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日本の核武装論

日本の核武装論(にほんのかくぶそうろん)は、日本が核武装するかどうかについての議論である。核武装論は、広義には核兵器を保有していない国家における安全保障政策上の核武装の是非や利得についての議論を指し、狭義には核武装賛成論を指す。核保有国においては、既に保有する核兵器をどのように運用整備するかという核戦略が議論される。日本においては、日本のGHQ草案を基に制定された現行憲法や法律に基づいて法的、政治的に現行憲法が定めた平和的観念、憲法前文に明記されている国際社会における日本の平和的発展と地位保持、国民が強く望む恒久の平和などの観点、日本が署名した国連条約に基づいて施行された現行法や特別刑法に定められた項目により、日本が日本の防衛費から支出される予算で核兵器を持つかどうかの議論となる。

日本の核武装を巡る検討と発言の経緯

敗戦まで

1937年昭和12年)11月、博士として知られる物理学者中谷宇吉郎が以下のように述べている[1]

原子の蔵する勢力(エネルギー)は殆(ほと)んど全部原子核の中にあって、最近の物理学は原子核崩壊の研究にその主流が向いている。原子核内の勢力が兵器に利用される日が来ないほうが人類のためには望ましいのであるが、もし或(あ)る一国でそれが実現されたら、それこそ弓と鉄砲どころの騒ぎではなくなるであろう。 — 中谷宇吉郎「弓と鉄砲」『東京朝日』1937年11月

日本において原爆が具体的に語られたのは1940年(昭和15年)に博士の仁科芳雄陸軍航空技術研究所長の安田武雄にウラン爆弾の研究を進言したのが初まりとの説もある[要出典]。以後、陸軍1941年(昭和16年)に理化学研究所原爆の研究を委託(ニ号研究)、海軍1942年(昭和17年)に核物理応用研究委員会を設けて原爆の可能性を検討した。しかし、当時は人形峠岡山県鳥取県境)のウラン鉱脈の存在も知られておらず、ウラン鉱石の入手はもっぱらドイツとの遣独潜水艦に頼る状況にあり、ウラン爆弾1個に必要な2tのウラン鉱石を確保するのは絶望的であった。

1945年(昭和20年)6月には陸軍が、7月には海軍が研究を打ち切り、日本は敗戦を待たずして原爆研究から撤退した。

日米安保条約と中国・ソ連の核武装

1949年にはソ連が初めての核実験に成功した。1952年に日米両国の間で旧安保条約締結。

1957年(昭和32年)5月、内閣総理大臣岸信介が参議院予算委員会で「核兵器と名前がつけば憲法違反かというと、憲法の解釈論としては正しくない」と答弁し、核兵器保有は合憲との認識を示した[2]

1961年(昭和36年)11月、内閣総理大臣の池田勇人は来日したアメリカ国務長官ディーン・ラスクに「閣内に核武装論者がいる」と述べた。

1964年(昭和39年)には中国が初めての核実験に成功した。同年12月、総理の佐藤栄作駐日アメリカ大使エドウィン・O・ライシャワーに対して、イギリス首相であるウィルソンの言葉を引用して「他人が核を持てば、自分も持つのは常識だ」と述べた。

政府は佐藤政権時代の1960年代後半に、極秘に核保有の可能性を検討した。1967年(昭和42年)夏、内閣調査室の外郭団体「財団法人・民主主義研究会」で永井陽之助垣花秀武、前田寿、関野英夫、蝋山道雄により日本の核武装の可能性について検討が行われた。その結果は「日本の核政策に関する研究(その一)-独立核戦力創設の技術的・組織的・財政的可能性」と「日本の核政策に関する研究(その二)-独立核戦力の戦略的・外向的・政治的諸問題」という二冊の小冊子にまとめられた。同研究会は「日本が核武装することは、国際政治的に多大なマイナスであり、安全保障上の効果も著しく減退する」と結論付けた。この事実については1999年平成11年)に蝋山がSAPIOの取材に対して詳細を語っている[3]

1967年(昭和42年)12月11日、佐藤は衆議院予算委員会で「核は保有しない、核は製造もしない、核を持ち込まないというこの核に対する三原則、その平和憲法のもと、この核に対する三原則のもと、そのもとにおいて日本の安全はどうしたらいいのか、これが私に課せられた責任でございます。」と答弁した[4]

NHK2010年(平成22年)10月の報道によると、NPT調印後の1969年(昭和44年)、外務省高官は西ドイツ(当時)外務省の関係者を箱根に招いて、核保有の可能性を探る会合(当時、分析課長の岡崎久彦、国際資料室の鈴木孝、調査課長の村田良平とドイツ政策企画部長のエゴン・バール参事官のペア・フィッシャーとクラウス・ブレヒ)を持った[5]。前記の報告書や西ドイツとの会合の背景には、1964年(昭和39年)に中国が核保有国となった事情がある。この報道を受けて外務省は、省内で調査をおこない、調査結果を2010年(平成22年)11月29日に報告書として発表した。それによると、日本と西ドイツの外交当局者が1969年(昭和44年)に「政策企画協議」を東京で開催した後に箱根で懇談した事実を確認し、「政策企画協議」自体は「自由な意見交換が目的で、政策の交渉や調整の場ではない」としたものの、西ドイツ関係者の証言などに基づき、日本の核保有の可能性に関連する発言が「何らかの形でなされていた可能性を完全に排除できない」と結論づけている[6]

中曽根康弘は2004年(平成16年)の自著において、防衛庁長官だった1970年(昭和45年)に「現実の必要性を離れた試論」として、核武装について「日本の能力を試算」し「当時の金で2,000億円、5年以内で核武装できるが、実験場を確保できないため現実には不可能」との結論に達したことを明かした[7]。1970年(昭和45年)当時(三次防)の防衛費は4,800億円で、一般会計の7%を占めた。現在の貨幣価値に直すなら、消費者物価指数で言えば約3倍の6,000億円、防衛費の伸びで言えば10倍の2兆円といった金額になる。弾頭1発1億円とも述べており、これは当時の主力戦闘機F-104の価格、5億円の15であった。

1971年(昭和46年)、中曽根は衆議院内閣委員会で「大体いま世界戦略的に、また世界歴史的に見ますと、核武装というのは第二次世界大戦戦勝国になってきている。ああいうものをつくってしまいましたからなくすわけにいかぬ、相手が持っている以上は少し優越したものを持っていないと不安である、そういう世界に入り込んでいって、やむを得ず苦悶してSALTをやるというような形になってきておる。それで、私は戦勝国の業であろうと思っております。戦敗国である日本がそんな業にのこのこ入っていく必要はない、そんな考えを私は持っているわけです。」と述べた。

1971年(昭和46年)、ニクソン・ショックを背景に参議院議員の石原慎太郎が次のように発言した。「(核兵器が)無けりゃ、日本の外交はいよいよ貧弱なものになってね。発言権はなくなる」「だから、一発だけ持ってたっていい。日本人が何するか分からんという不安感があれば、世界は日本の言い分を聞くと思いますよ」、この発言は同年7月19日付の朝日新聞に掲載された[8]

