2007年のJリーグカップは、3月21日に開幕した。11月3日に国立霞ヶ丘競技場陸上競技場で決勝戦が行われた。
Jリーグヤマザキナビスコカップ | |
開催国 | 日本 |
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開催期間 | 2007年3月21日-11月3日 |
参加チーム数 | 18 |
優勝 | ガンバ大阪 |
準優勝 | 川崎フロンターレ |
スルガ銀行CS出場 | ガンバ大阪 |
パンパシ2008出場 | ガンバ大阪 |
試合総数 | 61 |
ゴール数 | 160 (1試合平均 2.62点) |
観客動員数 | 615,149 (1試合平均 10,084人) |
得点王 | 須藤大輔(甲府)(6得点) |
最優秀選手 | 安田理大(G大阪) |
← 2006 2008 → |
優勝はガンバ大阪(初優勝)。
大会名称
ヤマザキナビスコを冠スポンサーとして2007Jリーグヤマザキナビスコカップとして開催された。
レギュレーション
基本的に前年のレギュレーションを踏襲しているが、前年はAFCチャンピオンズリーグ出場枠に伴うシードチームが1チームだったためグループリーグのレギュレーションが異なっており、グループリーグのレギュレーションは前々年のものを復活させている。
- (2007年度J1リーグ)参加18クラブが出場。
- 18クラブのうち、浦和レッドダイヤモンズ、川崎フロンターレはAFCチャンピオンズリーグ2007出場のため、予選リーグは免除され、決勝トーナメントからの出場。
- グループリーグは3月21日から開始し、それ以外の16チームを4チームずつ4グループに分けてホーム・アンド・アウェーの2回戦総当りを行う。
- 各グループの組み合わせは、前シーズンのリーグ戦順位をもとに決定。
- 各グループリーグの最上位チーム(4チーム)と、各リーグの2位のうち成績上位の2チーム、計6チームが決勝トーナメントに進出する。
- 決勝トーナメントはグループリーグを勝ち抜いた6チームに浦和、川崎を加えた8チームによって行われる。
- 組み合わせは準々決勝・準決勝ごとにオープンドローで決定する。
- 準々決勝・準決勝
- ホーム・アンド・アウェーでの2試合制。以下の方法で優劣を決定する。
- 決勝
- 中立地(国立霞ヶ丘競技場陸上競技場)での1試合勝負。90分で同点の場合は延長戦→PK戦で決着する。
グループリーグ
グループA
順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | SFR | GAM | JEF | VIS | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | サンフレッチェ広島 | 6 | 4 | 0 | 2 | 6 | 5 | +1 | 12 | 決勝トーナメント進出 | — | 0–3 | 1–0 | 2–0 | |
2 | ガンバ大阪 | 6 | 3 | 1 | 2 | 10 | 6 | +4 | 10 | 0–1 | — | 0–1 | 2–2 | ||
3 | ジェフユナイテッド千葉 | 6 | 3 | 0 | 3 | 7 | 5 | +2 | 9 | 2–1 | 0–1 | — | 0–1 | ||
4 | ヴィッセル神戸 | 6 | 1 | 1 | 4 | 6 | 13 | −7 | 4 | 0–1 | 2–4 | 1–4 | — |
順位の決定基準: 1.勝点 2.得失点差 3.総得点数 4.抽選
2007年3月21日 | ヴィッセル神戸 | 1 - 4 | ジェフユナイテッド千葉 | ホームズスタジアム神戸 | |
16:00 | レアンドロ 64分 | 公式記録 | 工藤浩平 4分, 27分 羽生直剛 28分 佐藤勇人 54分 | 観客数: 5,781 人 主審: 奥谷彰男 |
2007年4月4日 | ガンバ大阪 | 0 - 1 | ジェフユナイテッド千葉 | 万博記念競技場 | |
19:05 | 公式記録 | 黒部光昭 83分 | 観客数: 6,394 人 主審: 前田拓哉 |
