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賭博

(とばく、英: gambling、独: Glücksspiel、仏: jeu d'argent)とは、金銭や品物を賭けて勝負を争う遊戯のこと[1]

パリの路上賭博
ラスベガスのカジノでのルーレットラスベガス米国)。
ポーカーのゲーム。
競馬で金を賭ける人々(Harper's Weekly 1870年10月号掲載)

英語ではgamblingと呼ぶのが普通であるが、カタカナでは「ギャンブル」と表記されることが多い。gambleは娯楽としての賭博も含む広い考え方であり、危険性の高い冒険や意味のある危険、潜在性のある利益に手を付けること等という意味がある。

概説

賭博とは、金銭品物などを賭けて勝負を争う遊戯のことである[1]。金銭や品物などの財物を賭けて、(偶然性の要素が含まれる)勝負を行い、その勝負の結果によって、負けた方は賭けた財物を失い、勝った方は(なんらかの取り決めに基づいて)財物を得る、と言う仕組みの遊戯(ゲーム)の総称である。

日常的に賭博を行う者や、賭博を特に好む者は「賭博師」や「ギャンブラー」、「博打打ち」などと呼ばれている。賭け事の遊戯(ゲーム)を主催している者を胴元と言う。

賭博の大前提は、あらかじめ取り決め周知されている厳密なルールに従って勝負を行い、偶然もたらされた結果に従うことである[2]。胴元(主催者)側が、自分に有利になるように、様々な詐術を用いて表向きのゲームとは違うことが起きるように細工をして行う賭博を、いかさま賭博と言う。いかさま賭博は厳密には賭博ではなく詐欺に当たる[3]。よくある手法は、参加者に分からないようなかたちで、なんらかのトリック(技術や道具)を用い、相手を錯誤させ、表向きの確率期待値(見掛けの確率や期待値)とは違うように、実際の確率及び期待値を改竄して行うことである。いかさま賭博を行う者を「いかさま師」や「ゴト師」などと言う。

商業賭博の配当を決定する方式としては、あらかじめブックメーカーが倍率を決定しているブックメーカー方式や、興業主が全賭け金から一定割合を差し引き、残りの全額を勝ち投票券に分配するパリミュチュエル方式[4]ガラ馬券などに代表されるロッタリー方式などがある。日本の公営競技はパリミュチュエル方式を採用している。

大分類

賭博とは、賭事(とじ)と博戯(ばくぎ)の二つを合わせた言葉である[5]

賭事と博戯の違いは、賭ける側の人間が、賭ける対象となる勝負事の結果に当事者として関与できるか否かである[5]

  • 賭事(とじ) - 勝負事の結果に参加者が関与できないもの
  • 博戯 - 勝負事の結果に参加者が関与できるもの

公営競技、「野球賭博」「ルーレット」「バカラ」などは賭事であり、「賭け麻雀」「賭けゴルフ」「賭けポーカー」などは博戯である。「クラップス」のように、一つのゲームで賭事と博戯が混在[注釈 1]する場合もある。

富くじ」の場合、数字が選べないタイプは購入者が結果を予測することも出来なく、結果にも関与できないため賭事である。数字選択式では、公営競技と同様に結果を予測することは可能であるが同様に結果にも関与できないため賭事である。全ての日本の「宝くじ」として売られているものについては締め切り後には追加購入を含めくじの当選に関わる関与は一切出来ない。

チェス将棋囲碁といった偶然の要素が無い二人零和有限確定完全情報ゲームの勝敗を予測することは賭事であるが、プレイヤー同士が自身の勝利に金銭をかけた場合は博戯となる。自身がプレイヤーとなるギャンブラーは真剣師とも呼ばれる。

先秦時代の中国では囲碁と共に六博(博)というすごろくに類似したボードゲームが流行しており、博をプレイする(打つ)ことから「博打」と言う言葉が生まれた[6]。よって「博打を打つ」「博打打ち」という言葉は本来二重表現であるが、「博打」が「賭博」の同義語として扱われるようになると、二重表現とはみなされなくなった。

