高槻市駅(たかつきしえき)は、大阪府高槻市城北町二丁目にある、阪急電鉄京都本線の駅。駅番号はHK-72。JR西日本の駅(高槻駅)との区別から 阪急高槻駅 と呼ばれることがある。
概要
大阪梅田駅と京都河原町駅のほぼ中間に位置する、阪急京都本線の運行ダイヤ上の境界駅である。京都本線と相互直通運転を実施しているOsaka Metro堺筋線のOsaka Metro車両の通常ダイヤでの乗り入れは当駅までとなっており、また大阪梅田駅発の普通も昼間は全て当駅で折り返す。
東隣の上牧駅との駅間距離は4.3 kmで、阪急線内では最も長い[2](開業当時は大山崎駅まで7.1 kmにわたって駅がなかった)。また西接の富田駅との距離も3.3 kmと、こちらも阪急線内ではかなり長い距離となっている。
土休日に運行される快速特急を除く全ての便が停車する利便性の高い駅ではあるが、近接するJR京都線の高槻駅には新快速・一部のはるか・サンダーバードが停車することもあり、当駅の乗降客数はJRの半分程度にとどまり、また茨木市駅と比較してもほぼ同程度となっている。
歴史
大阪と京都の中間に位置する高槻市は戦後より市街地の開発が進行し人口が急増、このためラッシュ時の混雑を緩和する必要があり駅の高架化が企図されてきた[1]。1980年(昭和55年)には朝夕のみ稼働する定期券専用改札口を設置するなど臨時の対策を講じていたが、翌年より連続立体交差事業が進められ、1994年(平成6年)に高架化工事が完了した[1]。
年表
- 1928年(昭和3年)
- 1930年(昭和5年)9月15日:会社合併により京阪電気鉄道新京阪線の駅となる[2]。
- 1943年(昭和18年)
- 1949年(昭和24年)12月1日:新京阪線が京都本線に改称され、当駅もその所属となる[2]。
- 1969年(昭和44年)12月6日:大阪市営地下鉄堺筋線開業に伴い、相互直通運転開始。大阪市交通局車両の折り返し駅となる(河原町駅まで直通する堺筋急行は1979年(昭和54年)3月5日から運行開始)。
- 1972年(昭和47年)8月:(ホーム有効長)を160 mに延伸[4]。
- 1981年(昭和56年)3月25日:「阪急京都線高槻市駅周辺連続立体交差事業」に基づき高架化工事着工[5]。高架化工事中、構内引き上げ線が使用不能になるため、京都側(丸大食品工場裏付近)に高槻東信号所(引き上げ・折り返し用)が設けられた。
- 1989年(平成元年)4月23日:下り線高架化[6]。
- 1991年(平成3年)5月17日:上り線高架化[7]
- 1993年(平成5年)2月1日:終日禁煙となる[8]。
- 1994年(平成6年)3月31日:「阪急京都線高槻市駅周辺連続立体交差事業」が竣工[9]。
- 1997年(平成9年)3月2日:全営業列車停車駅になる。
- 2011年(平成23年)5月14日:土曜日・休日に当駅を通過する快速特急の運転を開始し、全列車停車は平日ダイヤ時のみとなる。
- 2013年(平成25年)12月21日:駅ナンバリングが導入される[10][11]。
- 2020年(令和2年)11月20日:駅ナカ商業施設のリニューアル工事が完了。「エミル高槻」として営業を開始。
駅構造
ホームは3階にあり、改札・コンコースは2階の1か所のみ。各階を結ぶエレベーターや上り下りのエスカレーターが整備されているので、上下移動は比較的容易である。
自動改札機は東芝製で、PiTaPaなどのIC乗車券専用のものが4台置かれている(その他の全筐体もIC対応型)。主要な駅にあるごあんないカウンター(かつての「サービスセンター」)や定期券売り場も設置されている。
京都河原町寄りに引き上げ線があり、当駅で折り返す(普通)が主に使用する。
のりば
※内側2線(2号線と3号線)が主本線、外側2線(1号線と4号線)が待避線である。
駅ナカ商業施設
高架下の駅ナカ商業施設は『EMIRU TAKATSUKI(エミル高槻)』と名付けられ、阪急電鉄が運営している[12]。スーパー(KOHYO)、飲食店、雑貨店、ファッション店、エステ(TBC)、スポーツクラブ(KONAMI)、理容室(QBハウス)、銀行(りそな銀行)などが入居する。
1993年の創業から2020年までは「ミング阪急高槻」として運営されており、同年11月20日のリニューアルオープンから現在の名称となった。
かつては高槻市の行政サービスコーナーがあり、各種証明書の発行が可能であったが、2017年9月30日をもって閉鎖されている。この跡地は高槻市観光情報コーナー、高槻市営バス案内所になっている。また、高槻市立図書館の図書返却ポストも設置されている。
ダイヤ
土休日のみ運転される(快速特急)を除き、全定期列車が停車する。
