聖徳大学短期大学部(せいとくだいがくたんきだいがくぶ、英語: Seitoku University Junior College)は、千葉県松戸市岩瀬550に本部を置く日本の私立大学。1933年創立、1965年大学設置。大学の略称は聖徳。
概観
大学全体
- 千葉県松戸市にある日本の私立短期大学。学校法人東京聖徳学園により1965年、聖徳学園短期大学として設置された。2013年現在、保育科(第1部、第2部)、総合文化学科の2学科からなる。かつて、通学課程で1学年5学科2,260名という日本一学生数の多い女子短期大学として話題になった時期もあった[注 2]。
建学の精神(校訓・理念・学是)
- 聖徳大学短期大学部における建学の精神は「和」となっている。聖徳太子の「和をもって尊しと成す」に由来する。
教育および研究
- 特筆すべきことは、保育科が設置されているところにあり、こちらは「保育の聖徳」として高い評価と実績がある。感性や表現力の育成により重点をおいているところに特徴があり、音楽教育にはとりわけ力をいれている。ほか、併設幼稚園での「教育実習」や「保育表現研究発表会」なども行なわれている。
- 介護福祉学科では、卒業と同時に介護福祉士の資格を取得することが前提となっており、卒業生の90%近くが福祉関係に就職している。
- 総合文化学科は、学生自らの将来や興味・関心に基づいて10のブランチが選べ、300以上の科目を自由に組み合わせることができるところに特色がある。入学後のオリエンテーションを経て、将来の目標と照らし合わせてブランチを決め、カリキュラムを組んでゆくシステムとなっている。設定されている「ブランチ」は以下の通り。
- デザイン・インテリアブランチ:グラフィックデザイナー、インテリアプランナー、イラストレーターなど
- ファッションブランチ:ファッションアドバイザー、スタイリストなど
- ITコミュニケーションブランチ:システム管理者、SE・プログラマなど
- フード・調理ブランチ:クッキングアドバイザー、フードスタイリストなど
- 製菓ブランチ:パティシエ、製菓衛生師、パン職人、シュガーデコレイターなど
- 観光・ホテルブランチ:ツアーコンダクター、ツアープランナー、フライトアテンダント、フロントクラークなど
- 文芸・編集ブランチ:編集者、ルポライター、コピーライター、校正者など
- 図書館司書ブランチ…図書館司書など
- 養護・保健ブランチ…養護教諭2級免許、中学校2種免許、訪問介護員など
- 幼児栄養ブランチ…幼稚園教諭免許状の取得が可能。
- 一般教育科目の「聖徳教育」を履修することが義務付けられている。また、聖徳学園シリーズコンサートの鑑賞が学生の必須科目として組み込まれている。
学風および特色
- 開学以来、女子のみを対象とした短大である(但し、通信教育部は男女共学)。
- 聖徳大学と同様に制服があり公式行事には着用が義務付けられている。デザインは大学と同じ。
- 大学と同様に、他学科学生および教職員との交流をねらいとした「アセンブリアワー」がある。
- 短大学生を対象とした「文化講演会」がある。過去には、小林節子が訪問している。
- その他、学外研修や聖徳学園シリーズコンサートなどがある。
- II部が設置されており、近年まれに見る通学課程における勤労学生がいる。
- 通信教育部保育科がある。通学と同様、「音楽」にはとりわけ力を入れており、ピアノのレベルが高く、保育士資格や幼稚園教諭免許状を取得するには、ツェルニーNo.30番程度のレベルの課題曲をクリアーしなければならないことになっている。卒業総合面接として「聖徳教育」が課されている。修業年限は基本的に3年制となっているが、最長6年まで在籍できる。 夏期スクーリングは、概ね7月中旬から8月初旬にかけて行われている。春期スクーリングは、概ね3月中旬から下旬にかけて行われている。なお、スクーリングについては地方で実施されていないので、本学まで通学する必要がある。宿泊施設について、女性に対しては学生寮が奨励されているが、男性は低廉のビジネスホテルが紹介されている。科目試験は本学ほか概ね全国の主要都市で地方試験が実施されている。
沿革
(この間の沿革は(学校法人東京聖徳学園)の項を参照)
- 1965年 - 千葉県松戸市に聖徳学園短期大学(せいとくがくえんたんきだいがく)として開学。川並香順が初代学長に就任。保育科(入学定員50名に対し、学生数[注 3]は女41となっている[1][2]。)と家政科(入学定員50名に対し、在学者数は女19となっている[1][2])を置く。
- 1966年 - 家政科が専攻分離される。
- 被服専攻:後の服飾文化専攻
- 食物栄養専攻:後の生活文化専攻
- 1967年 - 専攻科を新設
- 食物専攻
- 保育専攻
- 別科を設置。
