『大陸横断超特急』(たいりくおうだんちょうとっきゅう、原題:Silver Streak)は、1976年のアメリカ映画。
大陸横断超特急 | |
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Silver Streak | |
監督 | アーサー・ヒラー |
脚本 | コリン・ヒギンズ |
製作 | エドワード・K・ミルキス トーマス・L・ミラー |
製作総指揮 | フランク・ヤブランス マーティン・ランソホフ |
出演者 | ジーン・ワイルダー ジル・クレイバーグ リチャード・プライヤー |
音楽 | ヘンリー・マンシーニ |
撮影 | デイヴィッド・M・ウォルシュ |
編集 | デヴィッド・ブレサートン |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 | 1976年12月3日 1977年4月16日 |
上映時間 | 114分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $51,079,064[1] |
ストーリー
ロサンゼルス発シカゴ行きの豪華旅客列車シルバー・ストリーク号に乗り込んだ出版業者ジョージ・コールドウェルは、車内で知り合った乗客ボブの助言で、美術史家シュライナー教授の秘書ヒリー・バーンズと知り合い一夜を共にするが、窓の外に頭部を撃たれた乗客が落下する場面を目撃する。翌日、ジョージは目撃した乗客がシュライナーだと気付きヒリーに伝えるが、彼女は信じようとしなかった。ジョージはシュライナーの客室に向かうが、そこには見知らぬ男がおり、彼の指示を受けた大男によって列車から放り出されてしまう。
線路沿いに住む夫人の飛行機に乗って列車に追い着いたジョージはヒリーを探すが、彼女は美術商のデヴローと食事をしていた。デヴローは「ジョージを放り出したのは部下のホワイニーとリースの誤解だった」として彼に謝罪する。ジョージはシュライナーが殺害されたことを話すが、そこにシュライナーが現れる。酒に酔って幻覚を見たと考えたジョージはその場を離れるが、彼から話を聞いたボブはシュライナーが殺害されたのは事実だと答える。ボブは自分の正体はFBI捜査官だと告げ、シュライナーはレンブラントの贋作をめぐる事件に巻き込まれ、密売人であるデヴローに殺害されたと話す。二人は客室に戻り、ヒリーの所持品の中からデヴローの悪事の証拠品を見つけ出すが、列車がトンネルに入った際にボブが射殺されてしまう。ボブはジョージに証拠品と拳銃を託して息絶えるが、そこに乗務員のラルストンが現れ、ジョージを殺人犯と誤認してしまう。ジョージが生きていることに気付いたホワイニーはリースを差し向ける。ジョージは屋根の上に逃げてリースを返り討ちにするが、誤って列車から放り出されてしまう。
ジョージは近くの町に向かい保安官のオリヴァーに助けを求めるが、オリヴァーはジョージの話を全く聞かず、さらにジョージが殺人犯として指名手配されていることを知り逮捕しようとする。怒ったジョージは拳銃を奪ったうえにパトカーを強奪し、偶然パトカーに乗っていたスリのグローヴァーに事情を話して一緒に列車に乗り込む。別行動を取ったジョージはヒリーを見付け出すがホワイニーに捕まり、デヴローの前に突き出される。デヴローはシュライナーを殺害したこと、ジョージの前に現れたシュライナーは彼に変装した部下だったことを告げ、ジョージとヒリーを殺そうとするが、そこにグローヴァーが現れ形勢が逆転し、ジョージたちは証拠品がある荷物車に向かう。しかし、そこでヒリーを人質にしたホワイニーと銃撃戦になりグローヴァーと共に列車から飛び降りる。
ジョージとグローヴァーは警察に連行されるが、デヴローの悪事を知っていたドナルドソン警部は二人に「保護するために指名手配した」と告げ、デヴローを逮捕するためジョージを連れて列車に向かう。列車を停止させたドナルドソンたち警官隊はデヴロー一味と銃撃戦となり、デヴローは運転士を脅して列車を走らせる。ドナルドソンはヘリコプターで追跡を開始し、ジョージとグローヴァーは列車に乗り込みヒリーを救出する。一方、ドナルドソンはデヴローを射殺するが、デヴローは逃げ出そうとした運転士を射殺していたため、列車はジョージたちを乗せたままシカゴ駅に向かって暴走を始め……
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |||
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日本テレビ版 | LD版 | テレビ朝日版 | 機内上映版 | ||
ジョージ・コールドウェル | ジーン・ワイルダー | 広川太一郎 | 羽佐間道夫 | ||
ヒリー・バーンズ | ジル・クレイバーグ | 小原乃梨子 | 藤田淑子 | 田島令子 | |
グローヴァー・モルドゥーン | リチャード・プライヤー | 坂口芳貞 | 樋浦勉 | 富山敬 | |
ロジャー・デヴロー | パトリック・マクグーハン | 土屋嘉男 | 家弓家正 | 金内吉男 | |
