カノアラウレアーズ福岡(カノアラウレアーズふくおか、英: KANOA Laulea's Fukuoka)は、福岡県福智町を本拠地とする女子バレーボールチームである。
概要
運営は一般社団法人カノアスポーツ振興会。2018年設立。2023-24シーズンよりV.LEAGUE参入予定。
チーム名は、「カノア」とはハワイ語で「自由」、「ラウレア」は同じくハワイ語で「幸福」の意味である。
公式クラブマスコットキャラクターは「カノ福」である[1]。
歴史
2018年、福岡県バレーボール協会支援の下、将来のV.LEAGUE参入を目指し『福岡春日シーキャッツ』として設立[2]。設立準備は福岡市で行われたが、練習場の優先使用などで協力した春日市がホームタウンに選ばれた[3]。
初代監督にアトランタ五輪ビーチバレー日本代表で県協会理事を務める高尾和行、コーチに元日本代表の宝来麻紀子が就任[4]。3月18日にトライアウトを実施[2]。3月30日にメンバーが発表され、経営不振でVリーグ機構を退社したフォレストリーヴズ熊本からも3選手が移籍加入した[注釈 1]。4月からチームとして活動開始[2]。春日市総合スポーツセンターで練習を重ねる[3]。
同年7月、発足からわずか3か月で全日本6人制クラブカップ女子選手権準優勝を果たす[3]。
2020年、1月から2月に開催された第10回全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会決勝リーグに初出場し、6勝5敗の成績を挙げた[7][8][9]。しかし、その後チームはコロナ禍により6月まで練習中止を余儀なくされる[10]。
2020年6月、元パナソニックパンサーズの森田亜貴斗が監督に就任[11]。元日本代表セッターで地元出身でもある松浦麻琴もコーチに就任した[12]。
しかし、続くコロナ禍によりスポンサーからの協賛金が減り苦境に立たされ、ホームゲームでのスタッフ確保など体制面で課題が残ったため、翌シーズン(2021-22シーズン)のV.LEAGUE入りは果たせなかった[10]。また、当時の運営が素人であり、運営資金が枯渇し、運営スタッフが次々と退団する事態に陥り、森田の給与までも無給になる事態に陥った。福岡県内でもクラブの評判は悪くなり、森田の営業も及ばずスポンサーもつかない状態となった[13]。
2020年12月7日より、運営資金減額の回復を目指し、クラウドファンディングを1ヶ月間実施し、986,280円の支援総額となった(目標金額は5,800,000円)[14]。結果的には、回復に至らないどころか、スポンサーが20社から4社になり、2021年3月には所属選手が全員退団する事態に陥った[15]。
2021年4月15日、チーム名変更がツイッターアカウントより発表され、チーム名が『KANOA福岡』となった[16][17]。KANOAとはハワイ語で「自由」という意味で、自由な発想で新たな価値を生み出すチームを目指すためにつけられた[18]。運営法人も、法人名が『一般社団法人福岡春日シーキャッツ』から『一般社団法人Ichijo』に変更された[19]。シーキャッツ時代にコーチとして在籍していた宝来と松浦も、公式サイトのメンバー一覧に記載されておらず、退団となった模様である[20]。前年より森田がオファーを出していた新卒の選手達が新たに入団した[21][22][15]。
2021年7月、運営をV字回復させる実績のある森裕介が球団本部長に就任[23][24]。森の計画により、8月、県内の福智町とのフレンドリータウン協定締結に至った[25]。
しかし、2022-23シーズンのV.LEAGUE参入は見送られた[26]。
2021-22シーズン、皇后杯は、ブロックラウンドで出場チームの出場辞退により無条件でファイナルラウンド出場となる[27][28]。ファイナルラウンド1回戦でヴィクトリーナ姫路に敗れ敗退[29][30]。しかし、第12回全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会西部決勝リーグでは4戦全勝で優勝を果たした(東部上位と対戦するグランドチャンピオンマッチは中止)[31][32][33]。
2022年4月1日、フレンドリータウン協定を締結していた福智町を新たにホームタウンとした(ホームタウン協定を締結)[34]。それに因み、福智町の「地域おこし協力隊」に選手2人、スタッフ1人が着任した[35][36]。同時にチーム名とチームロゴも変更され、チーム名が『カノアラウレアーズ福岡』となった。チーム名に新たに加えられた「ラウレア」はハワイ語で「幸福」の意味で、バレーボールを通じて「自由」に羽ばたき、観ていただく方々に感動と幸福を与えられるようなチームを目指すと発表した[37]。2022-23シーズン新体制も発表され、監督の森田が代表理事も務めると発表した[38]。
2022年10月6日、チーム運営会社の社名が「一般社団法人Ichijo」から「一般社団法人カノアスポーツ振興会」に変更になったと発表した[39]。
2022年10月12日、V.LEAGUEのS3ライセンス取得が決定したと発表された。それにより、2023-24シーズンのV.LEAGUE参入が内定した[40][41]。
成績
- 全日本6人制クラブカップ女子選手権準優勝 (2018年)
- 全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会
- 西部決勝リーグ優勝(2021年度)
- 全日本6人制クラブカップ女子選手権準優勝 (2022年)
選手・スタッフ(2022-23)
選手
