加藤 鮎子(かとう あゆこ、1979年〈昭和54年〉4月19日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(3期)。
加藤 鮎子 かとう あゆこ | |
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内閣広報室より公表された肖像 | |
生年月日 | 1979年4月19日(44歳) |
出生地 | 日本 山形県鶴岡市 |
出身校 | 慶應義塾大学法学部 コロンビア大学国際公共政策大学院 |
前職 | 衆議院議員秘書 |
所属政党 | 自由民主党(谷垣グループ) |
配偶者 | 宮崎謙介(2006年 - 2009年) 一般男性 |
親族 | 祖父・加藤精三(衆議院議員) 父・加藤紘一(内閣官房長官) |
公式サイト | 加藤鮎子 official site |
(衆議院議員) | |
選挙区 | 山形3区 |
当選回数 | 3回 |
在任期間 | 2014年12月16日[1] - 現職 |
国土交通大臣政務官、環境大臣政務官兼内閣府大臣政務官、自由民主党山形県連会長を歴任[2][3][4]。父は元内閣官房長官・元自民党幹事長の加藤紘一。本名は、角田鮎子[5]。
来歴
生い立ち
山形県鶴岡市生まれ(現住所は鶴岡市大東町[5])。「鮎子」という名の由来は「故郷の魚であること」「故郷に帰ってくるように」との意味が込められている[6]。慶應義塾女子高等学校、慶應義塾大学法学部入学後に政治活動を始める。卒業後はドリームインキュベータ勤務を経て、野田聖子の秘書を務め[7]、第44回衆議院議員総選挙(郵政解散)後にアメリカ合衆国・コロンビア大学国際公共政策大学院に留学し国際公共政策を学ぶ。コロンビア大学の同窓には小泉進次郎がいる[8]。
帰国後は(日本国際交流センター)、(ピープルフォーカス・コンサルティング)勤務を経て、父・紘一の秘書を務める[8][9]。
2006年に宮崎謙介と結婚するが2009年に離婚した[10][11]。2011年4月には、東日本大震災で被災した宮城県七ヶ浜町にボランティアとして支援活動に参加した[12]。その後再婚した夫との間に2子をもうける[13]。
2012年12月、第46回衆議院議員総選挙で紘一が無所属の阿部寿一に敗れ落選。2013年4月17日、紘一から後継指名を受ける[14]。後継指名を受けた後、山形3区支部長公募に名乗りを挙げるため、新たに2,000人の党員を確保[15]し、また、支部長公募に意欲を見せていた阿部と佐藤ゆかりが、山形県連が提示した条件を不服として応募を取り下げた[16][17]ため、支部長に就任する。
政治家として
2014年12月、第47回衆議院議員総選挙に自民党候補として出馬。山形3区は第46回総選挙に続き無所属の阿部との保守分裂選挙となるが、阿部に僅差で勝利し初当選する[18][19]。当選後は、紘一の側近だった谷垣禎一の有隣会に加わり[20]、自民党女性局次長・自民党青年局次長に就任[9]。
2017年10月、第48回衆議院議員総選挙に出馬。阿部も希望の党公認として出馬するが、それを押し切って再選となった[21]。
2019年9月11日、環境大臣政務官兼内閣府大臣政務官に就任。
2021年3月28日、自民党山形県連の支部長・幹事長会議が開催。加藤は同年1月の山形県知事選挙で擁立した元県議の大内理加が落選した責任をとり県連会長を辞任すると表明し、了承された[22]。
2020年自由民主党総裁選挙、2021年自由民主党総裁選挙では、ともに岸田文雄の推薦人に名を列ねた。
2021年10月、第1次岸田内閣の国土交通大臣政務官に就任。
2021年10月31日、第49回衆議院議員総選挙で3選[23]。
政策・主張
安全保障
2015年7月16日、平和安全法制の衆議院採決について、「政府・与党内で1年以上に渡り議論が積み重ねられた」として賛成する一方[24]、「国民の理解は不十分であり、参議院でも十分な審議を尽くすべき」と主張した[25]。9月17日、山形新聞による平和安全法制の憲法適合性についての取材に対して、「運用さえ誤らなければ、合憲の範囲内」と慎重な姿勢を示した[26]。
災害対策
2015年3月10日、予算委員会第八分科会で、日本海沿岸東北自動車道の整備状況について質疑。山形県から秋田県・新潟県間の未開通箇所について、救命救急医療の搬送時間短縮、災害時の代替道路確保のため早期開通を行うべきと主張した。また、酒田港について、東日本大震災時に被害を受けた太平洋地域港湾の代替港湾としての実績から整備を強化するべきと主張し、国土交通大臣太田昭宏から「酒田港は非常に重要である」と言質を得た[27]。
山形県内
2015年5月30日、山形県開発推進懇談会に出席。第3次安倍内閣の掲げる地方創生推進のため、子育て支援・地方への定住化・再生可能エネルギー推進による地域活性化・公共インフラ整備について協議した[28]。
