この記事には(独自研究)が含まれているおそれがあります。 |
『スーパーマリオカート』(Super Mario Kart)は、任天堂が1992年8月27日に発売したスーパーファミコン用ソフト。マリオカートシリーズの1作目で、日本国内におけるスーパーファミコン用ソフトの最高売り上げを記録した[2]。
ジャンル | レースゲーム |
---|---|
対応機種 | スーパーファミコン(SFC) |
開発元 | 任天堂情報開発本部 |
発売元 | 任天堂 |
販売元 | 任天堂 |
プロデューサー | 山内溥(エグゼクティブプロデューサー) 宮本茂 |
ディレクター | 杉山直 紺野秀樹 |
プログラマー | 木村雅人 矢嶋肇 山本健二 |
音楽 | 岡素世 阪東太郎 |
美術 | 杉山直 森直樹 小田部羊一 MIE YOSHIMURA 小泉歓晃 |
シリーズ | マリオカートシリーズ |
人数 | 1 - 2人 |
メディア | 4メガビット+16キロRAMロムカセット[1] DSP-1チップ搭載 |
発売日 | SFC 1992年8月27日 1992年9月1日 1993年1月21日 Wii(VC) 2009年6月9日 2009年11月23日 2010年4月2日 Wii U(VC) 2013年6月19日 2014年3月27日 2014年8月6日 Newニンテンドー3DS(VC) 2016年3月17日 2016年3月24日 2016年5月9日 |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) ESRB:E(6歳以上) PEGI:3 |
ダウンロード コンテンツ | なし |
売上本数 | 約382万本 約876万本 |
バーチャルコンソール版は2009年6月9日よりWii、2013年6月19日よりWii U、2016年5月9日よりNewニンテンドー3DSにて、各配信が開始されたほか、2017年10月5日に発売されたスーパーファミコンの復刻版『(ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン)』、2019年9月6日配信開始の『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』(Nintendo Switchのオンラインサービス特典ソフト)[3]に収録されている。
概要
スーパーマリオシリーズに登場するキャラクターたちがカートに乗り、レースやバトルを行う。純粋なレースゲームに加え、ライバルカートへの妨害要素をユニークに表現している。
各レース結果に応じたポイントを稼いで総合順位を競うほかにも、自らの限界タイムに挑んだり、プレイヤー同士の1対1で対決したりすることもできる。また、他のカートへの妨害要素そのものをテーマにしたモードも用意されている。
本作ではシリーズ中唯一、1人プレイでもゲーム中の画面が上下2分割されている。これは2人でプレイすることを重視しているためである[4]。1人プレイの場合は、上半分がレース画面・下半分がコース全体図もしくはバックミラーとして背後の様子(プレイヤーの操作もしくは背後のキャラクターがアイテムで攻撃する際に切り替わる)が表示される[注釈 1]。
プレイモード
モードは以下の4つに大別され、1人用の「1プレイヤー ゲーム」では2種類、2人用の「2プレイヤー ゲーム」では3種類のモードで遊べる。なお、本作では「マリオカートGP」以外では全て100ccでの走行となる。
マリオカートGP
8台のカートで競争を行い、コースごとの結果を積み重ねて総合優勝を目指す。このモードのみ排気量を「50cc クラス」と「100cc クラス」から選択可能で、50ccを選ぶとカートの最高速度が下がり、難易度も低くなる。特定の条件を満たすと「スペシャルカップ」(50ccを除く)や、100ccよりも最高速度が上がる高難易度の「150cc クラス」が追加される。
プレイヤーが選択しなかったドライバーはCOMキャラクターとして登場し、それぞれ専用のアイテムで妨害してくる。また、プレイヤーキャラに応じてCOMキャラクターの初期スタート位置が固定されており、更に上位4人には強力な性能が付加され、順位を落としてもすぐに元の順位にまで戻って来る。