1972年(昭和47年)、科学技術庁長官だった中曽根康弘は衆議院科学技術振興対策特別委員会で「私は非核武装論者でありまして、核武装をしなければいかぬなんということは一回もありません。」と述べた。

1973年(昭和48年)3月17日、総理の田中角栄は参議院予算委員会の答弁で「いままで政府が統一見解で述べておりますものは、自衛の正当な目的を達成する限度内の核兵器であれば、これを保有することが憲法に反するものではないというのが、従来政府がとってきたものでございます」と述べた。

1975年(昭和50年)、日本の科学技術庁(当時)の原子力担当課長が在京イギリス大使館員に「日本は3か月以内に核兵器の製造が可能」と語った[9]。この情報を基に一時イギリス政府内は大騒ぎになった。

1978年(昭和53年)3月11日、総理の福田赳夫は参議院予算委員会で「たとえば万一核不拡散条約(NPT)、これを日本が脱退をするということになった場合には、条約上の遵守義務というものはありませんから、先ほど申し上げましたような間接的意味における憲法に由来する九十八条の問題というものは消えちゃうんです。第九条の問題だけが残るということなんです。憲法全体の思想といたしましては、私は、第九条だと思うのです。第九条によって、わが国は専守防衛的意味における核兵器はこれを持てる。ただ、別の法理によりまして、また別の政策によりまして、そういうふうになっておらぬというだけのことである。」と述べた。

以後の日本政府は憲法98条2項「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」に基づきNPT条約を履行するため、非核三原則を「一貫して堅持する」と繰り返し明言している。

同日、内閣法制局長官真田秀夫は参議院予算委員会で「国会におけるその非核三原則を堅持しろというような御決議があって、それでその核は持たないという選択をしなさいという御決議があるわけでございますから、それで政府はその政策の選択として非核三原則を堅持しておる、そのことと法律の解釈というのは、それは政策とは別なんですよ、それは。」と述べた。

1979年(昭和54年)のソ連によるアフガニスタン侵攻をきっかけとして冷戦が再び激化すると、ソ連からの核攻撃の脅威を回避するためには日本も核武装し抑止力を持つべきだという主張がおこなわれた[注釈 1]。一方、日本が冷戦期に核武装しなかったことでソ連が日本に対して軍事行動に出られなかったという意見も存在する。ただし、日本はアメリカの「核の傘」により守られていたのでこの見方が成り立つとは考えにくい。[注釈 2]

1991年(平成3年)、宮澤喜一は、総理就任前に「…日本にとって核武装は技術的に可能であり、財政的にもそれほど難問ではない」と述べた[10]

ソ連崩壊以後

1991年12月、ソ連崩壊により米ソ冷戦が終結。

1994年には北朝鮮の核開発疑惑が報じられた。同年、北朝鮮はIAEAを脱退、査察を受ける義務を逃れた。

2001年(平成13年)、内閣府高官(氏名不詳)が雑誌インタビューに対し、「3年で核武装可能」と回答した。

2002年(平成14年)4月6日、自由党党首の小沢一郎は福岡での講演で、以前に中国共産党情報部の人物に語ったこととして次のように述べた。「あまりいい気になると日本人はヒステリーを起こす。核弾頭をつくるのは簡単なんだ。原発でプルトニウムは何千発分もある。本気になれば軍備では負けない。そうなったらどうするんだ。」

同年5月13日官房副長官安倍晋三早稲田大学の講演において次のように述べた。「自衛のための必要最小限度を超えない限り、核兵器であると、通常兵器であるとを問わず、これを保有することは、憲法の禁ずるところではない」「核兵器は用いることができる、できないという解釈は憲法の解釈としては適当ではない。」

同月31日、官房長官福田康夫は次のように述べた。「非核三原則は憲法に近いもの。しかし、今は憲法改正の話も出てくるようになったから、何か起こったら国際情勢や国民が『(核兵器を)持つべきだ』ということになるかもしれない」「法理論的には持てる。持っていけないとの理屈にはならない」。これは記者団とのオフレコでの発言であったため発言者は「政府首脳」とぼかされていたが、6月4日に自身であることを認めている。

福田の発言に関連して石原慎太郎は同年6月18日東京都議会で次のように答弁した。「核の問題にしても、これからどういう変化が社会にもたらされて、それが政治ケースとなって、国民のその問題に対するとらえ方もおのずと変わってき得るということを福田君はいったことで、ああいう障害に阻まれたと認識しております。そういう点で、過去にあった事例というものを踏まえながら、現在の時点で正確に主張してもらいたいということで、私は激励しました」。石原はこの時、『諸君!』1970年10月号に載せた自分の論文「非核の神話は消えた」の全文コピーを福田に送っている。

2003年に発表されたアメリカの国防白書は、未来予測の中で2050年までに日本が核武装すると述べた。

2004年(平成16年)、中曽根康弘はインタビューに答えて「(核武装について)これまでも一貫して否定してきていますし、今でも変わりません」と述べた。中曽根は「日米安保の続く限りにおいて」という条件つきでの一貫した非核武装論者である。

北朝鮮の核武装以後

2005年(平成17年)2月10日、北朝鮮が核武装を公式に宣言した。同年2月25日、大前研一韓国メディアの「北朝鮮の核保有が最終確認された場合、日本も核武装に動くのか」という質問に対して次のように答えた。「その可能性は大きい。日本はその気になれば90日以内に核爆弾を製造し、ミサイルに搭載できる技術的能力を持っている。われわれはすでに大陸間弾道弾(ICBM)水準のミサイルロケット)を保有しており、50t以上のプルトニウムを備蓄している。核爆弾2,000基を製造できる分量だ。日本はすでに30 - 40年前、原爆製造に必要なあらゆる実験を終えた。日本が核武装をしないのは国民情緒のためだ。9割の日本人が核兵器の開発に反対している。広島長崎の悪夢のためだ。しかしわれわれが北朝鮮核兵器の実質的脅威を受ける状況になれば、世論は急変するはずだ」。

同年、民社党の後身である民社協会系の新憲法組織「創憲会議」の「「創憲」を考えるための提言書」(玉置一弥サイト「「創憲」を考えるための提言書を掲載しました」参照)が明らかにされた。公式に核武装を視野に入れ、核兵器に加え、生物化学兵器の所持をも選択肢に入れるよう提言した。国会議員を擁する政党・政治団体で、核武装の検討を公式見解にしている党派はここだけである。ただし、同年10月28日に発表された創憲会議の新憲法草案では、核武装検討の明言はされていない[11]

2006年(平成18年)には北朝鮮が初の核実験を実施。10月10日、内閣総理大臣の安倍晋三は衆議院予算委員会で次のように述べた。「我が国の核保有という選択肢は全く持たない。非核三原則は一切変更がないということをはっきり申し上げたい」。

同月15日、(自民党政調会長)の中川昭一はテレビ朝日「サンデープロジェクト」で次のように述べた。「欧米の核保有と違って、どうみても頭の回路が理解できない国が持ったと発表したことに対し、どうしても撲滅しないといけないのだから、その選択肢として核という……」

