梅林 優貴（うめばやし ゆうき、1998年3月14日[3][4] - ）は、広島県広島市安佐北区出身のプロ野球選手（捕手）。右投右打[3][4]。北海道日本ハムファイターズ所属。
経歴
プロ入り前
広島市立亀山南小学校5年から野球をはじめる[3][4]。高校は広島県立高陽東高等学校に入学するが高校時代は甲子園出場はなく、3年時の夏の広島地方大会8強が最高成績だった[3][4]。高校卒業後は中国地区大学野球連盟に加盟している広島文化学園大学（当時2部リーグ）に進学する[3][4]。大学時代も注目選手ではなく、4年の春時点でもスカウトが見に来ていないほどであったが、JFE西日本の河野竜生の視察に来ていた加藤竜人スカウトの目に留まる[注 1][3]。4年秋にはサイクル安打の達成だけでなく、首位打者を獲得しリーグMVPに選ばれ、広島文化学園大学を初の1部昇格に導く[3]。
2019年度ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから6位指名を受け[5]、契約金2000万円、年俸700万円で仮契約を結んだ（金額は推定）[6]。
日本ハム時代
2020年はイースタン・リーグで39試合に出場し、打率.171を記録した。
2021年はイースタン・リーグで55試合に出場し、打率.189を記録した。本塁打は2本記録した。
2022年は4月20日に一軍初出場を果たした[7]。4月27日のオリックス戦でプロ初スタメン出場を果たし、プロ初安打を放った[8]。8月3日にはプロ初長打となるツーベースヒットを放ち、初のお立ち台に呼ばれた[9]。8月7日にはプロ初打点も記録した[10]。
選手としての特徴・人物
遠投110m[11]、二塁送球タイム1.8秒を誇る強肩が武器の捕手[3][4]。
広島文化学園大学時代は「4年間で遊びに行ったことはほとんどない」と語るほどストイックな生活を過ごしていた[12]。平日は主に夕方まで学校、約1時間かけてグラウンドに行き、2時間半の練習[13]。さらに1時間かけてスポーツジムに行き、90分ほどトレーニングをして帰宅していた[13]。また、授業のない日は昼にスポーツジムに行ってから全体練習[13]。その後は高速バスの清掃のアルバイト[13]。3年秋からはガソリンスタンドのアルバイトも掛け持ちしていた[13]。梅林は当時を振り返り、「妹もいたので親に負担をかけたくない思いもありましたし、社会人野球を目指すとなると道具もより良い高いものが欲しくて。そうしたものは親に買ってもらうより、自分のお金で買った方が大事にすると思ったんです」「（アルバイトで同僚や利用客と話す中で）人見知りもなくなりましたし、どういう言動をしたら喜んでもらえるか分かるようになりました」と語り、人間的にも成長できたという[13]。
大学時代の監督・三原新二郎は「（梅林は）自分で練習ができる子で4年間本当によく努力しました。主将にも自ら立候補してくれましたし、ウチの野球部を変えてくれましたね」と称えている[13]。
詳細情報
年度別打撃成績
| 年 度 | 球 団 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 死 | 犠 打 | 犠 飛 | 四 球 | 敬 遠 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打 率 | 出 塁 率 | 長 打 率 | O P S |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 日本ハム | 22 | 51 | 48 | 2 | 5 | 1 | 0 | 0 | 6 | 3 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 19 | 0 | .104 | .122 | .125 | .247 |
| 通算：1年 | 22 | 51 | 48 | 2 | 5 | 1 | 0 | 0 | 6 | 3 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 19 | 0 | .104 | .122 | .125 | .247 | |
- 2022年度シーズン終了時
年度別守備成績
| 年 度 | 球 団 | 捕手 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | 捕 逸 | 企 図 数 | 許 盗 塁 | 盗 塁 刺 | 阻 止 率 | ||
| 2022[注 2] | 日本ハム | 21 | 105 | 11 | 0 | 3 | 1.000 | 0 | 9 | 6 | 3 | .333 |
