日本女子プロサッカーリーグ(にほんじょしプロサッカーリーグ、英語: Japan Women's Empowerment Professional Football League[1])は、日本の女子サッカーの最上位リーグである。公益財団法人日本サッカー協会(JFA)と、公益社団法人日本女子プロサッカーリーグが主催する。略称はWEリーグ(英: WE LEAGUE)[2]。
日本女子プロサッカーリーグ Yogibo WEリーグ | |
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今シーズン・大会: 2022-23シーズンのWEリーグ | |
前身 | 日本女子サッカーリーグ (なでしこリーグ) |
競技 | 女子サッカー |
創立 | 2020年 |
代表 | 高田春奈(チェア) |
開始年 | 2021年 |
参加チーム | 11 |
リーグレベル | 1部 |
下位リーグ | なでしこリーグ |
国内カップ戦 | 皇后杯 WEリーグカップ |
国 | 日本 |
連盟 | アジアサッカー連盟 (AFC) |
前回優勝 | INAC神戸(初優勝) |
最多優勝 | INAC神戸(1回) |
参加資格 | #クラブ一覧参照 |
テレビ局 | DAZN YouTube |
スポンサー | #主催団体および協賛団体参照 |
公式サイト | WEリーグ |
ビーズクッション等を展開するYogiboとタイトルパートナー契約を結び、「Yogibo WEリーグ」の名称を用いる[3]。
概要
日本サッカー協会(JFA)では、従来女子サッカーのリーグ戦として日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)を開催してきたが、これをさらに発展させ、女子のプロサッカー選手によるチーム主体のリーグを新たに設立することを構想。2019年9月に、元サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)監督でJFA理事の佐々木則夫を室長とした「女子新リーグ設立準備室」を立ち上げ[4]検討を行った結果、2020年6月にリーグの設立を公表した。2020年7月、初代の代表理事に岡島喜久子が就任[5]。代表理事の呼称が「チェア」となる。
リーグ名称の「WE」は「Women Empowerment」の略で、JFAでは「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」という理念も同時に示している[2]。参加チーム数は当初6~10チーム程度を想定し、リーグやクラブが安定するまでの数年間は降格を行わず、新規参入クラブを受け入れるのみのエキスパンション型(拡大型)を採用していく[2][6]。スケジュールは9月開幕・5月閉幕の秋春制で、ホーム&アウェイ方式による全チーム総当り制。
なお、なでしこリーグについては、WEリーグ発足後も「アマチュアのトップリーグ」として存続する[6]。
設立理念と意義
WEリーグ設立に当たって、「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」の理念の元に、設立意義として次の4つを掲げている[9]。
WE ACTION DAY
参入初年度は11チームで行われるため、毎節ごとに試合が行われないチームが必然的に発生する。そこでWEリーグでは試合がない日を「WE ACTION DAY(理念推進日)」とした上で同リーグの理念にある多様性社会の実現に向けた活動を行うことにしている[10][11]。
開幕節である2021年9月12日はジェフユナイテッド市原・千葉レディースが対象チームとなり、「一人ひとりが輝く社会とは」と題したオンラインディスカッションやホームスタジアムであるフクダ電子アリーナ周辺の清掃活動などを行った[11]。
その他、各クラブにおいても、少年少女向けのサッカー教室、障害者向けのパラスポーツ体験イベントへの出演、ジェンダー社会や持続可能な開発目標(SDGs)の達成へ向けた取り組みとしての、ホームタウンのボランティア活動などに従事する企画が行われている[12]
クラブ一覧
参入要件
WEリーグ参入に当たっては以下の要件(抜粋)が必要である[9][13][14]。このほかに財務状況等も審査されるようだが、詳細は公表されていない。
- 運営にあたる法人を構成する役職員の50%以上を女性とする。(入会から3年以内に達成すること)
- 意思決定に関わる者のうち、少なくとも1人は女性とすること(取締役以上が望ましい)。
- プロA契約選手5人以上およびプロB・C契約選手10人以上と契約を締結すること。
- 監督はJFA・S級(またはS級相当)、JFA・A-Proの指導者資格を有する者。もしくはS級資格取得講習会を受講中の者(ただし、女性に限る)。