大阪梅田方面からの列車で当駅で折り返す列車が多数設定されている[13]。Osaka Metro堺筋線の天下茶屋駅発着の普通列車は朝夕の京都河原町駅発着列車を除き全て当駅発着である。日中は大阪梅田駅発着便を含めた普通の全てが当駅で折り返す。また、朝には当駅始発の準急大阪梅田行きが、平日朝には当駅始発の普通京都河原町行きが、土休日深夜には京都河原町からの当駅止まりの普通が設定されている。
2022年12月16日まで、深夜には当駅止まりの下り快速急行が設定されていた。
定期列車でOsaka Metroの車両の乗り入れは当駅が東限である。
多くの普通が当駅で折り返すのをカバーするため、(準急)は当駅から京都河原町寄りの各駅に停車する。
日中は土休日の下りを除いて特急と準急との緩急接続が行われている[14]。
2008年(平成20年)秋から運行されている、行楽期の嵐山方面への(臨時直通列車)は当駅には停車しない。営業列車で当駅を通過する列車の設定は1997年(平成9年)以来である。
利用状況
2020年(令和2年)度ある特定日におけるの1日の乗降人員は57,059人で、阪急電鉄全線では第7位である[15]。
各年度の乗車・乗降人員の推移は下表の通り。
年度 | 特定日 | 1日平均 乗車人員[16] | 出典 | |
---|---|---|---|---|
乗降人員 | 乗車人員 | |||
1995年(平成 | 7年)69,427 | 34,290 | - | [17] |
1996年(平成 | 8年)75,087 | 37,154 | [18] | |
1997年(平成 | 9年)75,637 | 37,223 | [19] | |
1998年(平成10年) | 76,571 | 37,338 | [20] | |
1999年(平成11年) | - | |||
2000年(平成12年) | 70,617 | 35,273 | [21] | |
2001年(平成13年) | 68,896 | 34,260 | [22] | |
2002年(平成14年) | 67,411 | 33,542 | [23] | |
2003年(平成15年) | 63,939 | 31,681 | [24] | |
2004年(平成16年) | 64,094 | 31,607 | [25] | |
2005年(平成17年) | 66,660 | 33,106 | [26] | |
2006年(平成18年) | 63,781 | 31,743 | [27] | |
2007年(平成19年) | 65,301 | 32,481 | 35,194 | [28] |
2008年(平成20年) | 63,429 | 31,440 | 35,800 | [29] |
2009年(平成21年) | 60,218 | 29,619 | 33,441 | [30] |
2010年(平成22年) | 61,253 | 30,094 | 31,995 | [31] |
2011年(平成23年) | 62,859 | 30,887 | 33,194 | [32] |
2012年(平成24年) | 62,115 | 30,511 | 33,962 | [33] |
2013年(平成25年) | 63,167 | 30,937 | 34,258 | [34] |
2014年(平成26年) | 62,858 | 30,720 | 34,852 | [35] |
2015年(平成27年) | 64,468 | 31,474 | 34,667 | [36] |
2016年(平成28年) | 64,261 | 31,342 | 35,077 | [37] |
2017年(平成29年) | 64,173 | 31,304 | 35,334 | [38] |
2018年(平成30年) | 63,125 | 30,642 | 35,024 | [39] |
2019年(令和元年) | 64,875 | 32,305 | 34,292 | [40] |
2020年(令和 | 2年)57,059 | 28,477 | 25,079 | [41] |
駅周辺
中小商店などが立ち並ぶ。
1階コンコース(東西自由通路)と、梅田寄りの高架下広場、北口駅前の噴水広場は、毎年ゴールデンウィークに開催される「高槻ジャズストリート」の演奏会場となっている。
北口方面
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線(JR京都線)高槻駅 - 距離にして約700 m離れている(徒歩9分程度)。乗り換え検索サイト・ソフトの一部には、両駅間を徒歩連絡で案内するものもある。
- 大阪医科薬科大学・大阪医科薬科大学病院
- 関西大学高槻ミューズキャンパス
- 関西大学初等部・中等部・高等部
