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ボンネットバス

ボンネットバス和製英語:Bonnet Bus)は、バス車両の形態の1つで、運転席より前、客室外のフロント部にエンジンを設けた構造のバスである。アメリカ合衆国ではスクールバスなどに利用されているが、中国や台湾では珍しい存在といわれている[1]

ボンネットバス(1950年代・別府地獄めぐり遊覧バス)

概要

 
現代のボンネットバスの一例
ブルーバード・ビジョン(アメリカ合衆国)

バスにおいては古くから存在する形態である。エンジンの保守、放熱と客室の安静化に効果があるが、エンジンの上も客室として利用可能なリアエンジンバス等と比較すると、ボンネット部の空間は単なる機器スペースということになり、その分、輸送効率は低下する。しかし、ボンネット部が衝突事故の際の緩衝作用を担ってくれるため、乗務員の安全性を確保する上でも利点がある。また騒音や振動の面でも有利である。

ボンネットバスは、構造上、前輪が運転席より前方に位置しており、山間部の狭い道路では運転手が路肩の位置を把握しやすく、山間部での運行に適しているとされる[2]。また、通常のバスの箱型車体の場合にはオーバーハングが民家の軒に支障をきたすのに対し、ボンネットバスでは軒下をくぐりながら通行することも可能であった[2]

先進国の多くではボンネット型=旧式のイメージがあるが、アメリカでは大型トラックに見られるようにボンネット型が好まれる傾向もあり、現在も新型車の開発と生産が続けられている。スクールバスをはじめ、米軍国家機関や州政府などにも採用されているほか、中南米アフリカなどに輸出されている[3]

日本のボンネットバス

日本では第二次世界大戦の戦前から戦中にかけて軍需用のボンネットトラックの国産化が進んだ[4]

日本においては1950年代頃までは、大多数のバスがボンネットを持った形状であったため「ボンネットバス」の呼称はなかったが、キャブオーバーバスおよびリアエンジンバスの台頭と共にそれらと区別するため、ボンネットを持った形状のバスは「ボンネットバス」と呼ばれるようになった(レトロニム)。

現在のリアエンジンバスでは軽油を燃料とするディーゼルエンジンが主流だが、ボンネットバスにはガソリンエンジン車も存在した。また第二次世界大戦中は燃料不足対策として、ボンネットバスの燃料をに代替した木炭自動車が多く運行され「代燃車」と呼ばれた。

戦後、高度経済成長期の前期にかけて物流網の急拡大とともにボンネットトラックの需要が高まるとともに、公共交通でのボンネットバスの導入も増加していった[4]。しかし、1970年代になると、より効率的な輸送体系が求められるようになりボンネットバスは次第に減少していった[4]

日本の一般路線バスにおいては、1982年には江若交通1984年には呉市交通局の路線車が運用離脱したことで、ボンネットバスの定期運用はいったん消滅した。期間限定の運行では、岩手県北自動車松川温泉線で厳冬期アイスバーン対策として、四輪駆動のボンネットバスを路線バスとして運用している。

日本製ボンネットバスの車種

観光用・話題作りの方策へ

1970年代後半以降は、観光路線において目玉車両として運行する例が登場した。その嚆矢となったのが、1976年6月より運行を開始した、東海自動車の「伊豆の踊子号」である。以後、観光用の路線バスとして運行される事例が増加してゆくことになる。

最後までボンネットバスを製造していたのがいすゞだったため、現在残っている車両もいすゞ車が多い。

また、1987年上毛電気鉄道で運行を開始した日野BH15型は、バス利用促進のための話題作りとして、廃車されていたバスをレストアしたもので、ダイヤ限定ながら通常の生活路線で利用されていた。上毛電気鉄道での運行終了後は、日野自動車の企業博物館である日野オートプラザで保存車両として展示されている。

以後、廃車になっていたボンネットバスをレストアして、営業運行に使用するケースも散見されるようになっているが、これには高度なレストア技術を持つ福山自動車時計博物館の功績も大きく、同館経由で入手された車両が非常に多い。

排出ガス規制への対応

しかし、いかに観光用の保存車両とはいえ営業用として運行する以上、排出ガス規制から逃れることはできない。また製造終了から相当な年月が経過し、部品の確保も困難となり、運行継続が困難となった。このため、上毛電気鉄道のボンネットバスは1993年に運行を終了(同社はバス事業からも撤退、バスは日野自動車に引き取られた)、その後も西東京バス夕やけ小やけ号」のように、ボンネットバスの運行を終了するケースが多くなった。