- JFA・B級(またはB級相当)以上の指導者資格を有する者とし、GKコーチはJFAGK・C級(GK・C級相当)以上、フィジカルコーチを設置すること。なお、コーチングスタッフ(監督またはコーチ)の中に⼥性指導者1名以上を含むこと。
- JFA・C級(C級相当)以上の指導者資格を有する者とし、GKコーチ、フィジカルコーチを設置すること。なお、コーチングスタッフ(監督またはコーチ)の中に⼥性指導者1名以上を含むこと。
- U-18、U-15、U-12チームを保有すること(ただし、U-18チームの保有は入会より3年以内。U-12についてはスクールまたはクリニックで代替可)。
- ホームタウン内に、別途定めるWEリーグスタジアム基準を充足するスタジアムを確保していること。(5000人以上の収容人数、明るさが1500ルクス以上の照明設備、大型映像装置の設置[15]、ホームゲームの80%以上の開催[16])
選考の経緯
2020年7月31日に入会申請を締め切った段階で、17の団体がこのリーグの入会の申請を届け出た[17]。その内訳は、なでしこリーグから12クラブ、Jリーグから8クラブ、なでしこリーグにもJリーグにも所属していない新設する5クラブ、Jリーグ参加にしているが女子チームを新設する3クラブ(重複あり)とのことであった[18]。
2020年8月23日に外部有識者も加えた審査選考委員会が設置され、全4回の協議を経て、審査結果に基づく11クラブをWEリーグ理事会に推薦した[19]。
2020年10月15日の「WEリーグ参入クラブ発表記者会見」において、11クラブの入会申請が承認されたことが発表された[20][21]。
参入クラブ
クラブ名[注 1] | 本拠地 | 前所属リーグ |
---|---|---|
マイナビ仙台レディース | 宮城県 | なでしこ1部 |
三菱重工浦和レッズレディース[注 2] | 埼玉県 | |
大宮アルディージャVENTUS[注 3] | 新設[注 4] | |
ちふれASエルフェン埼玉 | なでしこ2部 | |
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース | 千葉県 | なでしこ1部 |
日テレ・東京ヴェルディベレーザ | 東京都 | |
ノジマステラ神奈川相模原 | 神奈川県 | |
AC長野パルセイロ・レディース | 長野県 | なでしこ2部 |
アルビレックス新潟レディース | 新潟県 | なでしこ1部 |
INAC神戸レオネッサ | 兵庫県 | |
サンフレッチェ広島レジーナ[注 5] | 広島県 | 新設 |
参入予定クラブ
クラブ名 | 本拠地 | 所属リーグ | 参入時期 |
---|---|---|---|
セレッソ大阪ヤンマーレディース[25] | 大阪府 | なでしこ1部 | 2023-24シーズン[26] |
初年度の参加が見送られたクラブ
なお、初年度参加を見送られた6クラブのうち、判明しているのは以下のとおりである。
- 群馬FCホワイトスター(関東1部)[27]
- 大和シルフィード(なでしこ2部)[28]
- 伊賀FCくノ一三重(なでしこ1部)[29]
- ディアヴォロッソ広島(中国2部)[30]
また、参加申請を見送ったのが判明しているのは以下のとおりである。
統計
クラブ別成績
クラブ名 | 優勝 | 2位 | 優勝年度 | 2位年度 |
---|---|---|---|---|
INAC神戸レオネッサ | 1 | 0 | 2021-22 | |
三菱重工浦和レッズレディース | 0 | 1 | 2021-22 |
音楽
選手入場やセレモニーの際に使用するWEリーグアンセムとして、ギタリストの春畑道哉(TUBE)制作の「WE PROMISE」に決定した[32][33]。春畑はJリーグ公式テーマソング「J'S THEME」も手がけている。
主催団体および協賛団体
主催団体
協賛団体
協賛団体一覧
- 2022年10月現在
協賛カテゴリー種別 | 契約開始年 | 協賛団体名 |
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タイトルパートナー | 2021年 | Yogibo (2021-22シーズンから2シーズン)[34] |
オフィシャルブロードキャスティングパートナー | DAZN (2021-22シーズンから8シーズン)[34] | |
ゴールドパートナー/グラスルーツパートナー | ダイハツ工業[35] | |
シルバーパートナー | プレナス[36] | |
旭化成ホームプロダクツ[37] | ||
レキットベンキーザー・ジャパン[38] | ||
ビーズインターナショナル[39] | ||
パーソル[40] | ||
2022年 | TREホールディングス[41] | |
オフィシャルサプライヤー | 2021年 | ビーズインターナショナル[39] |
オフィシャルエクイップメントパートナー | モルテン[42] | |
オフィシャルチケッティングパートナー | ぴあ (チケットぴあ)[43] |
