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竜野駅(たつのえき)は、兵庫県たつの市揖保川町黍田(きびた)にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽本線の駅である[1]。
概要
「竜野」という駅名だが、たつの市の中心となる旧龍野市中心部から約5km離れており、旧山陽道の正條宿に近い地に位置している[1]。そのため開業当時は、当駅から龍野の城下町までを結ぶ、約5kmの龍野鉄道の敷設計画があったが、実現には至らなかった[1]。
JTB時刻表におけるたつの市の代表駅は当駅ではなく、旧龍野市の中心駅であった姫新線の本竜野駅のままとなっている(利用者は当駅の方が多い)。当駅からたつの市中心部へは、たつの市コミュニティバスで揖保川沿いに北上することとなる。
1889年(明治22年)11月11日 に、山陽鉄道が姫路駅から延伸した際に開業[1]。しかしながら、揖保川を渡る鉄橋の工事が大幅に遅れていたため、川の東側に仮駅を設置し、営業開始[1]。翌年に有年駅まで路線が延伸されると同時に、現在の場所へ移転した。駅名は1890年(明治23年)に山陽鉄道の駅として開業して以来「竜野」であるが、戦後は長らく旧龍野市ではなく隣町の揖保郡揖保川町に属していた。2005年(平成17年)10月1日に旧龍野市・揖保川町など1市3町が合併して、たつの市となり、名実ともに所在自治体がはじめて「たつの」になった。
歴史
「竜野」の駅名表記について
開業当時の駅名表記は「龍野」で、1958年(昭和33年)11月当時の当駅の駅名標も「龍野」と表記されていた。書体が丸ゴシック体である事から、1954年(昭和29年)12月以降に書き替えられた物である。時期は不明だが、本竜野駅と共に表記が「龍野」から「竜野」に変わり、龍野市とは漢字が一致しなくなった[4]。
年表
- 1889年(明治22年)11月11日:山陽鉄道が姫路駅から延伸した際に開業[1]。旅客・貨物の取り扱いを開始。姫路寄りの揖保川の東側に駅を仮駅とし、営業開始。
- 1890年(明治23年)7月10日:有年駅までの路線延伸により、現在の場所に移転[1]。
- 当時の所在地表示は兵庫県揖西郡神部村黍田であった。
- 1896年(明治29年)4月1日:揖保郡成立に伴い、所在地表示が兵庫県揖保郡神部村黍田になる。
- 1906年(明治39年)12月1日:山陽鉄道の国有化により官設鉄道の駅となる。同時に現駅舎の使用を開始。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定。山陽本線の所属となる。
- 1951年(昭和26年)4月1日:揖保川町成立に伴い、所在地表示が兵庫県揖保郡揖保川町黍田になる。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
- 1997年(平成9年)3月8日:JR神戸線標準接近メロディ「さざなみ」導入[5]。
- 2003年(平成15年)11月1日:ICカード「ICOCA」の利用が可能となる。
- 2005年(平成17年)10月1日:たつの市成立に伴い、所在地表示が兵庫県たつの市揖保川町黍田になる。
- 2006年(平成18年)10月1日:(JR京都・神戸線運行管理システム)導入。
- 2007年(平成19年)
- 2011年(平成23年)5月:改札内の多目的トイレが供用開始。
- 2012年(平成24年)3月17日:改札内エレベーター通路が供用開始。
- 2013年(平成25年):駅改札を簡易型に交換。
- 2015年(平成27年)3月12日:入線警告音の見直しに伴い、接近メロディをJR神戸線標準接近メロディ「さざなみ」の音質見直し版に再び変更する。
- 2021年(令和3年)
駅構造
有効長12両編成対応の単式2面2線のプラットホームを持つ地上駅である。かつては2面3線であったが、旧2番線は両端のポイント部分の線路が撤去され、何年か後に残りの線路もすべて撤去された。
JR西日本交通サービスが駅業務を受託する(業務委託駅)であり[2]、みどりの窓口が設置されている[3]。ICOCAおよび提携ICカードが利用可能で、ICOCA対応の自動改札機が設置されている。
のりば
ダイヤ
日中時間帯は上下ともに、普通電車が1時間に1本停車する。
2016年3月26日のダイヤ改正によって新快速の日中の運転は取りやめられ、朝晩のラッシュ時間帯のみ運行されるようになった。2021年10月2日からは日中時間帯は上下ともに1時間あたり1本に半減した[6][7]。
