『うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ』(うるせいやつら3 リメンバー・マイ・ラブ、英名表記:Urusei Yatsura3 Remember My Love)は、高橋留美子の漫画『うる星やつら』を原作とした劇場版オリジナル長編アニメーションである。1985年1月26日公開。
うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ | |
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監督 | やまざきかずお |
脚本 | 金春智子 |
原作 | 高橋留美子 |
出演者 | 古川登志夫 平野文 岩田光央 島本須美 |
音楽 | ミッキー吉野 |
撮影 | 若菜章夫 |
編集 | 森田清次 |
製作会社 | キティ・フィルム ディーン |
配給 | 東宝 |
公開 | 1985年1月26日 |
上映時間 | 90分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 11億7000万円[1] |
前作 | うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー |
次作 | うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー |
公式なタイトル(映像での表記)は『うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ』だが、JASRACや映画関連サイトでは『うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ』又は『うる星やつら3 リメンバー・マイラブ』と表記されている[要検証 ]。
概要
この節は(検証可能)な(参考文献や出典)が全く示されていないか、不十分です。(2008年9月) |
テレビアニメ『うる星やつら』(1981年版)のチーフディレクターを押井守からバトンタッチした、やまざきかずおによる『うる星やつら』の劇場アニメ初監督作品。この作品は『うる星やつら オンリー・ユー』が「あたるを追うラム」だったことから逆に「ラムを追うあたる」をコンセプトに作られた。
作中に登場するタヌキのキャラクター「O島」(原作やテレビシリーズにも登場するキャラだが本作に登場する「O島」は姿は同じだが全く異なるキャラである)由来は、高橋留美子の担当編集者「大島氏」である。また主題歌は、オープニング、エンディングテーマ共に英詞、オープニングテーマはハードロック調の曲で(作曲はゴダイゴのタケカワユキヒデ、ミッキー吉野)、当時としては先駆的な試みであった。
あらすじ
学校図書館で、ラムはしのぶから「結ばれる男女は赤い糸で結ばれている」という言い伝えを聞き、「うちもダーリンと結ばれてるっちゃ」とはしゃぐ。学校の帰り道、新設の遊園地「友引メルヘンランド」が出来た事を知ったラムは早速あたるとデートへ向かう。遊園地には、妖怪や宇宙人とおぼしき者でごった返していて、メガネら(ラム親衛隊)、藤波竜之介のそっくりさんまで現れた。一方、サクラや錯乱坊は、遊園地に漂う妖気に気が付いていたが、なぜか入園できない。
その遊園地のイベントで、あたるは手品師によってピンクのカバにされてしまい、その手品師と助手の女が姿を消してしまったため元の姿に戻れなくなる。サクラは、あたるに呪いがかけられていると告げる。その夜、犯人の手品師を発見したラムは、手品師を遊園地の鏡迷路へと追い詰めるが、鏡迷路から亜空間に幽閉されてしまった。手品師の正体は「ルウ」と名乗る少年。あるゴミ捨て場で拾った不思議な光を放つガラス玉によって超能力を得たルウは、時空を超えて偶然見かけた幼少時代のラムに惹かれて今回の事件を起こし、ラムに自分と一緒に暮らすよう強要する。
一方現実の世界では、コタツネコから、ラムが遊園地へ男を追いかけて行ったのを見たという情報が入る。しかし遊園地を探っても手掛かりはなく、さらに遊園地にいた妖怪や宇宙人達はいなくなり、サクラ曰く、妖気を発しているのはあたるだけになっていた。 やがて、弁天やラン達の調査により、ラムの失踪とあたるがカバにされた理由が判明する。それは過去に手違いのせいでラムの誕生会に出席出来なかった「樫の木森のオババ」が、『銀河系よろず呪い事引き受け組合』に依頼してラムに呪いをかけていたせいだった。だがその呪いは、事情を知ったオババがすぐキャンセルしたはずだという。弁天達はその組合へ乗り込み、職員に事情を問いただすと、呪いは手違いでキャンセルされず長年放置され、見事なまでに昇華していたのだった。
