2019年世界女子ハンドボール選手権

2019年世界女子ハンドボール選手権（英: 2019 World Women's Handball Championship）は、日本の熊本県で2019年（令和元年）11月30日から12月15日まで^[1]開催された第24回世界女子ハンドボール選手権である。優勝チームには2020年に開催される東京オリンピックおよび次回大会の出場権が与えられる。主催は国際ハンドボール連盟（IHF）、大会運営は一般財団法人2019女子ハンドボール世界選手権大会組織委員会が行った。

2019年世界女子ハンドボール選手権
大会概要
開催国	日本
日程	2019年11月30日 - 12月15日
チーム数	24 (5連盟)
開催地数	1 (1都市)
大会結果
優勝	(オランダ)
準優勝	スペイン
3位	ロシア
4位	ノルウェー
< 2017(2021) >

オランダがスペインを1点差で破って初優勝を飾った。

出場国

予選大会	日時	出場枠	出場国
開催国	2013年10月28日	1	日本（13大会連続19回目）
前回大会優勝国	-	1	フランス（12大会連続14回目）
アフリカ選手権	2018年12月2日 - 12日	3	(アンゴラ)（15大会連続15回目）   (コンゴ民主共和国)（2大会ぶり3回目）   (セネガル)（初出場）
欧州選手権	2018年11月29日 - 12月16日	3	(オランダ)（5大会連続12回目）   ルーマニア（24大会連続24回目）   ロシア（3大会連続20回目）
アジア選手権	2018年11月30日 - 12月9日^[1]	4	(オーストラリア)（3大会ぶり8回目）   (中国)（16大会連続16回目）   (カザフスタン)（2大会ぶり5回目）   (韓国)（18大会連続18回目）
欧州予選^[2]	2018年11月23日 - 2019年6月6日	9	デンマーク（6大会連続20回目）   ドイツ（9大会連続22回目）   ハンガリー（4大会連続22回目）   (モンテネグロ)（5大会連続5回目）   スペイン（7大会連続10回目）   ノルウェー（17大会連続20回目）   (セルビア)（4大会連続4回目）   (スロベニア)（2大会連続6回目）   スウェーデン（3大会連続10回目）
中南米選手権	2018年11月29日 - 12月4日	2	(アルゼンチン)（9大会連続10回目）   (ブラジル)（13大会連続13回目）
北米・カリブ選手権	2019年5月28日 - 6月2日	1	(キューバ)（2大会ぶり4回目）

^1. オーストラリアとニュージーランドはアジア選手権で5位以内に入れば世界選手権の出場権が与えられていた^[3]。

会場

2013年10月28日にカタールのドーハで開催されたIHF理事会で、ノルウェーと日本が最終候補に絞られ、日本に決定した^[4]。

熊本県内では1997年世界男子選手権の主会場でもあったパークドーム熊本やグランメッセ熊本など10施設を候補に挙げた。その中からメイン会場にパークドーム熊本（熊本市東区）、サブメイン会場にアクアドームくまもと（熊本市南区）、予選ラウンド会場に八代市総合体育館（八代市）、山鹿市総合体育館（山鹿市）の4会場が選ばれた^[5]。

2018年2月にIHFが各会場を視察したが、八代市総合体育館に関して「天井が低いため上部に設置するカメラ（国際映像用）のスペースがない」「観客席が開催基準の3000席に満たない（2500席）」「選手や関係者が宿泊するホテルが狭い」などの問題を指摘。山鹿市総合体育館についても「観客席が2200人収容で開催基準に満たない」「宿泊施設から遠い」と指摘された^[6]。

2018年4月12日にスイスで行われた日本側とハッサン・ムスタファIHF会長との協議で、「八代市総合体育館の中継カメラ位置の見直しや観客席の確保」「宿泊先のホテルを熊本市内とし、八代市・山鹿市の会場へ移送する」「選手の移動負担を軽減させるために熊本県立総合体育館（熊本市西区）を会場として追加する」見通しとなり、同年秋のIHF理事会で正式決定^[7]。

