『COME ON!』(カモン)は、日本の(ロックバンド)・L'Arc〜en〜Cielのベーシスト、TETSUYAの2作目となるアルバム。2011年1月5日発売。発売元はKi/oon Records。
『COME ON!』 | ||||
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TETSUYA の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | J-POP ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | Ki/oon Records | |||
プロデュース | TETSUYA | |||
チャート最高順位 | ||||
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TETSUYA アルバム 年表 | ||||
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『Suite November』収録のシングル | ||||
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解説
前作『Suite November』から約9年ぶり、TETSUYA名義としては初めてのスタジオ・アルバム。
アルバムタイトルは、TETSUYA曰く「ふと"COME ON"って言葉が出てきて決めた[1]」という。また、車での移動中にカー・ラジオからビートルズの楽曲「プリーズ・プリーズ・ミー」が流れていたことが決め手になったといい、TETSUYAは「車のラジオからビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」が流れてて、<Come on, come on Come on, come on>というフレーズを聴いて、"あ、これはアルバム・タイトルを『COME ON!』にしろっていうサインなんだな"って、その時決めました[1]」と述べている。このような前向きなアルバムタイトルにした経緯について、TETSUYAは「怖いこととかイヤなことは、逃げたら余計怖くなるし、そういう時ほど、"よしっ!来い!"って気持ちで臨んでいったほうが、いっそ怖くない。チャレンジをすることって不安でもあると思うんです。でも、自らそこに飛び込んでいけば、何とかなるし、新しい経験もできる。そういう意味で『COME ON!』というタイトルはぴったりで、今僕がそういうモードなんだと思います[2]」と述べている。ちなみに、『COME ON』というアルバムタイトルは、TETSUYAが在籍するバンド、L'Arc〜en〜Cielが2007年に発表したアルバム『KISS』のタイトル候補でもあったという。TETSUYAは「(hydeが『COME ON』を候補として提案していたことを)すっかり忘れてて、『COME ON!』って付けた後にそれが発覚した[3]」と述べている。
収録曲として、2007年に発表した「Can't stop believing」に加え、2010年にアルバムに先行しリリースした「Roulette」「LOOKING FOR LIGHT」「lonely girl」を含めた全11曲が収録されている。前作は収録曲すべてに対し、異なるアレンジャーを迎え制作されたが、本作は11曲中9曲において、室姫深(ex.THE MAD CAPSULE MARKETS)との共同アレンジで制作されている。さらに、本作ではすべての楽曲でTETSUYAがギターを担当しており、TETSUYAは「ギタリストの感覚で弾くソロと、僕の感覚のソロはやっぱり違う。僕は歌というか、歌のメロディーの延長線上でギターソロを考えてるから。ギターでも歌ってますね[4]」と述べている。
本作は2010年7月より全国6都市で開催した、ソロ名義で初となるライヴツアー「FIRST TOUR 2010 ルーレットを回せ!」を経て制作されたアルバムである。TETSUYAは「客観的に聴いても、歌がすごく良くなったと思います。今、過去の音源を聴くと、ちょっとヴォーカルが弱い気がするんですよ。それもあって、本格的なレコーディングに入る前にツアーをやりたかったんです。本当に1stツアーはやって正解でした[5]」と、ツアーの影響で自身のヴォーカルワークが良くなった旨を述べている。また、本作には前述のライヴツアーをきっかけとして生まれた曲が収録されており、3曲目に収録された「Fantastic Wonders」はツアーを通じて感じた思いを歌詞に綴っており[6]、10曲目に収録された「Are you ready to ride?」はツアーのため書き下ろされ、前述のライヴで先行披露されている[6]。
また、8曲目に収録された「In My HEART」は、ある人物のリクエストを受け、2011年に結成20周年を迎えたL'Arc〜en〜Cielへのオマージュとして手掛けた楽曲である[7]。歌詞はL'Arc〜en〜Cielが1999年に開催した、バンド最大規模となるツアー「1999 GRAND CROSS TOUR」の想い出がもととなっており、TETSUYAは「あのライヴってお台場の更地に一からステージを組んだんですが、2日間で25万人集まってくれた夏の夢のような空間で。その直後の9月にたまたま車で更地になったその場所を通ったら、ちょっと切なくなって、あの夏の思い出が蘇ってきて、そのときにふっと出てきたメロディが原型になっている[5]」と述べている。L'Arc〜en〜Cielを意識して制作しており、アレンジも長らくL'Arc〜en〜Cielで編曲を担当している西平彰が参加している[8]。11曲目に収録された「流れ星」は、10年ほど前に原型は制作されていたが、Bメロを作り替えて本作に収録された[8]。TETSUYA曰く「これは別枠[8]」だといい、本人も思い入れのある曲だという。ちなみに、2011年2月2日には、この曲のリアレンジバージョン「流れ星 [Rhythmless Ver.]」に加え、全収録曲のインストゥルメンタル・バージョンが配信リリースされている。