2007年4月11日 | ヴィッセル神戸 | 2 - 0 | サンフレッチェ広島 | ホームズスタジアム神戸 | |
19:00 | 公式記録 | 平繁龍一 89分 | 観客数: 2,879 人 主審: 東城穣 |
2007年4月11日 | ジェフユナイテッド千葉 | 0 - 1 | ガンバ大阪 | フクダ電子アリーナ | |
19:02 | 公式記録 | 二川孝広 52分 | 観客数: 7,595 人 主審: 扇谷健司 |
2007年5月9日 | ジェフユナイテッド千葉 | 0 - 1 | ヴィッセル神戸 | フクダ電子アリーナ | |
19:01 | 公式記録 | 栗原圭介 54分 | 観客数: 6,749 人 主審: 柏原丈二 |
2007年5月23日 | ジェフユナイテッド千葉 | 1 - 0 | サンフレッチェ広島 | 広島ビッグアーチ | |
19:00 | 佐藤寿人 64分 | 公式記録 | 観客数: 4,450 人 主審: 家本政明 |
グループB
順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | FMA | SSP | REY | ARD | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 横浜F・マリノス | 6 | 2 | 2 | 2 | 8 | 7 | +1 | 8[注 1] | 決勝トーナメント進出 | — | 2–0 | 3–0 | 0–1 | |
2 | 清水エスパルス | 6 | 2 | 2 | 2 | 8 | 7 | +1 | 8[注 1] | 2–2 | — | 0–0 | 3–0 | ||
3 | 柏レイソル | 6 | 2 | 2 | 2 | 6 | 6 | 0 | 8 | 3–0 | 2–1 | — | 0–0 | ||
4 | 大宮アルディージャ | 6 | 2 | 2 | 2 | 5 | 7 | −2 | 8 | 1–1 | 1–2 | 2–1 | — |
順位の決定基準: 1.勝点 2.得失点差 3.総得点数 4.抽選
注釈:
2007年3月21日 | 横浜F・マリノス | 0 - 1 | 大宮アルディージャ | 横浜市三ツ沢公園球技場 | |
14:59 | 公式記録 | 小林大悟 21分 | 観客数: 9,395 人 主審: 柏原丈二 |
グループC
順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | TOK | YFC | TRI | JUB | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | FC東京 | 6 | 3 | 1 | 2 | 7 | 7 | 0 | 10 | 決勝トーナメント進出 | — | 0–1 | 0–2 | 2–1 | |
2 | 横浜FC | 6 | 3 | 0 | 3 | 6 | 5 | +1 | 9 | 1–2 | — | 1–2 | 2–0 | ||
3 | 大分トリニータ | 6 | 3 | 0 | 3 | 6 | 6 | 0 | 9 | 0–1 | 1–0 | — | 1–3 | ||
4 | ジュビロ磐田 | 6 | 2 | 1 | 3 | 7 | 8 | −1 | 7 | 2–2 | 0–1 | 1–0 | — |
順位の決定基準: 1.勝点 2.得失点差 3.総得点数 4.抽選
2007年4月4日 | ジュビロ磐田 | 0 - 1 | 横浜FC | ヤマハスタジアム(磐田) | |
19:00 | 公式記録 | アドリアーノ 47分 | 観客数: 8,896 人 主審: 松尾一 |
2007年5月9日 | ジュビロ磐田 | 1 - 0 | 大分トリニータ | ヤマハスタジアム(磐田) | |
19:00 | 中山雅史 75分 | 公式記録 | 観客数: 3,876 人 主審: 家本政明 |
グループD