コース中に落ちているコインを拾えば、1枚に応じて1段階ずつ、最大10段階までスピードアップできる。スタート時の順位に応じて2 - 5枚持った状態で始まり、11枚以上貯めることもできるが、他のカートとの接触で1枚、水没・転落からジュゲムに釣り上げてもらうと2枚、アイテム接触、イナズマ攻撃、スター効果中の体当たりによるスピンで4枚のコインを失う。コインが無い状態で他のカートと接触すると、カートがスピンして一時的に止まってしまう。
コースを5周するとゴールとなり、その時の順位が4位以内なら次のコースへ進めるが、5位以下だと失格となり、そのコースをやり直し(リトライ)になる。リトライには回数制限があり、初期状態では3回。リトライ回数0の状態で5位以下になるとゲームオーバーとなり、タイトル画面に戻る。2人プレイの場合は、片方が4位以内であれば次のコースへ進めるが、5位以下の場合は次のコースへ進む際にリトライ回数を1消費する(回数0ならそのプレイヤーだけゲームオーバー)。リトライ決定権は、両者とも5位以下なら順位の高いプレイヤー、片方もゴールせずリタイアしたならリタイアを決定したプレイヤーとなり、どちらも互いのリトライ回数を1ずつ消費する。同じ順位を3回取った場合はリトライ回数が1増える(ゲームオーバー条件と重なってもこちらが優先される)。途中でリタイアすることも可能で、この場合は最下位として扱われる[注釈 2]が、リトライ回数増加の条件にはあたらない。ラウンド1のプレイヤーのスタート位置は8位、2人プレイ時の2P側は7位となり、ラウンド2以降は前ラウンドの順位でスタートする。
プレイヤーが次のコースへ進むたびに、上位4人のドライバーへ「ドライバーズポイント」が加算[注釈 3]され、プレイヤーが最終コースを4位以内でゴールした時点で、最終コースのドライバーズポイントを加算した総合成績を競う。総合成績発表は表彰式となり、3位以内であればトロフィーを贈呈されてデータに記録される[注釈 4]。
ちなみに、コースの設計がタイムアタック・VSマッチレースと一部異なっている部分がある。
タイムアタック
1人プレイ専用モード。コースを1台のみで走行し、いかに速くゴールできるかを目指す。アイテムやコインが出現しない、コース構成が「マリオカートGP」と若干異なる等、いくつかの差異もある。本作のみレース開始時にキノコを所持していない。
完走すると直前の走行の様子をビデオ再生する「リプレイ」コマンドが現れる。また、コースアウトや障害物への衝突などミスをせずに完走した場合は、「リプレイ」の時にL・Rボタンでアングルを変えながら見ることができる他、その走り方をそっくり再現する「ゴースト」が次回のタイムアタックから出現する。なお、特定コマンドを入力することで、ゴーストのデータを1つだけ保存することが可能。
VSマッチレース
2人プレイ専用モード。1つのコースを走り、相手より先にゴールすることを目指す。「マリオカートGP」と同様にコインやアイテムが出現し、互いにコインを3枚ずつ持った状態で始まる。このモードではコース上でキラー[5]が往復しており、触れると甲羅などと同等のダメージを受けてしまう。
バトルゲーム
2人プレイ専用モード。アイテムを使用した攻撃そのもので勝敗を競う。そのため、カートとアイテムを利用した純粋なバトルとなっており、レース形式を一切採らないため、ゴールというものが存在しない。コースも専用のものを使用し、4種類から選択する。
双方のカートに3つの風船が付いており、攻撃を受けるごとに1個減るため、何度攻撃を受けたかがわかるようになっている。先に相手の風船を全て割ったプレイヤーが勝者となる。
ドライバー
マリオやその仲間たちだけでなく、『ドンキーコングJR.の算数遊び』以来9年ぶりの登場となるドンキーコングJr.、今まで敵として登場してきたクッパやノコノコも使用できる。本作では8人のドライバーが2人ずつ4つのタイプに分けられ、タイプごとに最高速度、加速力、コーナリング性能などが異なっている。
- 標準性能タイプ - マリオ、ルイージ
- 最高速度は2番目に速く、加速やコーナリング性能も標準的なステータス。ただしバニラレイク以外のダートには弱く、草地などに入った時の減速幅がやや大きめ。
- 加速重視タイプ - ピーチ姫、ヨッシー
- 加速力が最も高く、最高速度に達するまでの時間が一番短い。敵カートに攻撃されてもすぐに態勢を立て直すことができる。逆にコーナリング性能が低いため、滑りやすいオフロードコースは苦手。
- 高速安定タイプ - クッパ、ドンキーコングJr.