さまざまな金融商品相場にも、その賭博性が提起されることがある。金融商品の中でも、保険は娯楽としてのギャンブルと全く同様の技術で実現されている。保険の歴史は賭博から生まれた物であり、事故に遭遇するというギャンブルに金銭を賭けるもの、とされているからである(賭博の用語ではオッズと呼ばれる物は保険用語では「等級」と呼ばれる。医療保険においては病気のリスクの少ない若年層のオッズは高いが、年配者の場合はオッズは低く、逆に自動車保険においては事故率の高い若年層の方がオッズは低くなる。保険商品では「配当金」は固定のためオッズが低い、すなわち保険給付事由が発生する可能性が高いほど保険料は高くなり、その可能性が非常に高いと判断される場合は保険の契約自体ができない)。

先物取引オプション取引外国為替相場株式の購入など、通常であれば商品取引(相場)あるいは株式などのように、投資の範疇に含まれる行為のうち、手持ちの現金以上の金額を投じることのできる信用取引や、投機と呼ばれるハイリスク・ハイリターンな取引[注釈 2]を、広い意味でのギャンブルに含むこともある。なお、日本では特定の株の上がり下がりを賭ける合百という直接的な賭博も行われていた[7]

世界的には歴史上、手品のはじまりといわれるCup and balls(カップアンドボール)が賭け事の対象としてヨーロッパ中東地中海地方、遠くは中国まで広がったが、行う者が手品師と同義であることから、いわゆる「いかさま賭博」とも言える。

世界の賭博

賭博は世界で広く行われており、各地に多種多様な賭博が存在する。カジノ開設が認められている国では、カジノ内でさまざまな賭博が行われている。またイギリスオーストラリアドイツ等にはブックメーカー(bookmaker)なども存在し、殆どあらゆる事をギャンブルの対象にしている。

カジノゲーム

カジノで行われるカジノゲームは、大きくテーブルゲーム・ゲームマシン・その他の3種類に分かれる。テーブルゲームはさらに、ブラックジャックバカラポーカーなどのようにトランプを用いるもの(カードゲーム)、クラップス大小のようにサイコロ(ダイス)を用いるもの、ルーレットファンタン牌九のようにどちらにも属さないものに分けられる。ゲームマシンとしてはスロットマシンなどがある。キノなどのテーブルゲーム、ゲームマシンのいずれにも属さないものはその他に分類される。

ほとんどのカジノゲームは「カジノ」対「客」という形でゲームを行う。例えばルーレットでは、客が勝てばカジノ側がチップを支払う。一方でポーカーの場合は客同士で勝敗を決めるゲームで有り、テーブルでの敗者が勝者にチップを支払う。カジノ側はゲームの進行やサービスを行い、ゲーム毎の手数料を得るシステムである。

レース・競技

動物や人間を競わせ、その勝敗を賭博の対象とすることは古来から広く行われている。

動物を対象とした賭博としては闘犬闘鶏闘牛昆虫相撲など、動物同士を戦わせ、勝敗を賭ける賭博がある。家畜化されていない動物を用いる例もあり、ニワトリ家畜化されたのは本来食用ではなく、(祭祀)用、または闘鶏に用いるためだったと考えられている[8]。中国では玄宗期以降、コオロギ同士を戦わせる闘蟋が盛んとなった。多数の動物をコースで走らせ、勝敗を予測する賭博として競馬、ラクダレース、ドッグレースなどがあり、その日の全レースや特定の順位まで着順を予想するなど難易度を上げた掛け方もある。特に競馬は馬の飼育や品種改良など、馬の文化に大きく関わった。またブックメーカー競馬新聞馬券予想会社など関連産業も発展した。

