第6作)
千手観音を護った二十八部衆の一人である異境の神。伝承ではインド神話の神鳥ガルダが仏教に取り込まれ護法善神となり、八部衆後に二十八部衆の一員となったのが迦楼羅と言われており、翼が生え頭部の背後に光背を付けた鳥のように尖った口の鳥人の容姿をしている。
『牛鬼』の回に登場し、八万年程前ある島へ牛鬼を退治に現れて牛鬼の本体である生きた気体を牛鬼岩に封じた。自身が吹く横笛の音(アニメではシリーズによって音色が異なる)で牛鬼を火口まで誘導することができ、牛鬼を火口へ落とした後分離した本体(牛鬼の本体である生きた気体は誰にも目視できないが、迦楼羅は目視できるのかもしくは気配を感じたのかは不明)を透かさず袋(もしくは風呂敷)で包み封じる。普段は島の鎮守の社に祀られており、よほどの大事が起きない限り千年でも二千年でもじっとしているが人間の力ではどうにもならないことが起きた時、社の前で人間が一心に祈り手を合わせた時に現れ力を貸す。復活した牛鬼を倒し鬼太郎を救うために、目玉おやじ(アニメ第3作では子泣き爺、第6作では島民の少年・恭輔〈きょうすけ、声 - 津田美波〉の祖父〈声 - 田中亮一〉)が迦楼羅の社へ島民を誘い、集まり祈りを捧げると現れ、牛鬼を火口(アニメ第4作、妖怪千物語では海)に誘導して落とし鬼太郎から分離した本体を再封印し(原作では島民に穴を掘らせ、その穴に牛鬼を閉じ込め石で蓋をしてを作るというやり方)自身の素性と牛鬼の秘密を明かした後、「もう誰も牛鬼岩(何人たりとも触れてはならないという昔からの印)に近づくことも手を触れることもあってはならぬぞ」と人間に無知と思い上がりに釘を打ち社へ戻って行った。
アニメ第2作15話では黄土色の肌で登場。口は尖っておらず人間と差ほど変わらない顔付きをしている。
アニメ第3作42話では赤い肌で登場。燃え盛る巨大な炎が人の形となって現れるという登場をしている。
アニメ第4作6話では半透明な姿で登場。本作以降は飛びながら横笛を吹く。袋や風呂敷は使わず牛鬼の本体を札に封じる。目玉おやじの親心に打たれ、鬼太郎達を海から引き上げた。
アニメ第5作14話ではほとんどの人間が社に祈ろうともしなかったため人間に愛想を尽かしたが、鬼太郎が牛鬼を道連れに自分から火口の中へ落ちた後鬼太郎の身を案じる目玉おやじ、自分の身代わりになった鬼太郎を何とか助けたいというねずみ男、誤って落ちそうになり鬼太郎の死を無駄にしたくないためねずみ男を助け出そうとするネコ娘の姿に心を打たれ、透明な姿で鬼太郎を助けた。鬼太郎は助けられた時の記憶が無く迦楼羅のことは知らなかったが、「良い父と仲間を持ったな」という声は聞いていた。また、目玉おやじには迦楼羅の存在が見えて感謝していた。
アニメ第6作22話では緑の肌に強調された尖った口が特徴で目が赤い。横笛を吹き始めると嵐が一瞬で収まる。
『最新版』では、武器(髪の毛、ちゃんちゃんこ、下駄)を敵に奪われた鬼太郎に、海の幽霊族の遺産である霊類のヨロイ(髑髏の兜、逆三角形の盾、鍔が霊界スコープになっている剣)を貸した。
『妖怪千物語』では、神社の裏にある洞窟の奥の注連縄がかけられた岩戸に住む。目玉おやじたちの祈りで姿を現すが、人間が驕り高ぶり牛鬼を復活させたことから自分にはもう助ける義理は無いと頑なに拒否し、周りの重力を変え重くし押し潰される前にさっさと立ち去るよう忠告した。しかし、目玉おやじの必死の頼みと子を想う親心に心を打たれ牛鬼を海に誘導して落とし鬼太郎から分離した本体を袋に回収し、目玉おやじに「子を想うお前の親心こそが神の心であった」と告げ、牛鬼岩に袋を封印すると元の洞窟へ戻った。
大日如来(だいにちにょらい)
真言密教の教主であるであり、密教本尊[44][45]。一切の諸仏菩薩本地[44]
『死神大戦記』では、太陽系を支配する宇宙神としても登場し、全知全能不死身の存在である。自身や秘宝である太陽にエネルギーを送り、この世に光を送る神秘の鏡「ユニコンの鏡」の護衛としてユニコンや、側近に多数の仏を従えている。かつて天国の天使長であったサタンが自分の地位である宇宙神の座を奪おうと反乱を起こしたため地獄へ追放した。現在で復活したサタンに「ユニコンの鏡」を奪われ太陽が消滅する太陽消失事件を起こされてしまうが、鬼太郎一行の活躍によって無事鏡が戻り、失われていた太陽の輝きを復活させた。口から巨大な息を吹いて瓢箪に閉じ込められたサタン達を今度は宇宙の彼方に追放した。
弥勒菩薩(みろくぼさつ)
仏教において、釈迦牟尼仏の次に現われる未来仏であり、大乗仏教では菩薩の一尊。
作中では、「ユニコンの鏡」を巡って起こる宇宙戦争が解決されるたびに、解決した八百万の神々を大日如来のもとへ送り届けてきた仏として登場。鬼太郎一行を襲ったサタンの術を破り、さらに鏡を取り戻した鬼太郎と水木しげるを神として迎えた。
釈迦(しゃか)
紀元前5世紀前後の北インドに実在した人物で、仏教開祖
作中では生前人間から極楽の住人になった存在として登場し、天使長であったサタンとも縁があったようにも描かれる。弥勒菩薩に導かれて極楽へやってきた鬼太郎達を、大日如来のもとへ送った。
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
地蔵(じぞう)と略称される、六道の衆生を見守る菩薩。閻魔大王の本地仏でもある。
初登場は『蓮華王国』。奈良時代でダイバダッタの転生した鑑真即身成仏を妨害しているため、力になれる者を求め昭和時代に現れ鬼太郎に依頼した。
アニメ初登場は第3作110話、三途の川に現れる。鬼太郎抹殺に失敗して逃げる奪衣婆を消し、サラメーヤの鳩を遣わした。閻魔からの連絡が途絶えているため鬼太郎に調査を依頼する。
第5作89話ではいそがしを退治した後に、哲也・まゆ兄妹が壊れた祠に傘を差し掛けた石地蔵が井戸仙人の「石を動かす薬」をかけられて動き出し、鬼太郎や妖怪横丁の住民達と共に兄妹の母の入院先へ向かい、鬼太郎たちが提供した霊力を使って彼女の意識を回復させるのに協力する。無事に役目を果たし、「この世もまだまだ捨てたものではないですな」と言って石像に戻った。
十二支(じゅうにし)
宇宙で巨大な円形の文字盤・クロノス(時)を回している十二柱の動物神。
風の神(かぜのかみ)/ 風神(ふうじん)
声 - 田中和実(第3作)
袋を持った風を司る鬼神の妖怪。原作には未登場。
アニメでは第3作第14話初登場。さざえ鬼達の住む海を汚した工場を、排煙を逆流させ懲らしめた。その後も何回か風力で鬼太郎達を支援する。
第4作では第16話初登場。雷神(電気妖怪かみなりとは別の存在)とのコンビで風雨を起こし、巨大化した白うねりとあかなめの汚れを洗い流した。劇場版『ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター』では野球チームに参加。打席では球を風で飛ばして反則アウト。
第5作では第25話登場。運動会では障害物役を務めた。
雷神
第4作第16話で初登場。風神と共に、砂かけ婆の要請に応えて、(人間の技術では落とせない)汚れを発生させた白うねりと、白うねりを抑えていたあかなめを洗った。白うねりとあかなめを庇うねずみ男の涙、それを見た鬼太郎の祈りに雷神と風神が応えて、白うねりとあかなめは救われた。
山神(やまがみ)
声 - 北村弘一(第3作)
山に宿る神の総称。
『豆腐小僧』に登場した山神は、東京郊外の山の神で、部下の豆腐小僧が自然を破壊する人間に怒り豆腐カビをばら撒いたことで鬼太郎と戦いになったため、止めに入り和解させた。お詫びの印として「カビ落とし」という腹の中をきれいにする特製豆腐を鬼太郎やねこ娘たちにご馳走している。
アニメ登場は第3作106話で、本作では山で最も古い木の中に住んでいたが、山と体がシンクロしているため、人間が自然を破壊したことで体を壊し寝込みがちになってしまう。その昔、とうふ小僧にカビを発生させる粉を手渡していた。とうふ小僧が森林を次々伐採していく人間に怒り豆腐カビをばら撒いたため、山神は止めに入り、鬼太郎たちが森林伐採の元凶である山を乱開発していた社長を懲らしめた。
古代の神々
『こそこそ岩』に登場する数万年前地上に降り立ち、魔物達を破った神々。現在はすでに地上を去っているが、いずれ復活し地上を支配しようという魔物達の企みを予見し、魔物達が利用しようとしていた魔物達の眠りを覚ます青い血を持った少女・木村さゆり(きむら さゆり)の血の中に魔物を狂わせる物質を入れ、さらにその遺伝子に自分たちの分身を宿らせていた。そうして先手を打ち、血に含まれていた心を狂わせる物質で、魔物達を仲間同士で争わせ自滅させ、分身も役目を終えて消え去った。血を奪われた為に一度は死亡したさゆりも神が降らせたと思われる血の雨を吸収し、再び生き返った。
スィームルグ
「鬼太郎のベトナム戦記」で活躍した霊鳥でトルコ出身。ベトナム戦争時に空中戦力として鬼太郎に招集された。小柄だが、子泣き爺が石化した状態で背に乗っても空を飛べるほど力が強い。偵察に使われた事もあるが、嘴攻撃(かみ砕き)や糞攻撃などで、敵の航空戦力の減少や戦闘車両の無力化などの戦果を上げている。
ユムチャック
アニメ第2作第44話「雨神ユムチャック」、アニメ第3作第83話「雨神ユムチャック伝説」に登場。古代メキシコに栄えたマヤ文明を支配していた雨の神。ユカタン半島チチェン・イッツアという遺跡の街の中央に泉が湧いている。さらにその泉の源にもう一つの秘密の隠された泉がありそこに住んでいると言われている。
アニメ第2作では、エリート研究者の菅原と内田が、マヤ文明の遺産が隠されているという雨神ユムチャックの泉を探している所から始まる。最初は莫大な財宝と名誉が目当てであり、ねずみ男と手を組み鬼太郎を言葉巧みに騙して協力させメキシコに調査へ向かう。チチェン・イッツアのある飲み屋で菅原はカルメンという美少女と出会い一目惚れしてしまう。その場所で、ユムチャックの話を聞き出そうとしたがどこの家でも門前払いされ追い出されてしまう。菅原は、カルメンから直接話を聞き「悲しかったからです」という答えを聞き、夜の儀式で運ばれるカルメンを見て彼女が生贄にされるという悲しい真実を知り苦悩するが、最後は彼女と運命を共にすることを決意する。しかし、もう一方の内田は、すっかり欲望の虜となり協力者であったねずみ男を裏切り殴り倒す。遺跡に入った鬼太郎を尾行し、鬼太郎は遺跡の仕掛けで壁の石像の口が開き入口を見つける。そこで、鬼太郎はカルメンと出会い助けようとしたが、「これはマヤの掟なのです」「日照りで作物が萎れると、雨神を慰めるために16歳の娘と宝を捧げるのです」と断られるが、鬼太郎は迷信だとしてなおも助けようとしたが、結果的に「神でも妖怪でも構いません、私はユムチャックを信じます」と運命を受け入れ「ユムチャック様、どうか御召しを」と唱え泉の底に沈んでいく。その後、裏切られたことで怒ったねずみ男が鬼太郎を内田と間違えて取り押さえてしまい、さらに口を滑らせて当初の宝目当ての計画がバレてしまう。一方同じ頃、内田は宝目当てで菅原はカルメンを探すために泉へ潜り、とうとう雨神ユムチャックの永遠の国(別世界)に入り込む。そこで菅原はカルメンと再会し二人とも喜び合い抱き合う。内田は醜くも宝を見つけ狂喜する。その後、菅原は「金も名誉も必要なしさ。永遠の命と永遠の愛、それだけで十分満足してるんだ」と内田と別れカルメンと共にユムチャックの国に残ることを決める。内田は、宝を持って「マヤ文化発見の名誉まで独り占めか、ありがたい。礼を言うぜ」と言い残し去って行った。しかし、その光景に菅原から「礼を言うのは僕の方だよ。僕に欲の醜さを教えたのは内田、君なのだから」と皮肉られる。その後、内田は宝を盗み出したことでユムチャックの怒りを買い落石や渦潮、津波などの攻撃を喰らい、宝を落とし鬼太郎に助けられてもなお宝を持って行こうとしたため最終的に欲の為に命を落とすという自業自得な最期を遂げた。その後ユムチャックがカルメンの祈りを聞き入れたのか、遺跡近辺の町には久しぶりの雨が降り始めた。
第3作では大昔、小笠原諸島の一島・魔矢ヶ島(まやがしま)を訪れたユムチャックはそこに住んでいた雨降り小僧を日本の雨神と認識し、理想郷の番人に任命し門の鍵となる金の笛を託す。本編の時代ではその笛をカルメン(声 - 富沢美智恵)という女性が継承し、妹アルメラ(声 - 荘真由美)と暮らしていた。悪徳考古学者・内田(声 - 塩沢兼人)はアルメラを人質にカルメンを脅し、理想郷の門を開けさせ笛を奪って侵入する。内田は財宝を手にし、笛を抑えればユムチャックも来ないと雨降り小僧を唆し味方につけるが、笛を再度吹かせないと出られないと知って島に神託を送り、カルメンを生贄として呼ぼうとする。アルメラの手紙で呼ばれた鬼太郎によって生贄の儀式は中止されるが、雨降り小僧は彼らとカルメンを理想郷に引きずり込み、鬼太郎を攻撃するが敗北。内田はカルメンを人質に、鬼太郎たちを残して自分だけ外界に戻ろうとするが、カルメンがユムチャックを呼ぶ曲を吹いたため、現れたユムチャックの放つ激流に呑まれ、財宝を手放さず溺れる最期を迎えた。怒れるユムチャックは理想郷と外界を完全隔絶することにし、カルメンは彼を慰めるため残る決意を伝え鬼太郎たちを帰す。帰還後アルメラに顛末を伝えた鬼太郎父子は「理想郷は与えてもらうのではなく自分たちで築くものだと思うんだ。地上を理想郷にできた時にカルメンさんたちもきっと帰って来る」と語った。
これらの話の原作は鬼太郎の登場しない短編『雨神ユムチャック』である。
貧乏神(びんぼうがみ)
声 - 宮内幸平(第2作)、青野武(第3作)、龍田直樹(第6作[12])/ 演 - 藤井隆
住み着いた家を貧乏にする神。アニメ第2作では普通の人間のような姿で、第3作以降は杖を突きボロボロの服を着た顔の長い老人という水木の妖怪画の姿で登場している。
鬼太郎外作品「サラリーマン死神」の「枯葉」を原作としたアニメ第2作42話で初登場。日本経済が豊かになってやりにくいため死神と組む。自動車会社・シンシン工業で新製品紹介と称して公開殺人めいたショーを行い、倒産に追い込んで失業者や自殺者を出そうとした。止めに来た鬼太郎もそのショーに使った車・「ゆりかごから墓場まで」で火葬するが、復活した彼に追い詰められ、自分達が「ゆりかごから墓場まで」に閉じ込められて警察に突き出された。
第3作では「笠地蔵」を原作とした12話に登場。貧しいが気の優しい老夫婦の家に住み着いており、彼らに直接危害を加えたわけではないが住むこと自体が迷惑となるため、座敷童子や鬼太郎達に「悪事で儲けている奴の所に行け」と言われて追い出され、最終的にねずみ男を気に入って取り憑く。「猫娘とねずみ男」を原作とした55話でも、猫娘達に呼ばれてインチキ宗教で儲けたねずみ男の家にやって来る。
第6作では87話登場。過去作と違い、ぶっきらぼうだが善良な性格。綾の両親が経営する喫茶店に住み着いていたが、まなに導かれた綾に見つかって追い出されてしまう。しかし、その後も石橋家の様子を窺っており、座敷童子が暴走しかけた際に再び姿を現し、かつて綾の両親があくどい商売で多くの人を苦しめた為に石橋家に取り憑き、彼らに同じことを繰り返させないように長い間見張っていたことを語る。鬼太郎達と共に座敷童子を諫め、綾の両親が改心したのを見届けた後は、彼らから金を強請ろうとしたヤクザたちの元に厄介になろうとこっそりと付き纏っていた。
鬼太郎作品でも原作「野球狂の巻」では墓の下高校の経理担当として登場。実写劇場版第1作では、「墓の下倶楽部」の従業員として登場している。

死神

声 - あずさ欣平(第3作)、塩沢兼人(第4作)、白鳥哲(第6作[46]
本作に登場する死神はドクロを擬人化したような顔をしたものが多い。人間の寿命である「命の灯」を見届け、死人をあの世へ渡す役目も担う。キャラクターとしては、ねずみ男などと同様に他の水木作品でもたびたび登場している。初登場は原作『死神』、アニメ化作品第2作第30話(アニメ2作目の死神についての詳細は後述)。地上支配を狙い、魔女(アニメ第3作では亡者花子、第4作ではヒ一族の巫女)と結託、ねずみ男にも生き別れの兄(第3作では父)と偽り懐柔、鬼太郎を倒そうとする。目玉おやじを宇宙旅行と称して大砲で上空へ打ち上げ、魔女に「あの世から呼んだ鬼太郎の母」を演じさせ鬼太郎毒殺を試みる。だが魔女は返り討ちに遭い、自ら鬼太郎に老化の息を吐きかけた上に魂を奪って逃げようとするが、上空から風呂敷状に膨張して戻った目玉おやじに捕らえられ敢え無く敗北した。第3作では44話登場。第4作では最終回の114話に登場。大鎌を振って攻撃する。第6作では66話登場。4作同様大鎌を振り、それで真空の刃を飛ばしたり竜巻を起こして攻撃する。死神界での大出世を目論んで、200年に一度開く隠れ里を利用して子供たちの魂を奪おうとしている。邪魔者の鬼太郎を始末するためにねずみ男を騙して、鬼太郎を底なし沼に沈める。ねずみ男も用済みとして見捨て、隠れ里へ向かいそこで再び鬼太郎と対峙。最後は鬼太郎のちゃんちゃんこで身柄を拘束され指鉄砲を受け消滅した。『死神大戦記』では本項の死者を直接導く存在ではなく、地獄を支配する神や大悪魔を指して死神と呼ぶ。週刊実話版の『ダメな死神』や『貧乏クジ』には人間に近い姿の死神が登場。ゲーム『幻冬怪奇譚』では火車とモウリョウが起こしていた事件の黒幕として登場。個別の名称がある者は、後述。
42号
声 - 神山卓三
アニメ第2作に登場。鬼太郎たちに敗れた(サンデー版『死神』を原作にした第30話)後、(『サラリーマン死神』同様に)死者の魂の回収業績不振で閻魔大王直々の辞令を受けて、魂回収ノルマを達成するまで人間界へ左遷され、魂集めのために色々な妖怪と組んで鬼太郎との対立を繰り返す準レギュラーとして活躍した。妻の青子と息子の骨太の三人家族で、家族を養うために魂集めに努力する人間くさい個性を見せ、どちらかと言えば対立しているはずの鬼太郎たちを時々「さん」付けして呼び、敬語で話す場合もある。死神族は不死故に、しぶとい反面「死神のノルマ」に縛られる人間社会のサラリーマン的な悲哀も帯びている。最終回の45話でアラブの死神パシャが持っていた魂を手に入れ、ようやくノルマを達成すると、なんだかんだで世話になった鬼太郎たちに礼を言って妻子と共に地獄へ帰る。
99号
声 - 田中秀幸
アニメ第5作第35話に登場。妖怪横丁の住民で、横丁から人間界にある死神の出張所へと通勤している。元々優しい性格なので魂がうまく取れず(事故で死ぬ予定の親子を助けてしまう、臨終の老婆のもとに集まった家族に同情している間に他の死神に魂を取られる等)、家族は貧しい生活を送っている。
青子(あおこ)
声 - 小原乃梨子(第2作)、上村典子(第5作)
水木の別作品『サラリーマン死神』シリーズの主人公である106番の妻。
アニメ第2作45話でも『サラリーマン死神』シリーズと同様の設定で、42号の妻として登場する。
第5作では第35話登場。42号に近い設定の99号の妻として登場。設定のベースは『サラリーマン死神』シリーズと同様だが、第2作より逞しく夫を尻に敷いている。
骨太(ほねた)
声 - 坪井章子(第2作)、桑島法子(第5作)
水木の別作品『サラリーマン死神』シリーズの主人公である106番の息子。
アニメ第2作45話では42号の息子で、父親とアラビアの死神・パシャが「直接人間を殺してはいけない」死神の掟を破ろうとするのを知り、彼らが抜いた鬼太郎の魂を返し父を止めるよう頼む。
第5作では42号に近い設定の99号の息子として第35話に登場。父の不甲斐なさを案じ、ハワイの死神・マヒマヒとねずみ男の魂集めに協力するが、親しく話した老夫婦の魂を奪うのを躊躇してマヒマヒに見限られ、父の気持ちを理解した。なお99号夫妻には、骨太の下にもう一人子供(赤ん坊)がいる(この赤ん坊に該当するキャラクターは原作「涙ののるま」では母の胎内にいる間に父に誤って殺されてしまっている)。
100号
声 - 竹本英史
アニメ第5作第35話に登場。第2作に登場したアラビアの死神・パシャに似た性格の嫌味たらしいエリート死神。

外国の死神については#外国の死神を参照。

日本妖怪

上記の鬼太郎の仲間となった者たち以外の日本妖怪を挙げる。大半は敵役として登場。また、敵対しても“敵と味方で別個体だったり、初登場時に封印したのに再登場した者”や“原作では倒されたが一部のアニメなどで味方になった者”、そして特に敵対してはいないが、仲間と言うほどの親しい関係でない妖怪なども含む。多くは日本の古来より伝承上に記録もある存在。種族分類の項で紹介されている妖怪の中には鬼太郎たちの仲間関係になっている者も多い。アニメ第3作以降、原作や実写版も含めて、ぬらりひょんが日本妖怪の総大将的な立場で鬼太郎達と敵対する傾向にあるが、その他にも日本妖怪の中には組織的に配下を率いて悪事を企む者もおり、その規模の大小も様々である。