- 最高速度が最も速く、タイムアタックには最適。逆に加速力は圧倒的に低く、最高速度に達するまで時間がかかる。重量級であるため他車との衝突に強く、高速で体当たりすれば相手カートをはじき飛ばすことができる。
- 軽量機敏タイプ - ノコノコ、キノピオ
- 初心者向けのタイプ[6]。最高速度は最も遅いが、加速力は2番目に良い。加えてコーナリング性能が高く、苦手なコースはほとんどない。ただし、軽量級のため他のカートとの接触には弱い。
アイテム
コース内で「?マーク(アイテムパネル[7])」を踏むことで、ルーレット形式で手に入る。レース時は順位によって出現アイテムが異なるほか、1枚のパネルにつき1回しかアイテムが出現しない。また、カートが地面に接地していないとアイテムを使うことができない。
- ミドリ甲羅
- アカ甲羅
- バナナの皮
- 羽根
- キノコ
- スター
- イナズマ(マリオカートGPとVSマッチレースのみ)
- コイン(マリオカートGPとVSマッチレースのみ)
- テレサ(VSマッチレースとバトルゲームのみ)
COMキャラクターのアイテム
プレイヤーが2位以下のときはすぐ前方を走っている1台のみ、プレイヤーが1位のときはすぐ後方を走る1台(周回遅れ含む)のみが使う。原則的にアイテムは種類に関わらず「設置する」のみ(プレイヤーが1位または周回遅れの場合は放物線上に投げる)。プレイヤーと異なり制限無く使用可能だが、キャラクターによって使用アイテムが限定されている。ただし、プレイヤーが使用したバナナの皮や甲羅を大ジャンプで回避することがある。
- マリオ、ルイージ - スター(通常通り無敵の効果)
- ピーチ姫・キノピオ - 毒キノコ
- ヨッシー - 卵
- クッパ - 火の玉
- ドンキーコングJr. - バナナの皮
- ノコノコ - ミドリ甲羅
コース
『スーパーマリオワールド』の世界観をモチーフにしており、3つのカップにそれぞれ5コースずつ・合計15コースで構成されている。また、100cc以上では条件を満たすとカップが1つ追加され、最終的に全20コースとなる。
本作のコースは、以下の8種類のいずれかの系統に属している[注釈 5]。障害物のうち一部は取扱説明書にて「おジャマ敵キャラ」と紹介されており、これらは共通して特定の手段を用いることで除去できる。
コース名 | おジャマ敵キャラ | 特徴 |
---|---|---|
マリオサーキット | 土管 | 砂地に囲まれたサーキットコース。 「2」からはオイルが撒かれている場所があり、その上を通ると短時間スピンしてしまう。 |
ドーナツ平野 | チョロプー | 平野の中にあるオフロードの自然系コース。 沈む池の仕掛けがあり、自力で脱出可能だが、一定時間が経つとジュゲムに救出されることになる。 「2」「3」では穴から飛び出てくるチョロプーに触れると、こちらのカートに張り付き減速させられる。 |
おばけ沼 | (なし) | テレサが佇む板張りのコース。大部分が直線と直角コーナーで構成されている。 コース端の木製ブロックに衝突すると、そのブロックは崩れて消えてしまう。 ブロックのない場所でコースアウトすると転落し、強制的にジュゲムに救出されることになる。 アイテムを使わないと利用できず、コントロールの難しいショートカットが、各コース内に1か所ずつ存在する。 |
クッパ城 | ドッスン | 煮えたぎる溶岩の上に敷かれたコース。他の系統と比べ、全体的に1周の距離が長い。 直線と直角コーナーで構成され、大部分が石のガードレールに覆われており、壁にぶつかりやすい。 ジャンプバンで溶岩を飛び越える場所が多く、溶岩に落ちると即ジュゲムに釣り上げられることになる。 所々でドッスンが落下と上昇を繰り返しており、落下時に真下にいると押し潰されて大幅なタイムロスとなる。 |
チョコレー島 | パックンフラワー | 褐色の荒野を舞台とする、路面が滑りやすいオフロードの凸凹コース。 濃い色の沼に入ると速度が下がり、泥がカートに絡み付き路面よりも滑りやすく、コントロールが難しい。 さらに側部のダートは非常に重く、入ると大幅に速度が下がる。 至る所にギャップがあり、ギャップの上に乗るとカートが少し跳び上がる。 速度に応じて跳びあがる高さが変化し、ジャンプバンで発生する最低限の加速は起きない。 ダート地帯にはパックンフラワーが大量に配置されており、当たると短時間スピンしてしまう。 |
ノコノコビーチ | プクプク | 海に囲まれた小島で構成されたコース。 海の色が薄い浅瀬は速度が若干落ちるものの通れるが、海の色が濃い場所に進入すると水中に沈む。 至る所で跳ねているプクプクに接触すると短時間スピンしてしまう。 |
