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『子猫物語』(こねこものがたり The Adventures of Chatran 別題:The Adventures of Milo and Otis)は、1986年公開の日本映画(実写)。畑正憲が監督・脚本を手掛けた子猫の冒険映画。日本版とは異なる再編集されたものが日本国外でも放映された。
ストーリー
牛小屋の中で生まれた7匹の子猫。そのうちの一匹、茶虎の牡猫チャトランは、パグ犬のプー助と親友になる。春のある日、プー助とかくれんぼをしていたチャトランは川岸にあった木箱に入り、そのまま流されてしまう。あとを追ってきたプー助は木箱に襲い掛かるクマ[3]と格闘する。滝つぼに落ちながらも懸命に耐えるチャトラン。こうしてチャトランとプー助の冒険が始まった。
無事に陸に上がった空腹のチャトランは、キツネが獲物を土に埋めているのを見つけ、こっそり失敬する。プー助はキツネにチャトランの行方を尋ねるが、遊びに夢中になってしまう。馬の背中に乗せてもらったチャトランは、たどりついた線路であやうく汽車にはねられそうになる。夜の森では迷子の子豚に出会い、母豚と兄弟たちのもとに送り届け、乳をもらう。
なおも旅を続けるチャトランは、川でしっぽをたらして魚を釣るが、アライグマ[4]に横取りされる。ようやくプー助と落ち合ったチャトランは牛の牧場に侵入。プー助は生まれたばかりの子牛に群がるカラスを追いかけ、どこかにいってしまう。
チャトランは夜の森でフクロウから獲物の魚をわけてもらう。海辺でカモメの巣に近づいたチャトランはカモメたちに追われ、崖から海に転落。浜にあがったチャトランは番小屋の中で休む。そこへクマ[5]が入ってきて、チャトランを襲う。チャトランは箪笥の上から物を落として熊を追い払う。蛇に追われて木に登ったチャトランは、深い穴に落ちてしまう。そこへやってきたプー助はロープを穴に落とし、チャトランを引き上げる。
秋になり、プー助と家路に着くチャトランは、白い雌猫と出会う。プー助は、雌猫とよりそうチャトランを見て姿を消す。冬、雌猫はチャトランの子を産む。春、父親になったチャトランは子猫たちを連れて外に出る。プー助も父親となり、子犬たちを連れている。大地には命があふれていた。
データ
1986年7月12日公開。
- 配給:東宝
- 配給収入:約54億円(1986年邦画第1位)
- 観客動員数:約750万人
- 公開当時は文部省推薦だった。
虐待の疑惑
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本映画は感動の結末と裏腹に、公開後から様々にチャトランへの「虐待」の噂が囁かれている。おすぎも当時から映画評論家の立場でこの疑惑について触れていた。
- チャトランが滝から落とされるシーンでは、事前にカメラがその滝に向けられており、チャトランを意図的に落としたことが計画されていたという疑惑。
- チャトランがカモメの巣のある断崖絶壁から落ちるシーンでは、親カモメの攻撃を受けて転落する間のシーンが完全に抜けており、スタッフの手によって落とされたという疑惑。
- チャトランが蛇から逃れるため、登った木の枝から地面の穴に落下したシーンでは、明らかにカメラが向けられていた穴に向かってチャトランが落下しており、自然に狙ってはまず撮影できないという疑惑。
- 映画公開時、畑正憲がテレビ番組に出演した際、司会者の「動物が動物を舐めているシーンは、どのように撮影されたのですか?」との問い掛けに、「自分が怪我をした時、傷口を舐めますでしょう。動物に傷を付けておくと、自分の傷でなくても舐めるんですよ」と回答。本映画はドキュメント「風」を装ってはいるが、映像・ストーリーはあくまでも演出。
スタッフ
- 製作指揮:鹿内春雄
- 製作:日枝久、角谷優
- プロデューサー:緒方悟
- 企画:宮内正喜
- 原作・脚本・監督:畑正憲
- 協力監督:市川崑
- 撮影∶藤井秀雄、富田真司
- 照明∶山下礼二郎、煙草忠司
- 美術∶坂口岳玄
- 録音:大橋鉄矢、信岡実
- 編集∶長田千鶴子
- 音楽監督:坂本龍一
- 詩:谷川俊太郎
- 主題歌:『子猫物語』
- キャンペーンソング:『(猫舌ごころも恋のうち)』(歌:うしろゆびさされ組)[6]
- 音楽プロデューサー:宮田茂樹、朝妻一郎
- 音楽制作:ミディ、フジパシフィック音楽出版
- 動物飼育:ムツゴロウ動物王国
- 構成:南川泰三、日高真也
- 動物監督:畑三喜雄
- 音響効果∶小島良雄、斉藤昌利、中村佳央
- 監督補:上野尭
- 現像:東京現像所
- 録音スタジオ:東宝録音センター
- タイトル:デン・フィルムエフェクト
- 協力:ムツゴロウ委員会、ムツプロ、電通、東京コマーシャルフィルム、東亜国内航空
- 協賛:カルピス食品工業、カーネーション・ニッパイ
- 製作:フジテレビジョン
キャスト
- チャトラン(子猫)
- プー助(犬:パグ)
他、動物多数
ゲーム
対応機種はファミリーコンピュータ ディスクシステム。
受賞歴
- 第4回ゴールデングロス賞最優秀金賞、特別賞