同月18・19日、外務大臣麻生太郎は衆議院テロ対策特別委員会にて次のように述べた。「隣の国が持つとなった時に、一つの考え方としていろいろな議論をしておくことは大事だ」「非核三原則を政府として堅持する立場に変わりはないが、日本は言論統制された国ではない。言論の自由を封殺するということに与しない(=核武装の論議容認)という以上に明確な答えはない。」

同月20日、中川昭一は自民党静岡県連合会の集会で次のように述べた。「攻められそうになった時にどう防ぐか。万が一のことが起きた時にどうなるかを考えるのは、政治家として当然のことだ」。この発言は日本のみならず、海外にまで議論が及ぶこととなり、与野党からこの核武装とも取れかねない発言の撤回を求める意見が多く出ることとなり、この発言の後に総理の安倍晋三や官房長官の塩崎恭久が非核三原則は厳守すると念を押す発言をし、アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュもこの発言に対し「中国が懸念する」と述べた。

これら中川昭一らの発言を受けて安倍晋三は次のように述べた。「政府や党の機関としては議論しない。それ以外の議論は自由だから言論封鎖することはできない。」

同年12月24日、「日本が小型核弾頭を試作するまでには少なくとも3 - 5年かかる」とする政府の内部文書が明らかになった[12]

2022年2月27日、安倍晋三は「日曜報道 THE PRIME」においてロシアがウクライナに侵攻したことを受け、打撃力の保有など、防衛力の抜本的強化やアメリカとの核共有を含む拡大抑止充実のための議論の必要性を訴え[13]、同年2月28日には日本維新の会代表の松井一郎や幹事長の藤田文武も核共有を含む議論の必要性に言及した[14][15]。なお、内閣総理大臣岸田文雄は同年3月2日に行われた参議院予算委員会において、「非核三原則を堅持している立場や、原子力の平和利用を規定している原子力基本法を基本とする法体系から認めるのは難しい」と答弁している[16]

核武装賛成論

核抑止力の保有

  • 核抑止力とは、敵の先制攻撃によっても生存可能な報復用の核兵器を持つことにより、敵からの核攻撃を抑止する力である
  • 日本の狭く都市部に人口が密集した地理的条件から中露など広大な国々に対する核抑止力を否定する意見もあるが、それは相互確証破壊の概念と核抑止力の概念の混同である
  • 核によって攻撃しようとする側は、核攻撃によって得られる利益が不利益を上回らなければ攻撃できない。したがって、自国が報復用の核を持つことによりその相手国の不利益の割合を増大させれば、相手国の核攻撃の動機を抑止出来ることになる。そして核抑止力の大きさは反撃可能な核の量に比例する。これが核抑止力の基本的な考えである。その核抑止力が敵対しあう二国間で最大、すなわち国家の存続が不可能となった状態が、相互確証破壊である。

中国脅威論

  • 中国の経済成長に伴う軍事力の強化によってアメリカ軍の影響力低下が予想されている
  • 中国の軍事支出の伸びは19年連続2桁%増で、2007年の時点で5兆円超と公表されているが、実態はその3倍になるとアメリカ国防総省は指摘している
  • かつてアメリカはソ連との冷戦期において同盟国を保護し、やがてソ連を崩壊に追い込んだが、中国相手に同様の構図は成り立たないと考えられる。ソ連は経済的には貧弱であったが、中国の経済力はやがてアメリカを上回るという予測もある[17]。そして冷戦期の米ソ両国の経済関係は極めて希薄であったが、米中両国の経済関係は極めて緊密であり、アメリカの国別の貿易額では、中国は2004年に日本を抜いて3位になっている[18]。またアメリカ国債の保有額では2007年で日本は1兆ドル弱、中国が約7,000億ドルと推定される。
  • 今後も中国の経済発展により、米中両国の貿易額は確実に増加していく。それに対して日本は人口減少により対米貿易額は減少すると考えられる。即ちアメリカ経済にとって中国の価値が日本の価値を上回れば、アメリカが中国の脅威から日本を守ろうとする動機が希薄になる。
  • 実際に中国が経済的・軍事的に超大国となった場合、アメリカは台湾や日本を守るため中国と戦争は出来ないという指摘はアメリカの学者からもなされている。ハーバード大学スティーヴン・ウォルトシカゴ大学ジョン・ミアシャイマー、そしてサミュエル・P・ハンティントンなどは、アメリカが東アジアでの覇権を放棄して中国との力の均衡を保つ「オフ・ショアー・バランサー戦略」という選択肢を主張している[19]
  • リチャード・アーミテージは講演で、アメリカ一極超大国時代は2020年以降に不確実になる可能性があるという認識を示した[20]

核武装によるメリット

  • 核武装を行っている・または進めている周辺国(中国・ロシア・北朝鮮)への抑止力をアメリカに依存(核の傘)する現状が、日本の自主外交力を低下させている。逆に、日本が核武装すればアメリカの被保護国からの脱却を目指せる可能性がある。
  • 世界で唯一の被爆国であることなどを踏まえ考えれば、日本が核を持つということは国際社会にとても影響を与え、国際社会における影響力が莫大に上昇することが予想される

核武装によるデメリット

  • 唯一の核被爆国として国内には反核兵器感情が根強く、政治的混乱を招くおそれがある
  • 国際的には核不拡散・廃絶に対する逆行であり、国際社会から敵視されるおそれがある
  • 核兵器の開発・配備はもとより保管・管理・破棄の費用も大きく、経済的負担が重い

核廃絶への疑念

  • 核保有国が果たして核を廃棄するのか、という疑念がある。核保有国の一部はコスト削減のために核軍縮に積極的だが、完全に廃絶すると表明した国はまだない。アメリカ、中国、ロシアは核廃絶しないことを表明している。
  • 小林よしのり広島の原爆資料館長崎の原爆資料館に行って核の被害の現実を目の当たりにしたことを強調しつつ、「核保有国が核を放棄するはずがないという現実から目をそむけたくはない」と発言し、日本の核武装を唱えた[21]

日本の核武装を支持する世界の知識人

エマニュエル・トッド

日本が核武装することで、周辺諸国との勢力均衡維持が期待できる(勢力の均衡が平和をもたらす)。日本に核武装を提言するフランスの人類学者のエマニュエル・トッドなどがこのように主張している[注釈 3]

著書『帝国以後』でアメリカ「帝国」への一極集中の時代(パクス・アメリカーナ)が21世紀では維持できないとしたエマニュエル・トッドは、2006年10月、朝日新聞での若宮啓文とのインタビューにおいて、「インドとパキスタンは双方が核を持った時に和平のテーブルについた。中東が不安定なのはイスラエルだけに核があるからで、東アジアも中国だけでは安定しない。日本も持てばいい」と述べ、日本の核武装を提言。さらに「核を持てば軍事同盟から解放され、戦争に巻き込まれる恐れはなくなる」と指摘する。ほか、被爆国である日本が持つ核への国民感情については、「国民感情はわかるが、世界の現実も直視すべき」とした。日本が核兵器を持った場合に派生する日本とアメリカと中国の三国関係については、「日本が紛争に巻き込まれないため、またアメリカの攻撃性から逃れるために核を持つのなら、中国の対応はいささか異なってくる」との見通しを出したうえで、「核攻撃を受けた国が核を保有すれば、核についての本格論議が始まり、大きな転機となる」と指摘した。これは日本が核兵器を保有することで、中国を牽制し、かつアメリカへの隷属状況からも離脱し、日米中3ヶ国の勢力均衡を示唆する説である。

