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サルコシン

サルコシン(sarcosine)またはN-メチルグリシン: N-methylglycine, NMG)は、筋肉やその他体内組織に見られる天然のアミノ酸で、コリンからグリシンへの代謝中間体である。

サルコシン
識別情報
CAS登録番号 107-97-1 
ChemSpider 1057 
UNII Z711V88R5F 
EC番号 203-538-6
KEGG C00213 
ChEMBL CHEMBL304383 
特性
化学式 C3H7NO2
モル質量 89.093 g/mol
融点

208-212 °C(分解)

酸解離定数 pKa 2.23 (カルボキシ基), 10.01 (メチルアミノ基;共役酸の値)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

概要

摂食されたコリンやベタイン、グリシン、メチオニンの代謝により形成し、速やかにグリシンに分解される。タンパク質の構成要素となる。 グルタチオンクレアチンプリン類およびセリンの代謝源などの生理学的過程において重要な役割を果たす。一般的なヒトの血清中のサルコシン濃度は1.59 ± 1.08 nM(ナノモーラー)である。[要出典] 実験室では、クロロ酢酸メチルアミンから合成することができる。

含む食品

サルコシンが含まれる食品には、卵黄シチメンチョウハム野菜豆類などがある。[要出典]

利用

甘味を持ち水に溶けるため、生分解性界面活性剤歯磨き粉などに使われている。

生合成と代謝

サルコシンデヒドロゲナーゼによりグリシンに代謝され、 グリシン-N-メチルトランスフェラーゼ(GNMT)により グリシンから合成される。

機能

サルコシンは他の物質とともにNMDA受容体の活性を調節する作用があると考えられている。

研究

  • ラットの実験でサルコシンはシタロプラムに劣らない抗うつ作用を示した。[2]
  • 統合失調症の患者に対して2g/日のサルコシン投与にて20%以上の抗精神病作用を示した。[3]

出典

  1. ^ Dawson, R.M.C., et al., Data for Biochemical Research, Oxford, Clarendon Press, 1959.
  2. ^ “Inhibition of glycine transporter-I as a novel mechanism for the treatment of depression”. Biological psychiatry 74 (10). (2013). doi:10.1016/j.biopsych.2013.02.020. PMID (23562005). 
  3. ^ “Sarcosine (N-methylglycine) treatment for acute schizophrenia: a randomized, double-blind study”. Biological psychiatry 63 (1). (2008). doi:10.1016/j.biopsych.2007.04.038. PMID (17659263). 

関連項目

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