ぬらりひょんと関係者

アニメ第3作以降、鬼太郎たちの宿敵の1人となったぬらりひょんと、それに協力した妖怪たちを挙げる。

ぬらりひょん
声 - 槐柳二(第1作第12話ゲスト)、千葉耕市(第3作初登場第4話のみ)、青野武(第3作・第5作)、西村知道(第4作)、大塚明夫(第6作[47])、滝口順平(異聞妖怪奇譚) / 演 - 緒形拳
原作『妖怪ぬらりひょん』で初登場し、その後は多数のシリーズで「鬼太郎の宿敵」の代表格となっており、アニメ第3作以降ではシリーズを通して登場するが、シリーズによって若干性格や位置づけが異なる。
朱の盆(しゅのぼん)
声 - 小林通孝(第3作)、郷里大輔(第4作)、小西克幸(第5作)、チョー(第6作[48]
朱の盤とも書く。大きな頭で額から一本角が生えた赤鬼のような姿の妖怪。
初登場したアニメ第3作4話『妖怪ぬらりひょん』以降、後のシリーズでも、ぬらりひょんの子分かつ腰巾着として登場。ぬらりひょんの登場するシーンには必ずと言って良いほど付き従っているため、ぬらりひょん同様準レギュラーで登場。シリーズを通してのんびり屋で間抜けな小悪党として描写されている。
第3作では、人間に化け突然正体を現して驚かすくらいしか術がなく、人間の大人7人を突き飛ばす力がある(第60話)が、妖怪相手では歯が立たないほど弱い。のちにユメコの優しさに感銘を受けて改心し、地獄にてぬらりひょんを裏切り、自分ごとぬらりひょんを溶岩の中に転落させ沈んでいった。
第4作でもぬらりひょんの子分として登場。ぬらりひょんの身の回りの世話もするなど使用人的描写も多い。第3作同様に腕力はそれなりに強いが、のんびりとした性格のため戦闘にはまるで不向きで、よく天然ボケな発言をすることもある。ぬらりひょんの悪事に加担していない時は妖怪・人間を問わず礼儀正しい性格。
第5作ではぬらりひょんの最古参の配下で付き人のような位置にいる。ヘマをして叱られてばかりいるが、ぬらりひょんのように立派な悪党妖怪になることを夢とし、爆破したビルを背景に二人で記念撮影した写真を大切に所持する等、小悪党なりにぬらりひょんを尊敬しており、ぬらりひょんも第72話で朱の盆の努力を誉めるなど彼を大切に思っている。
第6作では、従来のシリーズ同様のぬらりひょんの秘書や運転手等の役割の他に身辺警護も担い、ドジを踏む間の抜けた面は変わらないがコミカルな描写は過去作より少なめで、ぬらりひょんに極めて忠実な側近として描かれている。本作では人間を直接殺めることを一切躊躇しない根っからの悪党であり、高い戦闘能力を持つ一方で護符の文字が読めないなど知能は低い。普段は強気だが、想定外の事には極度に緊張したり騒がしくうろたえる一面もある。
原作では『鬼太郎国盗り物語』の「妖怪大相撲」で初登場。この時はぬらりひょんも登場するが主従関係ではなく、朱の盆は相撲選手、ぬらりひょんは審判の一人を務め、共に鬼太郎たちとも敵対していない。
実写劇場版第1作では大裁判の原告団の一人として登場。
蛇骨婆(じゃこつばばあ)
声 - 麻生みつ子(第1作)、山本圭子(第3作)、津田延代(第4作)、鈴木れい子(第5作)/ 演 - 佐野史郎
伝承では首に蛇を巻いた老婆の姿で、夫が眠る蛇塚を守るとされる妖怪。
原作「妖怪ぬらりひょん」(アニメ第1作12話)で初登場。ぬらりひょんの仲間で医療・知恵袋的な立場を担う。他のぬらりひょんの部下とは違い、ぬらりひょんとは古くからの旧知であり同格の言葉遣いをする。ぬらりひょんに依頼されて共に鬼太郎を謀殺しようとするも、逆に鬼太郎に出し抜かれてぬらりひょんと共に先史時代に送られてしまう。アニメ第3作でも、ぬらりひょんの参謀的立場として登場する。
第4作でもぬらりひょんとは旧知の仲。何らかの理由により壺に封じ込まれていた。封印を解かれた後は鬼太郎の命を狙うが、ぬらりひょんに裏切られて再び壺に封印される。鬼太郎の生い立ちを聞き知っており、ぬらりひょんに詳細に語って聞かせた。
第5作でもぬらりひょんの一味として登場。初めて準レギュラー的存在になり、ぬらりひょんの一味が座敷で酒宴を催すシーンではぬらりひょんの横に控えるなど従来同様ぬらりひょんとはほぼ対等に話し、他の部下よりも地位が高い。本作では伝承通り蛇を従えており、蛇を使役し毒牙での攻撃や潜入・偵察などを行い、他にも様々な術を用いて計画のサポート役を担っている。
実写劇場版では『千年呪い歌』で登場。砂かけ婆の仇敵。ぬらりひょんのアジトに侵入した砂かけ婆を、屍を操るクグツの術で追い詰めるが、ねずみ男の放屁攻撃でクグツ諸共に全滅した。
狐者異(こわい)
声 - 銀河万丈(第3作)
本所七不思議の妖怪の一体で燈無蕎麦に出現。漫画では炎の体で鬼太郎に抱きついて焼こうとするが、ちゃんちゃんこに川の水をかけられ消えた。アニメでは第3作第108話登場。爪で襲い掛かったが、逆にオカリナ鞭でバラバラにされた。
おいてけ堀
声 - 石森達幸(第4作)
本所七不思議の妖怪の一体で幽霊のような姿(アニメの設定画では一本足)で堀から手を伸ばし鬼太郎を引き込むが、雷獣から受けて体内にためていた電気をプラスして威力を倍にした体内電気を喰らって消滅した。アニメでは第3作第108話登場。
アニメ第4作第94話では水仙人として登場。井戸仙人とは旧知の仲。東京湾の主で穏やかで魚に甘くうっかりした性格。魚を釣る人間に「置いてけ~」と囁き、無視した人間に飲めば魚になる「魚眼丸」(「回復丸」を飲めば元に戻る)を渡し魚の気持ちをわからせようとする。
送り提灯(おくりちょうちん)
声 - 川浪葉子(第3作)
本所七不思議の妖怪の一体でアニメ第3作第108話のみの登場。提灯を持った女の姿で鬼太郎を足洗邸に誘導した。
足洗い(あしあらい)
声 - 銀河万丈(第3作)
本所七不思議の妖怪の一体で目玉親父が監禁された足洗邸に出現。連戦で消耗した鬼太郎と交戦するが、最終的に漫画ではぬりかべの体内に塗り込まれた。アニメでは第3作第108話登場。闇の中では実体がなく攻撃が突き抜けるが、破れた屋根から入った朝日の光を浴びて消滅した。
鉄鼠(てっそ)
鉄より硬い体を持つ大ネズミ(人間サイズ)の妖怪。
漫画初登場は1980年代『最新版』の「世紀の妖怪アイドル、幽子」。猫妖怪の五徳猫を妻にしており、彼女の妖術で亡者の少女・幽子を現世に召喚して歌手デビューさせ金儲けを企む。それで幽子の恋人・地獄童子や鬼太郎と争いになり、鬼太郎に角を折られて猫の本能に戻った妻に襲われ、夫婦でもつれ合い玉になった。だがこれで幽子も地獄に戻される。その後ぬらりひょんによって復活する。
アニメでは幽子の話をアレンジした第3作地獄編第4話に登場。婚約者の五徳猫と共にぬらりひょんに雇われ、幽子を人質にして地獄童子にユメコを捕らえさせ鬼太郎を葬ろうとするが失敗する。
第5作では劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の滋賀県代表として覚醒。
「魔笛エロイムエッサイム」ではぬらりひょんの部下として登場。経典の巻物で敵を縛る術を使う。
辻神(つじがみ)
声 - 岩崎ひろし(第5作)
伝承では丁字路に面した家に入り込むとされる一種の疫病神
一反木綿に角と牙の生えた口を付けたような姿をしており、第3作では劇場版第4弾でぬらりひょん(妖怪皇帝)を乗せる飛行要員として登場。地獄編最終話ではヌルリ坊の投げた岩の下敷きとなった。
第5作では74話で登場。伝承の通り辻に出没する、一反木綿と同じ鹿児島の妖怪で、凶悪な妖怪として天狗ポリスから指名手配されている。石敢當に封じられている力を完全に解放して尾の邪気を拡散するが、一反木綿のもめん切り(千切られた部分を鬼太郎の霊毛ちゃんちゃんこで補い、さらに妖怪四十七士の紋章を発動させて繰り出した)と天狗ポリス達の放った松明丸の追撃を喰らい、真っ二つになって燃え尽きた。
邪魅(じゃみ)
声 - 内海賢二(第1作)、銀河万丈(第3作)、郷里大輔(第4作)、竹本英史(第5作)、半田裕典(第6作[49]
初登場は『妖怪関ヶ原』(初アニメ化第1作50話)。毛むくじゃらで奥歯の牙にも毛が生えた容姿をしているが、本来は水木しげるの妖怪画集関係では「魍魎」として描かれているが、本作では魍魎が邪魅に近い容姿をしており、両者は入れ替わった感じで姿がデザインされている。
毒気を出して人を狂わせる妖怪で、ガマ仙人の封力によって百年もの間ガマの姿に変えられていた。鬼太郎を騙して封印の石を動かさせて元の姿に戻り、ガマ仙人に復讐するために家に放火しようとしたが逆に騙され、再びガマに変えられてしまった。
アニメ第5作27話では、黄泉の国の亡者の怨念から生まれた凶悪な妖怪として登場。鬼太郎に引けを取らない力を持っており亡者達も恐れている。元々は地上で死体を食べていたがいつからか生きている人間を襲って食べるようになり地獄に幽閉されていたが、宋帝王に化けた初代ドラキュラ伯爵によって解き放たれた。その後、ねずみ男が霊石を地獄の非常口に戻したため地獄に戻された。悪知恵のあった過去作品と違い、怪獣のように描かれる。
第6作では密かにぬらりひょんと接触し、妖怪大同盟に賛同するゲゲゲの森の妖怪のリーダーとなって妖怪たちの扇動を行うが、戦いの末に死亡する。
百々目鬼(どどめき)
声 - 桑島法子
盗みをやめられなくなった人間が妖怪化したもの。普段は人間の姿をしているが妖怪形態は全身に眼がつきカエルのように口が裂けた姿である。元が盗人の為妖気等の気配を断つのがうまい。人間が妖怪となったものなので正確には人間の姿が正体。
アニメでは第5作第8話登場。ぬらりひょんの手下の一人。ひとみという元々の人間の姿で鬼太郎を油断させ、ちゃんちゃんこを奪い弱体化させた。しかし鬼太郎に敵だと知られても自分を案じてくれた事に人間だった大昔の頃を思い出して改心。ぬらりひょんの攻撃から鬼太郎を庇って致命傷を負い消滅する。その後の妖怪大裁判では、ねずみ男により霊体として登場し鬼太郎を弁護する。
火取り魔(ひとりま)
声 - 楠見尚己
上半身が炎の塊で下半身が着流しという姿をした、夜道を行く人の灯火を吸い取って奪う妖怪。
アニメ第5作第17話に登場。電気やガスなど現代の熱エネルギーも吸収することが可能で、ぬらりひょんの指示で街のエネルギーを吸収して火力を上げ、鬼太郎を飲み込んで焼き殺そうとするが、最終的に拘束されて蒼坊主によって古今の封じ札で封印された。
片車輪(かたしゃりん)
声 - 稲田徹
アニメ第5作第30話に登場。輪入道の近似種とも言える、燃え盛る車輪の妖怪。炎と鬼面が本体で、車輪のように回る部位がある物に乗り移る。蛇骨婆の儀式で封じ絵から復活し、目玉親父をさらって遊園地の巨大遊具に憑依し人間の街を焼き払おうとするが、夜行さんの応援要請を受けて駆けつけた妖怪たちによる大打撃を受け、最期はちゃんちゃんこで回転を封じられて河口に墜落し消滅した。
妖怪城
声 - 鈴木真仁
アニメ第5作61話に登場。たんたん坊と二口女が棲んでいたが、ぬらりひょんが操縦装置を奪い、以降は彼の移動要塞となる。本作では潜在意識を持つ妖怪の一種であり、「主となった者は日本妖怪の頂点に立てる」と言い伝えられるほどの強大な力を持つ。周囲に立つ4つの塔には地水火風の4つの属性を司る土龍、水龍、炎龍、風龍の4体の龍が封印されており、これらを利用して移動を可能とする。修理された後に第72話で家鳴りの起こす共鳴現象によって復活してからは言葉を話すようになる。第85話では妖怪たちを取り込んでパワーアップするが、最後は鬼太郎たちによって内部から破壊され、津軽海峡の底で傷を癒すことになる。

化け狸

八百八狸(はっぴゃくやだぬき)
『妖怪獣』に登場。日本の妖怪の中でも強大な化け狸一族。姿は服を着て直立歩行する狸そのもので、腹鼓を打つ外見こそユーモラスだが実態は凶暴な人食いの怪物。高僧・天海上人の護符により四国山中の地下に封印されていたが、ダム開発工事の影響で巣窟を塞ぐ岩から護符が剥がれたことで復活。地上に狸王国を築き、人類を奴隷・食糧として支配しようとしたが、鬼太郎たちとの激戦の末に再封印される。自分たち以外の妖怪すら敵視しており、支配下に置いた人間たちには狸以外の妖怪を讃えることを重罪として厳しく取り締まった。
アニメ第5作ではアニメ化されなかったが、刑部と団三郎が妖怪四十七士に名を連ねている。アニメ第6作では名無しが護符を剥がしたことで復活し、圧倒的な戦力を背景に一度は人間の政権を奪って支配下に置くが最終的には失敗し、自由の身になった人間たちによって政権ごと追放される。
刑部狸(ぎょうぶだぬき)
声 - 富田耕吉(第1作)、柴田秀勝(第3作)、仲木隆司(第4作)、堀内賢雄(第6作[25]
八百八狸の長。巨大な僧形の化け狸。高い知性と抜群の統率能力を持ち、配下の八百八狸の大軍勢、蛟龍(こうりゅう)や大なまずといった妖怪獣を縦横に操る。妖怪獣や触れた物全てを石に変える巨石・要石(かなめいし)を操る念力、特定の人物に毛を植えつけ、苦しめたり支配する呪術を用いる。
アニメ第5作では隠神(いぬがみ)刑部狸の名で、妖怪四十七士の愛媛県代表。原作の数珠を持った姿ではなく、太鼓を首から下げた水木しげるの妖怪画に近い姿で登場。
蛟龍(こうりゅう)
巨大な妖怪獣。一反木綿の説明では「70年(アニメ第6作では700年)生きた蛇が蜃気楼の中で産んだ卵が孵り、地下で数百年育った後に天に昇って蛟龍になる」という。本作では巨大な目と大きく裂けて鋭い歯が並ぶ口を持ち、全体の形は蛇や龍というよりデフォルメされた類人猿にも見える。目からは蜃気楼を起こす光線を出す(アニメ第3作ではジェット機を消滅させてしまう光線となっている)。『妖怪獣』にて刑部狸に操られて登場。アニメ第6作では、全体から強力な衝撃波を発し広範囲に渡り建造物を破壊し、自衛隊を返り討ちにしてしまった。口から火球を吐く。鬼太郎に倒された後、亡骸に残っていた妖気は名無しがまなに呪いをかけるための材料にされた。1985年の劇場版ではぬらりひょんの配下として登場。
大なまず(おおなまず)/ なまず神(なまずがみ)
地底湖に住む巨大なナマズの姿をした妖怪で巨大地震の元凶とも言われる。『妖怪獣』で登場。富士山人穴に大昔から置いてあった要石によって封印されていたが、八百八狸によって解放された。蛟龍が鬼太郎に倒されたことで刑部狸が狸城護衛のために急遽東京に召喚しようと念力で動かし、地中を移動して五千年ぶりに地上に出現した。陸上でも直立して活動可能で不死身の生命力を有しており、あらゆる近代兵器を受け付けない。口からは熱風や熱戦を吐き、それにより地面を温めることで一種の巨大な竜巻を発生させたり、自由自在に地震を起こしたりする。アニメ第1作では目から破壊光線を発射し、長い髭を器用に動かすこともできる。アニメ第4作の名称は「なまず神」。
玄蕃狸(げんばだぬき・第1作)/ シルクハット狸(第3作)/ タキシード狸(第4作)/ 団一郎(だんいちろう・第6作)
声 - 野田圭一(第1作)、千葉繁(第3作)、増谷康紀(第4作)、落合福嗣(第6作)
刑部狸の側近の一匹で理知的。原作では名が出ない。江戸時代に封印されたはずだが、どこで手に入れたのか復活時点からタキシードシルクハットを着用。
アニメ第6作では三兄弟の長男。葉巻を愛用しており、葉巻カッターを鳴らす癖がある。シルクハットは武器にもなる。本気を出すと凶暴かつ屈強な姿に変身する。長男でありながら、戦いの最中に弟を見捨てるなど冷たい部分がある。
お富狸(おとみだぬき・第1作)/ 着物狸(きものだぬき・第4作)/ 団二郎(だんじろう・第6作)
声 - 坪井章子(第1作)、田中一成(第4作)、高戸靖広(第6作)
刑部狸の側近の一匹。女性的な日本髪と着物を着た姿だが、鬼太郎が邪魔者と見るや即座に殺そうと提案するなど残忍で好戦的な性格。原作では名が出ず、第3作には登場しない。よく「おたんこなす」という悪口を口にする。
アニメ第6作では三兄弟の次男。武器は
団三郎狸(だんさぶろうだぬき・原作・第1作)/ 団十郎狸(だんじゅうろうだぬき・第3作)/ 鉢巻狸(第4作)/ 団三郎(第6作)
声 - 北川国彦(第1作)、西尾徳(第3作)、川津泰彦(第4作)、ボルケーノ太田(第6作)
伝承では日本三名狸の1匹として知られているが、本作では刑部狸の側近の一匹。気性が荒い。
アニメ第5作では団三郎ムジナの名で、妖怪四十七士の新潟県代表。第6作では三兄弟の末っ子。
飛脚狸
声 - 大塚芳忠
第3作のみに登場。飛行兵姿の伝令役。
狸カメラマン
声 - 土門仁
第4作のみ登場。狸内閣設立の記念写真を撮影。
たぬきアナウンサー
声 - 蟹江俊介
第6作のみ登場。黒羽織を着て政権奪取後のテレビニュースを担当(第4作でも狸の1匹がニュースを担当したがノンクレジット)。
あしまがり
声 - 富田耕生(第2作)、池水通洋(第3作)、半田裕典(第6作[50]
「あしまがり」とは四国の方言で「足にまとわりつく」という意味。本作では『妖怪あしまがり』(単行本では『妖怪花』に改題、初アニメ化第2作5話)に登場。太鼓を持った狸の姿をした妖怪で、無類の大酒飲み。取り込んだ者を消化してしまう雲状の気体生物を飼い慣らしており、持っている太鼓で操ることが出来る。なお、第3作のみ「あしまがり」という名前は自主規制配慮で「用心棒(の狸妖怪)」という名前しか出なかった[51]。妖怪花の生息地を開発しようとした人間側(アニメ第3作45話では妖怪花と共存していた業者を乗っ取ったぬらりひょん)に雇われ、開発を止めようとする鬼太郎と闘う。
第6作では63話に登場。人を襲うのが大好きな残忍な性格の妖怪という設定で、太鼓を使って黒雲を操る。黒雲は意思を持って動き、獲物を中に取り込んで同化してしまうほか、強力な雷を放ち、複数に分裂して別行動も可能。ある地方の笹薮に棲み付き人を襲っていたため、笹の花の精・星華によって洞窟に閉じ込められていたが、そこに訪れたぬりかべを利用して復活。星華への復讐を目論むが、鬼太郎に敗北して消滅する。
狸ばやし(たぬきばやし)
どこからともなく聞こえて来る狸の腹鼓。本所七不思議の妖怪の一つで、日本全国に伝わる音の怪異。
原作「狸ばやし」ではねずみ男が音源を探って掘り当てると、瓢箪に封じられていた大狸が復活して暴れ出す。ねずみ男や鬼太郎も、狸を瓢箪に封じ込めるのに失敗して逆に閉じ込められた。さらに狸は目玉おやじを呑み込むが、脳操縦されて鬼太郎たちを解放し自分から瓢箪に入る。入りきる前に尻から出た目玉は鬼太郎たちに瓢箪を元通り埋めさせた。
アニメ第3作108話では、伝承通りに本所七不思議の一員として音だけ登場。鬼太郎を誘い出し、その隙に朱の盤が目玉おやじをさらった。
竹切り狸(たけきりだぬき)
声 - 草尾毅(第4作)、松山鷹志(異聞妖怪奇譚)/ 演 - ブラザートム星野亜希
原作「竹切り狸」に登場。親類である万年竹の復讐のために、やまこを利用して鬼太郎を狙うが敗北する。
アニメでは第4作に登場。刑部狸のやり方に反対して鬼太郎達に協力した。目玉おやじからは竹藪で竹を切ったり人間に悪戯をするのが好きな気の良い狸妖怪と評されている。実写映画『千年呪い歌』では高尾山に住む夫婦が登場。ゲーム『異聞妖怪奇譚』では鬼太郎の前に立ちはだかる悪役として何度か出ている。
ふくろさげ
声 - 青野武(第3作)、徳丸完(第4作)
原作『ふくろさげ』(アニメ第2作20話)に登場。洞窟内の壺に隠されていた不定形の妖怪。近付く妖怪のエネルギーを貪欲に吸収するため、大昔の妖怪達によって封印されていた。2人組の泥棒が隠し場所の地図を盗み出し、彼らと組んだねずみ男が開封したが半分エネルギーを抜かれ退散。人間には忠実で、どんな所にも穴を掘って通れる力があるため、泥棒達はそれを利用して金庫破りを繰り返した。エネルギー補給のためにねずみ男の紹介で鬼太郎を誘き出して吸収を図るが、鬼太郎の膨大なエネルギーを無理に吸収してふくろさげは破裂した。
第3作では第27話登場。葉の帽子を被った狸のような姿という水木氏の妖怪画に近い姿に描かれている。携える袋は獲物に被せてエネルギーを奪う他、エネルギーを射出したり物を吸い込んだりもできる。また、相手に噛み付いて直接エネルギーを吸い取ることも可能。自分を封じた妖怪たちへの復讐を考えており、復活後は妖怪たちを次々と襲ってエネルギーを奪った。また、人間と妖怪との仲を裂くことを目的として、泥棒たちの悪事に積極的に力を貸していた。
第4作では欲望を持つ者を袋に取り込み消化する。本体は狸で袋は陰嚢。ぬりかべに袋を破られ、続いて中国風の甲冑と矛で鬼太郎と交戦したが、霊毛ちゃんちゃんこで妖力を奪われ豆狸に退化した。
妖怪だぬき
「妖怪ラーメン」に登場。額に十字型の傷らしき模様がある狸妖怪。大勢の狸仲間たちのボスとして、とある山の古寺で仲間と共に平和に暮らしていたが、人間に住処を追われ食べ物も奪われてしまったことで、何とか生きていこうと数年前に狸蕎麦の屋台を開いたが、現代ではカップラーメンの人気には勝てなかったため、その人気を落とそうと先祖代々伝わる「変身粉(化け粉)」を混入したカップラーメンを売り歩き、食べた人間を巨大なカップラーメンに変えてしまう。これが成功したことを知ったねずみ男から、鬼太郎をカップラーメンにして食べればより強い妖力を得られると唆されて実行に移すが失敗。事情を話して鬼太郎と和解し、カップラーメンに変えた人間を元に戻す還元剤を渡した。
絹狸(きぬたぬき)
声 - 小山武宏(第5作)
絹織物を着た狸の妖怪。
第5作38話初登場。妖怪横丁でもめんや(反物を売る店)を営んでいる。
「鬼太郎マガジン VOL.1」によればもめんやは当初一反木綿の店という設定だったが、放送が進むたびに「一反木綿の呑気な性格は経営に向いてないのでは」という意見が出て急遽スタッフが布に関する妖怪を探すことになり、絹狸が選ばれた。

