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平成30年台風第22号

平成30年台風第22号(へいせい30ねんたいふうだい22ごう、アジア名:マンクット / Mangkhut、フィリピン名:オンポン / Ompong)は、2018年9月に発生し、フィリピンや中国、香港などに甚大な被害をもたらした台風である。

台風第22号(マンクット・Mangkhut)
カテゴリー5の スーパー・タイフーンSSHWS
衛星画像(9月14日
発生期間 2018年9月7日12時 - 9月17日6時(UTC
寿命 9日18時間(234時間)
最低気圧 905 hPa
最大風速
(日気象庁解析)
110kt (55m/s)
最大風速
米海軍解析)
155kt
被害総額 37億7,000万ドル (2018 USD)
平均速度 28.0 km/h
移動距離 6,549 km
上陸地点 フィリピンルソン島北部
死傷者数 死者134人
被害地域 グアム・フィリピン・香港マカオ中国台湾 など
プロジェクト : 気象と気候災害
(テンプレートを表示)

概要

   
9月12日の衛星画像
9月13日の衛星画像

2018年9月5日頃、マーシャル諸島の近海で低圧部が形成されはじめたため、合同台風警報センター(JTWC)は7日6時30分(協定世界時6日21時30分)に熱帯低気圧形成警報(TCFA)を発表。低圧部は7日9時に熱帯低気圧へと発達し、合同台風警報センターは同日12時(協定世界時3時)に、熱帯低気圧番号26Wを付番した。26Wは7日21時にマーシャル諸島(北緯12度55分・東経165度20分)で台風22号となり[1][2]、アジア名「マンクット(Mangkhut)」と命名された。命名国はタイで、「マンゴスチン」を意味する[3]。台風は日本のはるか南の太平洋上を西に進み、10日にグアム島などを襲い[4]、11日15時には猛烈な勢力にまで発達して、先の台風21号に続きこの年4個目の猛烈な台風となった[5][6]。11日21時には中心気圧905hPa・最大風速55m/s(110kt)となって最盛期を迎え[7]、12日18時(フィリピン標準時12日17時)にフィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)の監視領域に進入したため、フィリピン名「オンポン(Ompong)」と命名された。台風はその後も勢力が全く衰えずにフィリピン方面に向かって西進し続け、現地時間の15日2時40分頃に、大型で猛烈な勢力のままルソン島北東部のカガヤン州付近に上陸[8][9][10]。上陸時の最大瞬間風速は約90m/s[9]、中心気圧は依然905hPaであったが、気象庁の解析によればこの記録は当時、過去10年間にフィリピンに上陸した台風の中では3番目に低い上陸時の気圧であったとされている[11]。ルソン島を横断して各地に大きな被害をもたらした後は、一旦南シナ海に抜けて、16日17時に中国広東省江門市に再上陸[12]。17日15時に華南(北緯24度・東経107度)で熱帯低気圧に変わった[13]

 
進路図
台風通過時のフィリピン北部の様子

この台風は最盛期が極めて長く、中心の気圧が905hPaであった期間は3日間以上に及び[7]、11日21時に最盛期に突入してから15日未明にルソン島に上陸する直前までの間、一貫して同等の勢力を維持し続けた。猛烈な勢力であった期間は合計で90時間に達し、連続で猛烈な勢力を継続し続けた期間の長さは、1978年台風26号に次いで1977年以降2番目の長さとなった[14]。また、カテゴリー5相当の勢力も、90時間というかなりの長期間キープしていた。2004年台風16号以来14年ぶりに、猛烈な勢力を72時間以上にわたって保ったことになる[14]。台風が72時間以上猛烈な勢力を維持し続ける確率は、およそ0.3程と極めて低いにも関わらず、この台風がこうした記録を残した理由は、海水温の高いフィリピンの東の海域を、長距離かつ長期間にわたって移動し続けたためであると考えられ[14]、事実として1978年の台風26号も、フィリピンの東のほぼ同緯度の太平洋上を一貫して西進し続けたため、猛烈な勢力を長期間にわたって保ち続けた。

連続での猛烈な勢力の期間が長い台風
順位 台風 国際名 猛烈な勢力であった期間
1 昭和53年台風第26号 Rita 1978年 96時間
2 平成30年台風第22号 Mangkhut 2018年 90時間
3 平成16年台風第16号 Chaba 2004年 78時間
4 令和元年東日本台風
(令和元年台風第19号)
Hagibis 2019年 72時間
昭和59年台風第22号 Vanessa 1984年
昭和56年台風第22号 Elsie 1981年
昭和54年台風第20号 Tip 1979年
8 平成9年台風第24号 Joan 1997年 66時間
9 平成24年台風第17号 Jelawat 2012年 60時間
平成3年台風第28号 Yuri 1991年
平成3年台風第23号 Ruth 1991年

被害・影響

ルソン島で起きた土砂崩れの様子

この台風は、フィリピンのルソン島に特に顕著な被害をもたらした。ルソン島のベンゲット州では大規模な土砂崩れが発生して多数の人々が巻き込まれたほか、主要農業地帯であるカガヤン州では農地に大きな被害が生じ[12]農業への被害総額はおよそ144億ペソ(約302億円)となった[15]。なおフィリピン政府は、台風がフィリピン方面に向かっていた13日に緊急の災害対策会議を開き、関係当局に警戒を指示したほか[16]、15日未明に台風がルソン島に上陸した際には、沿岸部や低地などに住むおよそ100万人に避難命令を出して厳戒態勢を取っていた[17]

