『都会交響楽』(とかいこうきょうがく)は、1929年(昭和4年)製作・公開、溝口健二監督による日本の長篇劇映画である。サイレント映画であり、(傾向映画)とされる[1]。日本映画データベースでの「都会交響曲」の表記[2]は誤り。
略歴・概要
本作に先行し、1927年(昭和2年)にドイツで製作・公開された純粋映画とされるサイレント映画『(伯林 大都会交響楽)』[3](原題 : Berlin: Die Sinfonie der Großstadt、ヴァルター・ルットマン監督)が日本で公開された、1928年(昭和3年)9月14日から1年後に製作・公開された作品である。
新感覚派からプロレタリア文学に転向したばかりの片岡鉄兵[4]、モダニズム文学の作家浅原六朗[5]、当時はプロレタリア作家であった林房雄[6]、新興芸術派の作家岡田三郎[7]の4人の小説家が原作として名を連ねている[2]。岡田は共同脚本にも参加している[2]。
1929年(昭和4年)11月29日に公開されたが、公開にあたって、検閲により多くの箇所が削除された[8]。
本作の上映用プリントは、東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されておらず[9]、マツダ映画社も所蔵していない[10]。現状、観賞することの不可能な作品である。
スタッフ・作品データ
キャスト
註
- ^ 無声映画人物録、マツダ映画社、2010年1月8日閲覧。
- ^ a b c 都会交響曲、日本映画データベース、2010年1月8日閲覧。
- ^ 伯林 大都会交響楽、キネマ旬報映画データベース、2010年1月8日閲覧。
- ^ 片岡鉄兵、『講談社 日本人名大辞典』、講談社、コトバンク、2010年1月8日閲覧。
- ^ 浅原六朗、『講談社 日本人名大辞典』、講談社、コトバンク、2010年1月8日閲覧。
- ^ 林房雄、『講談社 日本人名大辞典』、講談社、コトバンク、2010年1月8日閲覧。
- ^ 岡田三郎、『講談社 日本人名大辞典』、講談社、コトバンク、2010年1月8日閲覧。
- ^ 『日本映画検閲史』、牧野守、パンドラ / 現代書館、2003年 (ISBN 476847814X)
- ^ 所蔵映画フィルム検索システム、東京国立近代美術館フィルムセンター、2010年1月8日閲覧。
- ^ 主な所蔵リスト 劇映画=邦画篇、マツダ映画社、2010年1月8日閲覧。
- ^ Film Calculator換算結果、コダック、2010年1月8日閲覧。
外部リンク
- 都会交響曲 - 日本映画データベース(題名のみ誤字)
- 都会交響楽 - IMDb(英語)