熊本市			八代市	山鹿市
パークドーム熊本	アクアドームくまもと	熊本県立総合体育館	八代市総合体育館	山鹿市総合体育館
10,000人	6,400人	3,400人	2,500人	2,100人

大会方式

2017年のIHF年次総会（パリ）にて本大会の方式が改正された。1次リーグでは出場24カ国が4組に分かれ、各組上位3チームが2次ラウンドに進出、下位3チームが順位決定戦（プレジデンツカップ）に回る。

2次リーグでは1次リーグ勝者12カ国が2組に分かれて対戦し、各組上位2チームが準決勝に進む。

組み合わせ抽選

1次ラウンドの組み合わせ抽選は2019年6月21日にGINZA SIX地下にある観世能楽堂で行われた^[8]。ポット順は(IHF世界ランキング)に基づく^[9]。

Pot 1	Pot 2	Pot 3	Pot 4	Pot 5	Pot 6
フランス   ロシア   (オランダ)   ルーマニア	ノルウェー   スウェーデン   ハンガリー   デンマーク	(モンテネグロ)   日本   ドイツ   (セルビア)	スペイン   (スロベニア)   (韓国)   (中国)	(ブラジル)   (アンゴラ)   (セネガル)   (アルゼンチン)	(カザフスタン)   (キューバ)   (コンゴ民主共和国)   (オーストラリア)

1次ラウンド

順位決定方法

各グループ上位3チームが、メインラウンドに進出する。順位は、以下の順に従い決定される。

1. 全試合での勝ち点
2. 全試合での得失点差
3. 全試合での得点
4. 当該チーム同士の対戦における勝ち点
5. 当該チーム同士の対戦における得失点差
6. 当該チーム同士の対戦における得点
7. 抽選

Group A

順	チーム	試	勝	分	敗	得	失	差	点	出場権
1	(オランダ)	5	4	0	1	178	134	+44	8^[注 1]	メインラウンド進出
2	ノルウェー	5	4	0	1	169	115	+54	8^[注 1]
3	(セルビア)	5	3	0	2	155	143	+12	6
4	(アンゴラ)	5	2	0	3	150	151	−1	4^[注 2]
5	(スロベニア)	5	2	0	3	142	150	−8	4^[注 2]
6	(キューバ)	5	0	0	5	122	223	−101	0

出典:
順位の決定基準: 1)全試合での勝ち点; 2) 全試合での得失点差; 3)全試合での得点; 4) 当該チーム同士の対戦における勝ち点; 5) 当該チーム同士の対戦における得失点差6) 当該チーム同士の対戦における得点;7) 抽選
注釈:

1. ^ ^{a b} オランダ 30–28 ノルウェー
2. ^ ^{a b} スロベニア 24–33 アンゴラ

Group B

順	チーム	試	勝	分	敗	得	失	差	点	出場権
1	(韓国)	5	3	2	0	149	124	+25	8	メインラウンド進出
2	ドイツ	5	3	1	1	142	111	+31	7^[注 1]
3	デンマーク	5	3	1	1	132	100	+32	7^[注 1]
4	フランス	5	2	1	2	137	100	+37	5
5	(ブラジル)	5	1	1	3	119	115	+4	3
6	(オーストラリア)	5	0	0	5	53	182	−129	0

出典:
順位の決定基準: 1)全試合での勝ち点; 2) 全試合での得失点差; 3)全試合での得点; 4) 当該チーム同士の対戦における勝ち点; 5) 当該チーム同士の対戦における得失点差6) 当該チーム同士の対戦における得点;7) 抽選
注釈:

1. ^ ^{a b} デンマーク 25–26 ドイツ

Group C

順	チーム	試	勝	分	敗	得	失	差	点	出場権
1	スペイン	5	5	0	0	159	103	+56	10	メインラウンド進出
2	(モンテネグロ)	5	4	0	1	137	123	+14	8
3	ルーマニア	5	3	0	2	121	129	−8	6
4	ハンガリー	5	2	0	3	145	117	+28	4
5	(セネガル)	5	1	0	4	119	137	−18	2
6	(カザフスタン)	5	0	0	5	92	164	−72	0