バニラレイク | 土管 | 雪原と氷原で構成されたコース。 氷で出来た路面のため滑りやすく、カートのコントロールが難しい。また、雪原では大幅に速度が下がる。 氷が割れて穴が空いている場所があり、侵入すると水中に沈む。 氷のタイルが回避困難なほどに敷き詰められており、ある程度破壊しつつ、繊細なコース取りが要求される。 |
レインボーロード | (スーパードッスン) | 本作の最終コース。詳細はスペシャルカップを参照。 |
以下に各コースの大まかな特徴を記す。( )内の名称は日本国外のもの。『マリオカートDS』以降に再収録されたコースは、作品名を〈 〉内に記載[注釈 6]。
キノコカップレース
- マリオサーキット1(Mario Circuit 1)〈DS、ツアー〉
- 全長: 497.42m[8] / 任天堂公認目標タイム: 1'03"68[8]
- コース前半に土管が置かれているが、特に難しいコーナーや場所は無く、非常に走りやすい。全ての基本となるコース故に、公式のタイムアタックや、発売当時に放送されていたテレビ番組『スーパーマリオクラブ』でも取り扱われ、様々な企画で多用されたコースである。
- ドーナツ平野1(Donut Plains 1)〈DS、ツアー〉
- 全長: 670.32m[9] / 任天堂公認目標タイム: 1'27"44[9]
- コース中盤から終盤に掛けて3連続ヘアピンカーブがある。チョロプーはおらず、このコース限定でダート上に赤い土管がある。
- おばけ沼1(Ghost Valley 1)〈ツアー〉
- 全長: 558.60m[10] / 任天堂公認目標タイム: 1'12"12[10]
- ジャンプバンの仕掛けや、転落によるコースアウトが初登場する。
- クッパ城1(Bowser Castle 1)
- 全長: 757.57m[11] / 任天堂公認目標タイム: 1'41"90[11]
- 土管以外の障害物や、ダッシュバンが初めて登場する。
- マリオサーキット2(Mario Circuit 2)〈7、ツアー〉
- 全長: 659.68m[12] / 任天堂公認目標タイム: 1'23"58[12]
- オイルが初登場する。コース終盤にダッシュバンとジャンプバンを組み合わせた立体交差があり、失敗すると交差点からやり直すことになる。
フラワーカップレース
- チョコレー島1(Choco Island 1)〈ツアー〉
- 全長: 506.99m[13] / 任天堂公認目標タイム: 1'09"40[13]
- 大量のギャップが敷き詰められており、スピードが速いとダートに突っ込む恐れがある。
- おばけ沼2(Ghost Valley 2)〈Wii、ツアー〉
- 全長: 540.41m[14] / 任天堂公認目標タイム: 1'23"58[14]
- 「1」と比べカーブの数が多く、後半では板が所々欠けている。
- ドーナツ平野2(Donut Plains 2)〈ツアー〉
- 全長: 738.42m[15] / 任天堂公認目標タイム: 1'43"66[15]
- 「1」と比べコース幅が狭くなり、ヘアピンカーブも多くなっている。ダッシュキノコを湖でうまく利用すれば、ショートカットも狙える。なお、「ドーナツ平野」コースの中では唯一橋が架かっていない。
- クッパ城2(Bowser Castle 2)
- 全長: 866.63m[16] / 任天堂公認目標タイム: 1'58"98[16]
- 「1」と比べコース幅が全体的に狭く、構造もより複雑になっている。簡単な分岐ルートが初登場する。また、中盤にショートカットルートが用意されている。
- マリオサーキット3(Mario Circuit 3)〈Wii、ツアー、8 デラックス〉
- 全長: 775.12m[17] / 任天堂公認目標タイム: 1'46"48[17]
- アルファベットの「K」の字のような形で、スタート序盤からコーナーが連発する。コース中盤には左に急に回るコーナー、終盤には蛇の様な形をしたコーナーがあり、どの場所も追い抜きが難しくなっている。
スターカップレース
- ノコノコビーチ1(Koopa Beach 1)
- 全長: 436.24m[18] / 任天堂公認目標タイム: 1'05"66[18]
- 浅瀬上の小島を駆け抜けていく。
- チョコレー島2(Choco Island 2)〈DS、ツアー〉
- 全長: 541.58m[19] / 任天堂公認目標タイム: 1'22"40[19]
- コース中盤に配置された広大なチョコレート沼が特徴。ダートに突入しないコーナリングや、沼への突入に無駄が無いコース取りなどが要求される。
- バニラレイク1(Vanilla Lake 1)〈ツアー〉
- 全長: 409.64m[20] / 任天堂公認目標タイム: 1'04"24[20]
- レイアウト自体は比較的シンプルだが、氷のタイルが大量にあるため走りづらい。
- クッパ城3(Bowser Castle 3)〈ツアー〉
