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キハダ (植物)

キハダ(黄檗、黄蘗、黄膚、黄柏。学名 Phellodendron amurense)はミカン科(キハダ属)の落葉高木

キハダ
キハダ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: (キハダ属) Phellodendron
: キハダ P. amurense
学名
Phellodendron amurense Rupr.
和名
キハダ(黄膚、黄檗、黄蘗、黄柏)
英名
Amur Corktree

名称

和名は、樹皮の表皮と内部の木質部との間にある内皮が、鮮やかな黄色であることから、「黄色い肌」の意に由来する[1]。別名は、シコロ[2]、シコロベ[2]、オウバク(黄檗)[3]、キハダが転訛してキワダ[1]のほか、内皮に苦味があることからニガキ[4]ともよばれている。

中国植物名(漢名)は、黄柏(おうばく)という[2]

分布・生育地

 
オウバク(生薬)

アジア東北部の台湾朝鮮半島中国河北省から雲南省にかけて、またヒマラヤ山地に自生しており、日本では北海道渡島半島後志胆振日高石狩)・本州四国九州琉球に分布する[5][6]。山地に生える[2]

形態・生態

落葉高木で雌雄異株[5]。樹高は10 - 25メートル (m)、目通り直径30センチメートル (cm) 程度になる[1][3]。葉は、対生葉序(たいせいようじょ)で奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で長さは20 - 45 cmある[5][3]小葉は5 - 13枚で、長さ5 - 10 cmの長楕円形、裏は白っぽく、葉縁は波状になる[5][3][7]

花期は5 - 7月ごろにかけて、本年生の枝先に円錐花序を出して、黄緑色の小さな花を多数つける[5][3]。果期は10月[3][7]果実核果で、直径10ミリメートル (mm) ほどの球形で緑色から黒く熟する[5][8]。核は、の種のような形をしている[8]

樹皮コルク質で、外樹皮は淡褐灰色で縦に深い溝ができ、内樹皮は濃鮮黄色で厚い[5][6]。この樹皮からコルク質を取り除いて乾燥させたものは、生薬黄檗(おうばく、黄柏)として知られ、薬用のほか染料の材料としても用いられる。

カラスアゲハミヤマカラスアゲハの幼虫が好む食草である。蜜源植物としても利用される。

利用

生薬

オウバク
 
生薬となる乾燥したオウバク
((丹波市立薬草薬樹公園))
生薬・ハーブ
効能 健胃薬
原料 キハダ樹皮
成分 ベルベリンなど
臨床データ
販売名 一般用医薬品検索
法的規制
投与方法 経口(粉末、湯液)
識別
KEGG E00063 D06689
別名 黄檗、黄柏、en:Huáng bǎi
(テンプレートを表示)

樹皮からコルク質・外樹皮を取り除いて乾燥させると生薬黄柏(おうばく)となり[2]、12 - 20年で採取できるようになる[5]。樹皮が厚いほど良品とされる[2]。夏のころ(6 - 7月)、樹液流動の盛んな時期に根際から切り倒して枝を払い、幹や枝の太い部分を1メートル間隔に輪状と縦傷をつけて切れ目を入れ、傷口にくさびを差し込んで樹皮をはぎ取り、外皮を除いて内皮の鮮黄色の部分を日干しして採取したものである[2][5][9]

黄柏にはアルカロイドベルベリンパルマチン、(マグノフィリン)をはじめ、(オバクノン)、タンニン粘液質などの薬用成分が含まれており、特にベルベリンは苦味成分と抗菌作用を持つといわれる[9][6]。主に苦味健胃、整腸剤として、製薬原料として用いられ[5][9]陀羅尼助百草などの薬に配合されている[7]。また、黄連解毒湯や(加味解毒湯)などの漢方方剤に含まれる。粘液質やタンニンには収斂や消炎作用があり、打ち身捻挫に外用される[9]日本薬局方においては、黄柏を粉末にしたものを「オウバク末」として薬局などで取り扱われており[9]、本種と同属植物を黄柏の基原植物としている。

民間療法では、胃炎口内炎、急性腸炎腹痛下痢に、黄柏の粉末(オウバク末)1回量1グラムを1日3回服用する用法が知られている[2][5][9]。強い苦味のため、眠気覚ましとしても用いられたといわれている。妊婦や胃腸が冷える人への服用は禁忌とされる[2]