2010年の日本経済新聞のインタビューでは、日本が非核保有国で、中国が核保有国であることを「不均衡な関係」だ、「不均衡な関係は危険」だとして、ロシアとの関係強化を提言した[22]

なお、トッドは、フランスの核武装の理由について、「何度も侵略されてきたことが最大の理由」とし[23]、「地政学的に危うい立場を一気に解決するのが核だった」と述べ、核兵器保有による周辺諸国との勢力均衡が、安全保障としては有効との見方を提出している。

ネオコン

アメリカのネオコンの中には、ならず者国家北朝鮮とその支援国と言われる中国を除外する安全保障体制を構築した上で、日本にNPTの破棄と核抑止力の構築を奨励する知識人がいる[24]

ネオコンの思想はアメリカが世界の覇権を握りアメリカの民主主義を世界に広めるというものであるが、日本の核武装は世界覇権維持のために必須のアメリカの東アジアにおける覇権を終焉させることになるのでネオコンが日本の核武装を容認することは論理的にありえない。つまり、ネオコンが日本の核武装を容認する発言を行う意図は中国に対する牽制のためである。

さまざまな核安全保障論

単独核保有論

日本が独自に核兵器を開発し、運用すべきであるとする考えである。一般に「核武装論」とはこの単独核保有論を指す事が多い。

利点
  • 外交における発言力の大幅な向上。特に射程内の国に対して。また、過去にアメリカが日本に対して行ってきた数々の内政干渉的な改善要求(一般にも知られるのはアメリカが日本に対して行ってきた年次改革要望書が有名。数々にグローバリズム路線政治思想による規制緩和や構造改革によって日本が持つはずの自国内経済主権の崩壊、デフレの長期化、関税自主権を封殺する日米FTA(“自由貿易”を謳いつつも日本が優位な自動車産業については高い関税を掛けようとする動きもある上にさらに日本の食糧安全保障を崩壊させる農薬規制の緩和や防疫規制の撤廃なども含む)を拒否することも可能になる。
  • 発射に関して、アメリカなどの干渉を受けないため、信頼性の高い核抑止力を持つことが出来る
  • 実際に現状のアメリカ製兵器(戦闘機やミサイル防空システムなど)はアメリカ国防総省(ペンタゴン)の軍事衛星からの信号モードに依拠した防空システムであるため信号の変換モードひとつ切り替えるだけで日本のアメリカ製兵器は使用不能になるという説もある。しかし、自国製兵器ならばそのような心配は不要。ただし軍事衛星による高度で正確性の高い弾道誘導システムを自国で開発することも必要になる。
  • 安全保障において日本の自立性が飛躍的に高まる
  • NPT改革などと違い時間のかかる多国間交渉が不要である
  • アメリカの核・ミサイルをシェアリングした場合、仮に中国が北朝鮮と共謀で日本に核による恫喝を仕掛けてきたと仮定するとアメリカが中国と北朝鮮のアメリカ国土に着弾する飛距離を持つ中国・北朝鮮製の核弾頭に狙い撃ちされるリスクを犯してまで日本を守る覚悟があるのか甚だ疑問である。そして日本の核武装を推奨する論者は『アメリカが日本を守るために本気のリスクを犯す事などあり得ない』という論点から日本の核武装を推奨するものが多い。また、日本が単独で自国製核兵器による核武装をすることで中国や北朝鮮からの『核の脅威』からアメリカを守ることにもつながる(バランスオブパワーポリティクス)の上でも必要と唱える論者もアメリカ国内に存在することも事実である。
問題点
  • 非核三原則を初めとするこれまでの政策の大幅転換が必要であり、日本が加盟している核拡散防止条約から脱退する必要がある
  • 外交的には、これ以上核保有国を増やさないとするNPT加盟約190ヶ国、および核武装した日本の核兵器射程圏内に入る国々の反発が予想される。大量破壊兵器不拡散を国家基本安全保障政策に掲げるアメリカにとって、NPT体制こそがパクス・アメリカーナの安定維持装置であり、それに反した政策をとる国々(イラン・かつてのイラクのフセイン政権・北朝鮮など)に対して制裁を行う急先鋒となっているため、アメリカから同意を得るのは非常に困難。
  • アメリカの経済・金融制裁に対して日本は脆弱である。また、米中露による海洋封鎖・臨検や、核施設空爆の危険を乗り越える方策が必要。
  • 部分的核実験停止条約を批准している日本では核兵器を開発したとしても核実験を行うのは不可能に近い(下記参照

日本への核兵器配備をアメリカに要請すべきだとする議論

アメリカに日本への核ミサイルの配備を求めて中国や北朝鮮に対抗しようとするもの。これについてはアメリカとロシアの間のINF全廃条約で射程が500㎞から5500㎞の範囲のミサイルの保持が互いに制限されているという問題があったが、アメリカの破棄通告から6ヶ月を経た2019年8月2日に同条約が失効し、問題ではなくなった。

利点
  • 日本周辺の核大国とのミサイル・ギャップに対し、緊急避難的な措置として即効性のある抑止力である
  • アメリカにとって新たな技術開発無しに現状の技術のみで実現が可能である
  • ミサイル発射の権限がアメリカにあり、このことは周辺国のうち特に韓国国民の日本に対する根強い不信に対してもハードルを低くすることができる
問題点
  • ミサイル配備が隣国のロシアとの緊張を招き、INF条約破棄によって冷戦期の状態に逆戻りする恐れがある
  • 抑止力としてみるならば、日本に配備されようと発射の権限がアメリカにある以上、究極的には「核の傘」の信頼性の問題でしかない
  • 基本的に、「相互ミサイル廃棄」に持ち込む方便であり、予算を投じて配備を推進しても相互撤廃交渉が成立すれば、配備したばかりのミサイルを廃棄する必要があり、費用の妥当性、効果、アメリカとのコストの分担などで解決すべき問題がある

日米共同核保有論

田母神俊雄核共有(Nuclear Sharing)の導入を提言している。アメリカがNATO加盟国(ドイツイタリアオランダベルギー)に提供する核武装オプションである。平時はアメリカ軍が核兵器を保持・管理しつつ相手国と核兵器の使用と管理の訓練を行なう。戦時になったとき、アメリカ軍が相手国に核兵器を提供し、相手国は核武装する。