スポーツの結果を賭博の対象とすることも広く行われており、2009年には、世界の商業賭博総額の内、競馬が7%、スポーツくじが5%を占めていた[9]。ただしスポーツ賭博に対する態度は国によってさまざまであり、さらに同じ国内においてもスポーツ賭博の対象として認められている競技と、一切禁じている競技とが存在する。日本では競馬(中央競馬地方競馬)のほか、モーターボート(競艇)、自転車(競輪)、オートバイ(オートレース)が公営競技として認められており、また2001年からはサッカーを対象にスポーツ振興くじが発売されている。日本国外では、ハイアライなども賭博スポーツとして認可されている国が存在する。

その他の賭博

日本古来の賭博としては手本引丁半賭博などがある。

宝くじも賭博の一種であり、世界各国で行われている[10]

規制

世界のほとんどの国家において、賭博行為には何らかの規制がかかっており、完全に禁止している国家も存在する。宝くじは古くから政府や公共事業の重要な財源となる一方、道徳的な問題や絶えない不正から問題視されることも多く、19世紀には一度ヨーロッパのかなりの地域で禁止され、再び解禁されるのは主に第二次世界大戦後のことだった[11]。カジノが開設されている国家においても、例えばネパールカンボジアのように自国民の利用を禁止し外国人観光客のみが利用できる国家や、韓国のように1カ所を除き外国人専用としている国家、シンガポールのように高額な入場料を設定し失業者の入場を禁じている国家など、さまざまな規制を設けて利用者層を制限する国家も多い[12]。韓国のように国民に対して外国での賭博を禁じる国もあり、マカオなどにある立地国では合法な外国人向けカジノでの賭博が罪となる[13]

賭博を禁止しているイスラム教の影響が大きい地域では、国民が外国で賭博を行うこと以外にも、賭博と同様の技術で実現されている保険の提供を禁止している場合があり、タカフルと呼ばれる共済のような方法で保険サービスを実現している。

日本

 
賭場で賭博。

日本においては刑法185条から187条において賭博及び富くじに関する罪が規定されており、違反者には刑罰が科せられる。一方で、競馬競艇競輪オートレースといった公営競技や、宝くじスポーツ振興くじに関しては特別法によって公営でのギャンブルが認められている。

公営競技で最も早く認められたものは競馬であり、戦前から馬券発行が公認されていた[14]。第二次世界大戦後、第二次世界大戦中には戦費調達のために政府によって「勝札」と呼ばれる宝くじの発行が開始され、敗戦後は宝くじと名を変えて大々的に行われるようになった[15]。この後、1954年に政府の宝くじ発行は中止され、都道府県政令指定都市が宝くじ発行の主体となった[16]。1948年から1951年にかけて競艇[17]、競輪[18]、オートレース[19]が相次いで公営競技化された。賭博と同様の技術である保険についても規定が有り保険業法で定められており、販売には制限がある。

日本国内において麻雀は賭け事として行われることもあるが、その場で消費可能な飲食物や食事代金の負担は「一時の娯楽に供するもの」として賭博とみなされないこともある。

その他

賭博規制を緩和する国もある。一例として、1992年にスポーツ賭博を禁止した[20]アメリカにおいて、2018年に最高裁でこの禁止法の違憲判決が出され、スポーツ賭博の解禁を認めたことなどがあげられる[21]。しかしアメリカのプロスポーツ界のほとんどがこの判決に異議を唱えた[21]ように、賭博解禁には強い反対の声が上がる場合が多い。

経済

各国において強い規制がかけられている一方で、賭博を楽しむ人々は全世界に存在し、経済的にも大きな存在となっている。2009年には全世界の合法的な商業賭博の総売上は3350億ドルに達した[20]。このうち規模の大きなものは宝くじなどのくじ類と、カジノやゲームマシン、ビンゴ等である。2015年には、オンラインカジノも含む全世界のカジノの売り上げは1828億ドルに達していた[22]。こうした賭博の利益の源泉は、胴元が賭博の売り上げの中から一定の割合で控除する金銭、いわゆるテラ銭である。この控除金額は賭博や地域によって異なっており、一般的にカジノゲームでは2%未満から5%[23]、それぞれ平成20年度で日本の公営競技が25.2%、サッカーくじが50.4%、宝くじが54.3%となっている[24]。宝くじの控除金額は世界的に見ると50%前後が多い[10]。宝くじは古くから公共の利益のために目的税的な利用をされることが多く[25]、国や州などの政府が主体となって販売され、その重要な財源となっている[10]