テレビ放送・ネット配信実績
受賞
- 2021年度 JOCスポーツ賞 女性スポーツ賞[46]
関連項目
脚注
- ^ “ABOUT WE”. WEリーグ | Women Empowerment League. WEリーグ. 2021年4月16日閲覧。
- ^ a b c 日本初の女子プロサッカーリーグが2021年秋開幕 名称は『WEリーグ』に決定! - 日本サッカー協会・2020年6月3日
- ^ “株式会社ウェブシャーク(Yogibo)とWEリーグタイトルパートナー契約を締結 ~Yogibo WEリーグとして9月12日に開幕!~”. WEリーグ. (2021年7月5日)2021年7月9日閲覧。
- ^ 「女子新リーグ設立準備室」室長に佐々木氏選任 日本サッカー協会 - 毎日新聞・2019年9月12日
- ^ 岡島喜久子氏「新たな一歩」WEリーグチェア就任日刊スポーツ 2020年7月9日
- ^ a b 日本初の女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』が2021年秋に開幕決定 - 日本サッカー協会・2020年6月4日
- ^ “日本女子プロサッカーリーグ、本日7月1日より公益社団法人へ移行”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年7月1日). 2021年7月1日閲覧。
- ^ “「第二代WEリーグチェアに髙田春奈が就任」※任期は2022年9月29日より2024年9月に開催予定の定時社員総会終結の時までの2年間”. 公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ. 2022年10月1日閲覧。
- ^ a b “日本女子プロサッカーリーグ設立について”. JFA|公益財団法人日本サッカー協会 (2020年6月3日). 2021年4月16日閲覧。
- ^ “理念の具現化に向けた活動「WE ACTION」 現状の見える化と理念実現に向けたクラブの「WE ACTION」について”. Women Empowerment League (2021年9月9日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ a b “WEリーグ千葉 開幕節に試合なし、理念推進日でオンラインディスカッション”. スポーツニッポン (2021年9月13日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ NEWS
- ^ (資料)WEリーグ女性登用の現状, 2021.9.5 [1]
- ^ WEリーグ規約 第4章 [2]
- ^ 伊賀タウン情報YOU編集部 (2020年10月15日). “プロリーグ参入ならず 基準満たない地元競技場が理由 伊賀FCくノ一 | 【伊賀タウン情報 YOU】”. 2022年10月15日閲覧。
- ^ “WEリーグ参入結果と今後の挑戦に向けて – 大和シルフィード”. 2022年10月15日閲覧。
- ^ a b “WEリーグ、17団体が入会申請”. 日本サッカー協会 (2020年8月1日). 2020年10月15日閲覧。
- ^ “WEリーグ、17団体の入会申請を受理 広島などが新たに参入…今秋に参加チーム発表”. Football ZONE WEB (2020年8月1日). 2021年3月13日閲覧。
- ^ “WEリーグ、明日10/15に参入クラブを発表 14時より会見の模様をライブ配信”. 日本サッカー協会 (2020年10月14日). 2020年10月15日閲覧。
- ^ 「「WEリーグ」初年度参入11クラブが決定!! 大宮、広島の新クラブも参加へ」『ゲキサカ』、2020年10月15日。2020年10月15日閲覧。
- ^ “WEリーグ、11クラブの入会申請を承認”. 日本サッカー協会 (2020年10月17日). 2020年12月4日閲覧。
- ^ “浦和レッズレディースチーム名(「呼称」)の決定”. 浦和レッズレディース (2021年3月5日). 2021年3月8日閲覧。
- ^ “女子の新チーム名は「大宮アルディージャVENTUS」。佐々木総監督、岡本監督、大野コーチ、平井フィジカルコーチの就任決定!”. 大宮アルディージャ (2021年1月12日). 2021年3月8日閲覧。
- ^ “「サンフレッチェ広島レジーナ」女子プロチーム呼称決定のお知らせ”. サンフレッチェ広島 (2021年3月8日). 2021年3月8日閲覧。
- ^ “セレッソ大阪レディースチーム 新チーム名決定のお知らせ”. WEリーグ (2023年2月24日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ セレッソ大阪堺レディース、23年シーズンからWEリーグ入会へサンケイスポーツ、2022年9月14日閲覧
