別宮 貞徳(べっく さだのり、1927年(95 - 96歳) - )は、日本の英文学者・翻訳家。元上智大学文学部教授[1]。
略歴
1927年、東京府生まれ。兵庫県立第一神戸中学校、第一高等学校理科を経て、上智大学英文科に進む。同大学大学院修士課程修了。1972年から1992年まで上智大学教授[2]。
研究内容・業績
- 同僚であったピーター・ミルワード、チェスタトンなどの多くの翻訳のほか、誤訳批評・批判でも知られる。
- クラシック音楽にも造詣が深く、数多くの著書がある。
家族・親族
著書
単著
- 「あそび」の哲学――独楽的人生のすすめ(産業能率短期大学出版部 1974年/講談社学術文庫 1984年)
- 「あそび」の効用――やぶにらみ人間学(産業能率短期大学出版部 1975年)
- 改題『複眼思考のすすめ――非合理が文化を作る』(講談社文庫 1986年)
- 翻訳を学ぶ(八潮出版社 1975年)
- 改題『翻訳と批評』(講談社学術文庫 1985年)
- 「型破り」の思想(産業能率短期大学出版部 1976年)
- 日本語のリズム――四拍子文化論(講談社現代新書 1977年/ちくま学芸文庫 2005年)
- 翻訳読本――初心者のための8章(講談社現代新書 1979年)
- 翻訳の初歩――英文和訳から翻訳へ(ジャパンタイムズ 1980年)
- 改題『実践翻訳の技術――さらば学校英語』(ちくま学芸文庫 2006年)
- 誤訳迷訳欠陥翻訳(正・続)(文藝春秋 1981-83年/ちくま学芸文庫 1996年)
- 誤訳辞典(日本翻訳家養成センター 1983年)
- スタンダード英語講座(1)英文の翻訳(大修館書店 1983年)
- 「不思議の国のアリス」を英語で読む(PHP研究所「21世紀図書館」 1985年/PHP文庫 1993年/ちくま学芸文庫 2004年)
- こんな翻訳読みたくない(文藝春秋 1985年)
- こんな翻訳に誰がした(文藝春秋 1986年)
- 悪いのは翻訳だ――あなたのアタマではない(文藝春秋 1988年)
- 目から鼻へ抜ける話(南窓社 1989年)
- 翻訳の落とし穴(文藝春秋 1989年)
- 翻訳はウソをつく(文藝春秋 1991年)
- 裏返し文章講座 翻訳から考える日本語の品格(ちくま学芸文庫 2009年)。上記の各文春版からの再編本
- そこに音楽があった――ベック氏の極私的エッセイ(春秋社 1992年)
- 誤訳、悪訳、欠陥翻訳――ベック剣士の激辛批評(バベル・プレス 1993年)
- やっぱり、誤訳だったのか!――欠陥翻訳時評(ジャパンタイムズ 1996年)
- 欠陥だらけの大学英語入試(マガジンハウス 1996年)
- トリヴィア・トリヴィオールム――別宮貞徳論文選集(南窓社 2004年)
- できたらすごいBEC先生の「へぇ」クイズ(共同通信社 2005年)
- 実況翻訳教室――達人に挑戦(ちくま学芸文庫 2007年)
- 日本語縦横無尽――国語力即上昇のQ&A(共同通信社 2007年)
- ステップアップ翻訳講座―翻訳者にも説明責任が(ちくま学芸文庫 2011年)
編著
- 日本の名随筆 別巻45 翻訳(作品社 1994年)
- ヨゼフ・ロゲンドルフ一巻選集(南窓社 1988年)
訳書
- T・H・セイヴァリー『翻訳入門――その理念と技法』(八潮出版社 1971年)
- F・ベイテイほか『日本を知る――外人の見た400年』(南窓社 1972年)
- 『G・K・チェスタトン著作集(2) 人間と永遠』(春秋社 1973年)
- 『G・K・チェスタトン著作集(4) 棒大なる針小――文学論随筆集』(春秋社 1975年)、安西徹雄共訳、新装版1999年
- 『G・K・チェスタトン著作集(5) 異端者の群れ』(春秋社 1975年)
- 『G・K・チェスタトン著作集(7) ローマの復活』(春秋社 1977年)