| 通算 | 21 | 105 | 11 | 0 | 3 | 1.000 | 0 | 9 | 6 | 3 | .333 | |
- 2022年度シーズン終了時
記録
- 初記録
- 初出場：2022年4月20日、対東北楽天ゴールデンイーグルス5回戦（楽天生命パーク宮城）、8回裏に田宮裕涼に代わり捕手で出場
- 初打席：2022年4月22日、対福岡ソフトバンクホークス4回戦（札幌ドーム）、7回裏に宇佐見真吾の代打として出場、田浦文丸から空振り三振
- 初先発出場：2022年4月27日、対オリックス・バファローズ5回戦（東京ドーム）、8番・捕手で先発出場
- 初安打：同上、3回裏に宮城大弥から左前安打
- 初打点：2022年8月7日、対オリックス・バファローズ19回戦（京セラドーム大阪)、6回表に張奕から中前2点適時打
背番号
- 65（2020年 - ）
登場曲
- 「Joy＆Joy」大原櫻子 (2022年)
脚注
注釈
出典
- ^ 池本泰尚; 堅次亮平 (2019年10月18日). “2選手指名 芸南賀茂沸く”. 中国新聞 (中国新聞社) 2020年3月15日閲覧。
- ^ “日本ハム - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年11月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 東尾洋樹 (2020年1月17日). “【20年版球界新士録（3）】日本ハム ドラ6梅林 スカウトの空き時間がつないだ強肩の赤い糸”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社) 2020年3月15日閲覧。
- ^ a b c d e f 和田裕司 (2019年11月13日). “日本ハムドラ6の梅林 契約金は自身と妹の奨学金返済に「下の妹の学費も払えるぐらい活躍できれば」”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社) 2020年3月15日閲覧。
- ^ “日本ハム6位梅林優貴「勇気づけられる選手に」”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2019年10月17日) 2019年11月24日閲覧。
- ^ 木下大輔 (2019年11月12日). “日本ハム6位梅林が仮契約 無名から成り上がり誓う”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社) 2019年11月24日閲覧。
- ^ “【日本ハム】３年目捕手の梅林優貴がプロ初出場「ちょっと安心している」”. スポーツ報知 (2022年4月20日). 2022年9月4日閲覧。
- ^ “【日本ハム】梅林優貴「とにかくうれしい」プロ初安打 新庄ビッグボスも大喜び”. スポーツ報知 (2022年4月27日). 2022年9月4日閲覧。
- ^ “日本ハム3年目・梅林 ばぁちゃんに届けたプロ2本目の安打＆好リード！初お立ち台では「真っ白」に”. Sponichi Annex (2022年8月3日). 2022年9月4日閲覧。
- ^ “日本ハムが京セラD初勝利 ３年目梅林プロ初打点「母さん。俺、打ったよ！」”. サンスポ (2022年8月7日). 2022年9月4日閲覧。
- ^ “日本ハム6位・梅林優貴(広島文化学園大・捕手) 「創意工夫」を重ねた1秒7台の鉄砲肩捕手 | 野球コラム”. 週刊ベースボールONLINE. 2022年5月6日閲覧。
- ^ “79歳名将も驚いた梅林優貴の急成長。ストイックな4年間経て日本ハムへ。（高木遊）”. Number Web - ナンバー. 2022年5月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g “79歳名将も驚いた梅林優貴の急成長。ストイックな4年間経て日本ハムへ。（高木遊）”. Number Web - ナンバー. 2022年5月6日閲覧。
参考文献
- ベースボール・マガジン社 編『ベースボール・レコード・ブック』 2023日本プロ野球記録年鑑、ベースボール・マガジン社、2022年。ISBN (978-4-583-11546-7)。 52ページ参照。
関連項目
外部リンク
- 個人年度別成績 梅林優貴 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)
- 65 梅林 優貴 選手名鑑 - 北海道日本ハムファイターズオフィシャルサイト
- 梅林優貴 (@yuki.ume65) - Instagram