- 高槻市立図書館 ミューズ子ども分室
- クロスパル高槻
- 高槻市立図書館 駅前図書コーナー
- 高槻市パスポートセンター
- 男女共同参画センター
- ハローワークコーナー
- 青少年センター
- イベントホール
- 高槻センター街
- 八丁松原
- 安満遺跡公園
南口方面
- 高槻中学校・高等学校
- 大阪府立槻の木高等学校
- 高槻市立第一中学校
- 高槻市立高槻小学校
- 高槻市立桃園小学校
- 高槻市立松原小学校
- 高槻市立大冠小学校
- 高槻市立西大冠小学校
- 高槻市役所
- 高槻市立中央図書館
- 高槻城公園芸術文化劇場(旧:高槻現代劇場)
- 高槻市消防本部・中消防署
- 大阪府高槻警察署
- 高槻市保健所
- 高槻城跡公園
- 野見神社
- 高槻郵便局
- 高槻城北郵便局
- 高槻市立しろあと歴史館
- 高槻自動車教習所(無料送迎バスあり)
主要な道路
バス路線
北口は駅前のみずき通り沿いにのりばが6つあるが、南口は周辺の道路が狭隘なため2つしかない。なお、阪急電鉄系の阪急バスは乗り入れていない。
高槻市営バス
停留所名は「阪急高槻駅」。駅舎側に1〜3番のりば、反対側に4〜6番のりばが並ぶ。
定期路線については美しが丘線57Aの一部便を除き芝生営業所が管轄。
のりば | 路線名 | 系統・行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 1・1A:JR高槻駅南 | 4・5番のりば発の路線の復路 | |
2 | (富田南線) | 4:阪急富田駅 | |
(栄町線) | 17A:車庫前 | ||
(柱本・三島江線) | 22:柱本団地 23:柱本団地・三島江 | 循環系統 ただし行先表示機には「循環」とは表記されない | |
3 | (富田団地線) | 18:富田団地 17:車庫前 | 「17」は平日1本のみ |
4 | (大塚線) | 15・15A:北大塚 | 「15A」は平日1本のみ |
(下田部線) | 16:下田部団地 17B:車庫前 | ||
(玉川橋線) | 19:玉川橋団地 | ||
5 | (前島・六中線) | 10C:安満遺跡公園東 13C:前島 14:六中前 20:クリンピア前島 | 「10C」は土休日のみ |
(道鵜線) | 12:道鵜町 7・7A:上牧 | 「7・7A」は循環系統 ただし行先表示機には「循環」とは表記されない | |
1・1A・1B:JR高槻駅南 | 2・3番のりば発の路線の復路 | ||
6 | (成合・川久保線) | 32:上成合 33:川久保 | 「33」は整理券車 |
(梶原線) | 34:梶原東 | ||
(美しが丘線) | 56:別所本町公園北 57A:寺谷町 | ||
3:阪急高槻駅止まり | 6番のりば発の路線の復路 |
京阪バス
停留所名は「阪急高槻」で、高槻営業所が管轄する(枚方高槻線)のみが乗り入れる。基本的には駅南口(阪急高架下)のりばのみを使用する。
駅北口のりばは市営バス1番のりばと同位置にあり、早朝時間帯以外の阪急高槻経由JR高槻方面行きが使用する。駅南口のからふね屋珈琲前のりばは早朝時間帯のJR高槻行きのみ使用。
平日の枚方市駅北口行き1A号経路最終と1C号経路は運賃が倍額となる深夜バスとして運行されている。
のりば | 系統・行先 | 備考 |
---|---|---|
駅北口 | 1A号経路:JR高槻 1C号経路:竹ノ内町 | 1C号経路は深夜バスとしてのみの設定 |
駅南口 (阪急高架下) | 1A・2号経路:枚方市駅北口 2B号経路:竹ノ内町 5号経路:番田一丁目 | 5号経路の本数はごく僅か |
駅南口 (からふね屋珈琲前) | 1A・1B号経路:JR高槻 | 1B号経路は1日1本のみ |
隣の駅
脚注
- ^ a b c d 『阪急ステーション』阪急電鉄株式会社コミュニケーション事業部〈阪急ワールド全集 4〉、2001年、98-99頁。ISBN (4-89485-051-6)。
- ^ a b c d e f g 生田誠『阪急京都線・千里線 街と駅の1世紀』彩流社〈懐かしい沿線写真で訪ねる〉、2013年、4-6・24-25頁頁。ISBN (978-4-7791-1726-8)。
- ^ 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 9 関西2、新潮社、2009年、50頁。ISBN (978-4-10-790027-2)。
- ^ 「七駅のホーム延伸」『交通新聞』交通協力会、1972年5月7日、1面。
- ^ 100年のあゆみ(部門史) p373
- ^ “下り線、23日から使用 阪急電鉄京都線 高槻市駅付近の立体化”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1989年4月21日)
