『魔改造の夜』(まかいぞうのよる)は、NHKテレビで2020年6月から不定期に放送されている技術開発エンタメ番組。
魔改造の夜 | |
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ジャンル | ドキュメンタリー・教養番組 |
出演者 | |
ナレーター | 田中敦子 |
製作 | |
プロデューサー | (長澤智美) |
制作 | NHK |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2020年6月19日 - |
魔改造の夜 公式ホームページ | |
BSでの不定期放送 | |
放送チャンネル | NHK BSプレミアム |
放送期間 | 不定(本文参照) |
レギュラー放送(月1回) | |
放送チャンネル | NHK総合 |
放送期間 | 2023年4月27日 - |
放送時間 | 木曜 19:30 - 20:42 |
放送分 | 72分 |
本項では派生番組『魔改造の夜 技術者養成学校』についても記述する。
内容
- 国内某所の倉庫の跡地と思われる場所に於いて「魔改造倶楽部」と称する謎の組織が開催する秘密の夜会に集結した日本のエンジニアたちが、玩具や日用家電などを主催者からのお題に合わせて魔改造(「リミッターを外し、大人気ないパワーのモンスターに改造する行為」と定義)を行い、その改造スペックを競う。
- 各チームの試技1回目が行われる前に、出されたお題に対し、試行錯誤を重ねて完成させる様子を映している。
- 魔改造の予算は、試作を含め5万円以内。
- 番組は2種目を前・後編の形で2週連続放送(第2弾除く)。第1弾・第2弾は初回放送でカットされた内容を追加した「SP版」「完全版」を後日放送した。またNHK総合にて「特別編集版」を放送することがある。
- NHK Eテレにて、5分間のミニ番組として、競技中の名言を紹介する『魔改造の夜 名言集』が放送されている。
- 第1弾から第4弾まで、勝敗にかかわらず独創的なデザインに魔改造したチームへ「スプツニ子!賞」が贈られた。
- 第5弾ではスプツニ子!が出演しなかったため、2種目の競技終わりに「最優秀悪夢(ナイトメア)賞」が発表された。
総合テレビへの移行、魔改造の“朝”
開始当初はBSプレミアムで不定期に放送されていたが、衛星放送は国の方針による画質別チャンネルへの再編が決定していた。
そのため2023年度の番組改編では、放送波を総合テレビに移し、通常は『サラメシ』と『あしたが変わるトリセツショー』を放送している木曜日の19時30分 - 20時42分に月1回程度差し替える形で放送することがNHKから発表された[1][2]。
しかし、その初回にあたる同年4月27日に、「事件」が起きた。
テレビの完全デジタル化以降、NHKでは地域単位で木曜日にも差し替え形式で『NHKプロ野球』を放送するケースが発生している。この日は福岡管区である九州・沖縄に加え、本来は広島管区で広島東洋カープ戦を中継するエリアである山口県までもが、福岡ソフトバンクホークス戦の中継を実施。そのため該当する9県では全国放送の時間帯に地上波レギュラー初回を視ることができず、2週間余り経った同年5月13日になって、『チコちゃんに叱られる』『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』の再放送枠を使う形で、漸く放送することができた[3]。
しかし当該時間帯は朝だったことから、ネット上で「魔改造の“朝”じゃないか」との声が上がっていたことを、NHK広報局もSNSで認めざるを得なかった[3]。
出演者
- スプツニ子! - 第1 - 4弾、第6弾 魔改造倶楽部名誉顧問
- 伊藤沙莉 - 第1、2弾完全版(副音声)、名言集ナレーション 魔改造倶楽部顧問
- 伊集院光[4] - 第3 - 6弾 魔改造倶楽部顧問
- (長藤圭介) - 東京大学工学部准教授・魔改造倶楽部選任解説者
- 矢野武 - 進行兼実況・魔改造倶楽部選任実況者
- 田中敦子 - ナレーション
- 魔改造倶楽部・主催者 - 「魔改造の夜」を立ち上げたと思しき人物。会場の中には姿を見せず、ボイスチェンジャーを通して参加者に言葉を掛ける。オープニングとエンディングで映る容姿は溶接工のような風貌で、顔には保護マスクを装着している。その素性や、どのような経緯で「魔改造の夜」を立ち上げたのかは一切不明である。
放送リスト