その他
- アベノミクスをどちらかと言えば評価する[24]。
- 消費増税の先送りをどちらかと言えば評価する[24]。
- 安倍内閣による北朝鮮問題への取り組みをどちらかと言えば評価する[24]。
- 共謀罪法をどちらかと言えば評価する[24]。
- 安倍内閣による森友学園問題・加計学園問題への対応をどちらかと言えば評価しない[24]。
- 長期的に消費税率を10%よりも高くすることにどちらかと言えば反対[24]。
- 幼稚園・保育所から大学まで教育を無償化すべきだ[24]。
- 当面は財政再建のために歳出を抑えるのではなく、景気対策のために財政出動を行うべきだ[24]。
- 国債は安定的に消化されており、財政赤字を心配する必要はない[24]。
- 所得や資産の多い人に対する課税を強化すべきだ[24]。
- いますぐ原子力発電を廃止すべきだ[24]。
- ひとり親家庭やDINKsなど家族の形は多様でよい[24]。
- 非核三原則を堅持すべきだ[24]。
- 日本の防衛力はもっと強化すべきだ[24]。
- 消費税10%に賛成。増える税収の使いみちとして、幼児教育の無償化や高等教育の負担軽減を挙げる[24]。
- 憲法改正にどちらかと言えば賛成。改正すべき項目として、環境権・緊急事態条項・プライバシー権を挙げる[24]。
- 選択的夫婦別姓制度導入にどちらかと言えば賛成[24]。
人物
- 交流関係
- 父加藤紘一の側近だった谷垣禎一とは幼少の頃から親交があり、第47回総選挙の応援演説では「鮎子氏を山形のためになる政治家に育てる」と激励を受けた[29]。また、自身がかつて秘書として仕えた野田聖子を政治資金パーティーに招待するなど、交流を続けている[30]。
- 一方、紘一と確執があった岸宏一とは、第47回総選挙の際に阿部寿一を支持し、選対本部長就任や応援演説を断られるなど険悪な関係だったが、当選後には関係を修復している[31][32]。ただ、第47回総選挙で議席を争った阿部とは対立が続き、2015年9月に実施された酒田市長選挙の際には鮎子・阿部それぞれを支持する市議会議員が丸山至選対の主導権を争うなど保守分裂が続いている[33]。
- 選挙
- 父紘一から選挙地盤を引き継ぐにあたり、紘一から「ドブ板娘と呼ばれるまで地域を回れ」[34]「農家の声は大事だぞ」[34]との助言を受けた。しかし、それ以外は基本的に紘一は口を挟まず[34]、選挙は鮎子の自由に任せたという[34]。
不祥事
第48回衆議院議員総選挙公示日4日前の2017年10月6日、加藤が代表を務める政治団体「自由民主党山形県第三選挙区支部」は、国の公共事業を受注した地元の建設会社2社から合わせて400万円の寄付を受けた[35]。公職選挙法199条は国の公共事業を請け負う業者が国政選挙に関して寄付することを禁じているが、同団体は報道機関の取材に対し「指摘の会社が国の公共工事を受注していることについては全く知らなかった」と答えた[36]。
家族・親族
所属議員連盟
脚注
- ^ 平成26年12月16日山形県選挙管理委員会告示第62号(衆議院小選挙区選出議員選挙において当選人となった者の住所及び氏名並びに当該当選人に係る候補者届出政党)
- ^ “自民県連会長に加藤鮎子氏が就任 地域支部との対話を重視”. 産経新聞. (2019年9月1日) 2019-09-0閲覧。
- ^ 藤村元大 (2021年3月29日). “自民・加藤鮎子氏、山形県連会長を辞任 知事選の敗北受け”. 毎日新聞2021年3月29日閲覧。
- ^ “加藤 鮎子 (かとう あゆこ)”. 内閣総理大臣官邸. 2022年8月10日閲覧。
- ^ a b “自由民主党山形県支部連合会 政治資金収支報告書(平成30年分定期公表)” (PDF). 山形県選挙管理委員会 (2019年11月15日). 2019年12月2日閲覧。
- ^ 【CafeSta】「Women's Talk~独占女性の30分~」ゲスト:加藤鮎子衆議院議員 ナビゲーター: 高橋ひなこネットメディア局次長 (2018.4.19)自民党
- ^ “【衆院選】加藤紘一氏三女・鮎子氏、父の敵討ちも「横一線」つば競り合い”. スポーツ報知. (2014年12月11日). オリジナルの2014年12月20日時点におけるアーカイブ。2014年12月20日閲覧。
- ^ a b “プロフィール”. 加藤鮎子 official site2015年5月31日閲覧。
- ^ a b “加藤鮎子”. 衆議院2016年8月4日閲覧。
- ^ 「週刊新潮」2014年12月11日号
- ^ “宮崎議員、加藤紘一氏長女と3年で離婚 その時も「女性問題が原因」”. Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2016年2月9日) 2016年2月11日閲覧。