その後、ラムのいない友引町に微妙な変化が起こり始めていた。ラムのいない地球に用はないと、ランや弁天達は各々の故郷へ帰ってしまったことで、友引町は不思議な力を失い、しのぶは怪力が出せなくなり、面堂はタコの気持ちが理解出来なくなり、メガネは旅に出てラムの思い出を消し去ろうとしていた。しばらくして元の姿に戻ったあたるは、ラムがいない事につけ込み、喜々としてガールハントを続ける。そんなどこか虚無的な生活の中、あたる達は3年に進級。ある日ガールハントをしていたあたるはコーラの缶で手を切ってしまう。その手にはまるで「赤い糸」の様に引く血があった。あたるは忘れていたラムとのやり取りの日々を思い出し、ラムの存在の大切さに気付く。そこに突然現れたラーラという女と共に、消えたラムを探すために奮起。ラムが幽閉された「メルヘンランド」に向かい亜空間へと突入する。
亜空間に突入したあたるはラムと対面することができたが、呪いの力で姿形を変えラムと引き離されてしまう。しかし、ラムはどんな姿になろうとも必死にあたるを見つけようとする。ラムはあたるとの赤い糸をたぐってあたるを見つけたが、そのあたるの指には何本もの赤い糸がついていた(あたるの左手の小指についている赤い糸は1本だけだったが)。ラムがあたるに(情けなさから)電撃を食らわせ、そのショックで呪いは消滅した。同時に「ルウ」や「ラーラ」との記憶も消失し、これまでの時間もすべてなかったことになり、あたる達は「友引メルヘンランド」開園前日に戻っていた。
登場人物・キャスト
- 諸星あたる - 古川登志夫
- ラム - 平野文
- 三宅しのぶ - 島津冴子
- 面堂終太郎 - 神谷明
- テン - 杉山佳寿子
- サクラ - 鷲尾真知子
- レイ - 玄田哲章
- ラン - 小宮和枝
- 弁天 - 三田ゆう子
- おユキ - 小原乃梨子
- 温泉先生 - 池水通洋
- メガネ - 千葉繁
- パーマ - 村山明
- カクガリ - 野村信次
- チビ - 二又一成
- 藤波竜之介 - 田中真弓
- 竜之介の父 - 安西正弘
- 面堂了子 - 小山茉美
- あたるの父 - 緒方賢一
- あたるの母 - 佐久間なつみ
- ラムの父 - 沢りつお
- ラムの母 - 山田礼子
錯乱坊 - 永井一郎- O島 - 菅谷政子
ゲストキャラクター
- ルウ
- 声 - 岩田光央、鈴木一輝
- ピエロやマジシャンに扮し、あたるをカバに変えた張本人。本当の姿は10歳くらいの少年。
- 不思議なガラス玉のおかげで特殊な能力を身につけ、過去に見物に行った際、幼少時のラムに出会った。その頃の一点の穢れもない太陽のような笑顔に対し、あたると出会ってからのラムは以前のように笑わなくなったと思い、かつてのように笑うラムを見たいがため、ラムをあたるから引き離し、一緒に暮らそうと目論んだ(そのことをラムに話したが「お前はマザコンの上にロリコンけ!」と大して相手にされなかった)。両親は仕事で長期間帰っておらず、家庭教師のラーラとO島の三人で暮らしている。
- 終盤、ルウがラムの遠い子孫であることがラーラによって告げられる(ルウの母親はラムに似ているらしい)。ルウがラムをあたるから引き離そうとしたのは、ルウの自発行為ではなくガラス玉に操られていたためだった。それを知ったルウは、ラムとあたるを元の世界に帰し、二人から一連の記憶も消して、ラーラ、O島と共に元の時代へと帰って行った。
- なお『ラム・ザ・フォーエバー』のエンディングにも、一瞬だけ写真の状態で登場。
- ラーラ
- 声 - 島本須美
- ルウの家庭教師。あたるがいなくなったラムのことを思い出したのをきっかけに、二人でラム救出に向かった。ラーラとあたるに見つかり、なおもラムを連れて逃げようとしたルウに、彼とラムの間柄を告げて、ルウがラムを幽閉し続ければルウの存在自体が消滅してしまうことを説明して諦めさせた。「大変よくできました」「10点減点」といったハンコを持ち歩いている。本作が劇場公開されていた時期、テレビアニメであたるが読んでいた雑誌の表紙やポスター、または背景でルウと共に登場している。
- 樫の木森のオババ
- 声 - 京田尚子