順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | ANT | VEN | ALB | GRA | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 鹿島アントラーズ | 6 | 4 | 0 | 2 | 12 | 7 | +5 | 12 | 決勝トーナメント進出 | — | 0–1 | 2–1 | 2–1 | |
2 | ヴァンフォーレ甲府 | 6 | 3 | 1 | 2 | 5 | 6 | −1 | 10 | 0–3 | — | 0–0 | 2–1 | ||
3 | アルビレックス新潟 | 6 | 2 | 3 | 1 | 8 | 6 | +2 | 9 | 3–1 | 2–1 | — | 0–0 | ||
4 | 名古屋グランパスエイト | 6 | 0 | 2 | 4 | 5 | 11 | −6 | 2 | 1–4 | 0–1 | 2–2 | — |
順位の決定基準: 1.勝点 2.得失点差 3.総得点数 4.抽選
2007年3月21日 | ヴァンフォーレ甲府 | 2 - 1 | 名古屋グランパスエイト | 山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場 | |
14:01 | 石原克哉 25分 秋本倫孝 31分 | 公式記録 | 玉田圭司 13分 | 観客数: 7,609 人 主審: 穴沢努 |
2007年3月25日 | アルビレックス新潟 | 3 - 1 | 鹿島アントラーズ | 東北電力ビッグスワンスタジアム | |
14:00 | マルシオ・リシャルデス 3分 エジミウソン 68分 矢野貴章 87分 | 公式記録 | マルキーニョス 27分 | 観客数: 33,481 人 主審: 前田拓哉 |
2007年3月25日 | 名古屋グランパスエイト | 0 - 1 | ヴァンフォーレ甲府 | 名古屋市瑞穂陸上競技場 | |
14:00 | 公式記録 | アルベルト 43分 | 観客数: 4,476 人 主審: 柏原丈二 |
2007年4月4日 | 鹿島アントラーズ | 0 - 1 | ヴァンフォーレ甲府 | 県立カシマサッカースタジアム | |
19:00 | 公式記録 | 須藤大輔 4分 | 観客数: 4,376 人 主審: 穴沢努 |
2007年4月4日 | 名古屋グランパスエイト | 2 - 2 | アルビレックス新潟 | 名古屋市瑞穂陸上競技場 | |
19:00 | 片山奨典 38分 玉田圭司 65分 | 公式記録 | エジミウソン 71分 深井正樹 84分 | 観客数: 3,740 人 主審: 岡田正義 |
2007年4月11日 | 鹿島アントラーズ | 2 - 1 | 名古屋グランパスエイト | 県立カシマサッカースタジアム | |
19:00 | 増田誓志 21分 マルキーニョス 29分 | 公式記録 | 巻佑樹 78分 | 観客数: 4,138 人 主審: 高山啓義 |
2007年4月11日 | アルビレックス新潟 | 2 - 1 | ヴァンフォーレ甲府 | 東北電力ビッグスワンスタジアム | |
19:00 | マルシオ・リシャルデス 1分 千葉和彦 55分 | 公式記録 | 増嶋竜也 53分 | 観客数: 22,203 人 主審: 家本政明 |
2007年5月9日 | ヴァンフォーレ甲府 | 0 - 0 | アルビレックス新潟 | 山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場 | |
19:02 | 公式記録 | 観客数: 7,641 人 主審: 村上伸次 |
2007年5月9日 | 名古屋グランパスエイト | 1 - 4 | 鹿島アントラーズ | 名古屋市瑞穂陸上競技場 | |
19:01 | ヨンセン 31分 | 公式記録 | 大岩剛 49分 田代有三 54分, 65分 本山雅志 62分 | 観客数: 3,858 人 主審: 松村和彦 |
2007年5月23日 | 名古屋グランパスエイト | 0 - 0 | 鹿島アントラーズ | 東北電力ビッグスワンスタジアム | |
19:00 | 公式記録 | 観客数: 28,660 人 主審: 柏原丈二 |
各グループ2位の比較