出典:
順位の決定基準: 1)全試合での勝ち点; 2) 全試合での得失点差; 3)全試合での得点; 4) 当該チーム同士の対戦における勝ち点; 5) 当該チーム同士の対戦における得失点差6) 当該チーム同士の対戦における得点;7) 抽選

Group D

順	チーム	試	勝	分	敗	得	失	差	点	出場権
1	ロシア	5	5	0	0	158	91	+67	10	メインラウンド進出
2	スウェーデン	5	4	0	1	144	114	+30	8
3	日本	5	3	0	2	136	121	+15	6
4	(アルゼンチン)	5	2	0	3	124	133	−9	4
5	(コンゴ民主共和国)	5	1	0	4	86	137	−51	2
6	(中国)	5	0	0	5	100	152	−52	0

出典:
順位の決定基準: 1)全試合での勝ち点; 2) 全試合での得失点差; 3)全試合での得点; 4) 当該チーム同士の対戦における勝ち点; 5) 当該チーム同士の対戦における得失点差6) 当該チーム同士の対戦における得点;7) 抽選

メインラウンド

Group I

順	チーム	試	勝	分	敗	得	失	差	点	出場権
1	ノルウェー	5	4	0	1	146	128	+18	8	準決勝進出
2	(オランダ)	5	3	0	2	153	136	+17	6
3	(セルビア)	5	2	1	2	139	151	−12	5^[注 1]	5位決定戦進出
4	ドイツ	5	2	1	2	135	136	−1	5^[注 1]	7位決定戦進出
5	デンマーク	5	1	2	2	123	124	−1	4
6	(韓国)	5	0	2	3	144	165	−21	2

出典: IHF
順位の決定基準: 1)全試合での勝ち点; 2) 全試合での得失点差; 3)全試合での得点; 4) 当該チーム同士の対戦における勝ち点; 5) 当該チーム同士の対戦における得失点差6) 当該チーム同士の対戦における得点;7) 抽選
注釈:

1. ^ ^{a b} ドイツ 28–29 セルビア

Group II

順	チーム	試	勝	分	敗	得	失	差	点	出場権
1	ロシア	5	5	0	0	161	117	+44	10	準決勝進出
2	スペイン	5	3	1	1	145	137	+8	7
3	(モンテネグロ)	5	3	0	2	137	137	0	6	5位決定戦進出
4	スウェーデン	5	2	1	2	141	132	+9	5	7位決定戦進出
5	日本 (H)	5	1	0	4	143	150	−7	2
6	ルーマニア	5	0	0	5	102	156	−54	0

出典: IHF
順位の決定基準: 1)全試合での勝ち点; 2) 全試合での得失点差; 3)全試合での得点; 4) 当該チーム同士の対戦における勝ち点; 5) 当該チーム同士の対戦における得失点差6) 当該チーム同士の対戦における得点;7) 抽選
(H) 開催地.

決勝ラウンド

トーナメント表

	準決勝				決勝
	12月13日
	ノルウェー	22
					12月15日
	スペイン	28
					スペイン	29
	12月13日
					(オランダ)	30
	ロシア	32
	(オランダ)	33
					3位決定戦
					12月15日
					ノルウェー	28
					ロシア	33

準決勝

2019年12月13日 17:30	ロシア	32–33	(オランダ)	パークドーム熊本, 東区 観客数: 4,240 主審: Bonaventura, Bonaventura (FRA)
	(Vyakhireva) 11	(16–16)	(Polman) 9
	3×  2×	Report	3×

---

2019年12月13日 20:30	ノルウェー	22–28	スペイン	パークドーム熊本, 東区 観客数: 4,261 主審: Alpaidze, Berezkina (RUS)
	(Aune) 5	(13–13)	(Cabral) 7
	3×  3×	Report	5×  2×

7位決定戦

2019年12月13日 14:30	ドイツ	24–35	スウェーデン	パークドーム熊本, 東区 観客数: 6,860 主審: García, Marín (ESP)
	(Stolle) 6	(13–18)	(Gulldén) 7
	2×  1×	Report	1×  1×

