新疋田駅(しんひきだえき)は、福井県敦賀市疋田にある[2]、西日本旅客鉄道(JR西日本)北陸本線の駅である。
新疋田駅 | |
---|---|
駅舎(2020年5月) | |
しんひきだ Shin-Hikida | |
◄*JR-A03・B10 近江塩津 (7.8 km) (6.7 km) 敦賀 JR-A01・B08► | |
所在地 | 福井県敦賀市疋田70-8 |
駅番号 | JR-A02(北陸本線) JR-B09(湖西線) |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | A 北陸本線 (B 湖西線直通含む) |
キロ程 | 39.2 km(米原起点) |
電報略号 | ヒタ |
駅構造 | 地上駅 |
(ホーム) | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- | 25人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1957年(昭和32年)10月1日[1][2] |
備考 | 無人駅 |
福井県最南端の駅で[1][注釈 1]、隣の近江塩津駅から分岐する湖西線の列車も乗り入れる。駅番号は北陸本線がJR-A02、湖西線がJR-B09。
歴史
- 1957年(昭和32年)10月1日:日本国有鉄道北陸本線の木ノ本駅 - 敦賀駅間の経路変更に伴い開業する((一般駅))[1][2]。駅建設の際、予定地内に桃の木30本を持つ地主が立木一本あたり5万円を要求、交渉がまとまらず一時は開業が危ぶまれていた[3]。
- 1960年(昭和35年)8月1日:貨物の取り扱いを廃止し、(旅客駅)となる[4]。
- 1963年(昭和38年)10月1日:衣掛隧道ループ線の開通に伴い鳩原信号場を廃止し、当駅 - 衣掛 - 敦賀駅間を上り線に、当駅 - 鳩原 - 敦賀駅間を下り線専用とすることで複線化する。同時に柳ヶ瀬線の疋田駅 - 敦賀駅間が休止となり、国鉄バスが代行輸送。
- 1966年(昭和41年)11月30日:沓掛信号場から当駅までが複線化されるとともに、同信号場を廃止する。
- 1971年(昭和46年)3月25日:荷物の取り扱いを廃止する[5]。駅員無配置駅となる[6]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる[4]。
- 2003年(平成15年)10月26日:北陸本線・湖西線の直流電化工事が開始される[7]。
- 2006年(平成18年)
- 2018年(平成30年)
駅構造
相対式ホーム2面2線を有する地上駅である[2]。上り本線はホームに接していない中央の1線で、通過列車が使用する[1][2]。停車する列車はホームに接する待避線(運転上は上り1番線)を使用する。
当駅から敦賀方面は金沢支社敦賀地域鉄道部の所管となっており、隣の近江塩津駅から先は近畿統括本部所管に変わる。なお、境界標は近江塩津駅の第1場内信号機付近に設置されている。
敦賀地域鉄道部が管理する無人駅である。駅舎は下りホーム(1番のりば)にあり、上りホーム(2番のりば)へは構内踏切を利用する[2]。窓口営業が廃止された後も永らく運転管理の駅員が配置されていたが、後にその要員も無配置となった。自動券売機は設置されていない。
駅舎は、ハンドカットのログハウスの平屋建てで、内部には鉄道写真を飾るギャラリー[2][8][16]や多目的トイレ、待合スペースなどがある。北陸本線の長浜駅 - 敦賀駅間などの電源方式変更(直流化)に伴い、敦賀駅まで延伸される新快速が新たに停車することとなったことに合わせて総工費7,200万円で駅舎が改築され、2006年(平成18年)[16]10月11日に供用を開始した。また、改築と同時にパークアンドライド用の駐車場が整備されている。
直流化に伴い、駅構内に新疋田変電所が新設された。新疋田変電所は電力会社からの受電を1回線のみとし、リチウムイオン電池を用いた補完装置を設置しているので、電力が途絶えても蓄電池での送電が行える。
のりば
- 付記事項
- 長らくのりば番号は設定されていなかったが、ICOCAの導入までに制定されている。
- 当駅は近畿エリアの路線記号の適用対象であるが、金沢支社管内に含まれているため、2019年3月16日改正時点で路線記号が使用されているのは駅ナンバリングに関わる個所のみである(他支社のように駅掲示時刻表に記載することはしていない)。
- 長編成の列車発着があったためにホームは長いが、電車用ホームを想定した設計の車両(223系や521系)に対応したかさ上げは4両分のみである。
ホーム(2007年8月、構内踏切から)
駅舎内に設けられたギャラリースペース(2020年5月)
ダイヤ
当駅は北陸本線と湖西線の列車が混在するため、経由する路線ごとに解説する。
北陸本線
日中時間帯
- 当駅に停車する設定がないため、全列車が通過する(※特急のみ運行)。
朝と夕方以降
- 新快速(敦賀発着)と普通(米原・長浜 - 敦賀間)が運行される。
- ※新快速は朝と夕方以降、普通は朝晩にそれぞれ運行する。
湖西線
日中時間帯
- 新快速(敦賀発着)が上下線とも1時間あたり1本停車する。
- (※長浜・米原方面へは(1駅隣の)近江塩津駅で乗り換えとなる)
朝と夕方以降
- 快速(敦賀発着)と普通(近江今津 - 敦賀間)が運行される。
- ※快速は朝晩に1往復(敦賀発が朝に1本、敦賀行きは晩に1本)のみ、普通は晩に京都行きが1本だけ設定されているが、それ以外はすべて近江今津 - 敦賀間のみを運行する。
- 付記事項
利用状況
この節は(検証可能)な(参考文献や出典)が全く示されていないか、不十分です。(2021年9月) |
「福井県統計年鑑」によると、近年の1日平均(乗車人員)は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1997年 | 33 |