初回放送日は特記がない限り、第1 - 5弾はNHK BSプレミアム、第6弾以降はNHK総合での放送。BSの放送時間はNHK公式サイトの過去番組表検索が出典である。
回 | お題 | 概要 | 初回放送日時 |
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第1弾 | トースター高跳び | ポップアップトースターで食パンをどこまで高く飛ばせるか(トースト後に発射。焦げ目が付いていないと失格) | 2020年6月19日 22:00 - 22:59 (SP版:2020年8月22日 19:30 - 20:59) |
ワンちゃん25m走 | 歩くイヌの玩具でレールに沿って25mの速さを競う | 2020年6月26日 22:00 - 22:59 (SP版:2020年8月22日 19:30 - 20:59) (特別版:2022年10月6日/NHK総合) | |
第2弾 | お掃除ロボット走り幅跳び | 掃除用ロボットをどこまで遠く飛ばせるか(助走路の清掃後に跳躍) | 2020年11月28日 19:30 - 20:59 (完全版:2020年12月26日 19:00 - 20:59) |
クマちゃん瓦割り | 太鼓を叩くクマの玩具で瓦を何枚割れるか | ||
第3弾 | 扇風機50m走 | 扇風機を風力のみで走らせての50m走(そよ風で送風後に実走。25mで折り返し) | 2021年8月21日 22:00 - 23:29 |
赤ちゃん人形綱登り | 赤ちゃん人形で8mの綱をいかに速く登るか | 2021年8月24日 22:00 - 23:29 | |
第4弾 | DVDプレーヤーボウリング | 25m先の10本のピンを狙ってプレーヤーからディスクを飛ばす(ディスクの映像を再生し、取り出し操作後に発射) | 2022年1月22日 22:00 - 23:29 |
ペンギンちゃん大縄跳び | ペンギン人形5体を1分間でいかに数多く跳ばせるか(縄は人間が廻す) | 2022年1月29日 22:00 - 23:29 | |
第5弾 | ネコちゃん落下25m走 | 歩くネコの玩具で6mの高低を含む計25mコースの速さを競う(途中で落下・着地させる) | 2022年8月20日 22:00 - 23:29 |
電気ケトル綱引き | (電気ケトル)の湯沸かし機能から動力を生み、綱引きで対戦する | 2022年8月27日 22:00 - 23:29 | |
第6弾 | トラちゃんウサちゃん50mリレー[1] | トラとウサギの玩具で50mのリレー走の速さを競う(途中でバトンの受け渡しを行う) | |
鳩時計鳩入れ[5] | 鳩時計の鳩を1分30秒で100羽飛ばし、高さ8mのカゴに入った数を競う | 2023年5月25日 (2023年2月18日/NHK BS4K) |
出場チーム
下記の出場チームは番組中ではいずれも企業名や学校名の頭文字をイニシャルにして表記し本来の名称は番組中で一切言及しない(実況やナレーションはもちろん出場選手も「T大」「H野製作所」「T社」などと呼称)[注 1]。しかし出場者はほぼ所属先の制服や作業着でありロゴマークや社名が確認でき、かつ出場チームを紹介するVTRで所属先の建物外観を映すカットの際に社名看板が映ったり代表的な製品を編集なしで紹介しているため[注 2]、視聴者には本来の名称が容易に把握できるようになっている。
(太字はキャッチコピー、カッコ内は本来の名称)
第1弾
第2弾
- ロボットベンチャー GX社(GROOVE X)
- 宇宙産業支える町工場の星 Y精密(由紀精密)
- バイクや小型ジェットまで 世界のH技研(本田技研工業)
第3弾
第4弾
第5弾
- 自動車関連の研究開発プロ集団 T京アールアンドデー(東京アールアンドデー)
- 三大重工業の巨大メーカー Aエイチアイ(IHI)
- 多様な事業の世界的ブランド Sニー(ソニー)
第6弾
スタッフ
- 総合演出 - 鬼頭明
- ディレクター - 鈴木洋平、古堤桂太
- プロデューサー - 長澤智美
- アシスタントプロデューサー - 平田早季
- リサーチ - 伊藤暢子
- 構成 - 竹村武司
- 制作 - NHKグローバルメディアサービス
- 制作・著作 - NHK、テレビマンユニオン
受賞
魔改造の夜 技術者養成学校
魔改造の夜 技術者養成学校 | |
---|---|
ジャンル | 教養番組 |
出演者 | 劇団ひとり・長藤圭介・田中敦子 |
製作 | |
プロデューサー | (長澤智美) |
制作 | NHK |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2022年4月6日 - 5月25日 |