- ラムの生誕祭に自分だけ呼ばれなかったため腹いせに、ラムが年頃になったころ、愛する男と必ず引き裂かれるように特別なガラス玉に恨みを込め、「銀河系よろず呪い引き受け組合」に郵送した。しかし実際には生誕祭の招待状は郵送中のアクシデントによりオババのもとへ届かなかっただけで、本当は招待されていることが分かる。誤解だったことを知ったオババは組合にキャンセルの意図を伝えた。しかし、肝心のガラス玉が郵送途中のターミナルで紛失されており、呪いそのものは行方不明扱いとなり放置されていた。その一切については組合からの連絡もなく、オババは関知していない。故に、既に発生・成長を続けていた呪いが一連の事件の発端を作ったのである。
スタッフ
主題歌
- オープニングテーマ「Born To Be Free」
- エンディングテーマ「Remember My Love」
- 作詞 - Ralph McCarthy / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - 土方隆行
歌 - ステファニー ( Steffanie Reiko Borges ) 、発売元 - ワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)
- PCエンジンCD-ROM2用ゲームソフト『うる星やつら STAY WITH YOU』のBGMとして使用されている。
併映作品
関連商品
- 書籍
- 少年サンデーグラフィック13 うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ (ISBN 978-4091011176)(1985年2月発売)
- 少年サンデーコミックス・アニメ版 うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ 上 - (ISBN 978-4091218339)(1985年3月発売)
- 少年サンデーコミックス・アニメ版 うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ 下 - (ISBN 978-4091218346)(1985年4月発売)
- 映像媒体
- VHS、ベータ方式(1991年7月21日発売)
- レーザーディスク(1998年6月17日発売)
- VHD
- 映画はモノラル音声だがビデオはオープニングとエンディングをステレオ収録している。ただしエンディングが映画用サイズにカットされていないため、映像は最後の静止画だけ不自然に長い状態に伸ばされている。
- DVD(2000年4月19日発売)
- DVD ハイビジョン・ニューマスター版(2001年12月19日発売)
- 『(犬夜叉 時代を越える想い)』の公開を記念。
- 劇場版うる星やつら Blu-ray BOX(2015年6月24日発売)
- レコードLP盤・カセットテープ
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ オリジナル・サウンドトラック
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ オリジナル・サウンドトラック ドラマ編
- CD
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ〈映画BGM集III〉
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ オリジナル・サウンドトラック ドラマ編
映像余談
- ラムがルウを追いかけるシーンで「とどがつまった」という看板が出てくる。これは『アニメージュ』誌で連載されていた、押井守ともりやまゆうじの漫画原作作品『とどのつまり…』のパロディ。
- メガネが持っているラムの写真コレクションの山の中に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の「友引前史」が紛れている。
脚注
注釈
- ^ 準備稿が、『少年サンデーグラフィックうる星やつら13.リメンバー・マイ・ラブ』(小学館、1985年)にある。
出典
外部リンク
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ - allcinema
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ - KINENOTE
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ - MOVIE WALKER PRESS
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ - 映画.com