ボブ・スウィート | ネッド・ビーティ | 神山卓三 | 今西正男 | 増岡弘 | |
オリヴァー・チョンシー保安官 | クリフトン・ジェームズ | 滝口順平 | 富田耕生 | ||
エドガー・ホワイニー | レイ・ウォルストン | 穂積隆信 | 北村弘一 | 大木民夫 | |
シュライナー教授 | ステファン・ギーラシュ | あずさ欣平 | 飯塚昭三 | 有本欽隆 | |
リタ | ルシール・ベンソン | 高橋和枝 | 沼波輝枝 | 麻生美代子 | |
ドナルドソン警部 | レン・バーマン | 筈見純 | 寺島幹夫 | 若本規夫 | |
ラルストン | スキャットマン・クローザース | たてかべ和也 | 増岡弘 | ||
リース | リチャード・キール | 台詞無し | 郷里大輔 | 大塚芳忠 | |
ジェリー・ジャーヴィス | フレッド・ウィラード | 石森達幸 | 池田勝 | ||
ポーター | ロイド・ホワイト | 野本礼三 | |||
その他 | 上田敏也 片岡富枝 峰恵研 野島昭生 大久保正信 幸田直子 亀井三郎 | 石井敏郎 山田礼子 巴菁子 西村知道 広瀬正志 | 石森達幸 峰恵研 磯部万沙子 塚田正昭 曽我部和恭 井上喜久子 種田文子 幹本雄之 左直千恵子 | ||
演出 | 田島荘三 | 河村常平 | 福永莞爾 | ||
翻訳 | 大野隆一 | 井場洋子 | たかしまちせこ | ||
効果 | スリーサウンド | ||||
調整 | 遠西勝三 | 金谷和美 | |||
制作 | コスモプロモーション | 東北新社 | ニュージャパンフィルム | ||
解説 | 水野晴郎 | 淀川長治| | |||
初回放送 | 1982年4月4日 『日曜洋画劇場』 | 1990年8月26日『日曜洋画劇場』 21:02-22:54 |
- 日本テレビ版はDVD収録。放送時に吹き替えられた一部の台詞が自主規制により字幕対応となっている。
スタッフ
- 監督:アーサー・ヒラー
- 製作総指揮:フランク・ヤブランス/マーティン・ランソホフ
- 製作:エドワード・K・ミルキス/トーマス・L・ミラー
- 脚本:コリン・ヒギンズ
- 音楽:ヘンリー・マンシーニ
- 撮影:デイヴィッド・M・ウォルシュ
- 編集:デヴィッド・ブレサートン
- 美術:アルフレッド・スイーニー
- 提供:フランク・ヤブランス・プロダクションズ/20世紀フォックス
製作
本作のアイデアは『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』を書いた脚本家コリン・ヒギンズが、1974年にロサンゼルスからシカゴまで実際に列車で旅をし、あまりに退屈だったためあれこれ想像して作り上げたものであった。ヒギンズはこのアイデアをパラマウント・テレビでプロデューサーをしていたエドワード・K・ミルキスとトーマス・L・ミラーと相談して脚本化し、『シンシナティ・キッド』や『いそしぎ』のプロデューサーであるマーティン・ランソホフと共に独立プロを設立した、元パラマウント映画の社長フランク・ヤブランスに持ち込んで、20世紀フォックスによる映画化に漕ぎ着けた[2]。監督は『ある愛の詩』で知られたアーサー・ヒラー、音楽を担当したのは『ティファニーで朝食を』でアカデミー音楽賞と歌曲賞、『酒とバラの日々』で歌曲賞を受賞していたヘンリー・マンシーニであった。
出演者は、主演のジーン・ワイルダーを初め、後に『結婚しない女』や『結婚ゲーム』でアカデミー助演女優賞にノミネートされるジル・クレイバーグや、アフリカ系コメディ俳優リチャード・プライヤー、『プリズナーNo.6』で知られるパトリック・マクグーハンなど多彩な俳優が競演。『007 私を愛したスパイ』でブレイクする前のリチャード・キールも、後の『ジョーズ』を彷彿させる役柄で登場している。
列車のロケはカナディアン・パシフィック鉄道の協力で行われ、シルバーストリーク号から落とされたジョージが列車を追いかけるのに使った飛行機は、俳優クリフ・ロバートソン所有のものであった。クライマックスで先頭部のFP7形ディーゼル機関車がシカゴ駅に突っ込むシーンは、カリフォルニア州バーバンクにあったロッキード飛行機製作所の格納庫に組まれた実物大のセットで行われた。わずか14秒のシーンに、50万ドルの費用をかけたという[2]。
評価
本作は1976年の映画の世界興行成績で、第7位を記録した[3]。また、アカデミー音響賞にノミネートされ、ジーン・ワイルダーはゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされた。
脚注
- ^ “Silver Streak (1976)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年4月30日閲覧。
- ^ a b 『大陸横断超特急 劇場用パンフレット』東宝株式会社事業部、1977年4月29日。
- ^ “List movies by worldwide gross” (英語). WorldwideBoxoffice.com. 2009年8月26日閲覧。