プロピレン (propylene) は、分子式 C3H6、構造式 CH2=CH-CH3 の炭化水素の一種で、炭素の数が3個で二重結合を1個持つアルケンである。主に石油のクラッキングの副産物として生産されている。IUPAC命名法ではプロペン (propene) と呼ばれる。プロピレン単独の重合体であるポリプロピレン (PP) は、ラジカル重合やイオン重合では生成せず、チーグラー・ナッタ触媒などを用いてプロピレンを配位重合させることで得られる。
プロピレン | |
---|---|
プロペン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 115-07-1 |
PubChem | 8252 |
ChemSpider | 7954 |
日化辞番号 | J2.463E |
EC番号 | 204-062-1 |
国連/北米番号 | (1077) 液化石油ガス中: (1075) |
KEGG | C11505 |
ChEBI |
|
RTECS番号 | UC6740000 |
バイルシュタイン | 1696878 |
| |
| |
特性 | |
化学式 | C3H6 |
モル質量 | 42.08 g/mol |
外観 | 無色透明の気体 |
密度 | 1.81 kg/m3, 気体 (1.013 bar, 15 °C) 613.9 kg/m3, 液体 |
融点 | − 185.2 °C, 88.0 K |
沸点 | − 47.6 °C, 225.5 K |
水への溶解度 | 44.6 ml/100 ml, 200 mg/L (25 °C) |
屈折率 (nD) | 1.3567 |
粘度 | 8.34 µPa·s (16.7 °C) |
構造 | |
双極子モーメント | 0.366 D (気体) |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | 安全衛生情報センター |
EU分類 | F+ |
主な危険性 | 極めて高い可燃性, 窒息性 |
NFPA 704 | 4 1 1 |
Rフレーズ | (R12) |
Sフレーズ | (S9) (S16) (S33) |
引火点 | −108 °C, 165 K |
関連する物質 | |
関連するアルケン | エチレン ブテン アリル基 (プロペニル基) |
関連物質 | プロパン プロピン プロパジエン 1-プロパノール 2-プロパノール |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
常温下では無色の気体で、弱い不快臭を有する[1]。
プロピレンの2016年度日本国内生産量は 5,673,124 t、工業消費量は1,660,264 t である[2]。
規格
工業的製法
プロピレンの工業的製法として、以下のようなものがある[4]。
プロピレンを原料とする主な製品
- 重合反応
- 酸素酸化反応
- 酸化プロピレン - ウレタンフォーム
- プロピレングリコール - ポリエステル(PET等)、界面活性剤(AE等)
- 酸化プロピレン - ウレタンフォーム
- ベンゼンのアルキル化反応
- 水和反応
- アンモ酸化反応(ソハイオ法)
- アクリロニトリル - 合成ゴム、合成樹脂
- ヒドロホルミル化反応(オキソ法)
- n-プチルアルデヒド - 工業中間体原料
- n-プチルアルコール - 溶剤、香料、可塑剤、医薬品原料
- n-プチルアルデヒド - 工業中間体原料
- 註) 反応名はプロピレンに施す反応名を示し、インデントの違いは更なる化学変換で得られる生成物を示し、"-"の後に用途を示した。
脚注
関連項目
- 石油化学
- アルケン
- ポリプロピレン
- ロス・アルファケス大惨事 - 輸送中のプロピレンがきっかけとなり発生した爆発事故
外部リンク
- 石油化学工業協会