化け狐

日本の妖怪は、主に妖狐族に属し、その上位に束ねる者たちが存在する。

白山坊(はくさんぼう)
声 - 内海賢二(第1作)、はせさん治(第3作)、大塚周夫(第4・第5作)、高木渉(第6作[52]
布をまとった白い狐の妖怪。100年以上生きた古狐が妖怪と化したもので、伝承にもある白蔵主と同系統の狐妖怪に分類される。日本の狐妖怪の一体だが、天狐たち妖狐族との直接的な関連は不詳で、単独で活動または独自に狐妖怪の集団を結成している。
アニメでは第4作まで敵として登場したが、第5作以降は鬼太郎の仲間となっている。
コン太
声 - 大谷育江(第4作)
アニメ第4作39話に登場した白山坊の弟子の言葉を話す狐。少々生意気だが、正義感は強い。白山坊の命令で茜が付けていた魔よけの髪飾りを奪うが、白山坊の本性と本来の目的を知って裏切る。白山坊が封印された後は人語を話せなくなり、普通の狐に戻る。
白狐(しろぎつね)
声 - 大本眞基子(第5作)
白い毛色を持ち、人々に幸福をもたらすとされる、善狐の代表格。
原作・アニメ共にこの名称で直接は登場していないが、第5作の収録DVDの「ゲゲゲ組」製作の特典映像で、オリジナルとして登場。狐妖怪の少年で、妖怪横丁近くに住んでいる。
天狐(てんこ)
声 - 内海賢二(第1作)、増山江威子(第3作)、川村万梨阿(第4作)/ 演 - 小雪
日本の妖狐族の総元締め。人間のような髪を生やし着物を纏った姿。悪事は働かず、滅多に姿を見せない。
原作「天狐」(アニメ第1作49話)に登場。男性の人格。人間の地下駐車場建設が彼らの領域に触れたために部下達が事故を引き起こす。鬼太郎との交渉の末稲荷神社に油揚げを絶やさない条件で工事を許可した。
アニメ第3作以降は女性の人格をしている。地下鉄工事が彼らの聖域を侵したことに怒って作業者を捕えて人質とし、工事を直ちに止めるよう要求した。作業者たちを助けに来た鬼太郎が空狐たちと戦っているところへ現れ、自分が負けたら二度と人間たちの邪魔はしないと宣言して鬼太郎と直接対決する。鬼太郎との戦いで柱にぶつけられると負けを認めて約束通り部下を引き連れ消えて行った。戦いの後鬼太郎たちは天狐が明らかに余力を残しながら負けを認めたことについて、一族をこれ以上傷つけないために敢えて勝ちを譲ったのだろうと気高さを讃えた。工事の関係者たちにも彼らの気持ちは伝わっており、自ら進んで稲荷明神の社を建て彼らを祀った。
アニメ第4作では全ての稲荷の統率者。女性的で非常に徳が高く冷静で穏やかなど高貴な性格をしており、目玉おやじ含め妖怪たちからも尊敬される存在である。念力の他空狐や他の狐たちが引き起こした大規模な騒動(デパートや客の紛失)を容易く元に戻す力も持つ。ある有力デパートの社長一族を初代の頃から相談や日々の報告に耳を傾け、次期社長の誕生と成長を共に喜ぶなど昔から見守ってきた。騒動の発生時は地下の世界で10年間の眠りの最中であったが、自分が眠っている間に無茶をした空狐を止めるために姿を現した。稲荷神社は自分たちの力を信じる人間の善意で作るものと考えており、狐への尊敬の念を知らぬ次期社長に激昂し無理矢理作らせようとした空狐を「誇り高き狐族の名を汚すのか」と厳しく諭した。
実写映画版では自分の言うことを聞かない空狐をただの狐に変える能力を持つ。人間と親しい鬼太郎を見込んで、妖怪石を大天狗に返すことと、人間に全国の稲荷神社に油揚げをお供えさせることを頼んだ。
空狐(くうこ)
声 - 関智一(第4作)/ 演 - 橋本さとし
天狐に次ぐ位。地水火風を自在に操る。天狐との面会を申し出た鬼太郎に試合で空狐の代表に勝ったら認めるとしたが、なかなか負けを認めないため天狐に叱られた。
アニメ第1作では九尾の狐に酷似しており、アニメ第3作では五人衆として登場、第4作では子狐(戦闘時は大型の狐)に酷似している。アニメでは天狐に忠実だが、実写劇場版では人間に報復しない天狐に痺れを切らして下克上を企てる。
気狐(きこ)
変化能力を得た妖狐。
野狐(やこ)
声 - 北川国彦(第1作)
変化能力すらない最下級の妖狐。人間同様に二足歩行して手を使い話す程度はできる。
おさん狐
狐の女妖怪。美女に化けて男を騙す。
アニメ第5作劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の広島県代表として覚醒。
狐つき
原作「狐つき」に登場。人間の死体などに憑依する狐の妖怪。最初は老人の死体に憑依していたが、鬼太郎と戦いになるとすぐに老人の体を捨てて雪姫に憑依し、ゲゲゲハウスを占領した。その後、目玉おやじの策で出された酒を飲んで寝ていたところを鬼太郎に飲み込まれ、鬼太郎の体内で雪姫と分離・分解されて気化蒸発し退治された。
キョウ
第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」(『朱の音』収録)に登場する女妖狐(厳密には人間を母に持つ半妖怪)。妖力は乏しく変化も拙いが、美貌と男を篭絡する才覚で闇組織の長・猿鬼の愛人の座に着いている。

天狗

日本民間信仰において妖怪とされる存在。本作に登場する天狗は、天狗ポリスという警察組織も形成しており、その他に裁判官を務めるなど妖怪界での法的機関に着任している者も多い。ただし、『妖怪大裁判』やそれを元にした話での天狗ポリスは百々爺の罠に引っ掛かり濡れ衣を着せられた鬼太郎を捕らえる立場になったりと法の下に中立な立場で、必ずしも鬼太郎側の仲間ばかりであるとは限らない。また、山天狗や黒雲坊など明確に敵対する邪悪な天狗も存在する。

大天狗(だいてんぐ / おおてんぐ)
声 - 富田耕生(第2作)、屋良有作(第3作)、笹岡繁蔵(第4作)、楠見尚己(第5作)、梅津秀行(第6作)/ 演 - 中村獅童
天狗ポリスの長と妖怪法廷の裁判長を務める最高位の天狗。彼の判決には原則として誰も逆らえない。強力な神通力を持ち羽団扇で突風を起こす。
第5作では目玉おやじと100年以上前からの知り合いで酒豪(目玉の方が多く飲める)。本名は赤嵐坊(せきらんぼう)。他シリーズに比べ豪放な性格。仇敵・黒雲坊の遺児である黒鴉を引き取って育てた。
烏天狗(からすてんぐ)
カラスに似た顔と背の翼を持つ天狗。多くの者が天狗ポリスとして従事している(ただし天狗ポリスと呼ばれない作品もある)が、中にはぬらりひょんの配下(「魔笛エロイムエッサイム」)や黒雲坊(第5作)のように悪の勢力に属している者もいる。名前や住処などの判明している者を以下に列挙する。
鞍馬山の烏天狗
声 - 富田耕吉(第1作)、宮内幸平(第3作)、新田三士郎(第4作)
原作「悪魔ベリアル」(アニメ第1作30話)に登場。幕末にベリアルの来日を察知し、魔力を封じ込めた。現代になって魔力を取り戻したベリアルに不意を突かれ、家ごと地中に封じられてしまい、危険を知らせる蚊文字を放つ。目玉おやじをして「彼をこのように封じられる者は日本にはおらぬ」と言わしめるほどの実力者。ベリアル退治後に鬼太郎の逆魔法で救出されたが、家が全壊したため一時砂かけのアパートに入居する。アニメ第3作では一族の長老。
鳥目(とりめ)
1980年代の『最新版』に登場した3眼の烏天狗刑事。脱獄囚しょうけらの捕縛や復活したぬらりひょんの暴動の際に鬼太郎に協力を要請した。人間界では頭巾で顔を隠して行動。第三の目から妖怪を人間に変える光線を放てる。
黒鴉(くろからす)
声 - 緑川光
アニメ5作目に登場する天狗ポリスのエースにして武術の師範。群馬県榛名山出身で、年齢3000歳(外見は青年)。羽根手裏剣という羽根を撃ち出す技を持つ。常に敬語で礼儀正しい誠実な性格。鬼太郎の仲間であることを誇りにしている。第100話にて悪天狗・黒雲坊の遺児であった事が判明、実父の魂に操られて天狗大本堂を襲撃したが、大天狗や鬼太郎達の説得で自分を取り戻して四十七士に覚醒し、大天狗を「本当の父」と呼ぶ。涙しながら実父の黒雲坊にとどめを刺す。
ヒゴモ
声 - 浜田賢二
天狗ポリス鹿児島派出所の所長。太い眉が特徴。第5作74話で一反木綿を辻神と間違えて誤認逮捕してしまい、素直に謝罪した。その後も積極的に辻神の捜索に参加、辻神の尾からの邪気により倒れた人間達の救助や、成層圏で辻神と戦う鬼太郎と一反木綿を手から松明丸を放って援護した。最後は一反木綿を鹿児島代表妖怪として称えた。
リンゴロウ
天狗ポリス青森派出所の所長。リンゴのように赤く丸い頬が特徴。第5作85話で津軽海峡に出現した妖怪城を迎撃すべく黒鴉や鬼太郎達と共闘した。
黒雲坊(こくうんぼう)
声 - 大塚周夫
アニメ第5作に登場。3000年前に「天狗は邪悪であるべき」と主張して赤嵐坊(現・大天狗)と対立、敗れて封印された悪天狗。第100話で魂を息子の黒鴉に乗り移らせ、使い魔(松明丸・水竜丸・天狗傀儡)を操り大天狗を殺そうとするが、大天狗や鬼太郎達の説得で自分を取り戻した黒鴉によって魂を羽毛の剣で貫かれ滅びた。
長老
声 - 中博史[53]
アニメ第6作に登場。大山に住む烏天狗一族の長老。150年前に悪魔ベリアルの魔力を封印したこともある実力者で、竜巻を起こして水を操る術や分身の術などが使える。人間との関わりを嫌い、弟子の小次郎たちには厳しく恐れられているが、本当に困った際には助力したり、自分の教えに背いた行動でもあまり責めずに許してやったりと、頑迷ではなく寛容さも持ち合わせている。
小次郎(こじろう)
声 - 阪口大助[53]
アニメ第6作に登場。大山に住む烏天狗一族の若者。大山の夜道で足を踏み外したまなを助け彼女に一目惚れした。まなに惚れて以来修行に集中できず、相手の実体を見抜く「心眼戒定慧」の修得が滞っていたために長老に叱られ、まなにいい所を見せようと山頂からの風景を覆う雲を吹き飛ばす際、うっかりベリアルの封印を解いてしまい一方的に痛めつけられるが、まなから励まされて奮起し、ベリアルとの再戦では「心眼戒定慧」に開眼して弱点を見抜き鬼太郎に反撃のチャンスを与えてベリアルを撃破。アニエスの魔法で里は戻り、長老からも恋を認められた。まなからも恋を応援されるが、その後もまなには惚れていることを気づかれていないことを知る。
雨ふり天狗
声 - 山田俊司(第2作)、阪脩(第4作)
「雨ふり天狗」に登場。風を操るが雨が降ると羽団扇が濡れるのを防ぐために石になる。風人峠に住んでいたが、自動車道が開通して食糧のに排気が混ざり、怒って運転手達を風化させた。妖怪自動車で調査に来た鬼太郎と対決、指鉄砲で左目を潰され逃走する。数日後村に現れ、目医者に目玉おやじを移植してもらうが、帰途で雨が降って化した石から目玉は脱出。鬼太郎は排気の及んでいない深山に妖怪保護区を設けてもらって天狗を移住させ、風穴に捕われていた人々を救出した。
アニメ初登場は第2作4話。鬼太郎との初戦で髪の毛針を左目に受け、医者に目玉おやじを移植させようとしたところで再戦中に雨が降り石化する。石化した天狗を爆破しようと言う医者を止め毛針を抜いてくれた鬼太郎や自然を守る決意を語る医者の息子に感心し、風化した人々が富士の風穴にいることを教えた。
第4作では23話登場。風吹峠に住んでいるが、車の排気ガスで食料であるカスミ草が枯れたことに激怒し、峠に通る人間を吹き飛ばし風穴に閉じ込めていた。事情を知った医者(鬼太郎に事件の依頼をした少年の祖父)がカスミ草の栽培を約束すると、山に帰った。
めんこ天狗
声 - 塩谷翼
「めんこ天狗」(アニメ化第3作105話)に登場。丸顔の少年型天狗で、めんこの修業で天狗になったと言われる。人間の子供とめんこで遊ぼうとしたが時代遅れと笑われて怒り、子供達をめんこに変えてしまう。鬼太郎に敗北した後は、めんこにした鬼太郎や子供達を還元した。
山天狗(やまてんぐ)
声 - 岸野幸正(第3作)、松山鷹志(第6作[31]
原作「木の子」に登場。山に棲む巨体の天狗で、黒雲坊と同様に悪天狗である。木の子達が一緒に暮らしていた人間の少女・モモコを連れ帰られたくないあまり呼び寄せた。鬼太郎を倒した報酬としてモモコの生き胆を要求するが、復帰した鬼太郎に阻止されて降参する。
アニメでは第3作89話初登場。天狗の森の祠に封印されていた。モモコ(声 - 荘真由美)を返したくない木の子達によって復活するが、鬼太郎により再封印される。
第6作では52話登場。木の子の森の近くに棲んでおり、木の子たちから恐れられている。人間の女性を気に入ると嫁に娶ろうとするが、逃げ出そうとした場合は食い殺しており、住処には夥しい人骨が転がっている。森に迷い込んだ雅を鬼太郎が連れ戻そうとしたため彼女を返したくない木の子に助けを求められて応じるが、雅を一目見ると気に入り連れ去る。最後は鬼太郎の指鉄砲で眉間を撃ち抜かれ消滅する。
風の又三郎
声 - 難波圭一
アニメ第3作69話に登場。季節風を導く役目を持つ、西洋妖精風の少年型天狗。大ガラスの姿にもなれる。季節風の精の休み場所である「風の谷」が自動車道建設で潰されそうなのを抗議して暴れ、近くの村の少女・風子(声 - 渡辺菜生子)をさらう。風子と意気投合して彼女を旅に連れて行こうとするが、風子の両親が心配しているのを見て帰した。自動車道は鬼太郎達の尽力で風の谷を避けてトンネルが通された。
当時のコミックボンボンのアニメ解説頁では、この69話の解説に雨ふり天狗の絵が描かれ、「雨ふり天狗」のアレンジであるような描写になっている。
天狗の使い魔
(松明丸)(たいまつまる)
天狗火の一種で、普段は小さな松明だが集合して巨大な火の鳥になる。アニメ第5作36話では独自に動き連続放火を引き起こす。妖怪横丁で合体して子ぬりかべの一体を取り込んだが目玉おやじの活躍で救出され、松明丸は鬼太郎・蒼坊主・黒鴉の一斉攻撃で砕け池に落ちて消えた。
水竜丸(すいりゅうまる)
水で出来た竜の姿をした、天狗の使い魔。アニメ第5作100話で鉄砲水を起こして群馬県の温泉街を襲った。
天狗傀儡(てんぐくぐつ)
アニメ第5作100話に登場。天狗を象った動く土人形。面が制御装置で、それを破壊されると崩れる。

河童

日本の河川に棲む妖怪の代表格。主に頭の皿・背の甲羅・手足の水掻きなどが特徴で、水が入った頭の皿が乾くと力が出せなくなる弱点がある。鬼太郎作品にも様々な種類・個体が登場する。河童に尻子玉を抜かれた者たち(人間だけでなく妖怪にも有効)は腑抜けとなり力もやる気も無くし倒れてしまう。 第3作7話では、磯女母子が住む磯を埋め立ててレジャーランドにしようとする悪徳社長たちを懲らしめるのに協力し、彼らの尻子玉(砂かけ婆が解説していた。本作ではピンク色のボールのような描写)を抜いた。 第4作では8話で河童淵に暮らす集団がかに坊主に襲われ、42話で親方が仕切る河童村に暮らす集団が一目入道の集団と争っていた。71話ではかわうそを倒すためにぬらりひょんに協力した悪河童の集団(集団でもかわうそに圧倒されるなど戦闘能力は低め)もいた。 第5作では人間による池の埋め立てに対し一族が抵抗派と移住派に分かれたため、鬼太郎に相談し移住派代理の鬼太郎組(鬼太郎、ネコ娘、目玉おやじ)と抵抗派代表組(シバテン、ネネコ、メドチ)の勝ち抜き相撲を決行する。山下先生の人間の教え子である里見(さとみ、声 - 野中藍)が鬼太郎とシバテンの試合中に紛れ込んだため、掟で鬼太郎が交代することになり、山下先生が代わりに参戦する。試合は最後まで描かれなかったが山下が勝って一族は移住したと鬼太郎の回想で語られた。妖怪横丁の住民としても登場したが、その個体(声 - 沼田祐介)は目立った活躍は無かった。63話では九州の河童(声 - 私市淳)が虎男によって妖怪反物にされてしまう。 第6作では9話登場。遠野の山奥の河童の里で平和に暮らしていたが、ねずみ男の紹介でIT企業に集団就職する。最初は時給のキュウリ3本に満足して働いていたが、河童の労働待遇が人間のアルバイト以下であることを知り、ついには社長とのトラブルを機に怒りで我を忘れて集団で人間の尻子玉(本作では実体の無い光の玉のような描写)を抜く大騒動に発展した。連係の力もあって一時は駆け付けた鬼太郎ファミリーを戦闘不能寸前に追い詰めたが、いそがしが鬼太郎に憑依したことで形勢が逆転し今度は自分たちが戦闘不能に追い詰められ、次郎丸の訴えで太郎丸の鎮静後は尻子玉を持ち主に戻して里に戻った。69話では伊吹丸の恋人・ちはやの亡骸を探すのを手伝うために、ダム内で渦を起こし埋められた所の水を除けた。

三吉(さんきち)
声 - 三輪勝恵
アニメ第3作85話に登場した子河童。彼の里では集団で遊ぶ習慣がなく、それがある人間の子供を羨んでいた。妖怪の生活に憧れた星郎と出会い、互いを羨んでいたところをたくろう火に利用される。人間の姿で河原(かわら)三吉と名乗って学校に転入するが、手に水掻きが残っていたため騒ぎになって抜け出し、ゲゲゲハウスを訪ねた。これによって星郎の行方とたくろう火の企みを知った鬼太郎たちを里へ案内する。
クッパ、コッパ、パッパ
声 - 高戸靖広、大塚瑞恵、白鳥由里(役名と同順)
アニメ第4作8話に登場した河童淵に住む子河童の三兄弟。かに坊主に淵を荒らされ他の河童たちが操られて人間に悪さを始めたので、鬼太郎に助けを求めた。
河童親方
声 - 田中亮一
アニメ第4作42話に登場した一目入道の集団と争っていた河童村に住む仕切り役。左頬に傷がある。
ガラッパ
声 - 辻村真人
アニメ第5作19話に登場した河童池の長老。勝ち抜き相撲では行司を務める。物忘れが激しく都合が悪いと寝たふりをする。スケベでもある。
シバテン
声 - 高木渉
アニメ第5作19話初登場。当初は河童池の抵抗派リーダー。必殺技は屁と共に張り手連打を放つ「へのかっぱ」。鬼太郎と3番手同士の試合になるが、アクシデントから山下と改めて取り組むことになり、敗北。30話ではカンキチ他数名の河童と共に、「ライバルに死なれては困る」と片車輪と戦う鬼太郎の援護に駆け付けた。
ネネコ
声 - 小松里歌
アニメ第5作19話に登場した河童池の抵抗派で女河童。
メドチ
声 - 広橋涼
アニメ第5作19話に登場した河童池の抵抗派で小柄な河童。
カンキチ
声 - 千葉一伸
アニメ第5作19話初登場。河童池の移住派。温厚な性格で争いが嫌い。30話ではシバテンと共に援護に駆け付けた。
山下(やました)先生
声 - 稲田徹
アニメ第5作19話に登場。河童池のそばの小学校で教師を務めており、生徒から河童先生と呼ばれていた。
太郎丸(たろうまる)
声 - 阪口大助[54]
アニメ第6作9話に登場。次郎丸の兄。キュウリ作りが得意な礼儀正しく気の良い河童で、砂かけ婆から畑作り向けの砂をもらっていて、しばしばキュウリを届けたりしていた。ねずみ男の斡旋で仲間の河童たちとともにIT企業に就職した際にはリーダー的な存在になる。
次郎丸(じろうまる)
声 - くまいもとこ[54]
アニメ第6作9話登場。太郎丸の弟。太郎丸や仲間の河童とともに郷原の会社で働くが、働き詰めの生活に馴染めず素朴で牧歌的な昔の生活に戻りたいと願うようになり、のちに暴走を起こした河童たちを鎮静させる。
さら小僧(さらこぞう)
声 - 内海賢二(第1作)、古谷徹(第3作)、高戸靖広(第4作)、松野太紀(第5作・第6作[55]
初登場は「さら小僧」。350年以上生きている河童系妖怪で、がんぎ小僧と似た容姿をしているが名前の通り皿がある点が決定的に異なっている。鬼太郎親子も恐れるほどの実力者で、頭から飛ばす水皿(原作では集光レンズとして目を眩ますが、アニメシリーズによっては集めた光が熱線化したり、固体の皿を飛ばして斬ったりする)や猛毒の小便が武器。自作の歌「ぺったらぺたらこ」(第3作のみ「闇夜に気をつけろ」)を歌うのが趣味で、他人に歌われることを極端に嫌う。自分たちの歌を盗作した「ザ・ビンボーズ」に腹を立て[注釈 29]、多数の仲間を引き連れて隠れ里に誘拐した。その後鬼太郎によって救出されたビンボーズと入れ替わりに隠れ里の牢に閉じ込められた。アニメでは第1作34話で初登場。
第3作では43話登場。本作では河童一族一の美声を自称するも実は建物も破壊するほどの音痴。歌を盗作した「ビンボーブラザーズ」を誘拐するが、ビンボーブラザーズのリーダーが病気の娘を励ますために歌謡大賞に出たがっていた事情を知り、レコード1枚につきキュウリ1本を支払うことと自分も歌謡大賞にゲスト出演させることを条件に歌うことを許し和解する。
第4作では33話登場。ねずみ男から「ぺったらぺたらこ」の歌詞と譜面を提供されて盗作し大ヒットした「憂歌団」に怒り、彼らを死ぬまで監禁しようとする。最終的には、時間を巻き戻す呪文となっている「禁断の4番」を憂歌団に歌わせることによって、歌を盗まれる前まで時間を巻き戻す。
第5作では66話登場。本作では「ぺったらぺたらこ」は同族間の雨乞いの歌で、「ザ50回転ズ」が雨をやませる5番を知らずに盗作したことがきっかけで大雨で街が水没する事態に発展するが、鬼太郎との対決後に「ぺったらぺたらこ」の5番を歌い上げて大雨を収める。
第6作では第40話に登場。一発屋芸人ビンボーイサム(声 - 沼田祐介[55])に「ぺったらぺたらこ」を盗作され、妻子による説得や自分と鬼太郎からの警告を最後まで無視し続けたイサムに襲いかかる。
ひょうすべ / ひょうすえ
声 - 広中雅志(第3作)、寺崎千波也(第6作)
皿や甲羅はなく、禿頭の猿のような姿の河童系妖怪。原作では「さら小僧」などに群衆扱いで登場。
アニメでは第1作10話にて初登場。姿を見た人間を病気にし、その患者を見た人間にも病気が感染する妖力を持つ。
第3作では6話から登場し、32話や43話では百々爺やさら小僧に付いて敵に回ったが46話以降は味方に付いた。
1980年代『最新版』では第2話で総大将側の妖怪たちの中にいたが第3話で鬼太郎側のスパイだと発覚し、わいらとサガリに追い詰められて食い殺され、最期の力で鬼太郎に知らせる火矢を放つ。
第4作では妖怪王編で小豆三妖怪と共に鬼太郎の助っ人として登場する。第5作では妖怪四十七士の佐賀県代表(一斉覚醒)。
川猿(かわざる)
伝承もある妖怪だが、原作「川猿」「ダメな死神」「タコ人間」「招かざる客」では、あの世に住んでいた妖怪として登場。お盆の特別列車に乗って人間界に遊びにきたが遊んでいるうちに三日間の滞在期間が過ぎてしまい、あの世へ帰れなくなった。押入の中に断崖を作り出したり幽霊を生者に戻したりといった不思議な術を使ってねずみ男を騙し、その魂を奪ってあの世までの乗り物にしようとしたが鬼太郎に見つかって断念。その後鬼太郎の下男として働いていたが、日本を訪れた魔女の力によって消されてしまった。
がんぎ小僧
声 - 永井一郎、八奈見乗児(第3作)、千葉一伸(第4作)、新井良平(第6作34・35話の登場個体)、高塚正也(第4作96話の登場個体)
河童系妖怪だが皿はなく、やすり状の鋭い歯を持った水棲妖怪。その歯はライフル銃をも噛み砕く。
アニメでは第3作第26話で妖怪野球チームの一員として初登場。第32話や第43話ではひょうすべ同様に敵に回ったが他では特に水中戦や水力戦で頻繁に鬼太郎に加勢した。
第4作では第42話に股旅姿で登場。行き倒れた所をねずみ男に救われたことがあり、以来彼を「ねずみ男の兄い(あにい)」と呼び慕っていた。河童の領分争いに巻き込まれた際にねずみ男を庇って命を落としたが、「ぺったらぺたらこ」の禁断の4番(ねずみ男がさら小僧の声を録音したテープ)で2人が再会する場面まで時を戻されて生き返った。『妖怪千物語』でもこの姿で、妖怪樹との戦いに登場している。
一目入道(いちもくにゅうどう)
声 - 里内信夫(第4作)、島田敏(第5作)
皿が一つ目(または目のような模様)になっている河童。伝承では加茂湖の主。
第3作43話にて、さら小僧の部下としてアニメ初登場。
第4作では第42話登場。がんぎ小僧が世話になっていた河童族の敵対勢力で気性が荒い。
第5作では第42話登場。オベベ沼の住人だが横丁へ移る前のかわうそが悪戯したせいで沼の妖怪の評判が悪くなり、親しかった人間の少女も沼に近付かなくなった。それを嘆いてかつてかわうそが悪戯に使った「水神石」でかわうそに化け、かわうそに濡れ衣を着せ少女達から声を奪う事件を起こす。
カシャボ
声 - 沼田祐介(第4作)
和歌山県の山に棲む河童の仲間の妖怪。皿や甲羅や水かきは無く長い顔をした約6~7歳ぐらいの子供のような姿をしている。水木の妖怪画では口を尖らせ右目が垂れている。
第4作61話でアニメ初登場。日本の南の果ての果てにある金比羅島に棲む。いやみによって無気力になってしまった鬼太郎を元に戻すために島に降りた目玉おやじ達を清めの泉に案内する。
セコ
声 - 中山さら(第5作)
大分県の山に集団で暮らす一つ目の河童の仲間の妖怪。鰯の頭が大嫌い。
アニメ第5作の劇場版『日本爆裂!!』では妖怪四十七士の大分県代表として覚醒。
波小僧(なみこぞう)
声 - 金田朋子(第5作)
静岡県出身の河童の仲間。
アニメ第5作第92話と劇場版『日本爆裂!!』に登場。両親の敵をとるために岩魚坊主に弟子入りする。
ミンツチ
北海道出身の河童。本作では痩身に鋭い目つきと嘴とシャープな印象の姿をしている。
アニメ第3作43話にて、さら小僧の部下としてアニメ初登場。第5作の劇場版『日本爆裂!!』では妖怪四十七士の北海道代表として覚醒。