5位決定戦

2019年12月13日 11:30	(セルビア)	26–28	(モンテネグロ)	パークドーム熊本, 東区 観客数: 5,690 主審: Belkhiri, Hamidi (ALG)
	(Stoiljković) 6	(12–13)	(Raičević), (Ramusović) 4
	1×	Report	4×  3×

3位決定戦

2019年12月15日 17:30	ノルウェー	28–33	ロシア	パークドーム熊本, 東区 観客数: 8,664 主審: García, Marín (ESP)
	(Hegh Arntzen), (Oftedal) 7	(15–18)	(Vyakhireva) 9
	4×  1×	Report	4×

決勝

2019年12月15日 20:30	スペイン	29–30	(オランダ)	パークドーム熊本, 東区 観客数: 9,624 主審: Bonaventura, Bonaventura (FRA)
	(Cabral) 7	(13–16)	(Polman) 9
	1×  2×  1×	Report	3×  2×

最終順位

Rank Team 1     (オランダ) 2     スペイン 3     ロシア 4   ノルウェー 5   (モンテネグロ) 6   (セルビア) 7   スウェーデン 8   ドイツ 9   デンマーク 10   日本^[A] 11   (韓国) 12   ルーマニア 13   フランス 14   ハンガリー 15   (アンゴラ) 16   (アルゼンチン) 17   (ブラジル) 18   (セネガル) 19   (スロベニア) 20   (コンゴ民主共和国) 21   (キューバ) 22   (カザフスタン) 23   (中国) 24   (オーストラリア) 東京五輪出場権 五輪出場権獲得済 五輪最終予選出場権 五輪最終予選出場の可能性

2019 Women's World Champions   オランダ 初優勝 Team roster: (Jessy Kramer), (Laura van der Heijden), (Debbie Bont), (Lois Abbingh), (Larissa Nusser), (Danick Snelder), (Bo van Wetering), (Delaila Amega), (Kelly Dulfer), (Merel Freriks), (Inger Smits), (Martine Smeets), (Angela Malestein), (Rinka Duijndam), (Tess Wester), (Dione Housheer), (Estavana Polman). Head Coach: (Emmanuel Mayonnade). オールスターチーム オールスターチームは12月15日に発表された^[10]。 Position Player 最優秀選手   (Estavana Polman) (NED) ゴールキーパー   (Tess Wester) (NED) ライトウイング   (Jovanka Radičević) (MNE) ライトバック   (Anna Vyakhireva) (RUS) センターバック   (Estavana Polman) (NED) レフトバック   (Alexandrina Cabral) (ESP) レフトウイング   (Camilla Herrem) (NOR) ピボット   (Linn Blohm) (SWE)

脚注

[脚注の使い方]

1. ^ Japan directly qualified as the host of Olympics.

1. ^ 県内4〜5会場で12月 2019年世界ハンド 熊本日日新聞 (2013年10月29日)
2. ^ 内訳は前回大会優勝国大陸枠1、前回大会実績枠8。
3. ^ “Teams”. 24th IHF Women's Handball World Championship 2019. 2018年12月8日閲覧。
4. ^ ヨーロッパ・ニュース Vol.224 一般社団法人日本トップリーグ連携機構 (2013年11月5日)
5. ^ 2019 女子ハンドボール世界選手権大会の会場地を選定しました! 熊本県 (2016年9月7日)
6. ^ 世界女子ハンド 国際連盟が八代会場に難色 熊本日日新聞 (2018年3月7日)
7. ^ 世界女子ハンド 八代開催、国際連盟認める 県立総合体育館を追加５会場の見通 熊本日日新聞 (2018年4月18日)
8. ^ 第24回女子ハンドボール世界選手権大会の組合せ抽選会の概要が発表されました。 2019女子ハンドボール世界選手権大会 (2019年1月11日)
9. ^ “2019 IHF Women’s World Championship draw”. ihf.info. 2019年6月19日閲覧。^[]
10. ^ “Japan 2019 All-star Team”. ihf.info. 2019年12月15日閲覧。

外部リンク

• 公式ウェブサイト