利点
  • 開戦後に核兵器が提供されるという点で開戦前まではNPT(核拡散防止条約)に抵触しない
  • NPT改革のような多国間交渉が必要なく、究極的にはアメリカの同意を取り付ければよい
問題点
  • 非核三原則を放棄する必要がある(非核三原則を放棄しても、法的罰則はない)
    • 非核三原則は核兵器の使用を禁じていない為、日本の領土を経由せずに使用する場合は問題ない
  • NATOの核共有はあくまで戦術核兵器の運用であり、その目的は、戦時には不足こそすれ余ることなどない戦術核兵器投射手段の確保にある。日本が考える核抑止力の構築とは目的が違うし、アメリカが戦略核兵器の供与を意図したことはない。そのNATOの核共有においても、核の使用はNATOの総意とされるもので、最終的な決断は核兵器国にある。

NPT改革論

NPTを脱退して核武装するのではなく、NPT内に留まりながら、他の非核諸国と連携してNPTのルールを変革してNPT公認の核保有に至ろうとする考え方。

利点
  • NPTを崩壊させる場合よりは、アメリカの賛同を得られ易く、また米中露に核施設爆撃や経済封鎖など制裁の口実を与えにくい
問題点
  • 現NPT体制に比べて核保有国が増えてしまうので、アメリカなど核保有国を初めとする核拡散に反対する各国の賛同を取り付けるのが困難
  • 非核三原則を放棄する必要がある
  • 国連改革が進まない様に、複雑な多国間交渉が必要で時間がかかる

核抑止以外の核安全保障論

北朝鮮に核抑止の効果は無い。すでに経済的に破綻し、自助努力による国家再建が不可能な北朝鮮において、核は短期的な要求を飲ませるための安易な手段になっている。アメリカ政府が封鎖した20億円の資金の解除を要求するほどに困窮している状況で、常識的に考えて数兆円の予算を必要とする対米核戦力の構築など不可能であり、その核戦力もない北朝鮮が「核を保有する」アメリカを初め、中国、ロシアの意向を無視している以上、日本が核武装したところで核開発や拉致問題において日本側の要求をどのように飲ませ、効果を挙げるのかについて、確たる分析は無い。

米ソ核抑止という有名な例があるために「核には核抑止」が半ば常識になっているが、実際には核抑止は常に成立するわけではない。核ボタンを押せば相互に損をする場合、ならびに失う物がある者に対してしか抑止が効かない。

核抑止力の問題において核兵器保有国の戦略戦術上最も問題に問われるのが、何が敵で何が味方かつまりFOF(Friendly Or Foe)の明確な識別である。核兵器を抑止する以上明確な敵対味方識別を行い戦略戦術核や軍事的、経済的、国際的抑止を行うが、敵対標的・敵対国・敵対人員・敵対機構・敵対組織を明確に全て詳細に把握して行う作業のため、敵対標的全てを明確に識別する必要がある。先進国の核兵器保有国の戦略戦術核武装に対する敵対標的であるため、ほとんど全ての標的が国家規模の組織的国際犯罪者及び機構であり、それらの人員が国家規模の組織的国際犯罪による核テロやその他の人道に対する罪平和に対する罪に値する国家規模の国際犯罪をどのように行っているか、それらの意図や解体はどう行うのかを明確に把握して明記し、正しく認識して全て解体破壊して対処を行う。

戦術戦略核兵器の利用や抑止は、一度使用されれば世界的核戦争を招く可能性がある。これは人類社会、地球惑星の生命の致命的危機となり、人類社会の存亡や地球惑星の存亡に関わる問題である。

現状を維持して日米安保条約に基づく核対処維持論

最も保守的で何も現行法、憲法、国際条約も変更せず現状を維持して日米安全保障条約に基づく対処を行い、有事の際には明確に速やかに国連やアメリカに相談協力して核対処を行う事が最も効果的で、効率的・合理的であるとする意見が大半であるが、実質的、経済的、軍事的、効率的、効果的、合理的、平和的その他の既存要素全てにおいて考慮すれば、先進国である日本の憲法や対処が国際的にも合理的で妥当であるとも判断される。

根拠としては、日本の経済的、政治的、軍事的、地理的、国土的要素から判断して、現行憲法が国連連合軍総司令部の民生局によって作成された事、ほとんどの国々が超大国に軍事的に依存協力し、実質的実用性が全く無いに等しい戦略戦術核の問題に関し、国家的、経済的、軍事的犠牲を払い核対処を行う際に、大国に依存し安全保障協定や条約を締結して不必要な核武装をアウトソーシングして行う事が戦略戦術核上不必要な国や地域において、国連条約や国際条約上適切で効率的、効果的、経済的、合理的で最も安全で簡単、明確な対処であると判断される事やその他の歴史的事例や対処から判断すると、実質的必要性の無いものを形式上や有事の際のためにアウトシーシングして核兵器廃絶までの期間の対処を行う事が有効的対処と判断する事ができるからである。

日本の周辺国の核開発状況

核爆弾

中国

中国は核戦力を近代化し、生残性を高めることには熱心であるものの、量的には核より通常兵器への予算配分が圧倒的である。このことから、基本的には核を使わずに通常戦力で目的を達する事を指向しているとの見方もある。2009年に軍事費が849億ドルとロシアを抜いて世界第2位となった状況においても、近代化対象の分野があまりに多岐にわたるためでもある。

毛沢東による「核戦争を辞さず」の発言は「核戦争で先進国と共倒れしても、生き残った国民の数で勝るから復興速度も速く、故に核戦争後の覇者になれる」というもので、このような発言を真に受ける限り中国相手に核抑止は成り立たない事になる。中国の大規模な紛争の例としては台湾との数回の軍事衝突、中ソ国境紛争中越戦争が挙げられるがいずれも地域紛争であって核兵器を使用する局面には至らなかった。これは核兵器国はもちろん、非核兵器国が対象であっても核兵器国の支援を受けることによる核の傘が機能することを示している。ただし、これは「全面核戦争を覚悟するような致命的な国家利害の衝突において、核戦力の格差を理由に譲歩することはない」という毛沢東の発言を否定するものではない。現役将官による同種の発言は21世紀になっても続いている。

台湾

複数人の台湾軍関係者らによると、台湾は中国が核実験に成功した1964年以降、当時の蔣介石政権が核開発に着手した。しかし、計画を知ったアメリカは1976年、台湾に圧力をかけ計画は中止された。1980年代後半になり、蔣経国政権下で開発が再開され、同研究院内に1987年、秘密裏に小規模核実験施設が造られプルトニウム抽出実験などが行なわれた。しかし、アメリカに亡命した同研究院幹部が1988年1月に行なった証言などをもとに、アメリカ政府が李登輝政権時代に施設を閉鎖に追い込んだ。陳水扁政権は核開発を完全否定しIAEAの査察も受け入れている[25]