- 全長: 744.80m[21] / 任天堂公認目標タイム: 1'53"26[21]
- 「2」よりもコース幅がさらに狭まり、複雑な分岐ルートも存在する。中盤には道路いっぱいにドッスンが並んでいる所があり、運が悪いとそこで足止めを余儀なくされてしまう。追い抜きが非常に難しいコース設計。
- マリオサーキット4(Mario Circuit 4)
- 全長: 858.65m[22] / 任天堂公認目標タイム: 1'56"78[22]
- 序盤から息つく間もない連続カーブと、コース中央の連続ヘアピンカーブが特徴。特に最初のヘアピン手前には土管が4個も配置されているため、安定したコース取りが必要とされる。
スペシャルカップレース
本作では「マリオカートGP」の50ccでは選択できない。なお、「タイムアタック」「VSマッチレース」では特定コマンドを入力することで無条件に出現させることが可能。
- ドーナツ平野3(Donut Plains 3)〈8、ツアー〉
- 全長: 718.73m[23] / 任天堂公認目標タイム: 1'39"88[23]
- コース中央の池に掛かった2か所の桟橋を駆け抜ける。複雑なコーナーや、崩れた桟橋をジャンプで飛び越えなければならない場所がある。
- ノコノコビーチ2(Koopa Beach 2)〈DS、ツアー〉
- 全長: 436.24m[24] / 任天堂公認目標タイム: 1'13"47[24]
- 「1」とは異なり、一つの小島の周りを走る。1周は短いが、アイテムが使いづらく海に落ちやすい。
- おばけ沼3(Ghost Valley 3)
- 全長: 718.73m[25] / 任天堂公認目標タイム: 1'35"81[25]
- 数多くの穴が点在し落下を誘う。終盤には非常に道幅が狭い箇所がある。
- バニラレイク2(Vanilla Lake 2)〈ツアー〉
- 全長: 444.22m[26] / 任天堂公認目標タイム: 1'12"22[26]
- 「1」と同じようなレイアウトだが、コース中央の氷の池が目を引く。滑りやすい上、道幅が非常に狭いためにコース上をうまく走るのは難しい。中盤から終盤に掛けて、浮かぶ氷の割れ目を上手くジャンプで渡ることでショートカットが狙え、走り次第でタイムを大幅に縮めることも可能。
- レインボーロード(Rainbow Road)〈7、8(追加コンテンツ)、ツアー〉
- 全長: 654.36m[27] / 任天堂公認目標タイム: 1'35"81[27]
- 本作の最終コースで、宇宙に浮かぶ虹色のタイルの上を走るコース。カーブは全て直角で、路肩には一切フェンスがない上に、外部は全て穴である。コースの幅も狭く非常にコースアウトしやすい。踏まれると潰されるだけではなく、当たるだけで甲羅などと同等のダメージを受けてしまう、厄介なおジャマ敵キャラ「スーパードッスン」が大量に点在する。また、コインが黄色いタイルと同化しており、非常に確認しづらい。
バトルコース
( )内のコース名は各バトルコースのベースとなったコースである。
- バトルコース1(Battle Course 1) - (ドーナツ平野)〈8 デラックス〉
- 練習用コースと称されており[6]、最もフェンス(間仕切り)が少ない。外側の形状が東西南北で異なっている。
- バトルコース2(Battle Course 2) - (ノコノコビーチ)
- フェンスの配置が他の3コースと異なっている。羽根で飛び越えなければ入れず、バナナ以外の相手の攻撃アイテムが届かない水場(浅瀬)にも、アイテムパネルが数枚ある。
- バトルコース3(Battle Course 3) - (バニラレイク)
- コーナーにアイスブロックが置かれており、路面は非常に滑りやすい。
- バトルコース4(Battle Course 4) - (マリオサーキット)〈Wii〉
- 最もフェンスが多く、面積も大きい。中央に砂のダートが存在する。
開発
本作は、『アイスクライマー』の開発者である杉山直ら8人を中心に1年かけて開発された[28]。 本作は「2人用の『F-ZERO』」を起点としており、初期の段階においてマリオを題材にすることは決まっていなかった[28]。 最初に、『F-ZERO』のマルチプレイ化の実験が行われたが、ハードの制約上、同作のような長い直線コースを2画面で表示することは不可能であることが判明した[28]。そこで2画面の中に納まるよう、曲がりくねったコースデザインが設計され、必然的に速度の遅いカートレースが題材となった[28]。コース設定に当たってはヤマハリゾート合歓の郷への取材が行われた[28]。