- ウォルター・ペイター『ルネサンス』(冨山房百科文庫 1977年/中公クラシックス 2015年)
- ピーター・ミルワード『イギリス人と日本人』(講談社現代新書 1978年)
- ミルワード『イエスとその弟子――聖書を読む』(講談社現代新書 1978年)
- エドワード・ヒース『音楽――人生の喜び』(日貿出版社 1980年)
- ミルワード『人はどう生きるか』(講談社現代新書 1982年)
- ヨゼフ・ロゲンドルフ『異文化のはざまで』(文藝春秋 1983年)
- イェフディ・メニューヒン、カーティス・W・デイヴィス『メニューヒンが語る人間と音楽』(日本放送出版協会 1983年)
- ポール・セロー『古きアフガニスタンの思い出』(心交社 1988年)
- チャールズ・ホーマー・ハスキンズ『十二世紀ルネサンス』(みすず書房 1989年、新版1997年・2007年)。朝倉文市共訳
- 『十二世紀のルネサンス ヨーロッパの目覚め』(講談社学術文庫 2017年)
- ミルワード『ミルワード師の天眼鏡 ニッポンこころ模様』(主婦の友社 1989年)。編訳
- ポール・ジョンソン『インテレクチュアルズ』(共同通信社 1990年/講談社学術文庫 2003年)。文庫は抜粋版
- ミルワード『旧約聖書の智慧』(講談社現代新書 1990年)
- ヴァレリオ・ヴォルピーニ『ヴァティカン――歴史・芸術・建築』(原書房 1991年)
- 『G・K・チェスタトン著作集〈評伝篇 5〉 ロバート・ルイス・スティーヴンソン』(春秋社、1991年)、柴田裕之共訳、ピーター・ミルワード編・解題
- ポール・ジョンソン『現代史 1917-1991』(共同通信社 1992年)
- ジェフリー・バラクラフ編『図説キリスト教文化史(1-3)』(原書房 1993-94年)
- ウォルター・アイザックソン『キッシンジャー――世界をデザインした男』(日本放送出版協会 1994年)
- ミルワード『お茶とミサ――東と西の「一期一会」』(PHP研究所 1995年)
- ポール・ジョンソン『近代の誕生 1815年〜1830年(1-3)』(共同通信社 1995年)
- T・バーギン/J・スピーク編『ルネサンス百科事典』(原書房 1995年)
- ロナルド・ブラウンリッグ『新約聖書人名事典』(原書房 1995年)
- アラン・スケッド『図説ハプスブルク帝国衰亡史――千年王国の光と影』(原書房 1996年)
- フェリペ・フェルナンデス=アルメスト『ミレニアム――文明の興亡この1000年の世界』(日本放送出版協会 1996年)
- ジョン・チェリー編『幻想の国に棲む動物たち』(東洋書林 1997年)
- ミルワード『英語の名句・名言』(講談社現代新書 1998年)
- ミッチ・アルボム『モリー先生との火曜日』(日本放送出版協会 1998年)
- ポール・ジョンソン『キリスト教の2000年』(共同通信社 1999年)
- ノーマン・デイヴィス『ヨーロッパ(1-4)』(共同通信社 2000年)
- ポール・ジョンソン『アメリカ人の歴史』(共同通信社 2001年)
- アラン・ブラックウッド『世界音楽文化図鑑』(東洋書林 2001年)
- ローレンス・ライト『ベッドの文化史――寝室・寝具の歴史から眠れぬ夜の過ごしかたまで』(八坂書房 2002年)
- トム・ルッツ『人はなぜ泣き、なぜ泣きやむのか?――涙の百科全書』(八坂書房 2003年)
- マーティン・セイモア=スミス『世界を変えた100冊の本』(共同通信社 2003年)、共訳
- ジョン・ウィルズ『1688年――バロックの世界史像』(原書房 2004年)、共訳
- ノーマン・デイヴィス『アイルズ――西の島の歴史』(共同通信社 2006年)
関連事項
脚注
外部リンク
- 別宮 貞徳 筑摩書房 2022年5月閲覧