- 1968年 - 専攻科に被服専攻を設置。
- 1969年 - 学科の増設が行われる。
- 文学科(総入学定員40人)
- 国文専攻
- 英文専攻
- 音楽科
- 保育科第二部
- 文学科(総入学定員40人)
- 1970年 - 昨年新設の学生数[注 3]
- 1971年 - 専攻科に新たな課程を設置。
- 保育専攻第二部。それにともない、保育専攻は保育専攻第一部に改称。
- 音楽専攻
- 1972年 - 保育科に通信教育部を設置。
- 1973年 - 初等教育学科第一部を新設(学生数[注 3]:女270[1][4])。
- 音楽科が専攻分離される。
- 器楽専攻
- 声楽専攻
- 音楽科が専攻分離される。
- 1976年 - 初等教育学科に第二部を新設(学生数[注 3]:女63[1][5])文学科に仏文専攻を設置。
- 1981年 - 文学科の専攻名称を変更。
- 国文専攻→国語国文専攻
- 英文専攻→英語英文専攻
- 仏文専攻→仏語仏文専攻
- 1985年 - 音楽科に作曲専攻を設置。
- 1988年 - 通信教育部保育科が男女共学となる。(学生数[注 3]:男6、女989[1][6]。)
- 1989年 - 生活文化学科に生活福祉専攻が設置される。専攻科に福祉専攻を設置。
- 1990年 - 聖徳大学開学にともない聖徳大学短期大学部に改称。被服専攻・食物専攻廃止[7][8]。
- 1993年 - 専攻科に新たな課程を設置[7][8]。
- 初等教育専攻
- 国語専攻
- 英語専攻
- 仏語専攻
- 食生活専攻
- 服飾文化専攻
- 1994年 - 専攻科保育専攻に通信教育部を設置。専攻科初等教育専攻を昼夜開講制とする。専攻科保育専攻第一部・第二部を統合して、昼夜開講制とする。
- 1997年 - 文学科の専攻名称を変更する。
- 国語国文専攻→日本語日本文化専攻
- 仏語仏文専攻→フランス語フランス文化専攻
- 2000年 - 生活文化学科生活福祉専攻を介護福祉学科第一部・第二部に改組。
- 2001年4月1日 - 専攻科に医療保育専攻を置く[7][8]。専攻科音楽専攻の廃止[8]。
- 2001年7月30日 - 音楽科が正式に廃止される[7][9]。
- 2002年12月19日 - 初等教育科が正式に廃止される[7][9]。
- 2004年 - 文学科と生活文化学科を統合して総合文化学科とする。専攻科食生活専攻を廃止する[7][8]。
- 2005年 - 専攻科国語専攻・英語専攻・仏語専攻が廃止される[7][8]。
- 2005年12月31日 - 文学科が正式に廃止される[7][9]。
- 2007年 - 介護福祉学科第二部、募集停止[7][9]。
- 2009年3月31日 - 介護福祉学科第二部が正式に廃止される[7][9]。
- 2009年4月1日 - 保育科の入学定員が600から350に減員される[7][9]。
- 2009年年度より介護福祉学科第一部、募集停止[7][9]。
- 2010年3月31日 - 介護福祉学科第一部が正式に廃止される[7][9]。
基礎データ
所在地
- 千葉県松戸市岩瀬550
交通アクセス
象徴
- 聖徳大学短期大学部のカレッジマークは大学と同じものを使用している。
教育および研究
組織
学科
- 保育科
- 第一部[注 4]
- 第二部(3年制)
- 総合文化学科
保育科は通信教育部を併設している。
学科の変遷
- 保育科
- 第一部[注 4]
- 第二部
- 通信教育部
- 家政科→生活文化学科[注 5][注 6]→総合文化学科
- 介護福祉学科第二部[注 9]
- 文学科[注 5][注 10]→総合文化学科
- 音楽科[注 11][注 12]:聖徳大学の人文学部音楽文化学科(現在の音楽学部)に改組された。
- 初等教育学科:聖徳大学の人文学部児童学科(現在の児童学部)に統合された。
専攻科
- 保育専攻(昼夜開講制)(2年制)
- 医療保育専攻(1年制)
- 服飾文化専攻(2年制)
過去にあった専攻科
- 初等教育専攻:昼夜開講制
- 食生活専攻
- 国語専攻
- 英語専攻
- 仏語専攻
- 音楽専攻
- 介護福祉専攻
別科
- かつて被服専修が設置されていた。
取得資格について
- 保育士:保育科第一部・第二部・通信教育部にて取得可能。
- 介護福祉士:専攻科介護福祉専攻については、指定保育士養成施設を卒業して保育士資格を有していることが必要である[注 14]。
- 栄養士:かつて生活文化学科生活文化専攻の食物栄養コースに設けられていた。
- 司書:保育科・介護福祉学科・総合文化学科いずれの学科でも取得できる。
- 司書教諭:現在は総合文化学科の学生対象[注 15]。
- 幼稚園教諭二種免許状:専攻科修了後、一定の基準をみたせば一種免許状に昇進できる[注 16]。
- 保育科
- 第一部