世界には、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのように、賭博を合法化して観光資源の一つとすることで世界中から観光客を集めている都市もある。カジノ事業に乗り出す地域は増加しており、とくに2010年に始まったシンガポールのカジノが大成功を収めたことでこの流れはアジアにおいて加速した[26]。日本でも2016年12月15日に統合型リゾートの設置を目的とした「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(IR推進法)が成立した[27]

カジノの存在する主な都市は、以下のようになっている。この中でも、古くからカジノを中心として栄えたラスベガス[28]、2002年に外国資本にカジノ経営が開放された[29]後に中国大陸の経済成長に伴って急成長し、2013年にはラスベガスの7倍の売り上げを誇るようになったマカオ、2010年のカジノ開設後急速に成長して2013年にはラスベガスと同程度の売り上げとなったシンガポールの3都市が特に規模としては大きい[28]。このほかにも多くの国にカジノは存在し、約140カ国でカジノは合法化されている[30]

ギャンブル禁止の経済効果

オーストラリアでは、市中のパブクラブスロットマシンが置かれている。店に出入りできる年齢であれば気軽にギャンブルができる環境にあったが、2020年3月23日には、新型コロナウイルスの感染拡大によりパブやクラブが一時閉鎖され、ギャンブルができる環境が失われた。ギャンブル問題を啓発する団体は、閉鎖された後一か月間に少なくとも10億豪ドル(約690億円)がスロットマシンにつぎ込まれずに済んだこと、それら金額が食卓の食べ物、医療費や光熱費、家賃、住宅ローンの支払いに充てられることが可能になったこと、ギャンブル依存症なども緩和されたことなどの効果を指摘した[34]

賭博の問題点

 
マカオのカジノ・リスボアの夜景

賭博・ギャンブルは、人の射倖心をくすぐり、時に中毒的な依存状態を招き、破産や人格崩壊に至り、果てには自殺殺人に及ぶ場合もある。賭博の問題は人間の歴史が始まった頃から認識されており、「マハーバーラタ」や「千夜一夜物語」など古代の物語に、賭けに熱中するあまり、全財産を失ったりイカサマではめられるというトラブルも描かれている。

また、賭博はいくら多額の金が賭けられても、胴元と参加者、あるいは参加者同士の間でその金が行き来するに過ぎず、経済生産が生じないため、そのような非生産的な行為に人々のエネルギーが費やされてしまうと、生産的な行為を阻害する可能性があるとの主張も存在する。ただしこれに関しては、そもそも賭博はスキーテレビなどと同じく娯楽に属しており、これらと同様に様々な効用を生み出しているため非生産的な活動とは見なせないとの反論も存在する[35]

違法賭博が暴力団や(犯罪組織)などの反社会的勢力の資金源になるなど、社会問題も多く内包する。ただしこれに関しては、当該賭博を合法化し法規制の下に置くことで金の流れを透明化し、反社会的集団との関係を断ち切ることが可能であり、これが賭博合法化の大義名分とされることも多い[36]

スポーツを賭博の対象とする場合、競技者を買収してわざと勝負に負けさせ、自らの賭けた方に勝利させる、いわゆる八百長が起きることがあり、全世界で重大な問題となっている[20]。八百長が起きるのはスポーツ賭博の合法非合法を問わないが、プロスポーツの前提である公正性を侵害する行為であるため、実行者は厳しく処罰されるのが通例である。またこの公正性への懸念が、既存のプロスポーツへのスポーツ賭博の導入に対する反対論の有力な根拠となっている[21][37]

