富山市ファミリーパーク(とやましファミリーパーク)は、富山県富山市古沢にある動物園である。
富山市ファミリーパーク Toyama Municipal Family Park Zoo | |
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施設情報 | |
正式名称 | 富山市ファミリーパーク |
専門分野 | 総合 |
所有者 | 富山市 |
管理運営 | 公益財団法人富山市ファミリーパーク公社[1] |
園長 | 村井仁志 |
頭数 | 862点(2020年3月31日時点)[1] |
種数 | 97種(2020年3月31日時点)[1] |
来園者数 | 348,101人(2019年度)[1] |
開園 | 1984年4月28日 |
所在地 | 〒930-0151 富山県富山市古沢254番地 |
位置 | 北緯36度41分27.1秒 東経137度8分53.6秒 / 北緯36.690861度 東経137.148222度座標: 北緯36度41分27.1秒 東経137度8分53.6秒 / 北緯36.690861度 東経137.148222度 |
歴史
富山市ファミリーパークは、富山市の西方、呉羽丘陵の城山公園内に位置する[2][3]。 建設計画は、1971年(昭和46年)3月から数年おきに公園の構想や計画がまとめられ、1981年(昭和56年)2月に建設基本計画が決定された。1982年(昭和57年)1月10日に自然環境破壊の懸念から計画中止を求める市民の会が結成されるなど反対運動が発生したが、富山市が計画を縮小、変更した上で9月20日に建設着工、1984年(昭和59年)4月27日に竣工し翌日28日に開園する[3][4][5]。日本動物園水族館協会に所属している。
1985年(昭和60年)4月2日には、ファミリーパーク動物友の会が結成された[6]。
1986年(昭和61年)5月14日、富山城址公園の松川沿いの散歩道の園舎で飼われていた動物(ニホンザル3匹、ウサギ6羽、リス1匹)がファミリーパークに移設された[7]。
1987年(昭和62年)3月13日にはゲートゴルフ場とバーベキューコーナー、同年6月23日には自然散策路が、それぞれオープンしている[8]。
1995年(平成7年)3月23日に竣工した動物園の「バードハウス」(高さ15m、面積682m2)[9]は、設計したプレック研究所によると、当時最先端のアメリカ型のランドスケープ・イマージョンの手法を用いたもので、従来型の展示に比較して、動物の生態環境を見せる方向へと進化しているものと考えている[10]。
2006年(平成18年)、富山ファミリーパークは、(環境エンリッチメント大賞)の飼育施設部門大賞を受賞した[11]。受賞対象は「穴掘りグマの展示」で、従来のアナグマ舎の外側の観客側スペースに、柵とモート(溝)を越えてアナグマの回廊を作ったこと[11]。選評は「他施設を参考に、アナグマに適したものを独自の方法で安価に制作し、アナグマの穴掘り行動という特性を活かし、アナグマの行動空間を広げ、見学者の目の前で行動観察できる工夫を評価した」としている[11]。
動物園のマスコットキャラクターは「里ノ助」(さとのすけ)という「オスのメタボのタヌキの着ぐるみ」であり、2006年5月5日に産まれ[12]、里山に住んでおり、富山の自然で遊ぶことが好きと説明されている[13]。
2009年(平成21年)、事業者である富山市市長の森雅志は、園について、「里山そのものに着目し、里山を再生したり、里山の果たしている役割を発信しており、動物の保存などにあわせ、里山の役割に着目するなどという役割なども担ってきている」と、動物園の意義や役割を述べた[12]。
2011年(平成23年)春にオープンした「里山生態園」は、コンクリートではなく動物の足に優しい土でおおわれ、広さ約3,600m2の傾斜地に制作された[14]。日本のシカや日本のカモシカ、日本のサル、日本のタヌキが良好な環境で飼育される[14]。これについて、朝日新聞は、日本国外の珍種が少ないことで「日本一地味な動物園」と言われるとし、「相変わらずの地味さ」と感想を述べたうえで、動物園の様々な取り組みを紹介し、「地味とあなどるなかれ」と締めくくった[14]。動物園はもともとは里山であり、里山環境の崩壊で里山動物が害獣として扱われているため、「害獣と敵視するだけではいけない」というメッセージを動物園が発しているとも報じた[14]。