- ^ “サッカー女子「群馬ホワイトスター」 プロ「WEリーグ」に入会申請|群馬のスポーツ|上毛新聞ニュース”. 上毛新聞. 2021年4月17日閲覧。
- ^ “WEリーグ入会審査結果について | 大和シルフィード”. 大和シルフィード. 2021年4月17日閲覧。
- ^ “【伊賀FCくノ一三重】WEリーグ入会審査結果について – 伊賀FCくノ一三重”. www.igafc.jp. 2021年4月17日閲覧。
- ^ “残念ながら。。 | ゼロブログ | 株式会社 広創不動産”. ZEROブログ | 株式会社広創不動産. 2021年4月17日閲覧。
- ^ “女子プロサッカー「WEリーグ」 愛媛FCLは申請せず”. 愛媛新聞社. 2021年4月17日閲覧。
- ^ “WEリーグアンセムは春畑道哉さんが作曲 タイトルは『WE PROMISE』に決定 ~ティザー映像を本日公開!~”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年8月30日). 2021年9月3日閲覧。
- ^ “日本初の女子プロサッカーリーグ 「WEリーグ」公式アンセムに春畑道哉 『WE PROMISE』が決定! | 春畑道哉 | ソニーミュージックオフィシャルサイト”. 春畑道哉 | Sony Music (2020年8月30日). 2021年9月3日閲覧。
- ^ a b “大会名称は「Yogibo WEリーグ」に!! DAZNで放映へ”. ゲキサカ (2021年7月5日). 2021年7月5日閲覧。
- ^ “ダイハツ工業とWEリーグが「グラスルーツパートナー」契約を締結 共に地域に寄り添い、サッカー少女の夢を応援”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年3月8日). 2021年7月8日閲覧。
- ^ “プレナスとWEリーグが「シルバーパートナー」契約を締結”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年3月8日). 2021年7月8日閲覧。
- ^ “旭化成ホームプロダクツとWEリーグが「シルバーパートナー」契約を締結”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年4月23日). 2021年7月8日閲覧。
- ^ “レキットベンキーザー・ジャパン株式会社とWEリーグが「シルバーパートナー」契約を締結 女性の脚を支える「メディキュット」がWEリーガーをサポート”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年6月4日). 2021年7月8日閲覧。
- ^ a b “ビーズインターナショナルと WE リーグが「オフィシャルサプライヤー」契約を締結 「X-girl」が WE クラブへユニフォーム提供”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年4月23日). 2021年7月8日閲覧。
- ^ “パーソルと「シルバーパートナー」契約を締結”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年8月19日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ “TREホールディングスと「シルバーパートナー」契約を締結”. WEリーグ | Women Empowerment League (2022年3月1日). 2022年3月4日閲覧。
- ^ “株式会社モルテンとオフィシャルエクイップメントパートナー契約を締結”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年9月10日). 2021年9月10日閲覧。
- ^ “ぴあ株式会社とオフィシャルチケッティングパートナー契約を締結 ~WEリーグ公式チケットサイト「WEリーグチケット」開設~”. WEリーグ | Women Empowerment League (2021年8月31日). 2021年9月3日閲覧。
- ^ “国内初女子プロ「WEリーグ」DAZNと放映権契約「地上波も交渉中」”. 日刊スポーツ (2021年7月5日). 2021年7月5日閲覧。
- ^ a b c “2021-22 Yogibo WEリーグ 第1節 DAZNとDAZN YouTubeで全試合配信! 朝日放送テレビ、日本テレビでの地上波生中継も決定”. Women Empowerment League (2021年9月3日). 2021年9月7日閲覧。
- ^ “WEリーグが「令和3年度JOCスポーツ賞 女性スポーツ賞」を受賞”. WEリーグ公式サイト (2022年6月21日). 2022年6月21日閲覧。
外部リンク
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