背番号 | 名前 | シャツネーム | 生年月日(年齢) | 身長 | 国籍 | Pos | 在籍年 | 前所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 森田ひなの | 1998年12月13日(24歳) | 166 | 日本 | S | 2022年- | 長崎国際大学 | ||
2 | 岡留倫子 | 1999年1月14日(24歳) | 172 | 日本 | OH | 2021年- | 芦屋大学 | ||
3 | 栗下詩子 | 1999年3月25日(24歳) | 173 | 日本 | MB | 2021年- | 神戸親和女子大学 | ||
4 | 山田真実 | 1999年11月26日(23歳) | 171 | 日本 | S | 2022年- | 姫路獨協大学 | 新人[42] | |
5 | 三浦優 | 1998年8月7日(24歳) | 165 | 日本 | S | 2021年- | 中京大学 | ||
7 | 溝口真夕奈 | 1997年8月20日(25歳) | 156 | 日本 | L | 2022年- | イビデンレグルス(9人制) | ||
8 | 溝口由利香 | 1995年9月23日(27歳) | 158 | 日本 | L | 2022年- | アランマーレ | 移籍加入[43] | |
9 | 高良美祐 | 1995年7月1日(27歳) | 173 | 日本 | MB | 2022年- | 広島大学 | ||
10 | 松永歩未 | 1998年6月4日(24歳) | 175 | 日本 | MB | 2021年- | 大阪国際大学 | ||
11 | 熊本比奈 | 1995年12月2日(27歳) | 174 | 日本 | OH | 2021年- | 浜松 | ||
12 | 湊ひかり | 1998年11月5日(24歳) | 174 | 日本 | OP | 2021年- | 大阪国際大学 | ||
13 | 山本輝 | 1999年7月16日(23歳) | 175 | 日本 | OP | 2022年- | 帝塚山大学 | 新人[43] | |
15 | 土川早紀 | 1998年3月18日(25歳) | 170 | 日本 | OH | 2022年- | 大阪国際大学 | ||
出典:チーム公式サイト[44] 更新:2022年10月15日 |
スタッフ
脚注
注釈
出典
- ^ “カノ福”. カノアラウレアーズ福岡. 2023年5月11日閲覧。
- ^ a b c 福岡県バレーボール協会の2月2日のFacebook投稿 - Facebook
- ^ a b c “福岡からVリーグつかむ 女子バレーチーム発足3か月で全日本クラブ杯準V”. 西日本スポーツ (西日本新聞社). (2018年12月6日) 2021年1月3日閲覧。
- ^ “元バレー全日本の宝来麻紀子さん、新クラブのコーチに”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2018年3月18日) 2021年2月10日閲覧。
- ^ 福岡県バレーボール協会の3月30日のFacebook投稿 - Facebook
- ^ “”. Vリーグ機構. 2018年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月10日閲覧。
- ^ “地域リーグ(第10回6人制バーボールリーグ)”. 福岡春日シーキャッツ. 2021年2月10日閲覧。
- ^ “2019年度 第10回 「全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会」 決勝リーグ” (PDF). 公益財団法人日本バレーボール協会. 2021年1月3日閲覧。
- ^ “第10回 全国6人制バレーボール総合男女優勝大会 決勝リーグ 女子 星取表” (PDF). 公益財団法人日本バレーボール協会 (2020年3月1日). 2021年2月10日閲覧。
- ^ a b 帖地洸平 (2021年1月19日). “Vリーグ目指す女子バレーチームがコロナ禍でピンチ コーチは元代表セッター”. 西日本スポーツ (西日本新聞社) 2021年2月10日閲覧。
- ^ 『監督就任のお知らせ』(プレスリリース)福岡春日シーキャッツ、2020年5月13日2020年6月27日閲覧。 。
- ^ “市長の動き(令和2年度7月) → 福岡春日シーキャッツが表敬訪問(令和2年7月21日)”. 春日市 (2020年7月). 2021年2月10日閲覧。
- ^ “【 第2話 】森田、腹を括る”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年11月14日). 2023年5月11日閲覧。
- ^ “クラウドファンディングを実施します”. 福岡春日シーキャッツ (2020年12月7日). 2021年4月16日閲覧。
- ^ a b “【 第5話 】悪評のひとり歩き。そして、熊本比奈の入団”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年11月13日). 2023年5月11日閲覧。
- ^ 福岡春日シーキャッツの2021年4月15日のツイート、2021年4月16日閲覧。
- ^ 亜貴斗の2021年4月15日のツイート、2021年4月16日閲覧。
- ^ “TEAM”. KANOA福岡. 2021年7月10日閲覧。
- ^ “KANOA福岡公式サイト”. KANOA福岡. 2021年6月22日閲覧。
- ^ “”. KANOA福岡. 2021年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月3日閲覧。