- ^ 100年のあゆみ 部門史 p65
- ^ “主要4駅を終日禁煙に 阪急電鉄”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1993年2月1日)
- ^ 『阪急コレクション』阪急電鉄株式会社コミュニケーション事業部〈阪急ワールド全集 1〉、2000年、135頁。ISBN (4-89485-038-9)。
- ^ 草町, 義和. “”. レスポンス(Response.jp). 2013年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月12日閲覧。
- ^ 〜すべてのお客様に、よりわかりやすく〜「西山天王山」駅開業にあわせて、「三宮」「服部」「中山」「松尾」4駅の駅名を変更し、全駅で駅ナンバリングを導入します (PDF) - 阪急阪神ホールディングス、2013年4月30日
- ^ “エミル高槻”. 2023年4月1日閲覧。
- ^ 競合するJR高槻駅でも、同様に大阪方面へ折り返す列車の設定がある。
- ^ 土休日下りは特急・準急の次の停車駅である茨木市駅で行われている。
- ^ JRの新快速(京阪神快速)が高槻駅に停車する以前は阪急電鉄全体で第5位だった。
- ^ 高槻市統計書より
- ^ 大阪府統計年鑑(平成8年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成9年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成10年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成11年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成13年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成14年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成15年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成16年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成17年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成18年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成19年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成20年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成21年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成22年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成23年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成24年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成25年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成26年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成27年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成28年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成29年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成30年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(令和元年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(令和2年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(令和3年) (PDF)
関連項目
外部リンク
- 高槻市駅 - 阪急電鉄
- EMIRUエミル高槻