このほか、打撲捻挫腰痛関節リウマチなどに、中皮を粉末にして同量の小麦粉と合わせてでドロドロに練り、布やガーゼに塗って(冷湿布)にして患部に貼り、乾いたら張り替える[5][10]

アイヌは、熟した果実を香辛料として用いている。

サプリメント

海外では、(シナホオノキ )(英語版)の抽出物とキハダからの抽出物を合わせたサプリメント製品(リローラ、Relora®)が販売され、コルチゾールを低下させるとの報告がある[11]

染料

キハダは、黄蘗色(きはだいろ)ともよばれる鮮やかな黄色の染料で[7]、黄色に染め上げる以外に赤や緑色の下染めにも利用される。なかでも、紅花を用いた染物の下染めに用いられるのが代表的で、紅花特有の鮮紅色を一層引き立てるのに役立っている。なお、キハダは珍しい塩基性の染料で、酸性でないとうまく染め上がらない。このため、キハダで下染めをした後は洗浄を十分にする必要がある。

虫食いを防ぐ効果を期待し、仏教経典の染色にも使われた時代もある。現存する正倉院文書薬師寺伝来の『魚養経』などは経年によって茶色く変色しているが、染めた直後は書された文字を映えさせる効果もある[12]

木材

キハダの心材も黄色がかっており、木目が明確であるため、家具材などに使用される[7]。ただし、軽量で軟らかいため、あまりにも強い荷重がかかる場所には向いていない。一部ではの代用材として使用されるが、その場合には桑との区別として「女桑」と表記される。

脚注

  1. ^ a b c 田中孝治 1995, p. 131.
  2. ^ a b c d e f g h i 貝津好孝 1995, p. 24.
  3. ^ a b c d e f 西田尚道監修 志村隆・平野勝男編 2009, p. 221.
  4. ^ 辻井達一 1995, p. 220.
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 馬場篤 1996, p. 44.
  6. ^ a b c 辻井達一 1995, p. 222.
  7. ^ a b c d e 平野隆久監修 1997, p. 246.
  8. ^ a b 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2018, p. 141.
  9. ^ a b c d e f 田中孝治 1995, p. 132.
  10. ^ 廣部千恵子「日本の民間薬4 : 皮膚のトラブルに対する民間薬2」『清泉女子大学紀要 50』 p. 87 - 132, (2002)
  11. ^ “Effect of Magnolia officinalis and Phellodendron amurense (Relora®) on cortisol and psychological mood state in moderately stressed subjects.”. Journal of the International Society of Sports Nutrition. (2013). doi:10.1186/1550-2783-10-37. PMID (23924268). 
  12. ^ 黄蘗色【きはだいろ】『日本経済新聞』朝刊2019年7月14日(NIKKEI The STYLE)18面。

参考文献

  • 伊沢凡人/会田民雄『カラー版薬草図鑑』家の光協会
  • 岡田稔ほか『原色牧野和漢薬草大図鑑』、北隆館。(ISBN 4-8326-0810-X)。
  • 貝津好孝『日本の薬草』小学館〈小学館のフィールド・ガイドシリーズ〉、1995年7月20日、24頁。ISBN (4-09-208016-6)。 
  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『増補改訂 草木の 種子と果実』誠文堂新光社〈ネイチャーウォッチングガイドブック〉、2018年9月20日、181頁。ISBN (978-4-416-51874-8)。 
  • 田中孝治『効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法』講談社〈ベストライフ〉、1995年2月15日、131 - 132頁。ISBN (4-06-195372-9)。 
  • 辻井達一『日本の樹木』中央公論社〈中公新書〉、1995年4月25日、220 - 223頁。ISBN (4-12-101238-0)。 
  • 平野隆久監修『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、246頁。ISBN (4-522-21557-6)。 
  • 西田尚道監修 志村隆・平野勝男編『日本の樹木』学習研究社〈増補改訂フィールドベスト図鑑 5〉、2009年8月4日、221頁。ISBN (978-4-05-403844-8)。 
  • 林弥栄編『山渓カラー名鑑 日本の樹木』山と渓谷社。(ISBN 4-635-09017-5)。
  • 馬場篤『薬草500種-栽培から効用まで』大貫茂(写真)、誠文堂新光社、1996年9月27日、44頁。ISBN (4-416-49618-4)。 

外部リンク

  • キハダ 日中医薬研究会・関西支部

(日中医薬研究会の新URLの http://nittyuuiyaku-kennkyuukai.com/ 下には該当URL無し)

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