- ^ “【 第3話 】「福岡で、バレーやらへんか?」(1)(#10松永歩未&#2岡留倫子)”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年11月11日). 2023年5月11日閲覧。
- ^ “【 第4話 】「福岡で、バレーやらへんか?」(2) (#3栗下詩子&#5三浦優&#12湊ひかり)”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年11月12日). 2023年5月11日閲覧。
- ^ “【 第7話 】多額の借金。森田、貯金を切り崩す日々”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年11月15日). 2023年5月11日閲覧。
- ^ “【 第8話 】福智町との出会い”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年11月16日). 2023年5月11日閲覧。
- ^ “福智町との「フレンドリータウン協定書」締結にともなう調印式について”. KANOA福岡 (2021年8月19日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “【 第9話 】Vリーグ申請に落ちる──“ここで、辞めたら”。”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年11月16日). 2023年5月11日閲覧。
- ^ “【お知らせ】天皇杯・皇后杯 九州グループ代表の決定について”. KANOA福岡 (2021年9月14日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “九州ブロックラウンド(女子)” (PDF). 日本バレーボール協会. 2022年4月8日閲覧。
- ^ “試合結果”. KANOA福岡 (2021年12月10日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “WOMEN ファイナルラウンド” (PDF). 日本バレーボール協会. 2022年4月8日閲覧。
- ^ “第12回 全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会(3月26日)”. KANOA福岡 (2022年3月26日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “第12回 全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会(3月27日)”. KANOA福岡 (2022年3月27日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “2021年度 第12回「全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会」決勝リーグ試合結果” (PDF). 日本バレーボール協会. 2022年4月8日閲覧。
- ^ “福智町との「ホームタウン協定書」締結にともなう調印式について”. KANOA福岡 (2022年3月30日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “地域おこし協力隊 辞令交付式”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年4月1日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “福智町地域おこし協力隊”. 福智町. 2022年4月8日閲覧。
- ^ “チーム名称・チームロゴ変更のお知らせ”. KANOA福岡 (2022年3月26日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “2022年度 新体制について”. KANOA福岡 (2022年3月30日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “社名変更のお知らせ”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年10月6日). 2022年10月13日閲覧。
- ^ “2023-24シーズン V.LEAGUE ライセンス交付結果について”. Vリーグ機構 (2022年10月12日). 2022年10月13日閲覧。
- ^ “カノアラウレアーズ福岡 S3ライセンス取得のお知らせ”. カノアラウレアーズ福岡 (2022年10月12日). 2022年10月13日閲覧。
- ^ “内定選手のお知らせ”. KANOA福岡 (2022年12月6日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ a b “新入団選手のお知らせ”. KANOA福岡 (2022年3月14日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ a b “PLAYER&STAFF”. カノアラウレアーズ福岡. 2022年10月15日閲覧。
- ^ “2022年度 新体制について”. KANOA福岡 (2022年3月30日). 2022年4月8日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト