「ZERO LANDMINE」(ゼロ・ランドマイン)は、坂本龍一の呼びかけにより結成された期間限定の音楽ユニット、N.M.L.が2001年4月25日にCDで、同年8月22日に30cmレコード[1]でワーナーミュージック・ジャパンよりリリースされた楽曲。
概要
2001年4月30日にTBSテレビで放送された特別番組、TBS50周年特別企画『地雷ZERO 21世紀最初の祈り』にて放送された楽曲。坂本の主旨に共感した国内外のアーティストや演奏家が集結、N.M.L.(NO MORE LANDMINE)という音楽ユニットを結成した。タイトルなどで記載されている「LANDMINE」とは地雷の意味である。デジパック仕様のディスクジャケット写真には実際に埋設されていた様々な地雷が使われており、チャリティーの趣旨をよく表している。
このCD売上は全て地雷除去のチャリティーに充てられており、その収支はホームページで確認する事が出来[2]、売上金はすべて地雷撤去などの資金になり、利益は地雷が除去される活動を行っているNGO(Halo Trust等)に送られた[1]。
同曲は、前半部が未だに地雷が埋まっている国々の内の数カ国の民族音楽、後半部がメインの歌唱部分として構成されており、18分を超す大作に仕上げている。全編英語詞であり、詞は坂本の長年の友人であるデヴィッド・シルヴィアンが担当。デヴィッドに歌詞制作を依頼する際に坂本は、「子供にも歌える様なシンプルな歌詞を書いて欲しい」と注文した。坂本は出来上がった歌詞を見て「普段のデヴィッドの書く難解な歌詞からは想像出来ない程のシンプルな歌詞が出来上がった」とのライナーノーツを歌詞カードに記している。更に、坂本と親交の深い村上龍によって翻訳された日本語詞も作られ、「地雷のない世界」と名付けられた。この音楽の内容は、三省堂の高校用英語IIの教科書『CROWN ENGLISH SERIES II』にも掲載された。2013年8月現在、オリコンシングルチャート1位を獲得した作品の中で、表題曲の演奏時間が最も長い。
収録曲
作曲・坂本龍一、作詞・デヴィッド・シルヴィアン
- ZERO LANDMINE(18:26)
- ZERO LANDMINE -Piano+Vocal version-(4:46)
- 坂本のピアノとデヴィッド・シルヴィアンのボーカルのみで構成されている。
- 前出の特別番組の放送終了直前にも使用された。
- ZERO LANDMINE -Piano+Cello version-(5:22)
- レコーディングの際、藤原真理のチェロの演奏に手応えを感じた坂本が、自身のピアノとのデュオにて急遽レコーディングしたバージョン。
- ZERO LANDMINE -Short version-(4:59)
- イントロのサウンドロゴと後半の歌唱部分のみで構成されているバージョン。
- 音楽家によるレコーディングの模様を使用してミュージック・ビデオが制作された。
- ZERO LANDMINE -Piano version-(5:22)
- 坂本のピアノ演奏のみで構成されているバージョン。
- ZERO LANDMINE -THE TRACK-(4:59)
- ショート・バージョンから歌唱トラックを抜いたバージョン。
主な参加ミュージシャン
楽曲全体
- 高橋幸宏(ドラムス)
- スティーヴ・ジャンセン (ドラムス)
- 細野晴臣(ベース)
- 坂本龍一(キーボード、ピアノ)
日本国外アーティスト(五十音順)
- アート・リンゼイ
- ヴァルデマール・バストス
- ウスタッド・スルタン・カーン
- クラフトワーク(「ZERO LANDMINE」のサウンドロゴ)
- シンディ・ローパー
- ソナリ・ラソッド
- タルヴィン・シン
- デヴィッド・シルヴィアン
- ブライアン・イーノ
- ヤドランカ
- 金徳洙(キム・ドクス)
日本国内アーティスト(五十音順)
脚注
出典
外部リンク
- Zero Landmine (siteSakamoto)
- 地雷ZEROキャンペーン委員会 (TBSウェブサイト)
- ZERO LANDMINE - Discogs (発売一覧)