阿部 翔太(あべ しょうた、1992年11月3日[2] - )は、大阪府大阪市大正区出身[3]のプロ野球選手(投手)。右投左打。オリックス・バファローズ所属。
経歴
プロ入り前
大阪府大阪市大正区の出身であり、大阪ドームから歩いて10分とかからない場所に実家がある[4]。
大阪市立中泉尾小学校で軟式野球を始め、大阪市立大正東中学校時代に所属していた大正シニアでは捕手であった[5]。
高校は山形県の酒田南高等学校に進学。2年時には夏の甲子園に出場し、1回戦の関西学院高等部戦では7番・捕手としてスタメン出場して1安打を放ったが、チームは敗退した[6]。その後も3年春までは捕手をしていたが、2学年下で下妻貴寛が捕手として入部してきたこともあり、投手にコンバートした[3]。
進学した成美大学(現:福知山公立大学)では1年から抑えとして登板していたが、2年秋に右肘を故障。戦線離脱は1年間に及んだが、3年秋に復帰し、4年時には主将も務めた[7]。
日本生命では入社1年目に右肩痛を発症するが、復帰後は長年エース格を担い、都市対抗野球大会、日本選手権大会にはそれぞれ4回出場している。また2019年には第29回BFAアジア選手権代表にも選出されている。小林慶祐とは同期入社であり、小林がプロ入りする前年の入社2年目までは共にプレーしていた[8]。
2020年10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議においてオリックス・バファローズから6巡目で指名を受け、12月3日に契約金2500万円、年俸880万円(金額は推定)で仮契約を結んだ[9]。28歳での入団はこの年のドラフト全指名選手の中で最高齢であり、オリックス・バファローズとしても2002年11巡目の牧田勝吾を超える球団新人最年長となる[4]。12月19日、入団発表会見が行われた[10]。背番号は45。
オリックス時代
2021年は開幕を二軍で迎えるも、ウエスタン・リーグでは7試合の登板で防御率3.00を記録し[11]、4月28日に出場選手登録となり[12]、同30日の福岡ソフトバンクホークス戦でプロ初登板を果たした[13]。ただ、5月7日の千葉ロッテマリーンズ戦で右肩を痛めてしまい[14]、翌8日に出場選手登録を抹消されて[15]以降の一軍登板は無く[14]、二軍でも3試合(シーズン全体では10試合[16])に登板したのみであった。ルーキーイヤーは一軍で4試合に登板して防御率7.36という成績に終わり[17]、オフに50万円減となる推定年俸830万円で契約を更改した[18]。
2022年も開幕を二軍で迎え、4月8日に特例2022の代替指名選手として一軍に昇格するも[19]、同18日に出場選手登録を抹消された[20]。4月20日に特例2022で10日を待たずに再登録され[21]、同27日の北海道日本ハムファイターズ戦では無死満塁を切り抜ける好救援を見せたものの[22]、同日に実施したスクリーニング検査で、無症状ながら新型コロナウイルス陽性が判明し、翌4月28日に特例2022で登録抹消となった[23]。5月15日に一軍復帰を果たすと[24]、7月12日のソフトバンク戦で失点を喫するまで[25]、開幕から19試合連続無失点を記録[26]。同29日のロッテ戦でプロ初勝利を挙げたが[27]、8月10日に体調不良で特例2022により登録抹消となった[28]。幸い大事には至らず、同12日に一軍復帰を果たすと[29]、9月以降はコンディション不良の平野佳寿に代わって抑えを務め[30]、9月2日のロッテ戦でプロ初セーブ[31]。後半戦は20試合連続無失点を継続して[26]レギュラーシーズンを終え、この年は44試合の登板で1勝0敗22ホールド3セーブ・防御率0.61と好成績を収め[32]、チームのリーグ連覇に貢献[26]。ソフトバンクとのCSファイナルステージでも抑えを務め[33]、東京ヤクルトスワローズとの日本シリーズでは第2戦の9回裏に同点の3ランホームランを打たれたものの[34]、その後は立ち直り[35]、チーム26年ぶりの日本一にも貢献した[32]。オフの11月25日に開催されたNPB AWARDS 2022の新人王投票ではリーグ2位の58票を集め[36]、12月7日の契約更改交渉では3170万円増となる推定年俸4000万円でサインした[32]。
選手としての特徴・人物
詳細情報
年度別投手成績
年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | オリックス | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 16 | 3.2 | 4 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 | 3 | 7.36 | 1.36 |
2022 | 44 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 22 | 1.000 | 166 | 44.0 | 22 | 1 | 10 | 2 | 2 | 42 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.61 | 0.73 | |
通算:2年 | 48 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 22 | 1.000 | 182 | 47.2 | 26 | 2 | 11 | 2 | 2 | 45 | 0 | 0 | 6 | 6 | 1.13 | 0.78 |
- 2022年度シーズン終了時