冷凍妖怪

主に気温の低い地域に住む、氷雪や冷気を操る日本妖怪。

雪ん子(ゆきんこ)
声 - 白石冬美(第1作)、山田栄子(第3作)、三輪勝恵(第4作)、竹内順子(異聞妖怪奇譚)
初登場は原作『雪ん子』(アニメ第1作48話)。わら頭巾を被った少女の姿だが、人間を凍らせアイスキャンデー状になった魂を取って食べる恐ろしい冷凍妖怪(アニメ第1作は原作や他のアニメ化作品と比べ、異なる顔つきをしている)。雪女や雪男と組んで北海道の大雪山系の洞窟を根城にし、近隣住民を凍らせて魂を集めていた。捜索に訪れた鬼太郎も凍らせようとするが逆に溶かされ、同じく溶かされた雪男・雪女の溶液と集まり氷の巨人になって逆襲するが、さらなる高熱を浴びて蒸発する。第3作ではその後復活する。
第4作では山の動物たちを殺した人間を、特製のアイスキャンデーを食べさせることで氷漬けにするが殺しはせず、人間によって殺された動物たちを一頭ずつ地蔵を作って供え物も用意して弔うなど優しい性格をしている。
雪男(ゆきおとこ)
声 - 佐藤正治(第3作)、宇垣秀成(第4作)、平井啓二宮崎寛務(第5作)、広瀬正志(異聞妖怪奇譚)
初登場の原作『雪ん子』、アニメ第1、3、4作で雪ん子や雪女と組んで登場。外観はUMAとしての雪男よりもむしろなまはげ(アニメ第1作では原始人、第5作ではビッグフット)に似ている。原作では冷たい息を吐くだけだが、アニメではつららを振るったり雪崩を起こしたりと力技を披露する。第4作では正式に雪女の夫で雪ん子の父親として登場。冬の山の管理者であり動物たちの守護者でもある。大雪崩や氷柱を弾丸にして飛ばすなどの能力を持つ。強行的な行動を取ったが、人間らが山の動物たちを殺さなければ暴れない。
雪女(ゆきおんな)
声 - 小原乃梨子(第1作)、坪井章子(第3作)、中友子、松井摩味(第4作)、高島雅羅(異聞妖怪奇譚)
初登場は原作『雪ん子』で、アニメ第1、3、4作でも雪ん子や雪男と組んで登場。また、アニメ第1、5、6作、『妖怪千物語』は原作やアニメ第3、4作とは容姿が異なり、端整な顔立ちをしている(原作やアニメ第3、4作は雪ん子とほぼ同じ顔立ち)。アニメ第1作では人間を酷評しており、鬼太郎が人間の味方をしていることを快く思っていない。
第4作でも第58話で家族(雪男と雪ん子)と共に溶けるが後に復活、第98話・第99話でつらら女と組んで、ぬらりひょんや西洋妖怪に挑む鬼太郎に加勢する。家族同様、山の動物たちを想い庇う心の持ち主。
『妖怪千物語』第25話では水虎と戦う鬼太郎の味方として登場。アニメ第5作以降は雪女に多数の同族個体が存在し、独自のコミュニティーを作っている。第5作では飛行能力も持つ。「雪女」として以下の者達が主要キャラクターとして登場。
葵(あおい)
声 - 園崎未恵
アニメ第5作第77話で初登場した雪女。ポニーテールの髪形をしたグラマラスな体型の美女。雪女・真白の親友で彼女に次ぐ実力者。鬼太郎に対抗するための修行で雪女郎や真白を超えるほどの妖力を身につけている。当初は真白を死なせた鬼太郎を許すことができず、ネコ娘を人質に鬼太郎を呼び出して殺そうとするが、自分の怒りと悲しみを正面から受け止めた鬼太郎の命がけの説得で改心したことで、妖怪四十七士の一士として覚醒し、その山形県代表となる。本来は明るく快活な性格で他者への思いやりが強く、同族に逆らって鬼太郎と戦うことの罪深さも自覚していた。和解直後にネコ娘に恋の宣戦布告をしたり、第95話でバレンタインデー前に人間界の服を新調して鬼太郎を象った冷凍チョコを持参したりと、鬼太郎に好意を寄せる言動をしているが、毎回ネコ娘には「からかっただけ」と述べている。
雪女郎(ゆきじょろう)
声 - 笠原留美
第5作第30話で初登場。雪女の元締め。左目の辺りに傷のような赤い模様がある。その地位相応に雪女の中でもトップクラスの実力を誇り、統制力もある。義理堅い姐御肌な性格。
真白(ましろ)[注釈 30]
声 - 佐藤ゆうこ
第5作第7話で初登場。人間を愛して半妖怪の子供まで設けた姉が雪入道に子供諸共処刑されたため、人間と親しい妖怪を嫌い凍らせるが、最後は地獄の炎を得た鬼太郎に倒され、溶けて消える。この一件はぬらりひょんに唆されて起こしたことで、生前は同族の中でもほぼ最強と格付けされていた。第47話と第77話では霊体で登場する。
お黒(おくろ)
声 - 中友子
第5作第77話で初登場。お歯黒べったりと顔と声が瓜二つの雪女で、性格も良く似ている。雪女の城でねずみ男のガイドについた。ねずみ男を気に入っている。一見変わった性格な雪女としてコミカルに描かれるが、実力は相応にあり、第85話では葵の補佐役として妖怪城の戦いに参加した。
ゆき
声 - 西村ちなみ[56]
アニメ第6作第39話で初登場。ねこ娘の友人の若い雪女。厳密には、ねこ娘やねずみ男と同様に人間との間に生まれた半妖怪。
人間の青年・(しゅん、声 - 森田成一[56])の告白を受けて彼と交際を始め、恋愛未経験であったことや価値観の問題によるすれ違いで一度は別れるが、妖怪・沼御前の一件で相思相愛であることを確かめあい、交際を続けていくことを決める。生真面目な性格で言葉使いも常に敬語で礼儀正しいが、やや思い込みが激しく融通の利かない面もある。
ゆきの母
声 - 三田ゆう子[56]
第6作第39話で登場。娘のゆきが人間の俊と交際していることを知り、当初は反対するが、二人がすれ違いや別れを乗り越えてよりを戻し今後も付き合っていく決意を固めたことを受けて考えを改める。実は自身も人間の男と愛し合った過去があり(ゆきの父親も人間である)、ゆきと俊の姿をかつての自身と重ね、自宅の戸棚の中の多数の骨壺を眺めていた。ゆきとの会話では丁寧な言葉使いだが、一人呟く時は多少蓮っ葉な口調で話す。
一本ダタラ (いっぽんダタラ)/ 雪入道(ゆきにゅうどう)
声 - 広中雅志(第3作)、増谷康紀(第4作)、半田裕典(第6作)
一本足、一つ目の妖怪。年に一度、12月20日にしか現れないと云われている。
初登場は第3作劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』で、妖怪皇帝となったぬらりひょんの配下。第4作では51話に鬼太郎父子の顔見知りとして登場。冬眠中に熊と間違えた子狐達の悪戯で起きてしまい、空腹のあまり彼らを食べようと追い掛け回すが、子狐達を探しに来た鬼太郎からもらった餅を食べて再び冬眠する。第5作では一本ダタラと雪入道が別個に登場。第7話では雪入道が雪女一族より格上の冷凍妖怪として登場。雪女・真白の姉を処刑した凶暴な妖怪で、ぬらりひょんと結託し、真白が鬼太郎達に倒された直後に現れて全員凍らせようとするが、真白と同じく地獄の炎で溶かされる。劇場版では同族の一本ダタラが妖怪四十七士の和歌山県代表に覚醒した。
つらら女(つららおんな)
声 - 丸尾知子(第3作)
口から冷気を吐く着物を着た女の妖怪。
アニメ第3作84話初登場。地獄マラソンに参加。90話では巨大なストレスの塊を止めるために登場。94話では抜け首を冷やすために登場するが、鬼太郎と敵対した雪女や雪ん子と協力することは不本意に思っていた。
第4作では妖怪王編で鬼太郎に加勢した。
ぶるぶる
声 - 中谷ゆみ(第3作)、沢海陽子(第4作)、堀越真己(第6作[57]
女性の幽霊のような姿をした暗闇で人の背筋を震えさせる妖怪で、「臆病神」とも呼ばれている。原作「峠の妖怪」(アニメ第1作23話)に登場。本作では妖怪メガネをかけなければ姿を見ることができず、その体は鬼太郎の霊毛でしか固定することができない。また、ぶるぶるが体内に侵入した者は、徐々に体温が下がり、しまいには凍死する。一方で熱には弱い。ある古民家にあった封じ絵の中に閉じ込められていたが、大掃除の際にゴミと共に焼かれたことで解放され、付近の峠を通る車の運転手を狙い事故を頻発させていた。最後は風船の中に閉じ込められて大空へ追放される。
第3作では25話に登場。最期は一反木綿に乗った鬼太郎と化け火に空中戦で追い詰められ、岩壁に封じられる。
第4作では90話に登場。臆病者にしか姿が見えず、熱と光を苦手としている為に夜の間しか活動しない。暗闇で人間を驚かして寿命を奪って生きているが、時代が進むに連れて夜が明るくなり驚かし辛くなったため、峠の古いトンネル内の住処に臆病な人間を引きずり込んで寿命を奪っていた。ねずみ男を操って鬼太郎への反撃を試みるが、最期は多数のつるべ火に囲まれて体内から逃げ出したところを霊毛ちゃんちゃんこで包まれ、そのままつるべ火に炙られて蒸発する。
第6作では60話に登場。過去に悪事を働き巻物に封印されていたが、まなたちが訪れたキャンプ場の薪置場にその巻物が紛れ込み、絵を眺めていた裕太から大翔が奪って焚き火にくべたために復活する。自由に姿を現したり消したりでき、人間を抱えて飛ぶほどの力がある。また、滅ぼすことはできず封印するしかない。

猫妖怪

猫仙人(ねこせんにん)
声 - 大竹宏(第1作)、青野武(第3作)、矢田耕司(第4作)、江川央生(第4作・64話)、稲葉実(第6作[48]
「猫仙人」(初アニメ化第1作17話)に登場。不老不死の秘術を見つけ、猫塚と呼ばれる祠に1200年も生き続けている仙人。長い毛と大きな目が特徴(第3・4作では顔が猫のようになっている)。伸縮自在の体を持ち、猫に限らず魂を生物から生物へと乗り移らせることができる。秘術とは自分の肉体と魂を分離し、魂は普段猫の中に宿らせ(アニメ第3作では命の水が入った宝の玉に吹き込んでいた)、肉体は猫塚の中で冷凍保存して、非常時以外はなるべく使わないようにするというもの。幹線道路工事のために猫塚が破壊されたことに怒り、工事現場と麓の村を猫の大群に襲わせ村を占領して人間達を奴隷のように扱うが、鬼太郎の魂金縛りの術で石の中に封印される。第4作では改心し、身寄りのない猫たちを引き取りどこかへ去る。第6作では目が4つある。200年前に猫塚に封印されていたが、朱の盆によって封印を解かれる。目から相手を猫に変える光線を発射する。かつて猫が飼い猫からペットになってから大事にしない人間が増えており、多頭飼育崩壊盆栽子猫などに怒り、その恨みとして多くの人々を同じ目に遭わせ、残りの人々を猫に変え苦しめるが、最後はねこ娘に倒される。
『妖怪千物語』では3話登場。
大黒猫
第4・6作登場。猫仙人が化けた姿。その名の通り、巨大な黒猫の姿をしている。
化け猫(ばけねこ)
声 - 永井一郎(第1作)、京田尚子(第3作)、青野武(第4作)
猫妖怪の総称としても使われるが、「ばけ猫」(アニメ化は第1作41話)では自動車に轢殺された猫達の亡霊として一個体が登場。自動車への復讐としてトラックに化けて突進、それで事故を起こした運転手はムチ打ち症ならぬ「猫うち症(いわゆる猫憑き)」に罹る。アニメでは猫の霊が集合して巨大な猫の姿にもなる。
第4作62話「怪奇!ばけ猫街道」では、交通事故に遭う猫達の守護者的存在で、犯人たちを強く憎み、人間を呪い殺して祟りとして世間に広め、交通事故を減らすことを目論む。高い呪力や運動能力を有するが、マタタビには弱い。猫打ち症になると、三日三晩「猫踊り」を踊らされた挙句に霊界に引き込まれる。マタタビ香で無力化された後は追撃もせず、人間たちやねずみ男の症状も治り事件は終結する。
猫又(ねこまた)
声 - 江川央生(第4作)
歳を経て妖怪化した猫で、尾が二股に分かれている。初登場はアニメ第2作7話。「猫町切符」(初アニメ化第4作28話)では「猫町」の元締め。原作では人間が猫になる猫町切符を発行し、アニメと新妖怪千物語では猫町に来た人間を連れ戻そうとする鬼太郎と争いになる。
ジーダ
声 - 千葉順二
第2作7話(水木の別作品「猫又の恋」が原作)に登場[58]。南方の島に住むシャムネコ風の猫又。飼い主が「娘に祟って嫁入りの邪魔をしているので始末して欲しい」と鬼太郎に依頼するが、実際は別の妖怪・妖孤から娘を守っていた。老僧に化けてそれを伝え、最期は自分を犠牲にして妖孤を倒す。
ノラ
声 - 島田敏(第5作)
第5作に登場。人間に育てられた猫が変化した猫又。富山県出身で薬の専門家。97話にて人間を恨んで猫ショウになった兄弟を救いたい一心で妖怪四十七士に覚醒する。
猫魈(ねこしょう)
声 - 島田敏(第4作)、櫻井孝宏(第5作)
猫又が修学を積み、より強い妖力と無限の寿命を得た者。アニメでは「猫ショウ」と表記[59]
原作「妖怪猫魈」(初アニメ化第4作108話)では、ある学者が発見した「若返り法」の論文を盗んで食べた猫又が猫ショウになる。その方法は他者の生気を奪うことであり、人間や妖怪の生気を吸って最強の妖怪になろうとするが、鬼太郎に逆に生気を吸い取られて死亡する。第4作では最初に若さのエキスを吸い返した鬼太郎は使い方を知らず赤ん坊の身体になり、呑み込まれた際に腹中の論文を読んで猫ショウを普通の子猫に戻す。第5作97話では猫又ノラの生き別れの兄弟で、人間に冷遇されてきた恨みから猫達を操り復讐を企む。鬼太郎とノラに野望を阻止されて妖力を失うと自決して怨霊になろうとするが、彼らに生命力を分与され子猫に戻り、引き取ったノラからアサと名付けられる。
猫子(ねここ)
週刊少年サンデー』版に登場。鬼太郎の友達。和服姿のボサボサ頭で、釣り目で円い頬の顔つきをした娘。ねこ娘と同じ性質を持ち、自身は「妖怪の一種」「人類には興味ない」など、本編内で人間ではないと言及し、猫が人の姿に変身して妖怪化した化け猫の一種のようにも解説されるが、関連書籍ではねずみや魚を見て化け猫と化す奇病を持つ人間であり、妖怪ではないとの記述もある[60]。寝子と共にねこ娘の仲間とも扱われている[61]
原作本編では、ねこ娘同様に登場時は鬼太郎に惚れていたが、『週刊少年サンデー』版以降は明確に登場している描写がなく、アニメでも原作における猫子の描写のほとんどが、ねこ娘の行動として描かれているが、第2作第19話(「釜鳴り」)など原作で仲間たちと一緒に登場する場面(いわゆるモブシーン)において、ねこ娘が別に登場する一方で猫子も登場している場合もある。
第4作40話(「夜の墓場は運動会!」)ではねこ娘とは別に3シーンのみ登場し、第6作第1話(「妖怪が目覚めた日」)ではアニメキャラ「ニャニャニャの猫子さん」として描かれている。
三毛(ミケ)
「雪姫ちゃん登場」に登場。誘拐事件が起きた村の少年の家に、少年の祖母の代からいる雄猫。少年達に鬼太郎を紹介し、捜査の間は雪姫の子守を引き受ける。

