「迷信」 (Superstition) は、アメリカのシンガーソングライター、スティーヴィー・ワンダーの楽曲。彼が22歳の頃のアルバム『トーキング・ブック』に収録され、多くの国でシングル・カットされた。全米シングルチャートでは1位を[1][2]、全英シングルチャートで11位を記録[3]。「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」(2021年版)では12位にランクインしている[4]。
「迷信」 | |
---|---|
スティーヴィー・ワンダー の シングル | |
初出アルバム『トーキング・ブック』 | |
リリース | |
録音 | 1972年 |
ジャンル | R&B、ソウル、ファンク |
時間 | |
レーベル | モータウン |
作詞・作曲 | スティーヴィー・ワンダー |
プロデュース | スティーヴィー・ワンダー マルコム・セシル ロバート・マーゴレフ |
チャート最高順位 | |
| |
スティーヴィー・ワンダー 年表 | |
解説
スティーヴィーは、アルバム『トーキング・ブック』のセッションに参加したジェフ・ベックへ、返礼のためにこの曲を書いた[5]。しかし、スティーヴィーのマネージャーが反対したことにより、スティーヴィー自身が先にレコーディングしてリリースした。そのお詫びとして、1975年のジェフ・ベックの『ブロウ・バイ・ブロウ』に「哀しみの恋人達」を提供している。なお、ベック自身の演奏によるバージョンは、の(1973年発売)に収録された。
当時はモータウン・ポップからの脱却を模索していた。実際、この2作前のアルバムから顕著で、特に『トーキング・ブック』は、一般的に彼の新しい音楽スタイルが認められた。
この曲は、いくつかの迷信に言及してそれを否定している歌詞である[6]。
この曲はドラム・ビートから始まるが、これはスティーヴィー自身が演奏しており、楽曲中の至るところでバスドラムが目立つように構成されている。続いて、この曲のリフがクラビネットにより入ってくる(ベック・ボガート & アピスのバージョンでは、ギターによって演奏されている)。また、この曲はトントズ・イクスパンディング・ヘッド・バンドの(マルコム・セシル)(Malcolm Cecil)と(ロバート・マーゴレフ)(Robert Margouleff)がモーグ・シンセサイザーでゲスト参加している[6]。
スティーヴィーが、1972年に子供向けテレビ番組『セサミ・ストリート』でこの曲を演奏した際には、チャック・マンジョーネがトランペットで参加した[7]。
カヴァー・ヴァージョン
この楽曲は、様々なアーティストにカヴァーされている。以下に、主なものを記述する。
- - アルバム『』に収録[8]。
- スティーヴィー・レイ・ヴォーン - アルバム『ライヴアライヴ』に収録[9]。シングルカットされ、ビルボード・メインストリーム・ロック・チャートで11位を記録している[10]。
- クインシー・ジョーンズ - アルバム『You've Got It Bad, Girl』に収録。スティーヴィー、ビル・ウィザース、ビリー・プレストンが演奏[11]。
- アリシア・キーズ - 楽曲「カルマ」(Karma)のリミックスで、そのまま使用されている。
- コブクロ - 2010年発表のアルバム『ALL COVERS BEST』にこの曲のカバーを収録[12]。
脚注
- ^ Dean, Maury (2003). Rock N' Roll Gold Rush. Algora. p. 276. ISBN (0-87586-207-1)
- ^ FM Fan編集部『ミュージック・データ・ブック 1955年-95年ビルボード年間チャート完全収録』共同通信社、1996年。ISBN (978-4-7641-0367-2)。
- ^ “ChartArchive - Stevie Wonder - Superstition”. 2012年6月28日閲覧。
- ^ “The 500 Greatest Songs of All Time” (英語). Rolling Stone (2021年9月15日). 2021年12月21日閲覧。
- ^ “Superstition: Stevie Wonder”. Rolling Stone (2004年12月9日). 2010年2月28日閲覧。
- ^ a b 英「MOJO」誌編・著、中山啓子・訳『ロック不滅の100曲』廣済堂出版、1999年。ISBN (4-331-50696-7)。
- ^ “Sunday Cinema”. JamBase (2013年8月4日). 2015年6月28日閲覧。
- ^ “Beck Bogert & Appice - Beck, Bogert & Appice : AllMusic”. allmusic. 2012年6月29日閲覧。
- ^ Huey, Steve. “Live Alive - Stevie Ray Vaughan / Stevie Ray Vaughan & Double Trouble”. allmusic. 2015年6月28日閲覧。
- ^ “Live Alive - Stevie Ray Vaughan / Stevie Ray Vaughan & Double Trouble - Awards”. allmusic. 2015年6月28日閲覧。
- ^ “You've Got It Bad Girl - Quincy Jones : AllMusic”. allmusic. 2012年6月29日閲覧。
- ^ “コブクロ「ALL COVERS BEST(完全生産限定盤A)」”. Warner Music Japan. 2013年8月10日閲覧。
関連項目
先代 カーリー・サイモン 「うつろな愛」 | Billboard Hot 100 ナンバーワンシングル 1973年1月27日(1週) | 次代 エルトン・ジョン 「クロコダイル・ロック」 |
先代 ビリー・ポール 「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」 | Best Selling Soul Singles ナンバーワンシングル 1973年1月6日 - 1月20日(3週) | 次代 ティミー・トーマス 「かなわぬ想い」 |