年度別守備成績
- 2022年度シーズン終了時
記録
- 初記録
- 初登板:2021年4月30日、対福岡ソフトバンクホークス7回戦(京セラドーム大阪)、8回表二死に3番手で救援登板、1/3回を無失点
- 初奪三振:2021年5月4日、対埼玉西武ライオンズ8回戦(メットライフドーム)、6回表に3番手で救援登板、中村剛也から空振り三振
- 初ホールド:2022年4月27日、対北海道日本ハムファイターズ5回戦(東京ドーム)、7回裏無死に2番手で救援登板、1回無失点
- 初勝利:2022年7月29日、対千葉ロッテマリーンズ16回戦(ZOZOマリンスタジアム)、11回裏に7番手で救援登板、1回無失点
- 初セーブ:2022年9月2日、対千葉ロッテマリーンズ20回戦(ZOZOマリンスタジアム)、9回裏に3番手で救援登板・完了、1回無失点
背番号
- 45(2021年 - )
登場曲
代表歴
- 2019年 第29回BFAアジア選手権
脚注
- ^ “オリックス - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年12月7日閲覧。
- ^ “45 阿部 翔太選手名鑑2021|オリックス・バファローズ”. オリックス・バファローズ オフィシャルサイト. 2021年2月15日閲覧。
- ^ a b “野球 - 日本生命の阿部翔太、オリックス入りのオールドルーキーが挑む最後の都市対抗”. 4years. (2020年11月22日). 2021年2月15日閲覧。
- ^ a b “「おっさんルーキー」オリックス・阿部、大正区凱旋!実家は京セラDから歩いて10分”. サンスポ.com (2020年12月20日). 2021年2月24日閲覧。
- ^ “オリックス ドラ6阿部 球団史上最年長ルーキー「困った時にいる、というピッチャーに」”. スポニチ Sponichi Annex (2020年12月20日). 2021年2月24日閲覧。
- ^ “夏の甲子園スコア速報 関西学院 対 酒田南”. 日刊スポーツ (2009年8月12日). 2021年2月24日閲覧。
- ^ “成美大で磨いた右腕 日本生命・阿部投手、オリックスのドラフト指名「とても光栄」”. 両丹日日新聞 (2020年10月27日). 2021年2月24日閲覧。
- ^ “日本生命・阿部「何とか取り返したい」7回零封で前回の雪辱 親友のオリ小林が刺激に”. スポニチ Sponichi Annex (2019年5月29日). 2021年7月11日閲覧。
- ^ “【オリックス】ドラフト6位指名の日本生命・阿部翔太「家族を幸せにしたい。それが原動力」…仮契約”. スポーツ報知. (2020年12月3日) 2021年2月15日閲覧。
- ^ “2019/12/19(土) チーム 新人選手入団発表記者会見”. オリックス・バファローズオフィシャルサイト (2020年12月19日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ “【オリックス】ドラフト6位ルーキー・阿部翔太が1軍初合流”. スポーツ報知. (2021年4月28日) 2021年5月1日閲覧。
- ^ “【28日の公示】巨人新助っ人テームズが抹消”. Sponichi Annex (2021-0428). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “オリックス28歳新人阿部が初登板、サヨナラ勢いづけるワンポイント救援”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年4月30日) 2021年5月1日閲覧。
- ^ a b “「今年ダメならクビ」…1年目を肩痛で棒に振ったオールドルーキー・阿部翔太の不退転の決意”. BASEBALL KING (2022年6月24日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “【8日の公示】ソフトB・高橋純を抹消、長谷川を登録”. Sponichi Annex (2021年5月8日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “2021年度 オリックス・バファローズ 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2023年3月12日閲覧。
- ^ “2021年度 オリックス・バファローズ 個人投手成績(パシフィック・リーグ)”. 日本野球機構. 2023年3月12日閲覧。
- ^ “12月6日の契約更改”. Sponichi Annex (2021年12月6日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “【8日の公示】オリックス宗、頓宮らコロナ陽性「特例2022」で抹消”. Sponichi Annex (2022年4月8日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “【18日の公示】ヤクルト・高橋、巨人・山口、広岡、ウィーラーら登録抹消”. Sponichi Annex (2022年4月18日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “【20日の公示】コロナから復帰のDeNA牧、戸柱らを登録”. Sponichi Annex (2022年4月20日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “オリックス・阿部 