1960年代マガジン版・アニメ第1作初出

たんたん坊(たんたんぼう)
声 - 緒方俊也(第1作)、田中康郎(第3作)、塩屋浩三(第3作86話、第6作[62])、立木文彦(第4作)、チョー(第5作)
妖怪城に棲む妖怪たちのリーダー格。巨大な頭のみの姿をしている。口から吐き出すタイヤ状の青痰が武器(第1作では目脂が武器で、第3作では口から吐く痰を「トリモチ唾液」と呼称)。誘導ミサイルのように敵を追い、膠のように張り付き、体中の穴を塞いで窒息死させる。目からの怪光線や、その巨体で押し潰すなどの攻撃もする。妖怪城の封印が解かれたため、かまいたち、二口女とともに復活し、人間の子供を捕えて妖怪に改造し、日本を妖怪王国にしようとしていた。初登場は原作『妖怪城』およびそのアニメ化作品・第1作第3話。
少年マガジンの巻頭特集では、アニメ第1作の内容を意識してやにやに坊という名前で紹介され、青痰ではなく目脂を飛ばす妖怪とされていた。
大かむろをモデルにした創作妖怪[58]
大かむろ(おおかむろ)
巨大な頭だけの妖怪。伝承では狸が化けた人を驚かす妖怪とされているが、本作では東洋の地獄の住人。住んでいた地獄がサタンに占領されたため、死者を道案内する役に格下げになった。ニタッウナルベから連絡を受け、水木しげると十二人の子供達を地獄へ導いて大昔から変わっていないこの世とあの世の世界の仕組みを教えた。
原作とアニメで登場した同系統妖怪である妖怪城の主・たんたん坊の創作モデルにもなった[58]
月曜ドラマランド版ではおっかむろの名でぬらりひょん一味として登場。頭だけの姿の他に胴体手足のある姿(胴や手足はゴリラに似て、尾は狸のように太い)や人間態も取る。何でも食べてしまう。
かまいたち
声 - 富田耕吉(第1作)、大竹宏、広中雅志(第3作)、鈴木琢磨(第4作)、菊池正美(第5作)、松野太紀(第6作[62]
旋風と共に現れ人肌に斬り付ける妖怪。本作では短髪で口の尖った男に描かれる。『妖怪城』(初アニメ化第1作第3話)では妖怪城に住む妖怪の1名で、呼吸で風を操り鬼太郎を苦しめた。『妖怪万年竹』では鬼太郎の味方として登場。
アニメ第3作では、高速飛行によって生じる風で物を切り裂く。74話「妖怪万年竹」以降は鬼太郎側に付く。
第4作以降は風を操る能力と両手を鎌に変える能力の両方を使う。第4作では夜の間は無敵同然の強さを持つが、昼間では弱体化する。
第5作では妖怪界でも屈指の実力者。旋風を纏って空を飛び、両手の鎌から真空の刃を飛ばして攻撃する。ぬらりひょんに世話になったことがあり、39話ではフリーの殺し屋をしていた。実は萌え系少女漫画マニアで、ねずみ男に買収されてぬらりひょん脱獄に力を貸すが、本が偽物であることを知ってねずみ男を殺そうとした際に鬼太郎に妨害され、プライドを傷つけた鬼太郎を激しく恨み、ぬらりひょんの勧誘を受け一味に加わる。
第6作では妖怪城から力を供給されている間はほぼ不死身。妖怪城の力の源である人柱を破壊された後は、一反木綿をパチンコのように使って石化した子泣き爺を飛ばす連携技で倒される。第19話では名無しによって復活し、子供たちを妖怪に改造するためにお化けの学校で良い教師を装うが、ねこ娘によって倒される。
草かまいたち
声 - 戸谷公次(第3作)
本所七不思議の妖怪の一体で片葉の葦に出現。上述のかまいたちと同族だが、こちらは伝承通りの鎌鼬の姿で、葦の葉手裏剣と両手の鎌で鬼太郎を攻撃。漫画では火炎を浴びて取り押さえられ、目玉親父の監禁場所を白状して逃亡する。アニメでは第3作第108話登場し、目玉おやじの居場所を白状せず、鬼太郎にオカリナ鞭で木に叩きつけられて消滅する。
二口女(ふたくちおんな)
声 - 千々松幸子(第1作・第3話)、小串容子(第1作・第7話)、梨羽雪子(第3作)、阿部道子津賀有子(第4作)、金月真美(第5作)、永島由子(第6作[62]
伝承もある妖怪だが、本作では妖怪城に住む妖怪の一人として登場。顔とは別に後頭部に巨大な口を持ち、獲物を見つけると蛇になっている髪で捕食する。その髪は二百メートルも伸びる上に起重機のような力も備えている。アニメ第1作では顔が大口側だけの大口女(おおぐちおんな)として登場。第4作のみ表の顔と後頭部の口とで、別人の声と喋り方になる。
第6作では第3話にてねこ娘に全身を切り裂かれて倒されるが、第19話で名無しによって復活し、子供たちを妖怪に改造するためにお化けの学校で良い教師を装うが、ねこ娘によって倒される。
見上げ入道(みあげにゅうどう)
声 - 緒方俊也(第1作)、北川米彦(第2作、第4作・第1話)、田中康郎(第3作)、川津泰彦(第4作)、郷里大輔(第4作・第96話)、大川透(第5作)、池水通洋(第6作[63])、石原良純(実写映画版)
伝承では山道などで現れ、見る見る巨大化していく妖怪。
本作では一つ目の法師姿(鳥山石燕画の妖怪青坊主が原型[64])。空気を吸うことによる巨大化能力を持ち、逆に吐き出すことで小さくなったり、強風や空気の糸、炎などを吐いたりして攻撃する。炎の輪で敵を空へ巻き上げ、この世から消す秘法「霊界流し」を使う。全て呼吸による術なので喉を塞がれると使えないのが弱点。また、伝承では「見上げ入道見越した」という呪文を弱点としており、映像化作品の一部でもその描写がある。初登場は原作『見上げ入道』およびそのアニメ化作品・第1作第9話。原作やアニメ第1、3、5作では、妖怪学校を開いており悪戯好きな生き物や幼い人間を集めて妖怪にする教育を与えていた。
第4作では、学校の裏手にある入道沼を工事していた傲慢な社長(声 - 笹岡繁蔵)が祠を蹴り倒したことによって封印を解かれるが、鬼太郎に「見上げ入道見越した!」の呪文を唱えられ妖力を失って再び封印される。
第5作では妖怪の少子化を憂い後進の育成と教育熱心になり過ぎただけで、根は悪い妖怪ではない。妖怪学校の生徒を集めるためにねずみ男に黒い封筒のダイレクトメールを配らせ、同封した質問に答えた子供(問題児)を強制的に入学させ妖怪になる教育を受けさせ、落第した者はあの世に送っていたが、交戦した鬼太郎を優秀な若手妖怪と認めて和解する。
第6作では、第2話にて山奥を通りかかったねずみ男の小便がたまたま石に貼られていた封印の札を剥がしてしまったことによって復活し、5万人の魂を霊界に送ることで無限の力を手に入れようと計画するが、鬼太郎たちによって阻止され消滅する。第19話で、名無しの逆五芒星の力により再度復活し、異空間の中に作り上げた「お化けの学校」に学校が嫌いな子供たちを呼び寄せ、子供たちを妖怪に改造するために良い教師を装うが、助けに来た鬼太郎たちによって阻止される。
見越し入道(みこしにゅうどう)
声 - 長嶝高士(第5作)
伝承では見上げ入道と同系統の妖怪。
アニメ第1作では群衆扱い。首が節くれだった老爺のろくろ首のような姿。
1980年代「最新版」第22話では見上げ入道の弟で、姿は第1作にやや近いが若く悪人面。兄弟で鬼太郎の武器を奪って操ることを企むが、迦楼羅様に海の幽霊族の武具を借りた鬼太郎に撃退される。
アニメ第5作では第38話に登場。肌が赤く額に瘤と第3の目がある。赤ん坊と住んでいた場所に道路が作られ車が出す排気ガスなどで生活圏を荒らされたことに怒り、持っている杖で地面を叩き地鳴りを起こして悪戯していたが、そうしている内に目を離した赤ん坊がいなくなってしまう。その後、妖怪横丁にて赤ん坊を見つけ、鬼太郎が赤ん坊を攫ったと誤解して攻撃するが、戦いに夢中になって赤ん坊を危険な目に遭わせたことでねずみ男から叱責され、自分の今までの無責任な行動を反省し、ねずみ男に礼を言って赤ん坊を引き取る。
見越し入道の赤ん坊
声 - 冬馬由美
アニメ第5作第38話登場。赤ん坊だが怪力は父親譲り。親とはぐれたところをねずみ男に拾われる。ねずみ男に懐き、ねずみ男も赤ん坊に「ネズミージュニア」と名付け面倒を見て情が移る。
百々爺(ももんじい)
声 - 柴田秀勝(第2作)、今西正男(第3作)、松尾銀三(第4作)、西村知道(第5作)、斎藤志郎(第6作[1])/ 演 - 神戸浩
陰険な手段を行う卑劣漢の妖怪。本作では鼻のでかい禿げた頭に左右に白髪を生やした老人姿である。鼻毛を飛ばす「鼻毛針」(威力は鬼太郎の髪の毛針と同等)や、幻覚ガス入りの鼻ちょうちんで分身を見せる「鼻もんもの術」を操る。初登場は『妖怪大裁判』(初アニメ化第2作3話)。鬼太郎を冤罪に陥れようとするが最終的に失敗し、天狗ポリスに身柄を拘束され嘘の証言をしたねずみ男共々有罪判決を言い渡される。アニメ第4作と妖怪千物語では鬼太郎を陥れようとする役割はぬらりひょんに変更された。
第3作101話では虚無僧に変装し、板鬼を使って悪事を働くが、最期は板鬼共々井戸に落ちた。
第4作では47話でカラスの糞だらけにされた恨みを糞で返そうと復讐を狙い、106話で井戸仙人から妖怪医学書を盗みカラスの糞を材料に格別に臭いガスを染み込ませた手紙を鬼太郎に出して妖怪ノイローゼに陥れたが、鬼太郎が恐怖を克服したため幻覚妖怪は消滅し反撃を食らって自分がガスを嗅ぎ、迫る幻覚妖怪に怯えながら恐れが淵へ落下する。
第5作では47話に登場。妖怪世界では慈善家として知られているが、本性は狡猾かつ卑劣な性格。鬼太郎が地獄の鍵の無断使用で投獄されたことを知り、自分の名声を高めるために鬼太郎が妖怪の秘湯を人間にバラしたと偽情報を流して彼を裁判にかけるが、賄賂で味方に付けていたねずみ男に裏切られ、その後は鬼太郎と交戦するもぬらりひょんの横槍で捕らえられる。
第6作では42話に登場。裁判を傍聴する妖怪の悪意を集めてまなに「金」の字の呪いをかけることを目的とした名無しによって操られ、鬼太郎を陥れようとする。
松本しげのぶ版では黒幕として第11、12話登場。妖怪界のはみ出し者とされるが、鬼太郎を妖怪たちへの傷害罪で天狗法廷に訴え、有罪判決を勝ち取り溶解刑を執行させる。実は自分以外の妖怪を忌み嫌っており、ダイダラボッチを復活させ殲滅を目論むが、大天狗を食わせたことで鬼太郎の封印が解け復活、失策の指摘と出番終了をねずみ男に告げられながら屁を喰らって倒れる。
白カラス
アニメ第4作第106話に登場。百々爺の手下であり、「不吉なことの前触れ」と鬼太郎にさらなる怯えと恐れを抱かせ、妖怪ノイローゼを悪化させる。
天邪鬼(あまのじゃく)
声 - 内海賢二(第1作)、野田圭一(第2作)、峰恵研(第3作)、田中和実(第4作)、平野正人(第5作)、楠見尚己(第6作[65]
初登場は原作『天邪鬼』(初アニメ化第1作47話)。その昔悪さを働いて狛犬の中に600年も封じ込まれていた根性曲がりの妖怪で、指図と他人の幸せを嫌い不幸を好む。自ら千人力と称する怪力の持ち主で、相手の心や妖気も素早く察知できることからさとりの怪とも呼ばれる。また、燻製が大好物で、自分のアジトに燻製窯を作るほど。太平洋戦争で家族を失った悲しみから本来の優しい性格が意地悪になってしまった老人の夢枕に立ち、唆して封印を解かせることで現世に復活し町に下りて大暴れを始めるが、自衛隊から要請された鬼太郎との戦闘の末に再び封印される。
原作『妖怪大裁判』(初アニメ化第2作3話)では見上げ入道たちと組んで鬼太郎を窮地に追い込むが、百々爺に騙されたことを知って鬼太郎に謝罪し和解する。第5作では手の目とコンビを組んでおり、88話では地獄クイズ大会で鬼太郎暗殺を企むが失敗し、一部始終を閻魔大王に見られていたため釜茹での刑に処される。
第4作26話では心を直接読まないが洞察力には優れ相手の心理状態も正確に見抜き、自分が「自由」であることに凄まじい意志と信念を持つ。ねずみ男が誤って封印を解いたために暴れ出し、さらった大河内財閥のわがままな一人娘・百合香(声 - 荒木香恵)を鬼太郎たち共々燻製にして食べようと目論むが、最終的には再び封印される。
第6作92話ではぬらりひょんと朱の盆によって封印を解かれる。復活した直後に遭遇したねずみ男を通じて、テレビディレクターの奥田佑太(声 - 沼田祐介[65])を利用して悪事を働くが、自分の間違いに気づいた奥田に見限られ、最期は鬼太郎の指鉄砲で倒される。
のびあがり
声 - 田中康郎(第3作)、立木文彦(第4作)、津久井教生(第5作)
「吸血木」(初アニメ化第1作19話)に登場。地中深くに棲む半透明でゲル状の体と無数の腕を持つ単眼の妖怪。松代群発地震によって千石岩にある龍宮穴にできた通路から地上へ這い出してきた。人間を次々に襲って眠り花の花粉で眠らせて血液を養分とする吸血木の芽を植え付けて吸血木にする能力を持つ。原作では厳密には「妖怪」ではなく、地上の生物とは違う発達をした「地下生物」という設定だった[66]。また巨大な目によって相手を催眠状態にすることができる。調査に来た鬼太郎との戦闘の末に、逆に吸血木の芽を植え付けられ大木となる。原作や第1作では鬼太郎以外の木にされた犠牲者は元に戻れなかったが、第3作以降はのびあがりが倒されると元に戻る。
第3作では2万年前に封印されていた個体が地震によって復活し、人間の森林伐採に怒り、次々に襲って吸血木の芽を植え付けて吸血木にするが、最期はぬりかべが開けた穴で震源のマグマ溜まりと住処の洞窟を繋げられマグマに飲み込まれる。
第4作では10年前に遭難死した増本俊之(ますもと としゆき、声 - 立木文彦)の意志がのびあがりと合体し、雪崩から村人を守るために次々と直に手を触れて人々を木に変える。のびあがり及び融合した俊之は木になった者としか会話できない。融合していた俊之は雪崩から妻と娘を救い、のびあがりの苦手な朝日を浴びて消滅する。
第5作では砂風呂用の砂を掘った時に地上へ這い出してきた。子供のように無邪気な性格で悪意はない。妖怪を次々に襲って種を飲ませて吸血木に変え、そこから妖怪の生気を吸って巨大化し、妖怪横丁をパニックに陥れる。騒動後は鬼太郎によって元の砂場に戻された。
第6作では大昔に封印されていたのがチャラトミの悪ふざけで封印の札を剥がされたせいで復活し、東京都の地下貯水槽付近を根城に「悪意」のある人間を次々に襲って吸血木に変えるが、最期は弱点である目を攻撃されて爆散する。
『妖怪千物語』では花見の最中に妖怪たちを吸血木に変えるが、砂かけ婆と木になった実から復活した鬼太郎によって種を植えられ自ら吸血木となる。
ぐわごぜ
声 - 高橋和枝(第1作)、千葉耕市(第3作)、くじら(第4作)
本作初登場は『朧車』(初アニメ化第1作第58話「おぼろぐるま」)。ねずみ男のようなガウンを纏っている。怪気象を使って日本全土の占領を企んだ妖怪の国の初代総理大臣。妖気定着装置である朧車を操り、調布一帯を怪気象で覆い尽くし調布市街にある水木しげる(アニメ第4作では木水しげる(声 - 田中秀幸))の家を国会議事堂にすべく占拠するが、人質に取った目玉おやじを呑み込んだために脳を支配されて妖気定着装置を逆回転させられ、怪気象共々消滅する。カロリーヌという一人娘がいる。
第4作では70話に登場。人間に取り憑き欲望や妄想のエネルギーを吸収する妖怪で、目玉おやじとは旧知の間柄。口から石化光線を放つ。怪気象と共に東京に現れ、マンガのアイディアに行き詰っていた木水の願望を利用して次々に妖怪を生み出させることで妖怪王国を作り出そうと企むが、最後はねこ娘たちの反撃を受けて黒い霧状の正体を現し、鬼太郎がちゃんちゃんこで起こした旋風によって消滅する。
第3作劇場版「激突!!異次元妖怪の大反乱」では、妖怪帝国の建国を企む妖怪皇帝に臣従する異次元妖怪を纏める妖怪総理大臣として登場。カロリーヌと揃いのペンダントを通じてカロリーヌの居場所を探知できる。これを利用してカロリーヌを保護した鬼太郎たちに襲撃をかけ、さらにカロリーヌをさらったように見せかけて囮にし、国会議事堂へ鬼太郎を誘き出す。狡猾な策略家である一方娘思いの優しい父親でもあり、本当の望みは娘と幸せに暮らすことだった。カロリーヌが朧車に殺されたことをきっかけに、自分たちは利用されていたに過ぎなかったと気づき、さらにカロリーヌが最期まで「パパを許して欲しい」と頼んでいたことを知り、その後は鬼太郎を追い詰めた妖怪皇帝に「娘を返してくれ!」と迫り逆転の一助となるが、妖怪皇帝に剣で斬られて転落し、娘と同じく光の粒子となって消滅する。
カロリーヌ
声 - 三輪勝恵(第1作)、藤枝成子(第3作)、江原詩織(墓場鬼太郎)
ぐわごぜの娘。水色の髪とタレ目をしている。詳細は上記のぐわごぜ、および「墓場鬼太郎の登場人物」の項を参照。原型である「墓場鬼太郎」ではガモツ博士の娘となっていて、「ゲゲゲの鬼太郎」と「墓場鬼太郎」で性格も若干異なっている。第3作劇場版では金髪に青い瞳の可愛らしい外見で登場。土蜘蛛に襲われた地下鉄から逃げ遅れていたところを偶然ねずみ男に助けられたことで彼に懐く。のちに自分が利用されていたことに気づき、石化した鬼太郎たちを元に戻すた目に朧車から涙を奪取するが、激怒した朧車に跳ね飛ばされて致命傷を負い、ねずみ男に看取られて消滅する。
水虎(すいこ)
声 - 緒方俊也(第1作)、大竹宏(第3作)、大友龍三郎(第4作)、掛川裕彦(第5作)、江川央生(第6作[67]
体が水状の妖怪。そのため殴る・切る等の物理攻撃が通用せず、霧状になることも可能。生物の形も取れるが基本形態はシリーズによって異なる(原作・第3作では髪の長い幽霊、第1作・第4作完全体・第6作では虎、第4作の雄は虎の獣人型、「鬼太郎国盗り物語」と第5作では日本伝承風に虎のような顔の大型の河童、妖怪千物語では中国伝承風に虎顔の半魚人)。ほとんどの個体は冷気が弱点。後述の長江の水虎とは同系統妖怪だが別個の存在。初登場は原作『水虎』。雄と雌とが別の壺に密封され埋められていた。少年たちに壺を掘り起こされた雄は自分を飲んだ少年(アニメ第3作では新一(しんいち、声 - 川島千代子)といういじめられっ子)を操り、雌の壺を掘り出して日本中での繁殖を目論むが、最後は鬼太郎の作戦に嵌って再び封印される。
アニメでは第1作14話で初登場。あらゆる生物や物体から水分を吸い取って生きている妖怪で、500年ほど前に中国から渡ってきて高僧に壺の中に封じ込められたが、孤児の人間の少女ゆり子に助けを求め壺から出され復活する。ゆり子に恩義を感じ、いじめっ子からゆり子を助けるなどするが、村中が水分を吸われ全滅する危機に瀕してしまい、最後は鬼太郎との決闘の末に再び封印される。
第3作では9話で登場。原作同様の姿が本来の姿だが、猫のような目がついた霧状の姿で頻繁に移動する。
第4作では56話で登場。雪国の温泉宿の一人息子である(のぼる、声 - 高木早苗)によって偶然封印を解かれる。非常に強力な妖怪とされ、古代には数多の妖怪たちが協力して夫婦を割き各々を別個に封じ込めていた。雄単体では、人間より二回りほど大きく、下半身が不完全な獣人型だったが、妻と合体した場合は空も自在に駆ける巨大な虎になる。洪水や雪崩、口から激しい渦巻く水流を吐くなど水全般に関して高い能力を持つ。妻が封印されているダムを決壊させようと企むが、鬼太郎によって再封印される。
第5作では1話で登場。自在に液状に変幻する体を持ち、風呂場・トイレ・排水溝など、水のある場所に現れる。封印を解いた少年たちを連れ去ろうとするが、鬼太郎ファミリーによって再封印される。
第6作では64話で登場。人間の負の感情を反映して虎の姿になる液体状の妖怪で、生き物から水分を吸い取ってミイラにする。滝の近くの祠に封印されていたが、自殺するために訪れた主婦辰川翔子(たつかわ しょうこ、声 - 恒松あゆみ[67])を唆して復活する。翔子の周辺人物をミイラに変えていくが、最後は鬼太郎に倒されて再び封印され、ミイラ化した人々は元の姿に戻る。
『妖怪千物語』ではぬらりひょんの部下。鬼太郎の体内に入るが、雪女の冷気によって凍らされ、そのまま体内電気で砕かれ倒される。
毛羽毛現(けうけげん)
声 - 永井一郎(第1作)、大竹宏(第3作)、八奈見乗児(第4作)、村松康雄(第5作)
原作「妖怪毛羽毛現」(初アニメ化第1作55話)に登場。目鼻のついた毛そのものの姿をした、神代から生きている妖怪で大の文明嫌いな性格。妖術で恐竜など太古の生物を作り出して(原作やアニメ第1,3作では子供の魂を抜いて化石に移すことで復活させる。第5作では眼光で相手の体を変化させることで恐竜に変えてしまう)使役する能力を持ち、恐竜を東京に進撃させて世界を太古の昔に還そうと企むが、鬼太郎に敗北した後は、自分のことを人間には秘密にするという約束で子供達の魂を元に戻す。
第3作では17話に登場。人間を憎み、妖怪と他の生物が調和していた太古の世界に戻そうとするが、蘇らせた恐竜たちと人間の少女が仲良くする様子を見て考えを改め、人間と妖怪が仲良くできる時代が来ることを信じて子供達の魂を返し、眠りに就く。
第4作では11話に登場。動物の毛や羽毛が集まって生まれた彼らの代表意思のような存在で、本作では恐竜を使役していない。霊山の古い祠に封印されていたが、ねずみ男が封印を解いたことで復活する。霊山周辺に利権絡みの高速道路が作られ、排気ガスによる大気汚染や酸性雨で森の大半が死滅しかけたことを知って怒り、がしゃどくろを操って通行する車を襲わせ脅かしていた。
第5作では28話に登場。目玉おやじによれば太古には複数の毛羽毛現が存在していたがほとんど絶滅したとされ、終の住処を探す旅の途中にゲゲゲの森近辺で行き倒れていたところを目玉おやじに保護された。本来は白い毛並みだが、発見当時は人間の街に誤って入り込んだことでひどく汚れており、2人の看病で回復、目玉おやじとは親友になった。「恐竜拳」なる独自の健康法を編み出している。終の住処には完全な自然環境を求めており、訪れた妖怪横丁の喧騒を人間世界と大差ないと見て失望、自らの手で理想の住処を作り出そうとし、森に妖怪達を誘い込んで恐竜に変え、さらに横丁を妖怪恐竜達に蹂躙させ壊させようとするが鬼太郎たちによって阻止され、最後は目玉おやじと袂を分つ。
ふらり火(ふらりび)
空を飛ぶ牛馬サイズのニワトリ型妖怪で、毛羽毛現の乗り物。原作とアニメ第1・3作に登場。
海座頭(うみざとう)
声 - 内海賢二(第1作)、大竹宏(第3作)、沢木郁也(第5作)、青森伸(第6作[26]
伝承にもある海に住む琵琶法師姿の妖怪で、本作では「海座頭」(初アニメ化第1作26話)に登場。沈没船員達の魂を奪って船幽霊にし、さらに船を襲わせ、そこに積まれた財宝を納めさせていた。また、大鮫を用心棒として使役している。鮫を倒して船員の魂を解放した鬼太郎の魂を奪おうとするが、返り討ちにあい海底に消える。
第3作50話では海で死んでいった人間の魂を鎮めることを役目としている。瀬戸内海のある島同士で漁場を巡って争う漁師達に憤慨し、大鮫を使って漁船を沈め、漁師達を船幽霊に変える。敗北後は鬼太郎達に人間が長い歴史の中で過去を振り返らず争いを続けて来たことを伝え、過去を忘れず語り伝えていくことが亡霊達を鎮める方法だと語り、船幽霊達の魂を持っていく事を了承するも「もしその事を忘れた時は再び船を沈める」と警告し姿を消す。
第5作4話では朱の盆に「海に漬けた子供は美味い」と嘘を吹き込まれ、妖力で作った貝を手にした子供達を配下の船幽霊にさらわせていた。掻き鳴らす琵琶の音色で海の水を自在に操り、巨大な津波を作り出したり、水の壁を作り攻撃を防いだり、波の先を鋭く尖らせた「水流銛」という技を繰り出す。一反木綿と親しくなった少女の(あや、声 - 雪野五月(現・ゆきのさつき))を襲うが、鬼太郎に妖力の源である琵琶を壊されて力を失い降参し、子供達を返す。
第6作16話では江戸の昔から境港近海に住み、そこを航海する北前船の財宝を狙って船幽霊を操り沈めていた。壺の中に閉じ込められ海底に封印されていたが、北前船の財宝を探していたねずみ男が壺を開けたことで復活し、沈めた北前船の財宝を運び出す人手として漁師達の魂を抜き船幽霊に変えていくが、最後は鬼太郎の指鉄砲を喰らって消滅する。
『新妖怪千物語』では海神島(人食い島)近辺の漁場をねずみ男に紹介するが、(上海かに坊主に操られた)人食い島が起こした嵐に巻かれ漁師達と共に捕われる。
船幽霊(ふなゆうれい)
声 - 大竹宏(第1作)、戸谷公次(第3作)、根本幸多、松本考平(第5作)
伝承にもある海難事故の犠牲者の死霊。柄杓で海水を船に汲み入れ沈める。
「海座頭」(初アニメ化第1作26話)に登場。海座頭に魂を奪われた沈没船員達で、他の船を沈めて宝を奪うためこき使われていた。鬼太郎が魂を封じた壺を開けたことによって人間に戻る。
第3作では本来は大人しく悪さをしないと言われている。船に乗って現れ、海座頭の使役する大鮫が船を沈めて船員が海に投げ出されるとその上から柄杓で水をかけ沈める。元は人間の魂だけに個々の実力は低い。
第4作では海和尚の海水を回転させる特殊な装置に人間の魂を入れることで生み出された。ある程度の自我を持つが基本的には海和尚の命令に従う。柄杓を渡されると合体して巨大な一個体になって船を沈め、仮に底抜けの柄杓を渡されても集団で渦潮を起こすことで船を沈めようとする。装置の海水の回転を逆にして使用することで元の人間に戻る。
第5作では海座頭の使い魔的な存在。陸に上がり海座頭が狙いを定めた子供を見つけ、海座頭に差し出す。
第6作では海座頭が漁師達の魂を奪い、海底の祠に閉じ込めることで生み出される。
(猛霊八惨)(もうれいやっさん)
声 - 八奈見乗児(第2作)
原作では水木の別作品「妖怪水車」に登場[58]。海で死んだ人間の霊が化けた、船幽霊と同系統の妖怪。一反木綿を厚手にして足をつけたような姿(アニメ第2,3作では主によって遺体を圧延されているため)。集団で渦潮を横にしたような大波「妖怪水車(ようかいすいしゃ)」を起こす。アニメでは第2作39話初登場。神主のような服装の「八惨の主(やっさんのぬし)」に率いられ、主は八惨を作る儀式を目撃した少年を呪い殺そうとするが、鬼太郎のちゃんちゃんこで倒される。主の正体は水死者の霊毛の集まりだった。
第3作98話では八惨の主は水精の翁(すいせいのおきな)。八惨(はっさん)を慰める祭の本義を人間達が忘れたことに怒り、妖怪水車で村を襲うが、鬼太郎と化け火の火炎連弾との衝突の末に、急所である鼻を焦がされ退散する。
第5作92話では人間や霊を海に引き込んで仲間に変える。浪小僧の両親の仇であり、彼が師事する岩魚坊主が封じた悪霊を解放して仲間に加え、妖怪水車を起こすが、鬼太郎の体内電気で倒される。
モウリョウ
声 - 永井一郎(第1作、第3作108話)、増岡弘(第3作)、松尾銀三(第4作)、田中大文、川津泰彦、森岳志(第5作)、廣田行生(第6作[68]
死体に乗り移って生きている妖怪。毛むくじゃらの巨大な体と怪物のような屈強な顔つきがトレードマーク。原作では歯は四角形だが、アニメではギザギザの歯である。
初登場は「モウリョウ」(初アニメ化第1作31話「もうりょう」)。乗り移っている死体が古くなると、新しい死体を求めて墓を暴く。死体に乗り移ったままでも姿を現せるが、これは幻のような物で、現在乗り移っている死体を完全に焼くことで消滅する。墓を暴いている所を墓守の少年・玉吉(たまきち、声 - 小串容子)に目撃され襲いかかるが、鬼太郎の呼び寄せたつるべ火に死体を焼かれて消滅する。
アニメ第3作では未練を残した死者の体に入って操る。
第4作では火葬が普及して入る死体がないため、生者を死に追いやって乗り移ろうとした。ただし、相手に生きたいという未練があれば体を奪うことは不可能。実体がないため攻撃が一切通用しない。街中で次々に人間を驚かせて事故死を誘発しようとするが、鬼太郎のちゃんちゃんこに包まれ消滅する。
第2作6話「死人つき」にも登場するが、こちらは鬼太郎の登場しない短編『妖怪 魍魎(もうりょう)の巻、死人つき』に準拠し、第1作とは別種で各容姿も異なる個体が複数出現している。女性の死体に取り付き、それに引かれて数多な魍魎が集まってくる。日光に弱く、朝になったことに気付かず自滅する。第5作64話「もうりょうの夜」では魑魅魍魎の名称で同種の妖怪たちが登場。鹿羽村(しかはむら)に特有の現象「死人つき」として恐れられ、死人つきが起きる時節になると方々から妖怪が引き寄せられる。約50年近く前(第2作と時代は近い)にも鬼太郎に退治されたが再び発生する。女性の死体に取り付いた魍魎は第2作では牛頭鬼のような正体で暴れたが、第5作では取り付いたまま滅びる。