香港での被害の様子
映像外部リンク
台風22号に襲われた香港
  香港を襲った台風22号 衝撃映像まとめ (TomoNews Japan)

中国当局は、香港や深圳で最高レベルの警報を発表。広東省では245万人以上が避難し、省内の主要な高速道路が封鎖された[12]。同省では少なくとも4人の死亡と300人以上の負傷が確認されている[18][19]。なお中国のメディアはこの台風を「風王」と称した[19]

台風の接近に伴い、香港当局は住民に対して、外出を控えるとともに窓に近寄らないよう指示。香港では、激しい風雨により高層ビルの窓が割れたり、クレーンが倒れたり、道路冠水したりして、少なくとも213人が負傷した[20][12]。大きな竜巻が発生したという報告もある[11]。また大半の店舗は、台風に備えて閉店となったほか、香港国際空港を発着する飛行機はおよそ900便が欠航となった[12]

マカオでは、台風の接近により42ヶ所全てのカジノが15日夜から一時休業するという初の措置が取られた[12][19]。カジノは17日に営業を再開したが、各地で洪水が発生したために、救助当局は店舗や家屋などに取り残された住民をジェットスキーボートで救助するなどの対応に追われた[19]

日本では台風による直接的な影響・被害は特になかったが、沖縄などの南西諸島では波の高さが7~8mと高くなり、大しけに見舞われた[21]

この台風による合計の犠牲者は少なくとも134人に達し、うち最も被害が大きかったフィリピンでの死者数は127人であった[22]

その他

この台風のアジア名である「マンクット」は、この台風限りで使用中止となり、次順からは「(クラトーン)(Krathon)」というアジア名が使用されることになった[23]。さらに、この台風のフィリピン名である「オンポン」も、同様にこの台風限りで使用中止となり、次順からは「オベット(Obet)」というフィリピン名が使用されることになった。

外部リンク

脚注

  1. ^ “”. 気象庁 (2018年9月7日). 2018年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月8日閲覧。
  2. ^ “台風22号「マンクット」が発生しました”. 日本気象協会 (2018年9月7日). 2018年9月7日閲覧。
  3. ^ “デジタル台風:2018年台風22号(マンクット|MANGKHUT)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年5月16日閲覧。
  4. ^ “今年“最強クラス”の台風22号が発生。グアムに打撃…週末は日本も警戒”. FNNプライムオンライン. 2020年5月16日閲覧。
  5. ^ “猛烈な台風22号今季最強へ 23号も発生(日直予報士)”. tenki.jp. 2020年5月16日閲覧。
  6. ^ “台風22号 「猛烈な」勢力に 21号に続き今年4個目”. ウェザーニュース. 2020年5月16日閲覧。
  7. ^ a b “デジタル台風:台風201822号 (MANGKHUT) - 詳細経路情報(Google Maps版)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年5月16日閲覧。
  8. ^ “大型で猛烈な台風22号 フィリピン・ルソン島に上陸”. ウェザーニューズ (2018年9月15日). 2018年9月15日閲覧。
  9. ^ a b “猛烈な台風22号、フィリピンに上陸 進路周辺に520万人”. CNN.co.jp. 2020年5月16日閲覧。
  10. ^ “”. web.archive.org (2018年9月14日). 2020年6月6日閲覧。
  11. ^ a b “「台風22号」数年来の最強勢力でフィリピン・中国に上陸 - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人. https://news.yahoo.co.jp/byline/morisayaka/20180917-00097151 2018年9月19日閲覧。 
  12. ^ a b c d e f 「台風22号、中国に上陸 フィリピンで約60人死亡」『BBCニュース』、2018年9月17日。2020年5月16日閲覧。
  13. ^ “台風22号(2018年) 台風22号は熱帯低気圧になりました”. tenki.jp. 日本気象協会. 2020年5月16日閲覧。
  14. ^ a b c “台風22号、14年ぶりに猛烈期間が72時間以上に - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人. https://news.yahoo.co.jp/byline/sugieyuji/20180914-00096524 2018年9月19日閲覧。 
  15. ^ “台風22号でルソン島北部中心に死者81人、農業被害は約302億円(フィリピン) | ビジネス短信 - ジェトロ”. www.jetro.go.jp. 2020年5月16日閲覧。
  16. ^ “大型で猛烈な台風22号(マンクット)比政府が緊急の災害対策会議 | 沖縄タイムス+プラス ニュース”. 沖縄タイムス+プラス. 2020年5月16日閲覧。
  17. ^ “”. web.archive.org (2018年9月15日). 2020年5月16日閲覧。
  18. ^ “台風22号、フィリピンの死者74人に 中国・広東省では4人死亡”. www.afpbb.com. 2020年5月16日閲覧。
  19. ^ a b c d “動画:台風22号、フィリピンの死者74人に 中国・広東省では4人死亡”. www.afpbb.com. 2020年5月16日閲覧。
  20. ^ “台風22号、フィリピンで59人死亡 香港でも被害:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年5月16日閲覧。
  21. ^ “台風22号は猛烈な勢力でフィリピンへ 沖縄近海もシケに”. ウェザーニュース. 2020年5月16日閲覧。
  22. ^ “Typhoon Mangkhut death toll hits 127” (英語). PerthNow (2018年9月22日). 2020年5月16日閲覧。
  23. ^ “2nd VIDEO CONFERENCE”. Typhoon Committee. 2020年10月20日閲覧。
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