中国は国際政治的には台湾は自国の一部であると主張しており、中国は近年の著しい経済成長に伴い軍事力を急速に強化し、核抑止力も高めている。

韓国

韓国は1970年代にアメリカからの圧力により一旦は核開発計画を放棄し、1990年には在韓米軍が配備していた戦術核を撤去し、1991年に「朝鮮半島非核化に関する共同宣言」を行っている。しかし1994年に北朝鮮の核開発疑惑があり、アメリカは北朝鮮の爆撃を検討し、ソウルでは市民の大規模な避難が行われるなど朝鮮半島での戦争の危機が高まったことなどから、その後韓国政府はNPTに違反する独自の核開発を極秘裏にすすめた。2000年1-2月にNPT(核拡散防止条約)に明らかに違反した核燃料濃縮実験を科学者が極秘で行ったことを2004年になって韓国政府は認めた。その高濃縮ウランは兵器級の90%に近い濃縮度に達していた[26]。そのためIAEAは検査団を韓国に急行させ強制的な査察を行っている。韓国政府は実験があくまで平和利用目的であることを主張したが、IAEA内では疑義が出ており、専門家は核兵器レベルのウランを醸成するレーザーを使用したその技術を民生利用したとは信用し難いと主張している[27]

現在の韓国政府は公式には核兵器開発の検討を否定している。しかし韓国の世論調査によると、51%の人が核兵器保有に賛成している。2006年の北朝鮮の核実験後は65%の人が核兵器保有に賛成で、賛成しないという回答は32%だった[28]

北朝鮮

北朝鮮原爆の開発は完了したと見る向きもある。その場合、テポドンの改良型を用いれば日本に核兵器を投下可能とされている。朝鮮中央放送は恫喝的な放送を繰り返しており、その中にはしばしば過激な表現が含まれる。ただし、これが北朝鮮当局の公式な発言や要求となって日本政府に伝達されたという事実はない。国家財政が破綻に瀕した状況で有効性のある大規模な軍事行動を起こす能力があるわけでもない。

ノドンミサイルに搭載可能な核弾頭を製造するには総重量1t程度に小型化することが必要である。1994年のCIA報告は数tの原始的原爆が1-2個保有されていると予測されていた。しかし脱北核技術者の情報によると2001年時点で高さ直径とも1mの原爆が完成している。2009年、アメリカの研究機関・ISISの報告書はノドンに搭載可能な核弾頭3個、航空用核爆弾3個が保有されていると予測した[注釈 4]

北朝鮮は現在稼動停止・無力化中の5MW炉(核兵器1)のほかに、建設中断中の50MW黒鉛炉(同10)と200MW黒鉛炉(同40)を保有している。外交による解体も空爆もせず大型炉建設再開を座視すると北朝鮮の核生産力は50倍になってしまい、数年でノドン320基が全弾核装備になるという見解もある[29]。2009年、6ヶ国協議でアメリカ国務長官コンドリーザ・ライスは(拉致問題同様)日本にとっての核問題の核心である大型黒鉛炉について解体どころか無力化対象からさえ外した。ただ、核弾頭の量産に必要な資金や材料の入手について、楽観的予測から懐疑的予測まで様々であり、核戦力の誇示による恫喝を行うのであれば、その能力の実証が不可欠となる。すなわち連続した核実験による弾頭威力や、弾道弾あるいはロケットの試射による投射手段の性能ならびに信頼性の証明である。北朝鮮はこの部分での行動が政治的、資金的、技術的問題から制限されており、実験や試射のないままの大量配備は疑問視されている。

北朝鮮の核開発の資金源としては、国家財政からの支出のほか、日本のパチンコ産業に代表される北朝鮮系機関による不正送金や韓朝合弁事業収益、拉致被害者5人と引き換えに小泉政権から得た1兆円(朝銀信用組合事件)など、違法な海外収入があったとの主張がある[30][31][32]。しかし弾道弾の試射以降の経済制裁によるGDPの減少は深刻であり、不正手段による外貨獲得も大きく減少している。核開発に投じる資金も減少しており、2009年の一連の核実験と弾道弾の試射においては、536億円と推測された国防予算を超過したとみられている。国防予算は1999年の1,600億円の13程度、1994年の2,400億円の15以下であり、核開発の進捗が疑問視される所以でもある。 その状況で予算を核開発や弾道弾に振り向けた結果、韓国ならびに在韓米軍に備えるべき通常兵器分野においては、更新はおろか訓練もままならない状況が続いている。しかし韓国への戦備としては首都ソウルを射程に収める大量の長距離砲、スカッドなどの短距離弾道弾を保有しており、日本以上に首都圏への一極集中が進んだ韓国への抑止力として機能している。

核爆弾を搭載する兵器

中国

中国は日本向けに使用できる能力を持つDF-21を推定60-80基保有している。中国が現在運用するICBMは液体燃料による固定サイロ配備であり、充分なCEP(半数必中界)と弾頭威力を持った先制核攻撃に対しては脆弱である。中国は1970年代から戦略原潜の開発に乗り出したが、完成した夏型原子力潜水艦は1隻しかない上に、搭載しているJL1ミサイルは改良型でも射程4,000km以下であり、核抑止力として機能していなかった。量的にも質的にも不十分な地上発射ICBMもあわせて、中国は長らく「核兵器保有国」であっても「核抑止力」を持たない状況にあった。

経済的伸張とともにこの分野への開発資金が投下されるようになり、2007年頃から固体燃料移動式でMIRVを装備したDF-31Aが就役している。移動式弾道弾は頻繁な移動によって位置を特定させないことで固定サイロとは比較にならない生残性を発揮する。ただし、移動することによる生残性の向上は移動車両(TEL)そのものの機動性、それを助ける道路網の構築があってのことである事に留意する必要性がある。また、核戦略において第二撃能力として機能するSSBNについては、オホーツク海からアメリカ本土を狙える新型弾道弾を搭載した晋型原子力潜水艦を建造し、2015年頃に対米報復核戦力を獲得する予定であった。しかし2007年から2010年に掛けて配備するという計画は、潜水艦、搭載弾道弾双方の技術的課題から戦力化は大きくずれこんでいる。

台湾

台湾は核兵器の運搬手段になり得るものとして射程距離1,000km、弾頭重量400kgの巡航ミサイル雄風2Eを保有している。

韓国

核兵器の運搬手段になり得るものとしては、韓国は弾道ミサイルは保有していないものの、F-15K戦闘爆撃機巡航ミサイルを保有している。特に玄武III Cは北朝鮮はもちろん、中国沿岸部の大半と日本のほぼ全域とが射程内に入るとみられている。

北朝鮮

北朝鮮は移動式のスカッド600基、ノドン320基、ムスダン18基、固定式テポドン1号テポドン2号などの1,000基前後の弾道ミサイルを保有している。特に、ノドンは中国のDF-21の数倍の320基が日本に向けられている。2009年には小型核弾頭を搭載すること、ならびに東京核ミサイル攻撃をすることが可能であると報じられている[33]

北朝鮮はソ連時代に供与された射程600kmスカッドをリバースエンジニアリングすることで、90年代末に射程1,300km移動式ノドン、2007年に射程3,200km移動式ムスダンと弾道弾の射程延伸を進めており、最終的にはアメリカ本土に到達する弾道弾を保有することを目標としている。