32 か国を対象とした 2020 年の調査では、特定の国でのギャンブル活動の量が多いほど、その国の株式市場の価格がより変動しやすいことがわかった[38]

ギャンブル依存症

ギャンブルを行わないと日常生活に支障が出る人における依存症精神疾患)であり、世界保健機関(WHO)では「ギャンブル障害(ギャンブリング障害)[39]」「病的賭博[40]」と言う名称を使用している。この疾患にかかった人をギャンブル依存症者と呼ぶ。

自己の生活基盤・価値観、仕事や学業、家族や友人などの人間関係を犠牲にしてでもギャンブルを続けてしまう、と言う進行性を伴う。

この疾患を克服するためには、心理療法、適切な専門職の介入、自助グループへの参加などの方法がある。また当事者に対し、「一生ギャンブルに手を出さない」「新しい生き方を学ぶ必要がある」と言うことを認識させることが必要とされている。それは、再びギャンブルに手を出せば元の依存状態になってしまうからである。

子供とギャンブル

イギリスでは大人の監督下であることやメダルゲームなど賭け対象に制限はあるものの、子供が金を賭けてギャンブルを行うことが合法となっている[41]。子供のギャンブルはイギリス流の休日の楽しみ方のひとつであり、大人としての責任ある行動を経験させるものだという言説もあるが、ギャンブル依存症の患者の中には子供の頃のギャンブル体験を発端に挙げる者も多い[41]。また、ギャンブルが得意な子供はギャンブルでずっと勝ち続けることは自分にとって当然で、その報酬は正当な見返りである、という間違った幻想を抱くリスクがあるとも指摘される[41]

宗教界での賭博に関する見解

ギャンブルには働かずに金持ちになれる(不労所得)という誘惑があり、世界宗教を始めとして多くの宗教で戒められている[41]

賭博とイスラム教

イスラム教成立以前の中東では矢を使った籤(賭矢、マイスィル)でラクダの肉を賭けるギャンブルが盛んに行われていた[42][43]。このほかに競馬やポロが広場で行われ、社交の場としても機能していたとされる[43]千夜一夜物語には、王達による金銭や奴隷をかけたシャトランジの勝負が描かれている。カードゲームは喫茶店などで行われていた[43]

イスラム教クルアーン雌牛の章において、マイスィルは人の利益となる面もあるが悪影響の方が大きいという記述がある[43]。当時は気前の良さを競うため法外な額(に相当する分量)が賭けられることもあったとされ、ムハンマドはこれを諌めたという説もある[43]。また食卓の章にも、マイスィル、偶像、占い矢は悪魔の業であるという記述がある。

イスラム教が広まった後も賭博の是非についての記述があることから、違法な賭博は行われていたと推察されている[43]

現代のイスラム教国では国内での賭博は禁止されているが金銭を賭けない場合は見逃されており、一部の国や地域では競馬やラクダレースが純粋な競技として行われている。勝ち馬の予想を当てた場合は、払戻金ではなく、賞品や商品の引換券[注釈 3]がもらえる。これは「賭博ではない」と言い逃れができるようにするための主催者の知恵である。なお、世俗化が進んだ地域ではギャンブルも行われている。

その他のキリスト教の宗派

ギャンブルに反対する他の教会には、エホバの証人末日聖徒イエス・キリスト教会[44]イグレシア・ニ・クリスト[45]、およびメンバーズ・チャーチ・オブ・ゴッド・インターナショナルが含まれる。

歴史

賭博の起源としては、吉凶を偶然に託す占い[46]、正邪の判断を神に託す裁判神判[47]、そして神に捧げるための競技[48]の3つが源流であると考えられている。賭博は自らの所有物や財産を賭して勝負をし、勝てば利益を得て相手の賭けたものを自らの私有物とすることによって成立するため、個々人が私有財産を所持するようになり、原初的な私有財産制が成立してはじめて開始されたと考えられている[49]

