「B・BLUE」(ビー・ブルー)は、日本のロックバンドであるBOØWYの楽曲。
「B・BLUE」 | |||||||
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BOØWY の シングル | |||||||
初出アルバム『BEAT EMOTION』 | |||||||
B面 | 「WORKING MAN」 | ||||||
リリース | |||||||
規格 | (7インチレコード) | ||||||
録音 |
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ジャンル | |||||||
時間 | |||||||
レーベル | 東芝EMI/イーストワールド | ||||||
作詞 | 氷室京介 | ||||||
作曲 | 布袋寅泰 | ||||||
プロデュース |
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チャート最高順位 | |||||||
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BOØWY シングル 年表 | |||||||
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EANコード | |||||||
EAN (4988006005778)(1986年・7") EAN (4988006050822)(1989年・CD) |
1986年9月29日に東芝EMIのイーストワールドレーベルから4枚目のシングルとしてリリースされた。作詞は氷室京介、作曲・編曲は布袋寅泰、プロデュースは布袋および糟谷銑司が担当している。
前作「わがままジュリエット」(1986年)よりおよそ7か月ぶりにリリースされたシングルであり、5枚目のアルバム『BEAT EMOTION』(1986年)からの先行シングルとなった。軽快なビートのBOØWYサウンドを代表する曲であり、解散までの全てのライブにおいて演奏され同バンドの代表曲となった。
オリコンチャートでは最高位7位となり、BOØWYとしては初のトップ10入りを果たした。後に氷室によってセルフカバーされた他、The Spy“C”Dildogや滝沢乃南によってカバーされている。
音楽性とタイトル
アルバム『BEAT EMOTION』のために書き下ろされた曲[1]。『音楽誌が書かないJポップ批評18 BOØWYと「日本のロック」』では、「軽快なビートにキレのあるボーカルがドラマティックに絡み、BOØWYサウンドのひとつの頂点を極めた曲」であると記載されている[2]。
当初は「BABY BLUE」および「TRUE BLUE」というタイトルが候補となっていたが、ありきたりなタイトルであるという理由で「B・BLUE」に変更となった[1]。また、同時期にアメリカ合衆国の女性歌手であるマドンナが同名のシングル「トゥルー・ブルー」をリリースした事も変更の要因となった[2]。『音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』にてライターの安部薫は、小説家である松浦寿輝による「宮沢賢治が使用する『青』の中に残酷さと幸福感が存在する」という一文を参照した上で、「孤独な心の住処である夜の暗闇の『青』と、傷つきながらもそこからの飛翔を予感させる空の『青』が歌詞に織り込まれているあたりは、賢治の『青』と共通するものがある」と述べ、また歌詞中の「乾いた風」は群馬県人であるが故の「空っ風」のイメージであるとも述べている[3]。
リリース
1986年9月29日に東芝EMIのイーストワールドレーベルから7インチレコードの形態でリリースされた。アートワークはペーパースリーブジャケット。シングル盤でありながらドーナツ盤用のアダプターを使わないLPと同じセンターホールでプレスされている。ジャケットと同デザイン、ほぼ同サイズのステッカーが初回プレスのみ付属。
1989年5月24日には8センチCDの形態で再リリースされた。2013年2月27日にはCD-BOX『BOØWY SINGLE COMPLETE』に収録されて再リリースされた[4][5][6][7]。
プロモーション
BOØWYのプロモーションに関してはレコード会社のプロモーターに一任せず、ストリート感覚を持つ学生を中心としたプロモーション展開がなされており、学生を中心とした「B・BLUE BOYS」というボランティアチームが結成され、本作リリース日には「B・BLUE」と表示されたキャップを被ったチーム員が歩行者天国を移動するなどのプロモーションが行われた[8]。
BOØWYとしては初のヒットを記録したシングルであり、発売当時にはTBS系音楽番組『ザ・ベストテン』(1978年 - 1989年)にもランクインしたが、司会者の思惑通りになってしまう事や待ち時間の長さを危惧したために出演拒否を続ける事になった[9][2]。一方で1986年11月5日放送のフジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』(1985年 - 1989年)には同曲で出演し、ギタリストの布袋が当時妻であった山下久美子との夫婦喧嘩で手を骨折してしまったエピソードを語っている。また同年12月3日放送の同局のバラエティ番組『オールナイトフジ』(1983年 - 1991年)にも出演し、本作の他に「BEAT SWEET」および「ONLY YOU」を演奏した。
チャート成績
オリコンチャートにおいて、最高位7位となり、リリース当初は登場週数15回で売り上げ枚数は13.1万枚であったが[10]、最終的には登場週数7回で売り上げ枚数は13.7万枚となった[11]。
ミュージック・ビデオ
前作に続き、正式なミュージック・ビデオが制作されている。監督は邱世源。特にストーリーなどはなく、バックに花があしらわれた舞台で4人のメンバーが演奏している内容となっている。
ライブ・パフォーマンス
初披露は本作リリース前の1986年8月4日に都有三号地で行われた「ROCK STAGE in 新宿」で[2]、イントロのドラムソロにギターとベースが重ねられていたり歌詞が若干違った。
ライブでは詞の最後の一節「Girls」の部分は低い音程で歌唱される事が多かったが、最終公演となった「“LAST GIGS”」では高い音程で歌唱された[1]。
本作リリース後は必ずライブで演奏されており、横浜、神戸で開催された「CASE OF BOØWY」では、「WORKING MAN」のアウトロと本曲のイントロが重なる形で演奏された。また、『BEAT EMOTION』を受けたコンサートツアー「ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR」や最終公演となった「“LAST GIGS”」では1曲目に演奏されている。
メディアでの使用
少年隊主演の映画『19 ナインティーン』(1987年)では挿入歌のひとつとして、柳生博が登場する後半のドライブシーンで流れている。