順 | グ | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | |
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1 | A | ガンバ大阪 | 6 | 3 | 1 | 2 | 10 | 6 | +4 | 10 | 決勝トーナメント進出 |
2 | D | ヴァンフォーレ甲府 | 6 | 3 | 1 | 2 | 5 | 6 | −1 | 10 | |
3 | C | 横浜FC | 6 | 3 | 0 | 3 | 6 | 5 | +1 | 9 | |
4 | B | 清水エスパルス | 6 | 2 | 2 | 2 | 8 | 7 | +1 | 8 |
順位の決定基準: レギュレーション
決勝トーナメント
準々決勝 | 準決勝 | 決勝 | ||||||||||||||||
川崎フロンターレ ((延長)) | 2 | 4 | 6 | |||||||||||||||
ヴァンフォーレ甲府 | 3 | 2 | 5 | |||||||||||||||
川崎フロンターレ | 2 | 4 | 6 | |||||||||||||||
横浜F・マリノス | 1 | 2 | 3 | |||||||||||||||
FC東京 | 1 | 2 | 3 | |||||||||||||||
横浜F・マリノス | 0 | 4 | 4 | |||||||||||||||
川崎フロンターレ | 0 | |||||||||||||||||
ガンバ大阪 | 1 | |||||||||||||||||
鹿島アントラーズ | 0 | 3 | 3 | |||||||||||||||
サンフレッチェ広島 | 1 | 1 | 2 | |||||||||||||||
鹿島アントラーズ | 0 | 3 | 3 | |||||||||||||||
ガンバ大阪 (a) | 1 | 2 | 3 | |||||||||||||||
ガンバ大阪 | 1 | 5 | 6 | |||||||||||||||
浦和レッズ | 1 | 2 | 3 |
準々決勝
第1戦
第2戦
1勝1敗、2戦合計5-5、アウェーゴール2-2につき延長戦を実施、延長1-0(合計6-5)で川崎が準決勝進出。
1勝1敗、2戦合計4-3で横浜が準決勝進出。
1勝1敗、2戦合計3-2で鹿島が準決勝進出。
G大阪の1勝1分け(2戦合計6-3)でG大阪が準決勝進出。
準決勝
第1戦
第2戦
川崎の2勝、2戦合計6-3につき川崎が決勝進出。
1勝1敗、2戦合計3-3、アウェーゴール2-0につきG大阪が決勝進出。
決勝
決勝は2000年以来7年ぶりの決勝進出を果たし初タイトルを狙う川崎フロンターレと、2005年以来2年ぶりの登場となるガンバ大阪の対決になった。川崎はACL準々決勝で敗退し国内のリーグ戦と未だチャンスの残っていたカップ戦に集中し、10月はカップ戦を含めて負け無しの5連勝であった。特に直前のFC東京戦では7-0と大勝しており、上げ潮ムードでの登場。一方ガンバは直前のリーグ戦で清水に敗北、リーグ優勝は遠のきチームの調子は良いとは言いがたかった。ただしガンバは昨年、一昨年とカップ戦の決勝に連続して進出しており、カップ戦決勝の戦い方を肌で知っているという強みがあった。
試合はここ最近のカップ戦決勝の傾向の例に漏れず、両者ともディフェンスに傾注し双方の攻撃陣はチャンスは作りながらも前半は0-0で進んだ。試合が動いたのは55分(後半10分)、ゴール前の混戦からガンバ大阪の安田理大がこぼれ球をゴールマウスに押し込み先制。試合は残り35分以上残していたが、ガンバ大阪が守りきり初めてリーグカップのタイトルを手にした。MVPはこの試合唯一のゴールを挙げた安田が獲得。
これまでJリーグカップを制覇した西限のチームはジュビロ磐田であったが、本年のガンバ大阪の優勝によってJリーグカップは天竜川を越えて大きく西進する事になった。
優勝したガンバ大阪は、翌2008年から新設されたパンパシフィックチャンピオンシップに日本代表として出場することとなった。なお、優勝時点では大会の開催そのものが決定されていなかったため、代表資格そのものは後付けである。