日本では、689年には持統天皇によって雙六((盤双六))賭博禁止令が出されたとの記述が日本書紀に存在し[50]、以後頻繁に時の政権によって賭博禁止令は出されていた。『古事記』にも、秋山之下氷壮夫(あきやまのしたひおとこ)が、春山之霞壮夫(はるやまのかすみおとこ)に伊豆志八前大神(兵庫県豊岡市出石)の娘の伊豆志袁登売神(いずしおとめのかみ)との結婚の成否で賭けを申込み、兄弟の母神が賭けを申し出た秋山命を懲らしめる話がある。賭博禁止は明治政府もこれを継続した。1884年(明治17年)1月4日、賭博犯処分規則が定められた(太政官布告)。第二次世界大戦後には相次いで公営ギャンブルが認可され、隆盛を迎えた。一方でこれまで私的に行われていた伝統的な賭博は衰退し、私的賭博でもパチンコ麻雀といった新たなゲームが主流となった[51]

その他

賭博、とくにサイコロ賭博の勝敗に関する考察は、どのような目がどのくらいの率で出てくるか、すなわち確率という考え方につながっていった。16世紀半ばにはイタリアのジェロラモ・カルダーノがサイコロの出目に関して初歩的な確率の計算を行い、17世紀にはサイコロ賭博に関する相談を受けたブレーズ・パスカルピエール・ド・フェルマーと往復書簡を交わし、この中で理論としての確率論が誕生した[52]

関連作品

映画

ギャンブルをテーマにした映画アクション映画の一種として扱われることがある。

テレビドラマ

書籍

小説

  • 賭博者』、フョードル・ドストエフスキー、1866年

ライトノベル

  • バクト!』、海冬レイジ、富士見ミステリー文庫、2005年 - 2006年
  • ノーゲーム・ノーライフ』、榎宮祐、MF文庫J、2012年 - 、漫画・アニメ作品あり
  • 『(ギャンブルビート 博打代行)』、鬼霧宗作、双葉社、2013年
  • 賭博師は祈らない』、周藤蓮、電撃文庫、2017年 ‐ 2019年

漫画

ギャンブルをテーマにした漫画福本伸行がギャンブル漫画の第一人者とされる。バトル・アクションの要素が取り込まれることがある。

アニメ

ミュージカル

  • 『』、デイモン・ラニアン、ブロードウェイ、1950年

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ サイコロを投げてその目の出方に掛ける競技であるが、サイコロを投げる役であるシューターがプレイヤーに回り、シューターも他の役と同様に掛けることが出来るため、賭事と博戯が混在している。
  2. ^ 投資商品の中でも、当たれば巨額の利益が得られるが、相場の値下がりなどによる投資額の損失リスクが高いもの。
  3. ^ この場合の引換券は「ゲームカード」と言われ、当てれば粗品がもらえるカードの意。