その一方、神戸市交通局は排出ガス規制に対応したトラック用シャーシをベースにして、ボンネットバスのレプリカこべっこII世号」を製造させた。「こべっこII世号」はさらに、2006年にはCNGバスへの改造が行われている。また、磐梯東都バス「森のくまさん号」では廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を使用し、環境に優しいバスをアピールする方策も見られた。

また近年では、マイクロバスをレトロ調ボンネットバスとして仕立て上げ、定期観光バスや観光地の路線バスなどに使用されるケースも多数ある。詳細は「ファンタスティックバス」を参照。

レトロバスとしての保存

NPO法人日本バス文化保存振興委員会が、ボンネットバスを含む古いバスを収集・保存している。動態保存している車体はイベントなどに貸し出すこともある。日本ではバスの実物資料を体系的に保管・展示する施設がなく、同委員会はバス博物館の開設をめざしている[5]

ボンネットバスを観光目的で所有する日本の会社

アメリカのボンネットバス

アメリカではボンネットバスが公共交通機関やレンタカーの送迎バスなどで利用されている例はまずなく、一般的に通学用のスクールバスとして使用されている[6]。この点については利便性ではなくアメリカンカルチャーの継承を優先する理念があるとの指摘がある[6]。アメリカではスクールバスの児童・生徒の乗降時に対向車も含めて車両には停車する義務があり、バス車体(黄色など)のエクステリアデザインには明確にスクールバスであることを示す意味もあるとされる[7]

ボンネットバスはトラックをベースに製造され、ホイールベースやフェンダー、車高などにトラックの特徴を残してスクールバスとして運用されているものもある[7]。通常のバスと違い後部にエンジンがないため、スクールバスの最後部には大きく開く非常口が設けられている[7]

フィリピンのボンネットバス

フィリピンでは中古エンジンを搭載したジプニー(ジープニー)が幹線道路における交通手段になっている[8]。ただし、ジプニーは利用されているのは主に幹線道路であり、支線ではトライシクルなどの交通手段が利用されている[8]

グアテマラのボンネットバス

グアテマラではボンネットバスが庶民的な交通機関として利用されている[9]。特に農村部では、イヌブタニワトリなども乗せられており「チキンバス」とも呼ばれている[9]

ギャラリー

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ “市販車を「ボンネットバス」化する匠のスゴ技 会津観光で外せない名物バスは訪日客も絶賛”. 東洋経済オンライン. p. 4. 2022年12月19日閲覧。
  2. ^ a b “つるぎむかしがたり 剣山登山バス”. つるぎ町. 2022年12月19日閲覧。
  3. ^ BLUE BIRD Blue Bird Corporation、2021年8月15日閲覧。
  4. ^ a b c 桃田 健史. “なつかしのボンネットバス&トラック!「日本」で絶滅し「アメリカ」で現役な理由は「国土の大きさ」だけじゃなかった”. 自動車情報・ニュース WEB CARTOP. p. 1. 2022年12月19日閲覧。
  5. ^ 【人生100年クラブ】レトロなバスを保存:運転、整備に熟練必要『毎日新聞』朝刊2021年8月15日くらしナビ面(同日閲覧)
  6. ^ a b 桃田 健史. “なつかしのボンネットバス&トラック!「日本」で絶滅し「アメリカ」で現役な理由は「国土の大きさ」だけじゃなかった”. 自動車情報・ニュース WEB CARTOP. p. 2. 2022年12月19日閲覧。
  7. ^ a b c 近田 茂. “もう気分はハリウッドだぜ!! 日本の狭い道でアメリカンなスクールバスに昂ったぞ”. バスマガジンWEB. 2022年12月19日閲覧。
  8. ^ a b 伊藤 浩. “東南アジア二輪車事情”. 公益社団法人自動車技術会. 2022年12月19日閲覧。
  9. ^ a b “世界の国を知る 世界の国から学ぶ わたしたちの地球と未来 グアテマラ共和国”. 公益財団法人 愛知県国際交流協会. p. 15. 2022年12月19日閲覧。

関連項目

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