さらに、本作には様々なシンガーがゲストとして参加している。4曲目に収録された「guilty」ではコーラスとしてMay J.、5曲目に収録された「EDEN」ではラップ担当として井上ジョー、4曲目に収録された「Are you ready to ride?」ではコーラスとして旧友である西川貴教(T.M.Revolution、abingdon boys school)が参加している。
本作は、初回仕様限定盤(CD)と通常盤(CD)の2形態で発売。初回仕様限定盤はスペシャル仕様スリーブBOX、スペシャル仕様ブックレット、ピクチャーレーベル仕様。また、初回仕様限定盤には3大特典としてMUKINPOくんステッカー、6面折ピンナップポスター、トレーディングカード「COME ON!」Version(全9種のうち2種をランダム封入、全9種コンプリートでスペシャルフォトが完成)が付属している。
収録曲
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
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1. | 「LOOKING FOR LIGHT」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
2. | 「Roulette [Album Ver.]」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
3. | 「Fantastic Wonders」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
4. | 「guilty」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
5. | 「EDEN」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
6. | 「魔法の言葉」(「Aya na ture」CMソング(CMには妻である酒井彩名が出演。)) | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
7. | 「Can't stop believing [Album Mix]」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
8. | 「In My HEART」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・西平彰 | |
9. | 「lonely girl [Album Ver.]」 | 矢沢あい | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
10. | 「Are you ready to ride?」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・室姫深 | |
11. | 「流れ星」 | TETSUYA | TETSUYA | TETSUYA・鈴木雅也 |
参加ミュージシャン
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[Produce & Mastering]
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参考文献・サイト
- 『』、ソニー・マガジンズ、2011年1月号
- 『TETSUYA、9年ぶりソロアルバム「COME ON!」に起きた数々のミラクルをTETSUYAが明かす』、ナタリー
- 『TETSUYA、9年の歳月を経て2ndアルバム『COME ON!』完成』、BARKS
脚注
- ^ a b TETSUYA、9年ぶりソロアルバム「COME ON!」に起きた数々のミラクルをTETSUYAが明かす(page1) - ナタリー
- ^ TETSUYA、9年の歳月を経て2ndアルバム『COME ON!』完成 INTERVIEW(page2) - BARKS
- ^ TOKYO-FM系ラジオ番組『やまだひさしのラジアンリミテッドF』2012年2月10日放送分
- ^ TETSUYA、9年ぶりソロアルバム「COME ON!」に起きた数々のミラクルをTETSUYAが明かす(page3) - ナタリー
- ^ a b TETSUYA、9年の歳月を経て2ndアルバム『COME ON!』完成 INTERVIEW(page3) - BARKS
- ^ a b TETSUYA、9年ぶりソロアルバム「COME ON!」に起きた数々のミラクルをTETSUYAが明かす(page2) - ナタリー
- ^ TETSUYA、9年の歳月を経て2ndアルバム『COME ON!』完成 - BARKS
- ^ a b c 『WHAT's IN?』、p.25、ソニー・マガジンズ、2011年1月号
- ^ クレジットはCo-produced by Shin Murohime