ただし、その弾道弾を開発・生産し対米核戦力を構築すること、アメリカと対決すること自体が目的というわけではなく、金日成政権時代からの経済の限定的開放や経済特区の設置など、日本との国交正常化や国際社会への復帰を画策したことから考えると、当初は「国際社会での発言力の維持」、より具体的には「国際社会への復帰後においても韓国に呑み込まれないだけのプレゼンスの獲得」という目標があったと思われる。しかし金日成の死後、周辺国家との国交正常化や国際社会への復帰、あるいは体制変更という決断を下せる人間がいなくなり、このロードマップは失われてしまった。この結果、後継者と官僚は核開発を近視眼的に国家生存に必要な物資を獲得する手段に矮小化してしまい、そのことが現在でも継続している。

日本の核武装が実現する可能性

冷戦終結直後の日本には軍事的対立状態にある国家は無く日米同盟も継続していた。そのため、政府も世論も「核を保有しなければ対処不可能な脅威」が現在の日本にあるとの認識を持っておらず核武装に対しての政府、世論のモチベーションは非常に低い状態にあった。北朝鮮のミサイル発射、核実験が終わり、核実験場が起爆され、北朝鮮が核開発を中止した。一部で核武装論が主張されていたが板門店での初の南北首脳会談、シンガポールでの米朝首脳会談による平和協定によって核事態は終結した。

核不拡散条約(NPT) 、核兵器禁止条約等、世界的な流れや世論によって、核兵器国は核兵器の開発や所持を核兵器国の領域にとどめる義務があり、非核兵器国は核兵力を保持しないように努める義務がある。

核兵器禁止条約により、世界的に核軍縮及び核廃絶への世界的な流れや義務が生じる事になり、核兵器所有国の世界的な平和維持や世界的な社会における致命的障害の解体除去などの義務が日本において問われることは現時点ではない。

内政的問題

日本の核武装は核兵器の実装使用能力と核兵器によって防衛するという政治意思の二つの要素によって完成するが、後者の政治意思は、戦争放棄日本国憲法で規定する日本においては、核兵器の配備使用によって防衛するという政治意思が平和主義国際主義などの憲法理念と整合し形成される内政プロセスとして形成される。

2008年の回想録で元外務事務次官、駐米大使であった村田良平は、北朝鮮核実験を行ったことにより日本の核武装をアメリカが拒否できない日が来ると予測しており、それでもアメリカが日本の核武装を拒否するなら、在日米軍基地の全廃を求め、併せて日本の独力で、通常兵器による抑止力に加えイギリス、フランス同様限定した核戦力潜水艦を用いて保持すべきと主張している[34]

2011年島村英紀は自著の中で、岸信介は1983年に出版された回顧録[35]の中で「原子力開発は将来の日本が核武装するという選択肢を増やすためだ」と書いたように、原発は軍事ミサイルを飛ばすための技術を磨くための宇宙開発とともに重要な国策として推進された、と述べた。[36]

非核三原則(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)。これは原発政策や、アメリカ海軍の原子力艦艇の寄航とは一線を画している。その一方で核を持ち込ませないための方針については、厳正な適用すらアメリカ側に求めることができない問題点がある。

ただ、1998年の北朝鮮の弾道弾の試射によって費用の問題から疑問視されていたMD配備が一気に加速したり、2001年の同時多発テロ直後にはテロ対策特別法が、2002年に拉致被害者が公式に確認された後に経済制裁に関する諸法が速やかに立法されたが、その反面、MDの配備の目処がついた2006年に北朝鮮の核実験が行われた際は(MD配備や経済制裁を超える)具体的な新たな対抗措置を取れと言う世論にはならなかった。

経済的・技術的問題

伊藤貫によれば、「必要最小限の抑止力でよしとするならば、日本にとって高いハードルではない」とし、伊藤の試算によれば核弾頭付き巡航ミサイル200-300基と、専用の駆逐艦及び潜水艦約30隻の建設と運用にかかる軍事予算は年間1兆円となっている。この場合の「必要最小限の抑止力」とはケネス・ウォルツ核戦略理論に基づくもので、具体的には中国東部の主要都市への対価値攻撃力(カウンターバリュー)を意味する。10~50の都市を破壊できれば、核抑止力を持てる。

核実験については(ガンバレル)方式だけでなく、(インプロージョン)方式も現代の技術なら起爆装置臨界前核実験だけで十分とする意見がある(イスラエルと南アフリカは起爆装置の実験だけで原爆を開発したという説がある)。しかし、文字通り机上の空論でしかなく複数回の現実の核実験が必要という説の方が優勢である。

核実験は技術的な問題以上に、政治的に「核武装の実証を公言」するため必須となる。1970年代初頭に当時の防衛庁の行なった研究では「国内に実験場が無い」ことを核武装断念の理由としている。本土から離れた無人島地下核実験を行えば良いという意見もあるが、現実問題としてそのほとんどが国定公園である離島を核実験場にすることは固有種絶滅危惧種生態系など環境への深刻な影響を与える。

巡航ミサイルは開発の前提となる諸技術は全て備えているので比較的短期で開発は可能であるとされる。ただし、巡航ミサイルの長射程は核弾頭の小型化(トマホークに搭載されたW80で290ポンド)によって達成されたものであり、潜水艦を発射プラットフォームとする限りは、魚雷発射管を初めとする寸法、容積、重量の制限を受ける。

米仏英中露のような高度な戦略原潜と水爆の保有を求めるとなると、開発における障壁はより高いものとなる。

弾道ミサイル

日本はM-Vロケットに代表される固体燃料ロケットの技術を保有している。

宇宙ロケットと弾道ミサイルの主な違いは誘導システム、そして再突入体の有無である。宇宙ロケットは地上施設からの電波によって誘導される点が支援を受けずに自律誘導する弾道ミサイルとは大きく異なる。そのため弾道ミサイルを開発するならば誘導システムの新規開発は必須である。再突入体(RV)については、日本はOREXなどで大気圏再突入の実験を5回行い、慣性航法装置のテストや空力加熱のデータなどをテレメトリー収集した。

当初計画においては実験体の回収までを目標としていたが回収に成功したのは2回であり、さらには情報収集の目的であった宇宙往還機HOPE計画の事実上の凍結もあって、軍事転用できるだけの技術的蓄積は無く、今後も同種の再突入体に関する計画は無いことから、継続しての研究、あるいはデータの取得も見込めない。核弾頭を搭載した再突入体を開発するならば核抑止力としての有効性を持つだけのCEPを有するRVをJAXAとは別に行う必要がある。

固定基地の弾道ミサイルは先制攻撃で狙われやすく、生存性が低い。これは「ソビエトに近い島国」であるイギリスも陥ったジレンマで、空中発射弾道ミサイルを開発しようとして失敗し、ポラリスを導入した経緯がある。後年に実用化された車両移動式ミサイル(TEL)を僻地で運用する方法も考えられるが、日本における僻地とはすなわち国土の7割を占める山地であり、その山岳地における狭隘な道路事情での数十tのTELの運用は非常な困難を伴う。

兵頭二十八は山岳地帯にミサイル基地建設を提案している。これは敵からの先制核攻撃があっても、よほどCEPが高くなければ山自体が盾になるためミサイルの生存性が高まるという考えであるが、周辺住民の反発は確実で政治的難易度が最も高い運用方法である。