- ^ “第190回国会 衆議院 災害対策特別委員会議録 第3号” (PDF). 衆議院 (2016年3月17日). 2016年6月24日閲覧。
- ^ プロフィール オフィシャルサイト
- ^ “加藤紘一氏が政界引退 三女を後継指名へ”. nikkansuports.com (日刊スポーツ). (2013年4月18日). オリジナルの2014年12月20日時点におけるアーカイブ。 2014年12月20日閲覧。
- ^ “支部長は加藤紘一氏の三女・鮎子氏…保守分裂か”. YOMIURI ONLINE (読売新聞). (2013年7月1日). オリジナルの2014年12月20日時点におけるアーカイブ。 2014年12月20日閲覧。
- ^ “自民公募、現職衆院議員も断念した誓約書の存在”. 毎日新聞. (2014年6月30日)2014年12月20日閲覧。
- ^ “佐藤ゆかり議員 衆院のいす巡って山形県連と大バトル”. dot.ドット 朝日新聞出版. (2014年5月16日)2014年12月20日閲覧。
- ^ “衆院選:加藤鮎子氏に当確 阿部寿一氏ら破る 山形3区”. 毎日jp (毎日新聞). (2014年12月15日). オリジナルの2014年12月17日時点におけるアーカイブ。 2014年12月20日閲覧。
- ^ 山形 - 開票速報 - 2014衆院選:朝日新聞デジタル
- ^ “「数は力だ!」 新人15人めぐり争奪戦 首相も参戦 ますます太る町村派 焦る額賀派”. 産経ニュース (産経新聞). (2014年12月18日) 2014年12月20日閲覧。
- ^ “<衆院選山形>票上積み自民盤石 共闘崩れて希望しぼむ”. 河北新報 (2017年10月24日). 2017年10月24日閲覧。
- ^ 藤村元大 (2021年3月29日). “自民・加藤鮎子氏、山形県連会長を辞任 知事選の敗北受け”. 毎日新聞2021年3月29日閲覧。
- ^ “衆議院選挙2021 山形(米沢・鶴岡など)開票速報・選挙結果”. 衆議院選挙2021特設サイト. NHK. 2021年11月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 2017年衆院選、候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査)
- ^ “安保法案衆院通過、本県4衆院議員コメント 自民「平和守る」民主「数の横暴」”. 山形新聞. (2015年7月17日). オリジナルの2015年7月19日時点におけるアーカイブ。2015年7月17日閲覧。
- ^ “安保法案審議大詰め、県関係国会議員見解 自民2氏は「合憲」明確に”. 山形新聞. (2015年9月18日). オリジナルの2015年9月19日時点におけるアーカイブ。 2015年9月19日閲覧。
- ^ “第189回国会 予算委員会第八分科会 第1号”. 衆議院. (2015年3月10日) 2015年5月31日閲覧。
- ^ “地方創生、政府への提言で議論 県開発推進懇談会”. 山形新聞. (2015年5月31日). オリジナルの2015年5月31日時点におけるアーカイブ。2015年5月31日閲覧。
- ^ “〈衆院選〉「大将の娘」激励 谷垣氏酒田入り”. 河北新報. (2014年12月4日). オリジナルの2015年9月19日時点におけるアーカイブ。 2015年9月19日閲覧。
- ^ “加藤鮎子氏、親子2代の「だだちゃ豆パーティー」”. 山形新聞. (2015年8月26日). オリジナルの2015年9月19日時点におけるアーカイブ。2015年9月19日閲覧。
- ^ “〈衆院選〉岸氏、自民選対本部長辞退 山形3区”. 河北新報. (2014年11月30日). オリジナルの2015年9月19日時点におけるアーカイブ。2015年9月19日閲覧。
- ^ “「溝なし」演出? 自民・山形 加藤鮎氏と岸氏”. 河北新報. (2015年1月9日). オリジナルの2015年9月19日時点におけるアーカイブ。2015年9月19日閲覧。
- ^ “酒田市長選、告示まで3週間 丸山氏・保守分裂のしこりも、和嶋氏・知事に支援要請注目”. 山形新聞. (2015年8月8日)2015年9月19日閲覧。
- ^ a b c d 加藤鮎子「大きかった父の存在」『文藝春秋』96巻1号、文藝春秋、2018年1月1日、528頁。
- ^ “自由民主党山形県第三選挙区支部 政治資金収支報告書(平成29年分定期公表)” (PDF). 山形県選挙管理委員会 (2018年11月16日). 2019年12月2日閲覧。
- ^ “加藤鮎子衆院議員の自民支部 国の工事受注2社から寄付 17年衆院選公示4日前”. 毎日新聞. (2019年11月28日)2020年10月9日閲覧。
- ^ 俵義文 『日本会議の全貌』 花伝社、2016年