また、最初の段階において、運転手はつなぎを着てヘルメットをかぶった男性として描かれていたが、シルエットが共通しているため、後ろ姿での見分けがつかなくなるという欠点が判明した[28]。試しにマリオを乗せてみたところ見分けがつきやすくなったことから、マリオシリーズの世界観を取り入れることが決まった[28]。さらに、マリオとルイージは色で見分けがつくことに加え、多様性を持たせることができるのも、決め手の一つとなった[28]。後ろから見た時のわかりやすさを基準に他のキャラクターの選定も行われた[28]。また、初期案におけるCOMキャラクターの妨害アイテムは運転手に合わせてオイル缶にしていたが、運転手がマリオに変更されたのに伴い、COMキャラクターの妨害アイテムの多様化も図られ、たとえばドンキーコングJr.は好物のバナナに変更された[28]。
作曲者は岡素世[29]、坂東太郎。過去のスーパーマリオシリーズ作品のBGMはあまり使用されず、おばけ沼、クッパ城、スターによる無敵状態で流れるBGMを除いてオリジナルのものとなっている。
その他
- 発売当時のCMでは、マリオ達がレースをしているアニメーションが流れ、ゲーム中の映像は使用されなかった。ナレーションは広川太一郎が担当した[注釈 7]。
- マリオカートGPやVSマッチレースでは、ドライバー選択画面であるコマンドを入力すると、選択中のキャラクターが小さくなる。この状態で決定すると、そのプレイヤーが最初から小さくなっている状態でレースが始まり、潰されても本来の大きさに戻らなくなる。
- レース中の経過時間は十分の位まで表記されているが、実際には9分59秒99までしか計測されない。
- いずれかのプレイヤーが5周目(ファイナルラップ)に突入すると、『スーパーマリオブラザーズ』などの「タイムアップ警告音」が流れた後、BGMのテンポが速くなる。
- 日本版では優勝したキャラが表彰式でシャンパンを一気飲みするシーンがあるが、海外版では飲酒表現に対する自主規制が入り、変更されている[30]。
- アイテムのイナズマを使用した時に画面全体が赤色と青色で交互に点滅する演出がある。バーチャルコンソール版では青色のみの1色の点滅表現に変更されている。
他機種版
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | スーパーマリオカート | 2009年6月9日 2009年11月23日 2010年4月2日 | Wii | 任天堂情報開発本部 | 任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) | |
2 | スーパーマリオカート | 2013年6月19日 2014年3月27日 2014年8月6日 | Wii U | 任天堂情報開発本部 | 任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) | |
3 | スーパーマリオカート | 2016年3月17日 2016年3月24日 2016年5月9日 | Newニンテンドー3DS | 任天堂情報開発本部 | 任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) | |
4 | (ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン) | 2017年9月29日 2017年9月29日 2017年10月5日 | - | 任天堂 | 任天堂 | 内蔵ソフト | |
5 | スーパーファミコン Nintendo Switch Online | 2019年9月6日 2019年9月6日 | Nintendo Switch | 任天堂 | 任天堂 | ダウンロード | 2021年5月26日に『スーパーマリオカート フルコースでおもてなしバージョン』 という特別版が配信 |
スタッフ
評価
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・9・8・7の合計32点(満40点)でゴールド殿堂入りを獲得[33]、レビュアーからの肯定的な意見としては、「『F-ZERO』のシミュレーター的味わいを薄め、ずっとゲーム寄りに仕上げている」、「キャラクターも個性がハッキリしてて◎」、「多くのフィーチャーを組み込んだおかげで、とても親切なゲームになっている」などと評されているが、否定的な意見としては、「好きに走れない分、イライラするなんて人もいる」、「シビアなバトルはあまり期待できない」、「『F-ZERO』ほどの衝撃はない」、「(F-ZEROと)どっちがいいかという比較は難しい」などと評されている[43]。
- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、24.57点(満30点)となっている[1]。この得点はスーパーファミコン全ソフトの中で14位(323本中、1993年時点)となっている[1]。また、同雑誌1993年8月情報号特別付録の「スーパーファミコンオールカタログ'93」では、「同じ任天堂のレースゲーム、『F-ZERO』にはなかった2人対戦モードができるようになったのが大きな魅力だ」と紹介されている[1]。その他、『SUPER FAMICOM Magazine』1993年8月情報号特別付録の「スーパーファミコンオールカタログ'93」巻末に収録されている「部門別ベスト30」では、キャラクタ12位、操作性17位、熱中度9位、お買い得度14位、オリジナリティ19位を獲得している[42]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.45 | 3.85 | 4.00 | 4.34 | 3.88 | 4.05 | 24.57 |
脚注
注釈
- ^ プレイモード選択時にコントローラー2で特定コマンドを入力すると、下半分がレース画面・上半分がコース全体図もしくはバックミラーという逆の構図でプレイ可能。
- ^ 2人プレイで片方もゴールせずにリタイアし、かつ2人共リトライ回数が残っている場合は、順位が高かった方が7位となる。COMキャラクターはプレイヤーを除いた直前の順位からスタートする。
- ^ 1位から順に9・6・3・1ポイント。
- ^ 同じ順位の場合は、プレイヤー、先に順位の高かった者の順で優先される。
- ^ ゲーム中ではマリオサーキットとレインボーロードを除き、「ドーナツへいやコース 1」といったように数字の前に「コース」が挿入されているが、本項では省略する。また、本作では取扱説明書や攻略本などにおいて、コース名が漢字を含めた表記になっているが、『アドバンス』以降では後のシリーズに合わせてひらがなに統一されている。
- ^ シリーズ3作目の『マリオカートアドバンス』では、一定条件を満たすと本作の全コースが隠しコースとしてプレイできるようになる。
- ^ 広川は同業他社であるセガのCMナレーションも同時期担当していた。
出典
- ^ a b c d e 「8月情報号特別付録 スーパーファミコンオールカタログ'93」『SUPER FAMICOM Magazine』、徳間書店、1993年8月1日、68頁。
- ^ 株式会社QBQ編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。(ISBN 9784866400082) p6
- ^ “Nintendo Switch Onlineからスーパーファミコンタイトルを配信開始、第1弾は20タイトル”. GAME Watch (2019年9月5日). 2019年9月6日閲覧。
- ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、11頁。
- ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、126頁。
- ^ a b 取扱説明書 (PDF)
- ^ VC スーパーマリオカート
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、24頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、28頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、32頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、36頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、40頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、46頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、50頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、54頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、58頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、62頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、68頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、72頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、76頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