『ゴルゴ13』は、1973年の日本・イラン合作映画[注釈 2]。主演は高倉健、監督は佐藤純弥、製作は東映とSOCIÉTÉ ANONYME CINÉMATOGRAPHIQUE IRAN[注釈 2]。
ストーリー
世界的な犯罪組織のボスであるマックス・ボアを逮捕しようとテヘランへ侵入した某国秘密警察の捜査員が、次々とボアの手先に抹殺されていた。警察部長のフラナガンはゴルゴ13へUS50万ドルを支払い、ボア暗殺の依頼をする。ボアの素顔もわからず、居場所もイラン国内としか判明していなかったが、ゴルゴ13はテヘランへ向かう。
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出演
- ゴルゴ13 - 高倉健
- アマン・ジャフアリ - モセネ・ソーラビイ（山田康雄）
- シーラ・ジャフアリ - ジャレ・サム（北浜晴子）
- キャサリン - プリ・バナイ（平井道子）
- イボンヌ - アレズゥ（火野捷子）
- マックス・ボア - ガダキチアン（富田耕生）
- ダグラス - ジャラル（渡部猛）
- リチャード・フラナガン - キャリミー（真木恭介）
- アルバード・ジョンソン - アーラッシュ（村越伊知郎）
- ジャッド - レザー
- ワルター - ヤドロ・シーランダミ（森山周一郎）
- サイモン - アトラシイ（柴田秀勝）
- ミスターワイン - アサザデ（和田文夫）
- エグバリ - ゴルジイ（辻村真人）
- エバンス - アリ・デヒガニ
- クロード - モハメッド・ノルジイ
- チャーリー - バハロム
- ビリー - ハッサン・レザリイ（原田一夫）
- ジャック - アッバス・モフタリ
- 声の出演
スタッフ
製作
作者のさいとう・たかをは東映から映画化を打診されたが乗り気でなく、「無茶な条件を出せば、あきらめるだろう」と思い、「オール海外ロケ」「主演は高倉健[注釈 4]」と条件を出したところ、東映がまるまる受け入れたので製作された[5]。プロデューサーの俊藤浩滋も「日本で撮影するなら映画化を認めない」とさいとうの示す条件が困難なものばかりで苦労したと述べている[3]。高倉以外はすべて外国人俳優で日本人声優によるオール吹き替えがされ、さいとうは綿密な脚本を書き演出の指定もしたが、監督の佐藤純弥は脚本通りに撮らなかったため、さいとうが思い描いた作品とは全く違うものができ、本作にさいとうは不満を抱いている[5]。一方で俊藤は「原作が短編でつまらない。読むのならおもしろいかもしれないが、映画の2時間枠に収めるとなると、ドラマのうねりが必要」と脚本作りに四苦八苦していた[3]。パーレビ体制時代のイランが製作協力しており、なんでもパーレビ一族に話を通さないと進まなかった[3]。ロケはテヘランとイスファハン中心に行われ、高倉は外国が好きなことや、ゴルゴ13のようなかっこいい役がお気に入りなので、撮影を楽しんでいた[6]。本作の脚本は『増刊ゴルゴ』6号に掲載されている。
封切り
日本では『女囚さそり 701号怨み節』と2本立て公開で4億400万円の売上は1974年（昭和49年）邦画配給収入の第7位にランキングされたが[1]、収益は不入りであった[7]。
国内予告編のBGMには、『狼やくざ 殺しは俺がやる』、『人斬り与太 狂犬三兄弟』の一部が使われている。
DVDリリース
東映が2008年10月21日に日本でDVDを販売した。
脚注
注釈
出典
- ^ a b 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社、2003年、198-199頁。ISBN (4-87376-595-1)。
- ^ 本作DVDより。
- ^ a b c d 「第六章 高倉健との歩み」『任侠映画伝』、140頁。
- ^ 「第六章 高倉健との歩み」『任侠映画伝』、140 - 142頁。
- ^ a b c 「さいとう・たかをインタビュー」『オフィシャル・ブック THE ゴルゴ学』 小学館。
- ^ 「第六章 高倉健との歩み」『任侠映画伝』、141 - 142頁。
- ^ 春日太一「第四部 必死のサバイバル」『あかんやつら 東映京都撮影所血風録』（初版第一刷）文藝春秋（原著2013年11月15日）、348頁。ISBN (4163768106)。
参考文献
- ※異なる頁を複数参照をしている文献のみ。発表年順。
参考書籍
関連項目
- ゴルゴ13 九竜の首 - 千葉真一主演による1977年の日香合作映画
外部リンク
- ゴルゴ13 - 日本映画データベース
- ゴルゴ13(1973) - Movie Walker