第6作では78話登場。光を苦手とするため昼間は姿を現さず、雄叫びで怨霊を呼び寄せる能力を持つ。水葉(みずは、声 - 照井春佳)の死体に乗り移り、水葉を見殺しにした恋人の写真家久能恭平(くのう きょうへい、声 - 野島裕史[68])に付きまとうが、鬼太郎の指鉄砲を受けて消滅する。
土精(どせい)
声 - 竹本英史(第5作)
魑魅魍魎中唯一名前が明らかな妖怪。他の魑魅魍魎では知覚できない八角円の結界内を見ることができるが、瞼が大きく重いため仲間に持ち上げてもらう必要がある。第2作や元ネタの『妖怪 魍魎(もうりょう)の巻、死人つき』では一眼だが、第5作では二眼となっている。
おどろおどろ
声 - 富田耕吉(第1作)、北村弘一(第3作)、佐藤正治(第4作)、西村知道(第5作)、増谷康紀(第6作[69]
毛を突き刺して人間の血を吸う吸血妖怪。
初登場は『おどろおどろ』(初アニメ化第1作27話)。自身の肉体で「(毛生え薬)」の人体実験を行なった科学者が、薬の副作用で超能力を得る代わりに人間の血を吸わなければ生きていけなくなった妖怪。すでに人の心をなくし、新鮮な血液を手に入れるために子供を誘拐し続けていたが、鬼太郎によって倒される。正太郎(しょうたろう、声 - 朝井ゆかり)という息子がおり、おどろおどろを人間に戻そうとしていた。
「妖怪千物語」では封印の祠が研究所改築で崩されて復活し、魂が科学者の髪にとりつく。体内に取り込んだ科学者を人質に息子の正太郎を脅して模型飛行機で子供達を誘拐させ血を吸っていたが、鬼太郎によって科学者と分離させられて封印される。
第3作では第37話登場。本体は妖気で、天命に背き欲望の虜となり人間の心を失った者にとりつき変化させる。不老不死の研究に没頭し過ぎた科学者が妖気に憑かれ変化し、口内にある円形の口から触手を伸ばして吸血する。隆(たかし、声 - 塩沢兼人)という大学生の息子に子供を誘拐させていたが、鬼太郎に倒される。
第4作では第38話登場。助手(声 - 根谷美智子)がおどろおどろの助命を嘆願し、作りかけの元に戻る薬に鬼太郎が妖気を清めた血を入れたものを使用され、元の人間に戻る。
第5作では第21話登場。純粋な妖怪であり、血を吸われた相手は操られる。関谷教授に化けて大学に入り込み、恋をする女学生の血を好んで吸っていたが、鬼太郎によって倒される。
第6作では第43話登場。遺伝子研究者の小野崎彰悟(おのざき しょうご)が、開発した不死細胞の証明のために自身に投与し、副作用で妖怪になった。美琴という娘がいる。定期的に起こる吸血衝動に悩まされた末に、鬼太郎に依頼して指鉄砲で倒される。
牛鬼(ぎゅうき)
声 - 斎藤志郎(第5作)
頭部は牛の角や耳を備えた鬼、胴は蜘蛛に似た怪獣サイズの海の妖怪。鋭い爪が武器。他にも日本各地で様々な伝承があり、その姿も土地ごとで微妙に異なる。
原作初登場はガロ版「鬼太郎夜話」で、貸本版「下宿屋」の夜叉とほぼ同じ役回り(後述の「中国妖怪」の「夜叉」の項目を参照)。
マガジン版「牛鬼」や第5作以外のアニメ、千物語では知性は見られず獰猛で狂暴な怪物として描かれており、破壊と捕食を繰り返す。その昔に神・迦楼羅によって封印されていたが、封印場所を荒らされたことで復活した。正体は細胞を変化させる生きた気体で、他の生物の体を乗っ取ることで初めて牛鬼としての実体を得る(この本体は目視することができない上に鬼太郎の妖怪アンテナにも反応しないため、誰にも気付かれることなく寄生できる)。宿主が死ぬと最も近くの生物に乗り換えその者が新しい宿主となる。牛鬼を殺した者は牛鬼になってしまうという伝承にもある通りに殺された場合は加害者に取りつき新たな牛鬼となる。作中では主に前の宿主を倒してしまった鬼太郎に憑依し暴れるが、目玉おやじ達の祈りに応えて現れた迦楼羅の笛の音に誘われ鬼太郎の体から分離、再封印される。
アニメ版では第2作15話に初登場。約千年前から牛鬼岩と呼ばれる岩近くの海中に封印されていたが、何らかの形で忠太という少年の父親に寄生して実体を得て海中に潜んでいた。牛鬼岩で釣りをしていたねずみ男に釣り上げられて姿を現し村を襲ったが、最終的に鉛の箱に入れられ再び海中に封印される。
第3作では42話に登場。全身、暖色系の色をしている。村人が立ち入り禁止している海鬼の磯に封印されていた。2人の青年が小遣い目的に密漁に入り封印石を動かしたことで復活するが、最終的に再び海鬼の磯に封印される。
第4作では6話に登場。今作では牛鬼に憑り付かれた人間はまず影が牛鬼の影に変化し生肉を食らうようになり最終的に牛鬼になるとされている。また前の宿主を倒した分だけ強くなるので、更に手に負えなくなると言われている。青色の体に赤色の模様を持っている。島の開発を目論んだワンマン社長の鬼頭(きとう、声 - 石森達幸)が釣りの際に牛鬼岩の封印の札を剥がしたことで復活するが、最終的に新たな札に再封印され牛鬼岩に貼られる。
第5作では14話に登場。顔が小さめで胴体が細く足が長い。知性を持って言葉も話し、宿主の記憶や能力を利用する。殺生性は無く人間の恐怖心を食糧としており口から吐く糸で人間を生け捕りにして住処に閉じ込めて死への恐怖を与えるなどしている。数百年も昔、瀬戸内海の島々を全滅させたが蜘蛛島の守り神である迦楼羅に封印されていた。おごり高ぶった村長の息子らに金で雇われたねずみ男によって復活するが、最終的に再封印される。
第6作では22話に登場。オカルト番組の撮影を目的としたディレクター(声 - 稲田徹)とタレントの神宮寺(じんぐうじ、声 - 高塚正也)が島民の少年たちから教えてもらった牛鬼岩の封印を解いたことで復活するが、最終的に牛鬼岩に再封印される。
『妖怪千物語』では口から吐き出すよだれを武器にする。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定条件下で仲間にできる。鬼太郎に寄生しながらも説得を受け、それを酌んだ迦楼羅によって寄生能力だけ封じられ、自分の体を持つ。体も敵の時よりは小柄に縮んでいる。
逆柱(さかばしら)
声 - 北川国彦(第1作)、矢田耕司(第3作)、高木渉(第4作)、稲田徹(第5作)
伝承では上下が逆の古い木材で作られた柱の妖怪。本作では「げた合戦」に登場する。本体は下駄で、丸毛の子供を人質にして親丸毛に盗みをさせていたが、鬼太郎のリモコン下駄で破壊されて倒される。1980年代「最新版」では電気を帯びた樹木の妖怪。野衾軍団を率いてその電撃で朦朧となった人間を集め、呑み込んで一人から二人の複製人間(実体は棒切れ)を部下として作り出していたが、根切り虫に根を齧られ根の塊の本体を現し(地上部は尾に過ぎない)、本物達を吐き出した後に湖に落ちて自分の電気で自滅する。
アニメでは第1作第44話初登場。伝承通り上下が逆の柱が本体で、偽下駄は自分の一部で作った物。弱点は木材なので燃えることと上下を正しい向きに直されるとただの柱に戻ること。第3作では取り壊された名家の屋敷の跡地に立っていた柱が本体で、大事にしてくれた主人への恩返しのために、金を集めて屋敷を再建させようとしていた。
第5作では妖怪横丁の寺に住む。逆向きではひねくれた性格になるが、正しい向きに直されるとおとなしくなる。
花子 / ミチル
声 - 山口奈々(第1作)、荘真由美(第3作)
花の妖精。「げた合戦」に登場。原作やアニメ第1作では気位が高く、普段は鬼太郎やねずみ男を軽蔑して口も利かないが、丸毛に貯金を盗まれたために捜索を依頼する。アニメでは第1作第44話初登場。第3作では第52話登場し、ねずみ男をも疑わない純真で優しい性格で。花吹雪を放つ術を使う。
小説「水木しげるの妖怪ふしぎ話」では「ミチル」と改称されている。
第3作第84話や地獄編に登場する同名のキャラクター(声 - 山本百合子片石千春〈地獄編〉)は人間であるため無関係。
あまめはぎ
声 - 杉浦宏策(第1作)、槐柳二(第3作)、上田敏也(第4作)、飛田展男(第5作)、蟹江俊介(第6作第48話)、寺崎千波也(第6作第97話)
伝承にもある妖怪だが、本作では「こま妖怪」で伝承とは異なる姿のコマ回しが得意な妖怪として登場。頭にキノコを生やしている。子どもの足の裏の皮を食べるのが好きで、その妨げになる鬼太郎を倒そうとするが、敗北後はもう子供を襲わないと誓う。アニメでは第1作第35話初登場。
第3作では第21話登場。「スーパーあまめはぎ」というフルパワー形態が登場する。
第4作では第52話登場。大雪でコマ神木が倒れ復活。コマを粗末にする子供達をコマに変えるが、鬼太郎に敗北した後は鬼太郎達の霊力で元に戻ったコマ神木で眠りに就く。
第5作では第31話登場。土の中に眠っていたが、ねずみ男に頭のキノコを取られたことで土から出てきた。ねずみ男と手を組み、キノコを餌に子供達を襲おうとするが、最終的にコマ勝負で鬼太郎たちに敗北し、頭のキノコも剥がれ落ちて山に帰る。
手の目(てのめ)
声 - 富田耕吉(第1作)、銀河万丈(第3作)、石塚運昇(第5作)、茶風林(第6作[70]
『手の目』(アニメ化第1作37話)に登場。顔ではなく両の掌に目がある妖怪。本作では、その眼光を浴びた相手の手を一日に数時間操る能力を持つ。人間の青年「山田」の手を操って強盗事件を起こすが、鬼太郎と砂かけ婆に目を2つとも潰され警察に突き出される。アニメ第3,5作では眼から破壊光線を放つ。
アニメ第3作77話では餓鬼と共に洞窟に封じられていた個体が人間の侵入によって封印が解け、近隣の村人を捕らえワイン漬けにして食おうとした。飛ばす眼球はちゃんちゃんこをも突き破る。
第5作では天邪鬼とコンビを組み、地獄クイズ大会で鬼太郎暗殺を企むが失敗し、一部始終を閻魔大王に見られていたため釜茹での刑に処される。
第6作では89話登場。本来はいたずら程度の悪さしかしない妖怪だったが、人間が妖怪を虐げる法律「妖対法(妖怪による不当な行為の防止等に関する法律)」を作ろうとしているとぬらりひょんから聞かされて人間を憎悪するようになり、「妖対法」の関係者の手を操り次々に殺害し、敗北後は「俺の後を継いだ妖怪が人間どもを皆殺しにする」と言い残して自爆する。
人食い島(ひとくいじま)
声 - 青野武(第4作)
「人食い島」(初アニメ化第1作42話)に登場。和歌山県佐々岡村の沖に千年も前から住み、海神として毎月二人の生贄を村に要求し続けてきた。海神の正体は、住処とされている巨大な人型の島そのものであり、献上された生贄を洞窟とみなされている口から胃腸に送って消化し、村人が逆らった場合は呼吸力によって災害を起こしてきたが、最期は体内に侵入してきた鬼太郎によって逆に消化される。
第3作では大人しい性格で、村人から島神として祀られている。海和尚が肺に寄生したことによって急に生贄を要求するが、鬼太郎が海和尚を倒したことで元に戻る。
第4作では動いたり話したりすることができる。千年前に「生贄は自分で最後にして欲しい」と身を捧げた姫に心打たれて食人をやめていた。彼女の形見の首飾りをねずみ男に盗まれて暴れ出すが、鬼太郎が首飾りを返したことで鎮まる。消化液は人間には有効だが妖怪や半妖怪には無効。長い年月を経て人間のように容姿が変化するらしく、現在の姿は千年前と顔や髪型(に該当する木々の部分)が若干異なっている。
『新妖怪千物語』では昔は暴れ者だったが今は封印されて大人しくしている。封印の祠を上海かに坊主に悪用されて操られ、鬼太郎に助けを求める。
ムジナ
声 - 大塚周夫(第1作)、安原義人(第3作)、高木渉(第4作)、根本幸多(第6作)、野沢那智(異聞妖怪奇譚)
アナグマの異称とされる、人を化かす獣。原作・第4・6作では鼻が尖った奇妙な外見だが、第3作ではかなり屈強な外見をしている。
『おりたたみ入道』(初アニメ化第1作第38話)に初登場。ねずみ男そっくりに化けて子供たちから金を騙し取るが、ねずみ男本人と鬼太郎に正体を見破られて逃げ去る。
第3作13話では招かれたねずみ男の家の物を持ち去ろうとして鬼太郎に見つかり、敗北後は反省して、鬼太郎の頼みで一泊して山へ帰るまでねずみ男の弟を演じる。エンディングの声の出演クレジットでは「ニセねずみ」と表記。
第4作36話でもねずみ男を騙し妖怪アパートに忍び込むが、騙されたと気づいたねずみ男の怒りのビンタを受け反省し、山へ帰る。
第6作では50話に登場。鵺からの命令で彼に化けて人々をさらい、廃墟となった鉱山労働者の集合住宅内で生気を吸い取っていたが、零に本物の鵺の居場所を吐かされた挙句、殺されて魂を吸収される。
妖怪千物語では善良な性格で、鬼太郎と敵対しない。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では悪役として登場。見た目だけでなく声もねずみ男そっくりだったので鬼太郎達にはバレなかった。
おりたたみ入道(おりたたみにゅうどう)
声 - 内海賢二(第1作)、大竹宏(第3作)、川津泰彦(第4作)
『おりたたみ入道』(初アニメ化第1作第38話)から登場したビックリ箱のような妖怪で、むじなの背負うつづらの中にいる。
大きな口で何でも飲み込んでしまう。つづらの中に入ると無敵の防御を誇るが、体内からの攻撃に弱く、鬼太郎に倒される。
アニメ第1作のみ、正体がかかしとされており、育つのに100年掛かるとされる。
妖怪千物語ではねずみ男を唆して背負わせるが、体内からの外道殱封で妖界の大気に封じられる。
かぶきり小僧
ムジナが幼い少年に化けた姿。人里の周辺に住んでおり、時々子供たちと遊んでいるという。「水飲め」と声をかけるが、その理由はわかっていない。アニメ第5作では千葉県代表妖怪四十七士として覚醒。
レン
アニメ第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」に登場するムジナで、鵺の影武者とは別個体。戦闘力や人望には乏しいが知略と変化術に長け、裏組織・猿鬼組のNo.2を務める。
雲外鏡(うんがいきょう)
声 - 杉浦宏策(第1作)、大竹宏(第3作)、鶴ひろみ(第3作・仮の姿・クモ子)、田中亮一(第4作)、久川綾(第4作・仮の姿)
「鏡合戦」(初アニメ化第1作29話)に登場。二千年以上経った銅鏡から生まれた妖怪。本来は長い髪を生やした巨大な頭の姿だが、少女の姿に化けることもできる。鬼太郎以上の妖力を持つ実力者だが、一方で聖なる鏡・照魔鏡の光を当てられると術を破られ、銅でできているため塩水に弱い。
千物語では小学校にある古い鏡で、鏡像を操り、鏡像と本物を人知れず入れ替えることで人間界を支配しようと目論む。
姑獲鳥(うぶめ)
声 - 高橋和枝(第1作)、杉山佳寿子(第3作)、三田ゆう子(第4作)、山崎和佳奈(第5作)、勝生真沙子(第6作[71])、尾小平志津香(異聞妖怪奇譚)
「姑獲鳥」(初アニメ化第1作46話)に登場。人間の赤ん坊をさらって自分の子として育てる、巨大な鳥の姿をした女性妖怪。干してある布団に足形を付け、その布団で寝た子供におねしょをさせるという趣味がある。武器はヘッドライトのような眼光と溶岩のような糞で、巨大な口は相手を一飲みにする。姑獲鳥石という石像に変えられ封じられていた。自家用飛行機代わりにしようとしたねずみ男に神社から盗んだ羽毛を被せられて鳥の姿となって復活し、次々と赤ん坊をさらってコレクションしていたが、最期はつるべ火に羽毛を燃やされて石像に戻る。
第3作では第24話登場。道端で出産し亡くなった女性の魂が変じた妖怪で、親の役目を果たせなかったことへの償いから赤ん坊をさらって育てる事に執着する。ねずみ男によって復活した後は病院を襲って多数の赤ん坊を連れ去り、ねずみ男たちに世話をさせていたが、額に羽を貼り付けられたことで姑獲鳥石に戻る。
第4作では第81話登場。人間の女性の姿に化けることが可能で、鳥の姿の際は前足が存在する。ねずみ男に封印を解かれ彼の経営する保育所で働き、赤ん坊が集まったところで住処へさらい、永遠に赤ん坊のままで自分のものにしようとするが、最期はつるべ火に燃やされて石像に戻る。
第5作では第65話登場。生前に自分の赤ん坊を亡くした人間の女性の魂が妖怪となった存在で、我が子を見つけるために「赤子返りの術」で子供のいる家に足跡を残しては、その家の子供を赤ん坊にしてさらっていた。身体が千年石で出来ており、外部からの攻撃は一切通じない。最後は鬼太郎によって倒されて成仏し、亡くなった自分の赤ん坊と再会する。
第6作では第47話登場。親がそばにいない赤ん坊を住処に連れ去る習性があり、自身は「助けた」と主張する。羽を矢のように飛ばしたり超音波で攻撃したりする能力を持つ。鬼太郎たちに懲らしめられた後、二度と赤ん坊をさらわないと誓い赤ん坊達を帰すが、浮気による育児放棄で子供を衰弱させた男女が姑獲鳥に濡れ衣を着せて報道されたことで人間から迫害を受ける。
後神(うしろがみ)
声 - 小串容子(第1作)、池田昌子(第3作)、江森浩子(第4作)、土井美加(第5作)、桑島法子(第6作[72]
『後神』(初アニメ化第1作61話)に登場。
二つの目だけが付いた真っ黒な顔を持ち、足がなく浮遊する女の妖怪。アニメ第5作以外では人間態も取り、第3作では肌や髪に青みがかっている以外人間と変わらない整った容姿をしている。サボテン好きな少年に妖怪サボテンを売り、そこの家族を始末して家を乗っ取ろうと企むが、調査に来た鬼太郎に捕えられて捨てられる(アニメ第1作では逃げ込んだ木ごと落雷で燃え尽きる)。第3作では59話に登場。植物の世話が得意な美女。一緒に花屋を開く約束をした人間の男性を捜して人里に現れ、ユメコの級友・野上カオリ(声 - 荘真由美)の一家が営む花屋を乗っ取るが、男性が事故死していたことを知って山へ帰る。第4作では55話に登場。「幸せを運ぶサボテン」として妖怪サボテンをある一家の父親に渡し、一家を妖怪サボテンに喰わせて自身も生気を得ようとする等、妖怪サボテンとは共生に近い関係にある。影を操る能力を持つ。最後はつるべ火との戦闘で封印の壺に誘い込まれて封じられる。
第5作では第86話に登場。ダム建設で住処の祠を失い、人間の少女・真奈美(まなみ、声 - 福圓美里)の家にたまたまあった妖怪サボテンを利用して家を乗っ取る。鬼太郎に敗北した後は、自分の家を購入する費用を稼ぐために妖怪横丁の大風呂屋敷に住み込みで働き始める。
第6作では第59話に登場。元々は山奥に住む気性の優しい妖怪。人間たちの土地開発で住処を失い、新しい家を得るために人間の街の花屋で働いていた際に出会った結婚詐欺師の三田村(みたむら、声 - 田中健大)に騙されて交際し、やがて去っていった彼を待ち続けていたが、次第に思いが屈折し、去り際の約束を曲解して窓から飛行場の見える家を2週間ごとに妖怪サボテンに襲わせ移り住むという凶行に至る。のちに真実を知り、鬼太郎からの警告を無視して再び詐欺を働いた三田村に取り憑く。
妖怪サボテン(ようかいサボテン)
声 - 塩屋浩三(第3作)
サボテンの妖怪で、後神の相棒。花を伸ばして人間を捕食して養分にし、その度に瘤が増えていく。後神が狙った家の住人を捕食させたが、鬼太郎を食べた際に体内からの指鉄砲で退治され、食べられた人々は解放される。
アニメ第3作では体内は広間のようになっていて、獲物は暫くしてから消化液で溶かされる。自我が強く人語も話し、後神の事情に同情して加担し、事件後は後神が山に連れ帰る。第4作では後神が封じられると鎮静化する。第5作ではねずみ男によってゲゲゲの森に生えていたのを売られ置かれていた所を利用される。第6作では第3作同様に体内は広間状で、獲物は触手で瘤に取り込まれる。
妖怪毒サボテン(ようかいどくサボテン)
『血戦小笠原』に登場。後神の相棒として登場した妖怪サボテンとは別種。汁や射出する棘に強力な麻痺毒を持ち、ドラキュラたち吸血妖怪団に罠として使用される。
陰摩羅鬼(おんもらき)
声 - 北川国彦(第1作)、北村弘一(第3作)、佐藤正治(第4作)、中尾隆聖(第5作)、檜山修之(第6作[73]
『陰摩羅鬼』(初アニメ化第1作64話。原作の雑誌初出時とアニメ第1作では「いんもらき」と読まれた[74])に登場。三つ目で蝙蝠の翼を生やした鳥のような姿の妖怪。水木の絵では人面鳥で口から火を吐く。魂と肉体を分離でき、魂は死体に乗り移って操れる。太古から地下5メートルの古墳状の家に住んでいたが、その上に人間の家を建てられたことに怒り、そこを相続した青年・哲夫(てつお、声 - 市川治[注釈 31])を殺して肉体と家を乗っ取ろうと企むが、魂は鬼太郎の魂かなしばりの術にかかって焼き殺され、残った肉体はねずみ男の魂を奪ったものの、逆にねずみ男に使われ、鬼太郎に眠り薬を飲まされて眠らされる。
第3作49話では結婚詐欺の悪党であり、吉永ルリ子の遺体に憑き、ユメコの叔父・伊集院に近付くが、鬼太郎に正体を暴かれ倒される。
第4作24話では後継者の絶えた寺の供養不十分な霊の無念から生まれ、寺の娘だった小池小百合(こいけ さゆり、声 - 三浦雅子)を蘇らせ操り、寺を潰した村人を襲うが、最終的に封印される。
第5作50話では祠の上に館を建てられ生贄を断たれた復讐に、殺害した美術大学生綾野杏子(あやの きょうこ、声 - 雪野五月)の身体を乗っ取り、館を相続した青年中川邦夫(なかがわ くにお、声 - 森川智之)を呪い殺そうとするが、鬼太郎に正体を暴かれ倒される。
第6作では80話に登場。まなの同級生・高木努(たかぎ つとむ、声 - 白石涼子[73])の急死した母(声 - 浅野真澄[73])の遺体に憑依し、努や周囲の人間の生気を吸い取っていたが、最終的に魂は絵に封印され肉体は消滅する。第6作準拠の小説「陰摩羅鬼・外伝」にはアニメ80話とは別設定で登場。
ほうこう
声 - 仁内達之(第1作)、玄田哲章(4作)、池田勝(第6作[75])、宮澤正(異聞妖怪奇譚)
「妖怪ほうこう」(初アニメ化第1作65話)に登場。般若と天狗が混ざったような顔をした妖怪。その正体は二千年以上経った巨大な縄文杉。長い年月の間に生命の本源である地水火風を操る力を獲得し、4つの姿に分裂することも可能になった。漬物が好物で、ねずみ男を騙して村中の大根を盗ませ漬け込み、調査に来た鬼太郎も漬け込んで食おうとするが、最終的に倒される。
第4作では41話登場。自らの妖力を高めるために鬼太郎を漬け込もうとする。
第6作では83話登場。四元素の姿に分裂した際には地水火風の決まった順番でしか攻撃できず、属性に関係なく分身同士が接すると消滅するといった弱点を持つ。元々は小高い丘の上の樹齢二千年のクスノキに宿り人間達を見守っていた土地神のような存在だったが、ミュージシャン TAKUMI(声 - 寺島拓篤)のSNSでの木の写真の拡散により大挙した人間によって迷惑行為が頻発したため、土地の管理者(声 - 谷昌樹)によって木が伐採されて住処を失う。その復讐のために遠因となった人間たちを攫い漬物にしていき、のちにTAKUMIの謝罪を受けて真意を知るが、自分の怒りが抑えられないことを悟り、最後は自ら望んで鬼太郎に倒されて消滅する。
泥田坊(どろたぼう)
声 - 永井一郎(第2作)、塩屋浩三(第3作)、増田均(第4作)、大場真人(第5作)、谷昌樹(第6作[76]
「泥田坊」(初アニメ化第2作1話『妖怪復活』)で登場。体が泥でできた隻眼の巨大な妖怪で、「田を返せ」としか喋らない(第3作と『妖怪千物語』では普通に喋っている)。水が力の源であり、水分があれば何度でも再生する能力を持つ。そのため雨の降る最中等に現れ、熱や乾燥が弱点である。本来は水田に住む妖怪(第4・5作では水田の守り神のような存在)で、土地開発で田を奪われたことによって出現し暴れ出すが、原作では基地建設で弾圧された農民達の怨霊が正体だったためその慰霊碑を建て直し、アニメ第2作から第5作では住む水田を人間の有志が確保することで鎮まった。
第6作では苦労して開墾した水田が息子によって他人の手に渡り、悲しみながら死んだ農民の父親が死後妖怪化した存在。30年前に鬼太郎に倒されて以来眠りについていた。ゴルフ場跡地にメガソーラー発電所を建てる再開発工事が始まったことで目覚め、工事関係者を再び襲い始めるが、工事責任者の建設会社社長黒須(くろす、声 - 山路和弘[76])も自分の子供たちの未来を作るために工事を成功させたいという信念を持っていたために互いに譲らず、最終的に鬼太郎に倒されて再び眠りにつく。
『妖怪千物語』の妖怪大裁判編ではぬらりひょん配下として登場。
ベビー泥田坊
声 - 鈴木麻里子
アニメ第4作22話に登場した泥田坊の子供。一見、全身隈なく泥を被った人間の子に見える。人間の少年と仲良くなり、二人で親達の衝突を止めようとした。水に溶けてもすぐ再生する。
土転び(つちころび)
声 - 槐柳二(第3作)、古谷徹(第4作)、高戸靖広(第5作) 、間宮康弘(第6作[47]
「土ころび」で初登場。毛むくじゃらで丸い身体をした妖怪。原作では本来の土ころびは絶滅していたが、人間が工業排水混じりの水を飲んで変化。石油や電気などを食糧とするため、近隣の村から象のような鼻で吸い盗んでいた。ねずみ男に唆されて鬼太郎の妖力を狙うが、吸い込みきれずに爆死する。『新編』では一眼と触角を持つ別個体が登場する。食糧として育てたドングリ林を人間に伐採されたことに怒り、跡に植えられた杉林や村を潰し回るが、弱点を突かれて休戦する。
アニメでは第2作第11話初登場。滅んでいた者が工業排水の作用で復活したとされる。猫娘から妖力を奪って老化させたり、火を吹いたりする。
第3作では住んでいた祠や眺めていた古い村がダムに水没したことに怒り、ねずみ男に騙され人間への復讐も兼ねて村の電気を奪っていくが、最後は祠をダムから引き上げてもらって和解する。
第4作では第73話登場。あらゆるエネルギーを栄養源にする。本来は旅人を脅かして楽しむだけの人間好きな妖怪で、肉体が滅びた後も魂だけで山の中の祠に留まり人間を見守り続けてきた。祠の一帯が開発されてからは水中でしばらく眠っていたが、のちに人間社会での電気の浪費ぶりとありがたみを持たない心に怒り、灸を据える意味も含めて電気を奪っていくが、敵対した鬼太郎の妖力を吸収しすぎたことで破裂し、魂は山へ帰る。
第5作では第48話登場。電気が大好物で、前作までと異なり獣じみており、人語が通じない。ねずみ男によって封印を解かれ、全ての電気を吸い尽くそうと暴れるが、最後は再び封印される。
第6作では『新編』準拠のデザインの個体が76話に登場。住処の山林がゴルフ場建設で伐採されたことで暴れ出し、鬼太郎が人間を説得する事を条件に休戦するが、結局ぬらりひょんの働きかけで工事が中止になったため、ぬらりひょんの同志になることを決める。
『新妖怪千物語』では豆腐小僧の一族の隠れ山里の番人。
髪さま(かみさま)
声 - 北川米彦(第2作)、野本礼三(第3作)、掛川裕彦(第5作)
髪の毛のみの姿の妖怪。八咫の鏡の神通力によって、人間や妖怪の髪の毛を奪うことができる。原作やアニメ第2作第9話では離れ小島の洞窟に住み、島民に生贄を要求していた。第3作・第5作では村人に恩恵をもたらしていたが、村人に忘れ去られた(第3作では過疎化、第5作では不景気が原因)と嘆いて復讐しようとした。また、髪の毛の中に一つ目があるデザインに変わり、名前の表記も髪様となった。
第3作では毛目玉を通じて要求した村で唯一の少女ではなく、八咫鏡を狙ってきたねずみ男を生贄に差し出してきたことに激怒して暴走するが、鬼太郎に八咫鏡を壊され敗北し、事件後は村人と和解する。第5作では力が弱まり過ぎて髪を奪う事すら出来ず、部下の毛目玉に役を喰われた。
『妖怪千物語』では毛目玉に坊主頭の少年を騙させ、人々の髪の毛を奪いそれをエネルギー源にして、人間界征服を企むが、少年に鏡を壊されて力を失う。