出典

  1. ^ a b 広辞苑第六版「賭博」
  2. ^ 「賭博1」(ものと人間の文化史40-1)p64-66 増川宏一 法政大学出版局 1980年6月20日初版第1刷
  3. ^ 「賭博1」(ものと人間の文化史40-1)p45 増川宏一 法政大学出版局 1980年6月20日初版第1刷
  4. ^ 「カジノ産業の本質 社会経済的コストと可能性の分析」p94 ダグラス・M・ウォーカー 佐々木一彰・仁木一彦監訳 山田美明・田畑あや子・岡本由香子訳 日経BP社 2015年6月15日第1版第1刷発行
  5. ^ a b 大谷實『新版刑法講義各論[追補版]』(成文堂、2002年)533頁
  6. ^ 呉智英『言葉につける薬』(双葉社1994年 ISBN (4-575-28339-8) )93頁「ばくち打ちは二度ばくちを打つ」より
  7. ^ 「合百賭博に手入れ 女もまじえた一味二十二名検挙」『日本経済新聞』昭和24年6月23日2面
  8. ^ 「ニワトリの動物学」(アニマルサイエンス5)p20 岡本新 東京大学出版会 2001年11月6日初版
  9. ^ 「スポーツの世界地図」p104-105 Alan Tomlinson著 阿部生雄・寺島善一・森川貞夫監訳 丸善出版 平成24年5月30日
  10. ^ a b c 「宝くじ問題検討会報告書 平成22年11月 宝くじ問題検討会」 (PDF) 日本国総務省 2020年2月19日閲覧
  11. ^ 「宝くじの文化史 ギャンブルが変えた世界史」p16-17 ゲイリー・ヒックス著 高橋知子訳 原書房 2011年11月10日第1刷
  12. ^ 「アジア各地に外国人専用カジノ、恩恵と損失の狭間で政府苦肉の策」 AFPBB 2013年1月29日 2020年2月18日閲覧
  13. ^ 武宏, 慎. “高級クラブ嬢から借金、税金滞納、闇カジノでバカラ賭博、そして…イチローとWBC決勝で名勝負を演じた林昌勇(46)の転落人生”. 文春オンライン. 2023年2月22日閲覧。
  14. ^ 「公営競技の文化経済学」(文化経済学ライブラリー1)p12-13 佐々木晃彦 芙蓉書房出版 1999年3月31日第1刷
  15. ^ 「賭博3」(ものと人間の文化史40-3)p337-338 増川宏一 法政大学出版局 1983年10月5日初版第1刷発行
  16. ^ 「宝くじ問題検討会報告書 平成22年11月 宝くじ問題検討会」 (PDF) 日本国総務省 2020年2月18日閲覧
  17. ^ 「公営競技の文化経済学」(文化経済学ライブラリー1)p21 佐々木晃彦 芙蓉書房出版 1999年3月31日第1刷
  18. ^ 「公営競技の文化経済学」(文化経済学ライブラリー1)p28 佐々木晃彦 芙蓉書房出版 1999年3月31日第1刷
  19. ^ 「公営競技の文化経済学」(文化経済学ライブラリー1)p34 佐々木晃彦 芙蓉書房出版 1999年3月31日第1刷
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  27. ^ 「【IR法成立】「観光立国の実現の第一歩」高まる経済効果への期待」 産経新聞 2016年12月15日 2019年12月22日閲覧
  28. ^ a b 「本物のカジノへ行こう!」p90 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
  29. ^ a b 増子保志, 「マカオカジノ産業における構造変化 -転換点としての対外開放-」 日本国際情報学会 『国際情報研究』13巻 1号 2016年12月25日発行, p.26-36, 2020年2月18日閲覧。
  30. ^ 「本物のカジノへ行こう!」p84 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
  31. ^ a b c d 「カジノ産業の本質 社会経済的コストと可能性の分析」p19 ダグラス・M・ウォーカー 佐々木一彰・仁木一彦監訳 山田美明・田畑あや子・岡本由香子訳 日経BP社 2015年6月15日第1版第1刷発行
  32. ^ 「本物のカジノへ行こう!」p20 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
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  41. ^ a b c d ジョナサン・ウルフ 『「正しい政策」がないならどうすべきか:政策のための哲学』 大澤津・原田健二郎訳 勁草書房 2017年 第2刷 (ISBN 9784326154401) pp.56-60.
  42. ^ イスラーム契約のシャリーア(イスラーム法)適合性 - 平成30年度土木学会 小林潔司会長情報発信プロジェクト 基礎知識 08_2018.10 月版
  43. ^ a b c d e f 『イスラーム世界がよくわかるQ&A100』/第6章 Q82:カフェでトランプをしているようですが、お金を賭けているのでしょうか。 - AA研
  44. ^ “ギャンブル”. 2018年5月14日閲覧。
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  51. ^ 「賭博3」(ものと人間の文化史40-3)p339-340 増川宏一 法政大学出版局 1983年10月5日初版第1刷発行
  52. ^ 「歴史と統計学 人・時代・思想」p94 竹内啓 日本経済新聞出版社 2018年7月25日第1刷

関連項目

外部リンク

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