、80頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、84頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、90頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、94頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、98頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、102頁。
- ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、106頁。
- ^ a b c d e f g h i j 紺野秀樹; 杉山直(インタビュアー:左尾昭典)「「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」発売記念インタビュー 第4回「スーパーマリオカート篇」」『任天堂』、2017年9月21日2020年6月1日閲覧。 。
- ^ Kiyoshi Tane (2018年12月27日). “”. Engadget. 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月5日閲覧。
- ^ 株式会社QBQ編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。(ISBN 9784866400082) p65
- ^ Weiss, Brett Alan. “”. Allgame. 2014年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月7日閲覧。
- ^ a b c “Super Mario Kart reviews”. GameRankings. 2008年12月28日閲覧。
- ^ a b “スーパーマリオカート まとめ [スーパーファミコン]/ ファミ通.com”. KADOKAWA CORPORATION. 2015年4月12日閲覧。
- ^ a b “Super Mario Kart for Wii (2009) - MobyGames” (英語). Blue Flame Labs. 2018年8月25日閲覧。
- ^ “Super Mario Kart for New Nintendo 3DS (2016) - MobyGames” (英語). Blue Flame Labs. 2018年8月25日閲覧。
- ^ “Super NES Review - Super Mario Kart”. Nintendo Magazine System (EMAP) 1: 20–242008年12月28日閲覧。.
- ^ Bianco, Karn Spyder Lee (2003年9月7日). “Super Mario Kart”. Cubed³. 2008年12月28日閲覧。
- ^ Electronic Games, December 1992, pp. 79-80
- ^ Venter, Jason. “Super Mario Kart : Staff Review”. Honest Gamers. 2008年12月28日閲覧。
- ^ Heckel, Nathan. “Reviews - Super Mario Kart”. Nintendojo. 2008年12月28日閲覧。
- ^ Kramer, Josh (2004年7月29日). “Super Mario Kart - SNES Review at Thunderbolt Games”. Thunderbolt. 2008年12月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「8月情報号特別付録 スーパーファミコンオールカタログ'93」『SUPER FAMICOM Magazine』、徳間書店、1993年8月1日、104 - 107頁。
- ^ 「6月16日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 上巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月16日、39頁。
外部リンク
- スーパーマリオカート
- スーパーマリオカート - Wiiバーチャルコンソール
- スーパーマリオカート - Wii Uバーチャルコンソール
- スーパーマリオカート - Newニンテンドー3DSバーチャルコンソール