1960年代マガジン版・アニメ第1作初出(味方としても登場した者)

輪入道(わにゅうどう)
声 - 銀河万丈(第3作)、郷里大輔、増谷康紀(第4作)、三宅健太(第5作)、江川央生(第6作[77])、西松和彦(異聞妖怪奇譚)/ 演 - 西田敏行
「ダイヤモンド妖怪」で初登場(初アニメ化第1作第36話)。炎を纏った車輪に、厳つい入道顔が付いた妖怪。炎を操るほか、口から炭素光線を吐き生物をダイヤモンドに変えて喰らう。原作や第1、3作では輪入道を倒すとダイヤにされた者は時間経過が少ない者だけ元に戻り、長時間経った者は蘇生できないが、第4作以降は全て元に戻る。
第3作5話では砂かけに懲らしめられ千年眠っていたが、ダイヤ目当てに出入りする人間によって目を覚ます。
第4作5話では「欲望の墓場」と呼ばれるゴーストタウンの廃墟ビルの地下に住みつき、ねずみ男と組んで彼がダイヤ商売で集めた主に欲深な人々をダイヤモンドに変えて魂を食っていた。魂を食うと大きくなり体の一部が欠けても炎を纏って修復できる。炭素光線を返されないように住処の鏡を全部砕く抜かりのなさもある。
第5作では妖怪横丁の住人として登場し、妖怪四十七士の京都府代表に覚醒した。
第6作では第13話登場。最初は第4作同様の手口でねずみ男と組んで概ね傲慢な人間たちの魂を食らうが、次第にエスカレートしていき、困惑したねずみ男が呼び出した鬼太郎に敗北する。
実写劇場版では子泣きの旧友。必要な車輪の数の分身を出して車両と合体できる。鬼太郎の頼みで妖怪機関車を動かしたほどの実力者だが、妻の和江(ろくろ首)には頭が上がらない。
輪入道が車輪となる妖怪車両を以下に列挙する。
妖怪自動車(骸骨型)
車体は恐竜の頭蓋骨、ヘッドライトは鬼火。車輪となる輪入道は4体。初登場は少年マガジンの特集記事「大妖怪ショッキング画報」。物語への初登場は水木プロ原作の「最新版」第6話で、夜行さんとの戦いに備え目玉おやじの設計図に基づき改造され、ゲゲゲマシーンと名付けられる。車輪は炎の輪だけで入道顔はない。
アニメ初登場は第4作37話。夜行さんが発明した。輪入道は邪念をキーで封印されているが、ねずみ男などだまし易い対象を見つけると口車に乗せてキーを抜かせようとする。ねずみ男にキーを抜かせて暴走し、閻魔大王庁の宝珠を手に入れ妖怪界最強の大輪入道になろうと目論むが、駆けつけた夜行さんと鬼太郎によってスペアキーを差し込まれ元に戻る。ヘッドライトから鬼火や鎖を発射したり、車輪から直接火炎を放つ能力を持ち、輪入道が車体から分離しての攻撃もできる。
妖怪戦車
アニメ第3作にて劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』や78話、92話に登場。夜行さんが発明した。車体は恐竜の頭蓋骨に似たデザインだが、ボンネットバスのように大きく、6体の輪入道の車輪、つるべ火と化け火のヘッドライト、屋根には野づちが大砲として配置されている。つるべ火と化け火を射出して周囲を焼き払う火炎放射、巨大な妖怪も瞬時に吸い込む野づち砲等、高い攻撃力があり、空を飛んだり野づち砲を利用して地中を掘り進んだりと機動力も高い。
妖怪機関車
夜見の国へ行ける蒸気機関車型の乗り物。輪入道は左右の前輪と動輪に計4体の分身を付け、本体は前方の罐蓋に付く。
マンモス男(マンモスおとこ) / むく邪羅(むくじゃら)
- 屋良有作(第3作)
初登場は「おばけナイター」。マンモスの胴と四肢のようにずんぐりした、毛むくじゃらの巨人形態の妖怪。日光を苦手としている。アニメでは第1作第1話初登場。むく邪羅と呼称された。第3作では昼間も平気で行動している。
マンモス殿下(マンモスでんか)
「雪姫ちゃん登場」に登場。洞窟の中に住んでいる巨人妖怪。体の毛を伸ばして操る能力を持つ。人間、特に子供の毛が好物で、金と力で従えたねずみ男に子供を集めさせて刈った毛を食べていたが、最後は目玉おやじに火をつけられて炎上し「直径二メートルのビフテキ」と化す。
海じじい(うみじじい)
声 - 北川米彦(第1作・第3作)、丸山詠二(第4作)
老いた浦島太郎のような外観の妖怪。「妖怪獣」の終盤にて大なまずを氷流しにして自分ごと凍らせた鬼太郎の溶液を極地で発見し、玉手箱に詰めて目玉おやじの元に連れ帰る。
磯女(いそおんな)
声 - 麻生美代子(第1作)、山口奈々(第3作)、上村典子(第4作)、真山亜子(第5作)
初登場は「磯女」(初アニメ化第1作)。半人半蛇の狂暴な海の妖怪。赤ん坊の姿をした本体(アニメ第3作および第5作では本当の親子)を常に抱いており、縄張りに踏み込んだ子供をさらおうとする。相手に抱きつき石のように重くなったり強力な吸引力を有したりしている。最後は鬼太郎の空気ポンプの術で倒される。
第3作では昔から人間と共存してきた心優しい妖怪。悪い人間がレジャーランド開発のために住処である磯を埋め立てようとしていることに怒り、磯に近づいた人間をさらっていたが、鬼太郎との対戦後は事情を知った彼らと和解し、協力して住処を乱開発しようとする人間を懲らしめる。
第4作では大昔に人間をさらって食べていたが、警告の祠を作られたことで縄張り内の海中深い洞窟で沈黙していた。現代人が自身の言い伝えを忘れて傲慢さから縄張りに近づくようになったため、再び人間をさらって食べるようになるが、最終的には鬼太郎たちによって倒される。
第5作では、赤ん坊は言葉を話せた過去作品と違い精神的には人間の赤ん坊と大差ない。昔から立ち入りが禁じられている自分たちの縄張りに侵入する人間が増え、敏感な赤ん坊が頻繁にぐずるようになったため、縄張りに踏み込んだ者を捕らえおしゃぶり代わりとして住処に閉じ込めていたが、鬼太郎との交渉の末に、今後人間を縄張りに入れないことを約束させて捕えた者達を解放する。劇場版で妖怪四十七士の長崎県代表に覚醒する。
『妖怪千物語』では、妖怪獣タコ男爵を生み出すために子供を集めてきた。水を槍状にして攻撃する能力をもつ。
かみなり
声 - 郷里大輔(第3作・第4作)、宝亀克寿(第6作[78]
初登場は「電気妖怪」(初アニメ化第1作第25話)。俗に伝わる赤い肌に頭の2本角、長い髭と太鼓が特徴の雷様で、自由に雷を操ることができる。通称電気妖怪。背中の太鼓は蓄電池になっている。
空中に浮かぶ巨大な岩に住んでいたが、相次ぐドライアイスによる人工雨の実験に怒り、調査に来た雨山博士の乗っているヘリコプターを墜落させて博士をさらう(さらに、アニメ第1作では山奥の村に1年間も雨を降らせないようにする)が、最後は鬼太郎によって電気を吸収された上に放電されて焼死する。学年誌版では空を独占しようと人間の飛行機を何度も撃墜するが、鬼太郎に電気を吸収されて褌も履けないほど痩せてしまい、恥ずかしくて岩の中に逃げ帰る。
第3作第23話では雨山博士が開発した雷から電力を得る装置「エレキテルII」の実験で自分のエネルギーを奪われたと怒り、雨山博士をエレキテルIIごとさらうが、鬼太郎との戦闘後に和解し、雨山博士と酒を酌み交わしながら自然と科学の調和について激論を交わす。
第4作では、16話に登場した雷神とは明確に別のキャラクターとして登場している。第32話では雷から電力を得るため積乱雲にミサイルを撃ち込む実験に怒り保谷博士をさらうが、鬼太郎に敗北した後は空へ帰る。
第6作第5話では現代人が雷を畏れ敬わなくなったことに怒り、ねずみ男とヤクザの組長雨山(あめやま、声 - 桐本拓哉)と手を組み2人が立ち上げた電力会社の供給元になるが、次第に増長して暴走し、最後は鬼太郎に倒される。
朧車(おぼろぐるま)
声 - 山口奈々(第1作)、佐藤正治(第3作)、大友龍三郎(第4作)
初登場は「朧車」(初アニメ化第1作58話)。牛車に大きな鬼面が付いた姿の妖怪。目から放つ光線と体当たりを武器としている。原作およびアニメ第1作では女性として、第3作や第4作では男性として登場。目から石化光線を放つ能力を持ち、ぐわごぜの命令により怪気象を発生させていた。その正体は原作では蜂の巣に目が付いたような物体で、第1作・第3作ではお化けハマグリだった。『国盗り物語』では鬼面が牛車本体ではなく、牛を繋ぐ部位に前輪と共に付いている。
第3作劇場版では石化された者を元に戻すには朧車の涙が必要になる。最後は国会議事堂地下の戦闘で鬼太郎に倒される。
第4作25話では数百年前の遺跡から発掘された牛車の木片が、博物館で元の形に再現されたことで現代に蘇った。何百年も自分が眠っていた丘を人間たちが壊そうとすることに怒り、工事を辞めさせるべく暴走するが、最後は工事車両への体当たりの衝撃で大破する。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではエリートの催眠術によって怪気象を発生させられる。
枕返し(まくらがえし)
声 - 北川米彦(第1作)、屋良有作(第3作)、肝付兼太(第4作)、石塚運昇(第5作)、岩崎ひろし(第6作[79]
初登場は原作「まくら返し」(初アニメ化第1作28話)。寝ている人間の枕を移動させて睡眠妨害をしたり、人間の邪な心に枕移動を通して強烈な罰を与えたりする妖怪。強面と渦巻き状の眉、肩胸を出した服が特徴。夢を操る力と目に入った相手を眠らせる砂を使用し、一方で塩に弱い。原作およびアニメ第1,4作では自分の領域に入った子供を夢世界に連れ去って食べようとするが、原作と4作では塩で溶かされ、1作では動物園のバクに食われる。
第3作では第19話初登場。夢世界の番人で、ユメコの魂を使って廃れてきた夢世界を復興しようとするが、獏に悪夢を食われて降参した後は、妖怪証文に悪事をしないと誓約し、ユメコの励ましで改心する。
第5作第24話では子供の夢を壊す妖怪として登場。夢世界で思ったことが実現する能力を持っているが、最後は復活した動物園の獏の餌食になる。
第6作第14話では、人間を夢の中に引きずり込んで魂を食べていたが、ある僧に夢繰りの鈴を没収されて以来しなくなった。大人たちが夢に囚われ眠り続ける事件では鬼太郎たちを夢世界に案内する。
「妖怪千物語」では人間を眠らせ自分の夢世界に引きずりこみ魂を食べる妖怪で、夢世界では無敵だが外に出ると弱体化する。最後は鬼太郎に倒される。
(ばく)
初登場は「妖怪大裁判」で、アニメでは第1作第28話「まくら返し」(動物のバクと同一視)。悪夢を食べるとされる幻獣。夢世界の妖怪も食べるため、枕返しにとっては天敵のような存在。第3作・第5作に登場した獏は幻獣としての伝承の姿をしている。「鬼太郎のお化け旅行」第1話では夢を持った魂を食らう妖怪。
アニメ第3作では枕返しや悪夢の軍団との戦いで鬼太郎に呼び出される。
第5作では子供の夢の中の動物園にいた動物のバクが幻獣の獏に変化する。
小説版「3・11の獏」では東日本大震災被災者たちの苦しみを和らげるために悪夢を多量に食べ巨大化し、震災のことを忘れた東京の人々に憤慨して災害の悪夢を見せ、渋谷に現れて暴走するが、まなの説得で鎮静し元の姿に戻る。
さざえ鬼(さざえおに)
声 - 北川国彦(第1作)、千葉順二(第3作14話)、田中和実(第3作32話)、松野太紀(第4作・第5作)、岩田央生(第6作[80]
初登場は原作『さざえ鬼』(初アニメ化第1作33話)。300年生き長らえたサザエが変化した妖怪。二頭身で目が前髪で隠れた(実際の目は舌の先についている)人型のようなユーモラスな外見をしており、お腹の模様は作品によって異なる。見た目とは裏腹に性格は獰猛で、雑食。細胞を自由に変えることで他人に変身することができ、体を潰されても平気で腕を伸縮させることも可能。千葉の天狗岩近辺を根城にし、鬼太郎を食べてさらなる妖力を得よう(アニメ第1作ではさらに、壷焼きにされた仲間の復讐に人間を壷焼きにする企みだった)と目論むが、最後は鬼太郎に倒される。
第3作14話では海洋汚染の犠牲者として描かれ、他シリーズほど獰猛ではなく、囮にした人魚の子も用が済んだら解放するつもりだった。弱った体を治すために鬼太郎を食べようとするが、最後は事情を知った鬼太郎に助けられ、妖怪病院で食事療法をするために転地する。
第4作では17話に登場。髪の毛は伸縮自在。妖力を増して長生きすることに固執するが、最終的に鬼太郎に倒される。
第5作では23話に登場。本作では普段の姿に似た人間体に化けている。体から出る粘液を操作して潤滑性や粘着性を持たせることができる。グルメであり、鬼太郎を最高の食材と評して食べようと計画するが、最後は鬼太郎に舌を貫かれて小さな一つ目の妖怪じみたサザエの姿になり、海に放される。
第6作は90話登場。食中毒で倒れた鬼太郎が見た夢では、人気者になって回転寿司のネタにサザエを入れるために、妖力の強い鬼太郎に扮して誘き出した本物を食べようとする。
赤舌(あかした)
声 - 柴田秀勝(第2作)、屋良有作(第3作)、増谷康紀(第4作)、飯塚昭三(第5作)、岩崎征実(異聞妖怪奇譚)
初登場は『妖怪ラリー』(初アニメ化第1作54話)。長毛犬とゴリラの身体が合わさったような姿をした巨大な妖怪。水を自由に操る能力を持ち、巨体相応のパワーだけでなく、機動性にも優れる。好物は人間や妖怪の水分で、腹中で水の触手によって絡めとり、獲物の水分を吸収する。排出された糞は妖怪であれば(媒体によっては人間も)湯をかけることで復活する。『赤舌』(初アニメ第2作31話)では地上支配を企むが、最後は鬼太郎の胃液を飲んだことによって溶ける。
アニメ第3作35話では鬼太郎が連れてきた炎の妖怪五人衆に体内から炙られて蒸発する。
第4作49話では、普段はマリモ程度のサイズで、大人しく優しい妖怪。親しい少女清滝涼子(きよたき すずこ、声 - ゆかな)を強盗から助けるために巨大化し暴走するが、最後は海に飛び込んで元に戻る。
第5作82話では水の守り神として青森で祭られていた。温泉の乱開発によって水を粗末にする人間に怒り、水源を涸らした上に次々と鬼太郎たちや人間を石に変えていくが、最後は説得に応じて人間をもう一度信じることに決め、妖怪四十七士の青森県代表として覚醒する。
妖怪千物語では弱点が熱で、鬼太郎の体内電気電熱スパーク(電気を逆流させて鬼太郎自身が電熱器化)で蒸発する。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では骨女に利用されて人間の水分を奪っていたが、鬼太郎に敗北後は用済みと体を小さくされる。
海坊主(うみぼうず)
声 - 坪井章子(第1作・小坊主)、坂本千夏(第3作・小坊主)、塩屋浩三(第3作・父親)、松山鷹志(第6作)
丸く大きな頭が特徴。
初登場は『妖怪ラリー』(初アニメ化第1作54話)。原作では海坊主の子供が父のお使いで買った酒をベアードが原因で零してしまい、謝意のないベアードに鬼太郎が抗議したことがラリーの発端となる。アニメ第1作では競技中に通りかかった所を、負傷した痛みを紛そうとしたベアードに酒を奪われる。
第3作51話のラリーでは父親の海坊主と小坊主が親子で鬼太郎を応援する。
週刊実話版『海坊主』では妖怪ではなく、地殻変動で海に没した人間たちが、海底の空気が溜まった所へ移り住み変化した種族。海上へ巨大気泡を飛ばして人間を捕らえ生贄にしていたが、彼らを研究していた山田博士による捨て身で海底集落ごと爆破される。
『海坊主先生』ではエリート生物学者の臍曲(へそまがり)が、師と共同開発した進化薬を妻子と共に飲み、超能力を身につけ人間から進化した姿。人間の魂を食べなければ生きていけなくなったため、田舎の小学校に赴任してスパルタ教育で児童を自殺に追いやることで魂を得ようとした。
妖怪千物語『捕食!海坊主』では完全に妖怪。人間態で海主(かいず)と名乗りスパルタ教師を演じる。安田博一少年の魂を捕食しようとするが、最後は鬼太郎の体内電気スパークで倒される。
1980年代マガジン版『石妖』ではタコのような顔の黒い巨人。海中で力が出なくなった石妖を捕らえようとした鬼太郎の前に現れ、石妖をペットとしてしばらく預かる。
第6作24話では、石妖から鬼太郎を助けた後、捕えた石妖をペットにしようとするが、最後はねずみ男の嘆願によって解放する。
穴ぐら入道(あなぐらにゅうどう)
声 - 北川国彦(第1作)、石森達幸(第3作)、屋良有作(第4作)、中博史(第5作)
「穴ぐら入道」(初アニメ化第1作51話)に登場。穴の中に住む妖怪で、虫の生態に詳しい。冷気や水滴、大声などの攻撃手段を持つが、常人でも小道具で防げる程度でしかない。廃坑で食用のクモを飼い静かに暮らしていたが、「マンガ一家」というヤクザの親分(声 - 富田耕吉)に騙されて冷蔵庫に閉じ込められ、見世物にされそうになった。
アニメ第3作64話では人間によってテレビ局まで連れ出され、照明に驚いて地下鉄に逃げ込み大グモを放って立てこもるが、最後は無事保護され山へ戻る。
第4作107話では開発による環境破壊で住処を追われ続けたことに怒り、病虫(びょうちゅう)や大百足を操って工事現場を襲うが、その最中に水が噴出する事故が起き、大百足と共に石化してせき止める。
第5作69話にも登場。トンネルの奥底の祠に邪鬼と共存している。狭いところを好む。「誰さんかの?」と聞いてくる。これは禅問答のような物で、名前や肩書きを名乗るだけでは意味がなく、答えられない者には容赦なく口から大量の虫を吐きかける。その反面、逆に自身のことを聞かれるのには弱い。突飛な行動が目立つが知性は高いとされる。頭髪や鼻毛などはある程度纏まった束になっており、それぞれが毛穴から這い出るなど生き物のように動き回る。
邪鬼(じゃき)
アニメ第5作に登場。穴ぐら入道の穴ぐらの前に住んでいる。人間に取り憑いて凶暴化させる(この時は赤色に変色し、液体状の体内に長時間いると溶かされる)。合体して巨大化すると、手がつけられない。
野づち(のづち)
初登場は「ひでりがみ」(初アニメ化第1作43話)。頭部が大きな口だけで、全身を毛に覆われた大蛇の妖怪。怪物的な外見だが温厚で知性もあり、妖怪同士なら対話ができる。強力な吸引力で掃除機のように何でも吸い込む。普段は野づち塚で冬眠している。
第4作27話では古代の神が決死の想いで野づち塚に封印したとされる。体内で空間のねじれが発生して異次元空間に繋がっているので、無限に物を吸い込める。冬眠していても少しずつ物を吸うため、皆が色々不都合な物を塚に捨てていた。ねずみ男が廃棄物処理業と称して大量のゴミを捨て、封印の注連縄を捨てたために目覚めて暴走するが、最後は再び塚に封じられる。
ガマ仙人(ガマせんにん)
声 - 永井一郎(第1作)、青野武(第3作)、八奈見乗児(第4作)
初登場は「妖怪関ヶ原」。かつて邪魅をガマに変えた多彩な術を使う仙人で、森の奥の大樹の家に住む。彼の住む樹で採れる異次元光線を放つ妖怪キノコを入れたランプを使い、自分が無敵になれる特殊空間「妖怪関ヶ原」への扉を開く。仙人だが実質は妖怪でもあり、樹と命を共有しているらしく樹を燃やされると「妖怪関ヶ原」も自身の命も危うくなる。アニメ第1作では蛇を苦手としている。
第3作では第41話登場。鬼太郎を助けようと奮闘するユメコを見て姿を現し、正気に戻した鬼太郎に杖を貸して邪魅を封印させる。
第4作では自分が無敵になれる特殊空間が「異次元の森」に改称された。
百目(ひゃくめ)
声 - 大竹宏(第3作)、稲葉実(第5作)
全身に多数の目を持つ妖怪。目玉を飛ばして偵察させたり、機関銃のように打ち出すしたり、金縛りの眼光を放ったり、多彩な術を使う。
アニメ第1作1話で百目の子(声 - 白川澄子)が「悪魔くん」と同様の姿と性格で登場。妖怪バットを失くしたため鬼太郎に相談する。また、この原作「おばけナイター」の審判は少年マガジンの特集記事「墓場の鬼太郎 妖怪大作戦」にて「百目の親方」と呼称される[81](ただし目の他に口等も多数ついている。第4作では「球妖怪」と呼称[82]。)。
第3作65話では婆尻刑務所の囚人を唆して脱走させ、警察が追って来ない地獄へ送る。50人集まるごとに自分の複製を1体作り、仲間を増やそうとするが、鬼太郎との格闘の末に敗北する。
第4作92話では百目の子が妖怪アパートに預けられる。親は妖怪屈指の実力者。
第5作55話では過去に鬼太郎に倒され壷に封印されていたが、金儲けを企んだねずみ男により復活する。この世を支配しようと企み、優秀な人間50人を集め、自身の100個の目玉全てを交換し力を得ようとするが、最後は限界を迎えた身体が崩壊し自滅する。
雨降小僧(あめふりこぞう)
声 - 大竹宏(第1作)、塩屋翼(第3作)、田中一成(第4作)、小野坂昌也(第5作)、田村奈央(第6作[83]
和傘を被った男児姿の妖怪。雨を降らす能力をもつ。
アニメ第1作第20話では弱気な妖怪で、悪い人間を地獄へ送る指令書を閻魔から受け取るが、怖くて猫娘に代行を頼む。
第3作第83話ではメキシコの雨神ユムチャックから理想郷の門番に任命されるが、財宝を狙う悪人に唆されて背任し、最後は鬼太郎に倒される。
第4作第40話では運動会を中止にしたい少年と雨を降らせる約束をし、見返りとして魂を奪おうとするが、前夜の妖怪運動会中に降らせ始めたことで妖怪達に抗議され、少年も対価について知らなかったことから、鬼太郎の仲介により自分も運動会に参加させる条件で契約を白紙に戻す。
第5作では所構わず雨を降らせる能力を持つ。運動会が好きだが引っ込み思案な性格で、自分がいると雨が降るからと妖怪大運動会の参加を自粛していたが、鬼太郎達のおかげで参加できるようになる。
第6作は第21話登場。ねずみ男がプロデュースした遊園地のアトラクションで、人間型ロボット「ピグ」の着ぐるみを着てパフォーマンスをしていた。最初は口下手な性格のために人気が出なかったが、隣でアトラクションを始めた妖怪たくろう火と、ピグとして友達になり、励まし合いながら練習を重ねて上達し人気者になる。採算の都合によるアトラクションの閉鎖に伴い着ぐるみが廃棄され、ピグが死んだと勘違いし暴走したたくろう火を沈静化させた後で正体を明かし、改めて友達になる。
半魚人(はんぎょじん)
声 - 兼本新吾(第2作)、はせさん治(第3作20話)、矢田耕司(第3作100話)、堀之紀(第4作)、松山鷹志(第6作[84]
『かまぼこ』(初アニメ化第2作13話)に登場。長髪で全身が鱗で覆われた海棲の妖怪。巨大なイカを飼い慣らしている。狡猾で残忍な性格。自身が餌食にしようとした海亀を巡って鬼太郎と対立し、イカの意識を乗っ取った鬼太郎を騙してかまぼこ用の漁獲に酷使した挙げ句、爆死させてかまぼこにする。人間の生活に憧れてかまぼこの売り上げで豪邸を建てるが、復活し女中に扮した鬼太郎に言い包められて自身を人間の体に改造し、最後は煩雑な義務に苦しみ、いつか訪れる老いと死に怯えることになる。
第3作第20話では、人間の若い海女あかね(声 - 山本百合子)に恋をする、純粋で内気な妖怪。口から真珠を出す。ねずみ男の協力で結婚式までこぎつけるが失敗し、鬼太郎からあかねに付き纏わないことを条件に妖怪病院で人間になるも、人間の生活に嫌気がさし後悔する。後に妖怪に戻り、第100話で女王人魚と結婚する。
第4作第60話ではぬらりひょんと結託して鬼太郎を妖怪イカに喰わせるが、最終的にぬらりひょんに裏切られ、鬼太郎の妖力を封じ込めておいた真珠を破壊する。
第6作では第58話登場。様々な効果を持つ深海妖術を操る。
新妖怪千物語では海の暴れ者。釣り少年の三好大哲(みよし だいてつ)と契約し、予告通り魚が釣れる代わりに1年後に三好の命を取ろうとするが失敗し、最後は北極へ氷流しにされる。
妖怪花[注釈 32]
声 - 杉山佳寿子(第2作)、島本須美(第3作)
『妖怪あしまがり』(単行本では『妖怪花』に改題、初アニメ化第2作5話『あしまがり』)に登場。草花の姿をした、最も弱いと言われる妖怪。人の夢に妖精の姿を現すことができる。ある高原が日本唯一の生息地だったが、そこにホテルを建てられ花園を潰される。社長(声 - 矢田耕司)(第2作では花園跡を訪ねた猫娘)が何気なく鉢に移植した一株の生き残りは、調査に来た鬼太郎に事情を説明し助力を得て、最終的にホテルを破壊し、しばらく後で元通りに咲き誇る。
第3作45話では起きている者の前にも妖精の姿を現せる。商売下手だが優しいホテル社長(声 - 西尾徳)と心を通わせ、花園を守っている。
星華(せいか)
声 - 金元寿子
第6作第63話に登場。笹林に住んでいる妖怪の少女。緑髪のお団子頭をした人間のような姿をしている。正体は笹の花の精で、一年のうち笹の花が咲く僅かな期間しかこの世に存在できない。七夕で人間たちが笹につけた短冊の願いを聞き届けてきた。
昔、笹林に住みつき悪事を働いたあしまがりを封印したが、あしまがりに唆されて笹林を伐採しようとするねずみ男たちを切れ味の鋭い笹の葉を飛ばして脅し追い出そうとしていたが、怪我をして動けずにいたところを助けたぬりかべから好意を寄せられる。最後は封印を解かれたあしまがりの復讐で笹林を薙ぎ払われ、あしまがりが倒された後に消滅する。
山爺(やまじじい)
声 - 稲田徹(第4作)、佐藤正治(第6作[3]
初登場はアニメ第1作10話。一眼一足で頭の大きな老人タイプの妖怪。
第4作113話ではぬらりひょんに雇われた「三匹の刺客」の1名。呑気な性格で常にボーッとしており、何を考えて行動しているのかもはっきりせず、鬼太郎への攻撃も袋からドングリを投げ付けるだけだった。
第5作劇場版では妖怪四十七士の高知県代表として覚醒する。
第6作では第4話にゲゲゲの森の住人として登場。普段は穏やかだが、森の中の自分の領域を荒されると怒り狂う性質がある。森に迷い込んだ裕太が鬼太郎に案内されていたとき、鬼太郎との約束を破って山爺の持ち物である赤い木の実をもいでしまったことに怒り巨大化して暴れ出すが、裕太が実を返したことで鎮静化し、反省した裕太が謝りに来た際には二度としないように警告の×印を残す。
なまはげ
声 - 永井一郎(第1作)、平井啓二(第5作)
初登場はアニメ第1作63話。男鹿半島の行事で知られる鬼面の来訪神。面を操って攻撃する。神社に祭られた面をつけて悪戯をしていた高慢な大学生・東大助(あずま だいすけ)を懲らしめるために東の顔を面と同化させ、村人達が東を妖怪だと勘違いするように仕向けるが、東の顔を返すよう鬼太郎から追いかけられた末に降参する。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『なまはげ』で、アレンジされた展開になっている[58]
週刊実話版「野球の巻」では墓の下高校の野球部主将。1980年代『最新版』第5話では東北の民家に現れる。
第5作では25話の運動会で北日本代表として登場。格闘戦が得意。85話では妖怪城に囚われるが、妖怪四十七士の秋田県代表として覚醒し鬼太郎に力を貸す。
サトリ
声 - 槐柳二(第2作)、高戸靖広(第4作)/ 演 - 上地雄輔
他者の思考あるいは未来を読む力を持った妖怪。以下3種が登場。
初登場は『妖怪反物』。猿人のような姿。反物化の薬を飲まそうと話しかけて来た中国妖怪チーに対し、その企みを読んで即座に逃げ延び、鬼太郎達に知らせる。「妖怪千物語」では釜鳴りの話に、より長身長毛の猿人型(鳥山石燕の絵に近い)が登場。
アニメでは第2作34話初登場。顔の赤い老人姿。何でも先のことが分かってしまうことから世の中がつまらなくなり、何百年も前から山に籠っていた。親戚である死神42号に協力し、周囲の“ねたみ”の視線で健康を害したエリート会社員の一家を死に追いやろうとするが、最後は鬼太郎ファミリーのねたみの視線で苦しんで崖から転落して降参し、山に戻る。
映画『千年呪い歌』では人面鹿の姿。元々は温厚だったが、人間の醜さに嫌気がさし、濡れ女の封印に使われた楽器を探す鬼太郎を襲う。読心能力で鬼太郎を翻弄するが、ちゃんちゃんこが独自に動けることを知らず敗北し、その後夜叉によって始末される。

サンデー版・アニメ第2作初出

マンモスフラワー
妖怪的な植物。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『マンモス・フラワー』(ねずみ男は登場)[58]。初登場は第2作第8話「マンモスフラワー」。汚れを養分とする性質を持ち、ゴミ大量時代への警告を目的としたあかなめによって、東京に種が蒔かれ増殖するが、最後は鬼太郎が政府に助言して街を綺麗にさせたことで姿を消す。
第3作第78話では、花粉を吸った人間達は野生に還る性質を持つ。ねずみ男に街へ連れてこられた山男が蒔いた種によって大量発生するが、最後は妖怪戦車で処分される。
第4作第65話では、妖怪がこの世に栄えだした頃に生えていた太古の植物として登場。自ら動く、攻撃されると痛みを感じる仕草をとる、触手で物を感知するなど動物のように行動をする。カンブリア紀島で発見された種の化石を2人組の男が盗み出し、植物学者の手を借りたことで復活する。勘違いで種を食べたねずみ男の体から芽を出し急激な成長を遂げるが、最後は植物学者の指示を受けた鬼太郎たちによって結実して枯れ、新しい種と元通りのねずみ男が残る。
ヤマタノオロチの手下の呼子
声 - 富田耕生(第2作)、頓宮恭子(第3作)、松野太紀(第6作)
鬼太郎の仲間とは別個体の敵としての呼子。初登場は第2作12話で、ヤマタノオロチに拘束され悪事を働いている。第3作79話ではニセ呼子とも呼ばれ、解放石に閉じ込められた仲間たち共々ヤマタノオロチに逆らえずにいたが、オロチを倒せば自由になれると考え改心し呼子と協力する。
第6作73話ではヤマタノオロチに拘束されたオグロ山の呼子が登場。欲で近づく人間に不幸を齎す存在で、ゲゲゲの森の呼子から「とっつきにくい」と思われている。元々は人間で、最後はオグロ山を訪れた欲深な人間と入れ替わり、自由になる。
ヤマタノオロチ
声 - 柴田秀勝(第6作[85]
日本神話で名高い八頭八尾の大蛇。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『やまたのおろち』[58]
初登場はアニメ第2作12話。手下の呼子が持つ解放石の中に住み、彼が呼び寄せた人間を引き込んで食う。図体の割には戦闘能力は低い。
第3作79話でも偽呼子が持つ解放石に住む。最後は鬼太郎にオカリナ剣で心臓を貫かれて倒される。
第4作74話ではぬらりひょんが草薙の剣で復活させた個体が地上で暴れるが、祐子達が奪った剣で鬼太郎に中枢の頭を刺され再封印される。
第6作では73話に登場。人語を話す。オグロ山の呼子が持つ解放石に住んでおり、それを手にした者のどんな願いも、曖昧なものでなければ8つ叶えてくれるが、必ずしも願い主の意に沿った叶え方をするわけではない。また、8つの願いを叶え切るまでは持ち主の前から消えることなくどこへ行っても現れる。
縁切り虫(えんきりむし)
アニメ第2作第17話「縁切り虫」に登場。人と人との縁を切る恐ろしい毒虫。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『縁切り虫』[58]。眼鏡をかけたような触角の無い小型のカミキリムシのような容姿。首元に噛みついて毒を注入し、その者が他者との縁を切る気持ちにするが、この毒素は硫黄の煙を使えば抜け出ていく。金儲けを目論んだねずみ男によって利用されるが、最終的に破産したねずみ男と濃沼を噛んで消息を絶つ。
釜鳴り(かまなり)
声 - 山田俊司(第2作)、田中康郎(第3作)、青野武(第4作)、木内レイコ(第5作)
本作では『釜鳴り』に登場。使い古された釜に住む妖怪で、本作では一つ目の影のような姿で描かれている。釜の中は異次元になっており、吸い込んだ者の生気を吸収する。巨大な土瓶などの調理器具や食器を操る能力を持つ。鬼太郎の髪の毛を奪い、妖力を強化して暴走するが、最終的には奪い返される。
第3作では第36話に登場し、昔は吉凶を占う神事の釜として祭られていた。祭壇を子供たちの悪戯で壊されたあげく、そのまま捨て置かれたことを恨み復讐を企むが、最後は鬼太郎の説得を受けて沈静化する。
第4作では第95話登場。閻魔大王を倒して妖怪の頂点に立とうと目論み、下駄やちゃんちゃんこを奪って鬼太郎に化けるが、最後は本物に全て奪い返されて弱点である目を攻撃され、釜はただの釜に戻る。
第5作では第22話登場。おまけのカード目的でお菓子を捨てる子供や鬼太郎の仲間たちを次々吸い込むが、最後には鬼太郎に髪の毛や衣服を取り返されて敗北し、釜の中に戻って神社らしき場所に奉納される。
「妖怪千物語」では粗大ゴミとして捨てられた釜が妖怪になり、鬼太郎の髪の毛を奪って山の妖怪を次々に吸い込み暴れるが、最後には髪の毛を奪い返され、鬼太郎の体内電気で消滅する。
バリバリ
声 - 田中真弓(第5作)
アニメ第2作第21話「心配屋」、第5作第60話「働け!!妖怪バリバリ」に登場。原作はねずみ男を主人公とした、鬼太郎の登場しない短編『心配屋』[58]。人間の体内に入り、強い意志と非凡な行動力を与える妖怪。
第2作では卵を人間の体に埋め込むことで孵化し、宿主の才能を伸ばしてベートーヴェン聖徳太子のような大天才にすることができるが、一方でヒットラーのような危険人物を生み出す可能性もある。
第5作では金平糖に目と手足が付いたような姿。卵を寝ている人間の枕元に置くだけで孵化し、自分で体内に入り込む。宿主である人間の養分を奪うことで潜在能力を全開にさせるため、最終的に宿主は過労で衰弱死する。
骨女(ほねおんな)
声 - 小原乃梨子、中西妙子(第2作)、松島みのり→弥永和子(第3作)、山崎和佳奈(第4作)、沢海陽子(第5作)、斉藤レイ(異聞妖怪奇譚)
初登場は『赤舌』。長髪を生やした骸骨の姿の女妖怪。体の骨を分解して撃つ攻撃手段を持ち、それ以上に弁舌と策略で強者に取り入るのを得意とする。原作では最初は赤舌の部下として現れ、赤舌が倒された後は真の主人である大首の食糧となる霊魂を集めるが、骨女を念力で動かしていた大首が倒されたことでただの骨に戻る。
第3作では自分の生命を持ち、大首が倒された後も健在する。家鳴と組んで住宅難に喘ぐ人間達を人食い家の餌にしようと企む。ねずみ男に惚れている。
第4作では第82話登場。大首になった王に仕えていた巫女で、王国再興のために二人で妖怪化して生き続けてきたが、最後は大首と共に封印され眠りに就いた。
第5作では第41話登場。ピンク色の着物を着ており、骨でダシをとったスープを飲むと魂が抜ける。ねずみ男に惚れていると偽って近づき昔の悪党ぶりを思い出させ、凶悪な妖怪舞首を復活させるために必要な人間の魂を集めさせるが、最後はねずみ男の見事な裏切りぶりに本気で惚れる。
第6作準拠の小説「骨女」(「蒼の刻」収録)ではゲゲゲの森の住人で、思い込みの激しい性格。飯島穂音美(いいじま ほねみ)と名乗って人間の病院で働いていた際に偶然目にしたレントゲン写真の骨格に惚れ、一反木綿に協力を取り付けてその骨格の男性を捜していた。後に、その男性・法医学者の萩原慎一(はぎわら しんいち)との交際を経て(萩原は骨に愛着を持ち、穂音美の正体を知っても受け入れた)結婚したことが鬼太郎への葉書で報告される。
新妖怪千物語では赤舌に付いて失敗した後、豆腐小僧のカビ豆腐能力を見て無理矢理養子にして利用しようとするが失敗し、鬼太郎の体内電気で倒される。
大首(おおくび)
声 - 今西正男(第2作)、石森達幸(第3作)、屋良有作(第4作)
『大首』(初アニメ化第2作26話)に登場。頭部だけの空を飛ぶ妖怪。風を操り、また念力で骸骨を操る。縄文時代から富士山の地下で霊魂を食べて生きてきたが、生者から霊魂を奪ったために鬼太郎達に気づかれ、最後は霊食キノコを植えられて石のようになって滅びる。第3作40話では富士山を噴火させて日本を征服しようと企む。
第4作82話では元は古代人の王で、王国再興のために人骨を食べて生き続けてきた。だが鬼太郎が骨女に放った言葉によって自身の間違いに気付き、そして人外の者として生きるのに倦み疲れ、最後は骨女と共に封印され眠りに就く。
『異聞妖怪奇譚』ではギーガの配下として登場。一人称は「我」で語尾に「なり」を付け、古風な喋り方をする。死魂を捕食し、どんなにダメージを受けてもすぐに回復する不死身の肉体を持つ。攻撃時の決め台詞は「因果応報」。
いやみ
声 - 大竹宏(第2作)、飯塚昭三(第3作)、松尾銀三(第4作)、高戸靖広(第6作[86]
初登場は少年サンデー版『いやみ』(初アニメ化第2作27話)。女の着物を着ているが、顔は爺という妖怪。原作の目玉おやじによると、人の楽しみを食べる妖怪だという。別名エロモドキ。吸った者を色ボケにしてしまう「イロ気」を吐き、また手足はゴムのように伸縮自在。首から下の胴体の部分が本体で、正体を現すと単眼の巨大な頭から直接手足が生えた姿に変貌する。人間が住処に迷い込んだために冬眠から覚め、世の中の「楽しみ」を奪いエキス化して瓢箪に詰めて独占し、日本中をうつ状態にするが、最後は鬼太郎に力の源である睾丸を打ち砕かれ無力化、再封印される。第2作では鬼太郎と格闘して金的蹴りを食らうと萎み、住処ごと燃え尽きる。
第4作61話ではイロ気は吐かない。とある神社で眠っていたが、願掛けに訪れた売れない落語家の叫び声で目覚める。落語家に取り憑き「いやみ亭いやみ」の芸名で寄席に出演する一方で、街の人間のショウ気[注釈 33]を吸い集め利用するが、最後は鬼太郎との戦闘で落語家と分離し、ちゃんちゃんこで倒される。
第6作では72話登場。普段はオネエ言葉で話すが、正体を現すと男口調になる。桃色吐息によって人や妖怪を色ボケにする能力を持ち、色ボケになった者を指笛で招集することもできる。色ボケになった者はいやみを倒さない限り、元に戻れない。森で眠っていたところを起こされて復活し、人々を無差別に色ボケにするが、最後はねこ娘に弱点の股間を蹴られて消滅する。
『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』シリーズではドラキュラたちに雪姫をさらうために雇われる。妖気を悟られない衣服と、相手の念力や怒りを炎にする舌型ライターで武装する。本体は頭で、ねずみ男の悪戯で胴を失いドラキュラたちから体の部位を借用する。雪姫を捕らえた後は儲けを独占するためにドラキュラたちを焼き殺すが、鬼太郎に不意を突かれてライターを奪われ、自分も火葬される。
『セクハラ妖怪いやみ』ではある電機メーカーに雇われ、ライバル社にイロ気を充満させセクハラ問題で打撃を与えようとする。他にも机を妖怪化したり、美女の姿をしたしもべ(乳房や陰茎を撃ち出す)を多数作り出したり、陰毛を伸ばして締め付けたりする術を使う。
ダイダラボッチ
声 - 今西正男(第2作)、江川央生(第6作[87])、大木民夫(異聞妖怪奇譚)
『ダイダラボッチ』(初アニメ化第2作29話)に登場。日本妖怪最大級の巨体を持つ雲突く背丈の、伝説の大巨人。地形を簡単に変えるほどの力を恐れられ、千年前に解体封印されていた。信奉者達によって順番に封印を解かれ復活し、封印された復讐に日本列島を食い尽くそうとするが、身体を遠隔操作していた地下の脳を破壊されて倒される。
第3作60話では創造と破壊の二面性を持つとされる。自然環境の回復を願う人々を騙したぬらりひょんによって復活し、鍵で脳を操られて兵器として利用されるが、鬼太郎が鍵を撃ち落としたことで正気に戻り、自ら再び眠りに就く。
第4作29話では野づち同様、古代の神自身が対応せざるをえないほどの存在。ねずみ男に封印を解かれて復活するが、争う者達を喰らう性質を鬼太郎たちに逆手に取られて誘き出され、封印が解けていない脳を竹槍で刺されて海へ沈む。
第6作では85話では長年妖怪研究に没頭してきた研究家の門倉(かどくら、声 - うえだゆうじ[87])によると日本を見守っていた心優しい妖怪と伝えられている。一方で最初に封印を解いた者の意のままになる性質があり、「ダイダラ教団」に変装した七人同行によって人類抹殺兵器として復活し、脳を復活させたぬらりひょんに操られるが、最後は門倉が脳を破壊したことで消滅する。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではぬらりひょんによって一部のみ復活するが、鬼太郎に脳を破壊され再び封印される。その後、ドラキュラ達によって脳を復元され完全な姿へと復活し、ギーガを飲み込んで逆に身体を乗っ取られ、世界を破滅させようとするが、最後は鬼太郎に倒され消滅する。
タイタンボウ
本来「タイタンボウ」はダイダラボッチの異称だが劇中に登場しないため詳細は不明。原作は鬼太郎の登場しない短編『足跡の怪』[58]
アニメは第2作第43話「足跡の怪」に登場。自然を支配する力を持つなど神に近い存在で、ある村の近くの「入らずの山」にある大きな岩を御神体として祭られており絶対に姿を現すことはない。2人の学者が岩の近くにある穴の中の聖域を荒らした上に岩の一部を持ち帰ったことに怒り、村に天変地異を起こしたり村人を神隠しにした挙句、学者たちの身体を少しずつ溶かして岩近くの穴の中に誘い込み命を奪うことで怒りを鎮め、神隠しにした村人を返す。
第6作では70話に登場。氏神という設定で、入らずの山の番人を務める阿形(あがた)家の人間に、4日おきにその御霊石(みたまいし)に祈りを捧げることと、地元の町で生まれ育った以外の人間を山に入れてはならないという役目を負わせており、それを怠れば恐ろしい祟りが町に降りかかるとされている。また、阿形家の跡取りが村から出ることも許さない。
影女(かげおんな)
声 - 北浜晴子(第2作)、岡本嘉子(第4作)
第2作では、下半身が幽霊のような形と肌の色を除けば人間と差ほど変わらない姿をしている。影がある限りは無敵で、あらゆる攻撃が通用しない体質であり、下半身は伸縮自在。古い洋館「幽霊屋敷」に住みついていたが、洋館を購入した男の息子であり、幽霊や妖怪を信じずに乗り込んできた強情な少年金太に罰を与えるために、金太に霊石を食べさせて生きたまま幽霊に変えるが、最後は事情を知り乗り込んできた鬼太郎親子に敗北し、金太を元に戻す。
第4作では、影に人間の女性の顔が付いた真っ黒な姿をしている。地獄へ送られた罪深い人間たちの祖先から生み出された妖怪で、悪意を抱いた人間を影の世界へ連れ込む存在。かつて人間たちの悪意を集めてこの世を乗っ取ろうとした罪で封印されかけ行方を眩ましたとされる。1000の悪意を集めて強大な力を手にしたことで人間界に出現し、街を襲い光を奪っていくが、最後は弱点である光に苦しめられ、今まで引きずり込んだ者たちを解放し、ちゃんちゃんこで倒される。
大ミミズ
声 - 野田圭一
アニメ第2作第37話「地相眼」に登場。大きな青いミミズの姿の妖怪で、魑魅魍魎の世界の使者。戦後間もなく魑魅魍魎の世界に迷い込んで天文方位観測所の三つの宝の一つである赤い玉「地相眼」を持ち出した安井の前に現れ、安井の一人息子である安男を20歳になった時に新しい「地相眼」として差し出すか、安井本人の命と全財産を差し出すかの二択を迫る。最後は事情を知り覚悟を決めていた安男を連れていく。
隠れ座頭(かくれざとう)
声 - 矢田耕司
アニメ第2作第38話「隠れ里の死神」に登場。原作は鬼太郎の登場しない連載『サラリーマン死神』の「蒸発」[58]。盲目の仙人のような姿の妖怪。 ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。