仙石原(せんごくはら、せんごくばら)は神奈川県足柄下郡箱根町の地名。郵便番号は250-0631[2]。ススキの草原や仙石原温泉で知られる。
概要
箱根火山カルデラ内の北部に位置し、湿原や草原が広がる。総面積は約16ha。これはかつてこの地域がカルデラ湖の一部だった名残りである。富士箱根伊豆国立公園に指定されている。現在は一部が別荘地やゴルフ場として整備されている。現在は2005年にオープンした箱根ラリック美術館をはじめ、ポーラ美術館、星の王子さまミュージアム、箱根ガラスの森等の美術館が点在し、美術館目当ての観光客も多い。
仙石原のことを、古くは「千穀原」とも書いた。地名の由来については複数の説があり、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将・大名、豊臣秀吉の最古参家臣仙石秀久に由来する説や、源頼朝が雄大な原野を眺めて「この地を開墾すれば米千石はとれるだろう」と言ったのを由来とする説[4]などがある。
歴史
紀元前1,000年ころに、神山の北西斜面で水蒸気爆発が起こり、これが引き金となって崩壊が起こり、大量の土砂が神山岩屑なだれとなって仙石原に流れ込んだ。その後、神山北西斜面の崩壊跡に地下からマグマが上昇し、冠ヶ岳ができ、冠ヶ岳火砕流が繰り返し北西斜面を流れ下り、このとき崩れた土砂が仙石原をつくった。弥生時代中期には、多量の土砂のせき止めによって、古芦ノ湖の仙石原部分が湿地化し、農耕民が住み始めた。
- 1960年(昭和35年)9月7日 - 大涌谷駅および姥子駅が開業。
- 1963年(昭和38年) - 姥子からの引湯が始まる。
- 1969年(昭和44年) - 笹尾台分譲地までの引湯工事により、仙石原全域へ温泉配湯が完了する。
- 1974年(昭和49年)
- 1982年(昭和57年)7月22日 - 仙石原文化センターがオープン。
- 1984年(昭和59年)8月31日 - 仙石原中学校の新校舎が完成。
- 1985年(昭和60年)10月1日 - 仙石原浄水センター完成。
- 1996年(平成8年)9月6日 - 80円切手「仙石原湿原植物群落」が発行される[5]。
- 2008年(平成20年)3月31日 - 仙石原中学校閉校。
- 2019年(令和元年)10月12日 - 令和元年東日本台風により、国道138号の春山下バス停付近で大規模な崩壊が発生。春山荘バス停から碓氷洞門間が同年12月18日まで通行止となった[6]。
箱根山の噴火に関する主な出来事
2015年4月26日から箱根山で火山性地震が増加し[7]、5月6日に箱根山が気象庁により噴火警戒レベル2に指定されると[8]、仙石原においても、観光に深刻な影響が出始めた[9]。立ち入り規制の対象となった大涌谷周辺の温泉と、そこから温泉の供給を受ける温泉への影響は大きく、仙石原温泉の業者の一人は、6月の始めから宿泊予約が激減したことを、「死活問題」と語った[9]。
6月30日に噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられると[10]、仙石原のホテルにおいても、宿泊客が通常の5割以下になるところがみられるなど、事態が深刻化した[11]。
地理
河川
世帯数と人口
施設
- 箱根町役場仙石原出張所
- 仙石原公民館(文化センター)
- 箱根町消防本部仙石原分遣所
- 仙石原浄水センター
- 箱根町立仙石原小学校
- 箱根町営仙石原テニスコート
- 大涌谷
- 金時神社
- 箱根町立箱根湿生花園
- 箱根ラリック美術館
- 箱根★サン=テグジュペリ 星の王子さまミュージアム
- 箱根ガラスの森
- (仙石原温泉)
- 富士屋ホテル仙石ゴルフクラブ
- 大箱根ゴルフクラブ
- 箱根ゴルフクラブ
- 箱根湖畔ゴルフクラブ
文化財
行事
ギャラリー
秋の箱根仙石原湿原植物群落(国の天然記念物)
夏の箱根仙石原湿原植物群落(国の天然記念物)
秋のすすき草原
夏のすすき草原
野焼き後のすすき草原
交通
索道
バス
拠点となる停留所としては、「仙石」・「仙石案内所前」・「仙郷楼前」などがある。すすき草原は小田急ハイウェイバスや箱根登山バスの「仙石高原」停留所が最寄である。
- 小田急ハイウェイバス
- 箱根登山バス
- T系統 桃源台線 小田原駅東口-箱根湯本駅-宮ノ下駅-宮城野-俵石・箱根ガラスの森前-仙石-仙石案内所前-川向・星の王子さまミュージアム前-仙郷楼前-仙石高原-桃源台-湖尻 ※桃源台-湖尻間は朝のみ
- L系統 湯本・アウトレット線 箱根湯本駅-宮ノ下駅-宮城野-俵石・箱根ガラスの森前-仙石-乙女峠-御殿場プレミアム・アウトレットー時之栖御殿場高原ビール その他は「仙石」でのりかえ。
- G系統 御殿場線 箱根湯本駅-宮ノ下駅-宮城野-俵石・箱根ガラスの森前-仙石-乙女峠-御殿場駅
- G系統 御殿場線 天悠-強羅駅-宮城野-俵石・箱根ガラスの森前-仙石-乙女峠-御殿場駅箱根乙女口
- G系統 御殿場線 仙石案内所前-仙石-乙女峠-御殿場駅箱根乙女口
- M系統 「観光施設めぐりバス」(路線バス) 天悠-強羅駅-宮城野-俵石・箱根ガラスの森前-仙石-仙石案内所前-箱根ラリック美術館-湿生花園
- M系統 「観光施設めぐりバス」(路線バス) 御殿場プレミアム・アウトレット-宮城野-強羅駅
- S系統 「観光施設めぐりバス」(路線バス) 天悠-彫刻の森-彫刻の森駅-強羅駅-強羅公園-ポーラ美術館-仙郷楼前-星の王子さまミュージアム-箱根ガラスの森-仙石-仙石案内所前-箱根ラリック美術館-湿生花園前
道路
脚注
注釈
出典
- ^ a b “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat)”. 総務省統計局 (2017年5月30日). 2018年2月28日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2017年11月27日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2018年2月28日閲覧。
- ^ 新編相模国風土記稿 仙石原村.
- ^ 同年9月3日、郵政省告示第461号「八十円郵便切手の様式の件」
- ^ “令和元年台風第19号災害対応報告書 p9”. 箱根町 (2020年). 2022年2月4日閲覧。
- ^ 「箱根のやや活発な地震活動(4月26日〜)」神奈川県温泉地学研究所
- ^ 「火山名 箱根山 噴火警報(火口周辺)」(気象庁地震火山部、平成27年5月6日)
- ^ a b 「箱根旅館、商店が悲鳴 宿泊予約入らず「死活問題」」(『スポーツ報知』、2015年6月7日)
- ^ 火山名 箱根山 噴火警報(火口周辺)平成27年6月30日12時30分 気象庁地震火山部
- ^ 「箱根温泉街が悲鳴 レベル引き上げで宿泊客5割以下」(『日刊スポーツ』2015年7月12日)
参考文献
- 「苅野庄 仙石原村」『大日本地誌大系』 第36巻新編相模国風土記稿1巻之21村里部足柄上郡巻之10、雄山閣、1932年8月、272頁。(NDLJP):1179198/148。