2013年(平成25年)、ポニーの「コスモ」(オス、1981年8月16日産)が、公益財団法人日本動物愛護協会主催の第5回日本動物大賞「功労動物賞」を受賞した[15]。コスモは1984年4月21日に移入され、富山ファミリーパーク開園の時点から、人間に換算すると100歳を超える現時点まで、入園者とのふれあいに貢献したためである[15]。
2018年(平成30年)には、環境大臣が認定する「希少種保全動植物園」に、岐阜県各務原市の岐阜県世界淡水魚園水族館(アクア・トトぎふ)とともに国内で初めて認定された(第1号認定)。期間は5年間となる[16][17]。
2019年(平成31年)3月15日、いしかわ動物園(石川県能美市)、大町山岳博物館(長野県大町市)、恩賜上野動物園(東京都台東区)、那須どうぶつ王国(栃木県那須郡那須町)とともにニホンライチョウの展示公開を開始した[18][19][20]。また、同年には富山市ファミリーパークで行われているライチョウの人工繁殖事業で国内で初めて自然ふ化に成功した[21]。これは、2015年度から環境省が恩賜上野動物園とともに繁殖事業地として選定し、2019年度までの計画で実施しているものである[22]。
2022年(令和4年)5月3日には、入園者数が1000万人に到達した[23]。
シンボルマーク
シンボルマークは開園前の1983年12月2日に33点の公募の中から制定されたもので、呉羽丘陵をイメージした緑の山、その中に猿の顔と小鳥が二羽表現されている。中心の『T』は富山の『T』という意味でもある[4]。
施設概略
詳細は、公式サイトの施設案内あるいは動物を楽しむを参照。
飼育動物の一覧
動物ゾーン
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- キリン舎
- アミメキリン・グレービーシマウマ
- トラ舎
- アムールトラ
- 子供動物園
- ワラビー・プレーリードッグ・リスザル・カピバラ・ミニブタ・メンフクロウ・ウサギ・ミーアキャット ほか
- カワウソ舎
- ユーラシアカワウソ
- 郷土動物館
- タヌキ・キツネ・ニホンアナグマ・ノウサギ・テンほか
- フラミンゴ池
- チリーフラミンゴ
- ペンギン池
- フンボルトペンギン
- サル山
- ニホンザル
- シカ舎
- ニホンジカ
- イノシシ舎
- イノシシ
- クマ舎
- ツキノワグマ
- ニワトリ舎
- 小国・地鶏・(コエヨシ)・東天紅鶏・名古屋種・比内鶏・(トウマル)・オオシャモ・コシャモ・チャボなどの日本鶏・セキショクヤケイ
- バイソン舎
- アメリカバイソン・タンチョウ
- カモシカ園
- ニホンカモシカ
- オオカミ舎
- オオカミ(シンリンオオカミ)
- ライチョウ舎
- ライチョウ(ニホンライチョウ)
- バードハウス
- オオワシ・フクロウ・ヘラサギ・オシドリ ほか
- ワオキツネザル舎・スバーバルライチョウ舎
- ワオキツネザル・スバールバルライチョウ
- レッサーパンダ舎
- レッサーパンダ
- ヤマネコ舎
- ツシマヤマネコ
- 里山生態園
- ニホンジカ・タヌキ・ホクリクサンショウウオ
- うまや
- 木曽馬・野間馬・(アメリカンクウォーターホース)・ポニー・対州馬
- やぎ牧場
- トカラヤギ・シバヤギ・ヒツジ
- にわとり広場
- ニワトリ
自然ゾーン
- とんぼの沢(トンボ、メダカなどがいる。)
- 自然散策路「ふしぎの山・ひみつの森・雑木のこみち」
- 六泉池 野鳥観察舎(カルガモ、カワセミなどがいる。)
- 樹間のこみち
- ホタルのおやど(ゲンジボタルの発生するビオトープ。6月の夜間には観察会が催される)
- カエルの谷(モリアオガエルの集団産卵地)
- ふるさとの小路(全長25mの前方後方墳「(西金屋長尾塚古墳)」のそばを通る)
- ムササビ村(カメラ付き巣箱とモニターが常設されており、中で寝ている野生のムササビを観察することができる。)
遊園地
※()内は料金
- アニマルコースター(200円)
- 子供列車(200円)
- メリーゴーランド(200円)
- パラトルーパー(200円)
- バッテリーカー、メロディーペット(硬貨使用、200円)
かつては観覧車(高さ30m)も設置されていた(2006年(平成18年)6月25日営業休止、2007年(平成19年)撤去)[24]。
遊園地は、開園30周年の2014年(平成26年)を目途に廃止し、自然体験ができる施設を再整備することを検討中であった[25][26][27] が、2022年10月現在も廃止されていない[28]。