カバー
- The Spy“C”Dildog - 『BOØWY Tribute』(2003年)[12]
- 氷室京介 - 『21st Century Boøwys Vs Himuro』(2004年)
- 滝沢乃南 - シングル(2007年)
- レコーディングでは元BOØWYメンバーの高橋まことがドラムで参加している。
シングル収録曲
スタッフ・クレジット
BOØWY
スタッフ
- 布袋寅泰 - サウンド・プロデューサー
- 坂元達也 - レコーディング、リミックスエンジニア
- 川口聡 - アシスタント・エンジニア
- 園田一恵 - アシスタント・エンジニア
- 岡崎ヨシオ - マスタリング・エンジニア
- カッツ三宅 - アートディレクション、デザイン
- 加藤正憲 - 撮影
- TACO AIDA - スタイリスト
- 糟谷銑司(ユイ・ロック・プロジェクト) - プロデューサー
- 子安次郎(東芝EMI) - ディレクター
- 土屋浩(ユイ・ロック・プロジェクト) - マネージャー
- ゾンビ鈴木 - ローディー
- ワンワン関口 - ローディー
- 後藤由多加 - エグゼクティブ・プロデューサー
- 石坂敬一 - エグゼクティブ・プロデューサー
収録アルバム
B・BLUE
- スタジオ音源
- 『BEAT EMOTION』(1986年)
- 『“SINGLES”』(1988年)
- 『THIS BOØWY』(1998年)
- 『THIS BOØWY DRASTIC』(2007年)
- 『』(2013年)
- ライブ音源
- シングル「ONLY YOU」B面(1986年)
- 『“LAST GIGS”』(1988年) - 1988年4月5日の東京ドーム公演から収録。
- 『“GIGS” CASE OF BOØWY』(2001年) - 1987年7月31日のワールド記念ホール、1987年8月7日の横浜文化体育館公演から収録。
- 『GIGS at BUDOKAN BEAT EMOTION ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR 1986.11.11〜1987.02.24』(2004年) - 1987年2月24日の日本武道館公演から収録。
- 『(“GIGS” CASE OF BOØWY COMPLETE)』(2007年)
- 『(“LAST GIGS” COMPLETE)』(2008年)
WORKING MAN
- スタジオ音源
- 『BEAT EMOTION』(1986年)
- 『“SINGLES”』(1988年)
- 『THIS BOØWY』(1998年)
- 『BOØWY THE BEST "STORY"』(2013年)
- ライブ音源
- 『“LAST GIGS”』(1988年)
- 『“GIGS” CASE OF BOØWY』(2001年)
- 『GIGS at BUDOKAN BEAT EMOTION ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR 1986.11.11〜1987.02.24』(2004年)
- 『“GIGS” CASE OF BOØWY COMPLETE』(2007年)
- 『“LAST GIGS” COMPLETE』(2008年)
リリース履歴
脚注
- ^ a b c B to Y 2004, p. 85- 「WORKS」より
- ^ a b c d 別冊宝島 2002, p. 115- 不二雄、江口崇、編集部「『BOØWY COMPLETE』全114曲完全楽曲解説!」より
- ^ 別冊宝島 2006, p. 114- 「BOØWY 全79曲 勝手にライナーノーツ」より
- ^ “BOOWYシングルコンプリート7枚組、伝説の書籍復刻も”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2012年11月28日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ “BOφWY、復刻版シングル収めた限定生産ボックスが2013年2月に登場”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2012年11月28日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ “BOØWY“SINGLE COMPLETE”が来年2月に発売決定!”. CDジャーナル. 音楽出版 (2012年11月28日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ “BOØWY、30周年を記念したタワレコ渋谷店とのコラボ企画『TØWER×BOØWY』開催”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2012年12月19日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ B to Y 2004, p. 96- 「WORKS」より
- ^ 高橋まこと 2017, p. 176- 「3章 酒とバラの日々(1982年~1993年)」より
- ^ オリコンチャートブック アーティスト編 1988, p. 290.
- ^ “B・BLUE|BOΦWY”. オリコンニュース. オリコン. 2023年1月29日閲覧。
- ^ “解散から15年を経ても減衰しないBOOWYのトリビュート&リスペクト・アルバム”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2003年12月15日). 2021年8月9日閲覧。
参考文献
- 『オリコンチャート・ブック アーティスト編 全シングル作品 昭和43年-昭和62年<20年>』オリコン、1988年10月8日、290頁。ISBN (9784871310215)。
- 「音楽誌が書かないJポップ批評18 BOØWYと「日本のロック」」『別冊宝島』第653号、宝島社、2002年6月7日、115頁、ISBN (9784796627245)。
- 『BOØWY B to Y THERE'S NO BEGINNING AND THE ENDS.』宝島社、2004年9月20日、85, 96頁頁。ISBN (9784796642408)。
- 「音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説」『別冊宝島』第1322号、宝島社、2006年7月27日、114頁、ISBN (9784796653497)。
- 高橋まこと『スネア(立東舎文庫)』(書籍『スネア』((ISBN 9784123901550)) 文庫版)立東舎、2017年8月21日(原著2007年4月4日)、176頁。ISBN (9784845630424)。
外部リンク
- "Boøwy – B・Blue / Working Man" - Discogs (発売一覧)