- 第二部
- 通信教育部
- 総合文化学科(幼児栄養ブランチ)
- かつては、初等教育学科第一部・第二部にも設置されていた。
- 保育科
- 養護教諭二種免許状:総合文化学科
- 中学校教諭二種免許状:専攻科修了後、一定の基準をみたせば一種免許状に昇進できる。
- その他、詳細はホームページなどを参照されたい。
教育
- 現代的教育ニーズ取組支援プログラム
- 2006年に採択されている。
学生生活
部活動・クラブ活動・サークル活動
- 聖徳大学短期大学部のクラブ活動:大学と合同となっている。
学園祭
- 聖徳大学短期大学部の学園祭は「聖徳祭」と呼ばれ、大学と合同で行われている。実施時期は、毎年概ね11月頃となっている。
大学関係者と組織
大学関係者組織
- 聖徳大学短期大学部には「香和会」と称した同窓会組織がある。
大学関係者一覧
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大学関係者
出身者
- 羽村京子 - 声優
施設
キャンパス
- 基本的には、大学と共同使用となっている。1号館・2号館・3号館・7号館・川並記念講堂・クリスタルホールなどがある。
寮
- 聖徳大学短期大学部の学生寮は、聖徳大学との共同として「順和寮」・「香風寮」・「孝和寮」・「富士見寮」・「和心寮」がある。
対外関係
他大学との協定
系列校
(学校法人東京聖徳学園#設置校)を参照
卒業後の進路について
就職について
- 保育科学生は保育所や幼稚園、介護福祉学科では高齢者福祉施設での介護職員が多い傾向にある。過去にあった学科を含めてその他の学科は一般企業や教職員など。
編入学・進学実績
- 聖徳大学や聖徳大学短期大学部専攻科への進学者が多い。専攻科修了生は聖徳大学大学院への進学者もいる。
脚注
注釈
- ^ a b 学生募集は1993年入学生で最終。1994年度正式廃止。
- ^ 『短大蛍雪 1992年9月臨時増刊号』(全国短大&専修・各種学校受験年鑑シリーズ)213頁には、学生総数5192と記載ある。ちなみに現在、学生数が最多の女子短期大学は武庫川女子大学短期大学部である。
- ^ a b c d e 5月1日時点での学生数。
- ^ a b かつては入学定員600名と大規模を誇っていたが、350人に減員されている。
- ^ a b c d e f g 学生募集は2003年入学生で最終。
- ^ a b c 2006年3月31日付けで正式廃止。
- ^ 学生募集は1999年入学生で最終。2000年度から2006年度入学生まで介護福祉学科第一部、2007年度から2008年度入学生までは介護福祉学科として学生募集する。2010年3月31日付けで正式廃止。
- ^ 学生募集は2008年入学生で最終。2010年3月31日付けで正式廃止。
- ^ 学生募集は2006年入学生で最終。2009年3月31日付けで正式廃止。
- ^ a b c d 2005年12月31日付けで正式廃止。
- ^ a b c d e f 学生募集は1998年入学生で最終。
- ^ a b c d 2001年7月30日付けで正式廃止。
- ^ a b 2002年12月19日付けで正式廃止。
- ^ 介護福祉学科第一部・第二部にて取得可能(過去にあった生活文化学科生活福祉専攻も含む)
- ^ 過去には、音楽科・初等教育学科・文学科全専攻・介護福祉学科においても設置されていた。
- ^ 過去に設置されていた全ての課程についても同様のものとなっていた。
- ^ かつては、生活文化学科の全専攻に設置されていた。
- ^ かつては、文学科日本語日本文学専攻に設置されていた。
- ^ かつては、文学科英語英文専攻に設置されていた。
- ^ 明の星女子短期大学と鈴峯女子短期大学にもかつて設置されていた。
- ^ ほか、介護福祉学科第一部・第二部にも設けられていた。
出典
参考文献
- 『全国学校総覧』昭和41年度~
- 『日本の私立短期大学』(日本私立短期大学協会発行:1980年)
- 『(進学年鑑)』(『私大コース』シリーズ別冊)
- 『短期大学一覧』1965年度~
- 『全国短期大学一覧』1980年度~
- 『全国短期大学高等専門学校一覧』(文部省高等教育局技術教育課監修)昭和49年度~
- 『短期大学教育』第49号(日本私立短期大学協会発行:1992年)
- 『短大蛍雪』(全国短大&専修・各種学校受験年鑑シリーズ。旺文社)
- 『(全国短期大学受験要覧)』(廣潤社)
- 『全国短期大学案内』(教学社)
- 『全国短期大学受験案内』(晶文社)
- 『全国短期大学案内』(梧桐書院)
- 『短大蛍雪』(2000年5月臨時増刊。旺文社)
- 『聖徳大学 聖徳大学短期大学部』:入学案内小冊子
関連項目
外部リンク
- 聖徳大学短期大学部
- 聖徳大学通信教育部