その他

  • 「攻撃に使える兵器」という意味でなら、核でなく青森県で貯蔵されている使用済み核燃料やプルトニウムを兵器に積み込み、報復攻撃対象国上空で爆発させるだけで核と同等の効果を持つ上に長期的に敵国の土地資源や人的資源に汚染を引き起こせる為、費用対効果が高く多大な費用を掛けて核兵器を開発する必要は無いという指摘もある。しかし汚い爆弾は使用しても死者は出ないと言われており、仮に大型の輸送機に満載して自爆させるとしても撃墜される可能性が高い。軍事的確実性が不明確では費用対効果を測る事自体が不可能であり、国家単位のテロにはなり得ても核抑止には寄与しない。
  • 弾道弾も大量破壊兵器の運搬手段として国際的な監視と規制が行なわれている[37]
  • 日本はMTCRに参加している。これは弾道ミサイルとその関連技術の輸出管理を目的とするが独自開発は妨げない(米露を初め、弾道弾の開発は行っている)。
  • 日本政府は憲法第9条に基づき、専守防衛の制約を受けている。つまり大陸間弾道弾や攻撃型空母(なお兵器の分類上は攻撃型空母は存在しない)、戦略爆撃機など「性能上専ら相手国の国土の潰滅的破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器」の保有はしない。核武装とは、非核三原則を含めこれまでの安全保障政策の根本的変更を意味する。しかし、非核三原則は、佐藤政権で定めたものであり憲法の規定ではない為、変更は憲法改正により容易である。また、1957年(昭和32年)5月7日の参議院予算委員会で内閣総理大臣の岸信介は、「自衛権の範囲内であれば核保有も可能である」という憲法解釈を示している。[38]

脚注

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注釈

  1. ^ 代表的なものとして清水幾太郎の『日本よ国家たれ――核の選択』(文藝春秋, 1980年)がある(ただし、清水の「転向」は偽装であり、共産主義を晩年まで捨てなかったことに注意)。
  2. ^ ただし、西ドイツが米軍供与の戦術核200発を戦時に運用する計画を立てていてもソ連が欧州正面での戦争の可能性を否定することはなかった以上、日本の核武装の有無が軍事的影響を与えたという主張の妥当性は低く、ソ連が欧州戦争の可能性を否定しなかった事と実際の抑止力との評価の関連性が不明である。
  3. ^ なおトッド本人が自身の日本核武装論について「勢力均衡論」と称しているわけではない。詳細は以下で記述する。エマニュエル・トッドも参照。
  4. ^ 欧州で逮捕された核の闇市場関連のスイス人のパソコンからは小型原爆の設計図が発見されており、北朝鮮の手に渡ったとみられている。

出典

  1. ^ 岩波文庫、「中谷宇吉郎随筆集」第5刷、樋口敬二編、1989、p178-179、「原子爆弾雑話」内、初出 文藝春秋、1945年9月号
  2. ^ たたき潰される「核武装論」 自由な発言阻むタブーの風潮 産経新聞 2017年9月17日 2020年2月11日閲覧
  3. ^ 神田憲行「日本の核武装 45年前に「不可能」と結論付けた議論の要諦」、NEWSポストセブン2012年12月2日2013年2月11日閲覧。
  4. ^ 外務省 非核三原則
  5. ^ 2010年10月3日放映のNHKスペシャル「核を求めた日本」での元外務事務次官の村田の証言。
  6. ^ 日本の核保有、外務省幹部が69年に言及か 西独と懇談 2010年12月1日, at the Wayback Machine. 朝日新聞 2010年11月30日
  7. ^ 中曽根康弘『自省録-歴史法廷の被告として-』新潮社,2004年
  8. ^ 『週刊朝日』2014年4月25日号 「キッシンジャー機密文書を入手 米国が警戒した日本の核武装、右傾化」 
  9. ^ 2005年(平成17年)12月28日に公開されたイギリス政府の機密公文書
  10. ^ 中央公論』9月号で評論家の田原総一朗との対談
  11. ^ 「創憲会議 新憲法草案」
  12. ^ 産経新聞 - (2006年(平成18年)12月25日版)
  13. ^ 「安倍元首相 ロシアのウクライナ侵攻受け「日本も打撃力の保有を」」『FNNプライムオンライン』、2022年2月27日。2022年3月3日閲覧。
  14. ^ 「維新代表も核共有に言及「非核三原則は昭和の価値観」」『産経ニュース』、2022年2月28日。2022年3月3日閲覧。
  15. ^ 「核共有の議論排除せず 維新幹事長」『産経ニュース』、2022年2月28日。2022年3月3日閲覧。
  16. ^ “核共有「政府として議論せず」自民の動きは… 首相ににじむ配慮”. 西日本新聞 (2022年3月3日). 2022年3月3日閲覧。
  17. ^ “中国、2020年にも世界一の経済大国に、2050年には抜き返される―日本経済研究センター”. レコードチャイナ. (2007年12月10日). https://www.recordchina.co.jp/b13516-s0-c70-d0000.html 2011年2月15日閲覧。 
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  19. ^ 中西輝政編著『「日本核武装」の論点』より
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  30. ^ “金日成の北送事業で朝鮮総連は決定的に弱体化” Daily NK 2008-08-25
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  33. ^ 「北朝鮮、東京に核撃ち込む能力持つ」国際研究機関が報告書 読売新聞
  34. ^ 村田良平『村田良平回想録 下巻』ミネルヴァ書房、2008年9月1日、320頁。 
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参考文献

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  • 西部邁『核武装論 当たり前の話をしようではないか』講談社講談社現代新書1884〉、2007年3月。ISBN (978-4-06-149884-6)。 
  • 西部邁「国防を背に追えば「核」も胸に抱きうる」『どんな左翼にもいささかも同意できない18の理由』幻戯書房、2013年、155-169頁。ISBN (9784864880121)。 
  • 西村幸祐責任編集『ぼくらの核武装論』オークラ出版撃論ムック OAK MOOK 138〉、2007年4月。ISBN (978-4-7755-0893-0)。 
  • 日高義樹『なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか』PHP研究所、2012年7月10日。ISBN (978-4-569-80680-8)。 
  • 兵頭二十八『ニッポン核武装再論 日本が国家としてサバイバルする唯一の道』並木書房、2004年1月。ISBN (4-89063-168-2)。 
  • 兵頭二十八『日本有事 憲法を棄て、核武装せよ!』PHP研究所、2006年12月。ISBN (4-569-65791-5)。 
  • 平松茂雄『中国は日本を奪い尽くす』PHP研究所、2007年2月。ISBN (978-4-569-69000-1)。 
  • 水島総編著井上和彦ほか『『核武装』が日本を救う』青林堂〈チャンネル桜叢書vol.2〉、2011年11月。ISBN (978-4-7926-0440-0)。 
  • 山田克哉『日本は原子爆弾をつくれるのか』PHP研究所PHP新書〉、2009年1月。ISBN (978-4-569-70644-3)。 
  • 吉澤正大『日本はこうなったら核武装するしかないな 戦中戦後92年生きて分かったこと』アートヴィレッジ、2011年3月。ISBN (978-4-905247-02-9)。 

関連項目

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