放送時間 | 毎週水曜日 22:30 - 23:00 |
回数 | 全8回 |
魔改造の夜 技術者養成学校 公式ホームページ | |
特記事項: 再放送・毎週火曜日 15:00 -15:30 |
『魔改造の夜 技術者養成学校』(まかいぞうのよる ぎじゅつしゃようせいがっこう)は2022年4月6日から5月25日までEテレでレギュラー放送[14]。
6名の生徒が過去の『魔改造の夜』競技映像や実物の追体験、特別講師を招いての講義を通して、エンジニアとして必要なことを学んでいく。
『魔改造の夜』競技に使用されている倉庫跡を教室としている。
出演者
放送リスト
回 | テーマ | 特別講師 | 初回放送日 |
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1 | 「扇風機50m走」に学ぶ、技術とリーダーシップ | 井上雄介(SOLIZE総責任者) | 2022年 4月6日 |
2 | 「赤ちゃん人形綱登り」から学ぶ、絶体絶命の「失敗」からの脱出 | 大西卓哉(JAXA宇宙飛行士) | 4月13日 |
3 | 「ワンちゃん25m走」から学ぶ、なぜ「魔獣」は生まれたのか | 伊藤亜紗(美学者・東京工業大学教授) | 4月20日 |
4 | 「ペンギンちゃん大縄跳び」に学ぶ、人間と機械のチームワーク | 佐倉統(進化学者・東京大学教授) | 4月27日 |
5 | 「DVDプレーヤーボウリング」から学ぶ、「華」のある魔改造 | 土佐信道(現代美術家・明和電機) | 5月4日 |
6 | 「クマちゃん瓦割り」から学ぶ、生き物よりも生きているロボット | 石黒浩(ロボット工学者・大阪大学教授) | 5月11日 |
7 | 「お掃除ロボット走り幅跳び」から学ぶ、「アイデア」の出し方 | 太刀川英輔(デザイナー・NOSIGNER) | 5月18日 |
8 | 「トースター高跳び」から学ぶ、町工場が大企業に勝つ「ジャイアントキリング」 | 長藤圭介(魔改造倶楽部解説・東京大学准教授) | 5月25日 |
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e 野澤佳悟 (2023年2月8日). “NHK「魔改造の夜」新作11日放送。4月からは総合テレビに”. AV Watch. 2023年2月13日閲覧。
- ^ 阿部邦弘 (2023年2月10日). “NHK、新BS2Kチャンネルは横1,440ドット。総合「魔改造の夜」は月1放送”. AV Watch. 2023年2月13日閲覧。
- ^ a b NHK広報局のTwitter公式アカウントによる2023年5月12日の投稿
- ^ 伊集院光 - NHK人物録
- ^ 酒井隆文 (2023年2月17日). “NHK「魔改造」新作は18日夜。お題は「鳩時計鳩入れ」”. AV Watch. 2023年2月19日閲覧。
- ^ 弊社スタッフが、NHK BSプレミアムの番組「魔改造の夜」に出演します 浜野製作所 2020年6月18日付公表
- ^ NHK BSプレミアム「魔改造の夜」に出演 株式会社ニットー 2021年8月21日付公表
- ^ NHK BSプレミアムにて、あす2022年1月22日(土)22:00〜放送の技術開発エンタメ番組「魔改造の夜」第4弾にリコーが出場します! リコー/RICOH Facebook 2022年1月21日付記事
- ^ NHK BSプレミアム「魔改造の夜」にデンソー社員が出演! 株式会社デンソー/DENSO Facebook 2022年1月21日付記事
- ^ 2021年バラエティ番組部門 - 最優秀賞 魔改造の夜 衛星放送協会ホームページ 2022年1月23日付閲覧
- ^ 「第11回 衛星放送協会 オリジナル番組アワード」〜全部門の最優秀賞が決定!〜 衛星放送協会ホームページ 2021年7月13日付報道提供
- ^ 第37回 ATP賞テレビグランプリ 全日本テレビ番組製作社連盟ホームページ 2021年12月26日閲覧
- ^ 第58回(2020年度)受賞作 放送批評懇談会ホームページ 2021年12月26日閲覧
- ^ “NHK新番組「魔改造の夜 技術者養成学校」。4月からEテレ”. AV Watch (インプレス). (2022年2月10日)2022年2月10日閲覧。
外部リンク
- 魔改造の夜 公式ホームページ
- 魔改造の夜 - (NHK放送史)
- 魔改造の夜 テレビマンユニオンホームページ