レジャー施設
営業
交通アクセス
脚注
- ^ a b c d 令和元年度公益社団法人富山市ファミリーパーク公社事業報告 (PDF) 富山市ファミリーパーク.2021年5月25日閲覧。
- ^ 富山市ファミリーパーク新整備計画(案) 26頁 (PDF) 富山市
- ^ a b 来園者の方へ-ファミリーパークについて2013年4月1日 園長・山本茂行 森を元気に、人を元気に。「富山市ファミリーパーク」
- ^ a b 『富山市史 編年史』富山市〈上巻〉、2015年3月20日、556頁。
- ^ 『新聞にみる20世紀の富山 第3巻』(2000年11月26日、北日本新聞社発行)99頁。
- ^ 『富山市史 編年史』富山市〈上巻〉、2015年3月20日、559頁。
- ^ 『富山市史 編年史』富山市〈上巻〉、2015年3月20日、560頁。
- ^ 『富山市史 編年史』富山市〈上巻〉、2015年3月20日、561頁。
- ^ 『富山市史 編年史』富山市〈上巻〉、2015年3月20日、572頁。
- ^ 安河内泰男・動植物園設計・研究センター長. “トレンドリサーチ 2これからの動物展示のありかた” (PDF). プレック研究所. 2013年3月16日閲覧。
- ^ a b c “エンリッチメント大賞2006 飼育施設部門 大賞”. 市民ZOOネットワーク. 2013年3月16日閲覧。
- ^ a b “富山市長定例記者会見 記者会見資料”. 富山市 (平成21-04-01). 2013年3月16日閲覧。
- ^ “里ノ助とあそぶ-里ノ助のお話”. 富山市ファミリーパーク. 2013年3月16日閲覧。
- ^ a b c d 成川彩; 久永隆一 (2011年8月9日). . 朝日新聞 (asahi.com). オリジナルの2011年8月18日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “日本動物大賞の受賞について - イベント情報”. 富山市ファミリーパーク. 2013-5-10 18:49時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月10日閲覧。
- ^ 『国内初の希少種保全動植物園 ファミリーパーク認定』北日本新聞 2018年9月15日3面
- ^ 環境省 認定希少種保全動植物園等の一覧(公示)
- ^ “絶滅の恐れニホンライチョウ、15年ぶり公開へ 5施設”. 朝日新聞デジタル. (2019年2月2日) 2019年12月29日閲覧。
- ^ “「保全の大切さ伝える」ライチョウ公開 北陸2動物園で”. 日本経済新聞. (2019年2月5日)2019年12月29日閲覧。
- ^ “ライチョウ一般にお披露目 15年ぶり人工飼育施設で”. 産経ニュース. (2019年3月15日)2019年12月29日閲覧。
- ^ “ライチョウが自然ふ化 人工繁殖事業で初”. 日本経済新聞. (2019年7月5日)2019年12月29日閲覧。
- ^ “ライチョウ人工飼育へ 富山市ファミリーパーク”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北日本新聞). (2015年2月21日)2019年12月29日閲覧。
- ^ 『入園1000万人超え ファミリーパーク 高岡の児童に記念品』北日本新聞 2022年5月4日21面
- ^ 『北日本新聞』2006年9月20日付朝刊33面『観覧車 老朽化で撤去 富山市ファミリーパーク 部品落下 6月から休止 安全運行見込めず』より。
- ^ 富山市ファミリーパーク新整備計画(案):富山市パブリックコメント
- ^ 「富山市ファミリーパーク新整備計画(案)」に対するご意見と富山市の考え方:富山市
- ^ 富山市ファミリーパーク新整備計画(案)PDFファイル:富山市
- ^ 富山市ファミリーパーク 施設案内-遊園地・広場・ボート
- ^ 『富山市史 編年史〈上巻〉』(2015年3月20日、富山市発行)585ページ。
- ^ 富山市博物館等共通パスポート
外部リンク
- 富山市ファミリーパーク - 公式サイト
- 富山市ファミリーパーク【公式】 (@toyamafamipa) - Twitter
- 富山市ファミリーパーク (toyama.familypark) - Facebook
- 「里ノ助」公式ブログ(富山ブログ内)