矢島 文夫(やじま ふみお、1928年4月19日 - 2006年5月22日)は、日本の言語学者(アラビア語学)・オリエント学者・翻訳家。アジア・アフリカ図書館館長。東京市生まれ。アラビア語やメソポタミア文学・オリエント神話・歴史等を研究。『ギルガメッシュ叙事詩』の翻訳の他、海外の関連研究書を数多く翻訳し日本に紹介した。
やじま ふみお 矢島 文夫 | |
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生誕 | 1928年4月19日 日本 東京府東京市下谷区上野桜木町(現在の東京都台東区上野桜木) |
死没 | 2006年5月22日(78歳没) |
出身校 | 学習院大学 |
職業 | 言語学者、オリエント学者、翻訳者 |
親 | 父:矢島祐利 母:矢島せい子 |
親戚 | 弟:矢島敬二(1930年 - ) 元大学教授 妹:矢島まさ子(1932年 - 1937年) 弟:矢島敏彦(1934年 - 1994年) 元大学教授 母方の叔父:沢村国太郎 母方の叔母:沢村貞子 母方の叔父:加東大介 従兄弟:長門裕之 従兄弟:津川雅彦 |
父は科学史家の矢島祐利、母は民俗学者の矢島せい子。弟の(矢島敬二)(東京都立大学理学部数学科卒)は東京理科大学教授、(矢島敏彦)(東京大学理学部地質学科卒)は埼玉大学教授。母の兄弟姉妹に沢村国太郎や沢村貞子、加東大介がおり、親族に俳優が多数いる。
略歴
旧制東京外事専門学校(現・東京外国語大学)卒業。1952年、学習院大学文政学部哲学科卒業[1]。大学卒業後、紀伊國屋書店に勤務[1]。出版部にいた1962年頃、山本七平と話していて、ともにギルガメシュ叙事詩の翻訳を考えていたと知り、1965年、山本書店より日本最初の『ギルガメシュ叙事詩』の翻訳書を刊行する[2]。大東文化大学、1967年より京都産業大学外国語学部教授、同大学国際言語科学研究所教授、1985年より宮城学院女子大学教授を経て、アジア・アフリカ図書館[3]館長。2006年5月、前立腺がんのため死去。享年78。
著書
- 文字の歴史 (徳間書店(徳間ブックス) 1967年)
- ヴィーナスの神話 (美術出版社(美術選書) 1970年)
- メソポタミアの春 オリエント学の周辺 (玉川大学出版部(玉川選書) 1975年)
- 失われた古代文字99の謎 いま甦る太古からのメッセージ (産報(サンポウ・ブックス) 1976年)
- 文字学のたのしみ (大修館書店 1977年11月)
- アラビアンナイト99の謎 アリババとシンドバードの国への招待 (産報(サンポウ・ブックス) 1978年3月)
- アラビアンナイト99の謎 アリババとシンドバードの国への招待 (PHP文庫 1992年)
- 解読 古代文字への挑戦 (朝日新聞社(朝日選書) 1980年10月)
- 解読古代文字 (ちくま学芸文庫 1999年8月)(ISBN 978-4480085047)
- 性の深層 ヴィーナスの正体 (朝日出版社(ロバの本) 1980年3月)
- 占星術の誕生 (東京新聞出版局(オリエント選書) 1980年12月)
- 占星術の起源 (ちくま学芸文庫 2000年8月)(ISBN 978-4480085733)
- アラブ民族とイスラム文化 (三省堂(人間の世界歴史9) 1981年6月)
- ヘブライの神話 創造と奇蹟の物語 (筑摩書房(世界の神話) 1982年12月)
- メソポタミアの神話 神々の友情と冒険 (筑摩書房(世界の神話) 1982年7月)
- メソポタミアの神話 神々の友情と冒険 (ちくま学芸文庫 2020年4月)(ISBN 978-4480099877)
- エジプトの神話 兄弟神のあらそい (筑摩書房(世界の神話) 1983年4月)
- エジプトの神話 兄弟神のあらそい (ちくま文庫 1997年8月)(ISBN 978-4480032928)