当駅を含む山陽本線姫路駅 - 相生駅間は、赤穂線相生駅 - 播州赤穂駅間と一体の運用となっており、日中は全列車が次の相生駅から赤穂線・播州赤穂方面に入る。この時間帯に上郡・岡山方面に行く場合は相生駅で乗り換えが必要である。朝晩は山陽本線経由の姫路駅 - 上郡・岡山方面間の列車が運行されるため1時間3 - 4本と多くなる。
当駅は12両編成までの乗り入れに対応しているが、赤穂線内の西相生駅・坂越駅・播州赤穂駅のホーム有効長が最大8両編成分しかなく、12両編成での乗り入れが出来なくなっている。そのため、大阪方面と赤穂線・山陽本線上郡方面とを直通運転する朝晩の新快速は、姫路駅(朝の上り列車は網干駅)で米原寄りの編成を増解結したうえで当駅に停車している[注釈 1]。ただし当駅に乗り入れる列車は、上り始発と下り終電(いずれも上郡発着の普通列車)の10両編成が最長であり、定期運用で12両編成の列車が入ることはない。
利用状況
「兵庫県統計書[9]」と「たつの市統計書[10]」によると、2020年(令和2年)度の1日平均(乗車人員)は1,787人である[11]。
近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
2000年 | 2,382 |
2001年 | 2,243 |
2002年 | 2,108 |
2003年 | 2,053 |
2004年 | 2,024 |
2005年 | 1,983 |
2006年 | 1,967 |
2007年 | 1,978 |
2008年 | 1,998 |
2009年 | 1,940 |
2010年 | 1,955 |
2011年 | 2,014 |
2012年 | 2,088 |
2013年 | 2,151 |
2014年 | 2,091 |
2015年 | 2,169 |
2016年 | 2,177 |
2017年 | 2,172 |
2018年 | 2,165 |
2019年 | 2,204 |
2020年 | 1,787 |
駅周辺
- たつの市役所揖保川総合支所(旧揖保川町役場)
- たつの市総合文化会館アクアホール
- たつの市立揖保川図書館
- たつの市立揖保川公民館
- 揖保川郵便局
- 片島簡易郵便局
- 正条北簡易郵便局
- 神戸神社
- (昭和高分子)龍野工場
- たつの市立揖保川中学校
- 揖保川文化センター
- 国道2号
- 兵庫県道120号たつの竜野停車場線
- 兵庫県道441号中島揖保川線
- 兵庫県道442号岩見揖保川線
- 揖保川
バス路線
駅前を通る兵庫県道120号線沿いに「竜野駅」停留所があり、たつの市コミュニティバスの路線(しんぐう総合センター - 新舞子)が発着する[注釈 2]。
- 備考
- かつては新舞子荘行きの設定があったが、運行経路の見直しが行われ、2017年に廃止された[12]。
隣の駅
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、61頁。ISBN (9784343006028)。
- ^ a b 会社概要 - JR西日本交通サービス.2021年12月12日閲覧
- ^ a b 竜野駅 駅情報 - JR西日本 おでかけネット.2021年12月12日閲覧
- ^ 高見彰彦「駅名標の移り変わり 寺田町駅の発見から」『レイル』第100巻、エリエイ/プレス・アイゼンバーン、東京、2016年10月、4-27頁、ISBN (978-4871125000)。
- ^ “列車接近をメロディーで JR神戸線塚本-姫路間”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1997年3月11日)
- ^ a b 大盛周平「JR西127本の運転見直し 15年ぶりに秋のダイヤ改正」『神戸新聞』神戸新聞社、神戸、2021年7月28日。2021年9月29日閲覧。
- ^ a b (PDF)『2021 年秋ダイヤ見直しについて』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2021年7月28日2021年9月29日閲覧。 。
- ^ a b “竜野駅|時刻表”. 西日本旅客鉄道. 2022年11月15日閲覧。
- ^ 兵庫県統計書
- ^ たつの市統計書
- ^ 令和元年版たつの市統計書 (PDF)
- ^ “”. 広報たつの(2016年12月号). たつの市. p. 13. 2016年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月4日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 竜野駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道