無死満塁から好救援 「開き直っていけた部分は大きかった」”. Sponichi Annex (2022年4月28日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “オリックス・阿部、山足ら3人コロナ陽性判定 いずれも無症状で隔離療養”. Sponichi Annex (2022年4月29日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “【15日の公示】DeNA宮崎を登録 巨人、菊地・広岡を抹消”. Sponichi Annex (2022年5月15日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “2022年7月12日 【公式戦】 試合結果 (福岡ソフトバンクvsオリックス)”. 日本野球機構. 2023年3月12日閲覧。
- ^ a b c “最年長新人王候補が目指す日本一 フル回転を誓うオリックス・阿部翔太”. BASEBALL KING (2022年10月11日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “オリックスが3連勝! 阿部がプロ初勝利”. サンスポ (2022年7月29日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “【オリックス】阿部翔太と安達了一、体調不良で登録抹消 ともに発熱なし 特例2022”. スポーツ報知 (2022年8月10日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “【12日の公示】西武・内海を登録 中日・大島、DeNA・オースティンら特例2022で抹消”. Sponichi Annex (2022年8月12日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “オリックス・阿部 将来の守護神へ巨人・大勢から学んだ 合同自主トレで「いろいろ聞きました」”. Sponichi Annex (2022年12月27日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “オリックス2年目の阿部翔太、臨時の抑えで初セーブ 9回ピンチしのぎ派手にガッツポーズ”. 日刊スポーツ (2022年9月3日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ a b c “【オリックス】阿部翔太、超大幅3170万円増の4000万円でサイン 日本一への貢献評価「ありがたいな」”. 中日スポーツ (2022年12月7日). 2022年12月7日閲覧。
- ^ “オリックス・阿部 リーグVに続き再び胴上げ投手に「ゼロに抑えたのが勝利につながった」”. Sponichi Annex (2022年10月16日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “痛恨ドローのオリ・中嶋監督「う~ん、これがシリーズ」 同点被弾の阿部に「このままでは終われないと」”. Sponichi Annex (2022年10月23日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ ““雪辱登板”で吠えた!!オリックス・阿部 ピンチで山田斬り 1回1/3を無失点”. Sponichi Annex (2022年10月27日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “新人王は西武・水上と巨人・大勢が受賞 阪神の湯浅は新人特別賞に選出”. BASEBALL KING (2022年11月25日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “2020年度ドラフト会議 契約交渉権獲得選手|オリックス・バファローズ”. オリックス・バファローズ オフィシャルサイト. 2022年6月16日閲覧。
- ^ “打者崩れ落ちた「キレエグすぎない!?」 止まらぬバット「変化するのめっちゃ遅い」”. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2022年6月16日). 2022年6月16日閲覧。
- ^ “【オリックス】ドラ6阿部翔太、中嶋監督の熱視線に「力入った」ドラ4中川颯と新人ブルペン一番乗り”. スポーツ報知 (2021年2月2日). 2022年6月16日閲覧。
- ^ “オリックス ドラ6・阿部に指名あいさつ、28歳“オールドルーキー”同期高卒らに「無礼講」呼びかけ - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年6月16日閲覧。
- ^ “オリックス ドラ6・阿部に指名あいさつ、28歳“オールドルーキー”同期高卒らに「無礼講」呼びかけ - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年6月16日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 個人年度別成績 阿部翔太 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 45 阿部 翔太 選手名鑑 - オリックス・バファローズオフィシャルサイト
- 阿部翔太 (@Sh0Ta45) - Twitter