- 神の沈黙 神話と伝承のアラベスク (人文書院 1983年8月)
- 知の辺境 文化のトポロジー (青土社 1983年2月)
- 知的な冒険の旅へ (中公文庫 1994年9月)
- 失われた古代文字の謎 (大和書房(古代学ミニエンサイクロペディア) 1985年8月)
- 死者の書 古代エジプトの遺産パピルス カラー版 (社会思想社 1986年5月) 写真:遠藤紀勝
- ミステリアスな文化史 (中央公論社 1994年11月)
- オリエントの夢文化 夢判断と夢神話 (東洋書林 2007年6月)(ISBN 978-4887217409)
翻訳
- 文字 (シヤルル・イグーネ 白水社(文庫クセジュ) 1956年)
- 科学と人間社会 科学と一般の理解 (ロバート・オッペンハイマー 矢島敬二共訳 新評論社 1956年)
- ピラミッドの秘密 (レナード・コットレル みすず書房(人間と文明の発見シリーズ) 1957年)
- エジプトの民話 (宝文館(中学生世界民話全集) 1958年)
- 世界最古の物語 (H・ガスター編・解説 みすず書房(人間と文明の発見シリーズ) 1958年)
- 埋れた謎のピラミッド (M.Z.ゴネイム 山本書店 1960年)
- バビロニアの科学 (マルグリット・リュッタン 白水社(文庫クセジュ) 1962年)
- 古代の不思議 (レナード・コットレル 紀伊国屋書店 1962年)
- 失われた文字の解読 (E. ドーブルホーファー 佐藤牧夫共訳 山本書店(全3巻) 1963年)
- アラブの思想 (アンリ・セルーヤ 白水社(文庫クセジュ) 1964年)
- ギルガメシュ叙事詩 (山本書店 1965年)
- ギルガメシュ叙事詩 (ちくま学芸文庫 1998年2月)(ISBN 4-480-08409-6)
- アッシリア学 (ポール・ガレリ 白水社(文庫クセジュ) 1966年)
- シナ奥地を行く (ドローヌ 石沢良昭共訳 西域探検紀行全集10 白水社 1968年、新版1982年)
- マホメットとアラブの大征服 (F. ガブリエリ 平凡社(世界大学選書) 1971年)
- 古代エジプトの物語 (社会思想社(現代教養文庫) 1974年) (ISBN 4-390-10835-2)
- 未知の古代文明ディルムン アラビア湾にエデンの園を求めて (ジョフレー・ビビー 二見史郎共訳 平凡社 1975年)
- 砂漠への挑戦 図説探検の世界史 12 (ポール・ハミルトン 集英社 1976年)
- 聖書の考古学 埋もれた世界の発見・大洪水とノアの箱舟・バベルの塔 (アンドレ・パロ 波木居斉二共訳 みすず書房 1976年)
- アラビア文学史 (アンドレ・ミケル 白水社(文庫クセジュ) 1976年)
- 古代の宇宙論 (カーメン・ブラッカー/M. ローウェ編 矢島祐利共訳 海鳴社 1976年)
- イスラム 過去と未来 (M. アルクーン / L・ガルデ ヨルダン社 1987年8月)
- 文字の歴史 起源から現代まで (アルベルティーン・ガウアー 大城光正共訳 原書房 1987年12月)
- 古代エジプト文字入門 ヒエログリフ (ステファヌ・ロッシーニ 河出書房新社 1988年6月)
- 文字の起源 (カーロイ・フェルデシ=パップ 佐藤牧夫共訳 岩波書店 1988年7月)
- 図説 古代エジプト文字入門 (ステファヌ・ロッシーニ 河出書房新社 1996年3月)
- 図説 エジプトの神々事典 (ステファヌ・ロッシーニ / リュト・シュマン=アンテルム 吉田春美共訳 河出書房新社 1997年1月、新装版2007年)
- シャンポリオン伝 (ジャン・ラクチュール 岩川亮・江原聡子共訳 河出書房新社(上下) 2004年-2005年)
脚注
外部リンク
- 『(矢島文夫)』 - コトバンク
- うずら文庫・矢島文夫のページ