1998年 | 32 |
1999年 | 35 |
2000年 | 24 |
2001年 | 24 |
2002年 | 20 |
2003年 | 20 |
2004年 | 17 |
2005年 | 14 |
2006年 | 13 |
2007年 | 17 |
2008年 | 21 |
2009年 | 28 |
2010年 | 29 |
2011年 | 32 |
2012年 | 26 |
2013年 | 25 |
2014年 | 25 |
2015年 | 23 |
2016年 | 23 |
2017年 | 23 |
2018年 | 26 |
2019年 | 25 |
駅周辺
国道161号に面しており、駅構内でこの国道と立体交差する[注釈 2]。駅から少し離れた北側に国道161号(七里半越)と国道8号(新道野越)の合流地点となる疋田交差点がある。それゆえ県境近くであるが車の量は比較的多い。駅北西側には「エメラルドタウン南敦賀」という小さな住宅街がある[18]。
鳩原ループ線をはじめ、新疋田駅およびその周辺にはいくつかの鉄道写真撮影の名所があり[1][2][16]、カメラを構えるファンの姿も見られる。駅の改修以前は撮影ポイントの案内図が用意されていた。
柳ヶ瀬線(北陸本線旧線)の疋田駅は、当駅より1kmほど北に下った旧愛発公民館の位置にあった。同時営業を行っていた時期もあったが、新疋田駅は疋田駅の代替駅とはみなされていなかった。なお、新疋田駅の駅名は、旧疋田駅と地名にちなんでいる[16]。
バス路線
駅舎の前に「新疋田駅(追分)」停留所があり、下記の路線が乗り入れる(※要予約[20])。
駅改名の議論
新疋田駅を愛発駅(あらちえき)へ改名することを求める議論があり[16]、2005年に敦賀市議会で取り上げられたほか、2017年には地元の区長会から嘆願書と署名簿が敦賀市長に手渡され[21]、敦賀市ではJR西日本金沢支社に要望することとした[22]。
その他
隣の駅
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e 川島 2010, p. 52.
- ^ a b c d e f g h 朝日 2012, p. 24.
- ^ 「あやぶまれる新疋田駅の建設 進まぬ用地買収交渉 十月 電化完成にも間に合わぬ?」『サンケイ』1957年5月2日付12面(福井)。
- ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、132頁。ISBN (978-4-533-02980-6)。
- ^ “日本国有鉄道公示第118号”. 官報. (1971年3月24日)
- ^ 「通報 ●北陸本線田村駅ほか7駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1971年3月24日、4面。
- ^ “広報つるが 平成15年12月号” (PDF). 敦賀市企画部広報広聴課. p. 1 (2003年11月11日). 2021年9月3日閲覧。
- ^ a b “まちかどスケッチ 新しくなった新疋田駅”. 敦賀市秘書広報課 (2006年11月1日). 2021年9月3日閲覧。
- ^ “広報つるが 平成18年12月号” (PDF). 敦賀市企画部広報広聴課. pp. 2-4 (2006年11月14日). 2021年9月3日閲覧。
- ^ “琵琶湖環状線ぐるり車窓の旅 滋賀県がリーフレット”. 産経ニュース. (2016年10月22日)2021年9月3日閲覧。
- ^ 近畿エリアの12路線 のべ300駅に「駅ナンバー」を導入します!
- ^ “JR西日本、駅ナンバリングを近畿エリアで展開! のべ300駅で2018年3月導入へ”. マイナビニュース (2016年7月20日). 2020年12月22日閲覧。
- ^ (PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道金沢支社、2018年5月30日。 オリジナルの2019年5月28日時点におけるアーカイブ2020年9月13日閲覧。 。
- ^ “イコカ福井県内導入は9月15日 福井駅と敦賀駅は先行で自動改札”. 福井新聞ONLINE (2018年5月31日). 2018年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月4日閲覧。
- ^ “JR西、福井でイコカ導入 9月15日から北陸線19駅”. 日本経済新聞. (2018年5月31日)2021年9月3日閲覧。
- ^ a b c d e . 朝日新聞デジタル. (2018年12月1日). オリジナルの2020年11月26日時点におけるアーカイブ。 2020年12月22日閲覧。
- ^ a b “新疋田駅|時刻表”. 西日本旅客鉄道. 2022年9月16日閲覧。
- ^ “福井県敦賀市|新疋田駅徒歩3分、エメラルドタウン南敦賀分譲地2区画がそれぞれ0円”. 0円都市開発合同会社(Zero Estate,LLC) (2021年4月13日). 2022年11月22日閲覧。
- ^ “愛発舟川の里”. まぶち清和後援会. 2022年12月26日閲覧。
- ^ “敦賀市コミュニティバス 愛発線時刻表”. 敦賀市コミュニティバス. 2022年3月15日閲覧。
- ^ “【福井】ハート形電飾で“愛”の出“発”駅PR 敦賀・JR新疋田駅”. 中日旅行ナビぶらっ人. (2017年12月19日)2020年12月22日閲覧。
- ^ “”. 福井新聞ONLINE (2017年3月30日). 2017年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月22日閲覧。
参考文献
関連項目
外部リンク
- 新疋田駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道